JPH0610286Y2 - 二重偏心型油圧回転アクチユエ−タを用いた交番荷重発生装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 考案の目的 （産業上の利用分野） この考案は二重偏心型油圧回転アクチュエータを用いた
交番荷重発生装置に係り、試験体や駆動部等へ交番荷重
を与えて疲労耐久試験をする場合に適用されるものであ
る。

（従来の技術） 動力循環型ループ内に油圧回転アクチュエータを介装し
た試験装置として実願昭５７−１３７６７３号が知られ
ている。

（考案が解決しようとする問題点） この出願の考案は供試体の摩耗や変形等に対し油圧アク
チュエータを追従させてトルク値の変動を無くし、試験
装置の運転中でもトルク値の設定及びプログラミングを
容易に行えるようにしたもので、交番荷重には適用でき
ない。

本考案は交番荷重を発生する装置において、駆動中に偏
心ストロークを連続して変えられ、偏心を可変にしても
回転一次バランスを容易に平衡させることができるよう
にしたものである。

ロ 考案の構成 （問題点を解決するための手段） 本考案は回転ヘッド内に二重偏心型クランクピンを備え
た油圧回転アクチュエータを設け、このクランクピンを
コネクチングロッドを介して交番荷重の供給側に連結し
たことを特徴とする。

（作用） 回転ヘッドを回転中に油圧回転アクチュエータに油圧を
送ってクランクピンを偏心させると、その偏心量に応じ
た交番荷重をコネクチングロッドを介して試験体等の対
象物へ与えることができる。

（実施例） １は回転ヘッド、２はこのヘッド１内に設けられた油圧
回転アクチュエータで、二重偏心型のクランクピン３を
備えている。そして、このクランクピン３はコネクチン
グロッド４を介して交番荷重の供給側５に連結される。
この供給側５は、図示のように、試験体Ｔを掴むチャッ
クの場合もあり、またその他の駆動部の場合もある。

この油圧回転アクチュエータは、駆動軸２１に設けられ
てこれと共に回転する外筒２２、この外筒内の偏心した
円形の油圧室２３、この油圧室に回転できるように装入
された偏心内筒２４、この内筒の中心から偏心した側面
から外筒２２の外方へ突出した前記のクランクピン３を
有している。そして内筒２４はその回転角度を、自身の
外面から直径方向へ突出した翼２５ａと２５ｂ、及び油
圧室２３の内面から直径方向へ突出した翼２６ａと２６
ｂにより、規制されている。その結果、油圧室２３は左
右の室部分２３ａと２３ｂに仕切られ、室部分２３ａは
駆動軸２１に穿たれた油路２７ａ、回転油圧ジョイント
２８の油路２９ａ及びこれに通じる油路３０ａを通って
油圧サーボ弁３１に連通し、ポンプ３２を経てタンク３
３に至る。また室部分２３ｂは同様に油路２７ｂ、２９
ｂ及び３０ｂを通り、油圧サーボ弁３１を経てタンク３
３に連通する。そして両油路３０ａ及び３０ｂが共通の
差圧計３４に導結される。

駆動軸２１は回転駆動装置３５よりこの軸２１に取り付
けた駆動プーリー３６を駆動することによって回転す
る。

なお図面で、４１は上チャック、４２は荷重検出器、４
３は作動荷重の中立点を可変設置させる油圧シリンダで
ある。

図示の装置で、室部分２３ａと２３ｂに等しい油圧を与
えておき、駆動軸２１を回転すると、クランクピン３の
偏心量に応じたコネクチングロッド４の上下方向の交番
運動を供給側５に与える。

ここで油圧ポンプ３２を駆動して室部分２３ａと２３ｂ
に差圧を与えると、偏心内筒２４が何れかの方向へ回転
し、クランクピン３の外筒２２に対する偏心量が変化す
る。そのため、この偏心量に応じた交番荷重をコネクチ
ングロッド４及び供給側５を介して試験体等の対象物へ
与えることができる。

ハ 考案の効果 本考案によれば、ヘッドの回転中に差圧量を変化させる
ことにより、駆動中に偏心ストロークを連続的に変える
ことができ、従って種々の交番荷重を対象物に与えるこ
とができ、油圧サーボ弁により容易に交番荷重のプログ
ラム制御を行うことができ、偏心を可変にしても回転一
次バランスを容易に自動平衡させることができるので、
振動等を発生しない等、種々の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る交番荷重発生装置の具体例を示す
一部切欠側面図、第２図は同第１図の右側面図で同じく
一部を切欠して示す。 １……回転ヘッド、２……油圧回転アクチュエータ、３
……クランクピン、４……コネクチングロッド、５……
供給側、２１……駆動軸、２２……外筒、２３……油圧
室、２３ａ、２３ｂ……室部分、２４……偏心内筒、２
５ａ、２５ｂ……翼、２６ａ、２６ｂ……翼、２７ａ、
２７ｂ……油路、２８……回転油圧ジョイント、２９
ａ、２９ｂ……油路、３０ａ、３０ｂ……油路、３１…
…油圧サーボ弁、３２……ポンプ、３３……タンク、３
４……差圧計、３５……回転駆動装置、３６……駆動プ
ーリー。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】回転ヘッド内に二重偏心型クランクピンを
   備えた油圧回転アクチュエータを設け、このクランクピ
   ンをコネクチングロッドを介して交番荷重の供給側に連
   結した二重偏心型油圧回転アクチュエータを用いた交番
   荷重発生装置。
2. 【請求項２】該回転アクチュエータは駆動軸に設けられ
   て回転する外筒、この外筒内の偏心した円形の油圧室、
   この油圧室に回転できるように装入されその回転角度を
   自身外面とこの油圧室内面の翼により規制された偏心内
   筒と、この内筒の回転の中心から偏心した側面から外筒
   の外方へ突出したクランクピンを有し、この油圧室の該
   翼で仕切られた各別の室部分が油圧源に連通している実
   用新案登録請求の範囲第（１）項記載の二重偏心型油圧
   回転アクチュエータを用いた交番荷重発生装置。