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JPH05318146A - ステンレス鋼とアルミニウムのクラッド材を製造する方法 - Google Patents

ステンレス鋼とアルミニウムのクラッド材を製造する方法

Info

Publication number
JPH05318146A
JPH05318146A JP8627192A JP8627192A JPH05318146A JP H05318146 A JPH05318146 A JP H05318146A JP 8627192 A JP8627192 A JP 8627192A JP 8627192 A JP8627192 A JP 8627192A JP H05318146 A JPH05318146 A JP H05318146A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling
aluminum
stainless steel
clad material
roll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8627192A
Other languages
English (en)
Inventor
Taiji Doi
大治 土居
Yoshihisa Yonemitsu
善久 米満
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP8627192A priority Critical patent/JPH05318146A/ja
Publication of JPH05318146A publication Critical patent/JPH05318146A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接合性が良好で加工性に優れたステンレス鋼
/アルミニウムクラッド材を低コストで安定製造できる
圧延圧接手段を確立する。 【構成】 下ロ−ル周速を上ロ−ル周速に対して減速し
た異周速巻付け圧延圧接法によりステンレス鋼とアルミ
ニウムのクラッド材を製造するに際し、アルミニウム素
材を圧延機下ロ−ルへ、そして得られるクラッド材を圧
延機上ロ−ルへ巻付けると共に、素材単位幅当りの圧延
荷重〔P〕(tonf/mm) を下ロ−ル速度比率〔R〕(%)
との関係で「P≧10-0.60R」に調整して常温で接合圧延
するか、或いは、素材単位幅当りの圧延荷重〔P〕を
「P≧10-0.70R」に調整して常温で接合圧延を行った後
にアルミニウムの再結晶温度以上500℃以下の温度域
に加熱処理する。更には、前記接合圧延での後方張力及
び前方張力をそれぞれ特定の値に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、圧延圧接法により接
合性の良好なステンレス鋼/アルミニウムクラッド材を
安定製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】近年、工業分野や日用品の分野
等を問わず、ステンレス鋼とアルミニウムを複合化させ
た“ステンレス鋼/アルミニウムクラッド材”の需要が
急増している。このステンレス鋼/アルミニウムクラッ
ド材は、従来、図3で示したように、接合面にブラッシ
ング等の処理を施したステンレス鋼ストリップとアルミ
ニウムストリップとを加温して圧延機に連続的に送り込
み、強荷重で接合圧延する“圧延圧接法”で製造される
のが一般的であった。
【0003】しかしながら、上記方法では、加熱装置等
の如き設備コストの高い素材ストリップ予備処理設備が
必要である上、強荷重を負荷する必要があることから剛
性の高い圧延機を必要としたり、変形抵抗が異なる素材
の圧延であることから加温条件の微妙な調整を要するな
ど、所望性能のクラッド材を低コストで安定製造するに
は種々の解決しなければならない問題があった。
【0004】そこで、圧延圧接法によってクラッド材を
製造する際の、それぞれ変形抵抗が異なる素材の圧下率
割合を適正に調整する手段として、上下ロ−ルの周速を
異ならしめ、かつ素材の一方と圧接されたクラッド材を
それぞれ圧延機の上下ロ−ルの何れかに巻付けるように
して圧接圧延する“異周速巻付け圧延圧接法”が提案さ
れた(特開昭59−76686号,特開昭59−215
286号)。
【0005】更に、このような異周速巻付け圧延圧接法
で得られたクラッド材の残留応力を接合圧延直後の圧延
によって除去し、クラッドの接合強度増大を図った提案
もなされた(特開昭61−238483号)。
【0006】しかし、これら提案になる異周速巻付け圧
延圧接法は、クラッド比の調整等に優れた効果を示すも
のであったが、本発明者等の検討結果によると、例えば
ステンレス鋼とアルミニウムとのクラッド材の製造に適
用した場合には時として接合不完全が生じたり、或いは
安定した接合を行わしめようとすると接合圧延の際に大
荷重を必要とするなどの問題が残るものであることが分
かった。
【0007】このようなことから、本発明が目的とした
のは、接合性が良好で加工性に優れたステンレス鋼/ア
ルミニウムクラッド材を軽負荷(軽荷重)で安定製造で
きる圧延圧接手段を確立することであった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく鋭意研究を行ったところ、「ステンレス鋼
/アルミニウムクラッド材を製造する際に異周速巻付け
圧延圧接法を採用すると共に、 その接合圧延条件を特定
のものに調整すると、 過度の負荷(荷重)をかけない常
温での圧延でもって接合性の良好なクラッド材が安定し
て得られるようになり、 更にその際の張力条件を特定の
範囲に調整するとクラッド材の製造性が一層安定する
上、 接合圧延の後に所定の熱処理を施すことで接合強度
や加工性の更なる改善が可能になる」との知見が得られ
たのである。
【0009】本発明は、上記知見事項等に基づいて完成
されたものであり、「下ロ−ル周速を上ロ−ル周速に対
して減速した異周速巻付け圧延圧接法によりステンレス
鋼とアルミニウムのクラッド材を製造するに際し、 アル
ミニウム素材を圧延機下ロ−ルへ、 そして得られるクラ
ッド材を圧延機上ロ−ルへ巻付けると共に、 素材単位幅
当りの圧延荷重〔P〕(tonf/mm) を下ロ−ル速度比率
〔R〕(%)との関係で P≧10-0.60R に調整して常温で接合圧延するか、 或いは、 素材単位幅
当りの圧延荷重〔P〕を P≧10-0.70R に調整して常温で接合圧延を行った後にアルミニウムの
再結晶温度以上500℃以下の温度域に加熱処理するこ
とにより、 接合性に優れたステンレス鋼/アルミニウム
クラッド材を低いコストで安定製造し得るようにした
点」に大きな特徴を有し、更には「上記接合圧延での張
力条件を ステンレス鋼素材の後方張力:1〜25kgf/mm2 , アルミニウム素材の後方張力: 0.1〜5kgf/mm2 , 前方張力:1〜25kgf/mm2 に調整することによって、 接合性に優れたステンレス鋼
/アルミニウムクラッド材の製造性を一層安定化せしめ
た点」をも特徴とするものである。
【0010】ここで、下ロ−ル速度比率〔R〕とは、式 で表される値であることは言うまでもない。
【0011】このように、本発明は、過度の負荷(荷
重)をかけない常温での接合圧延でもって接合性が良好
で加工性に優れたクラッド材を安定して製造できるよう
にしたものであるが、以下、本発明において素材単位幅
当りの圧延荷重〔P〕,クラッド材の熱処理温度,接合
圧延での張力条件をそれぞれ前記の如くに限定した理由
を説明する。
【0012】A) 素材単位幅当りの圧延荷重〔P〕 クラッド材を製造する際の素材の接合には、まず素材両
金属の最表層の原子間に凝集力が働く距離まで界面同士
を近接させなければならない。接合圧延時に発生する垂
直応力はこの界面を近接させる力として働くが、最も容
易に得られる応力レベルの指針は圧延荷重である。一
方、界面に相対すべりが発生すると接合は有利に行われ
るが、その指針は下ロ−ル速度比率にて表される。
【0013】そして、この「圧延荷重」と「下ロ−ル速
度比率」とが圧延圧接の可否を左右する大きな因子とな
るが、ステンレス鋼とアルミニウムを常温(50℃程度
までの温度)で異周速巻付け圧延圧接しようとする場
合、素材の単位幅当りの圧延荷重〔P〕(tonf/mm) が下
ロ−ル速度比率〔R〕(%)との関係で P<10-0.60R であると圧延のままでは良好な接合を安定して行うこと
ができず、また接合圧延の後に熱処理を施す場合であっ
ても P<10-0.70R の条件下では良好な接合状態を安定して確保することが
できない。そのため、素材単位幅当りの圧延荷重〔P〕
(tonf/mm) は、下ロ−ル速度比率〔R〕(%)との関係
で、接合圧延の後に熱処理を施さない場合には P≧10-0.60R の範囲に、また接合圧延の後に熱処理を施す場合には P≧10-0.70R の範囲にそれぞれ調整することと定めた。
【0014】B) 接合圧延後に施す熱処理の加熱温度 接合圧延後の熱処理は、より軽荷重で接合圧延を行った
ときの接合性を改善したり、クラッド材の加工性を向上
させるために施される処理であるが、その際の加熱温度
がアルミニウムの再結晶温度未満であると十分な接合性
改善効果が得られないばかりか、アルミニウムの完全再
結晶組織を実現できずに加工性向上効果を確保すること
も困難となる。一方、アルミニウムの結晶成長を回避し
オレンジピ−ル等の成形不良を引き起こさないために
は、加熱温度を500℃以下に抑える必要がある。従っ
て、接合圧延後に施す熱処理での加熱温度は「アルミニ
ウムの再結晶温度以上500℃以下」と定めた。
【0015】C) 接合圧延での張力条件 接合圧延の際に ステンレス鋼素材の後方張力:1〜25kgf/mm2 , アルミニウム素材の後方張力: 0.1〜5kgf/mm2 , 前方張力:1〜25kgf/mm2 に調整すると、ステンレス鋼/アルミニウムクラッド材
の製造性が一段と向上するのが好ましい。なぜなら、上
記各張力がその下限値を下回るとストリップの蛇行が発
生して形状不良を起こす懸念があり、一方、前記各張力
がその上限値を上回るとストリップの破断を生じたり、
過度の張力負荷による垂直応力成分の減少が生じる恐れ
が出て来るためである。
【0016】続いて、本発明を実施例により更に具体的
に説明する。
【実施例】厚さ:0.3mm,幅:100mmのステンレス鋼(SU
S304)コイル材と、厚さ:0.5mm,幅:100mmのアルミ
ニウム(A1100)コイル材とを用意し、図1で示す
異周速巻付け圧延圧接法にて、 上ロ−ル速度〔V1〕:2mpm , 下ロ−ル速度〔V2〕:2〜0.68mpm , 下ロ−ル速度比:0〜−72%, 圧延荷重:30〜130tonf, 張力: 前方(クラッド材)…600〜1000kgf , 後方(ステンレス鋼材)…300〜750kgf , 後方(アルミニウム材)…150〜250kgf なる条件で常温での接合圧延を行った。なお、接合圧延
に先立ち、ステンレス鋼材の接合面のみ連続ブラッシン
グ処理を行った。また、接合圧延後は必要により450
℃で熱処理を施した。
【0017】そして、このステンレス鋼/アルミニウム
クラッド板の製造試験に関してクラッド材の接合性評価
を実施したが、その結果を整理して図2に示す。
【0018】ところで、接合性の評価は次の要領で行っ
た。 〔接合性の評価〕まず、下記(a) の調査を行い、引き続
いて下記(b) の調査を実施して接合性を評価した。 (a) 得られた圧延のままでのクラッド板につき、切断時
の界面剥離の有無を調査。 (b) 「180°密着曲げ→R1mmの90°曲げ→180
°密着曲げ→R1mmの逆90°曲げ」の繰り返し曲げ試
験を行い、「界面剥離」や「破断・クラックの発生」の
有無を調査(これを満足すると絞り比2以下のプレス成
形に耐え得る)。 なお、図2において、接合性の評価結果は次の記号で表
示した。 ○:圧延のまま材で (a),(b)試験での剥離,破断なし。 △:圧延のまま材では (a),(b)試験で剥離,破断を生じ
るが、その後の熱処理により (a),(b)試験での剥離,破
断を生じなくなる。 ×:圧延のまま材で非接合となっているか、又は圧延後
に熱処理を施しても (a),(b)試験で剥離,破断を生じ
る。
【0019】前記図2に示される結果からも、本発明に
従うと、接合性の良好なステンレス鋼/アルミニウムク
ラッド板を軽荷重(軽負荷)の接合圧延によって安定に
製造できることを確認できる。そして、クラッド板製造
時の付加荷重が小さくて済むために能率の良い作業がで
きる上、加工硬化の程度も少なく、従って加工性の良好
なクラッド板が得られることも分かる。
【0020】
【発明の効果】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、接合性,加工性に優れたステンレス鋼とアルミニウ
ムのクラッド材を軽負荷(軽荷重)の接合圧延にて容易
に製造することができ、そのため設備コストや製造コス
トの低減、製品性能の向上を達成することが可能となる
など、産業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で適用した異周速巻付け圧延圧接法の説
明図である。
【図2】実施例での試験結果を下ロ−ル速度比率〔R〕
と素材単位幅当りの圧延荷重で整理して示したグラフで
ある。
【図3】従来の圧延圧接法によるクラッド材の製造法に
関する説明図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下ロ−ル周速を上ロ−ル周速に対して減
    速した異周速巻付け圧延圧接法によりステンレス鋼とア
    ルミニウムのクラッド材を製造するに際し、アルミニウ
    ム素材を圧延機下ロ−ルへ、そして得られるクラッド材
    を圧延機上ロ−ルへ巻付けると共に、素材単位幅当りの
    圧延荷重〔P〕(tonf/mm) を下ロ−ル速度比率〔R〕
    (%)との関係で P≧10-0.60R に調整して常温で接合圧延することを特徴とする、ステ
    ンレス鋼/アルミニウムクラッド材の製造方法。
  2. 【請求項2】 下ロ−ル周速を上ロ−ル周速に対して減
    速した異周速巻付け圧延圧接法によりステンレス鋼とア
    ルミニウムのクラッド材を製造するに際し、アルミニウ
    ム素材を圧延機下ロ−ルへ、そして得られるクラッド材
    を圧延機上ロ−ルへ巻付けると共に、素材単位幅当りの
    圧延荷重〔P〕(tonf/mm) を下ロ−ル速度比率〔R〕
    (%)との関係で P≧10-0.70R に調整して常温で接合圧延を行った後、アルミニウムの
    再結晶温度以上で500℃以下の温度域に加熱処理する
    ことを特徴とする、ステンレス鋼/アルミニウムクラッ
    ド材の製造方法。
  3. 【請求項3】 接合圧延での張力条件を ステンレス鋼素材の後方張力:1〜25kgf/mm2 , アルミニウム素材の後方張力: 0.1〜5kgf/mm2 , 前方張力:1〜25kgf/mm2 に調整することを特徴とする、請求項1又は2に記載の
    ステンレス鋼/アルミニウムクラッド材の製造方法。
JP8627192A 1992-03-10 1992-03-10 ステンレス鋼とアルミニウムのクラッド材を製造する方法 Pending JPH05318146A (ja)

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JP (1) JPH05318146A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0716765A (ja) * 1993-07-01 1995-01-20 Sumitomo Metal Ind Ltd ステンレス・アルミニウムクラッド材の製造方法
WO2017043360A1 (ja) * 2015-09-09 2017-03-16 新日鐵住金株式会社 クラッド板とその製造方法

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