JPH05144345A - クリツクアクシヨンスイツチユニツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気機器等の操作キー部に使用されるクリッ
クアクションスイッチユニットにおいて、良好なクリッ
ク感を得る。 【構成】 カバーレイフィルム１０ａにはプリント配線
板に設けられた電極回路５に整合する窓１０ｂが設けら
れている。クリックバネ１は、窓１０ｂに整合してカバ
ーレイフィルム１０ａ上に配置されている。また、カバ
ーレイフィルム１０ａ上には窓１１ｂが設けられたカバ
ーレイフィルム１１ａが積層されており、この窓１１ｂ
の壁面によりクリックバネ１の縁部が係止されるように
なっている。更に、カバーレイフィルム１１ａ上には押
さえシート６ａが積層されており、この押さえシート６
ａの窓６ｂの縁部がクリックバネ１に接合されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電気機器等の操作キー部
に使用されるクリックアクションスイッチユニットに関
し、特に薄型でクリック感が優れていると共に小型化に
好適のクリックアクションスイッチユニットに関する。

【０００２】

【従来の技術】プリント配線板及びクリックバネにより
構成されたスイッチユニットは、信頼性が高く、薄型
化、省スペース化及び低コスト化を達成することができ
る等の優れた特長を有している。このため、この種のス
イッチユニットは電気機器等の操作キー部に広く使用さ
れている。特に、このプリント配線板及びクリックバネ
により構成されたスイッチユニットは、ＰＥＴ（ポリエ
チレンテレフタレート）印刷基板を使用したメンブレン
スイッチでは実現不可能な小型でキー入力部が多いスイ
ッチユニットとして多用されると共に、ＰＥＴでは実現
できない耐熱性を求められる用途にも適用される。

【０００３】図２（ａ）は、プリント配線板及びクリッ
クバネにより構成された従来のスイッチユニットを示す
平面透視図、図２（ｂ）は図２（ａ）のＸ−Ｘ線による
断面図である。

【０００４】プリント配線板４は、ベース絶縁素材層９
と、このベース絶縁素材層９の上面及び下面側に夫々所
定のパターンで形成された表面銅箔回路層８ａ及び裏面
銅箔回路層８ｂとにより構成されている。表面銅箔回路
層８ａには、櫛歯状に延出した電極回路５を備え相互に
対向して配置された１対の回路導体２が設けられてい
る。各回路導体２の櫛歯状電極回路５は、その歯部分が
交互に位置するように配置されている。

【０００５】この表面銅箔回路層８ａの上にはカバーレ
イフィルム７ａが積層されており、裏面銅箔回路層８ｂ
の下にはカバーレイフィルム７ｃが接合されている。カ
バーレイフィルム７ａは、電極回路５に整合する部分が
円形状に開口されており、この開口部分が窓７ｂとなっ
ている。そして、このカバーレイフィルム７ａ上には、
バネ性が強いドーム状の金属板からなるクリックバネ１
がその縁部をカバーレイフィルム７ａの窓７ｂの周縁部
の上において、且つ、その頂部中心を窓７ｂの中心に整
合させて配置されている。また、このカバーレイフィル
ム７ａ上には、クリックバネ１の外径よりも小さい窓６
ｂが設けられた押さえシート６ａが積層されている。ク
リックバネ１は、この押さえシート６ａの窓６ｂの縁部
でそのエッジ部分が固定されている。

【０００６】なお、この種のスイッチユニット全体は、
装置の外部筐体に接着固定され、ユニット自体は変形し
ない環境下で使用される。

【０００７】このように構成されたクリックアクション
スイッチユニットにおいては、クリックバネ１を押圧す
ると、図中破線３ａで示すように、クリックバネ１はそ
の中央部が変位して変形し、電極回路５に接触する。こ
れにより、１対の回路導体２同士がクリックバネ１を介
して電気的に接続される。この場合に、クリックバネ１
の変形はそのドーム頂部中央がへこむようなものである
ので、この変形によりクリック感が得られる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のクリックアクションスイッチユニットには以下
に示す問題点がある。

【０００９】図３はクリックバネ１の変形挙動を示す模
式図である。符号１１ａは静止状態でのクリックバネ１
の外観を示し、符号１２は静止状態におけるクリックバ
ネ１の底面を示す。符号１１ｂ及び符号１１ｃはクリッ
クバネ変形時のバネの表面を示す。また、図４は変形時
のクリックバネ１の荷重変位曲線である。

【００１０】図３において、静止状態からクリックバネ
１を変形させると、クリックアクションが終了した後の
バネの変形状態は、符号１１ｃに示すように、その中央
部が静止状態のバネ底面１２よりも下方になる。即ち、
バネ１の中央部がバネ底面１２よりも下方になってバネ
１の変形は平衡状態になり、この符号１１ｃにて示す状
態まで変形して初めてクリックアクションが完了する。
従って、図３に符号Ｃで示すものがクリックバネ１の本
来的なクリックアクション行程であり、図４の符号１４
にて示す曲線が荷重変位曲線になり、符号Ｓ_C で示すも
のがそのときの荷重変化になる。

【００１１】しかしながら、従来のクリックアクション
スイッチユニットにおいては、クリックバネ１を押圧し
た場合に、図３の符号１１ｂで示すように、バネ１が電
極回路５と接触することによりバネの変形が阻止され、
バネ変形がバネ底面又は電極回路面にて停止する。この
ため、バネ１の変位量は図３のＡになる。従って、バネ
１を押圧した場合の荷重変位曲線及び荷重変化は図４に
夫々符号１３及び符号Ｓ_A にて示すものになる。このよ
うに、キー操作によりバネ１が変形した場合に、バネ１
と電極回路５とが接触してオン状態になると、そのバネ
１の下方変位が図４にてＤで示す位置で終了してしま
う。このため、従来のスイッチユニットは、図４の符号
１４にて示すようなクリックバネ設計時のクリック感触
を得ることができないという難点がある。

【００１２】なお、クリック感を改善するために、クリ
ックバネの絞り込み形状を強めて変位量を多くする方法
もあるが、そうするとクリックバネの厚さが増大して薄
型化を阻害すると共にクリックバネ本来の最大荷重が著
しく増大し、また耐久性を劣化させる等、ユニット全体
に及ぼす影響が大きい。また、弾力性を有するプリント
配線板を使用することにより、クリックアクション時の
バネの変形を阻害しないようにすることも考えられる
が、電極回路部が上下に動作する場合、信頼性の点から
スルーホールを電極回路部に配置することができず、櫛
歯状の電極回路デザインに限定されてしまうことにな
る。

【００１３】更に、従来のクリックアクションスイッチ
ユニットには以下に示す問題点もある。即ち、クリック
バネ１を配置した後、このバネが移動しないように粘着
フィルムの一種である押さえシート６ａでバネの縁部を
固定するが、このためにクリックバネのエッジ近傍での
変形が阻害され、バネの本来の変形挙動とは異なってし
まう。従って、クリックバネの特性とユニットになって
からの特性との差が大きく、特に最大荷重の増大及び変
位量の低下により所望のクリック感を得ることができな
くなる。これらの問題点は、特に小径のクリックバネを
使用する場合に顕著となる。

【００１４】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、クリックバネ本来の持つクリックアクショ
ン動作を阻害することなく、良好なクリック感を得るこ
とができるクリックアクションスイッチユニットを提供
することを目的とする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明に係るクリックア
クションスイッチユニットは、１対の電極回路が設けら
れたプリント配線板と、このプリント配線板上に積層さ
れ前記１対の電気回路を露出させる第１の窓を備えた第
１の絶縁膜と、ドーム状の導電性金属からなり前記第１
の窓に整合して配置されその縁部が前記第１の絶縁膜上
に位置するクリックバネと、前記第１の絶縁膜上に積層
され前記クリックバネの縁部をその壁面で係止する第２
の窓が設けられた第２の絶縁膜と、この第２の絶縁膜上
に積層され前記クリックバネの周縁の直径より小径の第
３の窓が設けられた押さえシートとを有することを特徴
とする。

【００１６】

【作用】本発明においては、１対の電極回路が設けられ
たプリント配線板上に第１の絶縁膜が積層されており、
クリックバネはこの第１の絶縁膜に設けられた第１の窓
に整合して前記第１の絶縁膜上に配置されている。この
ため、クリックバネを押圧した場合に、クリックバネの
中央部はバネの底面よりも前記第１の絶縁膜の膜厚に相
当する分だけ下方に位置する。この第１の絶縁膜を適正
な厚さとすることにより、クリックバネのクリックアク
ション動作を阻害することを防止できて良好なクリック
感を得ることができると共に、バネ中央部を電極回路に
接触させることができてスイッチとしての確実な動作を
得ることができる。

【００１７】また、本発明に係るクリックアクションス
イッチユニットにおいては、クリックバネの縁部を第２
の絶縁膜に設けられた第２の窓の壁面で係止する。この
ため、第２の絶縁膜上に積層される押さえシートは、ク
リックバネが外れない程度にクリックバネを固定すれば
よく、バネとの接触面積を従来に比して減少することが
できる。これにより、スイッチユニットに組み込んだ後
もクリックバネ本来の特性を維持することができる。従
って、上述の第１の絶縁膜による作用効果と相俟って、
極めて良好なクリック感を得ることができる。

【００１８】

【実施例】次に、本発明の実施例について添付の図面を
参照して説明する。

【００１９】図１（ａ）は本発明の実施例に係るクリッ
クアクションスイッチユニットを示す平面透視図、図１
（ｂ）は図１（ａ）のＸ−Ｘ線による断面図である。

【００２０】プリント配線板４は、ポリイミドフィルム
からなるベース絶縁素材層９と、このベース絶縁素材層
９の上面及び下面側に夫々所定のパターンで形成された
表面銅箔回路層８ａ及び裏面銅箔回路層８ｂとにより構
成されたフレキシブルプリント配線板である。表面銅箔
回路層８ａには、従来と同様に、櫛歯状の電極回路５を
備えた１対の回路導体２が設けられている。なお、ベー
ス絶縁素材層９の厚さは例えば25μｍであり、銅箔回路
層８ａ，８ｂの厚さは例えば18μｍである。また、電極
回路５の回路ピッチは、例えば 0.4mmである。

【００２１】このプリント配線板４上には、電極回路５
に整合する部分に窓１０ｂが設けられた第１のカバーレ
イフィルム１０ａが積層されている。このカバーレイフ
ィルム１０ａは、例えば厚さが75μｍのポリイミドフィ
ルムと、厚さが25μｍの接着剤層とにより構成されてい
る。また、このカバーレイフィルム１０ａの窓１０ｂの
直径は、後述するクリックバネ１の周縁の直径よりも小
さく、且つ、キー入力時のクリックバネ１の反転による
電極回路５との接触を確実に確保することができる大き
さに設定されている。例えば、クリックバネ１の周縁の
直径が 6.0mmであるとすると、この窓１０ｂの直径は
4.0mmに設定する。なお、プリント配線板４の下面側に
は、カバーレイフィルム７ｃが被着されている。

【００２２】クリックバネ１は、窓１０ｂに整合してカ
バーレイフィルム１０ａ上に配置されている。このクリ
ックバネ１は、例えば、板厚が60μｍ、周縁の直径が
6.0mmの導電性が良好なベリリウム銅材からなる。ま
た、このクリックバネ１の反転時の沈み込み量（図３に
てＢで示す）は約 100μｍである。

【００２３】また、カバーレイフィルム１０ａ上には、
窓１１ｂが設けられたカバーレイフィルム１１ａが積層
されている。このカバーレイフィルム１１ａの窓１１ｂ
は、クリックバネ１の周縁の直径に比して若干大きく設
定されている。そして、クリックバネ１の縁部はこの窓
１１ｂの壁面により係止されるようになっている。この
カバーレイフィルム１１ａは、例えば厚さが25μｍのポ
リイミドフィルムと、厚さが25μｍの接着剤層とにより
構成されている。なお、窓１１ｂの直径は、クリックバ
ネ１の周縁の直径と同一でもよいが、カバーレイフィル
ムの接着剤のしみ出しを考慮して、上述の如く、クリッ
クバネ１の周縁の直径よりも若干大きくすることが好ま
しい。例えば、クリックバネ１の周縁の直径が 6.0mmで
あるとすると、窓１１ｂの直径は 6.5mmとする。

【００２４】カバーレイフィルム１１ａ上には、押さえ
シート６ａが積層されている。この押さえシート６ａに
はクリックバネ１の周縁の直径よりも若干小さな直径の
窓６ｂが設けられており、この窓６ｂの周囲の部分がク
リックバネ１に接着されている。

【００２５】次に、このように構成された本実施例の動
作について説明する。キー入力に際してクリックバネ１
の頂部を指等で押圧すると、クリックバネ１は図１
（ｂ）に破線３ｂで示すように変形し、中心部がその底
面よりもカバーレイフィルム１０ａの厚さ分だけ下方に
移動して電極回路５に接触する。これにより、１対の回
路導体２間は電気的に接続される。この場合に、カバー
レイフィルム１０ａの厚さはクリックバネ本来の沈み込
み量に対応して設定されているため、クリックバネ１は
本来のクリックアクション動作で変形する。

【００２６】また、クリックバネ１はカバーレイフィル
ム１１ａによりその縁部が係止されるため、押さえシー
ト６ａはクリックバネ１に強固に接着されている必要が
なく、窓６ｂの直径を従来に比して大きくして接着面積
を低減することができる。これにより、押さえシート６
ａによるクリックバネ１の変形阻害を抑制することがで
きて、最大荷重の増大及び変位量の低減を抑制すること
ができる。このため、上述のカバーレイフィルム１０ａ
による作用効果と相俟って、極めて良好なクリック感を
得ることができる。

【００２７】更に、本実施例においては、カバーレイフ
ィルム１０ａの窓１０ｂの壁面でクリックバネ１の縁部
を係止するため、キー入力によるバネの移動及びバネの
反転不良等を防止することができるという効果もある。
更にまた、クリックバネを押圧してもベースとなるプリ
ント配線板は変形しないため、電極回路部へのスルーホ
ール配置が可能であるという効果もある。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
電極回路が設けられたプリント配線板とクリックバネと
の間に第１の窓が設けられた第１の絶縁膜が介装されて
いるからクリックバネを押圧したときのバネの変形を阻
害せず、バネ本来のクリックアクション動作を得ること
ができる。また、本発明においては、前記クリックバネ
の縁部が第２の絶縁膜に設けられた第２の窓の壁面に係
止されるから、押さえシートによるバネの最大荷重の増
大及び変位量の低減を抑制することができる。このた
め、本発明に係るクリックアクションスイッチユニット
は、極めて良好なクリック感を得ることができる。ま
た、キー入力時の応力によるクリックバネの移動及びク
リックバネの反転不良を防止する効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は本発明の実施例に係るクリックアクシ
ョンスイッチユニットを示す平面透視図、（ｂ）は
（ａ）のＸ−Ｘ線による断面図である。

【図２】（ａ）は、プリント配線板及びクリックバネに
より構成された従来のスイッチユニットを示す平面透視
図、（ｂ）は（ａ）のＸ−Ｘ線による断面図である。

【図３】図３はクリックバネの変形挙動を示す模式図で
ある。

【図４】図４は変形時のクリックバネの荷重変位曲線で
ある。

【符号の説明】

１；クリックバネ ２；回路導体 ５；電極回路 ６ａ；押さえシート ６ｂ，７ｂ，１０ｂ，１１ｂ；窓 ７ａ，７ｃ，１０ａ，１１ａ；カバーレイフィルム ８ａ，８ｂ；銅箔回路層 ９；ベース絶縁素材層

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 １対の電極回路が設けられたプリント配
   線板と、このプリント配線板上に積層され前記１対の電
   気回路を露出させる第１の窓を備えた第１の絶縁膜と、
   ドーム状の導電性金属からなり前記第１の窓に整合して
   配置されその縁部が前記第１の絶縁膜上に位置するクリ
   ックバネと、前記第１の絶縁膜上に積層され前記クリッ
   クバネの縁部をその壁面で係止する第２の窓が設けられ
   た第２の絶縁膜と、この第２の絶縁膜上に積層され前記
   クリックバネの周縁の直径より小径の第３の窓が設けら
   れた押さえシートとを有することを特徴とするクリック
   アクションスイッチユニット。