JPH0595391A - 無線電話機の音声制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 無線式電話機で、環境騒音に影響を受けない
通話を実現したい。 【構成】 無線式電話機の送話用マイクの背面位置に、
騒音レベル検出マイクを設置し、両マイクの差分をと
り、この差分出力を送話音声として送出する。更に、送
話及び受話用の可変利得アンプの利得を、騒音検出マイ
クの出力によって環境騒音の影響を受けない通話を可能
とするように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コードレス電話機等の
無線電話機の音声制御装置、特に使用環境騒音レベルを
考慮した無線電話機の音声制御装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】無線電話機は、固定形電話機に比べて使
用場所が任意である点で、使用者にとって、便利であ
る。しかし、使用場所が任意であるが故に、固定形に比
べて外部騒音の影響を受けやすく、通話に神経を使うこ
とが多い。こうした目的を達成するための従来の無線電
話機での音量制御とは、その電話機に付加した音量切り
換えスィッチの切り換えによって行っている。音量切り
換えスィッチは、連続的切り換え、離散的切り換えのい
ずれも存在するが、いずれにしろ、通話者自体の判断に
基づいて、通話者の手作業によりスィッチ切り換えを行
うことになる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、音量切り換え
スィッチを使ったとしても、送話音量（送話マイクアン
プの利得）は一定であるため、環境騒音が大きい場所に
おいては通話の相手側に対してこちらの音声Ｓ／Ｎ比が
低下して明瞭度が損なわれる。また、環境騒音の大きい
場所で通話を行う場合、扱者は相手側へ自分の音声が伝
わり難いと思い、つい大声で送話してしまう。無線電話
機においては、使用する電波の側帯波が広がり過ぎない
よう、または振幅が過変調にならないように、リミッタ
ー回路が設けられている。従って大声で送話した場合は
リミッターが掛かって音声の波形が歪み、明瞭度が低下
してしまう。このような場合、送話マイクアンプの自動
利得制御を行うわけであるが、通常の方式では送話マイ
クから入った信号を検波・増幅して利得制御をすること
が多い。従って送話音声の有無により制御レベルが変動
し相手側の受話レベルもこれに連動し不自然に聞こえ
る。

【０００４】本発明の目的は、環境騒音が大きい場所に
おいても明瞭な通話を維持することのできる無線電話機
の音声制御装置を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、送話マイクと
異なる位置に騒音レベル検出マイクを設置し、送話マイ
クと騒音レベル検出マイクとの差分を送話出力とせしめ
るようにした（請求項１）。

【０００６】更に本発明は、騒音レベル検出マイクを送
話マイクの背面位置に設定した（請求項２）。

【０００７】更に本発明は、騒音レベル検出マイク出力
で、送話用の可変利得アンプ、受話用の可変利得アンプ
の利得を制御することとした（請求項３）。

【０００８】

【作用】本発明によれば、送話マイクに混入した騒音と
騒音レベル検出マイクに混入した騒音とが差分により相
殺される（請求項１）。

【０００９】更に本発明によれば、送話マイクの背面位
置に騒音レベル検出マイクを設置したが故に、通話音声
の混入は少なく、且つ騒音だけは同様に混入する騒音レ
ベル検出マイクとなり、音声から騒音除去に好適である
（請求項２）。

【００１０】更に本発明によれば、送話用及び受話用の
可変利得アンプの利得を騒音の大きさに従って変更させ
ている故に、騒音からは実質的に影響を受けない通話が
可能になる（請求項３）。

【００１１】

【実施例】図１（イ）〜（ハ）は、本発明の無線電話機
の実施例図である。図１（イ）は正面図、図１（ロ）は
側面図、図１（ハ）は背面図である。無線電話機１に
は、受話用レシーバ２、送話用マイク３、押ボタン６、
アンテナ５が設けられているが本実施例では、送話用マ
イク３の背面位置に騒音レベル検出用マイク４を設置し
た点に特徴を持つ。このマイク４は送話用マイク３と同
等の性能でもよいが、騒音のみの検出を目的としている
故に、性能的に劣ったものであってもよい。

【００１２】この背面に設置した理由は、通話者の音声
は届きにくいが、騒音は送話用マイク３と同様に共通に
検出可能なためである。ここで騒音とは、通話者自身か
らのものではなく、周囲空間に存在する比較的指向性の
少ない環境騒音を指す。

【００１３】図２は電話機内の電気回路の実施例図であ
る。本実施例は、プリアンプ１０、１１、差分器１２、
検波器１３、アンプ１４、可変利得アンプ１５、１６、
レシーバアンプ１７、及びマイク３、４、レシーバ２よ
り成る。プリアンプ１０、１１はマイク３、４の検出音
声の振幅が微小なためのアンプであり、この出力が差分
器１２に入って、両者の差分出力を得る。差分をとるこ
とによって、マイク３、４に共通に入る騒音は相殺され
る。この差分出力は、可変利得アンプ１５へと入力する
が、本実施例では、この利得を、検波器１３、アンプ１
４で得た騒音信号によって、騒音信号大であれば、小と
し、騒音信号小であれば大とするように制御を行う。こ
れによって、騒音に影響されない送話音声出力が得ら
れ、無線機用変調回路へと送られ送出される。

【００１４】更に、受信側の可変利得アンプ１６の利得
は、送話とは逆に騒音大であれば利得大、騒音小であれ
ば利得小となるように制御する。かくして、受信音声
も、騒音に影響されない明瞭な音声となり、識別しやす
くなる。以上の利得制御の考え方を図３に示している。

【００１５】尚、背面に設置したマイク４にも通話者の
音声が入力することが考えられ、従って、差分器１２の
差分出力も本来の音声レベルよりも若干低いものとなる
恐れがある。こうした場合は、可変利得アンプ１５の利
得制御を、可変利得アンプ１６の利得制御に比べて大き
くするようにすればよい。更に、マイク４の設置位置
は、送話用マイク３に近く且つ送話音声が入力しにくい
位置であれば、背面に限らない。また、送話音声を入力
しにくいような構成としてもよい。

【００１６】

【発明の効果】本発明によれば、環境騒音に対して、送
話も受話も、その騒音から影響の受けにくい無線式電話
機を得ることができた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の無線式電話機の実施例図である。

【図２】本発明の電気回路の実施例図である。

【図３】本発明の可変利得制御の考え方を示す図であ
る。

【符号の説明】

１ 無線式電話機 ２ 受話用レシーバ ３ 送話用マイク ４ 騒音レベル検出用マイク ５ 差分器（減算器） １５、１６ 可変利得アンプ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 無線電話機の送話用マイクの設置位置と
   異なる位置に設置した騒音レベル検出用マイクと、上記
   送話用マイク出力と騒音レベル検出用マイク出力との差
   分をとる差分手段と、該差分を送話出力として取り込み
   無線出力する送信手段と、より成る無線電話機の音声制
   御装置。
2. 【請求項２】 上記騒音レベル検出用マイクの設置位置
   は、送話用マイクの設置位置のの背面側とする請求項１
   の無線電話機の音声制御装置。
3. 【請求項３】 無線電話機の送話用マイクの設置位置の
   背面側に設置した騒音レベル検出用マイクと、上記送話
   用マイク出力と騒音レベル検出用マイク出力との差分を
   とる差分手段と、該差分出力を入力する第１の可変利得
   アンプと、該第１の可変利得アンプ出力を無線送信する
   送信手段と、相手側からの無線による受話無線入力を取
   り込む第２の可変利得アンプと、該第２の可変利得アン
   プ出力を受話するレシーバと、上記騒音レベル検出用マ
   イク出力が大のときには第１の可変利得アンプの利得を
   小さくし、第２の可変利得アンプの利得を大きくし、小
   のときには第１の可変利得アンプの利得を大きくし第２
   の可変利得アンプの利得を小さくするように、上記第
   １、第２の可変利得アンプの利得制御を行う手段と、よ
   り成る無線電話機の音声制御装置。