JPH0519239A - 液晶セル及び液晶表示装置 - Google Patents
液晶セル及び液晶表示装置Info
- Publication number
- JPH0519239A JPH0519239A JP3171335A JP17133591A JPH0519239A JP H0519239 A JPH0519239 A JP H0519239A JP 3171335 A JP3171335 A JP 3171335A JP 17133591 A JP17133591 A JP 17133591A JP H0519239 A JPH0519239 A JP H0519239A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid crystal
- polymer
- voltage
- droplets
- polymer layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 駆動電圧の低減化及び電気光学特性に於ける
しきい値の俊敏化を計り、優れたコントラストを有して
いる液晶セル及び液晶表示装置を提供する。 【構成】 本発明による液晶セルにおいて、連通した液
晶小滴が分散されたポリマー層とこのポリマー層を挟持
する少なくとも2つの透明な導電性基板とが備えられて
いる。液晶小滴の平均粒径は2μm以上、8μm以下の
範囲にあり、また、液晶小滴の径が平均粒径±2μm以
内の範囲にある液晶小滴の個数が液晶小滴の総数に対し
て80%以上である粒径分布を有している。さらに、液
晶小滴の全体積がポリマー層全体積に対して占める割合
が50%以上、95%以下の範囲にあり、ポリマー層に
用いられているポリマーの臨界表面張力が35dyne
s/cm以下である。
しきい値の俊敏化を計り、優れたコントラストを有して
いる液晶セル及び液晶表示装置を提供する。 【構成】 本発明による液晶セルにおいて、連通した液
晶小滴が分散されたポリマー層とこのポリマー層を挟持
する少なくとも2つの透明な導電性基板とが備えられて
いる。液晶小滴の平均粒径は2μm以上、8μm以下の
範囲にあり、また、液晶小滴の径が平均粒径±2μm以
内の範囲にある液晶小滴の個数が液晶小滴の総数に対し
て80%以上である粒径分布を有している。さらに、液
晶小滴の全体積がポリマー層全体積に対して占める割合
が50%以上、95%以下の範囲にあり、ポリマー層に
用いられているポリマーの臨界表面張力が35dyne
s/cm以下である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶セル及び液晶表示
装置、特に、連通した液晶小滴とポリマーとの屈折率の
差を外部電圧により変化させることによって連通した液
晶小滴とポリマーとの界面で起こる光の散乱を制御する
液晶の表示モードを利用した液晶セル及び該液晶セルを
用いた液晶表示装置に関する。
装置、特に、連通した液晶小滴とポリマーとの屈折率の
差を外部電圧により変化させることによって連通した液
晶小滴とポリマーとの界面で起こる光の散乱を制御する
液晶の表示モードを利用した液晶セル及び該液晶セルを
用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、例えば、プロジェクシ
ョンテレビ、パソコン等の平面ディスプレイ装置、又
は、シャッタ効果を利用した表示板、窓、扉、壁等に利
用されている。
ョンテレビ、パソコン等の平面ディスプレイ装置、又
は、シャッタ効果を利用した表示板、窓、扉、壁等に利
用されている。
【0003】従来、液晶表示装置の動作モードとして
は、電気光学効果を応用したネマティック液晶を使用し
たTN(Twisted Nematic :ねじれたネマティック)モ
ード、STN(Super Twisted Nematic )モードが実用
化され、広く用いられている。また、強誘電性液晶を用
いたFLC(Ferroelectric Liqid Crystal :強誘電性
結晶)モードも提案されている。これらの動作モードを
用いた液晶表示装置では、偏光板を必要とし、また、液
晶の配向処理を必要とする。これに対して、偏光板を必
要とせず、液晶における散乱を応用したDS(Dynamic
Scattering:動的散乱)モード、PC(Phase Chbange
:相転移)モードもある。
は、電気光学効果を応用したネマティック液晶を使用し
たTN(Twisted Nematic :ねじれたネマティック)モ
ード、STN(Super Twisted Nematic )モードが実用
化され、広く用いられている。また、強誘電性液晶を用
いたFLC(Ferroelectric Liqid Crystal :強誘電性
結晶)モードも提案されている。これらの動作モードを
用いた液晶表示装置では、偏光板を必要とし、また、液
晶の配向処理を必要とする。これに対して、偏光板を必
要とせず、液晶における散乱を応用したDS(Dynamic
Scattering:動的散乱)モード、PC(Phase Chbange
:相転移)モードもある。
【0004】最近、偏光板を必要とせず、かつ液晶の配
向処理が不要であり、液晶の複屈折を応用して液晶が透
明状態であるか又は白濁状態であるかを電気的に制御す
るモードが提案されている。このモードは、支持媒体
(ポリマー)内に分散した液晶球状小滴中の液晶分子の
配向を電場によって変化させて、液晶分子の屈折率を支
持媒体の屈折率とマッチングさせることを基本としてい
る。即ち、電場が印加されていない状態では、液晶小滴
の光軸はランダムに配列し、常光屈折率がポリマーの屈
折率と一致せず、光散乱によって不透明白色を示す。電
場が印加された状態では、液晶小滴の光軸は電界方向に
配列し、常光屈折率はポリマーの屈折率と一致するの
で、散乱が減少し透明になる。
向処理が不要であり、液晶の複屈折を応用して液晶が透
明状態であるか又は白濁状態であるかを電気的に制御す
るモードが提案されている。このモードは、支持媒体
(ポリマー)内に分散した液晶球状小滴中の液晶分子の
配向を電場によって変化させて、液晶分子の屈折率を支
持媒体の屈折率とマッチングさせることを基本としてい
る。即ち、電場が印加されていない状態では、液晶小滴
の光軸はランダムに配列し、常光屈折率がポリマーの屈
折率と一致せず、光散乱によって不透明白色を示す。電
場が印加された状態では、液晶小滴の光軸は電界方向に
配列し、常光屈折率はポリマーの屈折率と一致するの
で、散乱が減少し透明になる。
【0005】このモードによって動作する液晶セル及び
液晶表示装置の方式として、以下に示すものが提案され
ている。
液晶表示装置の方式として、以下に示すものが提案され
ている。
【0006】(a) 特表昭58−501631に開示
されており、液晶をポリマーカプセルに包含する方式。
液晶小滴が独立胞であるので、液晶配向に変化が生じる
駆動電圧が大きく、そのために利用範囲が狭い。
されており、液晶をポリマーカプセルに包含する方式。
液晶小滴が独立胞であるので、液晶配向に変化が生じる
駆動電圧が大きく、そのために利用範囲が狭い。
【0007】(b) 特表昭61−502128等に開
示されており、光又は熱硬化性樹脂と液晶との混合物を
硬化することによって液晶を析出させ、樹脂中に液晶小
滴を形成させる方式。この方式に対して、特開平3−7
2317に液晶小滴径の制御方法が開示されているが、
相分離を利用した製造方法を用いるので、液晶小滴径の
精密な制御は難しい。
示されており、光又は熱硬化性樹脂と液晶との混合物を
硬化することによって液晶を析出させ、樹脂中に液晶小
滴を形成させる方式。この方式に対して、特開平3−7
2317に液晶小滴径の制御方法が開示されているが、
相分離を利用した製造方法を用いるので、液晶小滴径の
精密な制御は難しい。
【0008】(c) 特開平3−59515等に開示さ
れており、高分子多孔膜に液晶を含浸させる方式。この
方式では、液晶小滴を作成するときに相分離を利用しな
いので、適応できる樹脂及び液晶の選択の自由度は非常
に大きく、また、高分子多孔膜の十分な精製が可能であ
るという利点があるが、現状では十分に液晶小滴径を制
御することはできない。
れており、高分子多孔膜に液晶を含浸させる方式。この
方式では、液晶小滴を作成するときに相分離を利用しな
いので、適応できる樹脂及び液晶の選択の自由度は非常
に大きく、また、高分子多孔膜の十分な精製が可能であ
るという利点があるが、現状では十分に液晶小滴径を制
御することはできない。
【0009】(d) 特開平3−46621に開示され
ており、2枚の透明電極間に光の散乱源となるポリマー
ビーズが液晶中に浮遊されている方式。この方式では、
光の散乱強度は大きいが、ビーズを均一に分散させるこ
とが難しく表示むらが発生しやすい。
ており、2枚の透明電極間に光の散乱源となるポリマー
ビーズが液晶中に浮遊されている方式。この方式では、
光の散乱強度は大きいが、ビーズを均一に分散させるこ
とが難しく表示むらが発生しやすい。
【0010】(e) 特開平3−61926に開示され
ており、駆動電圧を低減するために、高分子分散型素子
における液晶小滴と高分子との界面での、液晶小滴と高
分子との相互作用を低減させる方式。
ており、駆動電圧を低減するために、高分子分散型素子
における液晶小滴と高分子との界面での、液晶小滴と高
分子との相互作用を低減させる方式。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したごとき、従来
の分散モード(高分子中に液晶小滴を分散させたもの)
を利用した液晶表示装置によると、液晶小滴径の大きさ
が十分に均一になっておらず、かつ、高分子と液晶との
相互作用が大きいので、駆動電圧が大きいという問題が
ある。また、液晶小滴径の大きさが十分に均一でないこ
とにより、種々の径の液晶小滴が存在し、液晶小滴毎に
駆動電圧が異なることになる。この結果、電気光学特性
に於けるしきい値が俊敏性に欠けているという問題が生
じる。さらに、光の散乱能の低い小粒径の液晶小滴が多
数存在するので、相対的に表示のコントラストが低いと
いう問題がある。
の分散モード(高分子中に液晶小滴を分散させたもの)
を利用した液晶表示装置によると、液晶小滴径の大きさ
が十分に均一になっておらず、かつ、高分子と液晶との
相互作用が大きいので、駆動電圧が大きいという問題が
ある。また、液晶小滴径の大きさが十分に均一でないこ
とにより、種々の径の液晶小滴が存在し、液晶小滴毎に
駆動電圧が異なることになる。この結果、電気光学特性
に於けるしきい値が俊敏性に欠けているという問題が生
じる。さらに、光の散乱能の低い小粒径の液晶小滴が多
数存在するので、相対的に表示のコントラストが低いと
いう問題がある。
【0012】従って、本発明は、駆動電圧の低減化及び
電気光学特性に於けるしきい値の俊敏化を計り、優れた
コントラストを有している液晶セル及び液晶表示装置を
提供するものである。
電気光学特性に於けるしきい値の俊敏化を計り、優れた
コントラストを有している液晶セル及び液晶表示装置を
提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明者は、液晶小滴の粒径分布を極限まで均一
にする手法及び液晶小滴とポリマーとの界面での相互作
用の低減化の方法を鋭意検討したきた。その結果、液晶
小滴の粒径分布が今までにない均一性を有し、かつ、ポ
リマーの液晶に接する表面の表面エネルギーが低いとい
う条件を満たすとき、今までに達成し得なかった低電圧
駆動であり、かつ電気光学特性が俊敏であり、さらにコ
ントラストの優れている光の分散モードを利用した液晶
セル及び液晶表示装置を製作することができることを見
出だし、本発明に達した。
めに、本発明者は、液晶小滴の粒径分布を極限まで均一
にする手法及び液晶小滴とポリマーとの界面での相互作
用の低減化の方法を鋭意検討したきた。その結果、液晶
小滴の粒径分布が今までにない均一性を有し、かつ、ポ
リマーの液晶に接する表面の表面エネルギーが低いとい
う条件を満たすとき、今までに達成し得なかった低電圧
駆動であり、かつ電気光学特性が俊敏であり、さらにコ
ントラストの優れている光の分散モードを利用した液晶
セル及び液晶表示装置を製作することができることを見
出だし、本発明に達した。
【0014】即ち、本発明によれば、連通した液晶小滴
が分散されており、少なくとも2つの導電性基板によっ
て挟持される少なくとも1つのポリマー層を備えてお
り、液晶小滴の平均粒径が2μm以上、8μm以下の範
囲にあり、液晶小滴の径が平均粒径±2μm以内の範囲
にある液晶小滴の個数がその総数に対して80%以上で
ある粒径分布を有しており、液晶小滴の全体積がポリマ
ー層全体積に対して占める割合が50%以上、95%以
下の範囲にあり、ポリマー層に用いられているポリマー
の臨界表面張力が35dynes/cm以下である液晶
セル、並びに、マトリックス状に配置された信号電極及
び走査電極と、信号電極及び走査電極の各交点部に配置
されたスイッチングトランジスタと、スイッチングトラ
ンジスタに接続された絵素電極とが形成された第1の基
板と、絵素電極に対する対向電極が形成された第2の基
板とを備えており、第1及び第2の基板の間に上記した
液晶セルが挟持された液晶表示装置が提供される。
が分散されており、少なくとも2つの導電性基板によっ
て挟持される少なくとも1つのポリマー層を備えてお
り、液晶小滴の平均粒径が2μm以上、8μm以下の範
囲にあり、液晶小滴の径が平均粒径±2μm以内の範囲
にある液晶小滴の個数がその総数に対して80%以上で
ある粒径分布を有しており、液晶小滴の全体積がポリマ
ー層全体積に対して占める割合が50%以上、95%以
下の範囲にあり、ポリマー層に用いられているポリマー
の臨界表面張力が35dynes/cm以下である液晶
セル、並びに、マトリックス状に配置された信号電極及
び走査電極と、信号電極及び走査電極の各交点部に配置
されたスイッチングトランジスタと、スイッチングトラ
ンジスタに接続された絵素電極とが形成された第1の基
板と、絵素電極に対する対向電極が形成された第2の基
板とを備えており、第1及び第2の基板の間に上記した
液晶セルが挟持された液晶表示装置が提供される。
【0015】以下、本発明について、具体的かつ詳細に
説明する。
説明する。
【0016】本発明者の検討結果によれば、液晶小滴の
平均粒径が2μmより小さい場合、可視光により散乱さ
れない液晶小滴の数は増大し、その結果電圧無印加時の
光散乱性は低下する。また、液晶に電圧が印加された
際、液晶が十分透明化しないという問題を生じる。逆
に、液晶小滴の平均粒径が8μmより大きすぎる場合に
は、セルギャップの大部分を液晶小滴が占めることにな
り、電圧無印加時の光散乱特性のうち遮断性が低下する
ため好ましくない。従って、液晶小滴の平均粒径の範囲
としては、2μm以上、8μm以下が好ましく、さらに
好ましくは、3μm以上、5μm以下である。
平均粒径が2μmより小さい場合、可視光により散乱さ
れない液晶小滴の数は増大し、その結果電圧無印加時の
光散乱性は低下する。また、液晶に電圧が印加された
際、液晶が十分透明化しないという問題を生じる。逆
に、液晶小滴の平均粒径が8μmより大きすぎる場合に
は、セルギャップの大部分を液晶小滴が占めることにな
り、電圧無印加時の光散乱特性のうち遮断性が低下する
ため好ましくない。従って、液晶小滴の平均粒径の範囲
としては、2μm以上、8μm以下が好ましく、さらに
好ましくは、3μm以上、5μm以下である。
【0017】本発明の最大の特徴は、液晶小滴の粒径分
布の均一性及び液晶セルの製作法にある。
布の均一性及び液晶セルの製作法にある。
【0018】液晶セルの製作法は、次のように実施され
る。まず、光又は熱硬化樹脂と粒径分布が極めて均一な
微粒子とが混合され、この混合物が電極となる基板上に
均一に塗布された後、光又は熱によって混合物中の樹脂
が硬化される。さらに、硬化した樹脂、即ちポリマー中
に分散している微粒子が、これが良く溶解する溶媒によ
って溶出させられて、連通している小球状の空孔が多数
存在する多孔膜が形成される。この多孔膜に液晶材料が
含浸され、もう1つの電極が、既に取り付けられている
電極の反対側の多孔膜の上に貼り合わせられ液晶セルが
形成される。
る。まず、光又は熱硬化樹脂と粒径分布が極めて均一な
微粒子とが混合され、この混合物が電極となる基板上に
均一に塗布された後、光又は熱によって混合物中の樹脂
が硬化される。さらに、硬化した樹脂、即ちポリマー中
に分散している微粒子が、これが良く溶解する溶媒によ
って溶出させられて、連通している小球状の空孔が多数
存在する多孔膜が形成される。この多孔膜に液晶材料が
含浸され、もう1つの電極が、既に取り付けられている
電極の反対側の多孔膜の上に貼り合わせられ液晶セルが
形成される。
【0019】この製作法は、上記したように、微粒子を
液晶小滴が入る空孔の型として使用することに特徴があ
る。従って、液晶小滴の粒径は微粒子の粒径で決まり、
液晶小滴の粒径分布の均一性は微粒子の粒径分布の均一
性に依存する。微粒子の材料としては、ポリマーラテッ
クス等のポリマービーズ、又は、亜硫酸カルシウム、単
分散シリカ微粒子等の無機微粒子を使用してもよいが、
粒径分布の均一性が要求される本発明の方法では、アド
バンス イン コロイド アンド インターフェイス
サイエンス(Advances in Colloid and Interface Scie
nce ) 13(1980年) 101 〜140 頁に記載され
た方法等を用いて作成されたラテックス微粒子を使用す
るのが、最も良く粒径分布を制御できるので最も好まし
い。
液晶小滴が入る空孔の型として使用することに特徴があ
る。従って、液晶小滴の粒径は微粒子の粒径で決まり、
液晶小滴の粒径分布の均一性は微粒子の粒径分布の均一
性に依存する。微粒子の材料としては、ポリマーラテッ
クス等のポリマービーズ、又は、亜硫酸カルシウム、単
分散シリカ微粒子等の無機微粒子を使用してもよいが、
粒径分布の均一性が要求される本発明の方法では、アド
バンス イン コロイド アンド インターフェイス
サイエンス(Advances in Colloid and Interface Scie
nce ) 13(1980年) 101 〜140 頁に記載され
た方法等を用いて作成されたラテックス微粒子を使用す
るのが、最も良く粒径分布を制御できるので最も好まし
い。
【0020】液晶小滴の粒径分布の均一性は、液晶表示
装置の駆動電圧の低電圧化及び電気光学結晶特性に於け
るしきい値の俊敏性に影響を与え、分布が広いと駆動電
圧が大きなものから小さなものまで種々の駆動電圧で動
作する液晶小滴が存在することとなり、その結果、液晶
表示装置が高駆動電圧化し、さらに、動作挙動の俊敏性
を低下させることとなる。従って、液晶小滴の粒径分布
の均一性は、液晶表示装置の非常に重要な因子である。
液晶小滴の粒径分布は、液晶小滴の粒径が平均粒径±2
μm以内の範囲にある液晶小滴の個数がその総数に対し
て80%以上であることが好ましい。さらに、液晶小滴
の粒径が平均粒径±2μm以内の範囲にある液晶小滴の
個数がその総数に対して90%以上であることが好まし
い。
装置の駆動電圧の低電圧化及び電気光学結晶特性に於け
るしきい値の俊敏性に影響を与え、分布が広いと駆動電
圧が大きなものから小さなものまで種々の駆動電圧で動
作する液晶小滴が存在することとなり、その結果、液晶
表示装置が高駆動電圧化し、さらに、動作挙動の俊敏性
を低下させることとなる。従って、液晶小滴の粒径分布
の均一性は、液晶表示装置の非常に重要な因子である。
液晶小滴の粒径分布は、液晶小滴の粒径が平均粒径±2
μm以内の範囲にある液晶小滴の個数がその総数に対し
て80%以上であることが好ましい。さらに、液晶小滴
の粒径が平均粒径±2μm以内の範囲にある液晶小滴の
個数がその総数に対して90%以上であることが好まし
い。
【0021】液晶小滴を含むポリマー層の厚みは、5μ
m以上、18μm以下がよく、さらに好ましくは、10
μm以上、15μm以下である。この厚みが5μm未満
の場合には、電圧無印加時の光散乱性が不足しており、
逆に18μmより大きい場合には、液晶素子の電圧駆動
のための電界強度が不足し、電圧印加時の十分な透明性
が得られないか、若しくは、駆動電圧を大きくする必要
がある。駆動電圧が大きいことは、消費電力が大きく、
また、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジス
タ)等の駆動回路の改良が必要となることを意味してい
る。
m以上、18μm以下がよく、さらに好ましくは、10
μm以上、15μm以下である。この厚みが5μm未満
の場合には、電圧無印加時の光散乱性が不足しており、
逆に18μmより大きい場合には、液晶素子の電圧駆動
のための電界強度が不足し、電圧印加時の十分な透明性
が得られないか、若しくは、駆動電圧を大きくする必要
がある。駆動電圧が大きいことは、消費電力が大きく、
また、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジス
タ)等の駆動回路の改良が必要となることを意味してい
る。
【0022】液晶小滴を含むポリマー層における液晶小
滴全体の占める体積分率は、50%以上、95%以下で
あることが好ましく、さらに、70%以上、85%以下
であることが好ましい。液晶の体積分率が50%より小
さい場合、入射した光が液晶小滴で散乱される回数が減
少するために十分な光の散乱強度が得られない。また、
液晶の体積分率が、95%より大きい場合、ポリマーの
体積分率の低下によりポリマー壁の物理的強度が低下し
てポリマーネットワ−クが形成維持されなくなる。
滴全体の占める体積分率は、50%以上、95%以下で
あることが好ましく、さらに、70%以上、85%以下
であることが好ましい。液晶の体積分率が50%より小
さい場合、入射した光が液晶小滴で散乱される回数が減
少するために十分な光の散乱強度が得られない。また、
液晶の体積分率が、95%より大きい場合、ポリマーの
体積分率の低下によりポリマー壁の物理的強度が低下し
てポリマーネットワ−クが形成維持されなくなる。
【0023】本発明のもう1つのポイントは、ポリマー
材料の臨界表面張力である。本発明者等は、ポリマー材
料の臨界表面張力が大きくなると液晶とポリマーとの相
互作用が大きくなり、その結果駆動電圧が増大してしま
い、たとえ液晶小滴の粒径分布の均一性を有していて
も、本発明の目的を達成できないことを見い出した。固
体表面に接触した液晶は、通常、固体表面の臨界表面張
力γc と液晶の表面張力γ1 とが等しくなる点で液晶と
ポリマーとの相互作用の強さがクリティカルに変化し、
液晶の固体表面付近での配向がホモジニアス配向(γ1
−γc 〈0)からホメオトロピック(γ1 −γc 〉0)
へと変化することが、モレキュラ クリスタル アンド
リキッド クリスタル(Molecular Crystalsand Liqu
id Cryst-als )、第24巻、59〜68頁(1973年)に報告
されている。さらに、シアノ基などの極性の強い官能基
等を分子中に有する液晶の表面張力は35dynes/cm以上で
あることが多く、表面張力が小さいフッ素系液晶の表面
張力でも30dynes/cm程度である。従って、本発明で使用
されるポリマーの臨界表面張力は、35dynes/cm以下であ
ることが好ましく、さらに好ましくは、30dynes/cm以下
である。
材料の臨界表面張力である。本発明者等は、ポリマー材
料の臨界表面張力が大きくなると液晶とポリマーとの相
互作用が大きくなり、その結果駆動電圧が増大してしま
い、たとえ液晶小滴の粒径分布の均一性を有していて
も、本発明の目的を達成できないことを見い出した。固
体表面に接触した液晶は、通常、固体表面の臨界表面張
力γc と液晶の表面張力γ1 とが等しくなる点で液晶と
ポリマーとの相互作用の強さがクリティカルに変化し、
液晶の固体表面付近での配向がホモジニアス配向(γ1
−γc 〈0)からホメオトロピック(γ1 −γc 〉0)
へと変化することが、モレキュラ クリスタル アンド
リキッド クリスタル(Molecular Crystalsand Liqu
id Cryst-als )、第24巻、59〜68頁(1973年)に報告
されている。さらに、シアノ基などの極性の強い官能基
等を分子中に有する液晶の表面張力は35dynes/cm以上で
あることが多く、表面張力が小さいフッ素系液晶の表面
張力でも30dynes/cm程度である。従って、本発明で使用
されるポリマーの臨界表面張力は、35dynes/cm以下であ
ることが好ましく、さらに好ましくは、30dynes/cm以下
である。
【0024】使用されるポリマー材料は、光又は熱硬化
性樹脂を光又は熱で硬化して作成される樹脂等である。
性樹脂を光又は熱で硬化して作成される樹脂等である。
【0025】光又は熱硬化性樹脂としては、例えば、C
3以上の長鎖アルキル基又はベンゼン環を有するアクリ
ル酸及びアクリル酸エステル、さらに具体的には、アク
リル酸イソブチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸
ラウリル、アクリル酸イソアミル、n−ブチルメタクリ
レート、n−ラウリルメタクリレート、トリデシルメタ
クリレート、n−ステアリルメタクリレート、シクロヘ
キシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−
フェノキシエチルメタクリレート、ビスフェノールAジ
メタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、さ
らに、ポリマーの物理的強度を高めるために2官能以上
の多官能性樹脂、例えば、1、4−ブタンジオールジメ
タクリレート、1、6−ヘキサンジオールジメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロ
ールメタンテトラアクリレート、さらに好ましくは、こ
れらのモノマーをハロゲン化、特に塩素化又はフッ素化
した樹脂、例えば、2.2.3.4.4.4−ヘキサフ
ロロブチルメタクリレート、2.2.3.4.4.4−
ヘキサクロロブチルメタクリレート、2.2.3.3−
テトラフロロプロピルメタクリレート、2.2.3.3
−テトラクロロプロピルメタクリレート、パーフロロオ
クチルエチルメタクリレート、パークロロオクチルエチ
ルメタクリレート、パーフロロオクチルエチルアクリレ
ート、パークロロオクチルエチルアクリレートである。
また、熱硬化性樹脂としては、エチレングリコールジグ
リシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシ
ジルエーテル、1.6−ヘキサンジオールジグリシジル
エーテルなどのグリシジルエーテル類を代表とするエポ
キシ樹脂、イソシアネート基を有するポリウレタン樹
脂、又はSiを含む2重結合を有するシリコーン樹脂等
が使用できる。これらのモノマーは、単独で使用しても
よいが2種以上混合してもよい。また、これらのモノマ
ーに必要に応じて塩素化又はフッ素化されたポリマーや
オリゴマーを混合して使用してもよい。さらに、光又は
熱反応をより完璧にし物理的強度を確実にするために、
あらかじめ第一段階の光又は熱反応では反応しないパー
キサイドを上記モノマーに添加して第一段階の硬化終了
後にさらに加熱して反応を進めてもよい。
3以上の長鎖アルキル基又はベンゼン環を有するアクリ
ル酸及びアクリル酸エステル、さらに具体的には、アク
リル酸イソブチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸
ラウリル、アクリル酸イソアミル、n−ブチルメタクリ
レート、n−ラウリルメタクリレート、トリデシルメタ
クリレート、n−ステアリルメタクリレート、シクロヘ
キシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−
フェノキシエチルメタクリレート、ビスフェノールAジ
メタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、さ
らに、ポリマーの物理的強度を高めるために2官能以上
の多官能性樹脂、例えば、1、4−ブタンジオールジメ
タクリレート、1、6−ヘキサンジオールジメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロ
ールメタンテトラアクリレート、さらに好ましくは、こ
れらのモノマーをハロゲン化、特に塩素化又はフッ素化
した樹脂、例えば、2.2.3.4.4.4−ヘキサフ
ロロブチルメタクリレート、2.2.3.4.4.4−
ヘキサクロロブチルメタクリレート、2.2.3.3−
テトラフロロプロピルメタクリレート、2.2.3.3
−テトラクロロプロピルメタクリレート、パーフロロオ
クチルエチルメタクリレート、パークロロオクチルエチ
ルメタクリレート、パーフロロオクチルエチルアクリレ
ート、パークロロオクチルエチルアクリレートである。
また、熱硬化性樹脂としては、エチレングリコールジグ
リシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシ
ジルエーテル、1.6−ヘキサンジオールジグリシジル
エーテルなどのグリシジルエーテル類を代表とするエポ
キシ樹脂、イソシアネート基を有するポリウレタン樹
脂、又はSiを含む2重結合を有するシリコーン樹脂等
が使用できる。これらのモノマーは、単独で使用しても
よいが2種以上混合してもよい。また、これらのモノマ
ーに必要に応じて塩素化又はフッ素化されたポリマーや
オリゴマーを混合して使用してもよい。さらに、光又は
熱反応をより完璧にし物理的強度を確実にするために、
あらかじめ第一段階の光又は熱反応では反応しないパー
キサイドを上記モノマーに添加して第一段階の硬化終了
後にさらに加熱して反応を進めてもよい。
【0026】液晶については、常温付近で液晶状態を示
す有機物混合体であって、正の誘電異方性を有するもの
であり、ネマティック液晶、コレステリック液晶、又は
スメクチック液晶等が含まれる。これらの液晶は、混合
してもよく、特にネマティック液晶又はコレステリック
液晶の添加されたネマティック液晶が特性上好ましい。
さらに好ましくは、臨界表面張力の小さい多孔体に含浸
させて使用するための表面張力の小さい液晶であり、フ
ッ素原子等の表面張力を低下させる官能基を化合物中に
有する液晶等である。具体的には、市販されている液晶
材料(混合組成分)として、ZLI-4792、ZLI-4801-000、
ZLI-4801-001(メルク社製)等のフッ素系液晶がある。
す有機物混合体であって、正の誘電異方性を有するもの
であり、ネマティック液晶、コレステリック液晶、又は
スメクチック液晶等が含まれる。これらの液晶は、混合
してもよく、特にネマティック液晶又はコレステリック
液晶の添加されたネマティック液晶が特性上好ましい。
さらに好ましくは、臨界表面張力の小さい多孔体に含浸
させて使用するための表面張力の小さい液晶であり、フ
ッ素原子等の表面張力を低下させる官能基を化合物中に
有する液晶等である。具体的には、市販されている液晶
材料(混合組成分)として、ZLI-4792、ZLI-4801-000、
ZLI-4801-001(メルク社製)等のフッ素系液晶がある。
【0027】尚、本発明は、液晶小滴の平均粒径、粒径
分布、液晶の含有量及び使用ポリマーの臨界表面張力の
条件を同時に最適化することにより目的を達成するもの
であり、個別の条件を満たすだけでは本発明の効果を十
分に引き出すことはできない。
分布、液晶の含有量及び使用ポリマーの臨界表面張力の
条件を同時に最適化することにより目的を達成するもの
であり、個別の条件を満たすだけでは本発明の効果を十
分に引き出すことはできない。
【0028】
【実施例】以下に、表及び図面を用いて本発明の実施例
及び比較例を詳細に説明する。
及び比較例を詳細に説明する。
【0029】図1に、本発明に係わる液晶セルの一実施
例の断面図を示す。また、図2に、本発明に係わる液晶
表示装置の一実施例の断面図を示す。
例の断面図を示す。また、図2に、本発明に係わる液晶
表示装置の一実施例の断面図を示す。
【0030】図1に示すように、ポリマー層10内に連通
した液晶小滴11が分散されており、ポリマー層10は2枚
の透明な導電性基板15で挟持されている。ポリマー層10
に使用されるポリマー、液晶、及び導電性基板15の詳細
は以下で説明する。
した液晶小滴11が分散されており、ポリマー層10は2枚
の透明な導電性基板15で挟持されている。ポリマー層10
に使用されるポリマー、液晶、及び導電性基板15の詳細
は以下で説明する。
【0031】尚、本実施例は2枚の透明な導電性基板に
よってポリマー層10を挟持したが、2枚以上の透明な導
電性基板を用いてもよく、また、2枚又は2枚以上の透
明な導電性基板の内1枚は、不透明又は反射的であって
もよい。
よってポリマー層10を挟持したが、2枚以上の透明な導
電性基板を用いてもよく、また、2枚又は2枚以上の透
明な導電性基板の内1枚は、不透明又は反射的であって
もよい。
【0032】実施例による液晶表示装置では、2枚の導
電性基板16、17を対向させ、その間隙に上記の液晶セル
を挟持した構成となっている。導電性基板16は透明絶縁
層12と配向電極13とから成り、導電性基板17は透明絶縁
層12と絵素電極14とから成る。図2に示すように、導電
性基板17には、マトリックス状に配置された信号線及び
走査線(図示せず)とそれらの交点に配置されたTFT
(図示せず)及び絵素電極14が配置されている。また、
もう一方の導電性基板16には絵素電極14に対向して対向
電極13が配置されている。この構成はTFT方式と呼ば
れ、周知のものである。
電性基板16、17を対向させ、その間隙に上記の液晶セル
を挟持した構成となっている。導電性基板16は透明絶縁
層12と配向電極13とから成り、導電性基板17は透明絶縁
層12と絵素電極14とから成る。図2に示すように、導電
性基板17には、マトリックス状に配置された信号線及び
走査線(図示せず)とそれらの交点に配置されたTFT
(図示せず)及び絵素電極14が配置されている。また、
もう一方の導電性基板16には絵素電極14に対向して対向
電極13が配置されている。この構成はTFT方式と呼ば
れ、周知のものである。
【0033】実施例1
トリメチロールプロパントリメタクリレート0.3g、
パーフロロオクチルエチルメタクリレート1.7g及び
チバガイギー製irgacure184 0.06gの混合物と、平
均粒径が4.2μmであり、かつ、粒径が平均粒径±2
μm以内の範囲にある粒子の個数が総粒子数に対して9
5%である粒径分布を有するポリスチレン粒子8gと
を、エチルアルコール20ml中で十分に混合した。そ
して、バーコート法により風乾後、層の厚さが10μm
になるようにITO(酸化インジウム及び酸化すずの混
合物)付きガラス(日本板ガラス製ITO−500オン
グストローム付きフリントガラス)に混合物を添付し窒
素中でさらに風乾させた。その後、メタルハライドラン
プ(80W)の下方100mmの場所で2分間紫外線を
照射して樹脂を硬化させた。硬化をより完璧にするため
に100℃で1時間窒素中で放置した。
パーフロロオクチルエチルメタクリレート1.7g及び
チバガイギー製irgacure184 0.06gの混合物と、平
均粒径が4.2μmであり、かつ、粒径が平均粒径±2
μm以内の範囲にある粒子の個数が総粒子数に対して9
5%である粒径分布を有するポリスチレン粒子8gと
を、エチルアルコール20ml中で十分に混合した。そ
して、バーコート法により風乾後、層の厚さが10μm
になるようにITO(酸化インジウム及び酸化すずの混
合物)付きガラス(日本板ガラス製ITO−500オン
グストローム付きフリントガラス)に混合物を添付し窒
素中でさらに風乾させた。その後、メタルハライドラン
プ(80W)の下方100mmの場所で2分間紫外線を
照射して樹脂を硬化させた。硬化をより完璧にするため
に100℃で1時間窒素中で放置した。
【0034】その後、酢酸ブチルによって徐々にポリス
チレン微粒子を溶解させ、乾燥アセトンで酢酸ブチルを
除去し乾燥させて多孔体を得た。生成した多孔体の断面
をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察したところ、孔の
平均孔径が4.3μmであり、孔径が平均孔径±2μm
以内の範囲にある孔の個数が総孔数に対して93%であ
る孔径分布を有していることが明らかになった(平均孔
径の測定に際して、図1に示す液晶11が含浸している連
通した孔の各球体部分の径Rを、液晶11を含浸させる前
にそれぞれ測定した)。
チレン微粒子を溶解させ、乾燥アセトンで酢酸ブチルを
除去し乾燥させて多孔体を得た。生成した多孔体の断面
をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察したところ、孔の
平均孔径が4.3μmであり、孔径が平均孔径±2μm
以内の範囲にある孔の個数が総孔数に対して93%であ
る孔径分布を有していることが明らかになった(平均孔
径の測定に際して、図1に示す液晶11が含浸している連
通した孔の各球体部分の径Rを、液晶11を含浸させる前
にそれぞれ測定した)。
【0035】液晶セル厚をスペーサで12μmに保ち、
メルク社製液晶ZLI-3219を含浸させ液晶セルを作成し
た。
メルク社製液晶ZLI-3219を含浸させ液晶セルを作成し
た。
【0036】液晶の多孔体中での体積分率は、液晶セル
中の液晶をアセトンで抽出し、その分量から定量した。
その結果、この場合の液晶の体積分率は76%であっ
た。
中の液晶をアセトンで抽出し、その分量から定量した。
その結果、この場合の液晶の体積分率は76%であっ
た。
【0037】用いた樹脂の臨界表面張力は、用いたモノ
マーを東レ製PET(ポリエチレンテレフタレート)フ
ィルム・ルミラーに挟んで紫外線照射した後、一連の標
準ぬれ指数液により接触角を測定し接触角が0になる表
面張力を外挿することによって求め、その外挿値を臨界
表面張力γc とした。その結果、この場合の臨界表面張
力γc は、25dynes/cmであった。
マーを東レ製PET(ポリエチレンテレフタレート)フ
ィルム・ルミラーに挟んで紫外線照射した後、一連の標
準ぬれ指数液により接触角を測定し接触角が0になる表
面張力を外挿することによって求め、その外挿値を臨界
表面張力γc とした。その結果、この場合の臨界表面張
力γc は、25dynes/cmであった。
【0038】図2の様に作成した液晶表示装置を用いて
電気光学特性を測定した。
電気光学特性を測定した。
【0039】作成した液晶セルの電気光学特性は、しき
い値電圧Vth及び飽和電圧Vs から判断される。しきい
値電圧Vthは、光透過率が光透過率の飽和値Ts (高電
圧を印加した時)から電圧無印加時の光透過率T0 を引
いた値の10%の透過率に達した際の印加電圧である。
また、飽和電圧Vs は、光透過率が光透過率の飽和値T
s から電圧無印加時の光透過率T0 を引いた値の90%
の透過率に達した際の印加電圧である。実施例1のしき
い値Vthは2.6V、飽和電圧Vs は5.1Vであり、
従来の液晶セルに比較して駆動電圧が極端に低く、か
つ、素晴らしい俊敏性を有した特性であった。
い値電圧Vth及び飽和電圧Vs から判断される。しきい
値電圧Vthは、光透過率が光透過率の飽和値Ts (高電
圧を印加した時)から電圧無印加時の光透過率T0 を引
いた値の10%の透過率に達した際の印加電圧である。
また、飽和電圧Vs は、光透過率が光透過率の飽和値T
s から電圧無印加時の光透過率T0 を引いた値の90%
の透過率に達した際の印加電圧である。実施例1のしき
い値Vthは2.6V、飽和電圧Vs は5.1Vであり、
従来の液晶セルに比較して駆動電圧が極端に低く、か
つ、素晴らしい俊敏性を有した特性であった。
【0040】作成した液晶セルの直進光透過率は、電圧
無印加時に0.9%であり、50V交流電圧印加時に8
2.1%であり、良好なコントラストが得られた。
無印加時に0.9%であり、50V交流電圧印加時に8
2.1%であり、良好なコントラストが得られた。
【0041】液晶材料としては、本実施例で使用した液
晶材料以外にE-8 ,E-44,ZLI-1289(メルク社製)等が
使用できる。
晶材料以外にE-8 ,E-44,ZLI-1289(メルク社製)等が
使用できる。
【0042】実施例2、3及び比較例1、2
平均粒径が1.3μm(比較例1)、2.1μm(実施
例2),7.8μm(実施例3),10.2μm(比較
例2)であり、かつ粒径が平均粒径±2μm以内の範囲
にある粒子の個数が総粒子数に対してほぼ95%である
粒径分布を有するポリスチレン微粒子を用い実施例1同
様に液晶セルを作成し、実施例1と同様に電気光学特性
(しきい値電圧Vth、飽和電圧Vs )、光透過特性(電
圧無印加時の直進光透過率T0 、50V交流電圧印加時
の直進光透過率T50)を測定した。その結果を表1に示
す。この表から、比較例1は実施例2、3と比較してし
きい値電圧Vthは大きく、比較例2は実施例2、3に比
較してコントラストが劣ることが分かる。
例2),7.8μm(実施例3),10.2μm(比較
例2)であり、かつ粒径が平均粒径±2μm以内の範囲
にある粒子の個数が総粒子数に対してほぼ95%である
粒径分布を有するポリスチレン微粒子を用い実施例1同
様に液晶セルを作成し、実施例1と同様に電気光学特性
(しきい値電圧Vth、飽和電圧Vs )、光透過特性(電
圧無印加時の直進光透過率T0 、50V交流電圧印加時
の直進光透過率T50)を測定した。その結果を表1に示
す。この表から、比較例1は実施例2、3と比較してし
きい値電圧Vthは大きく、比較例2は実施例2、3に比
較してコントラストが劣ることが分かる。
【0043】
【表1】
【0044】実施例4及び比較例3、4
平均粒径がほぼ4μmであり、かつ粒径が平均粒径±2
μm以内の範囲にある粒子の個数が総粒子数に対して、
82%(実施例4)、70%(比較例3)、50%(比
較例4)である粒径分布を有するポリスチレン微粒子を
用い実施例1と同様に液晶セルを作成し、実施例1と同
様に電気光学特性(しきい値電圧Vth、飽和電圧
Vs )、光透過特性(電圧無印加時の直進光透過率
T0 、50V交流電圧印加時の直進光透過率T50)を測
定した。その結果を表2に示す。この表から、比較例
3、4は実施例4と比較してしきい値電圧Vthは大き
く、コントラストが劣ることが分かる。
μm以内の範囲にある粒子の個数が総粒子数に対して、
82%(実施例4)、70%(比較例3)、50%(比
較例4)である粒径分布を有するポリスチレン微粒子を
用い実施例1と同様に液晶セルを作成し、実施例1と同
様に電気光学特性(しきい値電圧Vth、飽和電圧
Vs )、光透過特性(電圧無印加時の直進光透過率
T0 、50V交流電圧印加時の直進光透過率T50)を測
定した。その結果を表2に示す。この表から、比較例
3、4は実施例4と比較してしきい値電圧Vthは大き
く、コントラストが劣ることが分かる。
【0045】
【表2】
【0046】実施例5及び比較例5、6
実施例1で使用したポリスチレン微粒子と硬化性樹脂と
を混合する際、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート0.3gとパーフロロオクチルエチルメタクリレー
ト1.7gと、チバガイギー製irgacure184 0.06g
との混合物に対して、ポリスチレン微粒子の添加量を
1.3g(比較例5),3.0g(実施例5),48g
(比較例6、混合物を希釈するエチルアルコールを10
0mlとして液晶セルを作成する)として添加して、実
施例1と同様な方法で、いろいろな液晶の体積分率をも
つ液晶セルを作成し、実施例1同様に電気光学特性(し
きい値電圧Vth、飽和電圧Vs )、光透過特性(電圧無
印加時の直進光透過率 T0 、50V交流電圧印加時の
直進光透過率T50)を測定した。その結果を表3に示
す。この表から、比較例5は実施例5と比較してしきい
値電圧Vthは大きく、コントラストが劣ることが分か
る。
を混合する際、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート0.3gとパーフロロオクチルエチルメタクリレー
ト1.7gと、チバガイギー製irgacure184 0.06g
との混合物に対して、ポリスチレン微粒子の添加量を
1.3g(比較例5),3.0g(実施例5),48g
(比較例6、混合物を希釈するエチルアルコールを10
0mlとして液晶セルを作成する)として添加して、実
施例1と同様な方法で、いろいろな液晶の体積分率をも
つ液晶セルを作成し、実施例1同様に電気光学特性(し
きい値電圧Vth、飽和電圧Vs )、光透過特性(電圧無
印加時の直進光透過率 T0 、50V交流電圧印加時の
直進光透過率T50)を測定した。その結果を表3に示
す。この表から、比較例5は実施例5と比較してしきい
値電圧Vthは大きく、コントラストが劣ることが分か
る。
【0047】比較例6において、作成したポリマーマト
リックスの強度が弱く安定した表示特性を測定すること
ができなかった。
リックスの強度が弱く安定した表示特性を測定すること
ができなかった。
【0048】
【表3】
【0049】実施例6、比較例7、8
実施例1で使用したポリスチレン微粒子を用い、n−ス
テアリルメタアクリレート1.7gとトリメチロールプ
ロパントリメタクリレート0.3gとチバガイギー製ir
gacure184 0.06gとの混合物(実施例6)、又は、
2−ヒドロキシエチルアクリレート1.7gとトリメチ
ロールプロパントリメタクリレート0.3gとチバガイ
ギー製irgacure184 0.06gとの混合物(実施例
7)、又は、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸
1.7gとトリメチロールプロパントリメタクリレート
0.3gとチバガイギー製irgacure184 0.06gとの
混合物(実施例8)を用い多孔体の内壁の化学的親和力
の異なった液晶セルを作成し、実施例1と同様に電気光
学特性(しきい値電圧Vth、飽和電圧Vs )、光透過特
性(電圧無印加時の直進光透過率T0 、50V交流電圧
印加時の直進光透過率T50)及び臨界表面張力γc を測
定した。その結果を表4に示す。この表から、比較例
7、8は臨界表面張力が大きく、その結果、実施例6と
比較してしきい値電圧Vthが大きいことが分かる。
テアリルメタアクリレート1.7gとトリメチロールプ
ロパントリメタクリレート0.3gとチバガイギー製ir
gacure184 0.06gとの混合物(実施例6)、又は、
2−ヒドロキシエチルアクリレート1.7gとトリメチ
ロールプロパントリメタクリレート0.3gとチバガイ
ギー製irgacure184 0.06gとの混合物(実施例
7)、又は、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸
1.7gとトリメチロールプロパントリメタクリレート
0.3gとチバガイギー製irgacure184 0.06gとの
混合物(実施例8)を用い多孔体の内壁の化学的親和力
の異なった液晶セルを作成し、実施例1と同様に電気光
学特性(しきい値電圧Vth、飽和電圧Vs )、光透過特
性(電圧無印加時の直進光透過率T0 、50V交流電圧
印加時の直進光透過率T50)及び臨界表面張力γc を測
定した。その結果を表4に示す。この表から、比較例
7、8は臨界表面張力が大きく、その結果、実施例6と
比較してしきい値電圧Vthが大きいことが分かる。
【0050】
【表4】
【0051】実施例7、8、9
実施例1に示した方法を使用し孔径分布の非常に均一な
ポリマーマトリックスを作成し、このマトリックスに液
晶成分としてメルク社製ZLI-4792(実施例7)、ZLI-48
01-000(実施例8)、ZLI-4801-001(実施例9)を含浸
させて実施例1と同様に液晶セルを作成し、実施例1と
同様に電気光学特性(しきい値電圧Vth、飽和電圧
Vs )、光透過特性(電圧無印加時の直進光透過率
T0 、50V交流電圧印加時の直進光透過率T50)を測
定した。その結果を表5に示す。
ポリマーマトリックスを作成し、このマトリックスに液
晶成分としてメルク社製ZLI-4792(実施例7)、ZLI-48
01-000(実施例8)、ZLI-4801-001(実施例9)を含浸
させて実施例1と同様に液晶セルを作成し、実施例1と
同様に電気光学特性(しきい値電圧Vth、飽和電圧
Vs )、光透過特性(電圧無印加時の直進光透過率
T0 、50V交流電圧印加時の直進光透過率T50)を測
定した。その結果を表5に示す。
【0052】
【表5】
【0053】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、高分子分散型の液晶セル及び液晶表示装置において
最も障害となっていた大きい駆動電圧及び低コントラス
トが一挙に解決される。従って、本発明は、高分子分散
型液晶セルの工業的製造において極めて重要である。
ば、高分子分散型の液晶セル及び液晶表示装置において
最も障害となっていた大きい駆動電圧及び低コントラス
トが一挙に解決される。従って、本発明は、高分子分散
型液晶セルの工業的製造において極めて重要である。
【図1】本発明に係わる液晶セルの一実施例の断面図で
ある。
ある。
【図2】本発明に係わるマトリックス液晶表示装置の一
実施例の断面図である。
実施例の断面図である。
10 ポリマー
11 液晶
12 透明絶縁層
13 対向電極
14 絵素電極
15,16,17 導電性基板
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 船田 文明
大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ
ヤープ株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 連通した液晶小滴が分散されており、少
なくとも2つの導電性基板によって挟持される少なくと
も1つのポリマー層を備えた液晶セルであって、前記液
晶小滴の平均粒径が2μm以上、8μm以下の範囲にあ
り、前記液晶小滴の径が平均粒径±2μm以内の範囲に
ある該液晶小滴の個数が該液晶小滴の総数に対して80
%以上である粒径分布を有しており、前記液晶小滴の全
体積が前記ポリマー層全体積に対して占める割合が50
%以上、95%以下の範囲にあり、前記ポリマー層に用
いられているポリマーの臨界表面張力が35dynes
/cm以下であることを特徴とする液晶セル。 - 【請求項2】 マトリックス状に配置された信号電極及
び走査電極と、該信号電極及び走査電極の各交点部に配
置されたスイッチングトランジスタと、該スイッチング
トランジスタに接続された絵素電極とが形成された第1
の基板と、前記絵素電極に対する対向電極が形成された
第2の基板とを備えており、前記第1及び第2の基板の
間に請求項1に記載した液晶セルが挟持されたことを特
徴とする液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3171335A JPH0519239A (ja) | 1991-07-11 | 1991-07-11 | 液晶セル及び液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3171335A JPH0519239A (ja) | 1991-07-11 | 1991-07-11 | 液晶セル及び液晶表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0519239A true JPH0519239A (ja) | 1993-01-29 |
Family
ID=15921321
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3171335A Pending JPH0519239A (ja) | 1991-07-11 | 1991-07-11 | 液晶セル及び液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0519239A (ja) |
-
1991
- 1991-07-11 JP JP3171335A patent/JPH0519239A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5583673A (en) | Polymer dispersed liquid crystal display device, and a method for producing the same | |
US5729312A (en) | LCD and method for producing the same in which a larger number of substrate gap control materials is larger in the polymer walls than in the liquid crystal regions | |
US5301046A (en) | Electro-optical device having a layer comprising an oblate liquid crystal dispersed in a resin and method for forming the same | |
US5394256A (en) | Encapsulated liquid crystal in liquid crystal material where one liquid crystal has positive birefringence and dielectric anisotropy, the other has only one positive of birefringence and dielectric anisotropy | |
US6876411B2 (en) | Electrooptical displays with multilayer structure achieved by varying rates of polymerization and/or phase separation | |
JP2000321562A (ja) | リバースモード光スイッチング機能を有する液晶光学装置とその製造方法 | |
JP2937684B2 (ja) | 液晶表示素子及びその製造方法 | |
US6400429B1 (en) | Method for producing a liquid crystal display device | |
JPH05119301A (ja) | 液晶表示素子の製造方法 | |
JPH0519239A (ja) | 液晶セル及び液晶表示装置 | |
JP2880354B2 (ja) | 液晶表示素子及びその製造方法 | |
JP2881073B2 (ja) | 電界複屈折制御型液晶素子及びその製法 | |
JP3137275B2 (ja) | 液晶表示素子およびその製造方法 | |
JP3232114B2 (ja) | 液晶/高分子複合膜及びその製造方法 | |
JP3059030B2 (ja) | 液晶表示素子及びその製造方法 | |
JP3028389B2 (ja) | 液晶表示装置の製造方法 | |
JP2000098354A (ja) | 高分子分散型液晶表示素子及びその製造方法 | |
JP3054005B2 (ja) | 液晶表示素子及びその製造方法 | |
JPH08201780A (ja) | 液晶表示媒体 | |
JP2930169B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2812843B2 (ja) | 液晶表示素子の製造方法 | |
JP3263344B2 (ja) | 高分子分散型液晶表示素子及びその製造方法 | |
JP2008191524A (ja) | 液晶光学素子 | |
JP3322501B2 (ja) | 液晶表示媒体およびその駆動方法 | |
JPH06265859A (ja) | 液晶表示素子およびその製造方法 |