JPH05324097A - 模擬皮膚用積層体及び人工発汗装置 - Google Patents
模擬皮膚用積層体及び人工発汗装置Info
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- JPH05324097A JPH05324097A JP4158804A JP15880492A JPH05324097A JP H05324097 A JPH05324097 A JP H05324097A JP 4158804 A JP4158804 A JP 4158804A JP 15880492 A JP15880492 A JP 15880492A JP H05324097 A JPH05324097 A JP H05324097A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】表面から均一に水を蒸発させることができる模
擬皮膚用積層体と、発汗量と発熱量を自由に制御できる
模擬発汗機能を備えた人工発汗装置を提供すること。 【構成】熱導伝性薄板と疎水性多孔質膜とが辺縁部で接
着され、当該熱導伝性薄板と疎水性多孔質膜との層間に
親水性多孔質膜が密封されていることを特徴とする模擬
皮膚用積層体、及びこれを用いる人工発汗装置。
擬皮膚用積層体と、発汗量と発熱量を自由に制御できる
模擬発汗機能を備えた人工発汗装置を提供すること。 【構成】熱導伝性薄板と疎水性多孔質膜とが辺縁部で接
着され、当該熱導伝性薄板と疎水性多孔質膜との層間に
親水性多孔質膜が密封されていることを特徴とする模擬
皮膚用積層体、及びこれを用いる人工発汗装置。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚の温熱的な性質を
模擬化し、人間の発汗・発熱状態を人工的に発現させる
装置に関する。より詳しくは、気体状及び液体状の水の
放散及び温度制御を行なうことが可能な模擬皮膚用積層
体とそれを用いる人工発汗装置に関する。
模擬化し、人間の発汗・発熱状態を人工的に発現させる
装置に関する。より詳しくは、気体状及び液体状の水の
放散及び温度制御を行なうことが可能な模擬皮膚用積層
体とそれを用いる人工発汗装置に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】従来より模擬皮膚と称されてい
る水蒸気透過性膜又は水蒸気透過性板は、被服等の諸機
能を評価するための各種試験に用いられる装置の主要部
を構成するものである。
る水蒸気透過性膜又は水蒸気透過性板は、被服等の諸機
能を評価するための各種試験に用いられる装置の主要部
を構成するものである。
【0003】特開昭58−21164号公報には、模擬
皮膚を用いて人工的な発汗を行なう装置が開示されてい
る。これは、函体の上面に模擬皮膚を設けると共に、こ
の函体内に水を入れておき、ヒーターで水を加温するこ
とにより、発生蒸気を模擬皮膚の上面から放出させるよ
うに構成されているものである。
皮膚を用いて人工的な発汗を行なう装置が開示されてい
る。これは、函体の上面に模擬皮膚を設けると共に、こ
の函体内に水を入れておき、ヒーターで水を加温するこ
とにより、発生蒸気を模擬皮膚の上面から放出させるよ
うに構成されているものである。
【0004】ところが、上記装置では、発汗量を高める
ためには函体内の水温を上げるしか他に方法はないの
で、この装置で透過水蒸気量と温度を別々に制御するこ
とは困難である。
ためには函体内の水温を上げるしか他に方法はないの
で、この装置で透過水蒸気量と温度を別々に制御するこ
とは困難である。
【0005】また、特公平4−6012号公報には、外
部から函体内に導入された水蒸気を函体の任意の面に設
けられた水蒸気透過性膜又は水蒸気透過性板から放出さ
せるにあたり、函体内部の温度及び湿度の調節によって
放散水蒸気の量及び温度を制御できる装置が提案されて
いる。
部から函体内に導入された水蒸気を函体の任意の面に設
けられた水蒸気透過性膜又は水蒸気透過性板から放出さ
せるにあたり、函体内部の温度及び湿度の調節によって
放散水蒸気の量及び温度を制御できる装置が提案されて
いる。
【0006】しかしながら、この装置では、水蒸気透過
性膜等から放散される水蒸気には空気の流れが伴うた
め、実際の人体の発汗作用と大きく異なる。しかも、放
散される水分は気体状のものに限られ、液体状の水分を
放出させるために別の機構を設けなければならない。
性膜等から放散される水蒸気には空気の流れが伴うた
め、実際の人体の発汗作用と大きく異なる。しかも、放
散される水分は気体状のものに限られ、液体状の水分を
放出させるために別の機構を設けなければならない。
【0007】また、液体状の水分を放出させることも目
的として、多孔質セラミックスを模擬皮膚として採用し
た装置も提案されているが、この模擬皮膚は柔軟性に欠
け、物理的にも人体の皮膚と大きく異なり、実用的なも
のとは言えない。
的として、多孔質セラミックスを模擬皮膚として採用し
た装置も提案されているが、この模擬皮膚は柔軟性に欠
け、物理的にも人体の皮膚と大きく異なり、実用的なも
のとは言えない。
【0008】このように、これらの装置では、その模擬
皮膚が単なる透過膜又は透過板の役割をしているに過ぎ
ず、それ自身には気体状及び液体上の水を放出する機能
を備えていない。また、これらの装置は、発汗量等を制
御するためには大かがりな機構を設けなければならず、
これら模擬皮膚を有する装置を用いて被服等の試験を行
なうには非常に手間がかかることになる。
皮膚が単なる透過膜又は透過板の役割をしているに過ぎ
ず、それ自身には気体状及び液体上の水を放出する機能
を備えていない。また、これらの装置は、発汗量等を制
御するためには大かがりな機構を設けなければならず、
これら模擬皮膚を有する装置を用いて被服等の試験を行
なうには非常に手間がかかることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、その表面か
ら均一に水を蒸発させることができる模擬皮膚用積層体
と、発汗量と発熱量を自由に制御できる模擬発汗機能を
備えた人工発汗装置を提供することを目的とする。
ら均一に水を蒸発させることができる模擬皮膚用積層体
と、発汗量と発熱量を自由に制御できる模擬発汗機能を
備えた人工発汗装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な従来技術の問題点に鑑みて研究を重ねた結果、親水性
多孔質膜と疎水性多孔質膜との組合わせを含む特定の構
造を有する模擬皮膚が、人体の皮膚により近い機能を備
え、しかも発汗量等の制御を比較的簡便に行なえること
を見出し、本発明を完成するに至った。
な従来技術の問題点に鑑みて研究を重ねた結果、親水性
多孔質膜と疎水性多孔質膜との組合わせを含む特定の構
造を有する模擬皮膚が、人体の皮膚により近い機能を備
え、しかも発汗量等の制御を比較的簡便に行なえること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は、熱導伝性薄板と疎水性多
孔質膜とが辺縁部で接着され、当該熱導伝性薄板と疎水
性多孔質膜との層間に親水性多孔質膜が密封されている
ことを特徴とする模擬皮膚用積層体、及びこれを用いる
人工発汗装置に係るものである。
孔質膜とが辺縁部で接着され、当該熱導伝性薄板と疎水
性多孔質膜との層間に親水性多孔質膜が密封されている
ことを特徴とする模擬皮膚用積層体、及びこれを用いる
人工発汗装置に係るものである。
【0012】以下、本発明を図面に従って説明する。
【0013】図1に本発明の模擬皮膚用積層体の断面を
示す模式図を示す。まず、図中の(1)は熱導伝性薄板
である。熱導伝性薄板としては、例えば金属製薄板、熱
伝導率の高い材料からなる薄板又は膜が例示できる。上
記金属製薄板としては、アルミニウム、銅、黄銅、青
銅、ステンレス鋼等を例示できる。また、熱伝導率の高
い材料からなる薄板若しくは膜としては、アルミニウ
ム、銀等を蒸着させたポリエチレン、ポリエステル等を
例示できる。なお、熱伝導率は、高いほど好ましいが、
通常20〜400Wm-1K-1程度のものを使用する。こ
れらの熱導伝性薄板等の厚さは、通常0.1〜1mm程
度、好ましくは0.1〜0.2mm程度として用いる。
示す模式図を示す。まず、図中の(1)は熱導伝性薄板
である。熱導伝性薄板としては、例えば金属製薄板、熱
伝導率の高い材料からなる薄板又は膜が例示できる。上
記金属製薄板としては、アルミニウム、銅、黄銅、青
銅、ステンレス鋼等を例示できる。また、熱伝導率の高
い材料からなる薄板若しくは膜としては、アルミニウ
ム、銀等を蒸着させたポリエチレン、ポリエステル等を
例示できる。なお、熱伝導率は、高いほど好ましいが、
通常20〜400Wm-1K-1程度のものを使用する。こ
れらの熱導伝性薄板等の厚さは、通常0.1〜1mm程
度、好ましくは0.1〜0.2mm程度として用いる。
【0014】次に(2)は、表面乃至膜全体が親水性の
素材からなる親水性多孔質膜である。このような膜とし
ては、例えば綿、レーヨン、ガラス繊維等の不織布、シ
リカ、アルミナ等の粉末を分散させたポリエチレン、ポ
リエステル等が挙げられる。なお、本発明における「親
水性」とは、最大吸湿量が重量で10%以上のもので水
ぬれ性が良好なものを示し、また「疎水性」とは、最大
吸湿量が重量で1%以下で、水ぬれ性がほとんどないも
のを示す。上記親水性多孔質膜の存在により、一定量の
水分が保持されると同時に、水分が模擬皮膚全域に行き
渡り、後記の疎水性多孔質膜全体から水分を均一に蒸発
させることができる。
素材からなる親水性多孔質膜である。このような膜とし
ては、例えば綿、レーヨン、ガラス繊維等の不織布、シ
リカ、アルミナ等の粉末を分散させたポリエチレン、ポ
リエステル等が挙げられる。なお、本発明における「親
水性」とは、最大吸湿量が重量で10%以上のもので水
ぬれ性が良好なものを示し、また「疎水性」とは、最大
吸湿量が重量で1%以下で、水ぬれ性がほとんどないも
のを示す。上記親水性多孔質膜の存在により、一定量の
水分が保持されると同時に、水分が模擬皮膚全域に行き
渡り、後記の疎水性多孔質膜全体から水分を均一に蒸発
させることができる。
【0015】(3)は、疎水性多孔質膜である。この疎
水性多孔質膜としては、例えば綿、レーヨン、ガラス繊
維等の不織布を疎水化したもの、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ(テトラフルオロエチレン)等に細孔を
形成させたもの等が挙げられる。疎水化は公知の方法に
従えば良く、例えばハイドロジエンメチルポリシロキサ
ン処理、過フッ化ポリアクリル酸エステル処理により行
なうことができる。
水性多孔質膜としては、例えば綿、レーヨン、ガラス繊
維等の不織布を疎水化したもの、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ(テトラフルオロエチレン)等に細孔を
形成させたもの等が挙げられる。疎水化は公知の方法に
従えば良く、例えばハイドロジエンメチルポリシロキサ
ン処理、過フッ化ポリアクリル酸エステル処理により行
なうことができる。
【0016】本発明の模擬皮膚用積層体は、これらの熱
導伝性薄板、親水性多孔質膜及び疎水性多孔質膜を順に
重ね合わせたものである。熱導伝性薄板と疎水性多孔質
膜とが互いにその辺縁部で接着されており、注入水の漏
出を防いでいる。親水性多孔質膜はこれら両者の層間に
密封されている。この場合、熱導伝性薄板と疎水性多孔
質膜を辺縁部で接着するために、親水性多孔質膜の大き
さは両者よりもわずかに小さいほうが好ましい。
導伝性薄板、親水性多孔質膜及び疎水性多孔質膜を順に
重ね合わせたものである。熱導伝性薄板と疎水性多孔質
膜とが互いにその辺縁部で接着されており、注入水の漏
出を防いでいる。親水性多孔質膜はこれら両者の層間に
密封されている。この場合、熱導伝性薄板と疎水性多孔
質膜を辺縁部で接着するために、親水性多孔質膜の大き
さは両者よりもわずかに小さいほうが好ましい。
【0017】本発明の人工発汗装置は、本発明積層体に
水注入口を設けることにより得られる。その水注入口
は、親水性多孔質膜と疎水性多孔質膜との層間に水が供
給できるような位置に設ければ良く、例えば疎水性多孔
質膜の中央部等が適当である。注入口には通常のチュー
ブを導入し、それを通じて水が供給・注入される。チュ
ーブは汎用されているものであればその種類は制限され
ないが、例えばポリ(テトラフルオロエチレン)製等の
耐熱性のものを用いるのが好ましい。また、チューブが
導入された注入口周辺部は、密封状態を維持するために
水性の充填材等で完全に密封することが好ましい。
水注入口を設けることにより得られる。その水注入口
は、親水性多孔質膜と疎水性多孔質膜との層間に水が供
給できるような位置に設ければ良く、例えば疎水性多孔
質膜の中央部等が適当である。注入口には通常のチュー
ブを導入し、それを通じて水が供給・注入される。チュ
ーブは汎用されているものであればその種類は制限され
ないが、例えばポリ(テトラフルオロエチレン)製等の
耐熱性のものを用いるのが好ましい。また、チューブが
導入された注入口周辺部は、密封状態を維持するために
水性の充填材等で完全に密封することが好ましい。
【0018】また、上記人工発汗装置には、熱導伝性薄
板等に平板状加熱体を設けると、疎水性多孔質膜表面か
らの水の蒸発熱及び当該積層体の温度制御を容易に行な
うことが可能である。
板等に平板状加熱体を設けると、疎水性多孔質膜表面か
らの水の蒸発熱及び当該積層体の温度制御を容易に行な
うことが可能である。
【0019】
【作用及び効果】本発明の模擬皮膚用積層体を用いた人
工発汗装置では、外部から注入した水が親水性多孔質膜
中を毛細現象によって迅速に移動・拡散し、当該積層体
全域にいきわたる。そして、全域に移動した水分は、疎
水性多孔質膜を通じて外部へ均一に蒸発する。また、外
部から注入する水の圧力を高くすれば、疎水性多孔質膜
から液体状の水を流出させることも可能となる。
工発汗装置では、外部から注入した水が親水性多孔質膜
中を毛細現象によって迅速に移動・拡散し、当該積層体
全域にいきわたる。そして、全域に移動した水分は、疎
水性多孔質膜を通じて外部へ均一に蒸発する。また、外
部から注入する水の圧力を高くすれば、疎水性多孔質膜
から液体状の水を流出させることも可能となる。
【0020】このように本発明は、親水性多孔質膜及び
疎水性多孔質膜の相互の作用により、当該積層体の設置
位置・方向に拘らず、一定量の水分を積層体中に保持で
き、且つ積層体表面全域から均一に水分を蒸発させるこ
とができる。さらに、上記のような気体状の水分のみな
らず、注入する水の圧力又は注入量を調節することによ
り液体状の水分を流出させることもできるので、疎水性
多孔質膜から放散する水量及び水の状態を容易に制御す
ることができ、被服等の各種試験において人体により近
い機能を発現させることが可能となる。
疎水性多孔質膜の相互の作用により、当該積層体の設置
位置・方向に拘らず、一定量の水分を積層体中に保持で
き、且つ積層体表面全域から均一に水分を蒸発させるこ
とができる。さらに、上記のような気体状の水分のみな
らず、注入する水の圧力又は注入量を調節することによ
り液体状の水分を流出させることもできるので、疎水性
多孔質膜から放散する水量及び水の状態を容易に制御す
ることができ、被服等の各種試験において人体により近
い機能を発現させることが可能となる。
【0021】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明の
特徴とするところをより一層明確にする。
特徴とするところをより一層明確にする。
【0022】実施例1 まず本発明の模擬皮膚用積層体を用いて図2のような構
成の人工発汗装置を作成した。図2中(1)は接着剤が
予め塗布された10cm×10cmのアルミニウム製薄板
(厚さ0.1mm)、(2)は9.6mm×9.6mmのレー
ヨン不織布(厚さ0.2mm)、及び(3)は接着剤が予
め塗布された表面疎水化レーヨン不織布(厚さ0.15
mm)を5.5cm×5.0cmと5.0cm×5.0cmに切り
取ったものを重ねて10cm×10cmとしたものであり、
これら3枚は隙間なく接着されており、辺縁部を密封し
た。この場合、上記レーヨン不織布は、アルミニウム製
薄板及び表面疎水化レーヨン不織布よりも僅かに小さ
く、作製した積層体の辺縁部は2mmの幅でアルミニウム
製薄板と表面疎水化レーヨン不織布とが直接強固に接着
され、辺縁部からの注入水の漏出を防いでいる。
成の人工発汗装置を作成した。図2中(1)は接着剤が
予め塗布された10cm×10cmのアルミニウム製薄板
(厚さ0.1mm)、(2)は9.6mm×9.6mmのレー
ヨン不織布(厚さ0.2mm)、及び(3)は接着剤が予
め塗布された表面疎水化レーヨン不織布(厚さ0.15
mm)を5.5cm×5.0cmと5.0cm×5.0cmに切り
取ったものを重ねて10cm×10cmとしたものであり、
これら3枚は隙間なく接着されており、辺縁部を密封し
た。この場合、上記レーヨン不織布は、アルミニウム製
薄板及び表面疎水化レーヨン不織布よりも僅かに小さ
く、作製した積層体の辺縁部は2mmの幅でアルミニウム
製薄板と表面疎水化レーヨン不織布とが直接強固に接着
され、辺縁部からの注入水の漏出を防いでいる。
【0023】また、(4)は、外部から水を注入するた
めの径1.0mmのポリ(テトラフルオロエチレン)製チ
ューブであり、上記2枚の表面疎水化レーヨン不織布の
間の5mmの幅の重なり部分を通すことにより、積層フィ
ルムの中央に水を注入できる注入口を形成させている。
この注入口の周囲は水性の充填材で密封し、水が外部に
漏れないようにした。
めの径1.0mmのポリ(テトラフルオロエチレン)製チ
ューブであり、上記2枚の表面疎水化レーヨン不織布の
間の5mmの幅の重なり部分を通すことにより、積層フィ
ルムの中央に水を注入できる注入口を形成させている。
この注入口の周囲は水性の充填材で密封し、水が外部に
漏れないようにした。
【0024】このようにして得た人工発汗装置に通常の
温度制御装置を設け、本発明の模擬皮膚用積層体の性能
を調べるための装置を作成した。その概要図を図3に示
す。この装置は、上記人工発汗装置(5)のアルミニウ
ム面に平面状ヒーター(6)を接着し、これら全体を発
泡ポリエチレン製の測定箱(12)内に設置した。熱電
対(7)は平面状ヒーターの温度測定に用いた。また、
積層フィルムの熱源であるヒーター(6)の下面からの
熱の漏洩を防ぐために、別の平面状ヒーター(8)及び
熱電対(9)を設けた。(10)は径1.0mmのポリ
(テトラフルオロエチレン)製チューブ、(11)は定
量ポンプ、(15)は恒温室である。(13)は温度制
御装置であり、上記熱電対(7)及び(9)によって温
度を測定し、ヒーター(6)及び(8)への通電量を調
節した。なお、温度制御装置の制御パラメーターは次の
ように設定した。
温度制御装置を設け、本発明の模擬皮膚用積層体の性能
を調べるための装置を作成した。その概要図を図3に示
す。この装置は、上記人工発汗装置(5)のアルミニウ
ム面に平面状ヒーター(6)を接着し、これら全体を発
泡ポリエチレン製の測定箱(12)内に設置した。熱電
対(7)は平面状ヒーターの温度測定に用いた。また、
積層フィルムの熱源であるヒーター(6)の下面からの
熱の漏洩を防ぐために、別の平面状ヒーター(8)及び
熱電対(9)を設けた。(10)は径1.0mmのポリ
(テトラフルオロエチレン)製チューブ、(11)は定
量ポンプ、(15)は恒温室である。(13)は温度制
御装置であり、上記熱電対(7)及び(9)によって温
度を測定し、ヒーター(6)及び(8)への通電量を調
節した。なお、温度制御装置の制御パラメーターは次の
ように設定した。
【0025】 ・ヒーター(6):SV=35.0℃,P=1.0%,
R=28.0% ・ヒーター(8):SV=35.2℃,P=1.0%,
R= 4.0% ヒーターの制御は、サイリスタのオン・オフによって行
ない、1サイクル(1秒)の間にオンする時間の割合
(通電率)によってヒーターへの通電量が決まる。サイ
リスタのオン時にヒーターに印加する交流電圧は30V
に設定した。温度制御装置から送られる温度及び通電率
のデーターは、コンピュター(14)で演算処理され
る。(16)、(17)及び(18)は湿度センサであ
り、積層フィルムからの発汗を検出するために用いた。
R=28.0% ・ヒーター(8):SV=35.2℃,P=1.0%,
R= 4.0% ヒーターの制御は、サイリスタのオン・オフによって行
ない、1サイクル(1秒)の間にオンする時間の割合
(通電率)によってヒーターへの通電量が決まる。サイ
リスタのオン時にヒーターに印加する交流電圧は30V
に設定した。温度制御装置から送られる温度及び通電率
のデーターは、コンピュター(14)で演算処理され
る。(16)、(17)及び(18)は湿度センサであ
り、積層フィルムからの発汗を検出するために用いた。
【0026】以上のような装置を用い、ヒーターの温度
及び通電率の時間変化と相対湿度の変化とを測定し、本
発明の人工発汗装置の性能を調べた。
及び通電率の時間変化と相対湿度の変化とを測定し、本
発明の人工発汗装置の性能を調べた。
【0027】はじめに、ヒーターの温度及び通電率の時
間変化を示すグラフを図4に示す。実線はヒーター
(6)、及び点線はヒーター(8)における値を示す。
水の注入を開始する前は、積層体は乾燥した状態にあ
り、積層体の熱源であるヒーター(6)の温度は設定値
の35.0℃に等しく、通電率は約20%でほぼ一定に
保たれている。測定開始後、5.5分から2分間は1ml
/minの流量で定量ポンプから積層体中に水を注入した。
積層体内の水の移動・拡散の状態を写真撮影により追跡
したところ、水は注入開始後1分で積層体全面の約50
%に広がり、2分でほぼ全面に広がった。図4では水の
注入中のヒーター(6)の温度の減少と通電率の著しい
増加が見られるが、水の注入に終了後約2分でヒーター
(6)の温度と通電率は安定化し、温度は設定値よりも
わずかに低い34.4℃で一定となり、通電率は約42
%でほぼ一定となった。水を注入する前後の通電率の差
は、水の蒸発に要する熱量に対応し、これが一定である
ことは積層体からの放熱及び水分の蒸発が定常的に行な
われていることを示すものである。
間変化を示すグラフを図4に示す。実線はヒーター
(6)、及び点線はヒーター(8)における値を示す。
水の注入を開始する前は、積層体は乾燥した状態にあ
り、積層体の熱源であるヒーター(6)の温度は設定値
の35.0℃に等しく、通電率は約20%でほぼ一定に
保たれている。測定開始後、5.5分から2分間は1ml
/minの流量で定量ポンプから積層体中に水を注入した。
積層体内の水の移動・拡散の状態を写真撮影により追跡
したところ、水は注入開始後1分で積層体全面の約50
%に広がり、2分でほぼ全面に広がった。図4では水の
注入中のヒーター(6)の温度の減少と通電率の著しい
増加が見られるが、水の注入に終了後約2分でヒーター
(6)の温度と通電率は安定化し、温度は設定値よりも
わずかに低い34.4℃で一定となり、通電率は約42
%でほぼ一定となった。水を注入する前後の通電率の差
は、水の蒸発に要する熱量に対応し、これが一定である
ことは積層体からの放熱及び水分の蒸発が定常的に行な
われていることを示すものである。
【0028】次に、積層体の上方にそれぞれ3cm、8cm
及び40cm離して設置した湿度センサ(16)、(1
7)及び(18)で検出した相対湿度変化を図5に示
す。その結果、積層体から3cm及び8cm上方に設置した
センサの測定値は両方とも水の注入開始と共に増加し、
注入前よりも約5%大きい値で一定となった。このこと
は、積層体からの水分の蒸発が定常的に行なわれている
ことを示すものである。
及び40cm離して設置した湿度センサ(16)、(1
7)及び(18)で検出した相対湿度変化を図5に示
す。その結果、積層体から3cm及び8cm上方に設置した
センサの測定値は両方とも水の注入開始と共に増加し、
注入前よりも約5%大きい値で一定となった。このこと
は、積層体からの水分の蒸発が定常的に行なわれている
ことを示すものである。
【図1】本発明模擬皮膚用積層体の断面図である。
【図2】本発明の人工発汗装置の構成を示す概要図であ
る。
る。
【図3】実施例1で用いた装置の概要を示す図である。
【図4】実施例1におけるヒーターの温度及び通電率の
時間変化を示すグラフである。
時間変化を示すグラフである。
【図5】実施例1における相対湿度変化を示すグラフで
ある。
ある。
1…熱導伝性薄板 2…親水性多孔質膜 3…疎水性多孔質膜 4…注水用チューブ 5…人工発汗装置 6…平面状ヒーター 7…熱電対 8…平面状ヒーター 9…熱電対 10…ポリ(テトラフルオロエチレン)製チューブ 11…定量ポンプ 12…測定箱 13…温度制御装置 14…コンピューター 15…恒温室 16…湿度センサ 17…湿度センサ 18…湿度センサ
Claims (2)
- 【請求項1】熱導伝性薄板と疎水性多孔質膜とが辺縁部
で接着され、当該熱導伝性薄板と疎水性多孔質膜との層
間に親水性多孔質膜が密封されていることを特徴とする
模擬皮膚用積層体。 - 【請求項2】熱導伝性薄板と疎水性多孔質膜とが辺縁部
で接着され、当該熱導伝性薄板と疎水性多孔質膜との層
間に親水性多孔質膜が密封されていて、該疎水性多孔質
膜と親水性多孔質膜との層間に水を注入するための注入
口が疎水性多孔質膜に設けられていることを特徴とする
人工発汗装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4158804A JPH0743612B2 (ja) | 1992-05-25 | 1992-05-25 | 模擬皮膚用積層体及び人工発汗装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4158804A JPH0743612B2 (ja) | 1992-05-25 | 1992-05-25 | 模擬皮膚用積層体及び人工発汗装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05324097A true JPH05324097A (ja) | 1993-12-07 |
JPH0743612B2 JPH0743612B2 (ja) | 1995-05-15 |
Family
ID=15679723
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4158804A Expired - Lifetime JPH0743612B2 (ja) | 1992-05-25 | 1992-05-25 | 模擬皮膚用積層体及び人工発汗装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0743612B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0847484A (ja) * | 1994-08-08 | 1996-02-20 | Agency Of Ind Science & Technol | 発汗状態を模擬した温湿度の測定方法 |
JP2002201522A (ja) * | 2000-12-28 | 2002-07-19 | Kyoto Electron Mfg Co Ltd | 人口発汗装置 |
JP2011209625A (ja) * | 2010-03-30 | 2011-10-20 | Unicharm Corp | 人工発汗装置 |
-
1992
- 1992-05-25 JP JP4158804A patent/JPH0743612B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0847484A (ja) * | 1994-08-08 | 1996-02-20 | Agency Of Ind Science & Technol | 発汗状態を模擬した温湿度の測定方法 |
JP2002201522A (ja) * | 2000-12-28 | 2002-07-19 | Kyoto Electron Mfg Co Ltd | 人口発汗装置 |
JP2011209625A (ja) * | 2010-03-30 | 2011-10-20 | Unicharm Corp | 人工発汗装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0743612B2 (ja) | 1995-05-15 |
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