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JPH05320176A - シアノグアニジル基を有する抗菌性化合物 - Google Patents

シアノグアニジル基を有する抗菌性化合物

Info

Publication number
JPH05320176A
JPH05320176A JP3359591A JP35959191A JPH05320176A JP H05320176 A JPH05320176 A JP H05320176A JP 3359591 A JP3359591 A JP 3359591A JP 35959191 A JP35959191 A JP 35959191A JP H05320176 A JPH05320176 A JP H05320176A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
group
formula
antibacterial
compounds
Prior art date
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Granted
Application number
JP3359591A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2874422B2 (ja
Inventor
Tsunetoshi Honda
常俊 本田
Akiko Azuma
彰子 東
Akira Nishihara
明 西原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP3359591A priority Critical patent/JP2874422B2/ja
Priority to DE4243398A priority patent/DE4243398C2/de
Priority to GB9226784A priority patent/GB2262740B/en
Priority to US07/996,987 priority patent/US5312944A/en
Publication of JPH05320176A publication Critical patent/JPH05320176A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式(I):X123SiY (式
中、X1 はハロゲンまたはC1〜C5のアルキコキシ基
であり、X2 およびX3はC1〜C5のアルキル基もし
くはアルコキシ基またはハロゲンであり、Yは少なくと
も1個のシアノグアニジル基を含む1価の基である)で
表わされる有機シラン化合物。下記の化合物<A><B
>等が例示される。 【効果】 本発明の抗菌性化合物は、材料に持続的かつ
優れた抗菌性を付与することができる。しかも、分子と
しての親水性が大きいため、適用された材料が本来吸水
性等の親水性を有する場合においても、その特長を害す
ることがない。また、ビグアニド基を有する化合物製造
の中間体として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シアノグアニジル基
(>NC(NH)NHCN)を有する、抗菌剤として有
用な新規化合物およびその製造方法に関する。本発明の
化合物は、例えば、殺菌剤、殺藻剤、抗菌剤、防黴剤、
防臭剤、防腐剤として有用であり、特に、繊維や織物、
紙等の繊維性素材の処理剤として有用である。また、コ
ンクリートやガラスその他の建材、樹脂、塗料、接着
剤、シャンプーや歯磨き粉等への添加剤またはこれらお
よび金属等無機物の処理剤としての利用も可能である。
【0002】
【従来技術とその問題点】加水分解可能な官能基を有す
る有機シラン化合物は、ガラスや金属、セラミックス、
木材、紙、繊維、樹脂等様々な材料と化学結合するた
め、シランカップリング剤等として幅広い産業分野で使
用されている。
【0003】このようなシラン化合物の種々の表面への
化学結合性を利用して、殺菌活性を有する置換基をシラ
ン化合物に導入し、材料表面に抗菌性を付与する試みが
なされてきた。殺菌性部位を材料表面に固定化すること
によって、耐久性、持続性が向上する、安全性が高ま
る、環境汚染がない、耐性菌が出現しにくい、大量処
理、連続殺菌が可能になる等の非常に多くの利点が生じ
る。
【0004】こうした殺菌活性部位として第4級アンモ
ニウム塩を有するシラン化合物が提案されている(例え
ば、特開平2−6489号)。しかし、第4級アンモニ
ウム塩型化合物は、イオン性化合物であることから無機
塩、糖類、タンパク質等の共存物質の影響を受けやす
く、殺菌性が低下したり、表面に変色を惹き起こすとい
う問題がある。また、分子中のアルキル鎖に比較して活
性部位である極性部分が小さいため、例えば、繊維の表
面に適用した場合、繊維表面は長鎖のアルキル基の導入
によって撥水性となり、繊維が本来有している吸水性、
吸湿性が著しく損われ、織布では水または水蒸気の浸透
性や透過性が喪われるという欠点がある。このため、繊
維本来の親水性を損うことなく持続性に優れた殺菌性を
付与する化合物が求められていた。
【0005】一方、抗菌性化合物としては、第4級アン
モニウム塩化合物の他、多種多様な化合物が知られてい
る。従来より抗マラリア性等の生物活性を有することが
知られていたビグアニド型化合物はその一つである。
【0006】しかし、この種の化合物については、特性
基の存在により一律に優れた殺菌性が発現するものでは
ない。一般には、抗菌性化合物の活性は置換基の種類に
よって著しく変化することが知られており(例えば、ビ
グアニド型化合物につき、J.Chem. Soc., 729 (194
6))、具体的には置換基の種類が殺菌力や殺菌スペクト
ルに大きく影響することが知られている。
【0007】
【解決しようとする課題】本発明は、従来の抗菌性付与
化合物の問題点を解消し、繊維を含む幅広い材料につい
て、持続的な抗菌性を付与する化合物を提供することを
目的とする。
【0008】
【問題解決に至る知見】本発明者らは、ビグアニド型化
合物合成における中間体として、シアノグアニジル化合
物の分子末端に加水分解可能なシリル基を結合させた一
群の新規化合物を製造した。これらのうちのあるものは
非常に強い殺菌性を有し、抗菌剤として実用的であっ
た。しかも、これらの化合物は親水性にも優れ、イオン
性の部位を必ずしも有しないため、これを抗菌性付与化
合物として使用すれば上記の問題点が一挙に解決される
という予想外の知見を得て本発明を完成するに至った。
【0009】
【発明の構成】すなわち、本発明は、一般式(I)::
123SiY (式中、X1 はハロゲンまたはC
1〜C5のアルキコキシ基であり、X2 およびX3はC
1〜C5のアルキル基もしくはアルコキシ基またはハロ
ゲンであり、Yは少なくとも1個のシアノグアニジル基
を含む1価の基である)で表わされる有機シラン化合物
を提供する。
【0010】X1 は一般にシランカップリング剤におい
て加水分解基として使用されている基であり、具体的に
は、ハロゲンまたはC1〜C5のアルキコキシ基であ
る。加水分解性などの点で、ハロゲンとしては塩素が好
ましく、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基
が特に好ましい。X2 およびX3は、X1と同様にC1〜
C5のアルコキシ基またはハロゲンであってもよく、ま
た、C1〜C5のアルキル基であってもよい。炭素数が
5を超えてもシラン基としての性質に変化はなく却って
親水性に悪影響を与える。アルキル基の場合は、メチル
基およびエチル基が好ましい。Yは少なくとも1個のシ
アノグアニジル基を含む1価の基であり、合成的には1
または2のシアノグアニジル基を含有するものであるこ
とが好ましい。シアノグアニジル基は酢酸、クエン酸、
グルコン酸等の有機酸または塩酸、硫酸等の無機酸の塩
であってもよい。
【0011】シアノグアニジル基に結合する置換基を選
択することにより、殺菌性や殺菌スペクトルを変化させ
ることができるが、その親水性を損わないために、置換
基としては、水素、C1〜C20のアルキル基またはフェ
ニル基(ハロゲン、アルキル基、フルオロアルキル基お
よびアルコキシ基から選択される基で置換されていでも
よい)とすることが好ましい。
【0012】シリル基とシアノグアニジル基との結合部
分は一般のシランカップリング剤と同様の構成であって
よい。具体的には、合成上の見地からC1〜C30のアル
キレン基(オキシ基、アゾ基、チオ基、ヒドロキシメチ
レン基、オキシカルボニル基およびフェニレン基から選
択される基を含んでもよい)とすることが好ましい。
【0013】本発明のシアノグアニジル基を有する新規
化合物としては、下記の化合物<A><B>等が例示さ
れる。
【化1】
【0014】また、本発明は、上記式(I)の化合物の
製造方法であって、一般式(II): X123SiY1 (式中、Y1 はアミノ基を少なくとも1個含有する1価
の基である)で表わされるシラン化合物とNC-N=C
(SCH3)NH2またはNaN(CN)2とを反応させる
ことを特徴とする方法を提供する。
【0015】式(II)の化合物のうち X123Si(CH23NH2 等の化合物は、シランカップリング剤として市販されて
おり容易に入手することができる。
【0016】式(II)のアミノシラン化合物と上記ニト
リルとの反応では、加水分解性のシリル基に対して安定
な溶媒を用いることが必要である。具体的な溶媒は、反
応に用いられる原料に応じて選択することができるが、
アルコール類、アセトン、ベンゼン、トルエン等を充分
に脱水して使用するのが好ましい。
【0017】反応温度は0〜200℃、好ましくは60
〜150℃である。反応時間等の反応条件は、個別の化
合物の反応性に依存して決定されるが、一般にアミン類
を使用してシアノグアニジル基を形成する際の条件と同
様である。
【0018】これらの化合物は、有機または無機酸の塩
として製造してもよいが、アルカリ等で処理することに
よって酸を除去することが可能である。また、逆に必要
であれば、有機または無機酸の塩と反応させて塩に転化
してもよく、さらに所望の酸の塩に転化することも可能
である。
【0019】シアノグアニジル基を有する本発明の化合
物を用いた材料表面の処理は、従来のシランカップリン
グ剤による表面処理と同様に行なうことができる。ま
た、用途に応じて適当な溶媒に溶解させたり、表面との
結合性を高めるために表面に塗付した後に加熱処理を施
してもよい。
【0020】適用する表面の材質はシランカップリング
剤との結合が可能なものであればよいが、従来、有機シ
ラン系抗菌剤の使用が大きな欠点になっていた分野、特
に繊維性素材への適用が有効である。具体的には、スポ
ーツ衣料、靴下、肌着、寝具、あるいは浴室、台所、ト
イレ等の水廻りで使用されるタオルやマット類等におい
て特に高い実用的価値を有するであろう。また、化合物
による処理の後、染料等で処理してもよく、この場合、
例えば親水性染料による染色性が向上すると期待され
る。
【0021】
【発明の具体的開示】以下に実施例をもって本発明をさ
らに詳しく説明するが、これらは本発明を限定するもの
ではない。なお、以下の実施例において製造例を示す化
合物AおよびBは、上記の説明で述べた化合物AとBで
ある。
【0022】
【実施例1】化合物<A>の製造 攪拌装置、温度計、還流冷却器および窒素導入装置を備
えた100mlの3ツ口フラスコにγ−アミノプロピル
トリエトキシシラン(信越化学工業(株)製KBE−9
03)を10g(45mmol)、NC−N=C(SC
3)NH2を5.2g(45mmol)およびエタノール5
0mlを装入し、窒素雰囲気下、18時間加熱還流し
た。溶媒を減圧下に留去して淡黄色の液体13.1gを
得た。本化合物の濃度が0.5重量%となるように水3
00mlに溶解し、この溶液に綿メリヤス地30gを浸
漬し、60℃で1時間ゆっくり攪拌した。綿メリヤス地
を引き上げ、絞り率100%となるように絞った後、9
0℃で15分環乾燥した。得られた繊維はAATCC−
100に準じた抗菌性評価(試験菌:Klebsiellapneumi
niae)およびJIS L−1018 A法に準じた吸水
性の評価を行なった。結果を表1に示す。
【0023】
【実施例2】化合物<B>の製造 γ−アミノプロピルトリエトキシシランに代えてN−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン(信越化学工業(株)製KBM−603)10g(4
5mmol)を使用した他は実施例1と同様の操作を行なっ
た。淡黄色液体13.4gを得た。得られた化合物を用
いて実施例1と同様に織布を処理し抗菌性および吸水性
の評価を行なった。結果を表1に示す。
【0024】
【比較例1】γ−アミノプロピルトリエトキシシランを
用いて実施例1と同様に織布を処理し抗菌性および吸水
性の評価を行なった。結果を表1に示す。
【0025】
【比較例2】N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシランを用いて実施例1と同様に織布を
処理し抗菌性および吸水性の評価を行なった。結果を表
1に示す。
【0026】
【比較例3】トリメトキシシリルプロピルジメチルオク
タデシルアンモニウムクロライド(シリコン第4級アン
モニウム塩化合物)を用いて実施例1と同様に織布を処
理し抗菌性および吸水性の評価を行なった。結果を表1
に示す。
【0027】
【比較例4】抗菌性化合物による処理を行なわない織布
を使用し実施例と同様の評価を行なった。結果を表1に
示す。
【0028】
【表1】
【0029】上記結果に示されるように、本発明の化合
物は、従来の含第4級アンモニウム塩有機シラン化合物
と同程度の抗菌性を有しており、しかも、繊維本来の吸
水性をほとんど損うことがない。
【0030】
【発明の効果】本発明の抗菌性化合物は、材料に持続的
かつ優れた抗菌性を付与することができる。しかも、分
子としての親水性が大きいため、適用された材料が本来
吸水性等の親水性を有する場合においても、その特長を
害することがない。また、ビグアニド基を有するシラン
化合物製造の中間体として有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I):X123SiY
    (式中、X1 はハロゲンまたはC1〜C5のアルキコキ
    シ基であり、X2 およびX3はC1〜C5のアルキル基
    もしくはアルコキシ基またはハロゲンであり、Yは少な
    くとも1個のシアノグアニジル基を含む1価の基であ
    る)で表わされる有機シラン化合物。
  2. 【請求項2】 式(I)の化合物の製造方法であって、
    一般式(II): X123SiY1 (式中、X1 、X2 およびX3は式(I)と同様に定義
    され、Y1 はアミノ基を少なくとも1個含有する1価の
    基である)で表わされるシラン化合物とNC-N=C(S
    CH3)NH2またはNaN(CN)2とを反応させること
    を特徴とする方法。
JP3359591A 1991-12-28 1991-12-28 シアノグアニジル基を有する抗菌性化合物 Expired - Fee Related JP2874422B2 (ja)

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