JPH056609Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は小径かる極薄に形成された円盤状の磁
気デイスクシートを収容し、この磁気デイスクシ
ートの回転により記録再生を行うフレキシブルデ
イスクカートリツジに関し、詳しくは、前記磁気
デイスクシートのクリーニング手段の改良に関す
るものである。

（従来の技術） 従来よりフレキシブルポリエステルシート等か
らなる円盤状のベースの両面に磁性体層が形成さ
れ回転されながら磁気ヘツドによりこの磁性体層
に磁気記録がなされるフロツピーデイスクが提案
され、その取扱いの容易性、低コストといつた利
点から、コンピユータ用の記録媒体として広く用
いられている。

一方、このようなフロツピーデイスクの利点、
および記録媒体が再利用できるという銀塩フイル
ムにはない磁気記録特有の長所を活用し、更に小
型化して使い易さを改善したいわゆるマイクロフ
ロツピーデイスクが実用化されている。これらの
マイクロフロツピーデイスクはハード化されたケ
ース内に回転可能に収容され、フレキシブルデイ
スクカートリツジとしてこのケースごと読取再生
装置であるドライバに装着されるものである。

このケースは略同形の上シエルと下シエルとが
嵌合されてなり、ケース内にはマイクロフロツピ
ーデイスクすなわち磁気デイスクシートの記録を
行う面と軽く接して、磁気デイスクシートが回転
するのに伴つてこの磁気デイスク表面に付着した
ゴミ、ホコリ等をクリーニングするレーヨン、ポ
リエステルの不織布等からなるクリーニング用ラ
イナが、前記磁気デイスクシートとこのシートに
対向するケース内側面との間に超音波溶着等によ
り貼着されている。

このライナは均一な強さでシートに当接させ、
シートの記録領域の内縁から外縁にかけて十分な
クリーニング効果をあげることが必要とされるた
め、ライナに押圧を加える弾性押圧手段であるリ
フタを設ける等、均一接触に関する工夫がなされ
ている。

例えば、前記リフタを設けた部分のフレキシブ
ルデイスクカートリツジの断面を示す第３図に示
す。

下シエル１の内側面とシートの位置２との間に
は一端部３ａに延設された非貼着部３ｂが一端部
３ａの斜め上方に起立する形状のリフタ３が配設
され、この一端部３ａが下シエル１の内側面に固
着せしめられている。このリフタ３の一端部３ａ
近傍の非貼着部３ｂ下側の下シエル１の内側面に
はリフタ３の縦方向に沿つて延びる突起４が突出
せしめられ、この突起４に支持されてリフタ３非
貼着部３ｂが下ライナ５を弾性的に押し上げてい
る。また、非貼着部３ｂの下方には下シエル１の
内側面より上方へ突出し前記突起４より低く、リ
フタ３の非貼着部３ｂと空間を介して相対する突
部６が形成されている。

このような、突部６とリフタ３との間の空間に
より、リフタ３は前記突起４を支点として上下方
向へ弾性を有し、下ライナ５を適度な押圧力でシ
ート２に当接することができる。

また、上シエル７の前記突部６対向位置にも、
上シエル７に貼着された上ライナ８の該位置にお
ける部分を該上シエル７の内側面より浮かせた位
置に支持する突部９が形成され上ライナ８がシー
ト２上面に当接されている。

（考案が解決しようとする問題点） 前記リフタ３は通常PET樹脂により形成され
ており厚さも75〜125μmと極く薄いものである。

このため長時間使用していると第４図に示すよ
うに、前記リフタ３にヘタリが生じ非貼着部３ｂ
が前記突部６に当接する位置まで下降し下ライナ
５のシート２の当接が不完全となる。

このように一旦リフタ３にヘタリが生じてしま
うと下ライナ５への押圧力が不足し、下ライナ５
を十分な強度でシートに当接せしめることが不可
能となり、クリーニング効果が著しく低下する。

このようなリフタ３のヘタリを防止するために
前記突部６の高さを高くし、常に下ライナ５にシ
ート２を当接させる高さを有する突部を形成し、
下ライナ５をシート２に当接させる方法も考えら
れるが、これでは下ライナ５とシート２との接触
状態が強すぎ、シート２の回転トルクが増大し好
ましくない。

したがつて本考案は、前記のような問題点に鑑
みリフタの経時とともに生じるヘタリによるライ
ナのクリーニング効果の低下を防止し、常に良好
な状態でシートが回転するフレキシブルデイスク
カートリツジの提供を目的とする。

（問題点を解決するための手段および作用） 本考案によるフレキシブルデイスクカートリツ
ジは前記問題点を解決するために、上下シエルの
内側面にライナが貼着され、このライナと前記下
シエルの内側面との間に一端部が該内側面に貼着
されたリフタが配され、このリフタが一端部の近
傍に設けられた突起により支持されるフレキシブ
ルデイスクカートリツジにおいて、前記下シエル
の内側面の、前記リフタの非貼着部の先端近傍
で、かつ前記上シエルに形成された突部から該非
貼着部の先端側の外れた位置に、前記下ライナを
該ライナの上面が前記シートに接する高さに支持
する突部を形成したことを特徴とするものであ
る。

この別に設けた突部により、リフタの先端付近
が上方へ向けて支持され、リフタのヘタリの進行
するのを防止するとともに下ライナをシートに長
時間有効に接触せしめるものである。

（実施例） 以下、図面を参照して本考案の実施例について
説明する。第１図は本考案の一実施例による磁気
デイスクカートリツジの概要を示す平面図であ
り、第２図はその−線断面図である。

円盤状の磁気デイスクシート１１は、中心部を
センターコア１２により支持され上シエル１３お
よび下シエル１４からなるケースに回転可能に収
容されている。前記上シエル１３および下シエル
１４の互いに対向する位置にはシ磁気デイスクシ
ート１１の半径方向に伸び、シートの一部を露出
させ、外部から磁気ヘツドが進入することを許す
ヘツド挿入用開口１５が設けられている。またケ
ース上には、ケース表面を矢印Ｓ方向に摺動し、
前記ヘツド挿入用開口１５を開閉するシヤツタ１
６が設けられている。シヤツタ１６はカートリツ
ジ不使用時には前記ヘツド挿入用開口１５を閉じ
る位置にあり、カートリツジ使用時にはヘツド挿
入用開口１５を開く位置に移動して外部から磁気
ヘツドが進入することを許す。ケース内に進入し
た磁気ヘツドはシート１１に当接し、第１図に矢
印Ａで示す方向に高速回転するシート上を相対的
に摺動して各種情報の記録再生が行なわれる。

前記磁気デイスクシート１１と前記上下シエル
１３，１４のシート１１と対向する内側面１３
ａ，１４ａとの間には、レーヨン、ポリエステル
等の混紡よりなる不織布からなり、前記磁気デイ
スクシート１１を覆う略円形のクリーニング用上
下ライナ１７，１８が設けられている。このライ
ナ１７，１８はヒートシール等により前記内側面
１３ａ，１４ａに各々固定されている。なおライ
ナの形状は本実施例では略円形をしているが、少
なくとも磁気デイスクシート１１の記録領域の内
縁から外縁に至る大きさを有していれば、形状、
大きさ共、任意のものを使用できる。またこのラ
イナ１７と下シエル１４の内側面１４ａとの間に
は、下ライナ１８を前記シート１１方向へ弾性的
に押し上げて、ライナ１８をシート１１の記録領
域の外縁から内縁にかけて均一な強さで当接せし
めるリフタ１９が設けられている。

このリフタ１９は通常PET樹脂により板厚75
〜150μmの範囲の略平面の板状に形成され、一端
部１９ａが前記内側面１４ａに貼着されている。
このリフタ１９の前記一端部１９ａ近傍の非貼着
部下方の内側面１４ａには突起２０が上方に突出
せしめられて形成されている。この突起２０はリ
フタ１９の縦方向に沿つて延長されて形成され、
下ライナ１８をこのライナ上面が前記シー１１に
接する高さにリフタ１９を支持するものである。

さらに、同形状の突起２１がリフタ１９の非貼
着部１９ｂの先端部近傍の内側面１４ａ上に形成
され、前記リフタ１９先端部が下ライナ１８をシ
ート１１に当接させる形状で支持されている。

これらの突起２０，２１によりリフタ１９は常
に一定の高さに保持されシート１１にライナ１８
を均一に当接可能に押圧を加えることができる。
すなわち、突起２０に支持されて、下ライナ１８
に上方向へ弾性的に押圧を加えるリフタ１９の非
貼着部１９ｂの先端は突起２１により、常に所定
の高さに支持されるため長期の使用によつてもヘ
タリ等を生じて下降することがなくこのリフタ１
９の非貼着部１９ｂ上に位置する下ライナ１８は
シート１１との当接位置に押圧支持される。

またリフタ１９は、突起２０，２１間に載架さ
れた形状であるため下ライナ１８に上方への押圧
を加えつつリフタ１９が下方へ撓むことが可能で
ある。このためリフタ１９が上下方向への適度な
弾性を有してシート１１へ下ライナ１８を当接せ
しめることが可能となる。

また、上シエル１３の前記リフタ１９の非貼着
部１９ｂ対向部分には、上シエル１３に貼着され
た上ライナ１７のこの位置における部分を上シエ
ル１３の内側面より浮かせて支持する突部２３が
突出せしめられている。

したがつて、上ライナ１７は常に一定の押圧力
でシート１１に当接せしめられてクリーニングを
行い、下ライナ１８は、前述したようにある程度
の弾力性を有した状態でシート１１に当接せしめ
られ下ライナ１８自体の弾性に応じても上下可能
となるものである。

本実施例はいわゆる3.5インチタイプのフレキ
シブルデイスクカートリツジを例にとつているた
め、前記突起２０，２１の高さは0.2ｍ／ｍ〜0.5
ｍ／ｍ、幅0.5ｍ／ｍ〜１ｍ／ｍ程度に形成する。
この突起２１は上シエル１３の突部２３のリフタ
１９非貼着部側１９ｂ外縁から、リフタ非貼着部
１９ｂの先端側へ２ｍ／ｍ〜５ｍ／ｍ外れた位置
に設けるのが適当であり、突起２０も突部２３の
反対の外縁から対称な位置に設けられる。突起２
０、突起２１共に前記突部２３の外側３ｍ／ｍ程
度が適当であり、またこの突部２３は10ｍ／ｍ程
度の幅であると、シート１１の回転トルクを増大
させず好ましい。

（考案の効果） 本考案は前述したように、リフタが常にライナ
をシートに当接せしめる位置に突起により支持さ
れているため、経時に伴うリフタのヘタリ等の進
行を防止することができる。このため、長期に亘
つて、ライナに弾性押圧を加えてシートに当接さ
せクリーニングを効果的に行うことができ、読み
取り、再生の精度が向上する。

また、リフタが２つの突起間に載架された形状
で保持されているため、このリフタ上の前記ライ
ナのシートへの当接状態が下方向の弾性を有し、
適度な押圧力でライナをシートへ当接させるため
シートを良好な状態で回転させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるフレキシブルデイスクカ
ートリツジの一実施例を示す平面図、第２図は第
１図を−線に沿つて切断した断面を示す要部
断面図、第３図は従来例を示す断面図、第４図は
従来例の欠点を示す断面図である。 １，１４……下シエル、２，１１……磁気デイ
スクシート、３，１９……リフタ、３ａ，１９ａ
……一端部、３ｂ，１９ｂ……非貼着部、４，２
０……突起、５，１８……下ライナ、７，１３…
…上シエル、８，１７……上ライナ、９，２３…
…突部、２１……突起。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 円盤状の磁気デイスクシートを収容する上シエ
   ルと下シエルとからなるケースの内側面に、前記
   シートと略同形のクリーニング用ライナが貼着さ
   れ、下シエルの内側面に前記下シエルに前記下シ
   エルに貼着された下ライナを押し上げて前記シー
   トに当接せしめるよう一端部を下シエルの内側面
   に貼着されたリフタが配され、このリフタの非貼
   着部の前記一端部近傍の下側の下シエルの内側面
   に該リフタを支持する突起が形成され、前記上シ
   エルの内側面の前記リフタの非貼着部に対向する
   位置に、前記上シエルの貼着された上ライナの該
   位置における部分を該上シエルの内側面より浮か
   せて支持する突部が形成されてなるフレキシブル
   デイスクカートリツジにおいて、 前記下シエルの内側面の、前記リフタの非貼着
   部の先端近傍で、かつ前記上シエルに形成された
   突部から該非貼着部の先端側の外れた位置に、前
   記下ライナを該ライナの上面が前記シートに接す
   る高さに支持する突部が形成されていることを特
   徴とするフレキシブルデイスクカートリツジ。