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JPH05196093A - 無段変速システム - Google Patents

無段変速システム

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Publication number
JPH05196093A
JPH05196093A JP18367892A JP18367892A JPH05196093A JP H05196093 A JPH05196093 A JP H05196093A JP 18367892 A JP18367892 A JP 18367892A JP 18367892 A JP18367892 A JP 18367892A JP H05196093 A JPH05196093 A JP H05196093A
Authority
JP
Japan
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belt
block
pulley
continuously variable
transmission system
Prior art date
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Granted
Application number
JP18367892A
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English (en)
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JP2500287B2 (ja
Inventor
Mitsuhiko Takahashi
光彦 高橋
Keizo Nonaka
敬三 野中
Koichi Okawa
浩一 大川
Mitsunao Takayama
光直 高山
Takahiko Murase
孝彦 邨瀬
Kozo Yamauchi
鉱三 山内
Takeshi Nakazawa
武司 中沢
Masao Iwata
正雄 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Aichi Machine Industry Co Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Aichi Machine Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Bando Chemical Industries Ltd, Aichi Machine Industry Co Ltd filed Critical Bando Chemical Industries Ltd
Priority to JP4183678A priority Critical patent/JP2500287B2/ja
Publication of JPH05196093A publication Critical patent/JPH05196093A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2500287B2 publication Critical patent/JP2500287B2/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16GBELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
    • F16G5/00V-belts, i.e. belts of tapered cross-section
    • F16G5/16V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts
    • F16G5/166V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts with non-metallic rings

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高負荷伝動用のCVTに使用されるブロック
ベルトBの伝動性能をさほど犠牲にすることなく、騒音
レベルの低減を図るとともに、ベルトBのプーリ3,7
からの抜け性をよくしてベルトBの耐久性を高め、変速
時のベルトBの半径方向へのスムーズに移動を可能とす
る。 【構成】 各ブロック16においてプーリ3,7のベル
ト溝6,10の面に当接する当接部18とベルト溝6,
10面との間の動摩擦係数μをプーリ3,7の楔角αに
ついて0.16≦μ≦tan(α/2)の範囲に設定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、1対の可変プーリ間
に高負荷伝動用のブロックベルトを掛け渡してなる無段
変速システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車或いはコンバインやト
ラクタ等の農業用機械等における変速機は、歯車式又は
流体式のものが一般に広く使用されているが、近年、変
速時の操作性の向上、燃費の向上等を目的としてベルト
式無段変速機の開発が進められている。この無段変速機
は、例えば、互いに平行に配置された1対の回転軸上
に、回転軸に回転一体にかつ摺動不能に固定された固定
シーブと、回転軸に軸方向に摺動可能に支持され、固定
シーブとの間に断面V字状のベルト溝面を形成する可動
シーブとからなる1対の可変プーリをそれぞれ設けると
ともに、両可変プーリ間にVベルトを巻き掛け、各プー
リの可動シーブを相対向する固定シーブに対し接離させ
て各プーリのVベルトに対する有効半径を変化させるこ
とにより、両回転軸間の変速比を可変としたものであ
る。
【0003】しかし、例えばCVTと呼ばれる自動車用
の無段変速機に使用されるベルトは極めて高いトルクの
伝動能力を必要とし、従来の一般的なゴム製Vベルトで
は高い側圧に耐えきれず、座屈変形を生じて使用するこ
とができない。
【0004】そこで、従来、斯かる要求を満足させるべ
く、各種の高負荷伝動用ベルトが知られている(例えば
特開昭46−4861号、特開昭55−27595号、
特開昭56−76745号、特開昭59−77147号
の各公報参照)。
【0005】また、そのうち、エンドレスの1対の張力
帯と、左右側面に該各張力帯を嵌合する嵌合溝及びプー
リのベルト溝面に当接する当接部を有する多数のブロッ
クとで構成され、上記張力帯の上下面及び各ブロックの
嵌合部の上下面にそれぞれ互いに対応する嵌合可能な凹
凸部を形成し、この張力帯及び各ブロックの凹凸部を係
合させて、ブロックを張力帯に対しベルト長手方向に係
止固定してなるブロックベルトと呼ばれる高負荷伝動用
ベルトについても提案がなされている(特開昭60−4
9151号公報、特開昭61−206847号公報、特
開昭62−54348号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のブ
ロックベルトにおいては、伝動可能な負荷に関連するプ
ーリ推力を各ブロックで受ける構造であり、各ブロック
左右両側の当接部とプーリのベルト溝面との間の動摩擦
係数(以下、単に摩擦係数という)は、摩擦伝動能力を
高める観点から、通常、0.3以上の値に設定されてい
る。
【0007】すなわち、自動車用のCVTシステムで
は、エンジンルーム内に配置される関係からコンパクト
化及び軽量化が要求されるが、同じ変速比を得るために
ベルトの軸方向の移動量が小さく、従ってシステム全体
の軸方向に沿った大きさが小さくて済むことから、プー
リの楔角は小さく設定され、望ましくは30°以下とさ
れている。そして、一般的には、上記摩擦係数は、この
楔角により決まる最適範囲があるが、これまでのCVT
システムでは、高馬力のトルク伝動を優先する観点か
ら、摩擦係数が0.3以上の領域で使用しているのが現
状である。
【0008】しかし、このように摩擦係数を高く設定す
ると、ベルト走行時の騒音レベルが高くなるとともに、
プーリからのベルトの抜け性が悪くなり、ブロックに異
常な力が発生してその早期破壊や張力帯の切断等を招く
という問題がある。
【0009】また、変速時にベルトがプーリのベルト溝
内で半径方向に移動する際、摩擦係数が高いと、ベルト
の移動が妨げられてスムーズな変速が難しくなる。この
ため、変速に必要な推力、つまり両シーブからベルトに
与える側圧を本来の要求値以上に高くせねばならず、操
作力の増大に繋がる。
【0010】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、上記のブロックベルトにおけるブロッ
クとプーリとの間の摩擦係数を所定範囲に限定すること
で、ベルトの伝動性能をさほど犠牲にすることなく、騒
音レベルの低減を図るとともに、ベルトのプーリからの
抜け性をよくしてベルトの耐久性を高め、さらには変速
時のベルトの半径方向へのスムーズな移動を可能とする
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1の発明では、ブロックとプーリとの間の当
接面の摩擦係数を、ベルト伝動能力と楔角とによりそれ
ぞれ決まる所定範囲に設定する。
【0012】すなわち、この発明では、上下面にそれぞ
れ長手方向に並んで形成された多数の係合部を有し、内
部に心線が埋設されたエンドレスの平ベルトからなる1
対の張力帯と、左右側面に上記張力帯を嵌合する切欠き
状の嵌合溝、該嵌合溝の上下面にそれぞれ形成され、上
記張力帯上下面の係合部にそれぞれ係合する係止部、及
び、左右側面にプーリのベルト溝面に当接する当接部と
を有する多数のブロックを備え、張力帯の係合部と各ブ
ロックの係止部との係合により、ブロックが張力帯に対
しベルト長手方向に係止固定されてなる高負荷伝動用ブ
ロックベルトを、1対の可変プーリ間に掛け渡してなる
無段変速システムにおいて、上記ベルトにおける各ブロ
ックの当接部とプーリのベルト溝面との間の摩擦係数μ
をプーリの楔角αについて、 0.16≦μ≦tan(α/2) の範囲に設定したことを特徴とする。
【0013】請求項2の発明では、ブロックベルトの各
ブロックの当接部を、カーボンファイバーが含有された
フェノール系複合材料からなる合成樹脂で構成する。
【0014】請求項3の発明では、上記ブロックベルト
の各ブロックの当接部をフェノール系複合材料からなる
合成樹脂で構成する一方、プーリのベルト溝の表面に、
無電解ニッケルめっきによる表面処理、又は無電解ニッ
ケルめっき膜にテフロン(登録商標)等の弗素樹脂粒子
を分散させてめっきする表面処理を施す。
【0015】請求項4の発明では、請求項2及び3を組
み合わせ、請求項3の発明の構成に加え、その各ブロッ
クの当接部のフェノール系複合材料からなる合成樹脂
に、カーボンファイバーを含有させる。
【0016】
【作用】上記の構成により、請求項1の発明では、ブロ
ックベルトの各ブロックにおける当接部とプーリのベル
ト溝面との間の摩擦係数μがプーリの楔角αについてt
an(α/2)以下とされているので、ベルトのプーリ
への巻込みを抑えることができ、ベルト走行時の騒音レ
ベルを大幅に低下させることができる。しかも、プーリ
からのベルトの抜け性を高めて、ブロックに異常な力が
発生するのを回避することができ、その早期破壊や張力
帯の切断等を抑えることができる。また、変速時にはベ
ルトがプーリのベルト溝内で半径方向にスムーズに移動
し、変速に必要な操作力を低減することができる。
【0017】また、上記摩擦係数μが0.16以上であ
るので、自動車用の無段変速機(CVT)に使用する場
合でも、それに要求されるベルトの伝動能力を確保する
ことができる。
【0018】請求項2の発明では、ブロックベルトの各
ブロックの当接部がフェノール系複合材料からなる合成
樹脂で構成され、その内部にカーボンファイバーが含有
されているので、カーボンファイバーの含有量を増加さ
せることで、上記摩擦係数μをtan(α/2)以下に
容易に下げることができる。
【0019】請求項3の発明では、ブロックベルトの各
ブロックの当接部がフェノール系複合材料からなる合成
樹脂で構成され、プーリのベルト溝表面は、無電解ニッ
ケルによる表面処理、又はめっき無電解ニッケルめっき
膜に弗素樹脂粒子を分散させてめっきする表面処理が施
されているので、ブロックの加工性や靭性を良好に保ち
つつ、摩擦係数μをtan(α/2)以下に下げること
ができ、請求項2の発明と同様の効果が得られる。
【0020】請求項4の発明では、請求項2及び3の発
明の組合せにより、請求項1の発明の無段変速システム
が容易に実現できる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図5は本発明の実施例に係る高負荷伝動用のベル
ト式無段変速システムAを模式的に示し、この変速シス
テムAは例えば自動車の変速機(CVT)として使用さ
れる。1,2はそれぞれ互いに平行に配置支持された駆
動及び従動軸で、駆動軸1には可変プーリからなる駆動
プーリ3が、また従動軸2には同様の従動プーリ7がそ
れぞれ設けられている。上記駆動プーリ3は、駆動軸1
に回転一体にかつ摺動不能に固定されたフランジ状の固
定シーブ4と、該固定シーブ4に対向するように駆動軸
1に摺動可能にかつ回転一体にスプライン等により結合
されたフランジ状の可動シーブ5とからなり、これら両
シーブ4,5間には所定の楔角α(例えば26°)を有
する断面V字状のベルト溝6が形成されている。
【0022】一方、従動プーリ7は、上記駆動プーリ3
と同様の構成であり、従動軸2に回転一体にかつ摺動不
能に固定された固定シーブ8と、該固定シーブ8に上記
駆動プーリ3における固定シーブ4に対する可動シーブ
5の対向方向と逆方向でもって対向するように従動軸2
に摺動可能にかつ回転一体に結合された可動シーブ9と
からなり、これら両シーブ8,9間には上記駆動プーリ
3と同じ楔角αを有するベルト溝10が形成されてい
る。そして、上記駆動及び従動プーリ3,7のベルト溝
6,10間にはブロックベルトBが巻き掛けられてお
り、図外の油圧機構等からなる変速機構により駆動及び
従動プーリ3,7の各可動シーブ5,9をそれぞれ固定
シーブ4,8に対して接離させて各プーリ3,7のプー
リ径(ベルトBに対する有効半径)を変更する。例えば
駆動プーリ3の可動シーブ5を固定シーブ4に接近さ
せ、かつ従動プーリ7の可動シーブ9を固定シーブ8か
ら離隔させたときには、駆動プーリ3のプーリ径を従動
プーリ7よりも大きくすることにより、駆動軸1の回転
を従動軸2に増速して伝達する。一方、逆に、図示の如
く、駆動プーリ3の可動シーブ5を固定シーブ4から離
隔させ、かつ従動プーリ7の可動シーブ9を固定シーブ
8に接近させたときには、駆動プーリ3のプーリ径を小
にし、従動プーリ7のプーリ径を大きくすることによ
り、駆動軸1の回転を減速して従動軸2に伝えるように
なされている。
【0023】上記ブロックベルトBは、図1〜図3に拡
大詳示するように、ゴム等からなる保形層12の内部に
エンドレスの複数の心線13,13,…(心体)が平行
に配置されて埋設された左右1対のエンドレスの張力帯
11,11と、図4にも示すように、左右側部に上記各
張力帯11を幅方向から着脱可能に嵌装せしめる嵌合部
としての切欠き状の嵌合溝17,17を有するととも
に、左右側面にプーリ3,7のベルト溝6,10側面に
当接する当接部18,18を有する多数のブロック1
6,16,…とからなり、各ブロック16の嵌合溝1
7,17にそれぞれ張力帯11,11を嵌合せしめて該
ブロック16,16,…をベルト長手方向に連続的に固
定したものである。
【0024】すなわち、このブロックベルトBにおい
て、各張力帯11の上面には各ブロック16に対応して
その幅方向に延びる一定ピッチの係合部としての多数の
凹溝14,14,…が、また下面には上記各凹溝14に
対応してその幅方向に延びる一定ピッチの係合部として
の凹溝15,15,…がそれぞれ形成されている。一
方、各ブロック16の嵌合溝17上壁面には上記張力帯
11上面の各凹溝14に嵌合する係止部としての凸条1
9が、また嵌合溝17の下壁面には張力帯11下面の各
凹溝15に嵌合する係止部としての凸条20がそれぞれ
形成されており、この各ブロック16の凸条19,20
をそれぞれ張力帯11の凹溝14,15に係合せしめて
該ブロック16をベルト長手方向に係止固定するように
なされている。
【0025】上記各ブロック16は、図2に示すよう
に、フェノール系複合材料からなる樹脂製のブロック本
体21内にその略中央に位置するように補強部材22を
埋設してなる。この補強部材22は、ベルト幅方向(左
右方向)に延びる上側及び下側ビーム22a,22b
と、該両ビーム22a,22bの左右中央部同士を上下
に接続するセンタピラー22cとからなっていて、略H
字状に形成されている。
【0026】上記各ブロック16における左右当接部1
8,18がなす角度は上記プーリ3,7の楔角αと同じ
とされている。
【0027】そして、本発明の特徴として、ブロック1
6における各当接部18とプーリ3,7のベルト溝6,
10の側面との間の摩擦係数μは、 0.16≦μ≦tan(α/2) とされている(好ましくはμ≧0.19)。すなわち、
摩擦係数μは、0.16よりも低いときには、高負荷伝
動用の無段変速システムに要求されるベルトBの伝動能
力が低下するので、0.16以上に設定される。また、
摩擦係数μがtan(α/2)を越えて増大すると、本
発明の効果が確実に得られないので、tan(α/2)
以下に設定される。
【0028】上記摩擦係数μをtan(α/2)以下に
下げる場合、例えば、ブロック16においてフェノー
ル系複合材料からなる合成樹脂で構成されているブロッ
ク本体21の少なくとも当接部18,18の部分にカー
ボンファイバーを含有させる方法、プーリ3,7のベ
ルト溝6,10の表面に、無電解ニッケルめっきによる
表面処理、又は無電解ニッケルめっき膜に弗素樹脂とし
てのテフロン(登録商標)の粒子を分散させてめっきす
る表面処理を施す方法、さらには,の両方法を組
み合わせる方法があり、摩擦係数μの低下が容易に得ら
れる。
【0029】上記の方法では、カーボンファイバーの
含有量を増加させることで、摩擦係数μを下げることが
できるが、このカーボンファイバー含有量の増大に伴い
ブロック16(詳しくはブロック本体21)の加工性や
靭性の低下がみられる。これに対し、の方法ではその
ような問題は生じず、ブロック16の加工性や靭性を良
好に保ちつつ、摩擦係数μを下げることができるので有
利である。特に、摩擦係数μをμ≧0.19とするとき
には無電解ニッケルめっきのみによる表面処理を施すこ
とが好ましい。望ましいのはの方法であり、摩擦係数
μを大幅に下げることができる。
【0030】したがって、上記実施例においては、ブロ
ックベルトBの各ブロック16における各当接部18と
プーリ3,7のベルト溝6,10の側面との間の摩擦係
数μがプーリ3,7の楔角αにつきμ≦tan(α/
2)とされて低いので、ブロックベルトBがプーリ3,
7のベルト溝6,10側面に係合して負荷を伝動してい
る状態では、ベルトBの巻込み現象が有効に低減され
る。その結果、ベルトB走行時の騒音レベルを大幅に低
下させることができるとともに、プーリ3,7からのベ
ルトBの抜け性を高めてブロック16に過大な力が発生
するのを回避でき、その早期破壊や張力帯11の切断等
を抑えてベルトBの高寿命化を図ることができる。ま
た、変速時にはベルトBがプーリ3,7のベルト溝6,
10内で半径方向にスムーズに移動するので、例えば従
動プーリ7側で与えた推力がスムーズに伝達されて駆動
プーリ3側の推力が高くなり、変速に必要な操作力を低
減できるとともに、ベルトBにかかる荷重を低減でき
る。
【0031】また、上記摩擦係数μが0.16以上であ
るので、高負荷伝動用の無段変速システムA(CVT)
に要求されるベルトBの伝動能力を良好に確保すること
ができる。
【0032】本発明者は、楔角αがα=26°とされた
駆動及び従動プーリ3,7間にそれらと対応するブロッ
クベルトBを巻き掛けて走行させ、各種の実験を行っ
た。まず、摩擦係数μと騒音との関係は図6のとおりで
あり、摩擦係数μが低下するのに応じて騒音レベルが低
下することが判る。
【0033】また、プーリ3,7間の軸荷重を250Kg
f としてベルトBの伝動能力STと摩擦係数μとの関係
を調べると、図7のようになり、伝動能力STはμ=
0.23(=tan(α/2))のときに最大で、それ
よりも低くなるにつれて低下するが、μ≧0.16(好
ましくはμ≧0.19)であれば、通常、自動車用無段
変速機に必要とされる2000Kg/m以上の伝動能力ST
を確保でき、本発明の効果が有効であることが判る。
【0034】さらに、従動プーリ7に一定の推力を与
え、駆動プーリ3で検出される推力と摩擦係数μとの関
係を図8に示す。この図8によれば、μ=0.23以下
で駆動側推力は最大になり、それを越えて大きくなると
減少する。
【0035】最後に、ベルトBの走行中に各ブロック1
6の下部がプーリ3,7から受ける応力を歪ゲージで測
定し、その結果を図9に示す。摩擦係数μがμ=0.4
6(>tan(α/2))である従来例では、プーリ
3,7の入口部及び出口部でベルトBの噛込みとみられ
る逆向きの力が発生しているのに対し、μ=0.16の
本発明例では、これらの現象は消失し、スムーズな圧力
波形となっており、このことで本発明が有効であること
が裏付けられた。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、高負荷伝動用ブロックベルトの各ブロックとプ
ーリとの間の摩擦係数μを、プーリの楔角αについて
0.16以上でかつtan(α/2)以下の範囲に設定
したので、ベルトの伝動能力を十分に確保しながら、ベ
ルト走行時の騒音レベルの大幅な低下を図ることができ
るとともに、プーリからのベルトの抜け性を高めて、ブ
ロックの早期破壊や張力帯の切断等によるベルトの耐久
性の低下を抑えることができ、さらには、変速時にベル
トをプーリのベルト溝内で半径方向にスムーズに移動さ
せて、変速操作力の低減を図ることができるという実用
上優れた効果を有する。
【0037】請求項2の発明では、ベルトにおける各ブ
ロックの当接部を、カーボンファイバーが含有されたフ
ェノール系複合材料からなる合成樹脂で構成した。ま
た、請求項3の発明では、ブロックベルトの各ブロック
の当接部をフェノール系複合材料からなる合成樹脂で構
成し、プーリのベルト溝表面に、無電解ニッケルめっき
による表面処理又は無電解ニッケルめっき膜に弗素樹脂
粒子を分散させてめっきする表面処理を施す構成とし
た。さらに、請求項4の発明では、請求項3の発明にお
けるブロックの樹脂内にカーボンファイバーを含有させ
る構成とした。従って、これらの発明によると、上記摩
擦係数μをtan(α/2)以下に下げることが容易に
達成でき、特に請求項3及び4の発明の場合、ブロック
の加工性や靭性を良好に保ちつつ同目的を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るブロックベルトの一部を
示す拡大斜視図である。
【図2】図3のII―II線断面図である。
【図3】ベルトの側面図である。
【図4】ブロックの拡大斜視図である。
【図5】無段変速システムの模式的に示す概略断面図で
ある。
【図6】摩擦係数と騒音との関係を示す特性図である。
【図7】摩擦係数とベルト伝動能力との関係を示す特性
図である。
【図8】摩擦係数と駆動プーリ推力との関係を示す特性
図である。
【図9】ベルト走行中のブロックの応力変化を示す特性
図である。
【符号の説明】
A 無段変速システム 3,7 プーリ 6,10 ベルト溝 B ブロックベルト 11 張力帯 13 心線 14,15 凹溝(係合部) 16 ブロック 18 当接部 19,20 凸条(係止部) 21 ブロック本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大川 浩一 兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15号 バンドー化学株式会社内 (72)発明者 高山 光直 愛知県名古屋市緑区左京山1518 (72)発明者 邨瀬 孝彦 愛知県名古屋市南区元桜田町17−10 (72)発明者 山内 鉱三 愛知県名古屋市天白区平針1丁目1209 ク ランツ神田301 (72)発明者 中沢 武司 愛知県名古屋市中川区玉船町1−1−3 第八愛知寮 (72)発明者 岩田 正雄 愛知県中島郡祖父江町大字神明津字西小一 色961−1

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下面にそれぞれ長手方向に並んで形成
    された多数の係合部を有し、内部に心線が埋設されたエ
    ンドレスの平ベルトからなる1対の張力帯と、 左右側面に上記張力帯を嵌合する切欠き状の嵌合溝と、
    該嵌合溝の上下面にそれぞれ形成され、上記張力帯上下
    面の係合部にそれぞれ係合する係止部と、左右側面にプ
    ーリのベルト溝面に当接する当接部とを有する多数のブ
    ロックとを備え、 張力帯の係合部と各ブロックの係止部との係合により、
    ブロックが張力帯に対しベルト長手方向に係止固定され
    てなる高負荷伝動用ブロックベルトを、1対の可変プー
    リ間に掛け渡してなる無段変速システムにおいて、 上記ベルトにおける各ブロックの当接部とプーリのベル
    ト溝面との間の動摩擦係数μがプーリの楔角αについ
    て、 0.16≦μ≦tan(α/2) の範囲にあることを特徴とする無段変速システム。
  2. 【請求項2】 ベルトにおける各ブロックの当接部は、
    カーボンファイバーが含有されたフェノール系複合材料
    からなる合成樹脂で構成されていることを特徴とする請
    求項1記載の無段変速システム。
  3. 【請求項3】 ベルトにおける各ブロックの当接部がフ
    ェノール系複合材料からなる合成樹脂で構成されてお
    り、 プーリのベルト溝表面は、無電解ニッケルめっき又は無
    電解ニッケルめっき膜に弗素樹脂粒子を分散させてめっ
    きする表面処理が施されていることを特徴とする請求項
    1記載の無段変速システム。
  4. 【請求項4】 各ブロックにおける当接部のフェノール
    系複合材料からなる樹脂に、カーボンファイバーが含有
    されていることを特徴とする請求項3記載の無段変速シ
    ステム。
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