JPH05188821A - 定着装置のニップ圧力解除用カム装置 - Google Patents
定着装置のニップ圧力解除用カム装置Info
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- JPH05188821A JPH05188821A JP1854492A JP1854492A JPH05188821A JP H05188821 A JPH05188821 A JP H05188821A JP 1854492 A JP1854492 A JP 1854492A JP 1854492 A JP1854492 A JP 1854492A JP H05188821 A JPH05188821 A JP H05188821A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 大サイズの用紙を定着の対象とする熱ロール
方式の定着装置において、ニップ圧力の解除の動作を、
多次元式で表されるカム面を持つカム部材を用いて、軽
い力で容易に行い得る。 【構成】 加熱ロールと加圧ロールとを対向させて配置
し、加圧ロールを支持するロール支持アームをカム部材
により押し下げて、ニップ圧力を解除する方式の熱ロー
ル方式の定着装置において、ロール支持アームに対して
カム部材10を配置し、該カム部材10を回転させて加
圧ロールを加熱ロールから離間させる。前記カム部材1
0では、小径の円弧状部位13と大径の円弧状部位14
とを設け、該大径の円弧状部位14は多次元曲線で表さ
れるカム面を設定している。作動開始点Bから中間点C
との間で急激にカムの半径が増大する区間を設定し、点
Cから上死点Eの間でのスプリングを大きく伸ばす部分
では、カムの半径がなだらかに変化する部分を設定す
る。
方式の定着装置において、ニップ圧力の解除の動作を、
多次元式で表されるカム面を持つカム部材を用いて、軽
い力で容易に行い得る。 【構成】 加熱ロールと加圧ロールとを対向させて配置
し、加圧ロールを支持するロール支持アームをカム部材
により押し下げて、ニップ圧力を解除する方式の熱ロー
ル方式の定着装置において、ロール支持アームに対して
カム部材10を配置し、該カム部材10を回転させて加
圧ロールを加熱ロールから離間させる。前記カム部材1
0では、小径の円弧状部位13と大径の円弧状部位14
とを設け、該大径の円弧状部位14は多次元曲線で表さ
れるカム面を設定している。作動開始点Bから中間点C
との間で急激にカムの半径が増大する区間を設定し、点
Cから上死点Eの間でのスプリングを大きく伸ばす部分
では、カムの半径がなだらかに変化する部分を設定す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱ロール方式の定着装
置において、両ロールの間でのニップ圧力を解除するた
めのカム部材に関し、特に、大サイズの用紙を対象とす
る定着装置での強いスプリングの力に対抗させて、ニッ
プ圧力を解除する際に、カム部材に対する駆動トルク
を、該カム部材の作動開始点から上死点に至るまでの間
は、ほぼ一定に設定できるようにする定着装置のニップ
圧力解除用カム装置に関する。
置において、両ロールの間でのニップ圧力を解除するた
めのカム部材に関し、特に、大サイズの用紙を対象とす
る定着装置での強いスプリングの力に対抗させて、ニッ
プ圧力を解除する際に、カム部材に対する駆動トルク
を、該カム部材の作動開始点から上死点に至るまでの間
は、ほぼ一定に設定できるようにする定着装置のニップ
圧力解除用カム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子複写機やプリンタ等のように、電子
写真方式を用いて感光体ドラム等の画像担持体にトナー
画像を形成する装置では、前記感光体ドラムに形成した
トナー画像を、用紙に転写した後で、定着装置を通して
定着し、コピーを作成する手段を用いている。前記定着
装置としては、一般の熱ロール方式の装置を用いている
もので、該熱ロール方式の定着装置においては、加熱源
を内蔵する加熱ロールに対して、加圧ロールを押圧する
機構を用いている。そして、前記2つの定着ロールの間
に所定の値のニップ圧力を設定するために、定着装置の
フレームに支持される加熱ロールに対して、加圧ロール
をスプリングにより支持し、該スプリングにより加圧ロ
ールを押圧する手段を用いている。
写真方式を用いて感光体ドラム等の画像担持体にトナー
画像を形成する装置では、前記感光体ドラムに形成した
トナー画像を、用紙に転写した後で、定着装置を通して
定着し、コピーを作成する手段を用いている。前記定着
装置としては、一般の熱ロール方式の装置を用いている
もので、該熱ロール方式の定着装置においては、加熱源
を内蔵する加熱ロールに対して、加圧ロールを押圧する
機構を用いている。そして、前記2つの定着ロールの間
に所定の値のニップ圧力を設定するために、定着装置の
フレームに支持される加熱ロールに対して、加圧ロール
をスプリングにより支持し、該スプリングにより加圧ロ
ールを押圧する手段を用いている。
【0003】前記定着装置としては、例えば、特開平2
−282773号公報や、特開昭64−44967号公
報等に示されるように、ニップ圧力を設定するためのス
プリングと、該ニップ圧力を解除するためのカム部材と
を組み合わせた装置が用いられている。前記定着装置で
のニップ圧力をオン/オフするための機構は、図5に示
されるように構成されているもので、定着装置1を内部
に加熱源を設けた加熱ロール2と、加熱源を有しない
か、あるいは、加熱源を有する加圧ロール3とを対向さ
せて配置している。
−282773号公報や、特開昭64−44967号公
報等に示されるように、ニップ圧力を設定するためのス
プリングと、該ニップ圧力を解除するためのカム部材と
を組み合わせた装置が用いられている。前記定着装置で
のニップ圧力をオン/オフするための機構は、図5に示
されるように構成されているもので、定着装置1を内部
に加熱源を設けた加熱ロール2と、加熱源を有しない
か、あるいは、加熱源を有する加圧ロール3とを対向さ
せて配置している。
【0004】前記従来例においては、加熱ロール3をロ
ール支持アーム5により支持しており、該ロール支持ア
ーム5の一端部を支点6を介して定着装置のフレーム等
に支持し、他端部と支持フレーム9との間に張力設定用
のスプリング8を配置して、該スプリング8により、加
圧ロール3を加熱ロール2に向けて押圧させるようにす
る。また、前記両ロールの間でのニップ圧力を解除する
ために、カム部材15を配置しており、該カム部材をカ
ム軸17を介して駆動することにより、ロール支持アー
ム5を支点6を介して、スプリング8の力に対抗して時
計方向に揺動させ、加圧ロール3を加熱ロール2から離
間させる。そして、定着装置において定着の作用を行う
場合にのみ、カム部材による押圧作用を解除して、スプ
リング8によりニップ圧力を設定させるようにしてい
る。
ール支持アーム5により支持しており、該ロール支持ア
ーム5の一端部を支点6を介して定着装置のフレーム等
に支持し、他端部と支持フレーム9との間に張力設定用
のスプリング8を配置して、該スプリング8により、加
圧ロール3を加熱ロール2に向けて押圧させるようにす
る。また、前記両ロールの間でのニップ圧力を解除する
ために、カム部材15を配置しており、該カム部材をカ
ム軸17を介して駆動することにより、ロール支持アー
ム5を支点6を介して、スプリング8の力に対抗して時
計方向に揺動させ、加圧ロール3を加熱ロール2から離
間させる。そして、定着装置において定着の作用を行う
場合にのみ、カム部材による押圧作用を解除して、スプ
リング8によりニップ圧力を設定させるようにしてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記図5に示されるよ
うに、カム部材を用いてニップ圧力を制御する場合に、
一般に、図6に示されるようなカム部材15を用いてい
る。前記カム部材15では、下死点Aと上死点Eとの間
に、カムの半径が次第に増大するような形状のカム面1
6を形成している。そして、前記カム面16により押圧
されるロール支持アームは、カム部材の回転にしたがっ
て、スプリングの力に対抗する状態で、支点を介して次
第に大きく揺動される。前記図6に示されるようなカム
部材を用いる場合には、図7のグラフに示されるよう
に、カム部材の回転角度に対して、カムの半径が次第に
大きくなるように作用するもので、該グラフの縦軸にカ
ム部材の半径を、横軸にカム部材の回転角度をとった場
合に、カム部材15の点Bから点Dに至る間は、ほぼ直
線的に回転半径が変化する状態となる。
うに、カム部材を用いてニップ圧力を制御する場合に、
一般に、図6に示されるようなカム部材15を用いてい
る。前記カム部材15では、下死点Aと上死点Eとの間
に、カムの半径が次第に増大するような形状のカム面1
6を形成している。そして、前記カム面16により押圧
されるロール支持アームは、カム部材の回転にしたがっ
て、スプリングの力に対抗する状態で、支点を介して次
第に大きく揺動される。前記図6に示されるようなカム
部材を用いる場合には、図7のグラフに示されるよう
に、カム部材の回転角度に対して、カムの半径が次第に
大きくなるように作用するもので、該グラフの縦軸にカ
ム部材の半径を、横軸にカム部材の回転角度をとった場
合に、カム部材15の点Bから点Dに至る間は、ほぼ直
線的に回転半径が変化する状態となる。
【0006】ところが、前記カム部材を回転させること
により、スプリングの力に反して、ロール支持アームを
押し下げる動作を行うようにしているものであるため
に、そのスプリングが伸びる長さに比例して、カム部材
の駆動のためのトルクが増大するという問題がある。そ
して、前記カム部材を用いる場合には、図8のグラフに
示されるように、回転角度が大きくなるにしたがって、
トルクの値Sが2次曲線状に増大することになる。前記
カム部材の回転トルクが増大することは、例えば、比較
的小型の電子複写機に設けられる定着装置では、スプリ
ングの力が大きくないので、カム部材に対して比較的駆
動力の弱いモータ等を用いても容易に対処することが可
能である。
により、スプリングの力に反して、ロール支持アームを
押し下げる動作を行うようにしているものであるため
に、そのスプリングが伸びる長さに比例して、カム部材
の駆動のためのトルクが増大するという問題がある。そ
して、前記カム部材を用いる場合には、図8のグラフに
示されるように、回転角度が大きくなるにしたがって、
トルクの値Sが2次曲線状に増大することになる。前記
カム部材の回転トルクが増大することは、例えば、比較
的小型の電子複写機に設けられる定着装置では、スプリ
ングの力が大きくないので、カム部材に対して比較的駆
動力の弱いモータ等を用いても容易に対処することが可
能である。
【0007】しかし、A0サイズ等のように、大サイズ
の用紙を用いて、図面等のコピーを行う電子複写機で
は、100kgf 〜300kgf のニップ圧力を設定するこ
とが必要である。そして、そのような大型の定着装置で
は、その強力なニップ圧力を付与するスプリングに対抗
させて、カム部材により加圧ロールを押し下げること
は、カム部材に対する回転トルクを非常に大きな値のも
のとすることが必要となる。そして、カム部材を駆動す
るために、駆動用のモータや、カム部材の軸部材等を配
置することが必要であり、それに付属する他の機構や、
支持フレーム等も強度を大きく形成するために、装置の
製造コストに与える影響も非常に大きなものとなる。
の用紙を用いて、図面等のコピーを行う電子複写機で
は、100kgf 〜300kgf のニップ圧力を設定するこ
とが必要である。そして、そのような大型の定着装置で
は、その強力なニップ圧力を付与するスプリングに対抗
させて、カム部材により加圧ロールを押し下げること
は、カム部材に対する回転トルクを非常に大きな値のも
のとすることが必要となる。そして、カム部材を駆動す
るために、駆動用のモータや、カム部材の軸部材等を配
置することが必要であり、それに付属する他の機構や、
支持フレーム等も強度を大きく形成するために、装置の
製造コストに与える影響も非常に大きなものとなる。
【0008】
【発明の目的】本発明は、前述したような従来のニップ
圧力の解除機構の問題を解消するもので、ニップ圧力を
オン/オフするためのカム部材に対して、回転トルクが
急激に増大しないようなカム面を持つカム部材を提供す
ることを目的としており、さらに、前記カム部材を用い
ることにより、カム部材や他の駆動部材等に負荷される
力を少なくできるような装置を提供することを目的とし
ている。
圧力の解除機構の問題を解消するもので、ニップ圧力を
オン/オフするためのカム部材に対して、回転トルクが
急激に増大しないようなカム面を持つカム部材を提供す
ることを目的としており、さらに、前記カム部材を用い
ることにより、カム部材や他の駆動部材等に負荷される
力を少なくできるような装置を提供することを目的とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は、2
つのロールを対向させて配置し、加熱源を設けた加熱ロ
ールに対して、加圧ロールを所定のニップ圧力を持つよ
うに押圧する作用を行うとともに、前記加圧ロールを支
持するロール支持アームに対してカム部材とスプリング
とによる駆動手段を用い、ニップ圧力の設定と解除の動
作を行うように構成してなる定着装置に関する。本発明
の加圧ロールの駆動機構では、カム部材を多次元式で表
される曲線を持つカム面で構成し、両ロールの間でニッ
プ圧力を解除する状態で、カム部材を駆動するためのト
ルクが増大しないように構成している。
つのロールを対向させて配置し、加熱源を設けた加熱ロ
ールに対して、加圧ロールを所定のニップ圧力を持つよ
うに押圧する作用を行うとともに、前記加圧ロールを支
持するロール支持アームに対してカム部材とスプリング
とによる駆動手段を用い、ニップ圧力の設定と解除の動
作を行うように構成してなる定着装置に関する。本発明
の加圧ロールの駆動機構では、カム部材を多次元式で表
される曲線を持つカム面で構成し、両ロールの間でニッ
プ圧力を解除する状態で、カム部材を駆動するためのト
ルクが増大しないように構成している。
【0010】前述したように、カム面のすべての位置で
押圧する状態でも、ほぼ同じ値の回転トルクを必要とす
るような状態にして、加圧ロールを押し下げることがで
きるために、カム部材の駆動に必要とされるモータの駆
動力を少なくすることができる。また、本発明のカム部
材においては、カム面に付与される負荷を小さくできる
ために、カム部材および相手側の部材の部分的な摩耗を
少なくすることができ、駆動部材の耐久性を向上させる
ことが可能になる。そして、熱ロール方式の定着装置の
両ロールの間で、ニップ圧力を非常に大きい値のものと
して設定している場合には、その強力なスプリングの力
に対して、カム軸を駆動する回転トルクを小さく設定で
きるために、駆動装置を小型に構成することができる。
押圧する状態でも、ほぼ同じ値の回転トルクを必要とす
るような状態にして、加圧ロールを押し下げることがで
きるために、カム部材の駆動に必要とされるモータの駆
動力を少なくすることができる。また、本発明のカム部
材においては、カム面に付与される負荷を小さくできる
ために、カム部材および相手側の部材の部分的な摩耗を
少なくすることができ、駆動部材の耐久性を向上させる
ことが可能になる。そして、熱ロール方式の定着装置の
両ロールの間で、ニップ圧力を非常に大きい値のものと
して設定している場合には、その強力なスプリングの力
に対して、カム軸を駆動する回転トルクを小さく設定で
きるために、駆動装置を小型に構成することができる。
【0011】
【実施例】図示される例にしたがって、本発明の定着装
置のニップ圧力解除用カム装置を説明する。図1に示さ
れる例は、前記図5に示された従来例の場合と同様に、
定着装置1を内部に加熱源を設けた加熱ロール2と、加
熱源を有しない加圧ロール3とを対向させて配置してい
る。前記定着装置1においては、加圧ロール3をロール
支持アーム5により支持し、該ロール支持アーム5の一
端部を支点6を介して定着装置のフレーム等に支持し、
他端部にスプリング8を配置している。そして、前記ス
プリング8の力により、ロール支持アーム5を支点6を
介して反時計方向に揺動させ、加圧ロール3を加熱ロー
ル2に向けて押圧させ、定着の動作を行わせるようにす
る。
置のニップ圧力解除用カム装置を説明する。図1に示さ
れる例は、前記図5に示された従来例の場合と同様に、
定着装置1を内部に加熱源を設けた加熱ロール2と、加
熱源を有しない加圧ロール3とを対向させて配置してい
る。前記定着装置1においては、加圧ロール3をロール
支持アーム5により支持し、該ロール支持アーム5の一
端部を支点6を介して定着装置のフレーム等に支持し、
他端部にスプリング8を配置している。そして、前記ス
プリング8の力により、ロール支持アーム5を支点6を
介して反時計方向に揺動させ、加圧ロール3を加熱ロー
ル2に向けて押圧させ、定着の動作を行わせるようにす
る。
【0012】また、前記両ロール2、3の間でのニップ
圧力を解除するために、カム部材10を配置しており、
該カム部材をカム軸12を介して回転させることによ
り、スプリング8の引っ張り方向の力に対抗して、ロー
ル支持アーム5を支点6を介して時計方向に揺動させ
る。そして、加圧ロール3を加熱ロール2から離間させ
て、ニップ圧力を解除する。つまり、定着装置において
は、定着の作用を行う場合にのみ、カム部材を1/2回
転させて、該カム部材によるロール支持アーム5に対す
る下向きの押圧作用を解除し、ニップ圧力を復帰させる
ような作用を行わせる。
圧力を解除するために、カム部材10を配置しており、
該カム部材をカム軸12を介して回転させることによ
り、スプリング8の引っ張り方向の力に対抗して、ロー
ル支持アーム5を支点6を介して時計方向に揺動させ
る。そして、加圧ロール3を加熱ロール2から離間させ
て、ニップ圧力を解除する。つまり、定着装置において
は、定着の作用を行う場合にのみ、カム部材を1/2回
転させて、該カム部材によるロール支持アーム5に対す
る下向きの押圧作用を解除し、ニップ圧力を復帰させる
ような作用を行わせる。
【0013】前記定着装置1においては、ロール支持ア
ーム5を揺動させるために、図2に示されるような構成
のカム部材10を配置している。前記カム部材10は、
小径の円弧状部位13と大径の円弧状部位14とを組み
合わせて構成しているもので、前記小径の円弧状部位1
3に対応する位置に、カム軸12を配置している。前記
カム部材10において、小径の円弧状部位13の頂部を
下死点Aとし、大径の円弧状部位14の頂部を上死点E
として設定しており、2つの円弧の接続部Bと、下死点
Aとの間の部分が非作動範囲とされる。そして、前記作
動開始点Bと上死点Eとの間は、加圧作用を行う範囲と
して設定しているもので、前記大径部14では、図3に
示されるように、点Bと点Cとの間では、急激にカムの
半径が増大する部分を設定している。また、前記カム面
11において、点Cと点Dとの間では、カムの半径がな
だらかに変化する部分を設定し、点Dと点Eとの間で
は、ほとんどカムの半径が変化しない領域を設定してい
る。
ーム5を揺動させるために、図2に示されるような構成
のカム部材10を配置している。前記カム部材10は、
小径の円弧状部位13と大径の円弧状部位14とを組み
合わせて構成しているもので、前記小径の円弧状部位1
3に対応する位置に、カム軸12を配置している。前記
カム部材10において、小径の円弧状部位13の頂部を
下死点Aとし、大径の円弧状部位14の頂部を上死点E
として設定しており、2つの円弧の接続部Bと、下死点
Aとの間の部分が非作動範囲とされる。そして、前記作
動開始点Bと上死点Eとの間は、加圧作用を行う範囲と
して設定しているもので、前記大径部14では、図3に
示されるように、点Bと点Cとの間では、急激にカムの
半径が増大する部分を設定している。また、前記カム面
11において、点Cと点Dとの間では、カムの半径がな
だらかに変化する部分を設定し、点Dと点Eとの間で
は、ほとんどカムの半径が変化しない領域を設定してい
る。
【0014】前述したように、カム部材10におけるカ
ム面11を、多次元曲線を有するものとして構成するこ
とにより、図3のグラフに示すように、横軸に示すカム
部材の回転角度に対して、縦軸に示すカム部材の回転半
径Rの変化は、点Aから点Bに至る間の小径部分では全
く変化せず、点Bから点Cに至る間で、カムの半径が大
きく変化する状態が設定される。そして、前記図2に示
される形状のカム部材10を駆動する場合には、図4の
グラフに示されるように、横軸に取った回転角度に対し
て、縦軸に示すトルクの値Sは、点Bから点Cに至る初
期の部分で、急激に増大するが、その後のカム部材の回
転では、トルクの絶対値は増大せずに、点Dから点Eに
至る間では、むしろ減少する状態となる。
ム面11を、多次元曲線を有するものとして構成するこ
とにより、図3のグラフに示すように、横軸に示すカム
部材の回転角度に対して、縦軸に示すカム部材の回転半
径Rの変化は、点Aから点Bに至る間の小径部分では全
く変化せず、点Bから点Cに至る間で、カムの半径が大
きく変化する状態が設定される。そして、前記図2に示
される形状のカム部材10を駆動する場合には、図4の
グラフに示されるように、横軸に取った回転角度に対し
て、縦軸に示すトルクの値Sは、点Bから点Cに至る初
期の部分で、急激に増大するが、その後のカム部材の回
転では、トルクの絶対値は増大せずに、点Dから点Eに
至る間では、むしろ減少する状態となる。
【0015】前記図3および図4のグラフに示されるよ
うに、カム部材の回転の初期の段階で、カムの半径とト
ルクの値とが急激に増大した場合に、図1に示されるよ
うな定着装置では、加圧ロール3を支持するスプリング
8を伸ばす状態で、その動作の初期の段階では、比較的
軽い力でスプリングを伸ばすことができる。これに対し
て、スプリングを一定の長さに伸ばした状態から、さら
に伸ばす作用を加えようとすると、非常に大きな力を加
えることが必要となる。そこで、本発明のカム部材にお
いては、比較的軽い力でスプリングを伸ばし得る部分で
は、カム面の半径を急激に増大させて、スプリングを大
きく伸ばし得るようにする。これに対して、スプリング
に対して大きな力で伸ばす作用を必要とする部分では、
カムの半径がなだらかに変化する状態に設定し、スプリ
ングを伸ばす作用を容易に行い得るようにする。
うに、カム部材の回転の初期の段階で、カムの半径とト
ルクの値とが急激に増大した場合に、図1に示されるよ
うな定着装置では、加圧ロール3を支持するスプリング
8を伸ばす状態で、その動作の初期の段階では、比較的
軽い力でスプリングを伸ばすことができる。これに対し
て、スプリングを一定の長さに伸ばした状態から、さら
に伸ばす作用を加えようとすると、非常に大きな力を加
えることが必要となる。そこで、本発明のカム部材にお
いては、比較的軽い力でスプリングを伸ばし得る部分で
は、カム面の半径を急激に増大させて、スプリングを大
きく伸ばし得るようにする。これに対して、スプリング
に対して大きな力で伸ばす作用を必要とする部分では、
カムの半径がなだらかに変化する状態に設定し、スプリ
ングを伸ばす作用を容易に行い得るようにする。
【0016】したがって、前記図4に示されるように、
トルクの値Sのピーク部分の高さは、前記図8のグラフ
の場合よりも低く設定することができるので、定着装置
の両ロールの間で、ニップ圧力を解除するために、カム
軸を駆動する力を少なくすることができる。そして、大
サイズの用紙を使用してコピーを作成するために、大型
の熱ロール方式の定着装置を用いる電子複写機では、そ
のニップ圧力の設定を行うために、強力なスプリングを
用いるが、そのような装置に対しても、比較的小型の力
の弱い駆動機構を用いて、容易に対応させることができ
る。
トルクの値Sのピーク部分の高さは、前記図8のグラフ
の場合よりも低く設定することができるので、定着装置
の両ロールの間で、ニップ圧力を解除するために、カム
軸を駆動する力を少なくすることができる。そして、大
サイズの用紙を使用してコピーを作成するために、大型
の熱ロール方式の定着装置を用いる電子複写機では、そ
のニップ圧力の設定を行うために、強力なスプリングを
用いるが、そのような装置に対しても、比較的小型の力
の弱い駆動機構を用いて、容易に対応させることができ
る。
【0017】なお、本発明のカム部材において、カム面
の形状を多次元曲線で構成する場合に、カムの半径の変
化の状態を、スプリングにより設定されるニップ圧力に
対応させて、任意に設定することができる。例えば、点
Bから点Cに至る間の部分でのカムの半径を変化させる
度合いは、定着装置に設けたスプリングの特性等に応じ
て、適宜設定することが可能である。さらに、本発明に
おいては、加圧ロールを支持する機構に対して、任意の
位置にカム部材を配置することができるものであり、図
1に示されるような機構を有する定着装置の他に、従来
より一般に用いられている熱ロール方式の定着装置のう
ち、加圧ロールをロール支持アームにより支持する形式
の任意の装置に適用することが可能である。
の形状を多次元曲線で構成する場合に、カムの半径の変
化の状態を、スプリングにより設定されるニップ圧力に
対応させて、任意に設定することができる。例えば、点
Bから点Cに至る間の部分でのカムの半径を変化させる
度合いは、定着装置に設けたスプリングの特性等に応じ
て、適宜設定することが可能である。さらに、本発明に
おいては、加圧ロールを支持する機構に対して、任意の
位置にカム部材を配置することができるものであり、図
1に示されるような機構を有する定着装置の他に、従来
より一般に用いられている熱ロール方式の定着装置のう
ち、加圧ロールをロール支持アームにより支持する形式
の任意の装置に適用することが可能である。
【0018】
【発明の効果】本発明のカム部材は、前述したように、
カム面を多次元の曲線で形成したものであり、スプリン
グが伸ばされる状態に応じて、ロール支持アームを駆動
することができるので、定着装置での加圧ロールを加熱
ロールから離間させる動作を容易に行わせることができ
る。また、カム面のすべての位置で押圧する状態でも、
ほぼ同じ値の回転トルクを必要とするようにして、加圧
ロールを押し下げることができるために、カム部材の駆
動に必要とされるモータの駆動力を少なくすることがで
きる。そして、カム面に付与される負荷を小さくできる
ために、カム部材および相手側の部材の部分的な摩耗を
少なくすることができ、駆動部材の耐久性を向上させる
とともに、駆動装置を小型に構成することができる。
カム面を多次元の曲線で形成したものであり、スプリン
グが伸ばされる状態に応じて、ロール支持アームを駆動
することができるので、定着装置での加圧ロールを加熱
ロールから離間させる動作を容易に行わせることができ
る。また、カム面のすべての位置で押圧する状態でも、
ほぼ同じ値の回転トルクを必要とするようにして、加圧
ロールを押し下げることができるために、カム部材の駆
動に必要とされるモータの駆動力を少なくすることがで
きる。そして、カム面に付与される負荷を小さくできる
ために、カム部材および相手側の部材の部分的な摩耗を
少なくすることができ、駆動部材の耐久性を向上させる
とともに、駆動装置を小型に構成することができる。
【図1】 本発明の定着装置の構成を示す側面図であ
る。
る。
【図2】 本発明のカム部材の構成を示す平面図であ
る。
る。
【図3】 図2に示されるカム部材のカムの半径の変化
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図4】 カム部材の回転角度とトルクの値の関係を示
すグラフである。
すグラフである。
【図5】 従来の定着装置の構成を示す側面図である。
【図6】 従来のカム部材の構成を示す平面図である。
【図7】 図6に示されるカム部材のカムの半径の変化
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図8】 カム部材の回転角度とトルクの値の関係を示
すグラフである。
すグラフである。
1 定着装置、 2 加熱ロール、 3 加圧ロ
ール、5 ロール支持アーム、 8 スプリング、
10 カム部材、11 カム面、 12 カム
軸、A 下死点、 B 作動開始点、 E 上死
点。
ール、5 ロール支持アーム、 8 スプリング、
10 カム部材、11 カム面、 12 カム
軸、A 下死点、 B 作動開始点、 E 上死
点。
Claims (1)
- 【請求項1】 2つのロールを対向させて配置し、加熱
源を設けた加熱ロールに対して、加圧ロールを所定のニ
ップ圧力を持つように押圧する作用を行うとともに、前
記加圧ロールを支持するロール支持アームに対してカム
部材とスプリングとによる駆動手段を用い、ニップ圧力
の設定と解除の動作を行うように構成してなる定着装置
において、 前記カム部材を、多次元式で表される曲線を持つカム面
で構成し、両ロールの間でニップ圧力を解除する状態
で、カム部材を駆動するためのトルクが増大しないよう
に構成することを特徴とする定着装置のニップ圧力解除
用カム装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1854492A JPH05188821A (ja) | 1992-01-07 | 1992-01-07 | 定着装置のニップ圧力解除用カム装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1854492A JPH05188821A (ja) | 1992-01-07 | 1992-01-07 | 定着装置のニップ圧力解除用カム装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05188821A true JPH05188821A (ja) | 1993-07-30 |
Family
ID=11974580
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1854492A Pending JPH05188821A (ja) | 1992-01-07 | 1992-01-07 | 定着装置のニップ圧力解除用カム装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05188821A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6377776B1 (en) * | 2000-05-26 | 2002-04-23 | Heidelberg Digital L.L.C. | Cam control mechanism |
JP2009219817A (ja) * | 2008-03-19 | 2009-10-01 | Sanyo Electric Co Ltd | 椅子式マッサージ機 |
JP2010066552A (ja) * | 2008-09-11 | 2010-03-25 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 圧着解除カム装置、および圧着解除カム装置を用いた画像形成装置 |
JP2017107034A (ja) * | 2015-12-09 | 2017-06-15 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 定着装置及びそれを備えた画像形成装置 |
JP2018197814A (ja) * | 2017-05-24 | 2018-12-13 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | カム機構、定着装置及び画像形成装置 |
JP2021117423A (ja) * | 2020-01-29 | 2021-08-10 | 株式会社リコー | 定着装置および画像形成装置 |
-
1992
- 1992-01-07 JP JP1854492A patent/JPH05188821A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2018197814A (ja) * | 2017-05-24 | 2018-12-13 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | カム機構、定着装置及び画像形成装置 |
JP2021117423A (ja) * | 2020-01-29 | 2021-08-10 | 株式会社リコー | 定着装置および画像形成装置 |
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