JPH0514268B2 - - Google Patents
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- JPH0514268B2 JPH0514268B2 JP30986588A JP30986588A JPH0514268B2 JP H0514268 B2 JPH0514268 B2 JP H0514268B2 JP 30986588 A JP30986588 A JP 30986588A JP 30986588 A JP30986588 A JP 30986588A JP H0514268 B2 JPH0514268 B2 JP H0514268B2
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- G03G5/02—Charge-receiving layers
- G03G5/04—Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
- G03G5/06—Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being organic
- G03G5/0664—Dyes
- G03G5/0675—Azo dyes
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- G03G5/0681—Disazo dyes containing hetero rings in the part of the molecule between the azo-groups
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Description
[産業上の利用分野]
本発明は、電子写真感光体に関し、詳しくは特
定の構造を有するジスアゾ顔料を含有する電子写
真感光体に関する。 [従来の技術] 従来、無機光導電性物質を用いた電子写真感光
体としては、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛
などが広く知られている。 一方、有機光導電性物質を用いた電子写真感光
体としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールに代
表される光導電性ポリマーや2,5−ビス(p−
ジエチルアミノフエニル)−1,3,4−オキサ
ジアゾールの如き低分子の有機光導電性物質を用
いたもの、さらには、かかる有機光導電性物質と
各種染料や顔料を組み合わせたものなどが知られ
ている。 有機光導電性物質を用いた電子写真感光体は成
膜性が良く、塗工により生産できること、極めて
生産性が高く、安価な感光体を提供できる利点を
有している。また、使用する染料や顔料などの増
感剤の選択により、感色性を自在にコントロール
できるなどの利点を有し、これまで幅広い検討が
なされてきた。特に最近では、有機光導電性顔料
を含有した電荷発生層と、前述の光導電性ポリマ
ーや低分子の有機導電性物質を含有した電荷輸送
層を積層した機能分離型感光体の開発により、従
来の有機電子写真感光体の欠点とされていた感度
や耐久性に著しい改善がなされてきた。 アゾ顔料は優れた光導電性を示し、しかもアゾ
成分とカプラー成分の組み合せ方で様々な特性を
有する顔料化合物が容易に得られることから、こ
れまでに数多くの顔料化合物が提案されており、
例えば特開昭54−22834号公報、特開昭56−46237
号公報、特開昭62−295062号公報に記載される顔
料化合物などはすでに公知である。 しかしながら、従来のジスアゾ顔料を用いた電
子写真感光体は、感度や繰り返し使用時の電位安
定性の面で必ずしも十分とは言えず、実用化され
ているのはごく僅かな材料のみである。 [発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、新規な光導電性材料を提供す
ること、実用的な項感度特性を繰り返し使用時の
安定した電位特性を有する電子写真感光体を提供
することである。 [課題を解決する手段、作用] 本発明は、導電性支持体上に下記一般式(1)で示
すジスアゾ顔料を含有する感光層を有することを
特徴とする電子写真感光体から構成される。 一般式 式中、A1およびA2は同一または異なるフエノ
ール性水酸基を有するカプラー残基を表す。 A1およびA2の示すフエノール性水酸基を有す
るカプラー残基の好ましい例としては、下記一般
式(2)〜(6)で示す残基が挙げられる。 一般式 一般式(2)、(3)および(4)中のXは、ベンゼン環と
縮合して置換基を有してもよいナフタレン環、ア
ントラセン環、カルバゾール環、ベンズカルバゾ
ール環、ジベンゾフラン環などを形成するのに必
要な残基を示す。 一般式(2)中のZは酸素原子または硫黄原子を示
し、lは0または1の整数を示す。 一般式(2)および(3)中のR1、R2は水素原子、置
換基を有してもよいアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基、複素環基またはR1とR2の結合する
窒素原子を含む環状アミノ基を示す。 一般式(4)中のR3は水素原子、置換基を有して
もよいアルキル基、アラルキル基、アリール基、
または複素環基を示す。 一般式(5)中のR4は置換基を有してもよいアル
キル基、アラルキル基、アリール基または複素環
基を示す。 上記表現のアルキル基としてはメチル、エチ
ル、プロピル、ブチルなどの基、アラルキル基と
してはベンジル、フエネチル、ナフチルメチルな
どの基、アリール基としてはフエニル、ジフエニ
ル、ナフチル、アンスリルなどの基、複素環基と
してはピリジル、チエニル、フリル、チアゾリ
ル、カルバゾリエウ、ジベンゾフリル、ベンゾイ
ミダゾリル、ベンゾチアゾリルなどの基、窒素原
子を環内に含むアミノ基としてはピロール、ピロ
リン、ピロリジン、ピロリドン、インドール、イ
ンドリン、イソインドール、カルバゾール、ベン
ゾインドール、イミダゾール、ピラゾール、ピラ
ゾリン、オキサジン、フエノキサジン、ベンゾカ
ルバゾールなどから誘導される環状アミノ基など
が挙げられる。 さらに上記基の有してもよい置換基としては、
メチル、エチル、プロピル、などのアルキル基、
メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基、フツ
素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、ジ
メチルアミノ、ジエチルアミノなどのアルキルア
ミノ基、フエニルカルバモイル基、ニトロ基、シ
アノ基、トリフルオロメチルなどのハロメチル基
などが挙げられる。 一般式(6)中のYは、2価の芳香族炭化水素基な
いしは窒素原子を環内に含む2価の複素環基を示
し、具体的には、0−フエニレン、0−ナフチレ
ン、ペリナフチレン、1,2−アンスリレン、
3,4−ピラゾールジイル、2,3−ピリジンジ
イル、4,5−ピリジンジイル、6,7−インダ
ゾールジイル、6,7−キノリンジイルなどの基
が挙げられる。 なお、一般式(1)中、A1およびA2が一般式(2)、
(3)または(4)であり、式中のXがベンゼン環と縮合
してベンズカルバゾール環を形成しているカプラ
ー残基であるジスアゾ顔料は、その吸収域が近赤
外領域付近まで広がるため、半導体レーザー用の
電荷発生材料としても好適である。 一般式(1)で示すジスアゾ顔料の原料となるジア
ミンは、無水フタル酸と0−フエニレンジアミン
を脱水縮合させることにより得られる化合物を常
法によりニトロ化してジニトロ体とし、これを還
元することにより合成できる。 または、ニトロ無水フタル酸とニトロ−o−フ
エニレンジアミンを脱水縮合させることによつて
も合成できる。 合成されるジアミンは、異性体の混合物として
得られるが、単離して使用してもよく、混合物と
して、そのまま使用してもよい。 なお、異性体の混合物の場合は、以下の構造式
で表すこととする。 一般式(1)で示すジスアゾ顔料は、対応するジア
ミンを常法によりテトラゾ化し、アルカリの存在
下カプラーと水系でカツプリングするか、テトラ
ゾニウム塩をホウフツ化塩や塩化亜鉛複塩などに
変換した後、N,N−ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシドなどの有機溶剤中、で酢酸ソ
ーダ、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン
などの塩基の存在下、カプラーとカツプリングす
ることによつて容易に合成できる。 一般式(1)中のA1とA2が相異なるカプラー残基
であるジスアゾ顔料の合成は、前述のテトラゾニ
ウム塩1モルに対して、初めに一方のカプラー1
モルをカツプリングさせ、次いで、他方のカプラ
ー1モルをカツプリングさせて合成するか、ある
いはジアミンの一方のアミノ基をアセチル基など
で保護しておき、これをジアゾ化し、一方のカプ
ラーをカツプリングさせた後、保護基を塩酸など
で加水分解し、これを再びジアゾ化し、他方のカ
プラーをカツプリングさせて合成することもでき
る。 以下に本発明に用いる一般式(1)で示すジスアゾ
顔料の代表例を列挙するが、本発明に用いる一般
式(1)で示すジスアゾ顔料はこれらに限定されるも
のではない。 また、一般式(1)で示すジスアゾ顔料は、単体で
も異性体の混合物としても使用できる。 基本型のジスアゾ顔料は下記一般式で表わすも
のとする。 A1−N=N−Q−N=N−A2 異性体の混合物である場合には−Q−を のように記載する。 以下の記載においては、変化部分であるQ、
A1およびA2のみを示すこととする。 合成例(例示顔料(1)の合成) 300mlビーカーに水150ml、濃塩酸20ml(0.23モ
ル)と 8.01g(0.032モル)を入れ0℃まで冷却し、亜硝
酸ソーダ4.6g(0.067モル)を水10mlに溶かした液
を液温を5℃以下に保ちながら、10分間で液中へ
滴下した。15分間攪拌した後カーボン濾過し、こ
の溶液の中へホウフツ化ソーダ10.5g(0.096モル)
を水90mlに溶かした液を攪拌下で滴下し、析出し
たホウフツ化塩を濾取し、冷水で洗浄した後、ア
セトニトリル洗浄し、室温で減圧乾燥した。 収量9.92g、収率68% 次に、1ビーカーにN,N−ジメチルホルム
アミド(DMF)500mlを入れ、2−ヒドロキシ−
3−ナフトエ酸−2′−フルオロアニリド11.73g
(0.042モル)を溶解し、液温を5℃に冷却した
後、先に得たホウフツ化塩9.12g(0.020モル)を
溶解し、次いでトリエチルアミン5.1g(0.050モ
ル)を5分間で滴下した。2時間攪拌した後、析
出した顔料を濾出し、DMFで4回、水で3回洗
浄した後、凍結乾燥した。収量13.5g、収率90% 元素分析 計算値(%) 実測値(%) C 69.06 68.91 H 3.38 3.25 N 13.42 13.52 本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に
一般式(1)で示すジスアゾ顔料を含有する感光層を
有する。感光層の形態は公知のいかなる形態を取
つていてもかまわないが、一般式(1)で示すジスア
ゾ顔料を含有する感光層を電荷発生層とし、これ
に電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を積層した
機能分離型の感光層が特に好ましい。 電荷発生層は、前記のジスアゾ顔料を適当な溶
剤中でバインダー樹脂と共に分散した塗布液を、
導電性支持体上に公知の方法によつて塗布するこ
とによつて形成することができ、その膜厚は例え
ば5μm以下、好ましくは0.1〜1μmの薄膜層とす
ることが望ましい。 この際用いられるバインダー樹脂は、広範な絶
縁性樹脂あるい有機光導電性ポリマーから選択さ
れるが、ポリビニルブチラール、ポリビニルベン
ザール、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポ
リエステル、フエノキシ樹脂、セルロース系樹
脂、アクリル樹脂、ポリウレタンなどが好まし
く、その使用量は電荷発生層中の含有率で80重量
%以下、好ましくは40重量%以下である。 また使用する溶剤は前記の樹脂を溶解し、後述
の電荷輸送層や下引層を溶解しないものから選択
することが好ましい。 具体的には、テトラヒドロフラン、1,4−ジ
オキサンなどのエーテル類、シクロヘキサノン、
メチルエチルケトンなどのケトン類、N,N−ジ
メチルホルムアミドなどのアミド類、酢酸メチ
ル、酢酸エチルなどのエステル類、トルエン、キ
シレン、クロロベンゼンなどの芳香族類、メタノ
ール、エタノール、2−プロパノールなどのアル
コール類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロ
ルエチレン、四塩化炭素、トリクロルエチレンな
どの脂肪族ハロゲン化炭化水素類など挙げられ
る。 電荷輸送層は電荷発生層の上または下に積層さ
れ、電界の存在下電荷発生層から電荷キヤリヤを
受取り、これを表面あるいは基盤まで輸送する機
能を有している。 電荷輸送層は電荷輸送物質を必要に応じて適当
なバインダー樹脂と共に溶剤中に溶解し塗布する
ことによつて形成され、その膜厚は一般的には5
〜40μmであるが15〜30μmが好ましい。 電荷輸送物質は電子輸送性物質と正孔輸送性物
質があり、電子輸送性物質としては、例えば2,
4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,
7−テトラニトロフルオレノン、クロラニル、テ
トラシアノキノジメタンなどの電子吸引性物質や
これら電子吸引性物質を高分子化したものなどが
挙げられる。 正孔輸送性物質としてはピレン、アントラセン
などの多環芳香族化合物、カルバゾール系、イン
ドール系、イミダゾール系、オキサゾール系、チ
アゾール系、オキサジアゾール系、ピラゾール
系、ピラゾリン系、チアジアゾール系、トリアゾ
ール系化合物などの複素環化合物、p−ジエチル
アミノベンズアルデヒド−N,N−ジフエニルヒ
ドラゾン、N,N−ジフエニルヒドラジノ−3−
メチリデン−9−エチルカルバゾールなどのヒド
ラゾン系化合物、α−フエニル−4′−N,N−ジ
フエニルアミノスチルベン、5−[4−(ジ−p−
トリルアミノ)ベンジリデン]−5H−ジベンゾ
[a,d]シクロヘプテンなどのスチリル系化合
物、ベンジジン系化合物、トリアリールメタン系
化合物、トリフエニルアミンあるいは、これらの
化合物から成る基を主鎖または側鎖に有するポリ
マー(例えばポリ−N−ビニルカルバゾール、ポ
リビニルアントラセンなど)が挙げられる。 これらの有機電荷輸送物質の他にセレン、セレ
ンーテルル、アモルフアスシリコン、硫化カドミ
ウムなどの無機材料も用いることができる。 また、これらの電荷輸送物質は1種または2種
以上組合せて用いることができる。 電荷輸送物質が成膜性を有していないときには
適当なバインダーを用いることができる。具体的
には、アクリル樹脂、ポリアリレート、ポリエス
テル、ポリカーブネート、ポリスチレン、アクリ
ロニトリルースチレンコポリマー、ポリアクリル
アミド、ポリアミド、塩素化ゴムなどの絶縁性樹
脂あるいはポリーN−ビニルカルバゾール、ポリ
ビニルアントラセンなどの有機光導電性ポリマー
などが挙げられる。 感光層が形成される導電性支持体としては、例
えばアルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜
鉛、ステンレス、バナジウム、モリブデン、クロ
ム、チタン、ニツケル、インジウム、金や白金な
どが用いられる。またこうした金属あるいは合金
を、真空蒸着法によつて被膜形成したプラスチツ
ク(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
塩化ビニル、ポリエチレンテレフタート、アクリ
ル樹脂など)や、導電性粒子(例えばカーボンブ
ラツク、銀粒子など)を適当なバインダー樹脂と
共にプラスチツクまたは金属基板上に被覆した支
持体あるいは導電性粒子をプラスチツクや紙に含
浸した支持体などを用いることができる。 導電性支持体と感光層の中間に、バリヤー機能
と接着機能をもつ下引層を設けることもできる。 下引層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニ
トロセルロース、ポリアミド(ナイロン6、ナイ
ロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、アルコ
キシメチル化ナイロンなど)、ポリウレタン、酸
化アルミニウムなどによつて形成できる。 下引層の膜厚は5μm以下、好ましくは0.1〜
3μmが適当である。 本発明の別の具体例として、前述のジスアゾ顔
料と電荷輸送物質を同一層に含有させた電子写真
感光体を挙げることができる。この際、電荷輸送
物質としてポリ−N−ビニルカルバゾールとトリ
ニトロフルオレノンからなる電荷移動錯体を用い
ることもできる。 この例の電子写真感光体は、前述のジスアゾ顔
料と電荷輸送物質を適当な樹脂溶液中に分散させ
た液を塗布乾燥して形成することができる。 いずれの電子写真感光体においても用いる顔料
は一般式(1)で示すジスアゾ顔料から選ばれる少な
くとも1種類の顔料を含有し、その結晶形は非晶
質であつても結晶質であつてもよく、また必要に
応じて一般式(1)で示すジスアゾ顔料を2種類以上
組み合わせたり、公知の電荷発生部質と組み合わ
せて使用することも可能である。 本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利
用するのみならず、レーザービームプリンター、
CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリン
ター、レーザー製版などの電子写真応用分野にも
広く用いることができる。 [実施例] 実施例 1〜8 アルミニウム支持体上にメトキシメチル化ナイ
ロン(平均分子量3万2千)5g、アルコール可
溶性共重合ナイロン(平均分子量2万9千)10g
をメタノール95gに溶解した液をマイヤーバーで
塗布し、乾燥後の膜厚が1μmの下引層を設けた。 次に、例示顔料(1)の5gをシクロヘキサノン95
mlにブチラール樹脂(ブチラール化度63モル%)
2gを溶解した液に加え、サンドミルで20時間分
散した。この分散液を先に形成した下引層の上に
乾燥後の膜厚が0.1μmとなるようにマイヤーバー
で塗布し乾燥して電荷発生層を形成した。 次いで、構造式 のヒドラゾン化合物5gとポリメチルメタクリレ
ート(数平均分子量10万)5gをクロロベンゼン
40gに溶解し、これを電荷発生層の上に乾燥後の
膜厚が25μmとなるようにマイヤーバーで塗布し
乾燥して電荷輸送層を形成し、実施例1の電子写
真感光体を作成した。 例示顔料(1)に代えて他の例示顔料を用い、実施
例2〜8に対応する感光体を全く同様にして作成
した。 このようにして作成した電子写真感光体を静電
複写紙試験装置(Model sp−428、川口電機(株)
製)を用い、−5KVのコロナ放電で負に帯電し、
1秒間暗所放置した後、ハロゲンランプを用いて
照度10ルツクスの光で露光し、帯電特性を評価し
た。 帯電特性としては、表面電位(V0)と暗所放
置後の表面電位が1/2に減衰するに必要な露光量
(E1/2)を測定した。結果を示す。
定の構造を有するジスアゾ顔料を含有する電子写
真感光体に関する。 [従来の技術] 従来、無機光導電性物質を用いた電子写真感光
体としては、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛
などが広く知られている。 一方、有機光導電性物質を用いた電子写真感光
体としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールに代
表される光導電性ポリマーや2,5−ビス(p−
ジエチルアミノフエニル)−1,3,4−オキサ
ジアゾールの如き低分子の有機光導電性物質を用
いたもの、さらには、かかる有機光導電性物質と
各種染料や顔料を組み合わせたものなどが知られ
ている。 有機光導電性物質を用いた電子写真感光体は成
膜性が良く、塗工により生産できること、極めて
生産性が高く、安価な感光体を提供できる利点を
有している。また、使用する染料や顔料などの増
感剤の選択により、感色性を自在にコントロール
できるなどの利点を有し、これまで幅広い検討が
なされてきた。特に最近では、有機光導電性顔料
を含有した電荷発生層と、前述の光導電性ポリマ
ーや低分子の有機導電性物質を含有した電荷輸送
層を積層した機能分離型感光体の開発により、従
来の有機電子写真感光体の欠点とされていた感度
や耐久性に著しい改善がなされてきた。 アゾ顔料は優れた光導電性を示し、しかもアゾ
成分とカプラー成分の組み合せ方で様々な特性を
有する顔料化合物が容易に得られることから、こ
れまでに数多くの顔料化合物が提案されており、
例えば特開昭54−22834号公報、特開昭56−46237
号公報、特開昭62−295062号公報に記載される顔
料化合物などはすでに公知である。 しかしながら、従来のジスアゾ顔料を用いた電
子写真感光体は、感度や繰り返し使用時の電位安
定性の面で必ずしも十分とは言えず、実用化され
ているのはごく僅かな材料のみである。 [発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、新規な光導電性材料を提供す
ること、実用的な項感度特性を繰り返し使用時の
安定した電位特性を有する電子写真感光体を提供
することである。 [課題を解決する手段、作用] 本発明は、導電性支持体上に下記一般式(1)で示
すジスアゾ顔料を含有する感光層を有することを
特徴とする電子写真感光体から構成される。 一般式 式中、A1およびA2は同一または異なるフエノ
ール性水酸基を有するカプラー残基を表す。 A1およびA2の示すフエノール性水酸基を有す
るカプラー残基の好ましい例としては、下記一般
式(2)〜(6)で示す残基が挙げられる。 一般式 一般式(2)、(3)および(4)中のXは、ベンゼン環と
縮合して置換基を有してもよいナフタレン環、ア
ントラセン環、カルバゾール環、ベンズカルバゾ
ール環、ジベンゾフラン環などを形成するのに必
要な残基を示す。 一般式(2)中のZは酸素原子または硫黄原子を示
し、lは0または1の整数を示す。 一般式(2)および(3)中のR1、R2は水素原子、置
換基を有してもよいアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基、複素環基またはR1とR2の結合する
窒素原子を含む環状アミノ基を示す。 一般式(4)中のR3は水素原子、置換基を有して
もよいアルキル基、アラルキル基、アリール基、
または複素環基を示す。 一般式(5)中のR4は置換基を有してもよいアル
キル基、アラルキル基、アリール基または複素環
基を示す。 上記表現のアルキル基としてはメチル、エチ
ル、プロピル、ブチルなどの基、アラルキル基と
してはベンジル、フエネチル、ナフチルメチルな
どの基、アリール基としてはフエニル、ジフエニ
ル、ナフチル、アンスリルなどの基、複素環基と
してはピリジル、チエニル、フリル、チアゾリ
ル、カルバゾリエウ、ジベンゾフリル、ベンゾイ
ミダゾリル、ベンゾチアゾリルなどの基、窒素原
子を環内に含むアミノ基としてはピロール、ピロ
リン、ピロリジン、ピロリドン、インドール、イ
ンドリン、イソインドール、カルバゾール、ベン
ゾインドール、イミダゾール、ピラゾール、ピラ
ゾリン、オキサジン、フエノキサジン、ベンゾカ
ルバゾールなどから誘導される環状アミノ基など
が挙げられる。 さらに上記基の有してもよい置換基としては、
メチル、エチル、プロピル、などのアルキル基、
メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基、フツ
素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、ジ
メチルアミノ、ジエチルアミノなどのアルキルア
ミノ基、フエニルカルバモイル基、ニトロ基、シ
アノ基、トリフルオロメチルなどのハロメチル基
などが挙げられる。 一般式(6)中のYは、2価の芳香族炭化水素基な
いしは窒素原子を環内に含む2価の複素環基を示
し、具体的には、0−フエニレン、0−ナフチレ
ン、ペリナフチレン、1,2−アンスリレン、
3,4−ピラゾールジイル、2,3−ピリジンジ
イル、4,5−ピリジンジイル、6,7−インダ
ゾールジイル、6,7−キノリンジイルなどの基
が挙げられる。 なお、一般式(1)中、A1およびA2が一般式(2)、
(3)または(4)であり、式中のXがベンゼン環と縮合
してベンズカルバゾール環を形成しているカプラ
ー残基であるジスアゾ顔料は、その吸収域が近赤
外領域付近まで広がるため、半導体レーザー用の
電荷発生材料としても好適である。 一般式(1)で示すジスアゾ顔料の原料となるジア
ミンは、無水フタル酸と0−フエニレンジアミン
を脱水縮合させることにより得られる化合物を常
法によりニトロ化してジニトロ体とし、これを還
元することにより合成できる。 または、ニトロ無水フタル酸とニトロ−o−フ
エニレンジアミンを脱水縮合させることによつて
も合成できる。 合成されるジアミンは、異性体の混合物として
得られるが、単離して使用してもよく、混合物と
して、そのまま使用してもよい。 なお、異性体の混合物の場合は、以下の構造式
で表すこととする。 一般式(1)で示すジスアゾ顔料は、対応するジア
ミンを常法によりテトラゾ化し、アルカリの存在
下カプラーと水系でカツプリングするか、テトラ
ゾニウム塩をホウフツ化塩や塩化亜鉛複塩などに
変換した後、N,N−ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシドなどの有機溶剤中、で酢酸ソ
ーダ、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン
などの塩基の存在下、カプラーとカツプリングす
ることによつて容易に合成できる。 一般式(1)中のA1とA2が相異なるカプラー残基
であるジスアゾ顔料の合成は、前述のテトラゾニ
ウム塩1モルに対して、初めに一方のカプラー1
モルをカツプリングさせ、次いで、他方のカプラ
ー1モルをカツプリングさせて合成するか、ある
いはジアミンの一方のアミノ基をアセチル基など
で保護しておき、これをジアゾ化し、一方のカプ
ラーをカツプリングさせた後、保護基を塩酸など
で加水分解し、これを再びジアゾ化し、他方のカ
プラーをカツプリングさせて合成することもでき
る。 以下に本発明に用いる一般式(1)で示すジスアゾ
顔料の代表例を列挙するが、本発明に用いる一般
式(1)で示すジスアゾ顔料はこれらに限定されるも
のではない。 また、一般式(1)で示すジスアゾ顔料は、単体で
も異性体の混合物としても使用できる。 基本型のジスアゾ顔料は下記一般式で表わすも
のとする。 A1−N=N−Q−N=N−A2 異性体の混合物である場合には−Q−を のように記載する。 以下の記載においては、変化部分であるQ、
A1およびA2のみを示すこととする。 合成例(例示顔料(1)の合成) 300mlビーカーに水150ml、濃塩酸20ml(0.23モ
ル)と 8.01g(0.032モル)を入れ0℃まで冷却し、亜硝
酸ソーダ4.6g(0.067モル)を水10mlに溶かした液
を液温を5℃以下に保ちながら、10分間で液中へ
滴下した。15分間攪拌した後カーボン濾過し、こ
の溶液の中へホウフツ化ソーダ10.5g(0.096モル)
を水90mlに溶かした液を攪拌下で滴下し、析出し
たホウフツ化塩を濾取し、冷水で洗浄した後、ア
セトニトリル洗浄し、室温で減圧乾燥した。 収量9.92g、収率68% 次に、1ビーカーにN,N−ジメチルホルム
アミド(DMF)500mlを入れ、2−ヒドロキシ−
3−ナフトエ酸−2′−フルオロアニリド11.73g
(0.042モル)を溶解し、液温を5℃に冷却した
後、先に得たホウフツ化塩9.12g(0.020モル)を
溶解し、次いでトリエチルアミン5.1g(0.050モ
ル)を5分間で滴下した。2時間攪拌した後、析
出した顔料を濾出し、DMFで4回、水で3回洗
浄した後、凍結乾燥した。収量13.5g、収率90% 元素分析 計算値(%) 実測値(%) C 69.06 68.91 H 3.38 3.25 N 13.42 13.52 本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に
一般式(1)で示すジスアゾ顔料を含有する感光層を
有する。感光層の形態は公知のいかなる形態を取
つていてもかまわないが、一般式(1)で示すジスア
ゾ顔料を含有する感光層を電荷発生層とし、これ
に電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を積層した
機能分離型の感光層が特に好ましい。 電荷発生層は、前記のジスアゾ顔料を適当な溶
剤中でバインダー樹脂と共に分散した塗布液を、
導電性支持体上に公知の方法によつて塗布するこ
とによつて形成することができ、その膜厚は例え
ば5μm以下、好ましくは0.1〜1μmの薄膜層とす
ることが望ましい。 この際用いられるバインダー樹脂は、広範な絶
縁性樹脂あるい有機光導電性ポリマーから選択さ
れるが、ポリビニルブチラール、ポリビニルベン
ザール、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポ
リエステル、フエノキシ樹脂、セルロース系樹
脂、アクリル樹脂、ポリウレタンなどが好まし
く、その使用量は電荷発生層中の含有率で80重量
%以下、好ましくは40重量%以下である。 また使用する溶剤は前記の樹脂を溶解し、後述
の電荷輸送層や下引層を溶解しないものから選択
することが好ましい。 具体的には、テトラヒドロフラン、1,4−ジ
オキサンなどのエーテル類、シクロヘキサノン、
メチルエチルケトンなどのケトン類、N,N−ジ
メチルホルムアミドなどのアミド類、酢酸メチ
ル、酢酸エチルなどのエステル類、トルエン、キ
シレン、クロロベンゼンなどの芳香族類、メタノ
ール、エタノール、2−プロパノールなどのアル
コール類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロ
ルエチレン、四塩化炭素、トリクロルエチレンな
どの脂肪族ハロゲン化炭化水素類など挙げられ
る。 電荷輸送層は電荷発生層の上または下に積層さ
れ、電界の存在下電荷発生層から電荷キヤリヤを
受取り、これを表面あるいは基盤まで輸送する機
能を有している。 電荷輸送層は電荷輸送物質を必要に応じて適当
なバインダー樹脂と共に溶剤中に溶解し塗布する
ことによつて形成され、その膜厚は一般的には5
〜40μmであるが15〜30μmが好ましい。 電荷輸送物質は電子輸送性物質と正孔輸送性物
質があり、電子輸送性物質としては、例えば2,
4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,
7−テトラニトロフルオレノン、クロラニル、テ
トラシアノキノジメタンなどの電子吸引性物質や
これら電子吸引性物質を高分子化したものなどが
挙げられる。 正孔輸送性物質としてはピレン、アントラセン
などの多環芳香族化合物、カルバゾール系、イン
ドール系、イミダゾール系、オキサゾール系、チ
アゾール系、オキサジアゾール系、ピラゾール
系、ピラゾリン系、チアジアゾール系、トリアゾ
ール系化合物などの複素環化合物、p−ジエチル
アミノベンズアルデヒド−N,N−ジフエニルヒ
ドラゾン、N,N−ジフエニルヒドラジノ−3−
メチリデン−9−エチルカルバゾールなどのヒド
ラゾン系化合物、α−フエニル−4′−N,N−ジ
フエニルアミノスチルベン、5−[4−(ジ−p−
トリルアミノ)ベンジリデン]−5H−ジベンゾ
[a,d]シクロヘプテンなどのスチリル系化合
物、ベンジジン系化合物、トリアリールメタン系
化合物、トリフエニルアミンあるいは、これらの
化合物から成る基を主鎖または側鎖に有するポリ
マー(例えばポリ−N−ビニルカルバゾール、ポ
リビニルアントラセンなど)が挙げられる。 これらの有機電荷輸送物質の他にセレン、セレ
ンーテルル、アモルフアスシリコン、硫化カドミ
ウムなどの無機材料も用いることができる。 また、これらの電荷輸送物質は1種または2種
以上組合せて用いることができる。 電荷輸送物質が成膜性を有していないときには
適当なバインダーを用いることができる。具体的
には、アクリル樹脂、ポリアリレート、ポリエス
テル、ポリカーブネート、ポリスチレン、アクリ
ロニトリルースチレンコポリマー、ポリアクリル
アミド、ポリアミド、塩素化ゴムなどの絶縁性樹
脂あるいはポリーN−ビニルカルバゾール、ポリ
ビニルアントラセンなどの有機光導電性ポリマー
などが挙げられる。 感光層が形成される導電性支持体としては、例
えばアルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜
鉛、ステンレス、バナジウム、モリブデン、クロ
ム、チタン、ニツケル、インジウム、金や白金な
どが用いられる。またこうした金属あるいは合金
を、真空蒸着法によつて被膜形成したプラスチツ
ク(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
塩化ビニル、ポリエチレンテレフタート、アクリ
ル樹脂など)や、導電性粒子(例えばカーボンブ
ラツク、銀粒子など)を適当なバインダー樹脂と
共にプラスチツクまたは金属基板上に被覆した支
持体あるいは導電性粒子をプラスチツクや紙に含
浸した支持体などを用いることができる。 導電性支持体と感光層の中間に、バリヤー機能
と接着機能をもつ下引層を設けることもできる。 下引層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニ
トロセルロース、ポリアミド(ナイロン6、ナイ
ロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、アルコ
キシメチル化ナイロンなど)、ポリウレタン、酸
化アルミニウムなどによつて形成できる。 下引層の膜厚は5μm以下、好ましくは0.1〜
3μmが適当である。 本発明の別の具体例として、前述のジスアゾ顔
料と電荷輸送物質を同一層に含有させた電子写真
感光体を挙げることができる。この際、電荷輸送
物質としてポリ−N−ビニルカルバゾールとトリ
ニトロフルオレノンからなる電荷移動錯体を用い
ることもできる。 この例の電子写真感光体は、前述のジスアゾ顔
料と電荷輸送物質を適当な樹脂溶液中に分散させ
た液を塗布乾燥して形成することができる。 いずれの電子写真感光体においても用いる顔料
は一般式(1)で示すジスアゾ顔料から選ばれる少な
くとも1種類の顔料を含有し、その結晶形は非晶
質であつても結晶質であつてもよく、また必要に
応じて一般式(1)で示すジスアゾ顔料を2種類以上
組み合わせたり、公知の電荷発生部質と組み合わ
せて使用することも可能である。 本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利
用するのみならず、レーザービームプリンター、
CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリン
ター、レーザー製版などの電子写真応用分野にも
広く用いることができる。 [実施例] 実施例 1〜8 アルミニウム支持体上にメトキシメチル化ナイ
ロン(平均分子量3万2千)5g、アルコール可
溶性共重合ナイロン(平均分子量2万9千)10g
をメタノール95gに溶解した液をマイヤーバーで
塗布し、乾燥後の膜厚が1μmの下引層を設けた。 次に、例示顔料(1)の5gをシクロヘキサノン95
mlにブチラール樹脂(ブチラール化度63モル%)
2gを溶解した液に加え、サンドミルで20時間分
散した。この分散液を先に形成した下引層の上に
乾燥後の膜厚が0.1μmとなるようにマイヤーバー
で塗布し乾燥して電荷発生層を形成した。 次いで、構造式 のヒドラゾン化合物5gとポリメチルメタクリレ
ート(数平均分子量10万)5gをクロロベンゼン
40gに溶解し、これを電荷発生層の上に乾燥後の
膜厚が25μmとなるようにマイヤーバーで塗布し
乾燥して電荷輸送層を形成し、実施例1の電子写
真感光体を作成した。 例示顔料(1)に代えて他の例示顔料を用い、実施
例2〜8に対応する感光体を全く同様にして作成
した。 このようにして作成した電子写真感光体を静電
複写紙試験装置(Model sp−428、川口電機(株)
製)を用い、−5KVのコロナ放電で負に帯電し、
1秒間暗所放置した後、ハロゲンランプを用いて
照度10ルツクスの光で露光し、帯電特性を評価し
た。 帯電特性としては、表面電位(V0)と暗所放
置後の表面電位が1/2に減衰するに必要な露光量
(E1/2)を測定した。結果を示す。
【表】
比較例 1および2
実施例1に用いたジスアゾ顔料を下記構造式で
示す顔料に代えて用いた他は実施例1と全く同様
にして比較例1および2に対応する感光体を作成
し、同様に帯電特性を評価した。結果を示す。 実施例および上記比較例から、本発明の電子写
真感光体はいずれも十分な帯電能と優れた感度を
有していることが分る。 実施例 9〜11 実施例1、3、6で作成した感光体を用い、繰
り返し使用時の明部電位と暗部電位の変動を測定
した。 方法としては、−6.5KVのコロナ帯電器、露光
光学系、現像器、転写帯電器、除電露光光学およ
びクリーナーを備えた電子写真複写機のシリンダ
ーに上記感光体を貼り付けた。 初期の暗部電位(VD)と明部電位(VL)を、
それぞれ−700V、−200V付近に設定し、5000回
繰り返し使用した際の暗部電位の変動量(ΔVD)
と明部電位の変動量(ΔVL)を測定した。 結果を示す。 なお、電位の変動量における負記号は、電位の
絶対値の低下を表わし、正記号は電位の絶対値の
増加を表わす。 実施例 感光体 (実施例) ΔVD(V) ΔVL(V) 9 1 −10 +10 10 3 −10 +5 11 6 0 +10 比較例 3および4 比較例1および2で用いた感光体について、実
施例9と同様の方法により、繰り返し使用時の電
位変動を測定した。結果を示す。 (比較例 3) ΔVD:−50V ΔVL:+40V (比較例 4) ΔVD:−80V ΔVL:+60V 上記結果から、本発明の電子写真感光体は、繰
り返し使用時の電位変動が少ないことが分る。 実施例 12 アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフイル
ムのアルミ面上に膜厚0.5μmのポリビニルアルコ
ールの被膜を形成した。 この上に、実施例1で用いたジスアゾ顔料の分
散液を乾燥後の膜厚が0.1μmとなるようにマイヤ
ーバーで塗布、乾燥して電荷発生層を形成した。 次いで下記構造式で示すスチリル化合物5gと ポリカーボネート(数平均分子量5万5千)5g
をテトラヒドロフラン40gに溶かした液を電荷発
生層上に乾燥後の膜厚が25μmとなるように塗布、
乾燥して電荷輸送層を形成した。 こうして作成した電子写真感光体の帯電特性お
よび耐久特性を実施例1および実施例9と同様の
方法により測定した。結果を示す。 V0:−695V E1/2:1.2lux.sec ΔVD:−15V ΔVL:+10V 実施例 13 実施例12で作成した感光体の電荷輸送層と電荷
発生層を逆の順で塗布積層した感光体を作成し、
実施例1と同様に帯電特性を評価した。但し、帯
電極性は+とした。結果を示す。 V0:+710V E1/2:2.7lux.sec 実施例 14 実施例1で作成した電荷発生層の上に、2,
4,7−トリニトロ−9−フルオレノン5gとポ
リ−4,4′−ジオキシジフエニル−2,2−プロ
パンカーボネート(分子量30万)5gをテトラヒ
ドロフラン50gに溶解して作成した塗布液を乾燥
後の膜厚が18μmとなるように塗布し、乾燥して
電荷輸送層を形成した。 こうして作成した電子写真感光体を実施例1と
同様の方法で帯電特性を測定した。但し、帯電極
性は+とした。結果を示す。 V0:+640V E1/2:4.1lux.sec 実施例 15 例示顔料(2)の0.5gをシクロヘキサノン9.5gと共
にペイントシエイカーで5時間分散した。ここへ
実施例1で用いた電荷輸送物質5gとポリカーボ
ネイト5gをテトラヒドロフラン40gに溶かした液
を加え、さらに1時間振とうした。こうして調製
した塗布液を導電性支持体であるアルミニウム板
上にマイヤーバーで塗布、乾燥して、膜厚が
20μmの感光層を形成した。 こうして作成した電子写真感光体の帯電特性を
実施例1と同様の方法で測定した。但し、帯電極
性は+とした。結果を示す。 V0:+660V E1/2:3.0lux.sec [発明の効果] 本発明の電子写真感光体は、特定のジスアゾ顔
料を感光層を用いることにより、感光層内部にお
ける電荷キヤリアの発生効率ないしは注入効率の
いずれか一方あるいは双方が改善され、感度や繰
り返し使用時の電位安定性に優れた特性を有する
という顕著な効果を発揮する。
示す顔料に代えて用いた他は実施例1と全く同様
にして比較例1および2に対応する感光体を作成
し、同様に帯電特性を評価した。結果を示す。 実施例および上記比較例から、本発明の電子写
真感光体はいずれも十分な帯電能と優れた感度を
有していることが分る。 実施例 9〜11 実施例1、3、6で作成した感光体を用い、繰
り返し使用時の明部電位と暗部電位の変動を測定
した。 方法としては、−6.5KVのコロナ帯電器、露光
光学系、現像器、転写帯電器、除電露光光学およ
びクリーナーを備えた電子写真複写機のシリンダ
ーに上記感光体を貼り付けた。 初期の暗部電位(VD)と明部電位(VL)を、
それぞれ−700V、−200V付近に設定し、5000回
繰り返し使用した際の暗部電位の変動量(ΔVD)
と明部電位の変動量(ΔVL)を測定した。 結果を示す。 なお、電位の変動量における負記号は、電位の
絶対値の低下を表わし、正記号は電位の絶対値の
増加を表わす。 実施例 感光体 (実施例) ΔVD(V) ΔVL(V) 9 1 −10 +10 10 3 −10 +5 11 6 0 +10 比較例 3および4 比較例1および2で用いた感光体について、実
施例9と同様の方法により、繰り返し使用時の電
位変動を測定した。結果を示す。 (比較例 3) ΔVD:−50V ΔVL:+40V (比較例 4) ΔVD:−80V ΔVL:+60V 上記結果から、本発明の電子写真感光体は、繰
り返し使用時の電位変動が少ないことが分る。 実施例 12 アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフイル
ムのアルミ面上に膜厚0.5μmのポリビニルアルコ
ールの被膜を形成した。 この上に、実施例1で用いたジスアゾ顔料の分
散液を乾燥後の膜厚が0.1μmとなるようにマイヤ
ーバーで塗布、乾燥して電荷発生層を形成した。 次いで下記構造式で示すスチリル化合物5gと ポリカーボネート(数平均分子量5万5千)5g
をテトラヒドロフラン40gに溶かした液を電荷発
生層上に乾燥後の膜厚が25μmとなるように塗布、
乾燥して電荷輸送層を形成した。 こうして作成した電子写真感光体の帯電特性お
よび耐久特性を実施例1および実施例9と同様の
方法により測定した。結果を示す。 V0:−695V E1/2:1.2lux.sec ΔVD:−15V ΔVL:+10V 実施例 13 実施例12で作成した感光体の電荷輸送層と電荷
発生層を逆の順で塗布積層した感光体を作成し、
実施例1と同様に帯電特性を評価した。但し、帯
電極性は+とした。結果を示す。 V0:+710V E1/2:2.7lux.sec 実施例 14 実施例1で作成した電荷発生層の上に、2,
4,7−トリニトロ−9−フルオレノン5gとポ
リ−4,4′−ジオキシジフエニル−2,2−プロ
パンカーボネート(分子量30万)5gをテトラヒ
ドロフラン50gに溶解して作成した塗布液を乾燥
後の膜厚が18μmとなるように塗布し、乾燥して
電荷輸送層を形成した。 こうして作成した電子写真感光体を実施例1と
同様の方法で帯電特性を測定した。但し、帯電極
性は+とした。結果を示す。 V0:+640V E1/2:4.1lux.sec 実施例 15 例示顔料(2)の0.5gをシクロヘキサノン9.5gと共
にペイントシエイカーで5時間分散した。ここへ
実施例1で用いた電荷輸送物質5gとポリカーボ
ネイト5gをテトラヒドロフラン40gに溶かした液
を加え、さらに1時間振とうした。こうして調製
した塗布液を導電性支持体であるアルミニウム板
上にマイヤーバーで塗布、乾燥して、膜厚が
20μmの感光層を形成した。 こうして作成した電子写真感光体の帯電特性を
実施例1と同様の方法で測定した。但し、帯電極
性は+とした。結果を示す。 V0:+660V E1/2:3.0lux.sec [発明の効果] 本発明の電子写真感光体は、特定のジスアゾ顔
料を感光層を用いることにより、感光層内部にお
ける電荷キヤリアの発生効率ないしは注入効率の
いずれか一方あるいは双方が改善され、感度や繰
り返し使用時の電位安定性に優れた特性を有する
という顕著な効果を発揮する。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 導電性支持体上に下記一般式(1)で示すジスア
ゾ顔料を含有する感光層を有することを特徴とす
る電子写真感光体。 式中、A1およびA2は同一または異なるフエノ
ール性水酸基を有するカプラー残基を表す。 2 感光層が、一般式(1)で示すジスアゾ顔料を含
有する電荷発生層と電荷輸送層の少なくとも二層
からなる請求項1記載の電子写真感光体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30986588A JPH02156249A (ja) | 1988-12-09 | 1988-12-09 | 電子写真感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30986588A JPH02156249A (ja) | 1988-12-09 | 1988-12-09 | 電子写真感光体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02156249A JPH02156249A (ja) | 1990-06-15 |
JPH0514268B2 true JPH0514268B2 (ja) | 1993-02-24 |
Family
ID=17998230
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30986588A Granted JPH02156249A (ja) | 1988-12-09 | 1988-12-09 | 電子写真感光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH02156249A (ja) |
-
1988
- 1988-12-09 JP JP30986588A patent/JPH02156249A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02156249A (ja) | 1990-06-15 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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