JPH0535784Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、化粧料充填用中皿やパフなどを収納
する多収納型のコンパクト容器に関する。

〔従来の技術〕 容器本体の内部を、フアンデーシヨン化粧料等
の充填用中皿を化粧料補給や交換に備えて着脱自
在に収納する区域、およびパフなど化粧用具を収
納する区域、にそれぞれ画成したコンパクト容器
としては従来より多くのものが知られている。特
に、中皿の容器本体側に対する組み込み構造とし
ては、案内溝などによる挿し込み方式、或はアン
ダ・カツト嵌合による落とし込み方式など様々な
形態で提案されている。

例えば、第２図に示す実開昭61−184510号公報
に記載のコンパクト容器の場合、容器本体１の内
部を前後に画成し、その前側はパフを収納するパ
フ収納部として、そして後側は化粧料を収納し
た中皿２の収納部として形成されている。これ
らパフ収納部と中皿収納部との境界部には、
立上がり係合片３が底板４から垂直に立ち上がつ
ていて、中皿２に設けた垂下がり係合片５を立上
がり係合片３に係合させることによつて、中皿２
を中皿収納部に嵌合保持せしめる。また、中皿
２の前側面には指掛片６が前方向に突設され、こ
の指掛片６から前述の垂下がり係合片５が垂れ下
がつた恰好となつている。中皿収納部に中皿２
が嵌合保持された状態から、この中皿２の取り外
しは指掛片６を把持してこれを上方に引き上げる
ようになつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、この第２図のコンパクト容器な
らびにこの種の容器全般で言えることは、中皿お
よびこの類のものの方向性が一義的に決まつてお
り、設計上の自由度に欠ける点がある。

また、第２図の場合、中皿２の前側面から指掛
片６が前方向に突出した形状であり、更にはこの
指掛片６から垂直方向に垂下がり係合片５が突出
した形状であることから、合成樹脂材による中皿
２の成形金型が複雑となり、型成形が容易ではな
い。

また、容器本体１の底板４から立ち上がる係合
片３としても、中皿２の指掛片６から垂れ下がつ
た係止片５に係合させる設計上の取り合いで、底
板４の表面からかなりの長さで突出していなけれ
ば用を足さない。

したがつて、このように立上がり係合片３が突
出した形状、そして中皿２の周端かた垂下がり係
合片５および指掛片６が突出した形状としては、
外観性を低下せしめるものであり、また、特に指
掛片６のようにパフ収納部側に向けて突出させ
ると、この指掛片６の突出した容積分が容器本体
１内にて無駄なスペースとなるなど多くの問題点
がある。

本考案は、かかる問題点に鑑みてなされたもの
であり、中皿を保持する構造を簡素化して製作を
容易にし、また中皿を保持方向性のない構造とす
ると共に、スペースの有効利用および外観性の向
上を図つたコンパクト容器の提供を目的としてい
る。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するために、本考案によるコン
パクト容器は次なる構成とした。

即ち、本考案のコンパクト容器は、容器本体１
０の後側壁１０Ｂに蓋体３０が蝶開自在にヒンジ
結合され、容器本体１０の内部後方には化粧料４
０を充填した矩形状の中皿２０が保持収容される
ようになつている。

容器本体１０の両側壁１２，１２の内面には、
対向一対の上向き係止凹部１５，１５が突設さ
れ、更にこれら係止凹部１５，１５の後方隅位置
にて、対向一対の押えフランジ部１６，１６が上
縁から張り出して設けられている。

また、中皿２０の左右両辺２０ｂ，２０ｂにお
いて、これら各前部外面には背合せ一対の係合突
起２１Ａ，２１Ａが、そして各後部外面には同一
形状で背合せ一対の係合突起２１Ｂ，２１Ｂがそ
れぞれ突設されている。

〔作用〕

中皿収納部に中皿２０を係合保持させる場
合、まず容器本体１０側の押えフランジ部１６，
１６に、これらの下面に中皿２０の上端面２０ａ
が接触するようにして挿し入れる。この時、中皿
２０としてはその前後に関係なく任意に挿入され
る。したがつて、挿し入れ方向が前側または後側
のいずれかになると、この時点で、容器本体１０
側の係止凹部１５，１５に係合する中皿２０の係
合突起２１Ａ，２１Ａまたは係合突起２１Ｂ，２
１Ｂのいずれか一対が決定される。即ち、中皿２
０の落とし込みにより容器本体１０側の係止凹部
１５，１５に弾性的に係合し、中皿２０は係止凹
部１５と押えフランジ部１６との間で係合保持さ
れる。

〔実施例〕

以下、本考案によるコンパクト容器の実施例に
ついて図面を参照しつつ説明する。

第１図において、容器本体１０の底板１１の周
囲には側壁１２が設けられ、この後側壁１２Ｂに
は鏡３１付きの蓋体３０が蝶開自在にヒンジ結合
されている。また、容器本体１０の内部はその前
後方向の前側がパフ（図示せず）を収納するパフ
収納部となつており、そして後側はフアンデー
シヨン等の化粧料４０を充填した矩形状の中皿２
０の収納部となつている。パフ収納部の底板
１１には多数の小孔１４がフイルター状に形成さ
れ、この小孔１４から水使用後のパフに付着した
水分を自然乾燥させて、次回使用始めの使用感を
高める工夫がなされている。また、中皿収納部
としては、側壁１２に囲まれた平坦なスペースと
して確保されており、パフ収納部との境界とな
る位置で、側壁１２，１２のそれぞれの内面に
は、容器厚さ方向で上向きに開口されたアンダ・
カツト嵌合部１５ａ，１５ａによる係止凹部１
５，１５が突設されている。また、これら一対の
係止凹部１５，１５の後方位置で、容器本体１０
の後部両隅には上縁から互いに内方に向かつて鍔
出し状に押えフランジ部１６，１６が張り出し成
形されている。これら押えフランジ部１６，１６
の張り出し寸法は、図示よりも実際には小さいも
のである。

また、容器本体１０の前側壁１２Ａの中央部に
はロツク釦１８が組み込まれ、このロツク釦１８
に蓋体３０の前縁に突出成形したロツク爪３２を
係合させることによつて、閉じた蓋体３０のロツ
クを行うようになつている。

一方、中皿２０の左右両辺２０ｂ，２０ｂに
は、これら各辺の前部外面から一対の係合突起２
１Ａ，２１Ａが背合わせの形で突設されている。
また、各辺の後部外面においても前部のものと同
一形状で一対の係合突起２１Ｂ，２１Ｂがやはり
背合わせの形で突設されている。即ち、これら背
合わせ同士で互いに対称位置に配置されており、
各々は図示のように弾性的な変形が可能となるよ
う縦にスリツトを入れた割形に成形され、中皿２
０に一体成形されている。

そして、係合突起２１Ａ，２１Ａと係合突起２
１Ｂ，２１Ｂのいずれか一対のものが前述の容器
本体１０の一対の係止凹部１５，１５に弾性的に
係合することになる。

次に、この実施例のコンパクト容器の作用は、 中皿収納部に中皿２０を係合保持させる場
合、まず容器本体１０側の押えフランジ部１６，
１６に、これらの下面に中皿２０の上端面２０ａ
が接触するようにして挿し入れる。この時、中皿
２０としてはその前後に関係なく任意に挿入され
る。したがつて、挿し入れ方向が前側または後側
のいずれかになると、この時点で、容器本体１０
側の係止凹部１５，１５に係合する中皿２０の係
合突起２１Ａ，２１Ａまたは係合突起２１Ｂ，２
１Ｂのいずれか一対が決定される。即ち、この任
意の一対が中皿２０の落とし込みによつて、容器
本体１０側の一対の係止凹部１５，１５の各アン
ダ・カツト嵌合部１５ａに弾性的に係合し、中皿
２０は係止凹部１５と押えフランジ部１６との間
で係合保持される。中皿２０の保持後は、容器全
般にわたつて表面に突起物は露呈しない。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によるコンパクト
容器は、中皿２０をこの前後方向でこれらのいず
れの方向からでも、方向性に関係なく任意に容器
本体１０側に保持させることができので、使用便
が向上する。また、全体的に構造が簡素で製作が
容易であり、中皿２０保持後の容器全体に突起物
が露呈せず、スペースの有効利用が可能であり且
つ化粧容器として優れた外観性のものが得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案によるコンパクト容器の一実
施例の全体斜視図である。また、第２図は従来例
の側面断面図を示す。 １０……容器本体、１１……底板、１２……側
壁、１５……係止凹部、１５ａ……アンダ・カツ
ト嵌合部、１６……押えフランジ部、２０……中
皿、２１Ａ，２１Ｂ……係合突起、３０……蓋
体、……パフ収納部、……中皿収納部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 容器本体１０の後側壁１０Ｂに蓋体３０を蝶開
   自在にヒンジ結合し、容器本体１０の内部後方に
   化粧料４０を充填した矩形状の中皿２０を収容す
   るコンパクト容器であつて。 容器本体１０の両側壁１２，１２の内面に対向
   一対の上向き係止凹部１５，１５を突設し、これ
   ら係止凹部１５，１５の後方隅位置にて対向一対
   の押えフランジ部１６，１６を上縁から張り出し
   て設け、また、中皿２０の左右両辺２０ｂ，２０
   ｂの各前部外面には背合せ一対の係合突起２１
   Ａ，２１Ａを、各後部外面には同一形状で背合せ
   一対の係合突起２１Ｂ，２１Ｂをそれぞれ突設
   し、容器本体１０への収容時に係合突起２１Ａ，
   ２１Ａまたは係止突起２１Ｂ，２１Ｂのいずれか
   一対を任意に前記係止凹部１５，１５に落とし込
   んで弾性的に係合せしめると共に、中皿２０の上
   端面２０ａを前記押えフランジ部１６，１６の下
   面に当接させて保持するようにしたことを特徴と
   するコンパクト容器。