JPH05217422A - 導電性ペーストおよび導電性塗膜 - Google Patents
導電性ペーストおよび導電性塗膜Info
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- JPH05217422A JPH05217422A JP5444092A JP5444092A JPH05217422A JP H05217422 A JPH05217422 A JP H05217422A JP 5444092 A JP5444092 A JP 5444092A JP 5444092 A JP5444092 A JP 5444092A JP H05217422 A JPH05217422 A JP H05217422A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】導電性粉末、有機バインダー、添加剤、および
溶剤を含む導電性ペーストにおいて、該有機バインダー
が熱硬化性樹脂を必須成分とし、該添加剤として一般式
(I)で示される安息香酸および/またはその誘導体を
含有することを特徴とする導電性ペースト、および該導
電性ペーストを基材上に塗布、または印刷後、硬化して
なることを特徴とする導電性塗膜。 【効果】本発明において、安息香酸および/またはその
誘導体を用いることにより、導電性を低下させることな
く密着性の向上がはかられ、その環境安定性や印刷性を
大幅に改善し、総合的に優れた導電性ペーストを提供す
ることができる。
溶剤を含む導電性ペーストにおいて、該有機バインダー
が熱硬化性樹脂を必須成分とし、該添加剤として一般式
(I)で示される安息香酸および/またはその誘導体を
含有することを特徴とする導電性ペースト、および該導
電性ペーストを基材上に塗布、または印刷後、硬化して
なることを特徴とする導電性塗膜。 【効果】本発明において、安息香酸および/またはその
誘導体を用いることにより、導電性を低下させることな
く密着性の向上がはかられ、その環境安定性や印刷性を
大幅に改善し、総合的に優れた導電性ペーストを提供す
ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機体をバインダーとす
る導電性ペーストおよびこの導電性ペーストを用いた導
電性塗膜に関し、より詳しくは、紙・フェノール樹脂基
板やガラス・エポキシ樹脂基板などの回路基板上に、ス
クリーン印刷等で塗布後、加熱硬化することにより、特
に導電性、密着性、印刷性に優れた導電性塗膜を形成
し、回路基板の電磁波ノイズ対策用もしくは回路基板の
配線用の導体等の用途に適した導電性ペースト、および
この導電性ペーストを塗布または印刷後、硬化してなる
導電性塗膜に関するものである。
る導電性ペーストおよびこの導電性ペーストを用いた導
電性塗膜に関し、より詳しくは、紙・フェノール樹脂基
板やガラス・エポキシ樹脂基板などの回路基板上に、ス
クリーン印刷等で塗布後、加熱硬化することにより、特
に導電性、密着性、印刷性に優れた導電性塗膜を形成
し、回路基板の電磁波ノイズ対策用もしくは回路基板の
配線用の導体等の用途に適した導電性ペースト、および
この導電性ペーストを塗布または印刷後、硬化してなる
導電性塗膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に導電性ペーストは、エポキシ樹
脂、飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノール
樹脂、アミノ樹脂等の有機バインダー(以下、バインダ
ーと略すこともある)と導電性粉末及び溶剤とから基本
的に構成されている。この導電性ペーストは、従来から
回路基板用の導体として用いられている。また最近で
は、プリント回路基板の電磁波シールド材料として導電
性ペーストを使用する試みも行われ始めている。即ち、
この応用は基板上にアースパターンを含む回路パターン
を有する導電層を形成してなる印刷配線基板において、
この基板の導電層が設けられた面のアースパターンの部
分を除いて基板上に導電層を覆うように絶縁層が印刷さ
れ、さらにこの基板の絶縁層を覆いアースパターンに接
続するように導電性ペーストを印刷することにより、電
磁波シールド層を形成させ、電磁波ノイズ対策用回路基
板の導体として使用するものである(特開昭63−15
497号公報や実開昭55−29276号公報参照) 。
脂、飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノール
樹脂、アミノ樹脂等の有機バインダー(以下、バインダ
ーと略すこともある)と導電性粉末及び溶剤とから基本
的に構成されている。この導電性ペーストは、従来から
回路基板用の導体として用いられている。また最近で
は、プリント回路基板の電磁波シールド材料として導電
性ペーストを使用する試みも行われ始めている。即ち、
この応用は基板上にアースパターンを含む回路パターン
を有する導電層を形成してなる印刷配線基板において、
この基板の導電層が設けられた面のアースパターンの部
分を除いて基板上に導電層を覆うように絶縁層が印刷さ
れ、さらにこの基板の絶縁層を覆いアースパターンに接
続するように導電性ペーストを印刷することにより、電
磁波シールド層を形成させ、電磁波ノイズ対策用回路基
板の導体として使用するものである(特開昭63−15
497号公報や実開昭55−29276号公報参照) 。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記の導電性ペースト
の中でも、近年特に導電性銅ペーストは、導電性銀ペー
ストに比べ安価である等の理由から導電性銀ペーストに
代わる導体として注目されている。この導電性銅ペース
トは、高導電性、密着性、耐久性、印刷性など種々の物
性が要求されるが、銅が銀よりも本質的に酸化されやす
く、酸化により電気絶縁性の酸化被膜を形成するという
欠点を有しているため、ペースト状態もしくは加熱硬化
膜状態での長期間にわたる導電性の維持という点におい
て実用上大きな問題を残していた。
の中でも、近年特に導電性銅ペーストは、導電性銀ペー
ストに比べ安価である等の理由から導電性銀ペーストに
代わる導体として注目されている。この導電性銅ペース
トは、高導電性、密着性、耐久性、印刷性など種々の物
性が要求されるが、銅が銀よりも本質的に酸化されやす
く、酸化により電気絶縁性の酸化被膜を形成するという
欠点を有しているため、ペースト状態もしくは加熱硬化
膜状態での長期間にわたる導電性の維持という点におい
て実用上大きな問題を残していた。
【0004】この欠点に対してこれまでに各種の酸化防
止剤、還元剤、金属キレート剤等の添加剤を添加するこ
とが行われている。例えば、導電性銅ペーストに対し酸
化防止剤としてサリチル酸およびその誘導体を用いる方
法(特開平1−158081号公報)、還元剤としては
γ−アミノイソプロピルトリエトキシシランを用いる方
法(特開昭50−6638号公報)や2−ヒドロキシ−
3−フェノキシプロピルフォスファイトを用いる方法
(特開昭52−24936号公報)、金属キレート剤と
しては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等
を用いる方法(特開昭62−230869号公報)やア
セチルアセトン等を用いる方法(特開平2−66802
号公報)などが提案されている。しかしながら、上記添
加剤を配合した導電性銅ペーストでは、導電性の向上ま
たは維持という点では改良されているものの、他の物
性、すなわち銅箔表面(特に金属銅表面)との密着性、
スクリーン印刷性に乏しく、更なる改良が強く求められ
ていた。特に、導電性と密着性の関係は一般に二律背反
の関係にあり、これまで導電性ペースト開発の大きな障
害になっていた。
止剤、還元剤、金属キレート剤等の添加剤を添加するこ
とが行われている。例えば、導電性銅ペーストに対し酸
化防止剤としてサリチル酸およびその誘導体を用いる方
法(特開平1−158081号公報)、還元剤としては
γ−アミノイソプロピルトリエトキシシランを用いる方
法(特開昭50−6638号公報)や2−ヒドロキシ−
3−フェノキシプロピルフォスファイトを用いる方法
(特開昭52−24936号公報)、金属キレート剤と
しては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等
を用いる方法(特開昭62−230869号公報)やア
セチルアセトン等を用いる方法(特開平2−66802
号公報)などが提案されている。しかしながら、上記添
加剤を配合した導電性銅ペーストでは、導電性の向上ま
たは維持という点では改良されているものの、他の物
性、すなわち銅箔表面(特に金属銅表面)との密着性、
スクリーン印刷性に乏しく、更なる改良が強く求められ
ていた。特に、導電性と密着性の関係は一般に二律背反
の関係にあり、これまで導電性ペースト開発の大きな障
害になっていた。
【0005】従って、当業界では導電性、密着性がとも
に優れ、かつ耐久性、印刷性等、総合的に優れた性能を
有する導電性銅ペーストの開発が期待されている。本発
明の目的は、まさにこの点にありかかる課題を解決する
ものとして、導電性ペーストにおいて、特に、酸化され
易い金属を導電性粉末として用いた場合においても導電
性、密着性、耐久性、印刷性等、総合的に優れた性能を
有する導電性ペーストを提供することにある。
に優れ、かつ耐久性、印刷性等、総合的に優れた性能を
有する導電性銅ペーストの開発が期待されている。本発
明の目的は、まさにこの点にありかかる課題を解決する
ものとして、導電性ペーストにおいて、特に、酸化され
易い金属を導電性粉末として用いた場合においても導電
性、密着性、耐久性、印刷性等、総合的に優れた性能を
有する導電性ペーストを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる現状
に鑑みて、導電性ペーストの導電性の維持及び向上、銅
箔表面との密着性並びにスクリーン印刷性の改善を鋭意
検討した結果、安息香酸および/またはその誘導体を用
いることによって上記課題を解決できることを見出し、
本発明を完成するに至った。
に鑑みて、導電性ペーストの導電性の維持及び向上、銅
箔表面との密着性並びにスクリーン印刷性の改善を鋭意
検討した結果、安息香酸および/またはその誘導体を用
いることによって上記課題を解決できることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0007】即ち本発明は、導電性粉末、有機バインダ
ー、添加剤、および溶剤を含む導電性ペーストにおい
て、該有機バインダーが熱硬化性樹脂を必須成分とし、
該添加剤として一般式(I)で示される安息香酸および
/またはその誘導体を含有することを特徴とする導電性
ペーストに関するものであり、また本発明は、この導電
性ペーストを基材上に塗布または印刷後、硬化してなる
ことを特徴とする導電性塗膜に関するものである。
ー、添加剤、および溶剤を含む導電性ペーストにおい
て、該有機バインダーが熱硬化性樹脂を必須成分とし、
該添加剤として一般式(I)で示される安息香酸および
/またはその誘導体を含有することを特徴とする導電性
ペーストに関するものであり、また本発明は、この導電
性ペーストを基材上に塗布または印刷後、硬化してなる
ことを特徴とする導電性塗膜に関するものである。
【0008】
【化2】
【0009】(式中、Ra は水素原子、または炭素数1
〜24の直鎖もしくは分岐のアルキル基またはアルコキ
シル基を示す。Rb は水素原子、アルカリ金属、アルカ
リ土類金属、遷移金属、アンモニウム、アルキルアンモ
ニウムまたはヒドロキシアルキルアンモニウムを示
す。)
〜24の直鎖もしくは分岐のアルキル基またはアルコキ
シル基を示す。Rb は水素原子、アルカリ金属、アルカ
リ土類金属、遷移金属、アンモニウム、アルキルアンモ
ニウムまたはヒドロキシアルキルアンモニウムを示
す。)
【0010】本発明における添加剤には前記の一般式
(I)で表される安息香酸および/またはその誘導体を
含有することに特徴がある。ここでRa は水素原子また
はアルキル基またはアルコキシル基であり、直鎖状、分
岐状のいずれでもよい。また、アルキル基またはアルコ
キシル基の炭素数は、通常1〜24であり、好ましくは
3〜20である。アルキル基またはアルコキシル基の炭
素数が24を越える場合、導電性が低下したものしか得
られず好ましくない。
(I)で表される安息香酸および/またはその誘導体を
含有することに特徴がある。ここでRa は水素原子また
はアルキル基またはアルコキシル基であり、直鎖状、分
岐状のいずれでもよい。また、アルキル基またはアルコ
キシル基の炭素数は、通常1〜24であり、好ましくは
3〜20である。アルキル基またはアルコキシル基の炭
素数が24を越える場合、導電性が低下したものしか得
られず好ましくない。
【0011】本発明における安息香酸および/またはそ
の誘導体の具体例としては、安息香酸、メチル安息香
酸、エチル安息香酸、プロピル安息香酸、ブチル安息香
酸、ヘキシル安息香酸、オクチル安息香酸、ノニル安息
香酸、デシル安息香酸、ドデシル安息香酸、テトラデシ
ル安息香酸、ヘキサデシル安息香酸、オクタデシル安息
香酸、メトキシ安息香酸、エトキシ安息香酸、ブトキシ
安息香酸、オクチルオキシ安息香酸、テトラデシルオキ
シ安息香酸等である。
の誘導体の具体例としては、安息香酸、メチル安息香
酸、エチル安息香酸、プロピル安息香酸、ブチル安息香
酸、ヘキシル安息香酸、オクチル安息香酸、ノニル安息
香酸、デシル安息香酸、ドデシル安息香酸、テトラデシ
ル安息香酸、ヘキサデシル安息香酸、オクタデシル安息
香酸、メトキシ安息香酸、エトキシ安息香酸、ブトキシ
安息香酸、オクチルオキシ安息香酸、テトラデシルオキ
シ安息香酸等である。
【0012】本発明における安息香酸および/またはそ
の誘導体の塩を構成するものとして、Rb は通常ナトリ
ウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属、カルシ
ウム、マグネシウム、バリウムなどのアルカリ土類金
属、銅などの遷移金属、アンモニウム、またはトリエチ
ルアミンなどのアルキルアミンにより形成されるアルキ
ルアンモニウム、トリエタノールアミンなどのヒドロキ
シアルキルアミンにより形成されるヒドロキシアルキル
アンモニウムなどが挙げられ、好ましくはナトリウム、
カリウム、銅、アンモニウム、トリエチルアミン、トリ
エタノールアミン等である。これらの安息香酸および/
またはその誘導体は、単独であるいは2種以上を混合し
て用いてもよい。
の誘導体の塩を構成するものとして、Rb は通常ナトリ
ウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属、カルシ
ウム、マグネシウム、バリウムなどのアルカリ土類金
属、銅などの遷移金属、アンモニウム、またはトリエチ
ルアミンなどのアルキルアミンにより形成されるアルキ
ルアンモニウム、トリエタノールアミンなどのヒドロキ
シアルキルアミンにより形成されるヒドロキシアルキル
アンモニウムなどが挙げられ、好ましくはナトリウム、
カリウム、銅、アンモニウム、トリエチルアミン、トリ
エタノールアミン等である。これらの安息香酸および/
またはその誘導体は、単独であるいは2種以上を混合し
て用いてもよい。
【0013】本発明の導電性ペースト中の安息香酸およ
び/またはその誘導体の配合割合は、溶剤を除く全重量
に対して0.05〜25重量%、好ましくは0.1〜1
0重量%、さらに好ましくは0.2〜5重量%である。
配合重量は0.05重量%未満の場合は、安息香酸およ
び/またはその誘導体の絶対量が不足して導電性、密着
性、または印刷性が低下し、25重量%を超えると導電
性粉末をバインドする効果が不足して導電性、密着性、
耐久性が低下する。
び/またはその誘導体の配合割合は、溶剤を除く全重量
に対して0.05〜25重量%、好ましくは0.1〜1
0重量%、さらに好ましくは0.2〜5重量%である。
配合重量は0.05重量%未満の場合は、安息香酸およ
び/またはその誘導体の絶対量が不足して導電性、密着
性、または印刷性が低下し、25重量%を超えると導電
性粉末をバインドする効果が不足して導電性、密着性、
耐久性が低下する。
【0014】本発明において使用される安息香酸の誘導
体の合成方法は例えば通常のフリーデルクラフツ・アシ
ル化反応とハロホルム反応に従えばよい。具体的には、
ジクロロメタン中に無水塩化アルミニウムと塩化アセチ
ルを加え、冷却、攪拌しながら、塩化アセチルとアルキ
ルベンゼンまたはアルコキシベンゼンをすばやく加え
る。濃塩酸と氷の混合物で分解し、ジクロロメタン層を
分離し、中和洗浄した後溶媒を除去し、減圧蒸留を行っ
てp−アセチルアルキルベンゼンまたはp−アセチルア
ルコキシベンゼンを得る。次に、水とジオキサンに臭素
と水酸化ナトリウムを加え、アルカル性次亜臭素酸溶液
を作り、0℃で攪拌しながら上記物質を滴下する。その
後、過剰の塩酸で酸性化し、生成する沈澱をろ別し、ベ
ンゼンより再結晶精製して安息香酸の誘導体を得る。ま
た、安息香酸および/またはその誘導体の塩は、例えば
過剰の金属水酸化物、アンモニア、アルキルアミン、ア
ルカノールアミン等で中和して得ることができる。
体の合成方法は例えば通常のフリーデルクラフツ・アシ
ル化反応とハロホルム反応に従えばよい。具体的には、
ジクロロメタン中に無水塩化アルミニウムと塩化アセチ
ルを加え、冷却、攪拌しながら、塩化アセチルとアルキ
ルベンゼンまたはアルコキシベンゼンをすばやく加え
る。濃塩酸と氷の混合物で分解し、ジクロロメタン層を
分離し、中和洗浄した後溶媒を除去し、減圧蒸留を行っ
てp−アセチルアルキルベンゼンまたはp−アセチルア
ルコキシベンゼンを得る。次に、水とジオキサンに臭素
と水酸化ナトリウムを加え、アルカル性次亜臭素酸溶液
を作り、0℃で攪拌しながら上記物質を滴下する。その
後、過剰の塩酸で酸性化し、生成する沈澱をろ別し、ベ
ンゼンより再結晶精製して安息香酸の誘導体を得る。ま
た、安息香酸および/またはその誘導体の塩は、例えば
過剰の金属水酸化物、アンモニア、アルキルアミン、ア
ルカノールアミン等で中和して得ることができる。
【0015】本発明においては、このような安息香酸お
よび/またはその誘導体を添加剤として用いることによ
って、高い導電性を発現し、かつその硬化塗膜は環境安
定性に優れている。さらに、銅箔の表面状態(特に酸化
状態)によらず良好な密着性を示す。また、導電性ペー
ストの流動特性が改善され、良好な印刷が可能となる。
よび/またはその誘導体を添加剤として用いることによ
って、高い導電性を発現し、かつその硬化塗膜は環境安
定性に優れている。さらに、銅箔の表面状態(特に酸化
状態)によらず良好な密着性を示す。また、導電性ペー
ストの流動特性が改善され、良好な印刷が可能となる。
【0016】本発明の導電性ペーストの有機バインダー
は、熱硬化性樹脂を必須成分とする。本発明に有効に用
いられる熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂、ユリア樹
脂、アミノ樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、ケイ
素樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル・ポリオール
樹脂、アクリル樹脂、メチロール化ヒドロキシスチレン
系重合体および/またはその誘導体等の公知の熱硬化性
樹脂を用いることができるが、特にフェノール樹脂、ア
ミノ樹脂、キシレン樹脂が好ましい。本発明で用いられ
る前述の熱硬化性樹脂は、単独であるいは2種以上を混
合して使用してもよい。
は、熱硬化性樹脂を必須成分とする。本発明に有効に用
いられる熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂、ユリア樹
脂、アミノ樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、ケイ
素樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル・ポリオール
樹脂、アクリル樹脂、メチロール化ヒドロキシスチレン
系重合体および/またはその誘導体等の公知の熱硬化性
樹脂を用いることができるが、特にフェノール樹脂、ア
ミノ樹脂、キシレン樹脂が好ましい。本発明で用いられ
る前述の熱硬化性樹脂は、単独であるいは2種以上を混
合して使用してもよい。
【0017】フェノール樹脂としては、一般に公知のも
の市販のものが使用できるが、例えばフェノール、クレ
ゾール、キシレノール、p−アルキルフェノール、クロ
ルフェノール、ビスフェノールA、フェノールスルホン
酸、レゾルシンや各種変性フェノールなどのフェノール
性水酸基を有するものにホルマリン、フルフラールなど
のアルデヒド類を付加、縮合した樹脂を挙げることがで
きる。特にレゾール型フェノール系樹脂が好ましい。ノ
ボラック型フェノール系樹脂を用いる場合はヘキサメチ
レンテトラミンを併用することが好ましい。
の市販のものが使用できるが、例えばフェノール、クレ
ゾール、キシレノール、p−アルキルフェノール、クロ
ルフェノール、ビスフェノールA、フェノールスルホン
酸、レゾルシンや各種変性フェノールなどのフェノール
性水酸基を有するものにホルマリン、フルフラールなど
のアルデヒド類を付加、縮合した樹脂を挙げることがで
きる。特にレゾール型フェノール系樹脂が好ましい。ノ
ボラック型フェノール系樹脂を用いる場合はヘキサメチ
レンテトラミンを併用することが好ましい。
【0018】アミノ樹脂としては、一般に公知のもの市
販のものが使用できるが、重量平均分子量が500以上
5万以下の範囲のものが好ましい。例えば、尿素、メラ
ミン、グアナミン、アニリン、スルホンアミドなどのア
ミノ基にホルマリンを付加縮合した樹脂、あるいはエポ
キシ変成メラミン樹脂、フェノール変成メラミン樹脂、
アクリル変成メラミン樹脂、ブチル化尿素樹脂、ブチル
化尿素メラミン共縮合樹脂、ブチル化メラミン・グアナ
ミン共縮合樹脂、アミノ・アルキド共縮合樹脂、アルキ
ルエーテル化メラミン樹脂等が挙げられる。好ましくは
アルキルエーテル化メラミン樹脂である。アルキルエー
テル化メラミン樹脂としては、メチルエーテル化メラミ
ン樹脂、n−ブチルエーテル化メラミン樹脂、 iso−ブ
チルエーテル化メラミン樹脂等があり、例えば大日本イ
ンキ化学社製スーパーベッカミン(商品名)、あるいは
三井東圧化学社製ユーバン(商品名)がある。これらの
アルキルエーテル化メラミン樹脂の中で好ましいものは
重量平均分子量(Mw)が500〜5万の範囲でかつそ
のエーテル化度が10〜95%(100%でトリアジン
環1ユニットに対し6個のアルキルエーテル基が導入さ
れる)の範囲、さらに好ましくはMwが1000〜2.
5万の範囲でかつエーテル化度が20〜80%の範囲、
最も好ましくはMwが1000〜1万の範囲でエーテル
化度が30〜60%の範囲のメラミン樹脂である。Mw
が500未満では硬化塗膜の可撓性が不足し、5万を越
えると密着性、導電性が悪くなるからである。エーテル
化度が10%未満ではメラミン樹脂が不安定で、導電性
ペーストのポットライフが短くなり95%を越えると硬
化速度が低下して通常の硬化条件では十分な緻密塗膜が
得られず良好な密着性、導電性等が得られにくくなるか
らである。
販のものが使用できるが、重量平均分子量が500以上
5万以下の範囲のものが好ましい。例えば、尿素、メラ
ミン、グアナミン、アニリン、スルホンアミドなどのア
ミノ基にホルマリンを付加縮合した樹脂、あるいはエポ
キシ変成メラミン樹脂、フェノール変成メラミン樹脂、
アクリル変成メラミン樹脂、ブチル化尿素樹脂、ブチル
化尿素メラミン共縮合樹脂、ブチル化メラミン・グアナ
ミン共縮合樹脂、アミノ・アルキド共縮合樹脂、アルキ
ルエーテル化メラミン樹脂等が挙げられる。好ましくは
アルキルエーテル化メラミン樹脂である。アルキルエー
テル化メラミン樹脂としては、メチルエーテル化メラミ
ン樹脂、n−ブチルエーテル化メラミン樹脂、 iso−ブ
チルエーテル化メラミン樹脂等があり、例えば大日本イ
ンキ化学社製スーパーベッカミン(商品名)、あるいは
三井東圧化学社製ユーバン(商品名)がある。これらの
アルキルエーテル化メラミン樹脂の中で好ましいものは
重量平均分子量(Mw)が500〜5万の範囲でかつそ
のエーテル化度が10〜95%(100%でトリアジン
環1ユニットに対し6個のアルキルエーテル基が導入さ
れる)の範囲、さらに好ましくはMwが1000〜2.
5万の範囲でかつエーテル化度が20〜80%の範囲、
最も好ましくはMwが1000〜1万の範囲でエーテル
化度が30〜60%の範囲のメラミン樹脂である。Mw
が500未満では硬化塗膜の可撓性が不足し、5万を越
えると密着性、導電性が悪くなるからである。エーテル
化度が10%未満ではメラミン樹脂が不安定で、導電性
ペーストのポットライフが短くなり95%を越えると硬
化速度が低下して通常の硬化条件では十分な緻密塗膜が
得られず良好な密着性、導電性等が得られにくくなるか
らである。
【0019】キシレン樹脂としては、一般に公知のもの
市販のものが使用できるが、例えば、キシレン、変性キ
シレンなどにホルマリン、フルフラールなどのアルデヒ
ド類を付加、縮合した樹脂等を挙げることができる。
市販のものが使用できるが、例えば、キシレン、変性キ
シレンなどにホルマリン、フルフラールなどのアルデヒ
ド類を付加、縮合した樹脂等を挙げることができる。
【0020】本発明の導電性ペーストの有機バインダー
には、熱硬化性樹脂とともにさらに熱可塑性樹脂を併用
することが好ましい。本発明に有効に用いられる熱可塑
性樹脂はヒドロキシスチレン系重合体および/またはそ
の誘導体、飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、
ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、ノボ
ラック型フェノール樹脂、熱可塑性のキシレン樹脂等の
公知の熱可塑性樹脂を用いることができるが、特にヒド
ロキシスチレン系重合体および/またはその誘導体が好
ましい。本発明で用いられる前述の熱可塑性樹脂は、単
独であるいは2種以上を混合して使用してもよい。
には、熱硬化性樹脂とともにさらに熱可塑性樹脂を併用
することが好ましい。本発明に有効に用いられる熱可塑
性樹脂はヒドロキシスチレン系重合体および/またはそ
の誘導体、飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、
ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、ノボ
ラック型フェノール樹脂、熱可塑性のキシレン樹脂等の
公知の熱可塑性樹脂を用いることができるが、特にヒド
ロキシスチレン系重合体および/またはその誘導体が好
ましい。本発明で用いられる前述の熱可塑性樹脂は、単
独であるいは2種以上を混合して使用してもよい。
【0021】ヒドロキシスチレン系重合体および/また
はその誘導体は、重量平均分子量1,000〜200万
のものを含有することがより好ましい。このバインダー
成分の添加によって、導電性、密着性、耐久性、印刷性
等の性能が向上する。このヒドロキシスチレン系重合体
および/またはその誘導体は、特開平3−2283、特
開平3−2248、特開平3−173007号公報に記
載のものが好ましい。例えば、次の一般式(II)で表さ
れるものが挙げられる。
はその誘導体は、重量平均分子量1,000〜200万
のものを含有することがより好ましい。このバインダー
成分の添加によって、導電性、密着性、耐久性、印刷性
等の性能が向上する。このヒドロキシスチレン系重合体
および/またはその誘導体は、特開平3−2283、特
開平3−2248、特開平3−173007号公報に記
載のものが好ましい。例えば、次の一般式(II)で表さ
れるものが挙げられる。
【0022】
【化3】
【0023】〔式中、l,mはl≧0、m≧3で、それ
ぞれ一般式(II)の有機高分子の平均分子量が1000
〜200万になるまでの任意の数、k,p,uは重合体
中の平均値を示し、その範囲はそれぞれ、0≦k≦2,
0≦p≦2,0<u≦2、ただしk+p+u>0、R1
〜R3 は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基、Qは
重合性のビニル系単量体、Y,Zは同種又は異種であ
り、かつ
ぞれ一般式(II)の有機高分子の平均分子量が1000
〜200万になるまでの任意の数、k,p,uは重合体
中の平均値を示し、その範囲はそれぞれ、0≦k≦2,
0≦p≦2,0<u≦2、ただしk+p+u>0、R1
〜R3 は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基、Qは
重合性のビニル系単量体、Y,Zは同種又は異種であ
り、かつ
【0024】
【化4】
【0025】又は炭素数1〜18のアルキル基もしくはア
リール基から選ばれるものである (式中、Mは水素原
子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアミン類など
の有機カチオン、Y1 ,Y2 はハロゲン、Y3 はハロゲ
ンイオン、有機酸アニオン、無機酸アニオンなどの対イ
オン、WはSまたはO、R4 〜R8 は同種又は異種であ
って直鎖又は分岐鎖アルキル基あるいはヒドロキシアル
キル基等のアルキル誘導体、芳香族基又は水素原子、さ
らにR6 とR7 はN基とともに環を形成していてもかま
わない。R9 〜R15は同種又は異種であって直鎖又は分
岐鎖アルキル基、あるいはヒドロキシアルキル基等のア
ルキル誘導体、芳香族基、又は水素原子、q,s,tは
0又は1、rは0,1又は2を示す)〕
リール基から選ばれるものである (式中、Mは水素原
子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアミン類など
の有機カチオン、Y1 ,Y2 はハロゲン、Y3 はハロゲ
ンイオン、有機酸アニオン、無機酸アニオンなどの対イ
オン、WはSまたはO、R4 〜R8 は同種又は異種であ
って直鎖又は分岐鎖アルキル基あるいはヒドロキシアル
キル基等のアルキル誘導体、芳香族基又は水素原子、さ
らにR6 とR7 はN基とともに環を形成していてもかま
わない。R9 〜R15は同種又は異種であって直鎖又は分
岐鎖アルキル基、あるいはヒドロキシアルキル基等のア
ルキル誘導体、芳香族基、又は水素原子、q,s,tは
0又は1、rは0,1又は2を示す)〕
【0026】上記一般式(II)で表されるヒドロキシス
チレン系重合体およびその誘導体は、一般式(II)にお
いてYまたはZで表されるような置換基を有するかある
いは有しないところのヒドロキシスチレン、ヒドロキシ
−α−メチルスチレン、あるいはヒドロキシ−α−エチ
ルスチレン等のヒドロキシスチレン系単量体同士のみの
共重合体、あるいはこれらのヒドロキシスチレン系単量
体と他の重合性のビニル系単量体(Q)との共重合体で
あり得る。重合単位のヒドロキシスチレン系単量体は、
オルソ体、メタ体、パラ体あるいはこれらの混合物であ
ってもよいが、パラ体あるいはメタ体が好ましい。
チレン系重合体およびその誘導体は、一般式(II)にお
いてYまたはZで表されるような置換基を有するかある
いは有しないところのヒドロキシスチレン、ヒドロキシ
−α−メチルスチレン、あるいはヒドロキシ−α−エチ
ルスチレン等のヒドロキシスチレン系単量体同士のみの
共重合体、あるいはこれらのヒドロキシスチレン系単量
体と他の重合性のビニル系単量体(Q)との共重合体で
あり得る。重合単位のヒドロキシスチレン系単量体は、
オルソ体、メタ体、パラ体あるいはこれらの混合物であ
ってもよいが、パラ体あるいはメタ体が好ましい。
【0027】また共重合体である場合の他のビニル系単
量体(Q)としては、アニオン系、カチオン系等のイオ
ン性単量体やノニオン性単量体、メタクリレート、ビニ
ルエステル、ビニルエーテル、マレート、α−オレフィ
ンなどの公知の化合物を挙げることができる。本発明に
おいては、前記のようにヒドロキシスチレン系単量体同
士のみの共重合でもよいが、他の重合性のビニル系単量
体(Q)との共重合とする場合には、ヒドロキシスチレ
ン系単量体/他のビニル系単量体(Q)の割合は、モル
比で1/10〜20/1までが適当である。
量体(Q)としては、アニオン系、カチオン系等のイオ
ン性単量体やノニオン性単量体、メタクリレート、ビニ
ルエステル、ビニルエーテル、マレート、α−オレフィ
ンなどの公知の化合物を挙げることができる。本発明に
おいては、前記のようにヒドロキシスチレン系単量体同
士のみの共重合でもよいが、他の重合性のビニル系単量
体(Q)との共重合とする場合には、ヒドロキシスチレ
ン系単量体/他のビニル系単量体(Q)の割合は、モル
比で1/10〜20/1までが適当である。
【0028】ビニル系単量体(Q)の割合がヒドロキシ
スチレン系単量体より10倍量(モル比)を超えるとヒ
ドロキシスチレン系単量体の効果が発揮されないので好
ましくなく、ビニル系単量体(Q)の割合が1/20未
満では、共重合させる効果が発揮されないので、あえて
ビニル系単量体(Q)と共重合させる必要はない。従っ
て、本発明においてはこのようなビニル系単量体(Q)
の個数はm≧0である。
スチレン系単量体より10倍量(モル比)を超えるとヒ
ドロキシスチレン系単量体の効果が発揮されないので好
ましくなく、ビニル系単量体(Q)の割合が1/20未
満では、共重合させる効果が発揮されないので、あえて
ビニル系単量体(Q)と共重合させる必要はない。従っ
て、本発明においてはこのようなビニル系単量体(Q)
の個数はm≧0である。
【0029】これらのヒドロキシスチレン系重合体およ
びその誘導体は、公知の方法により容易に調製すること
ができる(C.G.Overberger,J.C.Salamone,S.Yaroslavsk
y,J.Am.Chem.Soc.,89,6231(1967);D.I.Packham,J.Chem.
Soc.,2617(1964);M.Kato,J.Polym.Sci.,Part A-1,7,217
5(1969) )。
びその誘導体は、公知の方法により容易に調製すること
ができる(C.G.Overberger,J.C.Salamone,S.Yaroslavsk
y,J.Am.Chem.Soc.,89,6231(1967);D.I.Packham,J.Chem.
Soc.,2617(1964);M.Kato,J.Polym.Sci.,Part A-1,7,217
5(1969) )。
【0030】本発明の導電性ペースト中のバインダーの
配合割合は、溶剤を除く全重量に対して5〜50重量
%、好ましくは5〜40重量%であり、5重量%未満の
場合はバインダーの絶対量が不足して密着性が低下し、
さらに得られる組成物の流動性が悪くなり、印刷性が低
下すると共に加熱硬化時に導電性粉末が酸化されやすく
なり、可撓性、導電性の低下をまねく。バインダーの量
が50重量%を超えるときは逆に導電性粉末の絶対量が
不足し、回路を形成するのに必要な導電性が得られな
い。
配合割合は、溶剤を除く全重量に対して5〜50重量
%、好ましくは5〜40重量%であり、5重量%未満の
場合はバインダーの絶対量が不足して密着性が低下し、
さらに得られる組成物の流動性が悪くなり、印刷性が低
下すると共に加熱硬化時に導電性粉末が酸化されやすく
なり、可撓性、導電性の低下をまねく。バインダーの量
が50重量%を超えるときは逆に導電性粉末の絶対量が
不足し、回路を形成するのに必要な導電性が得られな
い。
【0031】本発明に用いる導電性粉末としては、銅粉
末、銀粉末、ニッケル粉末、アルミニウム粉末等の金属
粉末、及び表面に上記金属の被覆層を有する粉末が挙げ
られるが、特に銅粉末が好ましい。導電性粉末の形態は
樹枝状、フレーク状、球状、不定形のいずれの形態であ
っても良いが、好ましくは、電解により生成した樹枝状
の電解銅粉、あるいは球状粉である。平均粒子径は30
μm以下であることが好ましく、高密度、多接触点充填
の点から、1〜10μmの樹枝状粉がより好ましい。た
だしここでいう平均粒子径とは堀場製作所製「LA−5
00型レーザー回析式粒度分布測定装置」で求めた体積
基準によるメジアン径を指すものとする。平均粒子径が
30μmを超えると導電性粉末の高密度充填が難しくな
り、導電性が低下するとともに、印刷性が悪くなるから
である。さらに表面処理が施された銅粉を用いると特に
優れた導電性、耐久性、印刷性が得られやすい。本発明
の銅ペーストおよびその塗膜は表面に半田を付着させる
必要はないので、有機系の表面処理剤であっても差し支
えない。上記導電性粉末の使用形態としては単独又は混
合系で使用できる。上記金属粉末の純度は高い方が好ま
しい。特に銅粉末については、回路基板の導体に用いら
れている銅箔又はメッキ銅層の純度と一致するものが最
も好ましい。
末、銀粉末、ニッケル粉末、アルミニウム粉末等の金属
粉末、及び表面に上記金属の被覆層を有する粉末が挙げ
られるが、特に銅粉末が好ましい。導電性粉末の形態は
樹枝状、フレーク状、球状、不定形のいずれの形態であ
っても良いが、好ましくは、電解により生成した樹枝状
の電解銅粉、あるいは球状粉である。平均粒子径は30
μm以下であることが好ましく、高密度、多接触点充填
の点から、1〜10μmの樹枝状粉がより好ましい。た
だしここでいう平均粒子径とは堀場製作所製「LA−5
00型レーザー回析式粒度分布測定装置」で求めた体積
基準によるメジアン径を指すものとする。平均粒子径が
30μmを超えると導電性粉末の高密度充填が難しくな
り、導電性が低下するとともに、印刷性が悪くなるから
である。さらに表面処理が施された銅粉を用いると特に
優れた導電性、耐久性、印刷性が得られやすい。本発明
の銅ペーストおよびその塗膜は表面に半田を付着させる
必要はないので、有機系の表面処理剤であっても差し支
えない。上記導電性粉末の使用形態としては単独又は混
合系で使用できる。上記金属粉末の純度は高い方が好ま
しい。特に銅粉末については、回路基板の導体に用いら
れている銅箔又はメッキ銅層の純度と一致するものが最
も好ましい。
【0032】本発明において、安息香酸および/または
その誘導体の作用効果は、金属銅粉末を用いた場合によ
り顕著に発現されるので、本発明は導電性銅ペーストの
製造にとって特に重要である。本発明の導電性ペースト
中の導電性粉末の配合量は、溶剤を除く全重量に対して
50〜95重量%の範囲で用いられ、好ましくは70〜
90重量%、さらに好ましくは80〜90重量%であ
る。配合量が50重量%未満では充分な導電性が得られ
ず、逆に95重量%を超える時は導電性粉末が十分バイ
ンドされず、得られる塗膜も脆くなり、耐湿性が低下す
るとともに導電性も悪くなる。
その誘導体の作用効果は、金属銅粉末を用いた場合によ
り顕著に発現されるので、本発明は導電性銅ペーストの
製造にとって特に重要である。本発明の導電性ペースト
中の導電性粉末の配合量は、溶剤を除く全重量に対して
50〜95重量%の範囲で用いられ、好ましくは70〜
90重量%、さらに好ましくは80〜90重量%であ
る。配合量が50重量%未満では充分な導電性が得られ
ず、逆に95重量%を超える時は導電性粉末が十分バイ
ンドされず、得られる塗膜も脆くなり、耐湿性が低下す
るとともに導電性も悪くなる。
【0033】本発明の導電性ペーストには、導電性粉末
の酸化防止のため、必要に応じて公知の還元剤またはキ
レート剤を1種又は2種以上用いることができる(例え
ば、特願平2−341074、特願平2−341076
に記載の化合物、または公知の化合物が挙げられる)。
本発明においては、なかでも好ましい還元剤として、例
えば亜リン酸、次亜リン酸などの無機系還元剤、および
ヒドロキノン、カテコール類、アスコルビン類、ヒドラ
ジン化合物、ホルマリン、水素化ホウ素化化合物、還元
糖類などの有機系無機系の化合物などが挙げられる。
の酸化防止のため、必要に応じて公知の還元剤またはキ
レート剤を1種又は2種以上用いることができる(例え
ば、特願平2−341074、特願平2−341076
に記載の化合物、または公知の化合物が挙げられる)。
本発明においては、なかでも好ましい還元剤として、例
えば亜リン酸、次亜リン酸などの無機系還元剤、および
ヒドロキノン、カテコール類、アスコルビン類、ヒドラ
ジン化合物、ホルマリン、水素化ホウ素化化合物、還元
糖類などの有機系無機系の化合物などが挙げられる。
【0034】また、好ましいキレート剤としては、例え
ばトリエタノールアミン等のアルカノールアミン、トリ
エチルアミン、パルミチルアミン等のアルキルアミン、
o−アミノフェノール、2−アミノ−4−メチルフェノ
ール、o−アミノチオフェノール、8−ヒドロキシキノ
リン、2−メチル−8−ヒドロキシキノリン、1−ニト
ロソ−2−ナフトール、1−(2−ピリジルアゾ)−2
−ナフトール等の芳香族系アミノ化合物、EDTA(エ
チレンジアミン四酢酸)、NTA(ニトリロ三酢酸)、
CDTA(t−1、2−シクロヘキサンジアミン−N,
N,N’,N’−四酢酸水和物)、DTPA(ジエチレ
ントリアミン五酢酸)等のポリアミノカルボン酸類、ポ
リビニルアミンおよびビニルアミン/ビニルアルコール
共重合体等の誘導体、o−ニトロフェノール樹脂、高分
子エステルにヒドロキシルアミンを反応させて得られる
高分子ヒドロキサム酸、コハク酸、プロピオン酸、フミ
ン酸等のカルボン酸、クエン酸、アスコルビン酸等のヒ
ドロキシカルボン酸、サリチル酸、スルホニルサリチル
酸、サリチルアミド、サリチルヒドロキシサム酸等のサ
リチル酸系化合物、フェニルアラニン、チロシン、アン
トラニル酸、アスパラギン酸等のアミノ酸、プロリン等
のイミノ酸、ニコチン酸等のピリジンカルボン酸、ヒド
ラジン、フェニルヒドラジン等のヒドラジン類、ベンゾ
イルアセトン、アセチルアセトン等のβジケトン類、ラ
ウリルメルカプタン等が挙げられる。
ばトリエタノールアミン等のアルカノールアミン、トリ
エチルアミン、パルミチルアミン等のアルキルアミン、
o−アミノフェノール、2−アミノ−4−メチルフェノ
ール、o−アミノチオフェノール、8−ヒドロキシキノ
リン、2−メチル−8−ヒドロキシキノリン、1−ニト
ロソ−2−ナフトール、1−(2−ピリジルアゾ)−2
−ナフトール等の芳香族系アミノ化合物、EDTA(エ
チレンジアミン四酢酸)、NTA(ニトリロ三酢酸)、
CDTA(t−1、2−シクロヘキサンジアミン−N,
N,N’,N’−四酢酸水和物)、DTPA(ジエチレ
ントリアミン五酢酸)等のポリアミノカルボン酸類、ポ
リビニルアミンおよびビニルアミン/ビニルアルコール
共重合体等の誘導体、o−ニトロフェノール樹脂、高分
子エステルにヒドロキシルアミンを反応させて得られる
高分子ヒドロキサム酸、コハク酸、プロピオン酸、フミ
ン酸等のカルボン酸、クエン酸、アスコルビン酸等のヒ
ドロキシカルボン酸、サリチル酸、スルホニルサリチル
酸、サリチルアミド、サリチルヒドロキシサム酸等のサ
リチル酸系化合物、フェニルアラニン、チロシン、アン
トラニル酸、アスパラギン酸等のアミノ酸、プロリン等
のイミノ酸、ニコチン酸等のピリジンカルボン酸、ヒド
ラジン、フェニルヒドラジン等のヒドラジン類、ベンゾ
イルアセトン、アセチルアセトン等のβジケトン類、ラ
ウリルメルカプタン等が挙げられる。
【0035】本発明において還元剤又は金属キレート剤
の配合量は、溶剤を除く全重量に対して通常0.1〜2
0重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。配合
量が0.1重量%未満であると添加効果が充分でなく、
20重量%を超えると密着性の低下、耐マイグレーショ
ン性の低下をまねくので好ましくない。
の配合量は、溶剤を除く全重量に対して通常0.1〜2
0重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。配合
量が0.1重量%未満であると添加効果が充分でなく、
20重量%を超えると密着性の低下、耐マイグレーショ
ン性の低下をまねくので好ましくない。
【0036】また、銅粉の分散性や、ペーストのスクリ
ーン印刷性を向上させる目的で、必要に応じて公知のチ
キソトロピー剤、レベリング剤を用いることができる。
本発明の導電性ペーストを製造するには、ディスパーや
ボールミルや三本ロール等により十分均一に混練するこ
とにより調製する。
ーン印刷性を向上させる目的で、必要に応じて公知のチ
キソトロピー剤、レベリング剤を用いることができる。
本発明の導電性ペーストを製造するには、ディスパーや
ボールミルや三本ロール等により十分均一に混練するこ
とにより調製する。
【0037】ここで用いることのできる溶剤としては、
ベンゼン、トルエン、ヘキサノン、メチルイソブチルケ
トン、メチルアミルケトンあるいはブチルカルビトー
ル、ブチルカルビトールアセテート、ブチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコール
ジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のエ
チレン系もしくはプロピレン系のグリコールエーテル
類、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハク
酸ジメチル等の2塩基酸のジエステル塩等の公知の溶剤
が挙げられる。溶剤の配合量は混練機の種類、混練条件
及び溶剤の種類によって異なってくる。混練終了後のペ
ースト粘度がスクリーン印刷の行える範囲で溶剤量を調
整することが好ましい。
ベンゼン、トルエン、ヘキサノン、メチルイソブチルケ
トン、メチルアミルケトンあるいはブチルカルビトー
ル、ブチルカルビトールアセテート、ブチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコール
ジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のエ
チレン系もしくはプロピレン系のグリコールエーテル
類、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハク
酸ジメチル等の2塩基酸のジエステル塩等の公知の溶剤
が挙げられる。溶剤の配合量は混練機の種類、混練条件
及び溶剤の種類によって異なってくる。混練終了後のペ
ースト粘度がスクリーン印刷の行える範囲で溶剤量を調
整することが好ましい。
【0038】本発明の導電性ペーストを用いて、回路基
板上に電磁波シールド層を設けた電磁波ノイズ対策用回
路基板を作製する方法は、例えば以下の方法がある。即
ち、金属張積層板よりエッチドフォル法によって形成さ
せた導電回路上に加熱硬化型又は紫外線硬化型の有機絶
縁体をアースパターン部を除いて塗布して絶縁層を設
け、絶縁体層上に本発明に係る導電性ペーストを用い
て、スクリーン印刷によってアースパターンに接続する
ように絶縁体層上のほぼ全面に導電性ペーストを塗布
し、これを加熱硬化させることにより、有効な電磁波シ
ールド層を有した電磁波ノイズ対策用回路基板を作製す
ることができる。この回路基板は静電シールド層として
も有効に活用することができる。
板上に電磁波シールド層を設けた電磁波ノイズ対策用回
路基板を作製する方法は、例えば以下の方法がある。即
ち、金属張積層板よりエッチドフォル法によって形成さ
せた導電回路上に加熱硬化型又は紫外線硬化型の有機絶
縁体をアースパターン部を除いて塗布して絶縁層を設
け、絶縁体層上に本発明に係る導電性ペーストを用い
て、スクリーン印刷によってアースパターンに接続する
ように絶縁体層上のほぼ全面に導電性ペーストを塗布
し、これを加熱硬化させることにより、有効な電磁波シ
ールド層を有した電磁波ノイズ対策用回路基板を作製す
ることができる。この回路基板は静電シールド層として
も有効に活用することができる。
【0039】使用できる金属張積層基板は、ガラス・エ
ポキシ樹脂系基板、紙・フェノール樹脂系基板、セラミ
ックス系基板、ポリイミド樹脂系基板、フレキシブル基
板等のプリント回路技術便覧(日刊工業新聞社、昭和6
2年出版)などに記載されている公知の基板であればい
ずれでもよい。さらに本発明の導電性ペーストを回路基
板の配線用の導体として使用する方法は、従来と同様の
方法が使用できる。塗布する絶縁基板は、上記同様、公
知または市販の基板等いずれでもよい。配線形成方法は
スクリーン印刷、凹版印刷、スプレー又はハケ塗り等に
より塗布する方法を用いることができる。本発明におい
て導電性塗膜とは、本発明の導電性ペーストを乾燥硬化
させて得られる1×10-2Ω・cm以下の体積固有抵抗を
有する硬化体もしくは硬化塗膜を意味するものとする。
ポキシ樹脂系基板、紙・フェノール樹脂系基板、セラミ
ックス系基板、ポリイミド樹脂系基板、フレキシブル基
板等のプリント回路技術便覧(日刊工業新聞社、昭和6
2年出版)などに記載されている公知の基板であればい
ずれでもよい。さらに本発明の導電性ペーストを回路基
板の配線用の導体として使用する方法は、従来と同様の
方法が使用できる。塗布する絶縁基板は、上記同様、公
知または市販の基板等いずれでもよい。配線形成方法は
スクリーン印刷、凹版印刷、スプレー又はハケ塗り等に
より塗布する方法を用いることができる。本発明におい
て導電性塗膜とは、本発明の導電性ペーストを乾燥硬化
させて得られる1×10-2Ω・cm以下の体積固有抵抗を
有する硬化体もしくは硬化塗膜を意味するものとする。
【0040】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を
更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限
定されるものではない。実施例及び比較例において配合
量について「%」とは「重量%」を意味する。
更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限
定されるものではない。実施例及び比較例において配合
量について「%」とは「重量%」を意味する。
【0041】実施例1〜18ペースト調製 表1に示す導電性粉末、表2に示す安息香酸またはその
誘導体、表3に示す有機バインダー、表4に示すその他
の添加剤を表5、6に示す組成となるように配合して、
ディスパーや三本ロールにより十分均一に混練して導電
性ペーストを調製する。
誘導体、表3に示す有機バインダー、表4に示すその他
の添加剤を表5、6に示す組成となるように配合して、
ディスパーや三本ロールにより十分均一に混練して導電
性ペーストを調製する。
【0042】基板調製 ガラス・エポキシ樹脂基板(CEM-3) を用い、銅箔との密
着試験部分および、電極部分を残して、予め有機絶縁層
(太陽インキ製 S-222, HR-6またはMF-100S 、TS-17 )
を印刷・硬化した。銅箔の前処理には、硫酸/クエン酸
アンモニウム(1:3)の10%水溶液を用いて、40
℃にて60秒浸漬して表面酸化被膜を溶解後、ジェット
エアーで風乾した。
着試験部分および、電極部分を残して、予め有機絶縁層
(太陽インキ製 S-222, HR-6またはMF-100S 、TS-17 )
を印刷・硬化した。銅箔の前処理には、硫酸/クエン酸
アンモニウム(1:3)の10%水溶液を用いて、40
℃にて60秒浸漬して表面酸化被膜を溶解後、ジェット
エアーで風乾した。
【0043】ペースト印刷 得られた各導電性ペーストを用いて180〜250メッ
シュのテトロン製スクリーンを装着したスクリーン印刷
機によって、密着性試験部分および導電性測定パターン
(2mm×360mm)を有機絶縁体上または銅箔上に
印刷した。次に140〜160℃で10〜30分間加熱
硬化し、厚さ20〜30μmのペースト硬化塗膜を得
た。
シュのテトロン製スクリーンを装着したスクリーン印刷
機によって、密着性試験部分および導電性測定パターン
(2mm×360mm)を有機絶縁体上または銅箔上に
印刷した。次に140〜160℃で10〜30分間加熱
硬化し、厚さ20〜30μmのペースト硬化塗膜を得
た。
【0044】オーバーコート印刷 有機絶縁層(太陽インキ製MF-200、TS-91E)を約20μ
mの厚さでペースト硬化塗膜上に印刷し、UV硬化(高
圧水銀灯、1200mj/cm2 )および150℃×2
0分で加熱硬化した。上記の過程で得た導電回路につい
て諸特性を調べた結果を表5、6に示す。
mの厚さでペースト硬化塗膜上に印刷し、UV硬化(高
圧水銀灯、1200mj/cm2 )および150℃×2
0分で加熱硬化した。上記の過程で得た導電回路につい
て諸特性を調べた結果を表5、6に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】導電性の測定 塗膜の導電性とは、加熱硬化された塗膜の体積固有抵抗
をデジタルマルチメーター(アドバンテスト社製 R655
1)を用いて2端子法により測定した値である。なお、
体積固有抵抗の算出式を次式に示す。 体積固有抵抗(Ω・cm)=(R×t×W)/L R:電極間の抵抗値(Ω) t:塗膜の厚さ(cm)
W:塗膜の幅(cm) L:電極間の距離(cm)
をデジタルマルチメーター(アドバンテスト社製 R655
1)を用いて2端子法により測定した値である。なお、
体積固有抵抗の算出式を次式に示す。 体積固有抵抗(Ω・cm)=(R×t×W)/L R:電極間の抵抗値(Ω) t:塗膜の厚さ(cm)
W:塗膜の幅(cm) L:電極間の距離(cm)
【0052】耐湿性試験 塗膜の耐湿性は、60℃、95%相対湿度の環境下で5
00時間の放置試験を行ない、その前後での抵抗値の変
化率WR を次式により求めた。 抵抗変化率WR (%)=(R500 −R0 )/R0 R0 :試験前の塗膜の抵抗値(Ω) R500 :500時間試験後の抵抗値(Ω) WR の値により塗膜の耐湿性を次の如く表示する。 A:WR が30%未満 B:WR が30%以上100%未満 C:WR が100%以上
00時間の放置試験を行ない、その前後での抵抗値の変
化率WR を次式により求めた。 抵抗変化率WR (%)=(R500 −R0 )/R0 R0 :試験前の塗膜の抵抗値(Ω) R500 :500時間試験後の抵抗値(Ω) WR の値により塗膜の耐湿性を次の如く表示する。 A:WR が30%未満 B:WR が30%以上100%未満 C:WR が100%以上
【0053】密着性試験 耐湿試験(60℃、95%相対湿度)に96時間供した
後、260℃の半田槽に5秒×2回浸漬を行った後、評
価した。JIS K 5400(1979)の碁盤目セロテープ剥離試験
方法に準じて行い、銅箔や有機絶縁層上に残る塗膜の碁
盤目個数を求めた。判定基準は次の通りである。 A:100/100 B: 90/100以上〜100/100未満 C: 50/100以上〜 90/100未満 D: 0/100以上〜 10/100未満
後、260℃の半田槽に5秒×2回浸漬を行った後、評
価した。JIS K 5400(1979)の碁盤目セロテープ剥離試験
方法に準じて行い、銅箔や有機絶縁層上に残る塗膜の碁
盤目個数を求めた。判定基準は次の通りである。 A:100/100 B: 90/100以上〜100/100未満 C: 50/100以上〜 90/100未満 D: 0/100以上〜 10/100未満
【0054】印刷性の評価 判定基準は次の通りである。 ○:良好な印刷性を有するもの △:一応印刷可能なもの ×:印刷不可能なもの
【0055】比較例1〜4 表6に示す組成の導電性ペーストを比較品として調製
し、実施例と同様に評価した。結果を表6に併せて示
す。
し、実施例と同様に評価した。結果を表6に併せて示
す。
【0056】表5、6は本発明に係る導電性ペーストお
よび導電性塗膜の各種特性を比較例とともに示したもの
である。本発明の導電性ペーストは、実施例1〜18に
示されるように、印刷性に優れ、高い導電性(10-3〜
10-5Ω・cm)を維持したまま、金属銅表面に対する密
着性が大きく改善されている。またこれらの物性は、耐
湿性、耐半田加熱性などの環境安定性にも優れているこ
とが分かる。
よび導電性塗膜の各種特性を比較例とともに示したもの
である。本発明の導電性ペーストは、実施例1〜18に
示されるように、印刷性に優れ、高い導電性(10-3〜
10-5Ω・cm)を維持したまま、金属銅表面に対する密
着性が大きく改善されている。またこれらの物性は、耐
湿性、耐半田加熱性などの環境安定性にも優れているこ
とが分かる。
【0057】これに対して、安息香酸またはその誘導体
を用いない導電性ペースト(比較例1)あるいはアルキ
ル基またはアルコキシル基の炭素数が24を超える安息
香酸の誘導体を用いた導電性ペースト(比較例2)で
は、各種物性(導電性、耐湿性、密着性及び印刷性)を
総合的に満たすことが困難であり、また、本発明に使用
される安息香酸又はその誘導体の配合量が適正でない場
合(比較例3)にも各種物性を総合的に満たすことが困
難である。また、従来より添加剤として使用されている
サリチル酸を配合した例(比較例4)においても、同様
に各種物性を総合的に満たすことが困難である。また、
本発明の導電性ペーストは、100〜250℃で高温酸
化した銅箔表面についても良好な密着性を示した。作用
機構は不明だが有機バインダーとしてヒドロキシスチレ
ン系重合体および/またはその誘導体を含む導電性ペー
ストはマイグレーション性も良好であった。
を用いない導電性ペースト(比較例1)あるいはアルキ
ル基またはアルコキシル基の炭素数が24を超える安息
香酸の誘導体を用いた導電性ペースト(比較例2)で
は、各種物性(導電性、耐湿性、密着性及び印刷性)を
総合的に満たすことが困難であり、また、本発明に使用
される安息香酸又はその誘導体の配合量が適正でない場
合(比較例3)にも各種物性を総合的に満たすことが困
難である。また、従来より添加剤として使用されている
サリチル酸を配合した例(比較例4)においても、同様
に各種物性を総合的に満たすことが困難である。また、
本発明の導電性ペーストは、100〜250℃で高温酸
化した銅箔表面についても良好な密着性を示した。作用
機構は不明だが有機バインダーとしてヒドロキシスチレ
ン系重合体および/またはその誘導体を含む導電性ペー
ストはマイグレーション性も良好であった。
【0058】
【発明の効果】本発明において、安息香酸および/また
はその誘導体を用いることにより、導電性を低下させる
ことなく密着性の向上がはかられ、その環境安定性や印
刷性を大幅に改善し、総合的に優れた導電性ペーストを
提供することができる。従って、本発明の導電性ペース
トを用いれば、回路基板上に極めて信頼性が高く、かつ
効果の大きい電磁波シールド層を容易にかつ安定的に形
成することができる。また、回路基板の配線用の導体と
して用いた場合においても、信頼性の高い配線を形成す
ることができる。さらに、電子機器部品、回路部品の電
極などにも有効に使用でき、これらの効果は産業上極め
て大きいものである。
はその誘導体を用いることにより、導電性を低下させる
ことなく密着性の向上がはかられ、その環境安定性や印
刷性を大幅に改善し、総合的に優れた導電性ペーストを
提供することができる。従って、本発明の導電性ペース
トを用いれば、回路基板上に極めて信頼性が高く、かつ
効果の大きい電磁波シールド層を容易にかつ安定的に形
成することができる。また、回路基板の配線用の導体と
して用いた場合においても、信頼性の高い配線を形成す
ることができる。さらに、電子機器部品、回路部品の電
極などにも有効に使用でき、これらの効果は産業上極め
て大きいものである。
Claims (5)
- 【請求項1】 導電性粉末、有機バインダー、添加剤、
および溶剤を含む導電性ペーストにおいて、該有機バイ
ンダーが熱硬化性樹脂を必須成分とし、該添加剤として
一般式(I)で示される安息香酸および/またはその誘
導体を含有することを特徴とする導電性ペースト。 【化1】 (式中、Ra は水素原子、または炭素数1〜24の直鎖
もしくは分岐のアルキル基またはアルコキシル基を示
す。Rb は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、遷移金属、アンモニウム、アルキルアンモニウムま
たはヒドロキシアルキルアンモニウムを示す。) - 【請求項2】 有機バインダーが熱可塑性樹脂を含む請
求項1記載の導電性ペースト。 - 【請求項3】 有機バインダーがフェノール樹脂、アミ
ノ樹脂、キシレン樹脂、ヒドロキシスチレン系重合体お
よびその誘導体からなる群から選ばれる一種以上を含有
することを特徴とする請求項1または2記載の導電性ペ
ースト。 - 【請求項4】 導電性粉末が金属粉末または表面に金属
層を有する固体粉末である請求項1記載の導電性ペース
ト。 - 【請求項5】 請求項1、2、3、または4記載の導電
性ペーストを基材上に塗布、または印刷後、硬化してな
ることを特徴とする導電性塗膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5444092A JPH05217422A (ja) | 1992-02-04 | 1992-02-04 | 導電性ペーストおよび導電性塗膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5444092A JPH05217422A (ja) | 1992-02-04 | 1992-02-04 | 導電性ペーストおよび導電性塗膜 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05217422A true JPH05217422A (ja) | 1993-08-27 |
Family
ID=12970771
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5444092A Pending JPH05217422A (ja) | 1992-02-04 | 1992-02-04 | 導電性ペーストおよび導電性塗膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05217422A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5567357A (en) * | 1993-08-25 | 1996-10-22 | Tatsuta Electric Wire & Cable Co., Ltd. | Conductive paint having good adhesion to molding of metallic oxide |
JP2008226727A (ja) * | 2007-03-14 | 2008-09-25 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 導電性ペースト |
JP2008226726A (ja) * | 2007-03-14 | 2008-09-25 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 導電性ペースト |
JP2013110010A (ja) * | 2011-11-22 | 2013-06-06 | Asahi Glass Co Ltd | 導電ペーストおよび導電ペーストの調製方法 |
WO2014098036A1 (ja) * | 2012-12-21 | 2014-06-26 | ペルノックス株式会社 | 導電性ペースト |
JPWO2012161201A1 (ja) * | 2011-05-23 | 2014-07-31 | 旭硝子株式会社 | 導電ペーストおよびこれを用いた導電膜付き基材、ならびに導電膜付き基材の製造方法 |
JP2015043726A (ja) * | 2013-08-28 | 2015-03-12 | n−tech株式会社 | 鳥獣類忌避用塗料およびこれを利用した鳥獣類忌避システム |
-
1992
- 1992-02-04 JP JP5444092A patent/JPH05217422A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5567357A (en) * | 1993-08-25 | 1996-10-22 | Tatsuta Electric Wire & Cable Co., Ltd. | Conductive paint having good adhesion to molding of metallic oxide |
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KR20150089001A (ko) * | 2012-12-21 | 2015-08-04 | 페르녹스 가부시키가이샤 | 도전성 페이스트 |
CN105008462A (zh) * | 2012-12-21 | 2015-10-28 | 朋诺股份有限公司 | 导电性浆料 |
JPWO2014098036A1 (ja) * | 2012-12-21 | 2017-01-12 | ペルノックス株式会社 | 導電性ペースト |
CN105008462B (zh) * | 2012-12-21 | 2017-03-08 | 朋诺股份有限公司 | 导电性浆料 |
JP2015043726A (ja) * | 2013-08-28 | 2015-03-12 | n−tech株式会社 | 鳥獣類忌避用塗料およびこれを利用した鳥獣類忌避システム |
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