JPH05268907A - カルシウム強化発酵タンパク組成物 - Google Patents
カルシウム強化発酵タンパク組成物Info
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- JPH05268907A JPH05268907A JP4068242A JP6824292A JPH05268907A JP H05268907 A JPH05268907 A JP H05268907A JP 4068242 A JP4068242 A JP 4068242A JP 6824292 A JP6824292 A JP 6824292A JP H05268907 A JPH05268907 A JP H05268907A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 カルシウム補給に有用であり、かつ食品、医
薬、医薬部外品およびそれらの素材として違和感なく使
用できるタンパク組成物を提供すること。 【構成】 タンパク溶液とカルシウム素材との混合物を
乳酸発酵によりpH5.0以下とし、該発酵中または発酵
後にプロテアーゼ処理したカルシウム強化発酵タンパク
組成物および該組成物の製造方法。
薬、医薬部外品およびそれらの素材として違和感なく使
用できるタンパク組成物を提供すること。 【構成】 タンパク溶液とカルシウム素材との混合物を
乳酸発酵によりpH5.0以下とし、該発酵中または発酵
後にプロテアーゼ処理したカルシウム強化発酵タンパク
組成物および該組成物の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカルシウム強化発酵タン
パク組成物、さらに詳しくは、通常の食品のpHでは不
溶性であるカルシウム素材をタンパク質の存在下で乳酸
発酵を用いて可溶化し、共存するタンパク質をカルシウ
ムのキャリアーとしたカルシウムの補給用の食品、食品
用素材ないしは医薬、医薬部外品として有用なタンパク
組成物に関する。
パク組成物、さらに詳しくは、通常の食品のpHでは不
溶性であるカルシウム素材をタンパク質の存在下で乳酸
発酵を用いて可溶化し、共存するタンパク質をカルシウ
ムのキャリアーとしたカルシウムの補給用の食品、食品
用素材ないしは医薬、医薬部外品として有用なタンパク
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】平成
元年度の国民栄養調査の結果、国民一人一日あたりのカ
ルシウム摂取量は540mgで依然平均栄養所用量の89
%を満たすに過ぎず、児童の骨の脆弱化、高齢者の骨粗
しょう症などカルシウム摂取のアンバランスやカルシウ
ム不足による疾病が社会問題化している。
元年度の国民栄養調査の結果、国民一人一日あたりのカ
ルシウム摂取量は540mgで依然平均栄養所用量の89
%を満たすに過ぎず、児童の骨の脆弱化、高齢者の骨粗
しょう症などカルシウム摂取のアンバランスやカルシウ
ム不足による疾病が社会問題化している。
【0003】一方、天然カルシウム素材としては、卵
殻、ボレー、珊瑚などを粉末化した物が知られている
が、天然カルシウム素材の市販形態は限られており、カ
ルシウム補給用としてそのまま摂取するのに必ずしも適
していない。すなわち、カルシウム素材の溶解性や形態
がカルシウムの吸収性に影響を及ぼす重要な性質である
にもかかわらず、天然カルシウム素材は通常の食品中に
おいては溶解性もなく、無機素材として食品素材との馴
染みも良いとはいえない。
殻、ボレー、珊瑚などを粉末化した物が知られている
が、天然カルシウム素材の市販形態は限られており、カ
ルシウム補給用としてそのまま摂取するのに必ずしも適
していない。すなわち、カルシウム素材の溶解性や形態
がカルシウムの吸収性に影響を及ぼす重要な性質である
にもかかわらず、天然カルシウム素材は通常の食品中に
おいては溶解性もなく、無機素材として食品素材との馴
染みも良いとはいえない。
【0004】また、カルシウムの強化方法として、従来
より牛乳、乳飲料、豆乳等に乳酸カルシウム、炭酸カル
シウム、硫酸カルシウム等の塩類を添加することが行わ
れており、水酸化カルシウムと糖類の複合体を添加する
方法が知られている(特開昭61−25458号および
特開平1−95727号)。特公昭37−15273号
には、豆乳に塩化カルシウムを添加する方法が、特公平
2−34581号には、牛乳または乳飲料に水溶性有機
酸カルシウム塩を添加する方法が開示されている。ま
た、特開昭62−14249号には、野菜ジュースを加
えた豆乳に炭酸カルシウムを添加し、乳酸発酵させてp
H5.0〜6.5に調節した飲料が開示されている。
より牛乳、乳飲料、豆乳等に乳酸カルシウム、炭酸カル
シウム、硫酸カルシウム等の塩類を添加することが行わ
れており、水酸化カルシウムと糖類の複合体を添加する
方法が知られている(特開昭61−25458号および
特開平1−95727号)。特公昭37−15273号
には、豆乳に塩化カルシウムを添加する方法が、特公平
2−34581号には、牛乳または乳飲料に水溶性有機
酸カルシウム塩を添加する方法が開示されている。ま
た、特開昭62−14249号には、野菜ジュースを加
えた豆乳に炭酸カルシウムを添加し、乳酸発酵させてp
H5.0〜6.5に調節した飲料が開示されている。
【0005】しかしながら、嗜好食品としてはともか
く、これらの方法、製品も、栄養としてのカルシウムの
補給には満足するものではなく、カルシウムの溶解性を
改善し、違和感なくカルシウム摂取を向上させる食品、
食品用素材あるいは医薬、医薬部外品として有用な素材
の開発が望まれている。
く、これらの方法、製品も、栄養としてのカルシウムの
補給には満足するものではなく、カルシウムの溶解性を
改善し、違和感なくカルシウム摂取を向上させる食品、
食品用素材あるいは医薬、医薬部外品として有用な素材
の開発が望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる事情に鑑み、本発
明者らは、カルシウムの効果的な補給について鋭意研究
した結果、乳酸発酵を応用することにより、天然カルシ
ウム素材からカルシウムを溶出させて、共存するタンパ
クをカルシウムキャリアーとすることによって、無機カ
ルシウム素材が他の食品素材とよく馴染むようにし得る
ことを見い出した。
明者らは、カルシウムの効果的な補給について鋭意研究
した結果、乳酸発酵を応用することにより、天然カルシ
ウム素材からカルシウムを溶出させて、共存するタンパ
クをカルシウムキャリアーとすることによって、無機カ
ルシウム素材が他の食品素材とよく馴染むようにし得る
ことを見い出した。
【0007】すなわち、本発明は、カルシウム素材を含
有するタンパク溶液を乳酸発酵に付し、pH5.0以下と
し、該発酵中または発酵後にプロテアーゼ処理したこと
を特徴とするカルシウム強化発酵タンパク組成物および
その製造方法を提供するものである。
有するタンパク溶液を乳酸発酵に付し、pH5.0以下と
し、該発酵中または発酵後にプロテアーゼ処理したこと
を特徴とするカルシウム強化発酵タンパク組成物および
その製造方法を提供するものである。
【0008】本発明で用いるタンパク溶液としては、大
豆抽出タンパク、豆乳、牛乳、脱脂粉乳、ホエータンパ
ク溶液、ゼラチン溶液等が挙げられる。所望によりグル
コース、果糖、蔗糖等の易発酵性糖類、酵母エキス等の
乳酸菌栄養源を加えてもよい。
豆抽出タンパク、豆乳、牛乳、脱脂粉乳、ホエータンパ
ク溶液、ゼラチン溶液等が挙げられる。所望によりグル
コース、果糖、蔗糖等の易発酵性糖類、酵母エキス等の
乳酸菌栄養源を加えてもよい。
【0009】カルシウム素材としては、炭酸カルシウム
および未焼成のボレー、卵殻、珊瑚粉末等の天然物由来
炭酸カルシウム、ならびに石灰岩、大理石等が挙げられ
る。
および未焼成のボレー、卵殻、珊瑚粉末等の天然物由来
炭酸カルシウム、ならびに石灰岩、大理石等が挙げられ
る。
【0010】該カルシウム素材は、通常、タンパク溶液
に対して0.25〜5%(w/v)であり、好ましくは、
0.5〜1.5%(w/v)の割合で用いいられる。
に対して0.25〜5%(w/v)であり、好ましくは、
0.5〜1.5%(w/v)の割合で用いいられる。
【0011】乳酸発酵に用いる乳酸菌は、通常の乳酸菌
でよく、例えば、ラクトバシルス属(Lactobacillus)、
ストレプトコッカス属(Streptococcus)等の乳酸菌が単
独であるいは2種以上併用して用いられる。また、風味
向上のため、酵母等を併用してもよい。
でよく、例えば、ラクトバシルス属(Lactobacillus)、
ストレプトコッカス属(Streptococcus)等の乳酸菌が単
独であるいは2種以上併用して用いられる。また、風味
向上のため、酵母等を併用してもよい。
【0012】プロテアーゼとしては、中性域〜酸性域で
作用する食品用プロテアーゼ、例えば、プロテアーゼA
「アマノ」(天野製薬)、パンチダーゼNP−2(ヤクル
ト)、デナプシン(長瀬産業)などが挙げられる。該プロ
テアーゼの使用量は、使用するタンパク、処理時間等に
よって変化し得るが、通常、タンパク溶液に対して0.
01〜1.0%程度とし、20〜60℃で1〜5時間処
理を行うことが好ましい。このプロテアーゼ処理によ
り、タンパクとカルシウムとの結合が高まり、タンパク
によっては風味、テクスチャー等が改善される。
作用する食品用プロテアーゼ、例えば、プロテアーゼA
「アマノ」(天野製薬)、パンチダーゼNP−2(ヤクル
ト)、デナプシン(長瀬産業)などが挙げられる。該プロ
テアーゼの使用量は、使用するタンパク、処理時間等に
よって変化し得るが、通常、タンパク溶液に対して0.
01〜1.0%程度とし、20〜60℃で1〜5時間処
理を行うことが好ましい。このプロテアーゼ処理によ
り、タンパクとカルシウムとの結合が高まり、タンパク
によっては風味、テクスチャー等が改善される。
【0013】本発明のカルシウム強化発酵タンパク組成
物は、タンパク溶液に乳酸菌およびカルシウム素材を加
え、乳酸菌の発酵条件下、pH5.0以下になるまで乳酸
発酵させ、該発酵中または発酵後にプロテアーゼを添加
して、製造される。
物は、タンパク溶液に乳酸菌およびカルシウム素材を加
え、乳酸菌の発酵条件下、pH5.0以下になるまで乳酸
発酵させ、該発酵中または発酵後にプロテアーゼを添加
して、製造される。
【0014】好ましくは、本発明のカルシウム強化発酵
タンパク組成物は、あらかじめ常法により殺菌したタン
パク溶液に天然カルシウム素材および乳酸菌を添加し、
よくかき混ぜながら乳酸菌の生育温度25〜50℃で1
0〜40時間培養し、pHが5.0以下になるまで発酵さ
せ、該発酵中または発酵終了後、20〜60℃で1〜5
時間プロテアーゼ処理を行うことにより製造され得る。
タンパク組成物は、あらかじめ常法により殺菌したタン
パク溶液に天然カルシウム素材および乳酸菌を添加し、
よくかき混ぜながら乳酸菌の生育温度25〜50℃で1
0〜40時間培養し、pHが5.0以下になるまで発酵さ
せ、該発酵中または発酵終了後、20〜60℃で1〜5
時間プロテアーゼ処理を行うことにより製造され得る。
【0015】乳酸発酵は、カルシウム素材を完全に溶解
させてカルシウムを溶出させるためにpHが5.0以下に
なるまで行う。0.5M乳酸水溶液に各種天然カルシウ
ム素材を加えたときのpHの変化およびカルシウム素材
の溶解性を、各々、「図1」および「表1」に示す。
させてカルシウムを溶出させるためにpHが5.0以下に
なるまで行う。0.5M乳酸水溶液に各種天然カルシウ
ム素材を加えたときのpHの変化およびカルシウム素材
の溶解性を、各々、「図1」および「表1」に示す。
【0016】
【表1】
【0017】この結果、各天然カルシウムともpHが5.
0以下では溶液は透明でカルシウム素材が完全に溶解す
るが、5.0以上になるにしたがい次第に濁りを生じて
完全に溶解させるのが難しくなるのことが判明した。し
たがって、カルシウム素材の溶解の為にはpH5.0以
下、好ましくは4.8以下になるまで発酵させることが
必要であることがわかった。
0以下では溶液は透明でカルシウム素材が完全に溶解す
るが、5.0以上になるにしたがい次第に濁りを生じて
完全に溶解させるのが難しくなるのことが判明した。し
たがって、カルシウム素材の溶解の為にはpH5.0以
下、好ましくは4.8以下になるまで発酵させることが
必要であることがわかった。
【0018】また、豆乳に各種天然カルシウム素材を添
加し、乳酸発酵させたときのpHの変化を「図2」に示
す。
加し、乳酸発酵させたときのpHの変化を「図2」に示
す。
【0019】本発明の組成物は、乳酸発酵後の発酵液そ
のものでもよく、また、それに、要すれば、甘味料、フ
レーバー、その他の薬効剤等の添加物を加えたものでも
よく、さらに、常法により、濃縮、粉末化、顆粒化、錠
剤化したものでもよい。
のものでもよく、また、それに、要すれば、甘味料、フ
レーバー、その他の薬効剤等の添加物を加えたものでも
よく、さらに、常法により、濃縮、粉末化、顆粒化、錠
剤化したものでもよい。
【0020】かくして得られた本発明の組成物は食品、
医薬、医薬部外品、あるいはこれらの素材として摂食す
ることができ、カルシウムの補給に供することができ
る。
医薬、医薬部外品、あるいはこれらの素材として摂食す
ることができ、カルシウムの補給に供することができ
る。
【0021】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。
する。
【0022】実施例1 豆乳800ミリリットルにグルコース16gおよび卵殻
4gを加え、80℃で30分間殺菌した後、乳酸菌スト
レプトコッカス・ラクティス(Streptococcus lactis)
スターター8ミリリットルを接種し、よくかき混ぜなが
ら30℃で24時間培養した。培養時のpHの経時変化
は「図2」に示す卵殻による実験結果と同様であった。
pHが5.0以下に低下し、数時間にわたり一定のpH値
を示すことより、カルシウムの溶出が完全に行われたこ
とがわかる。
4gを加え、80℃で30分間殺菌した後、乳酸菌スト
レプトコッカス・ラクティス(Streptococcus lactis)
スターター8ミリリットルを接種し、よくかき混ぜなが
ら30℃で24時間培養した。培養時のpHの経時変化
は「図2」に示す卵殻による実験結果と同様であった。
pHが5.0以下に低下し、数時間にわたり一定のpH値
を示すことより、カルシウムの溶出が完全に行われたこ
とがわかる。
【0023】次いで、デナプシン(長瀬産業)4.0g(0.
5重量%)を加え、50℃で3時間30分反応後、80
℃で30分間加熱失活殺菌し、次いで凍結乾燥して、乳
酸菌による良好な発酵フレーバーを有し、かつ天然カル
シウム素材のようなザラツキのない、口当たりのよいカ
ルシウム強化発酵豆乳粉末102gを得た。このカルシ
ウム強化発酵豆乳粉末は1g当たり17.64mgのカルシ
ウムを含む。
5重量%)を加え、50℃で3時間30分反応後、80
℃で30分間加熱失活殺菌し、次いで凍結乾燥して、乳
酸菌による良好な発酵フレーバーを有し、かつ天然カル
シウム素材のようなザラツキのない、口当たりのよいカ
ルシウム強化発酵豆乳粉末102gを得た。このカルシ
ウム強化発酵豆乳粉末は1g当たり17.64mgのカルシ
ウムを含む。
【0024】得られたカルシウム強化発酵豆乳粉末と、
カルシウム素材を添加せず同様に作成した発酵豆乳粉末
(対照)とを、各々溶解および透析し、結合型カルシウム
量を比較したところ、カルシウム強化発酵豆乳粉末は対
照の発酵豆乳粉末に比べると、約2倍のカルシウムを結
合していた。結果を「表2」に示す。
カルシウム素材を添加せず同様に作成した発酵豆乳粉末
(対照)とを、各々溶解および透析し、結合型カルシウム
量を比較したところ、カルシウム強化発酵豆乳粉末は対
照の発酵豆乳粉末に比べると、約2倍のカルシウムを結
合していた。結果を「表2」に示す。
【0025】
【表2】
【0026】実施例2 15%脱脂粉乳溶液800ミリリットルにグルコース1
6gおよびボレー4gを加え、80℃で30分間殺菌した
後、乳酸菌ストレプトコッカス・ラクティス(Streptoc
occus lactis)スターター8ミリリットル接種し、よく
かき混ぜながら30℃で24時間培養した。培養時のp
Hの経時変化を「図3」に示す。これも実施例1と同様
にpHが5.0以下となり、完全にカルシウムが溶出して
いることがわかる。
6gおよびボレー4gを加え、80℃で30分間殺菌した
後、乳酸菌ストレプトコッカス・ラクティス(Streptoc
occus lactis)スターター8ミリリットル接種し、よく
かき混ぜながら30℃で24時間培養した。培養時のp
Hの経時変化を「図3」に示す。これも実施例1と同様
にpHが5.0以下となり、完全にカルシウムが溶出して
いることがわかる。
【0027】次いで、パンチダーゼNP−2(ヤクルト
本社株式会社)0.8g(0.1重量%)を加え、50℃で3
時間30分酵素処理を行った後、80℃で30分間加熱
失活殺菌し、次いで凍結乾燥して、良好な発酵フレーバ
ーを有し、かつザラツキのない口当たりのよいカルシウ
ム強化発酵脱脂粉乳組成物134gを得た。このカルシ
ウム強化発酵脱脂粉乳組成物は1g当たり21.80mgの
カルシウムを含む。
本社株式会社)0.8g(0.1重量%)を加え、50℃で3
時間30分酵素処理を行った後、80℃で30分間加熱
失活殺菌し、次いで凍結乾燥して、良好な発酵フレーバ
ーを有し、かつザラツキのない口当たりのよいカルシウ
ム強化発酵脱脂粉乳組成物134gを得た。このカルシ
ウム強化発酵脱脂粉乳組成物は1g当たり21.80mgの
カルシウムを含む。
【0028】得られたカルシウム強化発酵脱脂粉乳粉末
と、カルシウム素材を添加せず同様に作成した発酵脱脂
粉乳粉末(対照)とを、各々溶解および透析し、結合型カ
ルシウム量を比較したところ、カルシウム強化発酵脱脂
粉乳粉末は対照の発酵脱脂粉乳粉末に較べると、約3倍
のカルシウムを結合していた。結果を「表3」に示す。
と、カルシウム素材を添加せず同様に作成した発酵脱脂
粉乳粉末(対照)とを、各々溶解および透析し、結合型カ
ルシウム量を比較したところ、カルシウム強化発酵脱脂
粉乳粉末は対照の発酵脱脂粉乳粉末に較べると、約3倍
のカルシウムを結合していた。結果を「表3」に示す。
【0029】
【表3】
【0030】実施例3 4.5%ゼラチン溶液にグルコース16gおよびボレー4
gを加えた以外は、実施例1と同様に発酵、プロテアー
ゼ処理、加熱失活殺菌および凍結乾燥を行って、良好な
発酵フレーバーを有し、かつザラツキのない口当たりの
よいカルシウム強化発酵ゼラチン組成物54gを得た。
このカルシウム強化発酵ゼラチン組成物は、1g当たり
32.47mgのカルシウムを含んでおり、結合型カルシ
ウムの量は組成物1g当たり0.86mgであった。
gを加えた以外は、実施例1と同様に発酵、プロテアー
ゼ処理、加熱失活殺菌および凍結乾燥を行って、良好な
発酵フレーバーを有し、かつザラツキのない口当たりの
よいカルシウム強化発酵ゼラチン組成物54gを得た。
このカルシウム強化発酵ゼラチン組成物は、1g当たり
32.47mgのカルシウムを含んでおり、結合型カルシ
ウムの量は組成物1g当たり0.86mgであった。
【0031】実施例4 5%ホエータンパク溶液にグルコース16gおよびボレ
ー4gを加えた以外は、実施例1と同様に発酵、プロテ
アーゼ処理、加熱失活殺菌および凍結乾燥を行って、良
好な発酵フレーバーを有し、かつザラツキのない口当た
りのよいカルシウム強化発酵ホエータンパク組成物58
gを得た。このカルシウム強化発酵ホエー組成物は、1g
当たり32.94mgのカルシウムを含んでおり、結合型
カルシウムの量は組成物1g当たり1.10mgであった。
ー4gを加えた以外は、実施例1と同様に発酵、プロテ
アーゼ処理、加熱失活殺菌および凍結乾燥を行って、良
好な発酵フレーバーを有し、かつザラツキのない口当た
りのよいカルシウム強化発酵ホエータンパク組成物58
gを得た。このカルシウム強化発酵ホエー組成物は、1g
当たり32.94mgのカルシウムを含んでおり、結合型
カルシウムの量は組成物1g当たり1.10mgであった。
【0032】
【発明の効果】本発明のカルシウム強化発酵タンパク組
成物によれば、タンパクを可溶化したカルシウムのキャ
リアーとすることによって、カルシウム補給が容易にな
る。また、本発明のカルシウム強化発酵タンパク組成物
は、良好な発酵フレーバーを有し、かつザラツキがなく
て口当りがよいので、広範囲の食品、医薬、医薬部外品
等またはこれらの素材として違和感なく使用することが
できる。
成物によれば、タンパクを可溶化したカルシウムのキャ
リアーとすることによって、カルシウム補給が容易にな
る。また、本発明のカルシウム強化発酵タンパク組成物
は、良好な発酵フレーバーを有し、かつザラツキがなく
て口当りがよいので、広範囲の食品、医薬、医薬部外品
等またはこれらの素材として違和感なく使用することが
できる。
【図1】 0.5M乳酸水溶液に各種天然カルシウム素
材を加えたときのpHの変化を示すグラフ。
材を加えたときのpHの変化を示すグラフ。
【図2】 豆乳に各種天然カルシウム素材を添加し、乳
酸発酵させたときのpHの変化を示すグラフ。
酸発酵させたときのpHの変化を示すグラフ。
【図3】 実施例2における培養時のpHの経時変化を
示すグラフ。
示すグラフ。
Claims (4)
- 【請求項1】 カルシウム素材を含有するタンパク溶液
を乳酸発酵に付し、pH5.0以下とし、該発酵中または
発酵後にプロテアーゼ処理したことを特徴とするカルシ
ウム強化発酵タンパク組成物。 - 【請求項2】 液状またはペースト状である請求項1記
載のタンパク組成物。 - 【請求項3】 粉末形態とした請求項1記載のタンパク
組成物。 - 【請求項4】 カルシウム素材を含有するタンパク溶液
をpH5.0以下になるまで乳酸発酵させ、該発酵中また
は発酵後にプロテアーゼを添加することを特徴とするカ
ルシウム強化発酵タンパク組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4068242A JPH05268907A (ja) | 1992-03-26 | 1992-03-26 | カルシウム強化発酵タンパク組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4068242A JPH05268907A (ja) | 1992-03-26 | 1992-03-26 | カルシウム強化発酵タンパク組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05268907A true JPH05268907A (ja) | 1993-10-19 |
Family
ID=13368113
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4068242A Pending JPH05268907A (ja) | 1992-03-26 | 1992-03-26 | カルシウム強化発酵タンパク組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05268907A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002032441A1 (fr) * | 2000-10-13 | 2002-04-25 | Kabushiki Kaisha Yakult Honsha | Agent ameliorant le metabolisme osseux |
JP2007045698A (ja) * | 2005-07-11 | 2007-02-22 | Kawai Hiryo Kk | 乳酸処理組成物 |
JP2008516619A (ja) * | 2004-10-22 | 2008-05-22 | コンパニ・ジェルベ・ダノン | デコイ成分による選択した生物活性食品成分の保護方法 |
WO2021256507A1 (ja) * | 2020-06-16 | 2021-12-23 | 合同酒精株式会社 | 植物性ミルク発酵物の製造方法 |
-
1992
- 1992-03-26 JP JP4068242A patent/JPH05268907A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002032441A1 (fr) * | 2000-10-13 | 2002-04-25 | Kabushiki Kaisha Yakult Honsha | Agent ameliorant le metabolisme osseux |
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