JPH0533850A - 自動変速機の歯車潤滑機構 - Google Patents
自動変速機の歯車潤滑機構Info
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- JPH0533850A JPH0533850A JP3208854A JP20885491A JPH0533850A JP H0533850 A JPH0533850 A JP H0533850A JP 3208854 A JP3208854 A JP 3208854A JP 20885491 A JP20885491 A JP 20885491A JP H0533850 A JPH0533850 A JP H0533850A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- planetary gear
- oil
- gear sets
- automatic transmission
- brake
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-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H57/00—General details of gearing
- F16H57/04—Features relating to lubrication or cooling or heating
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Details Of Gearings (AREA)
- Structure Of Transmissions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 自動変速機の隣接する遊星歯車組間を堰止め
るオイルキャッチを設けることにより、両遊星歯車組の
潤滑に必要とする潤滑油量を確保することのできる共通
の油溜りを形成し、両遊星歯車組を同時かつ効率良く潤
滑する潤滑機構をコンパクトに構成する。 【構成】 遊星歯車組5,6間に、オイルキャッチ71
をキャリア5C に固定して設け、このオイルキャッチお
よびシール72によって両遊星歯車組共通の油溜り70
を形成する。油溜り70は両遊星歯車組間を単に軸と平
行をなす断面で堰止めているだけなので、少ない軸方向
寸法で大きな油量(容積)が得られ、自動変速機の軸方
向寸法を増やすことがない。
るオイルキャッチを設けることにより、両遊星歯車組の
潤滑に必要とする潤滑油量を確保することのできる共通
の油溜りを形成し、両遊星歯車組を同時かつ効率良く潤
滑する潤滑機構をコンパクトに構成する。 【構成】 遊星歯車組5,6間に、オイルキャッチ71
をキャリア5C に固定して設け、このオイルキャッチお
よびシール72によって両遊星歯車組共通の油溜り70
を形成する。油溜り70は両遊星歯車組間を単に軸と平
行をなす断面で堰止めているだけなので、少ない軸方向
寸法で大きな油量(容積)が得られ、自動変速機の軸方
向寸法を増やすことがない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機の遊星歯車組
を構成する歯車を効果的に潤滑することのできる、歯車
潤滑機構に関するものである。
を構成する歯車を効果的に潤滑することのできる、歯車
潤滑機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複数の遊星歯車組を有する自動変速機に
おいて、各遊星歯車組を構成する歯車を潤滑する際には
油溜りを形成する部品(オイルキャッチ)を設ける手法
と、設けない手法とがある。ここでオイルキャッチ設け
ない手法を採用すると、遊星歯車組を配置する軸内の油
路を経て歯車内周側から潤滑油を供給する、いわゆる軸
心給油を行った場合、歯車内部に到達する潤滑油量を確
保し難いため潤滑効率が低下し、ベアリング部の耐久性
低下を招く。このため、図4に示すようにオイルキャッ
チを設けるのが一般的である。図4は実開昭61−6065号
公報の第1図に相当し、図中、軸80上には1組の遊星
歯車組81のみを表わしてあり、その左隣りの遊星歯車
組の記入を省略してある。この従来例では遊星歯車組8
1のリングギヤ81R に結合した部材82と、キャリア8
1C との間に形成さる空間内にオイルキャッチ83がそ
の一端を固定されており、軸心給油された潤滑油は軸8
0の油路80a ,80b およびベアリング84を経てオイ
ルキャッチ83が包囲する空間85に導かれ、さらにピ
ニオン81P の中央部に設けた軸方向の穴86を経て歯
車内部に導かれる。
おいて、各遊星歯車組を構成する歯車を潤滑する際には
油溜りを形成する部品(オイルキャッチ)を設ける手法
と、設けない手法とがある。ここでオイルキャッチ設け
ない手法を採用すると、遊星歯車組を配置する軸内の油
路を経て歯車内周側から潤滑油を供給する、いわゆる軸
心給油を行った場合、歯車内部に到達する潤滑油量を確
保し難いため潤滑効率が低下し、ベアリング部の耐久性
低下を招く。このため、図4に示すようにオイルキャッ
チを設けるのが一般的である。図4は実開昭61−6065号
公報の第1図に相当し、図中、軸80上には1組の遊星
歯車組81のみを表わしてあり、その左隣りの遊星歯車
組の記入を省略してある。この従来例では遊星歯車組8
1のリングギヤ81R に結合した部材82と、キャリア8
1C との間に形成さる空間内にオイルキャッチ83がそ
の一端を固定されており、軸心給油された潤滑油は軸8
0の油路80a ,80b およびベアリング84を経てオイ
ルキャッチ83が包囲する空間85に導かれ、さらにピ
ニオン81P の中央部に設けた軸方向の穴86を経て歯
車内部に導かれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例において
は、遊星歯車組81およびそれに隣接する図示しない遊
星歯車組間に形成される空間内を専用部品としてのオイ
ルキャッチ83でさらに区画した空間85内を遊星歯車
組81潤滑用の油溜りとしているため、この油溜りの油
量(容積)を必要量以上確保して効率良い潤滑を行うた
めにはキャリア81C と部材82との間隔をオイルキャ
ッチを設けない場合と同程度まで詰めることはできず、
オイルキャッチを設けない場合に対し自動変速機の軸方
向寸法の増大を招く。特に、図示しない遊星歯車組側に
も同様のオイルキャッチ機構を設ける場合には軸方向寸
法の増大がさらに顕著に(ほぼ2倍に)なる。
は、遊星歯車組81およびそれに隣接する図示しない遊
星歯車組間に形成される空間内を専用部品としてのオイ
ルキャッチ83でさらに区画した空間85内を遊星歯車
組81潤滑用の油溜りとしているため、この油溜りの油
量(容積)を必要量以上確保して効率良い潤滑を行うた
めにはキャリア81C と部材82との間隔をオイルキャ
ッチを設けない場合と同程度まで詰めることはできず、
オイルキャッチを設けない場合に対し自動変速機の軸方
向寸法の増大を招く。特に、図示しない遊星歯車組側に
も同様のオイルキャッチ機構を設ける場合には軸方向寸
法の増大がさらに顕著に(ほぼ2倍に)なる。
【0004】本発明は隣接する遊星歯車組間を堰止めて
両遊星歯車組共通の油溜りを形成する部材を設けること
により、上述した問題を解決することを目的とする。
両遊星歯車組共通の油溜りを形成する部材を設けること
により、上述した問題を解決することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的のため、本発明
の自動変速機の歯車潤滑機構は、複数の遊星歯車組を有
する自動変速機において、隣接する遊星歯車組間に共通
の油溜りを形成する部材を前記の何れか一方の遊星歯車
組に結合して成ることを特徴とするものである。
の自動変速機の歯車潤滑機構は、複数の遊星歯車組を有
する自動変速機において、隣接する遊星歯車組間に共通
の油溜りを形成する部材を前記の何れか一方の遊星歯車
組に結合して成ることを特徴とするものである。
【0006】
【作用】本発明によれば、自動変速機が有する複数の遊
星歯車組の内の、隣接する2組の何れか一方に、両遊星
歯車組共通の油溜りを形成する部材を設けたから、両遊
星歯車組の間隔を必要最小限の寸法、つまり前記油溜り
を形成する部材を設けない場合と同程度の寸法に詰めて
も両遊星歯車組の潤滑に十分な油量を確保し得る油溜り
を形成することができる。したがって隣接する遊星歯車
組に同時かつ効率良く潤滑油を供給する潤滑機構をコン
パクトに構成することができ、遊星歯車組の耐久性が向
上する。
星歯車組の内の、隣接する2組の何れか一方に、両遊星
歯車組共通の油溜りを形成する部材を設けたから、両遊
星歯車組の間隔を必要最小限の寸法、つまり前記油溜り
を形成する部材を設けない場合と同程度の寸法に詰めて
も両遊星歯車組の潤滑に十分な油量を確保し得る油溜り
を形成することができる。したがって隣接する遊星歯車
組に同時かつ効率良く潤滑油を供給する潤滑機構をコン
パクトに構成することができ、遊星歯車組の耐久性が向
上する。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1は本発明の自動変速機の歯車潤滑機構の
第1実施例を示す部分断面図、図2は同例を用いた自動
変速機の歯車変速機構のスケルトン図、図3は同例を用
いた自動変速機の全体構成を示す図である。まず、図2
により本例の自動変速機全体について説明すると、入力
軸1、出力軸2およびそれらの間に位置する中間軸3を
同軸突合わせ関係に設け、これら入出力軸間に遊星歯車
変速機構を同心に配置する。遊星歯車変速機構は、第1
遊星歯車組4、第2遊星歯車組5および第3遊星歯車組
6を具えて成り、第1遊星歯車組4は、第1サンギヤ4
S と、第1リングギヤ4R と、これらサンギヤおよびリ
ングギヤに噛合するピニオン4P と、ピニオン4P を回
転自在に支持する第1キャリア4C とより成る単純遊星
歯車組であり、同様に第2および第3遊星歯車組5,6
は夫々、第2および第3サンギヤ5S ,6S と、第2お
よび第3リングギヤ5R ,6R と、これらサンギヤおよ
びリングギヤに噛合するピニオン5P ,6P と、これら
ピニオンを回転自在に支持する第2および第3キャリア
5C ,6C とより成る単純遊星歯車組である。
説明する。図1は本発明の自動変速機の歯車潤滑機構の
第1実施例を示す部分断面図、図2は同例を用いた自動
変速機の歯車変速機構のスケルトン図、図3は同例を用
いた自動変速機の全体構成を示す図である。まず、図2
により本例の自動変速機全体について説明すると、入力
軸1、出力軸2およびそれらの間に位置する中間軸3を
同軸突合わせ関係に設け、これら入出力軸間に遊星歯車
変速機構を同心に配置する。遊星歯車変速機構は、第1
遊星歯車組4、第2遊星歯車組5および第3遊星歯車組
6を具えて成り、第1遊星歯車組4は、第1サンギヤ4
S と、第1リングギヤ4R と、これらサンギヤおよびリ
ングギヤに噛合するピニオン4P と、ピニオン4P を回
転自在に支持する第1キャリア4C とより成る単純遊星
歯車組であり、同様に第2および第3遊星歯車組5,6
は夫々、第2および第3サンギヤ5S ,6S と、第2お
よび第3リングギヤ5R ,6R と、これらサンギヤおよ
びリングギヤに噛合するピニオン5P ,6P と、これら
ピニオンを回転自在に支持する第2および第3キャリア
5C ,6C とより成る単純遊星歯車組である。
【0008】サンギヤ4S を入力軸1に結合するととも
に、サンギヤ5S ,6S をクラッチC1 により入力軸1
に結合可能にし、さらにキャリア5C をクラッチC2 に
より入力軸1に結合可能にする。またリングギヤ4R を
第1ブレーキ(バンドブレーキ)B1 により固定可能に
するとともに、キャリア4Cおよびリングギヤ5R を第
2ブレーキB2 により固定可能にし、さらにキャリア5
C およびリングギヤ6R を第3ブレーキB3 により固定
可能にする他、キャリア6C を出力軸2に結合する。
に、サンギヤ5S ,6S をクラッチC1 により入力軸1
に結合可能にし、さらにキャリア5C をクラッチC2 に
より入力軸1に結合可能にする。またリングギヤ4R を
第1ブレーキ(バンドブレーキ)B1 により固定可能に
するとともに、キャリア4Cおよびリングギヤ5R を第
2ブレーキB2 により固定可能にし、さらにキャリア5
C およびリングギヤ6R を第3ブレーキB3 により固定
可能にする他、キャリア6C を出力軸2に結合する。
【0009】この歯車変速機構は、前記クラッチ、ブレ
ーキ等を次表に示す組合せによって選択的に作動させる
(作動状態を○印で示す)ことにより前進第1速〜第5
速および後退(R)の変速段を得ることができる(その
際、構成要素の2重掛変えを必要とせず、1つの構成要
素の掛変えのみによって各変速に対処することができ
る)。
ーキ等を次表に示す組合せによって選択的に作動させる
(作動状態を○印で示す)ことにより前進第1速〜第5
速および後退(R)の変速段を得ることができる(その
際、構成要素の2重掛変えを必要とせず、1つの構成要
素の掛変えのみによって各変速に対処することができ
る)。
【0010】
【0011】次に本例の自動変速機の全体構成について
図3によって説明する。図3中1,2,3は夫々入力
軸、出力軸および中間軸を示し、これら各軸は変速機中
央部を軸方向に貫通している。入力軸1の図示左方には
トルクコンバータ7(図3にはその一部のみを表してあ
る)が配置され、入力軸1の中間部にはオイルポンプ8
が配置されている。また入力軸1の右端部近傍には、図
2のクラッチC1 ,C2 に相当する、クラッチ10,1
1等より成るクラチパックや、第1ブレーキ(バンドブ
レーキ)B1 等が配置され、入力軸1の右端部は中間軸
3を回転自在に支持している。中間軸3の全体に亘っ
て、図示左方より第1遊星歯車組4、第2遊星歯車組
5、第3遊星歯車組6がその順序で配置され、それら遊
星歯車組の外周には第2および第3ブレーキB2 , B3
等が配置されている。また中間軸3の右方には出力軸2
が配置され、出力軸2の左端部は中間軸3を回転自在に
支持している。出力軸2には前記ブレーキB3 のピスト
ン部や支持壁等が配置される他、その最外周には変速機
ケース9が設けられている。なおこの自動変速機には、
図示の各油路に油を供給するコントロールバルブ12が第
1ブレーキB1の外周に配置されている。
図3によって説明する。図3中1,2,3は夫々入力
軸、出力軸および中間軸を示し、これら各軸は変速機中
央部を軸方向に貫通している。入力軸1の図示左方には
トルクコンバータ7(図3にはその一部のみを表してあ
る)が配置され、入力軸1の中間部にはオイルポンプ8
が配置されている。また入力軸1の右端部近傍には、図
2のクラッチC1 ,C2 に相当する、クラッチ10,1
1等より成るクラチパックや、第1ブレーキ(バンドブ
レーキ)B1 等が配置され、入力軸1の右端部は中間軸
3を回転自在に支持している。中間軸3の全体に亘っ
て、図示左方より第1遊星歯車組4、第2遊星歯車組
5、第3遊星歯車組6がその順序で配置され、それら遊
星歯車組の外周には第2および第3ブレーキB2 , B3
等が配置されている。また中間軸3の右方には出力軸2
が配置され、出力軸2の左端部は中間軸3を回転自在に
支持している。出力軸2には前記ブレーキB3 のピスト
ン部や支持壁等が配置される他、その最外周には変速機
ケース9が設けられている。なおこの自動変速機には、
図示の各油路に油を供給するコントロールバルブ12が第
1ブレーキB1の外周に配置されている。
【0012】次に図1により本例の歯車潤滑機構を含む
自動変速機の各構成要素についてさらに詳細に説明す
る。図1中、図2のクラッチC1 に相当するクラッチ1
0は、入力軸1にスプライン嵌合されるクラッチドラム
13と、クラッチドラム13に結合される複数のクラッ
チ板14と、これらクラッチ板間に対応して配置され回
転部材15に結合される複数のクラッチ板16と、油圧
作動時これらクラッチ板を図示右方向に押圧してクラッ
チを締結するピストン17と、ピストン17を解放方向
(図示左方向)に付勢するばね18と、ばね18を支持
するリテーナ19とより成るものである。また図2のク
ラッチC2 に相当するクラッチ11は、クラッチドラム
13の内周にスプライン嵌合されるクラッチドラム20
と、クラッチドラム20に結合される複数のクラッチ板
21と、これらクラッチ板間に対応して配置され回転部
材22に結合される複数のクラッチ板23と、油圧作動
時これらクラッチ板を図示左方向に押圧してクラッチを
締結するピストン24と、ピストン24を解放方向(図
示右方向)に付勢するばね25と、ばね25を支持する
とともに遠心油圧を発生する室を画成する、部材26と
より成るものである。さらに第1ブレーキ(バンドブレ
ーキ)B1 は、入力軸支持壁27に軸受28を介して一
端を支持されるブレーキドラム29と、そのブレーキド
ラム29の、ピストン24より外周寄に位置する最大径
部分に装着したブレーキバンド30とを具えて成り、ブ
レーキドラム29の他端はベアリング31,32によっ
て支持されている。なおこのようにクラッチ10,1
1、ブレーキB1 等を入力軸1上にまとめて配置したの
は、遊星歯車変速機構の摩擦要素の過半数(本例では5
個中の3個)をこの部分に集中させることにより、以下
に示すように中間軸3上に配置すべき摩擦要素の数を減
らして、3組の遊星歯車組4,5,6を中間軸3上にレ
イアウトし易くするためである。
自動変速機の各構成要素についてさらに詳細に説明す
る。図1中、図2のクラッチC1 に相当するクラッチ1
0は、入力軸1にスプライン嵌合されるクラッチドラム
13と、クラッチドラム13に結合される複数のクラッ
チ板14と、これらクラッチ板間に対応して配置され回
転部材15に結合される複数のクラッチ板16と、油圧
作動時これらクラッチ板を図示右方向に押圧してクラッ
チを締結するピストン17と、ピストン17を解放方向
(図示左方向)に付勢するばね18と、ばね18を支持
するリテーナ19とより成るものである。また図2のク
ラッチC2 に相当するクラッチ11は、クラッチドラム
13の内周にスプライン嵌合されるクラッチドラム20
と、クラッチドラム20に結合される複数のクラッチ板
21と、これらクラッチ板間に対応して配置され回転部
材22に結合される複数のクラッチ板23と、油圧作動
時これらクラッチ板を図示左方向に押圧してクラッチを
締結するピストン24と、ピストン24を解放方向(図
示右方向)に付勢するばね25と、ばね25を支持する
とともに遠心油圧を発生する室を画成する、部材26と
より成るものである。さらに第1ブレーキ(バンドブレ
ーキ)B1 は、入力軸支持壁27に軸受28を介して一
端を支持されるブレーキドラム29と、そのブレーキド
ラム29の、ピストン24より外周寄に位置する最大径
部分に装着したブレーキバンド30とを具えて成り、ブ
レーキドラム29の他端はベアリング31,32によっ
て支持されている。なおこのようにクラッチ10,1
1、ブレーキB1 等を入力軸1上にまとめて配置したの
は、遊星歯車変速機構の摩擦要素の過半数(本例では5
個中の3個)をこの部分に集中させることにより、以下
に示すように中間軸3上に配置すべき摩擦要素の数を減
らして、3組の遊星歯車組4,5,6を中間軸3上にレ
イアウトし易くするためである。
【0013】中間軸3はその両端部を軸受40,41を
介して入力軸1、出力軸2に夫々回転自在に支持され、
その左端部近傍には回転部材15の右端がスプライン嵌
合されている。また中間軸3は、軸方向において左方を
回転部材15、軸受42を介して入力軸1上のクラッチ
ドラム13に、右方をサンギヤ6S 、軸受43を介して出
力軸2上のキャリア6C に夫々支持されている。この中
間軸上にはキャリア5C をスプライン嵌合した回転部材
22が軸受44,45を介して回転自在に支持され、ま
たサンギヤ5S ,6S を一体化した部材がサンギヤ6S
の個所で中間軸3にスプライン嵌合されている。中間軸
3上に上述したように配置される第1〜第3遊星歯車組
4〜6において、第1遊星歯車組4のサンギヤ4S はピ
ストン24の右端部に結合される部材46の穴46aを貫通
する回転部材47に結合され、リングギヤ4R はブレーキ
ドラム29の右端部と相互にくし歯嵌合され、キャリア
4C はブレーキB2のブレーキハブ48に結合されると
ともに部材49によって第2遊星歯車組5のリングギヤ
5R にも結合される。第2遊星歯車組5のキャリア5C
は、前記回転部材22にスプライン嵌合される端部と対
抗する端部(右端)を第3遊星歯車組6のリングギヤ6
R に結合され、このリングギヤ6R は第3ブレーキB3
のブレーキハブも兼ねている。なおキャリア6C がスプ
ライン嵌合される出力軸2は、軸受50を介して変速機
ケース9に支持されている。
介して入力軸1、出力軸2に夫々回転自在に支持され、
その左端部近傍には回転部材15の右端がスプライン嵌
合されている。また中間軸3は、軸方向において左方を
回転部材15、軸受42を介して入力軸1上のクラッチ
ドラム13に、右方をサンギヤ6S 、軸受43を介して出
力軸2上のキャリア6C に夫々支持されている。この中
間軸上にはキャリア5C をスプライン嵌合した回転部材
22が軸受44,45を介して回転自在に支持され、ま
たサンギヤ5S ,6S を一体化した部材がサンギヤ6S
の個所で中間軸3にスプライン嵌合されている。中間軸
3上に上述したように配置される第1〜第3遊星歯車組
4〜6において、第1遊星歯車組4のサンギヤ4S はピ
ストン24の右端部に結合される部材46の穴46aを貫通
する回転部材47に結合され、リングギヤ4R はブレーキ
ドラム29の右端部と相互にくし歯嵌合され、キャリア
4C はブレーキB2のブレーキハブ48に結合されると
ともに部材49によって第2遊星歯車組5のリングギヤ
5R にも結合される。第2遊星歯車組5のキャリア5C
は、前記回転部材22にスプライン嵌合される端部と対
抗する端部(右端)を第3遊星歯車組6のリングギヤ6
R に結合され、このリングギヤ6R は第3ブレーキB3
のブレーキハブも兼ねている。なおキャリア6C がスプ
ライン嵌合される出力軸2は、軸受50を介して変速機
ケース9に支持されている。
【0014】変速機ケース9の第1、第2遊星歯車組
4,5の外周には第2ブレーキB2 のブレーキドラム5
1が嵌合され、スナップリング52および、変速機ケー
ス9に数個所設けた歯9aによって固定されている。ブ
レーキドラム51には複数のブレーキ板53が結合さ
れ、ブレーキハブ48にはこれらブレーキ板間に対応し
て配置される複数のブレーキ板54が結合されている。
ブレーキドラム51にはさらに、ピストン55が、ブレ
ーキ作動時、図示しないばねのばね力に抗して左行する
よう摺動自在に支持されている。また変速機ケース9の
第3遊星歯車組6の外周にはブレーキドラム56が嵌合
され、スナップリング57および回り止め58によって
固定されている。ブレーキドラム56には複数のブレー
キ板59が結合され、ブレーキハブ兼用のリングギヤ6
R にはこれらブレーキ板間に対応して配置される複数の
ブレーキ板60が結合されている。なお、このブレーキ
B3 のピストン部はブレーキドラム56とは分離して配
置され、出力軸2の左端部上に変速機ケース9が形成す
る空間内にピストン61,62が摺動自在に支持されて
いる。これらピストンはブレーキ作動時、ばね63のば
ね力に抗して共に左行するよう、ダブルピストン構造に
してある。
4,5の外周には第2ブレーキB2 のブレーキドラム5
1が嵌合され、スナップリング52および、変速機ケー
ス9に数個所設けた歯9aによって固定されている。ブ
レーキドラム51には複数のブレーキ板53が結合さ
れ、ブレーキハブ48にはこれらブレーキ板間に対応し
て配置される複数のブレーキ板54が結合されている。
ブレーキドラム51にはさらに、ピストン55が、ブレ
ーキ作動時、図示しないばねのばね力に抗して左行する
よう摺動自在に支持されている。また変速機ケース9の
第3遊星歯車組6の外周にはブレーキドラム56が嵌合
され、スナップリング57および回り止め58によって
固定されている。ブレーキドラム56には複数のブレー
キ板59が結合され、ブレーキハブ兼用のリングギヤ6
R にはこれらブレーキ板間に対応して配置される複数の
ブレーキ板60が結合されている。なお、このブレーキ
B3 のピストン部はブレーキドラム56とは分離して配
置され、出力軸2の左端部上に変速機ケース9が形成す
る空間内にピストン61,62が摺動自在に支持されて
いる。これらピストンはブレーキ作動時、ばね63のば
ね力に抗して共に左行するよう、ダブルピストン構造に
してある。
【0015】ところで本例においては、図1に示すよう
にして第2遊星歯車組5および第3遊星歯車組6間に油
溜り70を形成している。すなわち、第2遊星歯車組5
のキャリア5C の側面には油溜り形成のための専用部品
であるオイルキャッチ71が溶接等によって結合されて
おり、L字型断面形状のオイルキャッチ71の軸と平行
をなす断面の部分は第3遊星歯車組6のキャリア6C の
外周部にオーバーラップしている。オイルキャッチ71
とキャリア6C との間にはシール72が介装されてお
り、このシール72によってオイルキャッチ71の内周
側に油溜り70が形成される。なお、上記のようにオイ
ルキャッチ71をキャリア6C にオーバーラップさせた
のは、遊星歯車組5,6間のベアリング73の公差を吸
収させるためである。
にして第2遊星歯車組5および第3遊星歯車組6間に油
溜り70を形成している。すなわち、第2遊星歯車組5
のキャリア5C の側面には油溜り形成のための専用部品
であるオイルキャッチ71が溶接等によって結合されて
おり、L字型断面形状のオイルキャッチ71の軸と平行
をなす断面の部分は第3遊星歯車組6のキャリア6C の
外周部にオーバーラップしている。オイルキャッチ71
とキャリア6C との間にはシール72が介装されてお
り、このシール72によってオイルキャッチ71の内周
側に油溜り70が形成される。なお、上記のようにオイ
ルキャッチ71をキャリア6C にオーバーラップさせた
のは、遊星歯車組5,6間のベアリング73の公差を吸
収させるためである。
【0016】上記のように構成した本例の潤滑機構にお
いては、コントロールバルブ12から図示しない油路を
経て中間軸3内の油路に潤滑油を供給する軸心給油を行
うと、図1に示すように、潤滑油は、中間軸3およびサ
ンギヤ5S ,6S に設けた径方向の油路を経てサンギヤ
5S ,6S 、キャリア5C ,6C およびベアリング73
に包囲された空間に流入し、さらにその一部はベアリン
グ73を経て油溜り70に流入する。このとき油溜り7
0は、オイルキャッチ71、キャリア5C ,6C および
ベアリング73に包囲された、図示の断面積を有する独
立の空間となるから、この油溜りの油量(容積)は、遊
星歯車組5,6の間隔をオイルキャッチ無しの場合と等
しくした本例において、遊星歯車組5のピニオン5P お
よび遊星歯車組6のピニオン6P を夫々のピニオン軸中
央部に設けた軸方向の穴を経て潤滑するための必要量を
十分満足するものとなり、両遊星歯車組共通の油溜りを
構成することができる。したがって自動変速機の軸方向
寸法をオイルキャッチを設けない場合に対し増加させる
ことなく、隣接する遊星歯車組5,6を同時かつ効率良
く潤滑することができ、この潤滑によって遊星歯車組
5,6の耐久性が向上する。なお、本例においてはオイ
ルキャッチ71によって遊星歯車組5,6間を完全に堰
止めているため、オイルキャッチ71の外周に位置す
る、遊星歯車組6のリングギヤ6R には潤滑油を供給で
きなくなるが、代りにブレーキB3 のピストン61の左
側の空間から潤滑油を供給するように構成している。
いては、コントロールバルブ12から図示しない油路を
経て中間軸3内の油路に潤滑油を供給する軸心給油を行
うと、図1に示すように、潤滑油は、中間軸3およびサ
ンギヤ5S ,6S に設けた径方向の油路を経てサンギヤ
5S ,6S 、キャリア5C ,6C およびベアリング73
に包囲された空間に流入し、さらにその一部はベアリン
グ73を経て油溜り70に流入する。このとき油溜り7
0は、オイルキャッチ71、キャリア5C ,6C および
ベアリング73に包囲された、図示の断面積を有する独
立の空間となるから、この油溜りの油量(容積)は、遊
星歯車組5,6の間隔をオイルキャッチ無しの場合と等
しくした本例において、遊星歯車組5のピニオン5P お
よび遊星歯車組6のピニオン6P を夫々のピニオン軸中
央部に設けた軸方向の穴を経て潤滑するための必要量を
十分満足するものとなり、両遊星歯車組共通の油溜りを
構成することができる。したがって自動変速機の軸方向
寸法をオイルキャッチを設けない場合に対し増加させる
ことなく、隣接する遊星歯車組5,6を同時かつ効率良
く潤滑することができ、この潤滑によって遊星歯車組
5,6の耐久性が向上する。なお、本例においてはオイ
ルキャッチ71によって遊星歯車組5,6間を完全に堰
止めているため、オイルキャッチ71の外周に位置す
る、遊星歯車組6のリングギヤ6R には潤滑油を供給で
きなくなるが、代りにブレーキB3 のピストン61の左
側の空間から潤滑油を供給するように構成している。
【0017】
【発明の効果】かくして本発明の自動変速機の歯車潤滑
機構は上述の如く、隣接する遊星歯車組間を堰止めて両
遊星歯車組共通の油溜りを形成したから、両遊星歯車組
の間隔を必要最小限の寸法、つまり前記油溜りを形成す
る部材を設けない場合と同程度の寸法に詰めても両遊星
歯車組の潤滑に十分な油量を確保し得る油溜りを形成す
ることができる。したがって隣接する遊星歯車組に同時
かつ効率良く潤滑油を供給する潤滑機構をコンパクトに
構成することができ、遊星歯車組の耐久性が向上する。
機構は上述の如く、隣接する遊星歯車組間を堰止めて両
遊星歯車組共通の油溜りを形成したから、両遊星歯車組
の間隔を必要最小限の寸法、つまり前記油溜りを形成す
る部材を設けない場合と同程度の寸法に詰めても両遊星
歯車組の潤滑に十分な油量を確保し得る油溜りを形成す
ることができる。したがって隣接する遊星歯車組に同時
かつ効率良く潤滑油を供給する潤滑機構をコンパクトに
構成することができ、遊星歯車組の耐久性が向上する。
【図1】本発明の自動変速機の歯車潤滑機構の第1実施
例を示す部分断面図である。
例を示す部分断面図である。
【図2】同例を用いた自動変速機の、歯車変速機構のス
ケルトン図である。
ケルトン図である。
【図3】同例を用いた自動変速機の全体構成を示す図で
ある。
ある。
【図4】従来技術を説明するための図である。
1 入力軸 2 出力軸 3 中間軸 4 第1遊星歯車組 5 第2遊星歯車組 6 第3遊星歯車組 70 油溜り 71 オイルキャッチ(油溜りを形成する部材) 72 シール
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 複数の遊星歯車組を有する自動変速機に
おいて、 隣接する遊星歯車組間に共通の油溜りを形成する部材を
前記の何れか一方の遊星歯車組に結合して成ることを特
徴とする、自動変速機の歯車潤滑機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3208854A JP2757605B2 (ja) | 1991-07-26 | 1991-07-26 | 自動変速機の歯車潤滑機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3208854A JP2757605B2 (ja) | 1991-07-26 | 1991-07-26 | 自動変速機の歯車潤滑機構 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0533850A true JPH0533850A (ja) | 1993-02-09 |
JP2757605B2 JP2757605B2 (ja) | 1998-05-25 |
Family
ID=16563217
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3208854A Expired - Fee Related JP2757605B2 (ja) | 1991-07-26 | 1991-07-26 | 自動変速機の歯車潤滑機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2757605B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5558591A (en) * | 1995-06-01 | 1996-09-24 | Superior Transmission Parts, Inc. | Lubrication dam and plug for a vehicle automatic transmission |
US5597370A (en) * | 1995-10-17 | 1997-01-28 | Chrysler Corporation | Lubricating device for a planetary gear unit |
WO2011114785A1 (ja) * | 2010-03-16 | 2011-09-22 | アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 | 車両用駆動装置 |
WO2012141060A1 (ja) * | 2011-04-15 | 2012-10-18 | アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 | 変速装置 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3001353U (ja) * | 1994-02-23 | 1994-08-23 | 一路 藤岡 | 補助力パック |
-
1991
- 1991-07-26 JP JP3208854A patent/JP2757605B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3001353U (ja) * | 1994-02-23 | 1994-08-23 | 一路 藤岡 | 補助力パック |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5558591A (en) * | 1995-06-01 | 1996-09-24 | Superior Transmission Parts, Inc. | Lubrication dam and plug for a vehicle automatic transmission |
US5597370A (en) * | 1995-10-17 | 1997-01-28 | Chrysler Corporation | Lubricating device for a planetary gear unit |
WO2011114785A1 (ja) * | 2010-03-16 | 2011-09-22 | アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 | 車両用駆動装置 |
WO2012141060A1 (ja) * | 2011-04-15 | 2012-10-18 | アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 | 変速装置 |
JP2012225369A (ja) * | 2011-04-15 | 2012-11-15 | Aisin Aw Co Ltd | 変速装置 |
US8771131B2 (en) | 2011-04-15 | 2014-07-08 | Aisin Aw Co., Ltd. | Transmission device |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2757605B2 (ja) | 1998-05-25 |
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---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |