JPH0570522A - 含フツ素重合体 - Google Patents
含フツ素重合体Info
- Publication number
- JPH0570522A JPH0570522A JP3234319A JP23431991A JPH0570522A JP H0570522 A JPH0570522 A JP H0570522A JP 3234319 A JP3234319 A JP 3234319A JP 23431991 A JP23431991 A JP 23431991A JP H0570522 A JPH0570522 A JP H0570522A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymer
- fluorine
- formula
- repeating unit
- polymerization
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】本発明の含フッ素重合体は、一般式
CH2 =CF(CF2 )nOCF=CF2
[式中nは1〜5の整数を示す。]で表わされる含フッ
素ジオレフィンをラジカル重合開始剤の存在下に重合せ
しめた重合体であって、主鎖中に一般式 【化1】 [式中nは前記に同じ。]及び/又は 【化2】 [式中nは前記に同じ。]で表わされる環化構造の繰返
し単位を有するものである。 【効果】本発明の含フッ素重合体は、低誘電率で高体積
抵抗値を有し、透明性に優れ、また各種の溶剤に溶解す
るので薄膜形成が可能なコーティング材として使用で
き、しかも薄膜は基材との密着性に優れたものである。
素ジオレフィンをラジカル重合開始剤の存在下に重合せ
しめた重合体であって、主鎖中に一般式 【化1】 [式中nは前記に同じ。]及び/又は 【化2】 [式中nは前記に同じ。]で表わされる環化構造の繰返
し単位を有するものである。 【効果】本発明の含フッ素重合体は、低誘電率で高体積
抵抗値を有し、透明性に優れ、また各種の溶剤に溶解す
るので薄膜形成が可能なコーティング材として使用で
き、しかも薄膜は基材との密着性に優れたものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な含フッ素重合体
に関する。
に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】高度情報化社会の進展に伴い、
エレクトロニクスやオプトエレクトロニクスの分野にお
いて使用される素材への要求は、ますます厳しくなりつ
つある。即ち、エレクトロニクスの分野においては、低
誘電率、高体積抵抗値の材料が、またオプトエレクトロ
ニクスの分野においては、低屈折率で透明性のよい材料
が求められている。更にこれらは、所謂成形体としてだ
けでなく、薄膜形成が可能なコーティング剤として使用
できるのが望ましい。
エレクトロニクスやオプトエレクトロニクスの分野にお
いて使用される素材への要求は、ますます厳しくなりつ
つある。即ち、エレクトロニクスの分野においては、低
誘電率、高体積抵抗値の材料が、またオプトエレクトロ
ニクスの分野においては、低屈折率で透明性のよい材料
が求められている。更にこれらは、所謂成形体としてだ
けでなく、薄膜形成が可能なコーティング剤として使用
できるのが望ましい。
【0003】ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
に代表されるフッ素樹脂は、低誘電率で高体積抵抗値を
有する材料としてプリント基板や各種絶縁材料としてエ
レクトロニクス分野で使用されている。しかしながら、
該樹脂は結晶性ポリマーであるために、成形体は不透明
であり、それ故オプトエレクトロニクス分野での用途は
限定されるし、更に該樹脂は溶剤には不溶であるために
コーティング材として使用することは不可能である。
に代表されるフッ素樹脂は、低誘電率で高体積抵抗値を
有する材料としてプリント基板や各種絶縁材料としてエ
レクトロニクス分野で使用されている。しかしながら、
該樹脂は結晶性ポリマーであるために、成形体は不透明
であり、それ故オプトエレクトロニクス分野での用途は
限定されるし、更に該樹脂は溶剤には不溶であるために
コーティング材として使用することは不可能である。
【0004】一方、光ファイバーのクラッド等オプトエ
レクトロニクス分野においては、フルオロアルキル基を
側鎖に有するメタクリレート樹脂が使用されている。該
メタクリレート樹脂は、成形加工のみならず、有機溶媒
にも溶解するためにコーティング材として使用すること
も可能である。しかしながら、該樹脂は、屈折率がnD
で1.37〜1.42と高く、また400μm以下のU
V領域の波長での透光性が悪く、エレクトロニクス分野
で要求される性能を満たしていない。
レクトロニクス分野においては、フルオロアルキル基を
側鎖に有するメタクリレート樹脂が使用されている。該
メタクリレート樹脂は、成形加工のみならず、有機溶媒
にも溶解するためにコーティング材として使用すること
も可能である。しかしながら、該樹脂は、屈折率がnD
で1.37〜1.42と高く、また400μm以下のU
V領域の波長での透光性が悪く、エレクトロニクス分野
で要求される性能を満たしていない。
【0005】最近、パーフルオロポリマーでありながら
透明性のよい重合体として、例えば特開平1−1312
15号公報に一般式
透明性のよい重合体として、例えば特開平1−1312
15号公報に一般式
【0006】
【化3】
【0007】[式中mは1又は2を示す。]で表わされ
る繰返し単位を有する重合体が、またUSP第4754
009号明細書に一般式
る繰返し単位を有する重合体が、またUSP第4754
009号明細書に一般式
【0008】
【化4】
【0009】[式中k/l=1/9〜3/7]で表わさ
れる繰返し単位を有する重合体が、それぞれ提案されて
いる。しかしながら、これらの重合体をコーティング材
として使用する場合、非常に高価で特殊な溶剤、例えば
フロリナートFC75[商品名,3M社製]を使用しな
ければならず、コスト高となる上に、得られた塗膜は基
材との密着性が悪いという欠点を有している。更に、こ
れら重合体を製造するに当って特殊なパーフルオロ単量
体を使用するために、重合率が低く、しかも高分子量の
重合体が得られ難いという欠点をも有している。
れる繰返し単位を有する重合体が、それぞれ提案されて
いる。しかしながら、これらの重合体をコーティング材
として使用する場合、非常に高価で特殊な溶剤、例えば
フロリナートFC75[商品名,3M社製]を使用しな
ければならず、コスト高となる上に、得られた塗膜は基
材との密着性が悪いという欠点を有している。更に、こ
れら重合体を製造するに当って特殊なパーフルオロ単量
体を使用するために、重合率が低く、しかも高分子量の
重合体が得られ難いという欠点をも有している。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、上記欠
点のない含フッ素重合体を提供することにある。
点のない含フッ素重合体を提供することにある。
【0011】即ち、本発明は、一般式 CH2 =CF(CF2 )nOCF=CF2 (1) [式中nは1〜5の整数を示す。]で表わされる含フッ
素ジオレフィンをラジカル重合開始剤の存在下に重合せ
しめた重合体であって、主鎖中に一般式
素ジオレフィンをラジカル重合開始剤の存在下に重合せ
しめた重合体であって、主鎖中に一般式
【0012】
【化5】
【0013】[式中nは前記に同じ。]及び/又は
【0014】
【化6】
【0015】[式中nは前記に同じ。]で表わされる環
化構造の繰返し単位を有する含フッ素重合体に係る。
化構造の繰返し単位を有する含フッ素重合体に係る。
【0016】上記一般式(1)で表わされる含フッ素ジ
オレフィンは、好ましくはCH2 =CFCF2 OCF=
CF2 、CH2 =CF(CF2 )2 OCF=CF2 等を
例示できる。
オレフィンは、好ましくはCH2 =CFCF2 OCF=
CF2 、CH2 =CF(CF2 )2 OCF=CF2 等を
例示できる。
【0017】上記含フッ素ジオレフィンの合成例を示せ
ば、例えば下記反応式−1に示すように酸フロリドから
容易に合成することができる。
ば、例えば下記反応式−1に示すように酸フロリドから
容易に合成することができる。
【0018】反応式−1
【0019】
【化7】
【0020】上記反応式−1で用いられる酸フロリド
は、n=1の場合には下記反応式−2に示す合成ルート
で、n=2又は4の場合には下記反応式−3に示す合成
ルートで、n=3又は5の場合には下記反応式−4に示
す合成ルートで、それぞれ製造され得る。
は、n=1の場合には下記反応式−2に示す合成ルート
で、n=2又は4の場合には下記反応式−3に示す合成
ルートで、n=3又は5の場合には下記反応式−4に示
す合成ルートで、それぞれ製造され得る。
【0021】反応式−2
【0022】
【化8】
【0023】反応式−3
【0024】
【化9】
【0025】反応式−4
【0026】
【化10】
【0027】上記含フッ素ジオレフィン(1)は、通常
のラジカル重合の条件で容易に重合し、高分子量の含フ
ッ素重合体が高収率で収得される。含フッ素ジオレフィ
ン(1)をラジカル重合させるに際しては、バルク重
合、溶液重合、懸濁重合及び乳化重合のいずれの重合方
法をも採用することができる。
のラジカル重合の条件で容易に重合し、高分子量の含フ
ッ素重合体が高収率で収得される。含フッ素ジオレフィ
ン(1)をラジカル重合させるに際しては、バルク重
合、溶液重合、懸濁重合及び乳化重合のいずれの重合方
法をも採用することができる。
【0028】重合の際に用いられるラジカル重合開始剤
としては、従来公知のものを広く使用でき、例えばアゾ
ビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニト
リル、アゾビスジメチレンイソブチルアミジン・2塩酸
塩等のアゾ化合物、ジイソプロピルパーオキシジカーボ
ネート、イソブチリルパーオキサイド、tert−ブチ
ルパーオキシヒバレート、ヘプタフルオロヘブチリルパ
ーオキサイド、トリフルオロジクロロプロピオニルパー
オキサイド、ドデカフルオロヘプタノイルパーオキサイ
ド等の有機パーオキサイド、K2 S2 O3 、(NH4 )
2 S2 O3 等の無機パーオキサイド、60Co等の放射線
源等が挙げられる。
としては、従来公知のものを広く使用でき、例えばアゾ
ビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニト
リル、アゾビスジメチレンイソブチルアミジン・2塩酸
塩等のアゾ化合物、ジイソプロピルパーオキシジカーボ
ネート、イソブチリルパーオキサイド、tert−ブチ
ルパーオキシヒバレート、ヘプタフルオロヘブチリルパ
ーオキサイド、トリフルオロジクロロプロピオニルパー
オキサイド、ドデカフルオロヘプタノイルパーオキサイ
ド等の有機パーオキサイド、K2 S2 O3 、(NH4 )
2 S2 O3 等の無機パーオキサイド、60Co等の放射線
源等が挙げられる。
【0029】懸濁重合の場合、水及び/又は1,1,2
−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、1,
1−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン
等のフルオロ炭化水素の存在下に行なうのがよい。また
乳化重合は、水及び適当な乳化剤、例えばパーフルオロ
オクタン酸アンモニウム、パーフルオロ−3−オキサ−
2−メチルヘキサン酸アンモニウム、ラウリルスルホン
酸ナトリウム等の存在下に行なうのがよい。更に溶液重
合は、含フッ素ジオレフィン(1)を溶解し得る溶媒、
例えば1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフル
オロエタン、1,1−ジクロロ−1,1,2,2−テト
ラフルオロエタン、パーフルオロベンゼン、パーフルオ
ロヘプタン、パーフルオロシクロヘキサン、パーフルオ
ロジオキサン等のフルオロ炭化水素等の溶媒から選ばれ
た少なくとも1種の溶媒中で行なうのがよい。
−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、1,
1−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン
等のフルオロ炭化水素の存在下に行なうのがよい。また
乳化重合は、水及び適当な乳化剤、例えばパーフルオロ
オクタン酸アンモニウム、パーフルオロ−3−オキサ−
2−メチルヘキサン酸アンモニウム、ラウリルスルホン
酸ナトリウム等の存在下に行なうのがよい。更に溶液重
合は、含フッ素ジオレフィン(1)を溶解し得る溶媒、
例えば1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフル
オロエタン、1,1−ジクロロ−1,1,2,2−テト
ラフルオロエタン、パーフルオロベンゼン、パーフルオ
ロヘプタン、パーフルオロシクロヘキサン、パーフルオ
ロジオキサン等のフルオロ炭化水素等の溶媒から選ばれ
た少なくとも1種の溶媒中で行なうのがよい。
【0030】本発明においては、分子間架橋反応による
ゲル化を防止するために、溶液重合を採用するのが好適
である。溶液重合の際の単量体濃度としては、通常50
重量%(以下単に「%」と記す)以下、好ましくは1〜
30%程度、より好ましくは5〜15%程度とするのが
よい。重合温度は、用いられる溶媒等により異なり一概
には言えないが、通常0〜100℃程度、好ましくは1
0〜50℃程度である。また重合圧力は、減圧〜20k
g/cm2 G程度が好ましい。更に重合反応系内に、生
成する含フッ素重合体の分子量を制御するために、連鎖
移動剤を適宜添加してもよい。斯かる連鎖移動剤として
は、従来公知のものを広く使用でき、例えばペンタン、
シクロヘキサン、ジメチルエーテル、酢酸エチル、メタ
ノール等が挙げられる。
ゲル化を防止するために、溶液重合を採用するのが好適
である。溶液重合の際の単量体濃度としては、通常50
重量%(以下単に「%」と記す)以下、好ましくは1〜
30%程度、より好ましくは5〜15%程度とするのが
よい。重合温度は、用いられる溶媒等により異なり一概
には言えないが、通常0〜100℃程度、好ましくは1
0〜50℃程度である。また重合圧力は、減圧〜20k
g/cm2 G程度が好ましい。更に重合反応系内に、生
成する含フッ素重合体の分子量を制御するために、連鎖
移動剤を適宜添加してもよい。斯かる連鎖移動剤として
は、従来公知のものを広く使用でき、例えばペンタン、
シクロヘキサン、ジメチルエーテル、酢酸エチル、メタ
ノール等が挙げられる。
【0031】本発明の重合体を製造するに当っては、得
られる重合体の透明性や耐熱性を損なわない範囲内で、
上記含フッ素ジオレフィン(1)と他の単量体とを共重
合させることもできる。他の単量体としては、例えばエ
チレン、プロピレン、イソブテン等のオレフィン、テト
ラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘ
キサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビ
ニル、ヘキサフルオロイソブテン、パーフルオロビニル
エーテル等のフルオロオレフィン、エチルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル、酢酸ビ
ニル等のビニルエステル等が挙げられるが、これらの中
でも屈折率が低く、誘電率等の電気特性が優れていると
いう点よりフルオロオレフィンが好適である。
られる重合体の透明性や耐熱性を損なわない範囲内で、
上記含フッ素ジオレフィン(1)と他の単量体とを共重
合させることもできる。他の単量体としては、例えばエ
チレン、プロピレン、イソブテン等のオレフィン、テト
ラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘ
キサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビ
ニル、ヘキサフルオロイソブテン、パーフルオロビニル
エーテル等のフルオロオレフィン、エチルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル、酢酸ビ
ニル等のビニルエステル等が挙げられるが、これらの中
でも屈折率が低く、誘電率等の電気特性が優れていると
いう点よりフルオロオレフィンが好適である。
【0032】本発明の含フッ素重合体は、透明な無定形
ポリマーである。該重合体の分子量としては、極限粘度
[η](m−メタキシレンヘキサフルオライド中、35
℃)が通常0.01〜3程度であるが、得られる重合体
の強靭さや成形性の観点から[η]が0.05〜2程度
が好ましく、0.2〜1程度がより好ましい。また重合
の際の重合の容易さや溶解性の観点から、上記含フッ素
ジオレフィン(1)のnは1〜3が好ましく、含フッ素
ジオレフィン(1)の合成の容易さの点からn=1が特
に好ましい。
ポリマーである。該重合体の分子量としては、極限粘度
[η](m−メタキシレンヘキサフルオライド中、35
℃)が通常0.01〜3程度であるが、得られる重合体
の強靭さや成形性の観点から[η]が0.05〜2程度
が好ましく、0.2〜1程度がより好ましい。また重合
の際の重合の容易さや溶解性の観点から、上記含フッ素
ジオレフィン(1)のnは1〜3が好ましく、含フッ素
ジオレフィン(1)の合成の容易さの点からn=1が特
に好ましい。
【0033】
【発明の効果】本発明の重合体は、一般のフッ素樹脂が
有する特徴、即ち低屈折率、電気絶縁性、耐候性、低吸
水性、耐熱性等を有しており、更に非晶質な無定形ポリ
マーのため、圧縮成形、射出成形及び押出成形において
透明な樹脂とすることができ、光ディスクや光学レン
ズ、光ファイバーのクラッド剤として有効に使用でき
る。更に本発明の重合体は、トリクロロトリフルオロエ
タン(沸点48℃)、m−メタキシレンヘキサフルオラ
イド(沸点115℃)、パーフルオロベンゼン(沸点8
2℃)等の種々の溶剤に溶解するため、該重合体をコー
ティング材として使用する場合に、様々な条件により最
適な沸点の溶剤が選択できるし、しかも得られる塗膜は
驚くべきことに各種の基材、例えばポリメチルメタクリ
レート、ポリカーボネート、ポリスチレン等のプラスチ
ック、鉄、銅、亜鉛、錫等の金属類、Si、Ga/As
等の半導体材料等の基材との密着性に優れている。従っ
て本発明の重合体は、電子部品の防湿コーティング材、
光部品の反射防止剤、耐候性フィルム、絶縁フィルム等
に好適に使用され得る。また本発明の重合体のガラス転
移温度は60℃以上であり、成形材料としても室温で樹
脂状態であるため充分に実用できるものである。
有する特徴、即ち低屈折率、電気絶縁性、耐候性、低吸
水性、耐熱性等を有しており、更に非晶質な無定形ポリ
マーのため、圧縮成形、射出成形及び押出成形において
透明な樹脂とすることができ、光ディスクや光学レン
ズ、光ファイバーのクラッド剤として有効に使用でき
る。更に本発明の重合体は、トリクロロトリフルオロエ
タン(沸点48℃)、m−メタキシレンヘキサフルオラ
イド(沸点115℃)、パーフルオロベンゼン(沸点8
2℃)等の種々の溶剤に溶解するため、該重合体をコー
ティング材として使用する場合に、様々な条件により最
適な沸点の溶剤が選択できるし、しかも得られる塗膜は
驚くべきことに各種の基材、例えばポリメチルメタクリ
レート、ポリカーボネート、ポリスチレン等のプラスチ
ック、鉄、銅、亜鉛、錫等の金属類、Si、Ga/As
等の半導体材料等の基材との密着性に優れている。従っ
て本発明の重合体は、電子部品の防湿コーティング材、
光部品の反射防止剤、耐候性フィルム、絶縁フィルム等
に好適に使用され得る。また本発明の重合体のガラス転
移温度は60℃以上であり、成形材料としても室温で樹
脂状態であるため充分に実用できるものである。
【0034】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明をより一層明ら
かにする。
かにする。
【0035】実施例1 攪拌機及び温度計付き200ccのガラス製反応槽にC
H2 =CFCF2 OCF=CF2 10g、1,1,2−
トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン(以下
「R113」という)90g及びジイソプロピルパーオ
キシジカーボネート(以下「IPP」という)0.01
gを仕込んだ。反応槽をドライアイス−メタノールで冷
却し、真空脱気と窒素加圧を3回繰返した後、真空脱気
し30℃で24時間重合を行なった。重合反応終了後、
大量の石油エーテルに沈殿させ、本発明の重合体9.1
gを得た。
H2 =CFCF2 OCF=CF2 10g、1,1,2−
トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン(以下
「R113」という)90g及びジイソプロピルパーオ
キシジカーボネート(以下「IPP」という)0.01
gを仕込んだ。反応槽をドライアイス−メタノールで冷
却し、真空脱気と窒素加圧を3回繰返した後、真空脱気
し30℃で24時間重合を行なった。重合反応終了後、
大量の石油エーテルに沈殿させ、本発明の重合体9.1
gを得た。
【0036】得られた重合体をパーフルオロベンゼンに
溶解し、19F−NMR及び1 H−NMRを測定し、更に
m−メタキシレンヘキサフルオライド(以下「mXH
F」という)に溶解し、19F−NMRを測定したとこ
ろ、式
溶解し、19F−NMR及び1 H−NMRを測定し、更に
m−メタキシレンヘキサフルオライド(以下「mXH
F」という)に溶解し、19F−NMRを測定したとこ
ろ、式
【0037】
【化11】
【0038】及び/又は
【0039】
【化12】
【0040】で表わされる環化構造の繰返し単位を有す
る重合体であることが判明した。
る重合体であることが判明した。
【0041】この重合体のDSCによるTgは65℃、
熱分解開始温度は370℃であった。該重合体のmXH
Fにおける極限粘度(35℃)は[η]=0.43であ
り、屈折率n27 D は1.363であった。該重合体の2
00μmフィルムの350nmにおける光線透過率は9
0%であり、トリフルオロエチルメタクリレート重合体
の光線透過率の29%に比し、充分に透明であった。更
に該重合体は、R113、パーフルオロベンゼン、mX
HF等のフルオロ炭化水素のみならず、メタノールにも
低濃度ながら溶解した。
熱分解開始温度は370℃であった。該重合体のmXH
Fにおける極限粘度(35℃)は[η]=0.43であ
り、屈折率n27 D は1.363であった。該重合体の2
00μmフィルムの350nmにおける光線透過率は9
0%であり、トリフルオロエチルメタクリレート重合体
の光線透過率の29%に比し、充分に透明であった。更
に該重合体は、R113、パーフルオロベンゼン、mX
HF等のフルオロ炭化水素のみならず、メタノールにも
低濃度ながら溶解した。
【0042】実施例2 実施例1と同様の装置にCH2 =CFCF2 OCF=C
F2 10g、パーフルオロベンゼン90g及び(H(C
F2 )6 COO)2 0.01gを仕込み、実施例1と
同様の脱気操作を行なった後、15℃で24時間反応を
行なった。
F2 10g、パーフルオロベンゼン90g及び(H(C
F2 )6 COO)2 0.01gを仕込み、実施例1と
同様の脱気操作を行なった後、15℃で24時間反応を
行なった。
【0043】得られた重合体は7.2gであり、[η]
=0.61であった。また19F−NMR及び1 H−NM
Rより、得られた重合体は実施例1のそれと同様の構造
を有していることが判明した。
=0.61であった。また19F−NMR及び1 H−NM
Rより、得られた重合体は実施例1のそれと同様の構造
を有していることが判明した。
【0044】実施例3 実施例1と同様の装置にCH2 =CFCF2 CF2 OC
F=CF2 10g、R113 90g及びIPP 0.
01gを仕込み、実施例1と同様の操作及び条件で重合
を行なった。
F=CF2 10g、R113 90g及びIPP 0.
01gを仕込み、実施例1と同様の操作及び条件で重合
を行なった。
【0045】得られた重合体は8.8gであり、[η]
=0.38であった。また19F−NMR及び1 H−NM
Rを測定したところ、式
=0.38であった。また19F−NMR及び1 H−NM
Rを測定したところ、式
【0046】
【化13】
【0047】及び/又は
【0048】
【化14】
【0049】で表わされる環化構造の繰返し単位を有す
る重合体であることが判明した。
る重合体であることが判明した。
【0050】この重合体のDSCによるTgは103
℃、熱分解開始温度は370℃であった。該重合体の屈
折率n27 D は1.357であった。該重合体の200μ
mフィルムの350nmにおける光線透過率は90%で
あった。更に該重合体は、R113、パーフルオロベン
ゼン、mXHF等のフルオロ炭化水素に溶解した。
℃、熱分解開始温度は370℃であった。該重合体の屈
折率n27 D は1.357であった。該重合体の200μ
mフィルムの350nmにおける光線透過率は90%で
あった。更に該重合体は、R113、パーフルオロベン
ゼン、mXHF等のフルオロ炭化水素に溶解した。
【0051】比較例1 実施例1と同様の装置にCF2 =CFCF2 OCF=C
F2 10g、R11390g及びIPP 0.01gを
仕込み、実施例1と同様の操作及び条件で重合を行なっ
た。
F2 10g、R11390g及びIPP 0.01gを
仕込み、実施例1と同様の操作及び条件で重合を行なっ
た。
【0052】得られた重合体は3.7gに過ぎず、フロ
リナートFC75における[η]は0.16に過ぎなか
った。また、得られた重合体をパーフルオロベンゼンに
溶解し、19F−NMRを測定したところ、式
リナートFC75における[η]は0.16に過ぎなか
った。また、得られた重合体をパーフルオロベンゼンに
溶解し、19F−NMRを測定したところ、式
【0053】
【化15】
【0054】で表わされる環化構造の繰返し単位を有す
る重合体であることが判明したが、該重合体はR113
に全く溶解しなかった。
る重合体であることが判明したが、該重合体はR113
に全く溶解しなかった。
【0055】使用例 上記実施例1で得られた重合体及び比較例1で得られた
重合体を、それぞれパーフルオロベンゼンに10%濃度
となるように溶解し、ガラスエポキシ基板[日本テスト
パネル社製]に膜厚10μmになるように塗布した。室
温で24時間乾燥後、カッターで塗膜に碁盤目状にキズ
をつけ(1mmの角形100個)、水中に浸漬して24
時間後の剥離を観察したところ、実施例1の重合体は全
て残っていた(100/100)のに対して、比較例1
の重合体は全て剥離していた(0/100)。
重合体を、それぞれパーフルオロベンゼンに10%濃度
となるように溶解し、ガラスエポキシ基板[日本テスト
パネル社製]に膜厚10μmになるように塗布した。室
温で24時間乾燥後、カッターで塗膜に碁盤目状にキズ
をつけ(1mmの角形100個)、水中に浸漬して24
時間後の剥離を観察したところ、実施例1の重合体は全
て残っていた(100/100)のに対して、比較例1
の重合体は全て剥離していた(0/100)。
Claims (1)
- 【請求項1】一般式 CH2 =CF(CF2 )nOCF=CF2 [式中nは1〜5の整数を示す。]で表わされる含フッ
素ジオレフィンをラジカル重合開始剤の存在下に重合せ
しめた重合体であって、主鎖中に一般式 【化1】 [式中nは前記に同じ。]及び/又は 【化2】 [式中nは前記に同じ。]で表わされる環化構造の繰返
し単位を有する含フッ素重合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3234319A JPH0570522A (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | 含フツ素重合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3234319A JPH0570522A (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | 含フツ素重合体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0570522A true JPH0570522A (ja) | 1993-03-23 |
Family
ID=16969150
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3234319A Pending JPH0570522A (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | 含フツ素重合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0570522A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007043672A1 (en) | 2005-10-11 | 2007-04-19 | Fujifilm Corporation | Novel fluorine-containing spiroacetal compound and method of producing the same |
WO2022172951A1 (ja) * | 2021-02-10 | 2022-08-18 | ダイキン工業株式会社 | 化合物、組成物、電気化学デバイス、リチウムイオン二次電池及びモジュール |
-
1991
- 1991-09-13 JP JP3234319A patent/JPH0570522A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007043672A1 (en) | 2005-10-11 | 2007-04-19 | Fujifilm Corporation | Novel fluorine-containing spiroacetal compound and method of producing the same |
US7919637B2 (en) | 2005-10-11 | 2011-04-05 | Fujifilm Corporation | Fluorine-containing spiroacetal compound and method of producing the same |
WO2022172951A1 (ja) * | 2021-02-10 | 2022-08-18 | ダイキン工業株式会社 | 化合物、組成物、電気化学デバイス、リチウムイオン二次電池及びモジュール |
JP2022122846A (ja) * | 2021-02-10 | 2022-08-23 | ダイキン工業株式会社 | 化合物、組成物、電気化学デバイス、リチウムイオン二次電池及びモジュール |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5510406A (en) | Fluoropolymer composition for coating and article coated with the same | |
US5353368A (en) | Optical fiber comprising a cladding made of amorphous copolymers of two fluorinated ring monomers | |
KR920004429B1 (ko) | 플라스틱 광섬유 | |
KR100517778B1 (ko) | 플루오르화된 지환식 구조 함유중합체의 제조 방법 | |
US10414844B2 (en) | Crosslinkable vinylidene fluoride and trifluoroethylene polymers | |
EP0303298A2 (en) | Novel fluorine-containing cyclic polymer | |
JPH04189880A (ja) | コーティング用樹脂組成物 | |
JP2752393B2 (ja) | コーティング用含フッ素重合体組成物 | |
JPS58164609A (ja) | 光学繊維用鞘材 | |
JP3029323B2 (ja) | コーティング用含フッ素重合体組成物およびその用途 | |
US10208147B2 (en) | Fluoroallylsulfonyl azide monomers and polymers there from | |
JP3053657B2 (ja) | パーフルオロ共重合体、その製造法、その組成物およびその膜 | |
JPH0570522A (ja) | 含フツ素重合体 | |
WO2004088422A1 (ja) | 含フッ素化合物および含フッ素重合体 | |
JP3968899B2 (ja) | 含フッ素重合体組成物および薄膜を得る方法 | |
JP2003313236A (ja) | パーハロポリフルオロ重合体の不安定末端基のフッ素化方法 | |
JPH03195757A (ja) | コーティング用含フッ素重合体組成物及びその用途 | |
JP2884575B2 (ja) | 光導波体 | |
JP2999503B2 (ja) | コーティング用樹脂組成物 | |
JP2001272504A (ja) | 反射防止膜形成用組成物 | |
JP2929653B2 (ja) | 光反応器 | |
JP3004090B2 (ja) | 含フッ素重合体及びその製造方法 | |
EP1687383B1 (en) | Fluoropolymer low reflecting layers for polastic lenses and devices | |
JP2000178321A (ja) | フッ素樹脂の製造方法 | |
AU2012350854B9 (en) | Fluoroallylsulfonyl azide monomers and polymers there from |