JPH059111Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、イオン交換樹脂を充填した過層を
介して水中の不純物を除去する水過装置に関す
るものである。

［従来の技術］ イオン交換樹脂を充填した過層を介して水中
の不純物を除去する水過装置は従来、公知であ
る。例えば、実開昭60−74789号公報においては、
繊維状のイオン交換樹脂を充填した過層を介し
て水中の不純物を除去する水過装置が開示され
ている。

［考案が解決しようとする問題点］ しかし、この公知の水過装置は、径の異なる
一対の多孔筒体を二重管状に密閉構造状の処理室
内に同心的に装着すると共に両筒体間に繊維状の
イオン交換樹脂を充填して過層を形成し、かつ
処理室の側壁に開口されている供給口から供給さ
れる被処理水を、大径の多孔筒体側から小径の多
孔筒体側へと通過させて過すると共にその過
水を小径の多孔筒体内に流入させてこれを処理室
の底壁に開口されている排出口から処理室外へ排
水し得るように構成、すなわち、処理室内に多孔
筒体式の過層を一つ形成する型式に構成するも
のであるから、過面積（過層の表面積）を大
きくしようとすると処理室も大型になつて経済的
に不利であつた。

そこで、複数の過層を形成することにより、
このような欠点を解消しようとすることが試みら
れていたが、複数の過層を形成するようにする
と、過層形成部へイオン交換樹脂を充填したり
あるいは過層形成部から過能の低下したイオ
ン交換樹脂を取り出したりすること等が困難にな
るという解決しなければならない問題があつた。

本考案は、このようなことに着目し、これを解
決すべく各方面から鋭意検討の結果、処理室の上
隔壁上に材給排室を構成すると共に処理室の下
隔壁下に水供給室を構成し、かつ両隔壁間に材
給排室と水供給室とを連通する形に複数の多孔筒
体式過層を形成すればよいことを見出したので
ある。

［問題点を解決するための手段］ すなわち、本考案に係わる水過装置は、被処
理水を供給する供給口を開口した側壁の上端に上
隔壁を固着すると共に下端に下隔壁を固着した処
理室と、イオン交換樹脂が分散されている水を供
給したり排出したりする材給排口を前記上隔壁
の上面側に固着されている上遮蔽壁に開口した
材給排室と、材取り出し用水を供給する供給口
を前記下隔壁の下面側に固着されている下遮蔽壁
を開口した水供給室と、前記上遮蔽壁を貫通して
前記材給排室内に下端を突出するように上下方
向に配されて前記上遮蔽壁に固着された排水管
と、複数の過層とを備え、前記過層が、前記
材給排室と前記水供給室とを連通するように上
端が前記上隔壁に固着されると共に下端が前記下
隔壁に固着された多孔筒体状の過層支持外壁体
と、多孔筒体の軸心方向一端に送水用孔を貫通し
たフランジを固着すると共に対向他端に盲板を固
着して構成され、かつ前記送水用孔を前記排水管
の送水口と接続するように前記フランジを介して
前記排水管の下端に懸装されて前記過層支持外
壁体内に配された過層支持内壁体と、前記過
層支持外壁体と前記過層支持内壁体間に形成さ
れている送水路に、前記水供給室内へ移送され得
ないように充填された前記イオン交換樹脂とで構
成されていることを特徴とするものである。

［実施例］ 以下、実施例について図面に基づいて述べる
と、正面図である第１図及び第１図の横断面図で
ある第２図においては、１は処理室、２は材給
排室、３は水供給室、４は過層、５は排水管を
夫々示し、処理室１は、被処理水を供給する供給
口６を４箇所開口した円筒状の側壁７の上端に上
隔壁８を溶着すると共に下端に下隔壁９を溶着し
て構成され、また、材給排室２は、繊維状のイ
オン交換樹脂（一般にイオン交換繊維と呼ばれて
いる）が分散されている水を供給したり排出した
りする材給排口１０を開口した上遮蔽壁１１を
上隔壁８の上面側にボルト締めにより固着して構
成され、更に、排水管５は、上遮蔽壁１１を貫通
して材給排室２内に下端を突出するように上下
方向に配されて上遮蔽壁１１に溶着されている。

一方、水供給室３は、材取出し用水を供給す
る供給口１２を開口した下遮蔽壁１３を下隔壁９
の下面側にボルト締めにより固着して構成され、
そして、過層４は、処理室１と同心の大小円
夫々上に位置される如くに高密度に配されてい
る。

なお、過層４は、拡大図である第３図におい
て示されているように、過層支持内壁体１４と
過層支持外壁体１５間に形成されている送水路
１６に繊維状のイオン交換樹脂を充填して構成さ
れており、かつ多孔円筒体１７で構成されている
過層支持外壁体１５は、材給排室２と水供給
室３とを連通するように上端が上隔壁８に溶着さ
れていると共に下端が下隔壁９に溶着されてい
る。また、過層支持内壁体１４は、多孔円筒体
１８の軸心方向一端に、送水用孔１９を貫通した
フランジ２０を溶着すると共に対向他端に盲板２
１を溶着して構成され、かつ送水用孔１９を排水
管５の送水口と接続するようにフランジ２０を介
して排水管５の下端に螺着されて懸装されている
と共に過層支持外壁体１５内に配されている。

なお、送水路１６に充填されている繊維状のイ
オン交換樹脂は、直径が５〜300μ、長さが0.1〜
１mmであつて、0.05〜0.6g／cm³に充填されてお
り、そして、これの直径より小さい目開きの金網
２２等によつて水供給室３等へ移送されるのが阻
止、すなわち、下隔壁９の下面にビス止めされて
張設されている金網２２により水供給室３内へ移
送されるのが阻止されていると共に多孔円筒体１
７の内面にビス止めされて張設されている金網２
３により処理室１内へ移送されるのが阻止され、
更に、多孔円筒体１８の外面に同様に張設されて
いる金網２４により多孔円筒体１８内へ移送され
るのが阻止されている。

而して、本過装置によると、材給排口１０
に接続されている管路及び供給口１２に接続され
ている管路夫々に装着されている弁を閉じた状態
において、供給口６から被処理水を供給して過
し、排水管５から過水を排出することができる
が、その際、供給口６から処理室１内へ供給され
る被処理水に含有されている不純物が過層４の
イオン交樹脂により除去される。

そして、過能が低下すると、供給口６に接続
されている管路及び排水管５に接続されている管
路夫々に装着されている弁を閉じ、かつ材給排
口１０に接続されている管路及び供給口１２に接
続されている管路夫々に装着されている弁を開
き、供給口１２から材取出し用水を水供給室３
内へ供給する。

すると、この水は、水供給室３内から過層４
を経て材給排室２に流入し、材給排口１０か
ら排出される。この為、過層４のイオン交換樹
脂が材取り出し用水に同伴されて移送され、
材給排口１０に接続されている管路を介して他所
へ移送される。なお、その際、過層４の下端の
全面にわたつて材取り出し用水の水力が作用す
るので、充填されているイオン交換樹脂を完全に
移送することができ、従つて、送水路１６にイオ
ン交換樹脂が残留するのを防止することができ
る。

そして、過層４のイオン交換樹脂の全てを
材給排室２外へ取出し得ると、続いて、供給口６
に接続されている管路に装着の弁を閉じたままに
保つと共に供給口１２に接続されている管路に装
着の弁を閉じ、かつ排水管５に接続されている管
路に装着の弁を開き、材給排口１０に接続され
ている管路を介して再生イオン交換樹脂（再生処
理されて過能がアツプされた繊維状のイオン交
換樹脂）を分散している水を材給排室２内へ供
給する。

すると、この水は、材給排室２内から送水路
１６を経て排水管５へ流れ、よつて送水路１６に
イオン交換樹脂が充填されて過層４を構成する
ことができ、以下、同様に、過、取出及び充填
を容易に行うことができる。

以上、本考案に係る一実施例について述べた
が、本考案においては、イオン交換樹脂は、繊維
状以外の、例えば、粉末状又は粒状等のものを用
いることができ、かつこれ等を個々にあるいは適
当なもの同志を混合して用いることもでき、更に
は、イオン交換基を有さない繊維状、粉末状ある
いは粒状等の樹脂と混合して用いてもよい。ま
た、過層支持外壁体１５及び過層支持内壁体
１４は、円形のみならず他の計上に設けてもよ
く、そして、過層支持外壁体１５を、イオン交
換樹脂の直径より小さい孔が貫通されている多孔
筒体で構成した場合には、金網２３の装着を省く
ことができると共に過層支持内壁体１４の多孔
筒体を同様のもので構成した場合においては、金
網２４の装着を省くことができ、更に、金網２２
について、これに代えて、イオン交換樹脂の直径
より小さい孔が貫通されている他の多孔材を用い
てもよく、かつこれの装着に関し、過層支持外
壁体１５及び過層支持内壁体１４の下端を水供
給室３内に突出させてこの突出部に装着する等各
種態様に装着することができる。なお、金網２２
〜２４に代えて、送水路１６と相似形に一体に構
成された多孔容器体を送水路１６内に装着しても
よい。過層支持内壁体１４を排水管５に懸装す
る手段についても、螺着以外の他の手段で懸装し
てもよい。

［考案の効果］ 上述の如く、本考案によると、イオン交換樹脂
を充填した過層を介して水中の不純物を除去す
る水過装置に関し、イオン交換樹脂の充填及び
取り出しを容易に、かつ良好に行うことができ、
しかも処理室内に高密度に過層を形成し得て
過面積（過層の表面積）の大きい水過装置が
得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は水過装置の正面図、第２図は第１図
の横断面図、第３図は過層部の拡大図である。 １……処理室、２……材給排室、３……水供
給室、４……過層、５……排水管、６……被処
理水の供給口、７……側壁、８……上隔壁、９…
…下隔壁、１０……材給排口、１１……上遮蔽
壁、１２……材取出し用水の供給口、１３……
下遮蔽壁、１４……過層支持内壁体、１５……
過層支持外壁体、１６……送水路、１７，１８
……多孔円筒体、１９……送水用口、２０……フ
ランジ、２１……盲板、２２〜２４……金網。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被処理水を供給する供給口を開口した側壁の上
   端に上隔壁を固着すると共に下端に下隔壁を固着
   した処理室と、イオン交換樹脂が分散されている
   水を供給したり排出したりする材給排口を前記
   上隔壁の上面側に固着されている上遮蔽壁に開口
   した材給排室と、材取り出し用水を供給する
   供給口を前記下隔壁の下面側に固着されている下
   遮蔽壁に開口した水供給室と、前記上遮蔽壁を貫
   通して前記材給排室内に下端を突出するように
   上下方向に配されて前記上遮蔽壁に固着された排
   水管と、複数の過層とを備え、前記過層が、
   前記材給排室と前記水供給室とを連通するよう
   に上端が前記上隔壁に固着されると共に下端が前
   記下隔壁に固着された多孔筒体状の過層支持外
   壁体と、多孔筒体の軸心方向一端に送水用孔を貫
   通したフランジを固着すると共に対向他端に盲板
   を固着して構成され、かつ前記送水用孔を前記排
   水管の送水口と接続するように前記フランジを介
   して前記排水管の下端に懸装されて前記過層支
   持外壁体内に配された過層支持内壁体と、前記
   過層支持外壁体と前記過層支持内壁体間に形
   成されている送水路に、前記水供給室内へ移送さ
   れ得ないように充填された前記イオン交換樹脂と
   で構成されていることを特徴とする水過装置。