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JPH05134368A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

Info

Publication number
JPH05134368A
JPH05134368A JP4125388A JP12538892A JPH05134368A JP H05134368 A JPH05134368 A JP H05134368A JP 4125388 A JP4125388 A JP 4125388A JP 12538892 A JP12538892 A JP 12538892A JP H05134368 A JPH05134368 A JP H05134368A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
layer
chemical
coupler
represented
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4125388A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Fukuzawa
裕 福澤
Kozaburo Yamada
耕三郎 山田
Keiji Obayashi
慶司 御林
Kouji Tamoto
公璽 田本
Shigeru Shibayama
繁 柴山
Minoru Sato
実 佐藤
Kiyoshi Nakajo
清 中条
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP4125388A priority Critical patent/JPH05134368A/ja
Priority to US07/945,933 priority patent/US5328818A/en
Publication of JPH05134368A publication Critical patent/JPH05134368A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/76Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers
    • G03C1/825Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers characterised by antireflection means or visible-light filtering means, e.g. antihalation
    • G03C1/83Organic dyestuffs therefor
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C7/00Multicolour photographic processes or agents therefor; Regeneration of such processing agents; Photosensitive materials for multicolour processes
    • G03C7/30Colour processes using colour-coupling substances; Materials therefor; Preparing or processing such materials
    • G03C7/3003Materials characterised by the use of combinations of photographic compounds known as such, or by a particular location in the photographic element
    • G03C7/3005Combinations of couplers and photographic additives
    • G03C7/3013Combinations of couplers with active methylene groups and photographic additives

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】保存性に優れ、色再現性及び画像堅牢性に優れ
たハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供する。 【構成】支持体上に1層以上の赤感性ハロゲン化銀乳
剤、緑感性ハロゲン化銀乳剤層および青感性ハロゲン銀
乳剤層および非感光性層を有するハロゲン化銀カラー写
真感光材料で、化合物I−20を含有し、かつハロゲン
化銀乳剤層はイエローカプラーYA−28及び/又はY
B−6を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真性能、感材の保存
性、得られる色像の堅牢性及び画質の改良されたハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀カラー写真感光材料におい
ては、光吸収フィルター、ハレーション防止あるいは感
度調節の目的で特定の波長の光が吸収される層を設ける
方法は良く知られているところであり、特に青感性層よ
り支持体に近く、他の感色性層より支持体から遠い位置
にイエローフィルター層を設け緑、赤感光性乳剤の固有
感度をカットする方法や、感光性乳剤層より支持体に近
い側に不要な光散乱を防ぐアンチハレーション層を設け
る方法は、現在最も一般的に実用されているものであ
る。これらの光吸収層には実用上の見地から、通常微粒
子のコロイド銀が用いられている。しかしながらこれら
のコロイド銀粒子は隣接する乳剤層に対し、有害なかぶ
りを生じたり、感光材料の保存中にかぶりの増大を招
く、更に脱銀速度を低下させる等の副作用が有ることが
知られている。これらの有害なかぶりを防止するために
は特開昭62−32460号、特開平1−219743
号に記載のようなかぶり防止剤を添加したり、イエロー
フィルター層と乳剤層の間にゼラチンを主成分とした中
間層を導入しかぶりを防止することが必要であった。こ
れらかぶり防止剤の添加は感度を低下させるという大き
な欠点があり、中間層を導入する手段は乳剤層の厚みが
増加し鮮鋭度の低下、さらには塗布層数が増えるため製
造コストの上昇等を招くという大きな欠点があった。
【0003】この点を改良するためにコロイド銀のかわ
りに有機染料をフィルター層に使用する試みが行なわれ
ており後記特許等に記載がある。これら染料を用いると
有害なかぶりは除けるが、感材からの脱色性が悪く処理
後に不要吸収が残ってDmin が上がってしまうこと、染
料を添加した特定層への固定化が十分でなく保存中に多
層へ拡散して写真性の変動をもたらす等の副作用があ
り、染料の脱色性と特定層への固定化という双方の性能
を満足させる染料を得ることに多くの努力がなされてき
た。
【0004】例えば解離したアニオン性染料と反対の電
荷を持つ親水性ポリマーを媒染剤として一層に共存さ
せ、染料分子との相互作用によって染料を特定層中に局
在化させる方法が米国特許第2,548,564号、同
4,124,386号、同3,625,694号等に開
示されている。
【0005】また水に不溶性の染料固体を用いて特定層
を染色する方法が特開昭56−12639号、同55−
155350号、同55−155351号、同63−2
7838号、同63−197943号、欧州特許第1
5,601号、同274,723号、同276,566
号、同299,435号、世界特許88/04794号
等に開示されている。これらに記載されている染料を用
いると写真性に悪影響を与えず脱銀速度を向上させるこ
とが可能となったが、そのレベルはまだ十分なものでは
なくさらに短縮化出来る方法が望まれていた。
【0006】なお本発明に係わる染料に関しては、例え
ば、特開昭63−64044号、特開平1−19604
0号、同3−167546号に類似の染料が開示されて
いる。
【0007】しかしながら、上記公開特許公報に記載の
染料においては、写真化学的に不活性であるとは言え
ず、感光材料を経時保存した場合に、カブリ増加とそれ
に伴い感度低下が生じるという問題のあることがわかっ
た。また、脱色性においても充分でなく、残色があるこ
とや色像堅牢性を劣化するなどの問題のあることも判明
した。
【0008】一方、近年ハロゲン化銀カラー写真感光材
料の色画像堅牢性向上は顕著なものがあり飛躍的に良化
している。ハロゲン化銀カラー写真感光材料には、芳香
族一級アミン系発色現像主薬の酸化体とカップリングし
てイエロー、マゼンタ及びシアンにそれぞれ発色する3
種のカラーカプラーを含有したものを用いるのが一般的
である。
【0009】このうち、イエローカプラーとしてはベン
ゾイル又は、ピバロイルアセトアニリド型イエローカプ
ラーが知られているが、欧州特許第447,920A号
記載のマロンジアニリド型イエローカプラーおよび欧州
特許第447,969A号記載のシクロアルカンカルボ
ニル型イエローカプラーは発色色素のモル吸光係数が高
く、且つ色画像が湿度や熱に対して堅牢であるという点
で注目される。
【0010】ところが、このマロンジアニリド型イエロ
ーカプラーやシクロアルカンカルボニル型イエローカプ
ラーを導入するとベンゾイル、ピバロイル型イエローカ
プラーよりも、長期保存時に有害なかぶりが増大すると
いう大きな欠点があることが分かった。種々解析した結
果、このかぶりの増大はコロイド銀を光吸収層として用
いた場合に特に顕著になることが明らかになった。これ
らのかぶりは前記のかぶり防止剤等を多量添加するかゼ
ラチンを主とした中間層を導入することによって軽減さ
れるが、感度変化、鮮鋭度の低下等の副作用が顕著であ
った。
【0011】本発明に類似するマロンジアニリド系イエ
ローカプラーに関しては、例えば、仏国特許第1,55
8,452号にカップリング活性位が酸素原子を介して
離脱する基を有するいわゆる酸素原子離脱型で、かつ、
拡散性のカプラーを主とするものが記載されている。
【0012】また、特開平1−250950号には具体
的化合物例に1部イエローカプラーの記載がある。
【0013】さらに、本発明に類似のマロンジアニリド
型カプラーで機能性カプラーとして、現像抑制性化合物
を放出するカプラーが、例えば、特開昭52−6962
4号、同52−82424号、同57−151944
号、特開平2−250053号、前記欧州公開特許公報
第447920号に記載されているが、特開昭52−8
2424号、同57−151944号には具体的な化合
物の開示はなく、特開昭52−69624号には具体的
な効果の記載がない。
【0014】また、これら上述の各特許に記載されてい
るカプラーについては、一部のカプラーについては発色
性、色像堅牢性、色再像性を改良するものがあるが、さ
らなる改良が望まれている。また、現像抑制性化合物放
出型カプラーにおいても画質改良効果をさらに良化する
ことが望まれている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、第1にマロンジアニリド型及び/又はシクロアルカ
ンカルボニル型カプラーを用い、コロイド銀にかえて染
料を光吸収層に用いた感光材料の長期保存時の不要なか
ぶりの発生や感度変化を押さえることにある。第2にマ
ロンジアニリド型カプラーやシクロアルカンカルボニル
型カプラーを用いた場合にコロイド銀層に隣接して設け
られた中間層を必要とすることなく、保存性及び鮮鋭度
の向上したハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供する
ことにある。第3にマロンジアニリド型及び/又はシク
ロアルカンカルボニル型カプラーを用い、高い感度と発
色濃度を与え、残色が少なく色再像性及び色像堅牢性に
優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供すること
にある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決するため鋭意検討を行なった結果、以下の手段によ
り本発明の目的が達成されることを見いだした。
【0017】支持体上にそれぞれ少なくとも一層の赤感
性ハロゲン化銀乳剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層、青
感性ハロゲン化銀乳剤層及び非感光性層を有するハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料において、該写真感光材料が
下記化5に示される一般式(I)で表される染料を含有
し、且つ該感光性ハロゲン化銀乳剤層または非感光性層
に下記化6、化7に示される一般式(1)、(2)で表
されるイエローカプラーの少なくとも1種および/また
は下記化8に示される一般式(Y)で表されるアシル基
を有するアシルアセトアミド型イエローカプラーを少な
くとも一種含有することを特徴とするハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料。
【0018】
【化5】 式中X、Yは各々電子求引性基を表わすか、XYで結合
した酸性核を表わし、Arはフェニル基または複素環基
を表し、L1 、L2 、L3 は各々メチン基を表し、nは
0、1又は2を表す。
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】 一般式(1)、(2)中、X1 及びX2 は各々アルキル
基、アリール基又は複素環基を表し、X3 は>N−とと
もに含窒素複素環基を形成する有機残基を表し、Yはア
リール基又は複素環基を表し、Zは該一般式で示される
カプラーが現像主薬酸化体と反応したとき離脱する基を
表す。
【0021】
【化8】 一般式(Y)中、D1 は一価の基を表し、QはCととも
に3〜5員の炭化水素環またはN、S、OおよびPから
選ばれる少なくとも一個のヘテロ原子を環内に有する3
〜5員の複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表
す。但し、D1 は水素原子であることはなく、また、Q
と結合して環を形成することはない。
【0022】初めに、本発明における一般式(I)で表
される染料について以下に詳しく述べる。
【0023】X、Yで表される電子吸引性基は各々シア
ノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基(例えばメト
キシカルボニル、エトキシカルボニル、ヒドロキシエト
キシカルボニル、t−アミルオキシカルボニル)、アリ
ールオキシカルボニル(例えばフェノキシカルボニル、
4−メトキシカルボニル)、アシル基(例えばアセチ
ル、ピバロイル、ベンゾイル、プロピオニル、4−メチ
ンスルホンアミドベンゾイル、4−メトキシ−3−メタ
ンスルホンアミドベンゾイル、1−メチルシクロプロピ
ルカルボニル)、カルバモイル基(例えばN−エチルカ
ルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、ピペリジ
ン−1−カルボニル、N−(3−メタンスルホンアミド
フェニル)カルバモイル)、スルホニル基(例えばベン
ゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル)を表し、
X、Yで結合した酸性核としては5または6員環基が好
ましく、5員環として例えば2−ピラゾリン−5−オ
ン、2−イソオキサゾリン−5−オン、ピラゾリジン−
3,5−ジオン、2,5−ジヒドロフラン−2−オン、
インダン−1,3−ジオンが好ましく、6員環としては
例えば1,2−ジヒドロ−6−ヒドロキシピリジン−2
−オン、バルビツール酸、チオバルビツール酸、クマリ
ンが好ましい。
【0024】Arで表されるフェニル基は電子供与性基
で置換されているフェニル基が好ましく、電子供与性基
としてはジアルキルアミノ基(例えばジメチルアミノ、
ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノ、ジ(ブトキシ
カルボニルメチル)アミノ、N−エチル−N−エトキシ
カルボニルアミノ、ジ(シアノエチル)アミノ、ピペリ
ジニル、ピロリジニル、モルホリノ、N−エチル−N−
β−メタンスルホンアミドエチルアミノ、N−エチル−
N−β−ヒドロキシエチル)、ヒドロキシ基、アルコキ
シ基(例えばメトキシ、エトキシ、エトキシカルボニル
メトキシ)が好ましい。
【0025】Arで表される複素環基としては5員環の
複素環が好ましく、例えばピロール、インドール、フラ
ン、チオフェンが特に好ましい。
【0026】L1 、L2 、L3 で表されるメチン基は置
換基を有していてもよいが無置換のメチン基が好まし
い。
【0027】本発明の一般式(I)で表される染料は好
ましくは油溶性染料である。ここで言う油溶性とは実質
的に水不溶性であって、25℃において蒸溜水1リット
ルに0.1g以下の溶解度を示す染料である。
【0028】本発明においては、一般式(I)で表され
る染料は好ましくは下記化9〜化13に示される一般式
(II)、(III)(IV)、(V)、(VI)で表
される染料である。
【0029】
【化9】 一般式(II)中、R11は水素原子、アルキル基、アリ
ール基、−COOR16、−CONR1617を表し、
12、R13、R14は水素原子、アルキル基、アリール基
を表し、R15は水素原子、アルキル基、アリール基、ア
ミノ基を表す。R13とR14で結合し6員環を形成しても
よい。R16、R17は水素原子、アルキル基、アリール基
を表す。kは0または1を表す。
【0030】
【化10】 一般式(III)中、R21は水素原子、アルキル基、ア
リール基、−COOR23、−COR23、−CONR23
24、−CN、−OR23、−NR2324、−N(R23)C
OR24を表し、R22は水素原子、アルキル基、アリール
基、複素環基を表し、R12、R13、R14、R15は前記と
同様のものを表し、R23、R24は水素原子、アルキル
基、アリール基を表す。kは0または1を表す。
【0031】
【化11】 一般式(IV)中、R11は前記と同様のものを表し、R
31、R32は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、−O
35、−COOR35を表し、R33、R34は水素原子、ア
ルキル基、アリール基を表し、R33、R34で5ないし6
員環を形成してもよい。またR32とR33、R31とR34
それぞれ連結されて5ないし6員環を形成してもよい。
35は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。kは
0または1を表す。
【0032】
【化12】 一般式(V)中、R21及びR22は前記一般式(III)
と同様のものを表し、R31、R32、R33及びR34は前記
一般式(IV)と同様のものを表す。kは0または1を
表す。
【0033】
【化13】 一般式(VI)中、Zは窒素原子またはメチン基を表
し、R41は水素原子、アルキル基、アリール基、複素環
基を表し、R42、R43、R44、R45、R46はそれぞれ水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、−O
47、−COOR47、−COR47、−CONR4748
−SO2 NR4748、−NR4748、−SO2 NHCO
47、−SO2 NHSO2 47、−CONHCOR47
−CONHSO2 47、−N(R47)SO2 48、−N
(R47)COR48を表す。R47、R48はそれぞれ水素原
子、アルキル基、アリール基、複素環基を表す。
【0034】以下に、上記一般式(II)、(II
I)、(IV)、(V)及び(VI)で表される染料に
ついて詳しく述べる。
【0035】本発明で用いられる一般式(II)、(I
II)、(IV)、(V)及び(VI)で表される化合
物において、R11、R21で表されるアルキル基は炭素数
1〜8のアルキル基が好ましく、例えばメチル、エチ
ル、第3ブチル、ノルマルブチル、1−メチルシクロプ
ロピル、クロロメチル、トリフルオロメチル、エトキシ
カルボニルメチルがある。R11、R21で表されるアリー
ル基は炭素数6〜13のアリール基が好ましく、例えば
フェニル、4−メトキシフェニル、4−アセチルアミノ
フェニル、4−メタンスルホンアミドフェニル、4−ベ
ンゼンスルホンアミドフェニルがある。R12、R13、R
14で表されるアルキル基は炭素数1〜6のアルキル基が
好ましく、例えばメチル、エチル、プロピルがある。R
12、R13、R14で表されるアリール基は炭素数6〜13
のアリール基が好ましく、例えばフェニルがある。
【0036】R15で表されるアルキル基は炭素数1〜1
8までのアルキル基が好ましく、例えばメチル、エチ
ル、エトキシカルボニルメチル、1−エトキシカルボニ
ルエチル、2−N,N−ジエチルアミノエチルがある。
15で表されるアリール基は炭素数6〜22のアリール
基が好ましく例えばフェニル、2−メトキシ−5−エト
キシカルボニルフェニル、4−{ジ(エトキシカルボニ
ルメチル)アミノ}カルボニルフェニル、4−ノルマル
オクチルオキシカルボニルフェニル、4−ブタンスルホ
ンアミドカルボニルフェニル−4−メタンスルホンアミ
ドカメボニルフェニル、4−スルファモイルフェニル、
4−メタンスルホンアミドフェニルがある。
【0037】R15で表されるアミノ基はジアルキルアミ
ノ基が好ましく、例えばジメチルアミノ、ジエチルアミ
ノ、N−メチル−N−エトキシカルボニルメチルアミ
ノ、ジ(プロポキシカルボニルメチルアミノ)がある。
【0038】R13とR14が結合して形成する6員環とし
ては、ベンゼン環が好ましい。
【0039】R22で表されるアルキル基は炭素数1〜1
8のアルキル基が好ましく、例えばメチル、エチル、ブ
チル、2−シアノエチル、2−エトキシカルボニルエチ
ル、2−カルバモイルエチル、2−オクチルオキシエチ
ルがある。
【0040】R22で表されるアリール基は炭素数6〜2
2のアリール基が好ましく、例えばフェニル、2−メト
キシ−5−エトキシカルボニルフェニル、3,5−ジ
(エトキシカルボニル)フェニル、4−{ジ(エトキシ
カルボニルアミノ)}カルボニルフェニル、4−ノルマ
ルオクチルオキシカルボニルフェニル、4−ブタンスル
ホンアミドカルボニルフェニル、4−メタンスルホンア
ミドカルボニルフェニル、3−スルファモイルフェニ
ル、4−メタンスルホンアミドフェニル、4−メタンス
ルホンアミドスルホニルフェニルがある。
【0041】R22で表される複素環基は例えばピリジ
ル、ピリミジニル、スルホニルである。
【0042】R16、R17、R23、R24、R35で表される
アルキル基は炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、
例えばメチル、エチル、ドデシル、シクロヘキシル、エ
トキシカルボニルメチル、ヒドロキシエチル、エトキシ
エチル、2−メタンスルホンアミドエチル、シアノエチ
ル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、クロロ
エチル、ブロモエチル、アセトキシエチル、ジメチルア
ミノメチルがある。
【0043】R16、R17、R23、R24、R35で表される
アリール基は炭素数6〜12のアリール基が好ましく、
例えばフェニル、4−メチルフェニル、4−メトキシフ
ェニルがある。
【0044】R31、R32は水素原子、ハロゲン原子(例
えばF、Cl、Br)を表す。R31、R32で表されるア
ルキル基は炭素数1〜6のアルキル基が好ましく例えば
メチル、エチル、2−クロロエチル、プロピル、ノルマ
ルヘキシルがある。
【0045】R33、R34は同じでも異っていてもよく、
水素原子、アルキル基(置換されてよいアルキル基であ
り、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソ
ブチル、ペンチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、オ
クチル、ドデシル、ヘキサデシル、2−クロロエチル、
3−クロロプロピル、2−ブロモエチル、2−ヒドロキ
シエチル、シアノメチル、2−シアノエチル、3−シア
ノプロピル、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピ
ル、2−エトキシエチル、2−オクチルオキシエチル、
3−エトキシペンチル、2−イソプロポキシエチル、ア
セチルメチル、2−アセチルエチル、ベンゾイルメチ
ル、アセチルオキシメチル、2−(エチルカルボニルオ
キシ)エチル、2−(ヘプタノイルオキシ)エチル、2
−(イソプロピルカルボニルオキシ)エチル、ベンゾイ
ルオキシエチル、4−クロルベンゾイルオキシメチル、
4−ニトロベンゾイルオキシエチル、アセチルアミノエ
チル、2−(エチルカルボニルアミノ)エチル、メチル
カルバモイルメチル、2−メチルアミノエチル、2−
(エチルアミノ)エチル、2−(ジメチルアミノ)エチ
ル、2−(ジエチルアミノ)エチル、2−メチルウレイ
ドエチル、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、
3−カルボキシプロピル、6−カルボキシヘキシル、メ
トキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、
2−(ブトキシカルボニル)エチル、3−(オクチルオ
キシカルボニル)プロピル、2,2,2−トリフルオロ
エトキシカルボニルメチル、イソプロピルオキシカルボ
ニルメチル、3−(t−アミルオキシカルボニル)プロ
ピル、(2−エチルヘキシル)オキシカルボニルメチ
ル、2−(エトキシカルボニル)エチル、エチルスルホ
ニルメチル、2−(メチルスルホニル)エチル、2−
(ブチルスルホニル)エチル、メチルスルホニルアミノ
メチル、2−(メチルスルホンアミノ)エチル、2−
(エチルスルホンアミノ)エチル、3−(エチルスルホ
ニルアミノ)プロピル、メチルスルファモイルエチル、
フェニルメチル基)、アリール基(置換されてよいアリ
ール基であり、例えば、フェニル、4−クロロフェニ
ル、4−シアノフェニル、4−ヒドロキシフェニル、4
−カルボキシフェニル、2−メトキシフェニル、4−メ
トキシフェニル、4−エトキシフェニル、4−オクチル
オキシフェニル、4−メチルフェニル、4−ニトロフェ
ニル基)を表わし、R33、R34で5〜6員ヘテロ環(例
えばピペリジン環、モルホリン環)を形成してもよい。
【0046】また、R32とR33、R31とR34がそれぞれ
連結されて5〜6員ヘテロ環を形成してもよい。
【0047】Zは窒素原子またはメチン基を表わすが、
好ましくは窒素原子または−CH=である。R41で表わ
されるアルキル基は炭素数1〜7のアルキル基が好まし
く、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロ
ヘキシルなどが好ましく置換基を有していてもよい。R
41で表わされるアリール基は炭素数6〜10のアリール
基が好ましく、例えばフェニル、ナフチルが好ましい。
これらは置換基を有していてもよく、置換基としては塩
素原子等のハロゲン原子、エトキシカルボニル基、アセ
トキシ基等のエステル基、カルボキシ基、メタンスルホ
ンアミド、エタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンア
ミド等のスルホンアミド基、スルファモイル基、アセチ
ルアミノスルホニル基、メチルスルホニルアミノスルホ
ニル基、メチルスルホニルアミノカルボニル基、水酸
基、ジアルキルアミノ基、アルキル基が好ましい。
【0048】R42、R43、R44、R45、R46で表わされ
るハロゲン原子は塩素原子が好ましい。
【0049】R42、R43、R44、R45、R46で表わされ
るアルキル基は炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、
メチル、エチルがとくに好ましい。
【0050】R42、R43、R44、R45、R46で表わされ
るアリール基は炭素数6〜10のアリール基が好まし
く、フェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル等が
とくに好ましい。
【0051】R47、R48で表わされるアルキル基は炭素
数1〜12のアルキル基が好ましく、無置換のアルキル
基(例えばメチル、エチル、プロピル)、置換アルキル
基(エトキシカルボニルメチル、2−エチルヘキシルオ
キシカルボニルエチル等のエステル基を有するアルキル
基、N−プロピルカルバモイルメチル、アセトアミドエ
チル等のアミド基を有するアルキル基、トリフルオロメ
チル、2,2,2−トリクロロエチル等のハロゲン原子
を有するアルキル基、2−ヒドロキシエチル等の水酸基
を有するアルキル基、2−メタンスルホンアミドエチ
ル、3−スルファモイルプロピル等のスルホンアミド基
を有するアルキル基、カルボキシメチル、2−カルボキ
シ−2−プロピル基等のカルボキシ基を有するアルキル
基など)が好ましい。
【0052】R47、R48で表わされるアリール基は炭素
数6〜10のアリール基が好ましく無置換のアリール基
(例えばフェニル)、置換のアリール基(4−ヒドロキ
シフェニル等のヒドロキシ基を有するアリール基、4−
ニトロフェニル等ニトロ基を有するアリール基、ジメチ
ルアミノフェニル等アミノ基を有するフェニル基、2−
カルボキシフェニル、2−メトキシ−5−カルボキシフ
ェニル等カルボキシ基を有するフェニル基など)が好ま
しい。
【0053】R47、R48で表わされる複素環基はフリ
ル、ピリジル等が好ましい。
【0054】kは好ましくは0である。
【0055】下記化14〜化54に一般式(I)〜(V
I)で表わされる化合物の具体例を示すが本発明はこれ
らに限定されるものではない。
【0056】
【化14】
【0057】
【化15】
【0058】
【化16】
【0059】
【化17】
【0060】
【化18】
【0061】
【化19】
【0062】
【化20】
【0063】
【化21】
【0064】
【化22】
【0065】
【化23】
【0066】
【化24】
【0067】
【化25】
【0068】
【化26】
【0069】
【化27】
【0070】
【化28】
【0071】
【化29】
【0072】
【化30】
【0073】
【化31】
【0074】
【化32】
【0075】
【化33】
【0076】
【化34】
【0077】
【化35】
【0078】
【化36】
【0079】
【化37】
【0080】
【化38】
【0081】
【化39】
【0082】
【化40】
【0083】
【化41】
【0084】
【化42】
【0085】
【化43】
【0086】
【化44】
【0087】
【化45】
【0088】
【化46】
【0089】
【化47】
【0090】
【化48】
【0091】
【化49】
【0092】
【化50】
【0093】
【化51】
【0094】
【化52】
【0095】
【化53】
【0096】
【化54】 一般式(II)、(III)、(IV)、(V)及び
(VI)で表わされる化合物は以下のようにして合成す
ることが可能である。例えば酸性核としてイソオキサゾ
ロンを用い、アルデヒドとしてピロール−3−アルデヒ
ドを用い有機溶媒中(例えばメタノール、エタノール、
イソプロパノール、DMF、アセトニトリル、酢酸、ピ
リジン)、触媒(例えばピペリジン、グリシン、β−ア
ラニン、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン
酸、酢酸アンモニウム)の存在下に室温ないし還流の条
件において合成できる。その他の酸性核としてピラゾロ
ンがあり、アルデヒドとしてはインドール−3−アルデ
ヒド、ベンズアルデヒドがある。
【0097】合成法は例えば特開平3−72340号、
同3−72342号、米国特許第3,627,532号
などに記載された方法を参考にすることができる。
【0098】一般式(VI)で表わされる化合物はジャ
ーナル・オブ・ケミカル・アンド・エンジニアリング・
データ(J.Chem.Eng.Data)第22巻、
104頁、1977年、ジャーナル・オブ・ジ・アメリ
カン・ケミカル・ソサエティー(J.Am.Chem.
Soc.)第79巻、1955頁、1957年、カナデ
ィアン・ジャーナル・オブ・ケミストリー(Can.
J.Chem.)第41巻、1813頁、1963年な
どに記載の方法により合成することが可能である。 II−1の合成例 4−オクチルオキシカルボニルアニリン57.8g、ア
セトニルアセトン27.4g、濃硫酸1滴の混合液を1
50℃で1時間加熱した。反応混合物を酢酸エチルで希
釈し水で洗浄し、乾燥、濃縮し1−(4−オクチルオキ
シカルボニルフェニル)−2,5−ジメチルピロールを
得た。
【0099】DMF100ミリリットルとオキシ塩化リ
ン33.7gより調製したVilsmeier試薬溶液
に上記ピロールのDMF(100ミリリットル)溶液を
氷冷下滴下した。室温で30分攪拌した後、反応溶液を
炭酸カリウム91.2g、水400ミリリットルの溶液
の中へ加えた混合物を酢酸エチルで抽出し、塩水で洗浄
後、乾燥、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトにより
精製し、1−(4−オクチルオキシカルボニルフェニ
ル)−2,5−ジメチル−3−ホルミルピロールを得
た。
【0100】3−(4−メタンスルホンアミドフェニ
ル)−イソオキサゾリン−5−オン2.5g、上記で得
たホルミルピロール3.9g、アセトニトリル30ミリ
リットル、ピペリジン1滴の混合物を2時間加熱攪拌し
た。
【0101】反応液を濃縮後カラムクロマトにより精製
しガラス状のII−1を5.1g得た。λmax401
nm(AcOEt)。
【0102】3−(4−メタンスルホンアミドフェニ
ル)−イソオキサゾリン−5−オン2.6g、1−ドデ
シル−3−ホルミルインドール4.4g、エタノール2
0ミリリットルの溶液を1時間加熱還流した。反応混合
物を濃縮しカラムクロマトにより精製した後、イソプロ
パノールを用いて再結晶しII−21を2.5g得た。
λmax428nm(AcOEt)。 III−15の合成例 3−エトキシカルボニル−1−(4−スルホフェニル)
ピラゾロンナトリウム塩33.4g、トリエチルアミン
11.1g、DMF200ミリリットルの混合物に氷水
冷下塩化ベンゾイル15.5gを滴下し2時間室温で攪
拌する。アセトンを加え析出した結晶を濾取し乾燥する
ことにより5−ベンゾイルオキシ−3−エトキシカルボ
ニル−1−(4−スルホフェニル)−ピラゾールトリエ
チルアミン塩36.5gを得た。
【0103】上記で得た保護したピラゾロン36.5g
とアセトニトリル108ミリリットルの混合物に氷冷下
オキシ塩化リン22.1gを加えさらにN,N−ジメチ
ルアセトアミド43ミリリットルを加え室温で2時間攪
拌した。反応混合物を氷水300gに注ぎ析出した結晶
を濾集、乾燥し、5−ベンゾイルオキシ−3−エトキシ
カルボニル−1−(4−クロロスルホニルフェニル)ピ
ラゾール18.5gを得た。
【0104】水素化ナトリウム(60%)0.6g、
N,N−ジメチルアセトアミド5ミリリットルの混合物
に氷冷下アセトアミド0.4gをゆっくり添加した。上
記混合物に氷冷下上記記載のスルホニルクロリド2.2
gとN,N−ジメチルアセトアミド5ミリリットルを加
え室温下1時間攪拌した。上記反応混合物にエタノール
10ミリリットルを加え、2時間加熱還流した後、希塩
酸に注いだ。酢酸エチルで抽出、乾燥、濃縮し3−エト
キシカルボニル−1−(4−アセチルアミノスルホニル
フェニル)ピラゾロンを得た。
【0105】上記ピラゾロンと1−(4−エトキシカル
ボニルフェニル)−3−ホルミル−2,5−ジメチルピ
ロール4.1gとエタノール30ミリリットルの混合物
を4時間加熱攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈
し食塩水で洗浄後、乾燥、濃縮した。粗生成物をカラム
クロマトにより精製し、イソプロパノールで再結晶する
ことによりIII−15を0.6g得た。λmax43
6nm(AcOEt)。 IV−3の合成例 4−メタンスルホンアミドベンゾイル酢酸エチル23.
0g、ヒドロキシルアミン塩酸塩5.8g、メタノール
35ミリリットルの混合物に酢酸カリウム8.2gを加
え30分間加熱還流した。反応混合物を水210ミリリ
ットルに注ぎ析出した結晶を濾集し乾燥することにより
3−(4−メタンスルホンアミドフェニル)イソオキサ
ゾリン−5−オンを11.3g得た。
【0106】上記で得たイソオキサゾロン2.5g、4
−ジ(ノルマルブトキシカルボニルメチル)アミノベン
ズアルデヒド4.3g、ピペリジン1滴、アセトニトリ
ル20ミリリットルの混合物を3時間加熱還流した。反
応混合物を酢酸エチルで希釈し、食塩水で洗浄後、乾燥
・濃縮、イソプロパノールを用いた再結晶によりIV−
3を3.3g得た。λmax442nm(AcOE
t)。 VI−16の合成例 ベンゾイルプロピオン酸12.5g、無水酢酸50ミリ
リットルの溶液を100℃で1時間攪拌した。溶媒を減
圧下留去し残渣に水を15ミリリットル、エタノールを
45ミリリットル加え結晶化させた。結晶を濾取し、乾
燥することによりγ−フェニル−Δβ,γ−ブテノリド
7.2gを得た。
【0107】4−(N−エチル−N−β−メタンスルホ
ンアミドエチル)アミノ−2−メチルアニリン硫酸塩
4.4g(10mmol)、濃塩酸2.1ミリリット
ル、水10ミリリットルの溶液に亜硝酸ナトリウム0.
78g、水2.0ミリリットルを加えジアゾニウム塩溶
液を調製した。
【0108】γ−フェニル−Δβ,γ−ブテノリド1.
6g、トリエチルアミン4.5g、メタノール10ミリ
リットルの溶液をジアゾニウム塩溶液に加え室温で1時
間攪拌した。
【0109】酢酸エチルで抽出し硫酸マグネシウムで乾
燥し減圧下に溶媒を留去した。シリカゲルクロマトによ
り精製しVI−16の橙色結晶を0.1g得た。λma
x505nm、ε3.16×104 (酢酸エチル) 一般に一般式(I)〜(VI)の染料は感光材料の面積
1m2 当り1〜800mg程度用いられる。
【0110】一般式(I)〜(VI)に示される染料を
フィルター染料又はアンチハレーション染料として使用
するときは、効果のある任意の量を使用できるが、光学
濃度が0.05ないし、3.0の範囲になるように使用
するのが好ましい。添加時期は塗布される前のいかなる
工程でもよい。
【0111】本発明による染料は、乳剤層その他の親水
性コロイド層(中間層、保護層、アンチハレーション
層、フィルター層など)中に種々の公知の方法で分散す
ることができる。
【0112】(i)本発明の染料を直接に乳剤層や親水
性コロイド層に溶解もしくは分散させる方法または水性
溶液または溶媒に溶解もしくは分散させた後、乳剤層や
親水性コロイド層に用いる方法、適当な溶媒、例えば、
メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコ
ール、メチルセルソルブ、特開昭48−9715号、米
国特許第3,756,830号に記載のハロゲン化アル
コール、アセトン、水、ピリジンなどあるいは、これら
の混合溶媒などの中に溶解され溶液の形で、乳剤へ添加
することもできる。
【0113】(ii)化合物を実質的に水不溶で沸点が
約160℃以上の高沸点溶媒に溶解した液を親水性コロ
イド溶液に加えて分散する方法。この高沸点溶媒として
は、米国特許第2,322,027号に記載されている
ような、例えばフタール酸アルキルエステル(ジブチル
フタレート、ジオクチルフタレートなど)、リン酸エス
テル(ジフェニルフォスフェート、トリフェニルフォス
フェート、トリクレジルフォスフェート、ジオクチルブ
チルフォスフェート)、クエン酸エステル(例えばアセ
チルクエン酸トリブチル)、安息香酸エステル(例えば
安息香酸オクチル)、アルキルアミド(例えばジエチル
ラウリルアミド)、脂肪酸エステル類(例えばジブトキ
シエチルサクシネート、ジエチルアゼレート)、トリメ
シン酸エステル類(例えばトリメシン酸トリブチル)な
どが使用できる。また、沸点約30℃ないし約150℃
の有機溶媒、例えば酢酸エチル、酢酸ブチルの如き低級
アルキルアセレート、プロピオン酸エチル、2級ブチル
アルコール、メチルイソブチルケトン、β−エトキシエ
チルアセテート、メチルセロソルブアセテートや水に溶
解しやすい溶媒、例えばメタノールやエタノール等のア
ルコールを用いることもできる。
【0114】ここで染料と高沸点溶媒との使用比率とし
ては10〜1/10(重量比)が好ましい。
【0115】(iii)本発明の染料およびその他の添
加物の写真乳剤層その他の親水性コロイド層充填ポリマ
ーラテックス組成物として含ませる方法。
【0116】前記ポリマーラテックスとしては例えば、
ポリウレタンポリマー、ビニルモノマーから重合される
ポリマー〔適当なビニルモノマーとしてはアクリル酸エ
ステル(メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブ
チルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルア
クリレート、ドデシルアクリレート、グリシジルアクリ
レート等)、α−置換アクリル酸エステル(メチルメタ
クリレート、ブチルメタクリレート、オクチルメタクリ
レート、グリシジルメタクリレート等)、アクリルアミ
ド(ブチルアクリルアミド、ヘキシルアクリルアミド
等)、α−置換アクリルアミド(ブチルメタクリルアミ
ド、ジブチルメタクリルアミド等)、ビニルエステル
(酢酸ビニル、酪酸ビニル等)、ハロゲン化ビニル、
(塩化ビニル等)、ハロゲン化ビニリデン(塩化ビニリ
デン等)、ビニルエーテル(ビニルメチルエーテル、ビ
ニルオクチルエーテル等)、スチレン、X−置換スチレ
ン(α−メチルスチレン等)、核置換スチレン(ヒドロ
キシスチレン、クロロスチレン、メチルスチレン等)、
エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、アクリ
ロニトリル等を挙げることができる。これらは単独でも
2種以上を組合せてもよいし、他のビニルモノマーをマ
イナー成分として混合してもよい。他のビニルモノマー
としては、イタコン酸、アクリル酸、メタアクリル酸、
ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキル
メタクリレート、スルホアルキルアクリレート、スルホ
アルキルメタクリレート、スチレンスルホン酸等が挙げ
られる。〕等を用いることができる。
【0117】これら充填ポリマーラテックスは、特公昭
51−39853号、特開昭51−59943号、同5
3−137131号、同54−32552号、同54−
107941号、同55−133465号、同56−1
9043号、同56−19047号、同56−1268
30号、同58−149038号に記載の方法に準じて
製造できる。
【0118】ここで染料とポリマーラテックスの使用比
率としては10〜1/10(重量比)が好ましい。
【0119】(iv)化合物を界面活性剤を用いて溶解
する方法。有用な界面活性剤として、オリゴマーないし
はポリマーであってもよい。
【0120】この重合体の詳細については、特開昭60
−158437の明細書第19頁〜27頁に記載されて
いる。
【0121】(v)上記(ii)の高沸点溶媒に代え
て、又は高沸点溶媒と併用して親水性ポリマーを用いる
方法。この方法に関しては例えば米国特許第3,61
9,195号、西独特許第1,957,467号に記載
されている。
【0122】(vi)特開昭59−113434号に記
載されているような側鎖にカルボキシル基、スルホン酸
基などを有するポリマーによるマイクロカプセル法。
【0123】また、上記で得た親水性コロイド分散中、
例えば特公昭51−39835号記載の親油性ポリマー
のヒドロゾルを添加してもよい。
【0124】本発明においては、上記(ii)に記載し
た水不溶性の高沸点溶媒を用いる水中油滴分散法による
分散物を乳剤に添加する方法が好ましい。
【0125】親水性コロイドとしては、ゼラチンが代表
的なものであるが、その他写真用に使用しうるものとし
て従来知られているものはいずれも使用できる。
【0126】本発明による染料は、乳剤層その他の親水
性コロイド層中に分散することができるが、緑感光性ハ
ロゲン化乳剤層よりも支持体から遠い側の層中に分散す
るのが好ましく、イエローフィルター層を設けた感光材
料においては、該イエローフィルター層中に分散するの
が特に好ましい。これは、本発明の染料が黄色コロイド
銀に比べて特定波長に対する光吸収がシャープで、イエ
ローフィルター層に用いるとコロイド銀を用いた場合よ
り緑感乳剤層において著しい感度上昇が達成されるため
である。
【0127】次に、一般式(1)および(2)で示され
るカプラーについて詳しく述べる。
【0128】X1 およびX2 がアルキル基を表すとき、
炭素数1〜30、好ましくは1〜20の、直鎖、分岐、
環状、飽和、不飽和、置換または無置換のアルキル基で
ある。アルキル基の例としてはメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、シクロプロピル、アリル、t−オクチル、
i−ブチル、ドデシル、2−ヘキシルデシルが挙げられ
る。
【0129】X1 およびX2 が複素環基を表すとき、こ
の複素環基は、炭素数が1〜20、好ましくは1〜10
であり、ヘテロ原子として例えば窒素原子、酸素原子ま
たは硫黄原子を少なくとも一個以上含む、3〜12、好
ましくは5もしくは6員環の、飽和もしくは不飽和、置
換もしくは無置換、並びに単環もしくは縮合環の複素環
基である。複素環基の例としては、3−ピロリジニル、
1,2,4−トリアゾール−3−イル、2−ピリジル、
4−ピリミジニル、3−ピラゾリル、2−ピロリル、
2,4−ジオキソ−1,3−イミダゾリジン−5−イル
またはピラニルが挙げられる。
【0130】X1 およびX2 がアリール基を表すとき、
炭素数6〜20、好ましくは6〜10の置換または無置
換のアリール基を表す。アリール基の例としてはフェニ
ル、ナフチルが代表的である。
【0131】X3 が>N−とともに形成する含窒素複素
環基を表すとき、この複素環基は、炭素数が1〜20、
好ましくは1〜15であり、ヘテロ原子として窒素原子
以外に、例えば酸素原子または硫黄原子を含んでもよ
い、3〜12員環、好ましくは5もしくは6員環の、置
換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、並びに単環も
しくは縮合環の複素環基である。この複素環基の例とし
ては、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、1−ピペ
ラジニル、1−インドリニル、1,2,3,4−テトラ
ヒドロキノリン−1−イル、1−イミダゾリジニル、1
−ピラゾリル、1−ピロリニル、1−ピラゾリジニル、
2,3−ジヒドロ−1−インダゾリル、2−イソインド
リニル、1−インドリル、1−ピロリル、4−チアジン
−S,S−ジオキソ−4−イルまたはベンズオキサジン
−4−イルが挙げられる。
【0132】前記X1 およびX2 が置換基を有するアル
キル、同アリールもしくは同複素環基を表すとき、およ
び、X3 が>N−とともに形成する含窒素複素環基が置
換基を有するとき、それらの置換基の例としては次のも
のが挙げられる。ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩
素)、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜30、好ま
しくは2〜20。例えばメトキシカルボニル、ドデシル
オキシカルボニル、ヘキサデシルオキシカルボニル)、
アシルアミノ基(炭素数2〜30、好ましくは2〜2
0。例えばアセトアミド、テトラデカンアミド、2−
(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブタンアミド、
ベンズアミド)、スルホンアミド基(炭素数1〜30、
好ましくは1〜20。例えばメタンスルホンアミド、ド
デカンスルホンアミド、ヘキサデキルスルホンアミド、
ベンゼンスルホンアミド)、カルバモイル基(炭素数1
〜30、好ましくは1〜20。例えばN−ブチルカルバ
モイル、N,N−ジエチルカルバモイル)、N−スルホ
ニルカルバモイル基(炭素数1〜30、好ましくは1〜
20。例えばN−メシルカルバモイル、N−ドデシルス
ルホニルカルバモイル)、スルファモイル基(炭素数1
〜30、好ましくは1〜20。例えばN−ブチルスルフ
ァモイル、N−ドデシルスルファモイル、N−ヘキサデ
シルスルファモイル、N−3−(2,4−ジ−t−アミ
ルフェノキシ)ブチルスルファモイル、N,N−ジエチ
ルスルファモイル)、アルコキシ基(炭素数1〜30、
好ましくは1〜20。例えばメトキシ、ヘキサデシルオ
キシ、イソプロポキシ)、アリールオキシ基(炭素数6
〜20、好ましくは6〜10。例えばフェノキシ、4−
メトキシフェノキシ、3−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェノキシ、ナフトキシ)、アリールオキシカルボニル
基(炭素数7〜21、好ましくは7〜11。例えばフェ
ノキシカルボニル)、N−アシルスルファモイル基(炭
素数2〜30、好ましくは2〜20。例えばN−プロパ
ノイルスルファモイル、N−テトラデカノイルスルファ
モイル)、スルホニル基(炭素数1〜30、好ましくは
1〜20。例えばメタンスルホニル、オクタンスルホニ
ル、4−ヒドロキシフェニルスルホニル、ドデカンスル
ホニル)、アルコキシカルボニルアミノ基(炭素数2〜
30、好ましくは2〜20。例えばエトキシカルボニル
アミノ)、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、ヒド
ロキシル基、スルホ基、アルキルチオ基(炭素数1〜3
0、好ましくは1〜20。例えばメチルチオ、ドデシル
チオ、ドデシルカルバモイルメチルチオ)、ウレイド基
(炭素数1〜30、好ましくは1〜20。例えばN−フ
ェニルウレイド、N−ヘキサデシルウレイド)、アリー
ル基(炭素数6〜20、好ましくは6〜10。例えばフ
ェニル、ナフチル、4−メトキシフェニル)、複素環基
(炭素数1〜20、好ましくは1〜10。ヘテロ原子と
して、例えば窒素、酸素または硫黄を少なくとも一個以
上含み、3〜12、好ましくは5もしくは6員環の、単
環もしくは縮合環。例えば2−ピリジル、3−ピラゾリ
ル、1−ピロリル、2,4−ジオキソ−1,3−イミダ
ゾリジン−1−イル、2−ベンズオキサゾリル、モルホ
リノ、イミドリル)、アルキル基(炭素数1〜30、好
ましくは1〜20の直鎖、分岐もしくは環状、並びに飽
和もしくは不飽和アルキル、例えばメチル、エチル、イ
ソプロピル、シクロプロピル、t−ペンチル、t−オク
チル、シクロペンチル、t−ブチル、s−ブチル、ドデ
シル、2−ヘキシルデシル)、アシル基(炭素数1〜3
0、好ましくは2〜20。例えばアセチル、ベンゾイ
ル)、アシルオキシ基(炭素数1〜30、好ましくは2
〜20。例えばプロパノイルオキシ、テトラデカノイル
オキシ)、アリールチオ基(炭素数6〜20、好ましく
は6〜10。例えばフェニルチオ、ナフチルチオ)、ス
ルファモイルアミノ基(炭素数0〜30、好ましくは0
〜20。例えばN−ブチルスルファモイルアミノ、N−
ドテシルスルファモイルアミノ、N−フェニルスルファ
モイルアミノ)またはN−スルフォニルスルファモイル
基(炭素数1〜30、好ましくは1〜20。例えばN−
メシルスルファモイル、N−エタンスルフォニルスルフ
ァモイル、N−ドデカンスルホニルスルファモイル、N
−ヘキサデカンスルホニルスルファモイル)が挙げられ
る。上記の置換基はさらに置換基を有してもよい。その
置換基の例としてはここで挙げた置換基が挙げられる。
【0133】上記の中で好ましい置換基としては、アル
コキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、ア
シルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニル基、カルバ
モイル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ニト
ロ基、アルキル基またはアリール基が挙げられる。
【0134】一般式(1)および(2)においてYがア
リール基を表すとき、Yは炭素数6〜20、好ましくは
6〜10の置換または無置換のアリール基である。例え
ばフェニル基およびナフチル基がその代表的な例であ
る。
【0135】一般式(1)および(2)においてYが複
素環基を表すとき、Yは、上述のX 1 またはX2 が複素
環基を表すときの説明と同じ意味を有する。
【0136】上記Yが置換アリール基または置換複素環
基を表すとき、置換基の例としては、例えば、前記X1
が置換基を有するときの例として列挙した置換基が挙げ
られる。Yが有する置換基として好ましい例としては、
その置換基の一個が、ハロゲン原子、アルコキシカルボ
ニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニ
ル基、N−スルホニルスルファモイル基、N−アシルス
ルファモイル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、N−
スルホニルカルバモイル基、スルホンアミド基またはア
ルキル基であるときである。
【0137】Yとして特に好ましい例は、少なくとも一
個の置換基がオルト位にあるフェニル基である。
【0138】一般式(1)および(2)においてZで示
される基としては、従来知られているカップリング離脱
基のいずれであってもよい。好ましいZとしては、窒素
原子でカップリング位と結合する含窒素複素環基、アリ
ールオキシ基、アリールチオ基、複素環オキシ基、複素
環チオ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ア
ルキルチオ基またはハロゲン原子が挙げられる。
【0139】これらの脱離基は、非写真性有用基または
写真性有用基もしくはその前駆体(例えば現像抑制剤、
現像促進剤、脱銀促進剤、カブラセ剤、色素、硬膜剤、
カプラー、現像主薬酸化体スカベンジャー、蛍光色素、
現像主薬または電子移動剤)のいずれであってもよい。
【0140】Zが写真性有用基であるとき、従来知られ
ているものが有用である。例えば米国特許第4,24
8,962号、同4,409,323号、同4,43
8,193号、同4,421,845号、同4,61
8,571号、同4,652,516号、同4,86
1,701号、同4,782,012号、同4,85
7,440号、同4,847,185号、同4,47
7,563号、同4,438,193号、同4,62
8,024号、同4,618,571号、同4,74
1,994号、ヨーロッパ公開特許第193,389A
号、同348,139A号または同272,573A号
に記載の写真性有用基もしくはそれを放出するための離
脱基(例えばタイミング基)が用いられる。
【0141】Zがカップリング位と窒素原子で結合する
含窒素複素環基を表すとき、この含窒素複素環基は、炭
素数が1〜15、好ましくは1〜10である、5もしく
は6員環の、置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽
和、並びに単環もしくは縮合環の複素環基であることが
好ましい。ヘテロ原子としては、窒素原子以外に、酸素
原子または硫黄原子を含んでもよい。複素環基の好まし
い具体例としては、1−ピラゾリル、1−イミダゾリ
ル、ピロリノ、1,2,4−トリアゾール−2−イル、
1,2,3−トリアゾール−1−イル、ベンゾトリアゾ
リル、ベンズイミダゾリル、イミダゾリジン−2,4−
ジオン−3−イル、オキサゾリジン−2,4−ジオン−
3−イル、1,2,4−トリアゾリジン−3,5−ジオ
ン−4−イル、イミダゾリジン−2,4,5−トリオン
−3−イル、2−イミダゾリノン−1−イル、3,5−
ジオキソモルホリノまたは1−インダゾリルが挙げられ
る。これらの複素環基が置換基を有するとき、その置換
基としては、前記X1 で示される基が有してもよい置換
基として列挙した置換基がその例として挙げられる。好
ましい置換基としては、置換基の一個がアルキル基、ア
ルコキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アシル
アミノ基、スルホンアミド基、アリール基、ニトロ基、
カルバモイル基、シアノ基またはスルホニル基であると
きである。
【0142】Zが芳香族オキシ基を表すとき、好ましく
は炭素数6〜10の置換または無置換の芳香族オキシ基
である。特に好ましくは置換または無置換のフェノキシ
基である。置換基を有するとき、置換基の例としては、
前記X1 で示される基が有してもよい置換基として列挙
した置換基がその例として挙げられる。その中で好まし
い置換基としては、少なくとも一個の置換基が電子吸引
性置換基である場合であり、その例としてはスルホニル
基、アルコキシカルボニル基、スルファモイル基、ハロ
ゲン原子、カルバモイル基、ニトロ基、シアノ基または
アシル基が挙げられる。
【0143】Zが芳香族チオ基を表すとき、好ましくは
炭素数6〜10の置換または無置換の芳香族チオ基であ
る。特に好ましくは置換または無置換のフェニルチオ基
である。置換基を有するとき、置換基の例としては、前
記X1 で示される基が有してもよい置換基として列挙し
た置換基がその例として挙げられる。その中で好ましい
置換基としては、少なくとも一個の置換基が、アルキル
基、アルコキシ基、スルホニル基、アルコキシカルボニ
ル基、スルファモイル基、ハロゲン原子、カルバモイル
基、またはニトロ基であるときである。
【0144】Zが複素環オキシ基を表すとき、複素環基
の部分は、炭素数が1〜20、好ましくは1〜10であ
り、ヘテロ原子として例えば窒素原子、酸素原子または
硫黄原子を少なくとも1個以上含む、3〜12、好まし
くは5もしくは6員環の、置換もしくは無置換、飽和も
しくは不飽和、並びに単環もしくは縮合環の複素環基で
ある。複素環オキシ基の例としては、ピリジルオキシ
基、ピラゾリルオキシ基、またはフリルオキシ基が挙げ
られる。置換基を有するとき、置換基の例としては、前
記X1 で示される基が有してもよい置換基として列挙し
た置換基がその例として挙げられる。その中で好ましい
置換基としては、置換基の一個がアルキル基、アリール
基、カルボキシル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ア
ルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、
アルキルチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、
ニトロ基、カルバモイル基、またはスルホニル基である
ときである。
【0145】Zが複素環チオ基を表すとき、複素環基の
部分は、炭素数が1〜20、好ましくは1〜10であ
り、ヘテロ原子として例えば窒素原子、酸素原子または
硫黄原子を少なくとも一個以上含む、3〜12、好まし
くは5もしくは6員環の、置換もしくは無置換、飽和も
しくは不飽和、並びに単環もしくは縮合環の複素環基で
ある。複素環チオ基の例としては、テトラゾリルチオ
基、1,3,4−チアジアゾリルチオ基、1,3,4−
オキサジアゾリルチオ基、1,3,4−トリアゾリルチ
オ基、ベンゾイミダゾリルチオ基、ベンゾチアゾリルチ
オ基、または2−ピリジルチオ基が挙げられる。置換基
を有するとき、置換基の例としては、前記X1 で示され
る基が有してもよい置換基として列挙した置換基がその
例として挙げられる。その中で好ましい置換基として
は、置換基の少なくとも一個がアルキル基、アリール
基、カルボキシル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ア
ルコキシカルボニル基、アリールオキシオルボニル基、
アルキルチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、
ニトロ基、カルバモイル基、ヘテロ環基またはスルホニ
ル基であるときである。
【0146】Zがアシルオキシ基を表すとき、このアシ
ルオキシ基は、好ましくは炭素数が6〜10であり、単
環もしくは縮合環である。置換もしくは無置換の芳香族
アシルオキシ基、または炭素数が2〜30、好ましくは
2〜20である置換もしくは無置換の脂肪族アシルオキ
シ基である。これらが置換基を有するとき、置換基の例
としては、前記X1 で示される基が有してもよい置換基
として列挙した置換基がその例として挙げられる。
【0147】Zがカルバモイルオキシ基を表すとき、こ
のカルバモイルオキシ基は、炭素数1〜30、好ましく
は1〜20の、脂肪族、芳香族、複素環、置換もしくは
無置換のカルバモイルオキシ基である。例えばN,N−
ジエチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイ
ルオキシ、1−イミダゾリルカルボニルオキシまたは1
−ピロロカルボニルオキシが挙げられる。これらが置換
基を有するとき、置換基の例としては、前記X1 で示さ
れる基が有してもよい置換基として列挙した置換基がそ
の例として挙げられる。
【0148】Zがアルキルチオ基を表すとき、このアル
キルチオ基は、炭素数が1〜30、好ましくは1〜20
である、直鎖、分岐もしくは環状、飽和もしくは不飽
和、並びに置換もしくは無置換のアルキルチオ基であ
る。置換基を有するとき、置換基の例としては、前記X
1 で示される基が有してもよい置換基として列挙した置
換基がその例として挙げられる。
【0149】次に一般式(1)および(2)で表わされ
るカプラーの特に好ましい範囲について以下に述べる。
【0150】一般式(1)においてX1 で示される基
は、好ましくはアルキル基である。特に好ましくは炭素
数1〜10のアルキル基である。
【0151】一般式(1)および(2)においてYで示
される基は、好ましくは芳香族基である。特に好ましく
は、オルト位に置換基を少なくとも一個有するフェニル
基である。置換基の説明は前記Yが芳香族基である時有
してもよい置換基として列挙したものが挙げられる。好
ましい置換基の例も同じである。
【0152】一般式(1)および(2)においてZで示
される基は、好ましくは5〜6員の、窒素原子でカップ
リング位と結合する含窒素複素環基、芳香族オキシ基、
5〜6員の複素環オキシ基、または5〜6員の複素環チ
オ基が挙げられる。
【0153】一般式(1)または(2)で表わされるカ
プラーのうち、好ましいカプラーは下記化55〜化57
に示される一般式(3)、(4)または(5)で示され
るカプラーである。
【0154】
【化55】
【0155】
【化56】
【0156】
【化57】 これら式中Zは一般式(1)における説明と同じ意味を
表し、X4 はアルキル基を表し、X5 はアルキル基もし
くは芳香族基を表し、Arはオルト位に少なくとも一個
の置換基を有するフェニル基を表し、X6 は−C(R1
2 )−N<とともに含窒素複素環基(単環または縮合
環)を形成する有機残基を表し、X7 は−C(R3 )=
C(R4 )−N<とともに含窒素複素環基(単環または
縮合環)を形成する有機残基を表し、R1 、R2 、R3
およびR4 は水素原子または置換基を表す。
【0157】一般式(3)〜(5)においてX4
7 、ArおよびZで示される基の詳しい説明および好
ましい範囲については、一般式(1)および(2)で述
べた説明のなかで、該当する基の説明と同じ意味であ
る。R1 〜R4 が置換基を表すとき、前記X1 が有して
もよい置換基として列挙したものがその例として挙げら
れる。
【0158】上記の一般式の中で特に好ましいカプラー
は、一般式(4)または(5)で表されるカプラーであ
る。
【0159】一般式(1)〜(5)で示されるカプラー
は、X1 〜X7 、Y、Ar、R1 〜R4 およびZで示さ
れる基において2価またはそれ以上の基を介して互いに
結合する2量体またはそれ以上の多量体(例えばテロマ
ーまたはポリマー)を形成してもよい。この場合、前記
の各置換基において示した炭素原子数範囲の規定外とな
ってもよい。
【0160】一般式(1)〜(5)で示されるカプラー
は、耐拡散型カプラーであることが好ましい。耐拡散型
カプラーとは、添加した層に分子を不動化させるため
に、十分に分子量を大きくする基(耐拡散基)を分子中
に有するカプラーのことである。耐拡散基としては、通
常、総炭素数8〜30、好ましくは10〜20のアルキ
ル基または総炭素数4〜20の置換基を有するアリール
基が用いられる。これらの耐拡散基は分子中のいずれに
置換されていてもよく、また複数個有していてもよい。
【0161】下記化58〜化79に一般式(1)〜
(5)で示されるイエローカプラーの具体例を示すが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0162】
【化58】
【0163】
【化59】
【0164】
【化60】
【0165】
【化61】
【0166】
【化62】
【0167】
【化63】
【0168】
【化64】
【0169】
【化65】
【0170】
【化66】
【0171】
【化67】
【0172】
【化68】
【0173】
【化69】
【0174】
【化70】
【0175】
【化71】
【0176】
【化72】
【0177】
【化73】
【0178】
【化74】
【0179】
【化75】
【0180】
【化76】
【0181】
【化77】
【0182】
【化78】
【0183】
【化79】 なお、化76におけるYA−56およびYA−57、化
77におけるYA−58、化78におけるYA−63並
びに化79におけるYA−64〜YA−67において、
「}」は置換基がベンゾトリアゾリル基の5位または6
位に置換していることを示す。
【0184】一般式(1)〜(5)で表わされる、本発
明に用いられるイエローカプラーは、以下のルートによ
って合成できる。 合成例−1
【0185】
【化80】 中間体Bの合成 化合物A357.5g(3.0モル)、化合物B39
6.3g(3.0モル)を酢酸エチル1.2リットル、
ジメチルホルムアミド0.6リットルに溶解した。攪拌
しながら、ジシクロヘキシルカルボジイミド631g
(3.06モル)のアセトニトリル(400ml)溶液
を15〜35℃で滴下した。20〜30℃で2時間反応
させた後、析出したジシクロヘキシル尿素を濾取した。
濾液に酢酸エチル500ml、水1リットルを入れ、水
層を除去した。次に、有機層を水1リットルで2回水洗
した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、酢酸
エチルを減圧留去し、油状物として中間体Aを692g
(98.9%)得た。
【0186】中間体A692g(2.97モル)をエチ
ルアルコール3リットルに溶解し、攪拌しながら、75
〜80℃で30%水酸化ナトリウム430gを滴下し
た。滴下後、同温度にて30分間反応させた後、析出し
た結晶を濾取した。(収量658g) この結晶を水5リットルに懸濁し、攪拌しながら40〜
50℃で濃塩酸300mlを滴下した。1時間、同温度
で攪拌した後、結晶を濾取し、中間体Bを579g(9
5%)得た。(分解点127℃) 中間体Dの合成 中間体B45.1g(0.22モル)、化合物C86.
6g(0.2モル)を酢酸エチル400ml、ジメチル
アセトアミド200mlに溶解した。攪拌しながら、ジ
シクロヘキシルカルボジイミド66g(0.32モル)
のアセトニトリル(100ml)溶液を15〜30℃で
滴下した。20〜30℃で2時間反応させた後、析出し
たジシクロヘキシル尿素を濾取した。
【0187】濾液に酢酸エチル400mlを入れ、水6
00mlを入れ、水層を除去した後、有機層を2回水洗
した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、酢酸
エチルを減圧留去し、油状物を162g得た。
【0188】この油状物を酢酸エチル100ml、n−
ヘキサン300mlから結晶化させ、中間体Dを108
g(87.1%)得た。(融点132〜134℃)
【0189】
【表1】 例示カプラーYA−7の合成 中間体D49.6g(0.08モル)をジクロロメタン
300mlに溶解した。この溶液に塩化スルフリル1
1.4g(0.084モル)を10〜15℃で攪拌しな
がら滴下した。
【0190】同温度で30分間反応させた後、反応混合
物に5%の重炭酸ナトリウム水溶液200gを滴下し
た。有機層を分取した後、200mlの水で洗い、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。ジクロロメタンを減圧留去
し、油状物を47g得た。
【0191】この油状物47gをアセトニトリル200
mlに溶解し、これに化合物D28.4g(0.22モ
ル)とトリエチルアミン22.2g(0.22モル)を
攪拌しながら加えた。40〜50℃で4時間反応させた
後、水300mlに注加し、析出した油状物を酢酸エチ
ル300mlで抽出した。有機層を5%水酸化ナトリウ
ム水溶液200gで洗浄した後、更に2回水300ml
で水洗した。有機層を希塩酸で酸性にした後、2回水洗
し、減圧濃縮して残渣を得た。(収量70g)得られた
油状物質を酢酸エチル50ml、n−ヘキサン100m
lの混合溶媒で結晶化させ、例示カプラYA−7を4
7.8g(80%)得た。(融点145〜7℃)
【0192】
【表2】 合成例−2
【0193】
【化81】 中間体Eの合成 中間体B90.3g(0.44モル)、化合物E187
g(0.4モル)を酢酸エチル500ml、ジメチルホ
ルムアミド300mlに溶解した。攪拌しながら、ジシ
クロヘキシルカルボジイミド131.9g(0.64モ
ル)のアセトニトリル(200ml)溶液を15〜30
℃で滴下した。
【0194】20〜30℃で2時間反応させた後、析出
したジシクロヘキシル尿素を濾取した。濾液に酢酸エチ
ル500ml、水600mlを入れ、水層を除去した
後、有機層を2回水洗した。有機層を無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した後、酢酸エチルを減圧留去し、油状物を2
81g得た。
【0195】これをn−ヘキサン1.5リットルで加熱
溶解し、不溶物を濾過して除いた。n−ヘキサン溶液を
水冷し、析出した中間体Eを濾取した。収量243.4
g(93%)融点103〜5℃
【0196】
【表3】 例示カプラーYA−16の合成 中間体E39.3g(0.06モル)をジクロロメタン
200mlに溶解した。この溶液に塩化スルフリル8.
7g(0.064モル)を10〜15℃で攪拌しながら
滴下した。
【0197】同温度で30分間反応させた後、反応混合
物に4%の重炭酸水素ナトリウム水溶液200gを滴下
した。有機層を分取した後、200mlの水で洗い、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。ジクロロメタンを減圧留
去し、油状物を41.3g得た。
【0198】この油状物41.3gをアセトニトリル1
00ml、ジメチルアセトアミド200mlに溶解し、
攪拌しながら化合物D20.8g(0.16モル)とト
リエチルアミン16.2gを加えた。30〜40℃で3
時間反応させた後、水400mlに注加し、析出した油
状物を酢酸エチル300mlで抽出した。有機層を2%
水酸化ナトリウム水溶液300gで洗浄した後、更に2
回水洗した。有機層を希塩酸で酸性にした後、2回水洗
し、減圧濃縮して残渣を42g得た。
【0199】これをメタノール200mlで結晶化さ
せ、例示カプラーYA−16を39.8g(85%)得
た。(融点110〜112℃)
【0200】
【表4】 合成例−3
【0201】
【化82】 中間体Fの合成 中間体B104.7g(0.51モル)、化合物F18
7.5g(0.5モル)を酢酸エチル1リットル、ジメ
チルホルムアミド400mlに溶解した。攪拌しなが
ら、ジシクロヘキシルカルボジイミド107.3g
(0.525モル)のジメチルホルムアミド(100m
l)溶液を15〜30℃で滴下した。20〜30℃で1
時間反応させた後、酢酸エチル50mlを加え、50〜
60℃に加熱し、ジシクロヘキシル尿素を濾取した。
【0202】濾液に水500mlを入れ、水層を除去し
た後、更に2回水洗した。有機層を無水硫酸ナトリウム
で乾燥した後、酢酸エチルを減圧留去し、油状物を29
0g得た。この油状物を酢酸エチル1リットル、メタノ
ール2リットルで加熱し、不溶解物を濾過して除き、濾
液を水冷すると中間体Eの結晶が析出したので濾取し
た。収量267g(95%)、融点163〜4℃
【0203】
【表5】 中間体Gの合成 中間体F114.0g(0.2モル)をジクロロメタン
500mlに溶解した。この溶液に塩化スルフリル2
8.4g(0.21モル)を10〜15℃で攪拌しなが
ら滴下した。
【0204】同温度で30分間反応させた後、反応混合
物に6%の重炭酸水素ナトリウム水溶液500gを滴下
した。有機層を分取した後、500mlの水で洗い、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。ジクロロメタンを減圧留
去すると、中間体Gが結晶として析出したので濾取し
た。収量108.6g(91%)。 例示カプラーYA−12の合成 中間体G29.8g(0.05モル)をジメチルホルム
アミド80mlに溶解し、化合物D12.9g(0.1
モル)を入れ、次にトリエチルアミン10.1g(0.
10モル)を20〜30℃で攪拌しながら滴下した。4
0〜45℃で1時間反応させた後、酢酸エチル300m
lと水200mlを入れた。有機層を2%の水酸化ナト
リウム水溶液400gで2回洗浄した後、更に1回水洗
した。有機層を希塩酸で酸性にした後、2回水洗し、減
圧濃縮して残渣を34g得た。これを酢酸エチル50m
l、n−ヘキサン150mlの混合溶媒で結晶化させ、
例示カプラーYA−12を19g得た。
【0205】この結晶を酢酸エチル/n−ヘキサン=1
/3容積比の混合溶媒120mlで再結晶し、例示カプ
ラーYA−12を15g(43.5%)得た。(融点1
35〜6℃)
【0206】
【表6】 合成例−4
【0207】
【化83】 例示カプラーYA−49の合成 化合物G27.0g(0.15モル)、トリエチルアミ
ン15.2g(0.15モル)をジメチルホルムアミド
50mlに溶解した。この混合物に中間体G29.8g
(0.05モル)のジメチルホルムアミド(30ml)
溶液を攪拌しながら滴下した。
【0208】30〜40℃で4時間反応させた後、酢酸
エチル400mlで水300mlを入れた。有機層を2
%水酸化ナトリウム水溶液400gで洗浄した後、更に
2回水洗した。有機層を希塩酸で酸性にした後、2回水
洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを減
圧留去し、残渣を54g得た。
【0209】これを酢酸エチル/メタノール(1/2容
積比)混合溶液300mlで結晶化させ、例示カプラー
YA−49を濾取した。得られた結晶を酢酸エチル/メ
タノール(1/2容積比)混合溶媒200mlで再結晶
し、例示カプラーYA−49を28.8g(77.8
%)得た。融点190〜191℃
【0210】
【表7】 本発明において、一般式(1)〜(5)で表わされるイ
エローカプラーは、主カプラーとして用いる場合は、ハ
ロゲン化銀1モル当たり、2.0〜1.0×10-3モル
の範囲で使用することができる。好ましくは、5.0×
10-1〜2.0×10-2モルであり、より好ましくは
4.0×10-1〜5.0×10-2モルの範囲である。写
真性有用基を放出するカプラーである場合には、ハロゲ
ン化銀1モル当たり0.5〜1.0×10-6モルの範囲
で使用することができる。好ましくは1×10-1〜1.
0×10-5モルであり、より好ましくは5.0×10-2
〜5×10-4モルの範囲である。
【0211】本発明において、一般式(1)〜(5)で
表わされるイエローカプラーは、主カプラーとして用い
る場合は、青感性ハロゲン化銀乳剤層またはその隣接非
感光層に添加することが好ましい。写真性有用基を放出
するカプラーであるときは、目的に応じてハロゲン化銀
感光層や非感光性層に添加する。
【0212】本発明において、一般式(1)〜(5)で
表わされるイエローカプラーは、2種以上を併用するこ
ともできるし、他の公知のカプラーと併用することがで
きる。
【0213】本発明において、一般式(1)〜(5)で
表わされるカプラーは、種々の公知の分散方法により、
カラー感光材料に導入することができる。
【0214】公知分散方法の1つである水中油滴分散方
法では、低沸点の有機溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸
ブチル、メチルエチルケトン、イソプロパノール)を使
用して、微細な分散物を塗布し、乾膜中に実質的に低沸
点有機溶媒が残留しない方法を用いることができる。ま
た、高沸点有機溶媒を使用する場合には、常圧での沸点
が175℃以上のもののいずれを用いてもよく、1種ま
たは2種以上を任意に混合して用いることができる。一
般式(1)〜(5)で表わされるカプラーとこれら高沸
点有機溶媒との比は広範囲にとりえるが、主カプラーと
して用いる場合には、カプラー1g当たり5.0以下の
重量比の範囲である。好ましくは0〜2.0であり、よ
り好ましくは0.01〜1.0の範囲である。写真性有
用基を放出するカプラーである場合には、そのカプラー
を含有する全カプラーの量に対する高沸点有機溶媒との
重量比が上記の比の範囲で使用する。
【0215】また、後述のラテックス分散法も適用する
ことができる。
【0216】さらに、後に記載されている種々のカプラ
ーや化合物とも混合もしくは共存させて使用することが
できる。
【0217】次に、本発明に用いられる一般式(Y)で
表される基を有するイエローカプラーについて説明す
る。
【0218】本発明の一般式(Y)で表される基を有す
るアシルアセトアミド型イエローカプラーは好ましくは
下記化84に示される一般式(Ya)により表わされ
る。
【0219】
【化84】 一般式(Ya)においてD1 は水素を除く一価の置換基
を、QはCとともに3〜5員の炭化水素環又は少なくと
も1個の、N、S、OおよびPから選ばれたヘテロ原子
を環内に含む3〜5員の複素環を形成するのに必要な非
金属原子群を、D2 は水素原子、ハロゲン原子(F、C
l、Br、I。以下式(Y)の説明において同じ。)、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル基又はアミ
ノ基を、D3 はベンゼン環上に置換可能な基を、X3
水素原子又は芳香族第1級アミン現像薬の酸化体とのカ
ップリング反応により離脱可能な基(以下離脱基とい
う)をaは0〜4の整数を、それぞれ表わす。ただしa
は複数のとき複数のD3 は同じでも異なっていてもよ
い。
【0220】ここでD3 の例として、ハロゲン原子、ア
ルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、カルバモ
イル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、ア
リールスルホニル基、ウレイド基、スルファモイルアミ
ノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルコキシスル
ホニル基、ニトロ基、複素環基、シアノ基、アシル基、
アシルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリー
ルスルホニルオキシ基があり、X3 の離脱基の例として
窒素原子でカップリング活性位に結合する複素環基、ア
リールオキシ基、アリールチオ基、アシルオキシ基、ア
ルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ
基、複素環オキシ基、ハロゲン原子がある。
【0221】一般式(Ya)における置換基がアルキル
基であるか、またはアルキル基を含むとき、特に規定の
ない限り、アルキル基は直鎖状、分岐鎖状または環状
の、置換されていても不飽和結合を含んでいてもよいア
ルキル基(例えば、メチル、イソプロピル、t−ブチ
ル、シクロペンチル、t−ペンチル、シクロヘキシル、
2−エチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルブ
チル、ドデシル、ヘキサデシル、アリル、3−シクロヘ
キセニル、オレイル、ベンジル、トリフルオロメチル、
ヒドロキシメチルメトキシエチル、エトキシカルボニル
メチル、フェノキシエチル)を意味する。
【0222】一般式(Ya)における置換基がアリール
基であるか、またはアリール基を含むとき、特に規定の
ない限り、アリール基は置換されてもよい単環もしくは
縮合環のアリール基(例えばフェニル、1−ナフチル、
p−トリル、o−トリル、p−クロロフェニル、4−メ
トキシフェニル、8−キノリル、4−ヘキサデシルオキ
シフェニル、ペンタフルオロフェニル、p−ヒドロキシ
フェニル、p−シアノフェニル、3−ペンタデシルフェ
ニル、2,4−ジ−t−ペンチルフェニル、p−メタン
スルホンアミドフェニル、3,4−ジクロロフェニル)
を意味する。
【0223】一般式(Ya)における置換基が複素環基
か、または複素環を含むとき、特に規定のない限り、複
素環基はO、N、S、P、SeおよびTeから選ばれた
少なくとも1個のヘテロ原子を環内に含む3〜8員の置
換されてもよい単環もしくは縮合環の複素環基(例えば
2−フリル、2−ピリジル、4−ピリジル、1−ピラゾ
リル、1−イミダゾリル、1−ベンゾトリアゾリル、2
−ベンゾトリアリアゾリル、スクシンイミド、フタルイ
ミド、1−ベンジル−2,4−イミダゾリジンジオン−
3−イル)を意味する。
【0224】以下、一般式(Ya)において好ましく用
いられる置換基について説明する。
【0225】一般式(Ya)においてD1 は好ましくは
ハロゲン原子、シアノ基、またはいずれも置換されてい
てもよい総炭素数(以下C数と略す)1〜30の一価の
基(例えばアルキル基、アルコキシ基)または、C数6
〜30の一価の基(例えばアリール基、アリールオキシ
基)であってその置換基としては例えばハロゲン原子、
アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、カル
ボンアミド基、スルホンアミド基、アシル基がある。
【0226】一般式(Ya)においてQは好ましくはC
とともに3〜5員のいずれも置換されていてもよいC数
3〜30の炭化水素環又は少なくとも1個のN、S、
O、Pから選ばれたヘテロ原子を環内に含むC数2〜3
0の複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表わ
す。また、QがCともに作る環は環内に不飽和結合を含
んでいてもよい。QがCとともに作る環の例としてシク
ロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シ
クロプロペン環、シクロブテン環、シクロペンテン環、
オキセタン環、オキソラン環、1,3−ジオキソラン
環、チエタン環、チオラン環、ピロリジン環がある。置
換基の例としてハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキ
ル基、アリール基、アシル基、アルコキシ基、アリール
オキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アルキ
ルチオ基、アリールチオ基がある。
【0227】式(Ya)においてD2 は好ましくはハロ
ゲン原子、いずれも置換されていてもよい、C数1〜3
0のアルコキシ基、C数6〜30のアリールオキシ基、
C数1〜30のアルキル基またはC数0〜30のアミノ
基を表わし、その置換基としては、例えば、ハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基があ
る。
【0228】一般式(Ya)においてD3 は好ましくは
ハロゲン原子、いずれも置換されてもよい、C数1〜3
0のアルキル基、C数6〜30のアリール基、C数1〜
30のアルコキシ基、C数2〜30のアルコキシカルボ
ニル基、C数7〜30のアリールオキシカルボニル基、
C数1〜30のカルボンアミド基、C数1〜30のスル
ホンアミド基、C数1〜30のカルバモイル基、C数0
〜30のスルファモイル基、C数1〜30のアルキルス
ルホニル基、C数6〜30のアリールスルホニル基、C
数1〜30のウレイド基、C数0〜30のスルファモイ
ルアミノ基、C数2〜30のアルコキシカルボニルアミ
ノ基、C数1〜30の複素環基、C数1〜30のアシル
基、C数1〜30のアルキルスルホニルオキシ基、C数
6〜30のアリールスルホニルオキシ基を表わし、その
置換基としては、例えばハロゲン原子、アルキル基、ア
リール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、複素環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、複素環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールス
ルホニル基、アシル基、カルボンアミド基、スルホンア
ミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキ
シカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ウレ
イド基、シアノ基、ニトロ基、アシルオキシ基、アルコ
キシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アル
キルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基
がある。
【0229】式(Ya)において、aは好ましくは1ま
たは2の整数を表わし、D3 の置換位置は、下記化85
に示される基
【0230】
【化85】 に対してメタ位またはパラ位が好ましい。
【0231】一般式(Ya)において、X3 は好ましく
は窒素原子でカップリング活性位に結合する複素環基ま
たはアリールオキシ基を表わす。
【0232】X3 が複素環基を表わすとき、X3 は好ま
しくは置換されてもよい、5〜7員環の単環もしくは縮
合環の複素環の基であり、その例としてスクシンイミ
ド、マレインイミド、フタルイミド、ジクリコールイミ
ド、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、1,2,4
−トリアゾール、テトラゾール、インドール、インダゾ
ール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、イミ
ダゾリジン−2,4−ジオン、オキサゾリジン−2,4
−ジオン、チアゾリジン−2,4−ジオン、イミダゾリ
ジン−2−オン、オキサゾリン−2−オン、チアゾリジ
ン−2−オン、ベンズイミダゾリン−2−オン、ベンゾ
オキサゾリン−2−オン、ベンゾチアゾリン−2−オ
ン、2−ピロリン−5−オン、2−イミダゾリン−5−
オン、インドリン−2,3−ジオン、2,6−ジオキシ
プリン、パラバン酸、1,2,4−トリアゾリジン−
3,5−ジオン、2−ピリドン、4−ピリドン、2−ピ
リミドン、6−ピリダゾン−2−ピラゾン、2−アミノ
−1,3,4−チアゾリジン、2−イミノ−1,3,4
−チアゾリジン−4−オン等があり、これらの複素環は
置換されていてもよい。これらの複素環の置換基の例と
しては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シ
アノ基、カルボキシル基、スルホ基、アルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリー
ルスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオ
キシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ
基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、カルバモイ
ル基、スルファモイル基、ウレイド基、アルコキシカル
ボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基がある。
【0233】X3 がアリールオキシ基を表わすとき、X
3 は好ましくはC数6〜30のアリールオキシ基を表わ
し、前記X3 が複素環である場合に挙げた置換基群から
選ばれる基で置換されていてもよい。アリールオキシ基
の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ
基、カルボキシル基、トリフルオロメチル基、アルコキ
シカルボニル基、カルボンアミド基、スルホンアミド
基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキルスル
ホニル基、アリールスルホニル基、またはシアノ基が好
ましい。
【0234】次に一般式(Ya)において特に好ましく
用いられる置換基について説明する。
【0235】D1 は、特に好ましくは、ハロゲン原子ま
たはアルキル基であって、最も好ましくはメチル基であ
る。
【0236】Qは特に好ましくはCとともに作る環が3
〜5員の炭化水素環を形成する非金属原子群であり、例
えば、−〔C(R)2 2 −、−〔C(R)2 3 −、
−〔C(R)2 4 −である。ここで、Rは水素原子、
ハロゲン原子またはアルキル基を表わす。ただし、複数
のR、複数の〔C(R)2 〕はそれぞれ同じでも異なっ
ていてもよい。
【0237】Qは最も好ましくは、結合するCとともに
3員環を形成する−〔C(R)2 2 −である。
【0238】D2 は特に好ましくは、塩素原子、フッ素
原子、C数1〜6のアルキル基(例えばメチル、トリフ
ルオロメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル)、
C数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキ
シ、メトキシエトキシ、ブトキシ)、またはC数6〜2
4のアリールオキシ基(例えばフェノキシ基、p−トリ
ルオキシ、p−メトキシフェノキシ)であり、最も好ま
しくは塩素原子、メトキシ基またはトリフルオロメチル
基である。
【0239】D3 は、特に好ましくは、ハロゲン原子、
アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、カルボンアミド基、スルホンアミド
基、カルバモイル基、またはスルファモイル基であり、
最も好ましくはアルコキシ基、アルコキシカルボニル
基、カルボンアミド基またはスルホンアミド基である。
【0240】X3 は特に好ましくは下記化86〜化88
に示される式(Y−1)、(Y−2)、または(Y−
3)で表わされる基である。
【0241】
【化86】 式(Y−1)において、Zは−O−CD4 (D5 )−、
−S−CD4 (D5 )−、−ND6 −CD4 (D5
−、−ND6 −ND7 −、−ND6 −C(O)−、−C
4 (D5 )−CD8 (D9 )−または−CD10=CD
11−を表わす。
【0242】ここで、D4 、D5 、D8 およびD9 は水
素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アル
キルスルホニル基、アリールスルホニル基またはアミノ
基を表わし、D6 およびD7 は水素原子、アルキル基、
アリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニ
ル基またはアルコキシカルボニル基を表わし、D10およ
びD11は水素原子、アルキル基またはアリール基を表わ
す。D10とD11は互いに結合してベンゼン環を形成して
もよい。D4 とD5 、D5 とD6 、D6 とD7 またはD
4 とD8 は互いに結合して環(例えばシクロブタン、シ
クロヘキサン、シクロヘプタン、シクロヘキセン、ピロ
リジン、ピペリジン)を形成してもよい。
【0243】式(Y−1)で表わされる複素環基のうち
特に好ましいものは式(Y−1)においてZが−O−C
4 (D5 )−、−ND6 −CD4 (D5 )−または−
ND6 −ND7 −である複素環基である。式(Y−1)
で表わされる複素環基のC数は2〜30、好ましくは4
〜20、さらに好ましくは5〜16である。
【0244】
【化87】 式(Y−2)において、D12およびD13の少なくとも1
つはハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロ
メチル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、
カルボンアミド基、スルホンアミド基、カルバモイル
基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリー
ル信ルホニル基、またはアシル基から選ばれた基であ
り、もう一方は水素原子、アルキル基またはアルコキシ
基であってもよい。D14はD12またはD13と同じ意味の
基を表わしbは0〜2の整数を表わす。
【0245】式(Y−2)で表わされるアリールオキシ
基のC数は6〜30、好ましくは6〜24、さらに好ま
しくは6〜15である。
【0246】
【化88】 式(Y−3)において、WはNとともにピロール環、ピ
ラゾール環、イミダゾール環またはトリアゾール環を形
成するのに必要な非金属原子群を表わす。ここで、式
(Y−3)で表わされる環は置換基を有していてもよ
く、好ましい置換基の例としてハロゲン原子、ニトロ
基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アルキル基、
アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ
基またはカルバモイル基である。式(Y−3)で表わさ
れる複素環基のC数は2〜30、好ましくは2〜24、
より好ましくは2〜16である。
【0247】X3 は最も好ましくは式(Y−1)で表わ
される基である。
【0248】一般式(Ya)で表わされるカプラーは、
置換基D1 、Q、X3 または下記化89に示される基
【0249】
【化89】 において2価以上の基を介して互いに結合する2量体ま
たはそれ以上の多量体を形成してもよい。この場合、前
記の各置換基において示した炭素原子数範囲の規定外と
なってもよい。
【0250】以下に一般式(Ya)における各置換基の
具体例を示す。
【0251】
【化90】
【0252】
【化91】
【0253】
【化92】 (ii)D2 の例:F、Cl、Br、I、CH3 O−、
Ph−O−、CH3 −、C2 5 −、i−C3 7 −、
t−C4 9 −、CH3 OCH2 CH2 O−、CF
3 −、(CH3 2 N−、n−C4 9 O−、n−C14
29O−、n−C1633O−、Ph−CH2 O−、n−
1225O−、下記化93に示される基。
【0254】
【化93】 (iii)D3 の例:F、Cl、Br、I、CH3
−、C2 5 O−、n−C1225O−、CH3 −、t−
4 9 −、−COOCH3 、−COOC2 5 、−C
OOC4 9 −n、−COOC1225−n、−OCH2
CH(C6 13−n)−C8 17−n、−COOCH
(CH3 )−COOC1225−n、−COOCH(C4
9 −n)−COOC1225−n、−SO2 N(C
3 2 、−SO2 NHCOC2 5 、−SO2 NHC
1633−n、−NHCOC1327−n、−NHCOC15
31−n、−NHCOC1735−n、−NHCOCH
(C6 13−n)−C8 17−n、−NHCOCH(C
3 )−CH2 SO2 1633−n、−NHCOCH
(C3 7 −i)−SO2 1633−n、NHSO2
1225−n、−NHSO2 1633−n、−SO2 NH
CH3 、−SO2 NH−Ph、−OCOC1123−n、
−OSO2 1225−n、−NHCOOC1225−n、
下記化94に示される基。
【0255】
【化94】 (iv)X3 の例:下記化95〜化99に示す。
【0256】
【化95】
【0257】
【化96】
【0258】
【化97】
【0259】
【化98】
【0260】
【化99】 下記化100〜化113に、式(Ya)で表わされるイ
エローカプラーの具体例を示すが、本発明はこれらの化
合物に限定されるものではない。
【0261】
【化100】
【0262】
【化101】
【0263】
【化102】
【0264】
【化103】
【0265】
【化104】
【0266】
【化105】
【0267】
【化106】
【0268】
【化107】
【0269】
【化108】
【0270】
【化109】
【0271】
【化110】
【0272】
【化111】
【0273】
【化112】
【0274】
【化113】 一般式(Ya)で表わされる本発明のイエローカプラー
は下記化114〜化115に示す合成ルートによって合
成することができる。
【0275】
【化114】
【0276】
【化115】 ここで化合物(a)は、J.Chem.Soc.
(C),1968,2548、J.Am.Chem.S
oc.,1934,56,2710、Synthesi
s,1971,258、J.Org.Chem.,19
78,43,1729、CA、1960,66,185
33y等に記載の方法により合成される。
【0277】化合物(b)の合成は塩化チオニル、オキ
ザリルクロライドなどを用いて無溶媒もしくは塩化メチ
レン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ト
ルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミドなどの溶媒中で反応させることにより
行なう、反応温度は通常−20℃〜150℃、好ましく
は−10℃〜80℃である。
【0278】化合物(c)は、アセト酢酸エチルをマグ
ネシウムメトキシド等を用いてアニオンとし、その中へ
化合物(b)を加えることにより合成される。反応は無
溶媒もしくはテトラヒドロフラン、エチルエーテルなど
を用い反応温度は通常−20℃〜60℃、好ましく−1
0℃〜30℃である。
【0279】化合物(d)は、化合物(c)および塩基
としてアンモニア水、NaHCO3 水溶液・水酸化ナト
リウム水溶液等を用いて無溶媒もしくはメタノール、エ
タノール、アセトニトリルなどの溶媒中で反応させるこ
とにより合成される。反応温度は通常−20℃〜50℃
好ましくは−10℃〜30℃である。
【0280】化合物(e)は、化合物(d)および化合
物(g)を無溶媒で反応させることにより合成される。
反応温度は通常100〜150℃であり好ましくは10
0〜120℃である。
【0281】X3 がHでない場合、クロル化またはブロ
ム化後離脱基X3 を導入して化合物(f)を合成する。
化合物(e)は、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロ
ホルム、塩化メチレン、テトラヒドロフラン等の溶媒
中、塩化スリフリル、N−クロロスクシンイミド等によ
りクロロ置換体とかるか、臭素、N−ブロモスクシンイ
ミド等によりブロモ置換体とする。この時、反応温度は
−20℃〜70℃好ましくは−10℃〜50℃である。
【0282】次に、クロロ置換体またはブロモ置換体と
離脱基のプロトン付加体H−X3 とを塩化メチレン、ク
ロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニ
トリル、ジオキサン、N−メチルピロリドン、N,N′
−ジメチルイミダゾリジン−2−オン、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の溶
媒中、反応温度−20℃〜150℃、好ましくは−10
℃〜100℃で反応させることにより、化合物(f)
(本発明のイエローカプラー)を得ることができる。こ
の時、トリエチルアミン、N−エチルモルホリン、テト
ラメチルグアニジン、炭酸カリウム、水酸化ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム等の塩基を用いてもよい。
【0283】以下に本発明の一般式(Ya)で表される
イエローカプラーの合成例を示す。 合成例1 例示化合物YB−25の合成 Cotkis,D.et al,J.Am.Chem.
Soc.,1934,56,2710に記載の方法によ
り合成された1−メチルシクロプロパンカルボン酸25
g、塩化メチレン100cc、N,N−ジメチルホルム
アミド1ccの混合物中に38.1gのオキザリルクロ
ライドを室温にて30分かけて滴下した。滴下後室温に
て2時間反応しアスピレーター減圧下塩化メチレン、過
剰のオキザリルクロライドを除去することにより1−メ
チルシクロプロパンカルボニルクロライドの油状物を得
た。
【0284】マグネシウム6g、四塩化炭素2ccの混
合物中にメタノール100ccを室温にて30分間かけ
て滴下しその後2時間加熱還流したのち3−オキソブタ
ン酸エチル32.6gを加熱還流下30分間かけて滴下
した。滴下後さらに2時間加熱還流しメタノールをアス
ピレーター減圧下完全に留去した。テトラヒドロフラン
100ccを反応物を加えて分散し、室温にて先に得た
1−メチルシクロプロパンカルボニルクロライドを滴下
した。30分間反応後反応液を酢酸エチル300cc、
希硫酸水で抽出、水洗し、有機層を無水硫酸ナトリウム
にて乾燥後、溶媒を留去して2−(1−メチルシクロプ
ロパンカルボニル)−3−オキソブタン酸エチルの油状
物55.3gを得た。
【0285】2−(1−メチルシクロプロパンカルボニ
ル)−3−オキソブタン酸エチル55g、エチノール1
60ccの溶液を室温で攪拌しその中へ30%アンモニ
ア水60ccを10分間かけて滴下した。
【0286】その後1時間攪拌し酢酸エチル300c
c、希塩酸水にて抽出、中和、水洗し、有機層を無水硫
酸ナトリウムにて乾燥後溶媒を留去して(1−メチルシ
クロプロパンカルボニル)酢酸エチルの油状物43gを
得た。
【0287】(1−メチルシクロプロパンカルボニル)
酢酸エチル34gとN−(3−アミノ−4−クロロフェ
ニル)−2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)
ブタンアミド44.5gを内温100〜120℃にてア
スピレーター減圧下加熱還流する。4時間反応後反応液
をn−ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒にてカラムクロ
マト精製し、例示化合物YB−25を粘稠油状物として
49g得た。
【0288】化合物の構造は、マススペクトル、NMR
スペクトルおよび元素分析により確認した。 合成例2 例示化合物YB−1の合成 例示化合物YB−25の22.8gを塩化メチレン30
0ccに溶解し氷冷下塩化スルフリル5.4gを10分
間かけて滴下した。30分間反応後反応液をよく水洗し
無水硫酸ナトリウムにて乾燥後濃縮し例示化合物YB−
25の塩化物を得た。
【0289】1−ベンジル−5−エトキシヒダントイン
18.7g、トリエチルアミン11.2cc、N,N−
ジメチルホルムアミド50ccの溶液の中に先に合成し
た例示化合物YB−25の塩化物をN,N,−ジメチル
ホルムアルデヒド50ccに溶かしたものを30分間か
けて室温にて滴下した。その後40℃にて4時間反応
後、反応液を酢酸エチル300ccで抽出水洗後、2%
トリエチルアミン水溶液300ccにて水洗し、ついで
希塩酸水にて中和する。有機層を無水硫酸ナトリウムに
て乾燥後、溶媒を留去して得られた油状物をn−ヘキサ
ン、酢酸エチルの混合溶媒から晶析した。析出した結果
を濾過しn−ヘキサン、酢エチの混合溶媒で洗浄後、乾
燥することにより例示化合物YB−1の結晶22.8g
を得た。
【0290】化合物の構造はマススペクトル、NMRス
ペクトル、元素分析により確認した。また融点132〜
3℃であった。
【0291】本発明の一般式(Y)で表される基を有す
るイエロー色素形成カプラーは単独で用いても、2種〜
数種混合して用いてもよく、また本発明の効果を奏する
範囲において公知のイエロー色素形成カプラーと混合し
て用いてもよい。
【0292】本発明の一般式(Y)で表される基を有す
るイエロー色素形成カプラーは感光材料のいずれの層に
も使用可能であるが、感光性ハロゲン化銀乳剤層または
その隣接非感光性層での使用が好ましく、感光性ハロゲ
ン化銀乳剤層での使用が最も好ましい。
【0293】本発明の一般式(Y)で表される基を有す
るイエロー色素形成カプラーの感光材料中での使用量は
1m2 当たり1×10-4モル〜10-2モル、より好まし
は2×10-4モル〜10-3モルである。
【0294】本発明の感光材料は、支持体上に青感色性
層、緑感色性層、赤感色性層のハロゲン化銀乳剤層及び
非感光性層のそれぞれ少なくとも1層が設けられていれ
ばよく、ハロゲン化銀乳剤層および非感光性層の層数お
よび層順に特に制限はない。典型的な例としては、支持
体上に、実質的に感色性は同じであるが感光度の異なる
複数のハロゲン化銀乳剤層から成る感光性層を少なくと
も1つ有するハロゲン化銀写真感光材料であり、該感光
性層は青色光、緑色光、および赤色光の何れかに感色性
を有する単位感光性層であり、多層ハロゲン化銀カラー
写真感光材料においては、一般に単位感光性層の配列
が、支持体側から順に赤感色性層、緑感色性層、青感色
性の順に設置される。しかし、目的に応じて上記設置順
が逆であっても、また同一感色性層中に異なる感光性層
が挟まれたような設置順をもとり得る。
【0295】上記のハロゲン化銀感光性層の間および最
上層、最下層には各種の中間層等の非感光性層を設けて
もよい。
【0296】該中間層には、特開昭61−43748
号、同59−113438号、同59−113440
号、同61−20037号、同61−20038号公報
に記載されるようなカプラー、DIR化合物等が含まれ
ていてもよく、通常用いられるように混色防止剤を含ん
でいてもよい。
【0297】各単位感光性層を構成する複数のハロゲン
化銀乳剤層は、西独特許第1,121,470号あるい
は英国特許第923,045号に記載されるように高感
度乳剤層、低感度乳剤層の2層構成を好ましく用いるこ
とができる。通常は、支持体に向かって順次感光度が低
くなる様に配列するのが好ましく、また各ハロゲン乳剤
層の間には非感光性層が設けられていてもよい。また、
特開昭57−112751号、同62−200350
号、同62−206541号、同62−206543号
等に記載されているように支持体より離れた側に低感度
乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよ
い。
【0298】具体例として支持体から最も遠い側から、
低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)
/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(G
L)/高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層
(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/RH/
RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/RH
の順等に設置することができる。
【0299】また特公昭55−34932号公報に記載
されているように、支持体から最も遠い側から青感光性
層/GH/RH/GL/RLの順に配列することもでき
る。また特開昭56−25738号、同62−6393
6号明細書に記載されているように、支持体から最も遠
い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配
列することもできる。
【0300】また特公昭49−15495号公報に記載
されているように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀
乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳
剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀
乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次低めら
れた感光度の異なる3層から構成される配列が挙げられ
る。このような感光度の異なる3層から構成される場合
でも、特開昭59−202464号公報に記載されてい
るように、同一感色性層中において支持体より離れた側
から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順に
配置されていてもよい。
【0301】その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中
感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高
感度乳剤層などの順に配置されていてもよい。また、4
層以上の場合にも、上記の如く配列を変えてよい。
【0302】色再現性を改良するために、米国特許第
4,4663,271号、同4,705,744号、同
4,707,436号、特開昭62−160448号、
同63−89850号の明細書に記載の、BL,GL,
RLは主感光層と分光感度分布が異なる重層効果のドナ
ー層(CL)を主感光層に隣接もしくは近接して配置す
ることが好ましい。
【0303】上記のように、それぞれの感光材料の目的
に応じて種々の層構成、配列を選択することができる。
【0304】本発明に用いられる写真感光材料の写真乳
剤層に含有される好ましいハロゲン化銀は約30モル%
以下のヨウ化銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、もし
くはヨウ塩臭化銀である。特に好ましいのは約2モル%
から約10モル%までのヨウ化銀を含むヨウ臭化銀もし
くはヨウ塩臭化銀である。
【0305】写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方
体、八面体、十四面体のような規則的な結晶を有するも
の、球状、板状のような変則的な結晶形を有するもの、
双晶面などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの
複合形でもよい。
【0306】ハロゲン化銀の粒径は、約0.2μm以下
の微粒子でも投影面積直径が約10μmに至るまでの大
サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳剤でもよ
い。
【0307】本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤
は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(RD)N
o.17643(1978年12月),22〜23頁,
“I.乳剤製造(Emulsion preparat
ion and types)”および同No.187
16(1979年11月),648頁、同No.307
105(1989(1989年11月),863〜86
5頁、およびグラフキデ著「写真の物理と化学」、ポー
ルモンテル社刊(P.Glafkides,Chimi
e et Physique Photographi
quePaulMontel,1967)、ダフィン著
「写真乳剤化学」、フォーカルプレス社刊(G.F.D
uffin,Photographic Emulsi
onChemistry(Focal Press,1
966))、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗
布」、フォーカルプレス社刊(V.L.Zelikma
net al,Making and Coating
Photographic Emulsion,Fo
cal Press,1964)などに記載された方法
を用いて調製することができる。
【0308】米国特許第3,574,628号、同3,
655,394号および英国特許第1,413,748
号などに記載された単分散剤も好ましい。
【0309】また、アスペクト比が約3以上であるよう
な平板状粒子も本発明に使用できる。平板状粒子は、ガ
トフ著、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エ
ンジニアリング(Gutoff,Photograph
ic Science and Engineerin
g)、第14巻、248〜257頁(1970年);米
国特許第4,434,226号、同4,414,310
号、同4,433,048号同4,439,520号お
よび米国特許第2,112,157号などに記載の方法
により簡単に調製することができる。
【0310】結晶構造は一様なものでも、内部と外部と
が異質なハロゲン組成からばるものでもよく、層状構造
をなしていてもよい、また、エピタキシャル接合によっ
て組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、
また例えばロダン銀・酸化鉛などのハロゲン化銀以外の
化合物と接合されていてもよい。また種々の結晶形の粒
子の混合物を用いてよい。
【0311】上記の乳剤は潜像を主として表面に形成す
る表面潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型でも
表面と内部のいずれにも潜像を有する型のいずれでもよ
いが、ネガ型の乳剤であることが必要である。内部潜像
型のうち、特開昭63−264740号に記載のコア/
シェル型内部潜像型乳剤であってもよい。このコア/シ
ェル型内部潜像型乳剤の調製方法は、特開昭59−13
3542号に記載されてい。この乳剤のシェルの厚み
は、現像処理等によって異なるが、3〜40nmが好ま
しく、5〜20nmが特に好ましい。
【0312】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このよ
うな工程で使用される添加剤はリチーチ・ディスクロー
ジャーNo.17643号、同No.18716および
同No.307105に記載されており、その該当箇所
を後掲の表にまとめた。
【0313】本発明の感光材料には、感光性ハロゲン化
銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、
粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性の異なる2種
類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用することがで
きる。
【0314】米国特許第4,082,553号に記載の
粒子表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子、米国特許第
4,626,498号、特開昭59−214852号に
記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子、コロイ
ド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層および/または実質的
に非感光性の親水性コロイド層に好ましく使用できる。
粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子と
は、感光材料の未露光部および露光部を問わず、一様に
(非像様に)現像が可能となるハロゲン化銀粒子のこと
をいう。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀
粒子の調製法は、米国特許第4,626,498号、特
開昭59−214852号に記載されている。
【0315】粒子内部がかぶらされたコア/シェル型ハ
ロゲン化銀粒子の内部核を形成するハロゲン化銀は、同
一のハロゲン組成をもつものでも異なるハロゲン組成を
もつものでもよい。粒子内部または表面をかぶらせたハ
ロゲン化銀としては、塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩
沃臭化銀のいずれには特別な限定はないが、平均粒子サ
イズとしては0.01〜0.75μm、特に0.05〜
0.6μmが好ましい。また、粒子形については、特に
限定はなく、規則的な粒子でもよく、また、多分散乳剤
でもよいが、単分散(ハロゲン化銀粒子の重量または粒
子数の少なくしも95%が平均粒子径の±40%以内の
粒子径を有するもの)であることが好ましい。
【0316】本発明には、非感光性微粒子ハロゲン化銀
を使用することが好ましい。非感光性微粒子ハロゲン化
銀とは、色素画像を得るための像様露光時においては感
光せずに、その現像処理において実質的に現像されない
ハロゲン化銀微粒子であり、あらかじめカブラされてい
ない方が好ましい。
【0317】微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の含有率が
0〜100モル%であり、必要に応じて塩化銀および/
または沃化銀を含有してもよい。好ましくは沃化銀を
0.5〜10モル%含有するものである。
【0318】微粒子ハロゲン化銀は、平均粒径(投影面
積の円相当直径の平均値)が0.01〜0.5μmが好
ましく、0.02〜0.2μmがより好ましい。
【0319】微粒子ハロゲン化銀は、通常の感光性ハロ
ゲン化銀と同様の方法で調製できる。この場合、ハロゲ
ン化銀粒子の表面は、光学的に増感される必要はなく、
また、分光増感も不要である。ただし、これを塗布液に
添加するのに先立ち、あらかじめトリアゾール系、アデ
インデン系、ベンゾチアゾリウム系、もしくはメルカプ
ト系化合物または亜鉛化合物などの公知の安定剤を添加
しておくことが好ましい。この微粒子ハロゲン化銀粒子
含有層に、コロイド銀を好ましく含有させることができ
る。
【0320】本発明の感光材料の塗布銀量は、6.0g
/m2 以下が好ましく、4.5g/m2 以下が最も好ま
しい。
【0321】本発明に使用できる公知の写真用添加剤も
上記の3つのリサーチ・ディスクロージャーに記載され
ており、下記の表に関連する記載箇所を示した。
【0322】 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648頁右欄 3.分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄〜 866〜868 頁 強色増感剤 649頁右欄 4.増白剤 24頁 647頁右欄 868頁 5.かぶり防止剤、 24〜25頁 649頁右欄 868〜870 頁 および安定剤 6.光吸収剤、 25〜26頁 649頁右欄〜 873頁 フィルター染料、 650頁左欄 紫外線吸収剤 7.ステイン防止剤 25頁右欄 650頁左欄 872頁 〜右欄 8.色素画像安定剤 25頁 650頁左欄 872頁 9.硬膜剤 26頁 651頁左欄 874〜875 頁 10. バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874 頁 11. 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 876頁 12. 塗布助剤、 26〜27頁 650頁右欄 875〜876 頁 表面活性剤 13. スタチック、 27頁 650頁右欄 876〜877 頁 防止剤 14. マット剤 878〜879 頁 また、ホルムアルデヒドガスによる写真性能の劣化を防
止するために、米国特許4,411,987号や同4,
435,503号に記載されたホルムアルデヒドと反応
して、固定化できる化合物を感光材料に添加することが
好ましい。
【0323】本発明の感光材料に、米国特許第4,74
0,454号、同第4,788,132号、特開昭62
−18539号、特開平1−283551号に記載のメ
ルカプト化合物を含有させることが好ましい。
【0324】本発明の感光材料に、特開平1−1060
52号に記載の、現像処理によって生成した現像銀量と
は無関係にかぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶剤
またはそれらの前駆体を放出する化合物を含有させるこ
とが好ましい。
【0325】本発明の感光材料に、本発明の前記一般式
(I)〜一般式(VI)で表わされる染料のほかに、国
際公開WO88/04794号、特表平1−50291
2号に記載された方法で分散された染料または欧州特許
第317,308A号、米国特許第4,420,555
号、特開平1−259358号に記載の染料を含有させ
ることができる。
【0326】本発明には種々のカラーカプラーを使用す
ることができ、その具体例は前出のリサーチ・ディスク
ロージャーNo.17643、VII−C〜G、および
同No.307105、VII−C〜Gに記載された特
許に記載されている。
【0327】イエローカプラーとしては、本発明の前記
一般式(1)、(2)及び一般式(Y)で表わされる基
を有するアシルアセトアミド型イエローカプラーのほか
に、例えば米国特許第3,933,501号、同4,0
22,620号、同4,326,024号、同4,40
1,752号、同4,248,961号、特公昭58−
10739号、英国特許第1,425,020号、同
1,476,760号、米国特許第3,973,968
号、同4,314,023号、同4,511,649
号、欧州特許第249,473A号、等に記載のものを
本発明の効果を損なわない範囲で併用することができ
る。その範囲は好ましくは50モル%以下、より好まし
くは25モル%以下である。
【0328】マゼンタカプラーとしては5−ピラゾロン
系及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特
許第4,310,619号、同4,351,897号、
欧州特許第73,636号、米国特許3,061,43
2号、同3,725,067号、リサーチ・ディスクロ
ージャーNo.24220(1984年6月)、特開昭
60−33552号、リサーチ・ディスクロージャーN
o.24230(1984年6月)、特開昭60−43
659号、同61−72238号、同60−35730
号、同55−118034号、同60−185951
号、米国特許第4,500,630号、同4,540,
654号、同4,556,630号、国際公開WO88
/04795号等に記載のものが特に好ましい。
【0329】シアンカプラーとしては、フェノール系及
びナフトール系カプラーが挙げられ、米国特許第4,0
52,212号、同4,146,396号、同4,22
8,233号、同4,296,200号、同2,36
9,929号、同2,801,171号、同2,77
2,162号、同2,895,826号、同3,77
2,002号、同3,758,308号、同4,33
4,011号、同4,327,173号、西独特許公開
第3,329,729号、欧州特許第121,365A
号、同249,453A号、米国特許第3,446,6
22号、同4,333,999号、同4,775,61
6号、同4,451,559号、同4,427,767
号、同4,690,889号、同4,254,212
号、同4,296,199号、特開昭61−42658
号等に記載のものが好ましい。さらに、特開昭64−5
53号、同64−554号、同64−555号、同64
−556号に記載のピラゾロアゾール系カプラーや米国
特許第4,818,672号に記載のイミダゾール系カ
プラーも使用することができる。
【0330】ポリマー化された色素形成カプラーの典型
例は、米国特許第3,451,820号、同4,08
0,211号、同4,367,282号、同4,40
9,320号、同4,576,910号、英国特許第
2,102,137号、欧州特許第341,188A号
等に記載されている。
【0331】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、米国特許第4,366,237号、英国特許
第2,125,570号、欧州特許第96,570号、
西独特許(公開)第3,234,533号に記載のもの
が好ましい。
【0332】発色色素の不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、リサーチ・ディスクロージャーN
o.17643のVII−G項、同No.307105
のVII−G項、米国特許第4,163,670号、特
公昭57−39413号、米国特許第4,004,92
9号、同4,138,258号、米国特許第1,14
6,368号、特開平1−319744号、同3−17
7836号、同3−177837号、欧州特許第42
3,727A号に記載のものが好ましい。また、米国特
許第4,774,181号に記載のカップリング時に放
出された蛍光色素により発色色素の不要吸収を補正する
カプラーや、米国特許第4,777,120号に記載の
現像主薬と反応して色素を形成しうる色素プレカーサー
基を離脱基として有するカプラーを用いることも好まし
い。
【0333】カップリングに伴って写真的に有用な残基
を放出する化合物もまた本発明で好ましくは使用でき
る。現像抑制を放出するDIRカプラーは、本発明の一
般式(1)、(2)及び一般式(Y)で表わされる基を
有するアシルアセトアミド型カプラーのほかに、前述の
RD17643、VII−F項及び同No.30710
5、VII−F項に記載された特許、特開昭57−15
1944号、同57−154234号、同60−184
248号、同63−37346号、同63−37350
号、米国特許4,248,962号、同4,782,0
12号に記載されたものを用いることができる。
【0334】RD No.11449、同24241、
特開昭61−201247号等に記載の漂白促進剤放出
カプラーは、漂白能を有する処理工程の時間を短縮する
のに有効であり、特に、前述の平板状ハロゲン化銀粒子
を用いる感光材料に添加する場合に、その効果が大であ
る。
【0335】現像時に画像状に造核剤もしくは現像促進
剤を放出するカプラーとしては、英国特許第2,09
7,140号、同2,131,188号、特開昭59−
157638号、同59−170840号に記載のもの
が好ましい。また、特開昭60−107029号、同6
0−252340号、特開平1−44940号、同1−
45687号に記載の現像主薬の酸化体との酸化還元反
応により、かぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶剤
等を放出する化合物も好ましい。
【0336】その他、本発明の感光材料に用いることの
できる化合物としては、米国特許第4,130,427
号等に記載の競争カプラー、米国特許第4,283,4
72号、同4,338,393号、同4,310,61
8号等に記載の多当量カプラー、特開昭60−1859
50号、特開昭62−24252号等に記載のDIRレ
ドックス化合物放出カプラー、DIRカプラー放出カプ
ラー、DIRカプラー放出レドックス化合物もしくはD
IRレドックス放出レドックス化合物、欧州特許第17
3,302A号、同313,308A号に記載の離脱後
復色する色素を放出するカプラー米国特許第4,55
5,477号等に記載のリガンド放出カプラー、特開昭
63−75747号に記載のロイコ色素を放出するカプ
ラー、米国特許第4,774,181号に記載の蛍光色
素を放出するカプラー等が挙げられる。
【0337】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
分散方法により感光材料に導入できる。
【0338】水中油滴分散法に用いられる高沸点溶剤の
例は米国特許第2,322,027号などに記載されて
いる。水中油滴分散法に用いられる常圧での沸点が17
5℃以上の高沸点有機溶剤の具体例としては、フタル酸
エステル類(ジブチルフタレート、ジシクロヘキシルフ
タレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、デシル
フタレート、ビス(2,4−ジ−t−アミルフェニル)
フタレート、ビス(2,4−ジ−t−アミルフェニル)
イソフタレート、ビス(1,1−ジエチルプロピル)フ
タレートなど)、リン酸またはホスホン酸のエステル類
(トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェー
ト、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリ
シクロヘキシルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシ
ルホスフェート、トリドデシルホスフェート、トリブト
キシエチルホスフェート、トリクロロプロピルホスフェ
ート、ジ−2−エチルヘキシルフェニルホスホネートな
ど)、安息香酸エステル類(2−エチルヘキシルベンゾ
エート、ドデシルベンゾエート、2−エチルヘキシル−
p−ヒドロキシベンゾエートなど)、アミド類(N,N
−ジエチルドデカンアミド、N,N−ジエチルラウリル
アミド、N−テトラデシルピロリドンなど)、アルコー
ル類またはフェノール類(イソステアリルアルコール、
2,4−ジ−tert−アミルフェノールなど)、脂肪
族カルボン酸エステル類(ビス(2−エチルヘキシル)
セバケート、ジオクチルアゼレート、グリセロールトリ
ブチレート、イソステアリルラクテート、トリオクチル
シトレートなど)、アニリン誘導体(N,N−ジブチル
−2−ブトキシ−5−tert−オクチルアニリンな
ど)、炭化水素類(パラフィン、ドデシルベンゼン、ジ
イソプロピルナフタレンなど)などが挙げられる。また
補助溶剤としては、沸点が約30℃以上、好ましくは5
0℃以上約160℃以下の有機溶剤などが使用でき、典
型例としては酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エ
チル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−エ
トキシエチルアセテート、ジメチルホルムアミドなどが
挙げられる。
【0339】ラテックス分散法の工程、効果および含浸
用のラテックスの具体例は、米国特許第4,199,3
63号、西独特許出願(OLS)第2,541,274
号および同2,541,230号などに記載されてい
る。
【0340】本発明におけるシアン、マゼンタ、イエロ
ーカプラーの分散液は下記式で表される比率で沸点15
0℃以上の高沸点有機溶媒を含むことができる。
【0341】 0≦高沸点有機溶媒(重量)/カプラー(重量)≦1.0 この比率は鮮鋭性及び膜強度向上の要求より好ましくは
0.7以下であり、さらに好ましくは0.5以下であ
る。
【0342】また、上記式における高沸点有機溶媒は共
乳化しているものをいう。
【0343】本発明のカラー感光材料中には、フェネチ
ルアルコールや特開昭63−257747号、同62−
272248号、および特開平1−80941号に記載
の1,2−べンズイソチアゾリン−3−オン、n−ブチ
ル、p−ヒドロキシベンゾエート、フェノール、4−ク
ロル−3,5−ジメチルフェノール、2−フェノキシエ
タノール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール
等の各種の防腐剤もしくは防黴剤を添加することが好ま
しい。
【0344】本発明は種々のカラー感光材料に適用する
ことができる。一般用もしくは映画用のカラーネガフィ
ルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反転フィル
ム、カラーペーパー、カラーポジフィルムおよびカラー
反転ペーパーなどを代表例として挙げることができる。
【0345】本発明に使用できる適当な支持体は、例え
ば、前述のRD.No.17643の28頁、同No.
18716の647頁右欄から648頁左欄、および同
No.307105の879頁に記載されている。
【0346】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
全親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm以下である
ことが好ましく、23μm以下がより好ましく、18μ
m以下が更に好ましく、16μm以下が特に好ましい。
また膜膨潤速度T1/2 は30秒以下が好ましく、20秒
以下がより好ましい。膜厚は、25℃相対湿度55%調
湿下(2日)で測定した膜厚を意味し、膜膨潤速度T
1/2 は、当該技術分野においた公知の手法に従って測定
することができる。例えば、エー・グリーン(A.Gr
een)らによりフォトグラフィック・サイエンス・ア
ンド・エンジニアリング(Photogr.Sci.&
Eng.),19巻,2号,124〜129頁に記載の
型のスエロメーター(膨潤計)を使用することにより、
測定でき、T1/2 は発色現像液で30℃、3分15秒処
理した時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚と
して、飽和膜厚の1/2に到達するまでの時間と定義す
る。
【0347】膨潤膨度T1/2 は、バインダーとしてのゼ
ラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時条
件を変えることによって調整することができる。また、
膨潤率は150〜400%が好ましい。膨潤率とは、さ
きに述べた条件下でも最大膨潤膜厚から、式:(最大膨
潤膜厚−膜厚)/膜厚に従って計算できる。
【0348】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm〜20μmの親水性
コロイド層(バック層と称す)を設けることが好まし
い。このバック層には、前述の光吸収剤、フィルター染
料、紫外線吸収剤、スタッチ防止剤、硬膜剤、バインダ
ー、可塑性、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤等を含有さ
せることが好ましい。このバック層の膨潤剤は150〜
500%が好ましい。
【0349】本発明に従ったカラー写真感光材料は、前
述のRD.No.17643の28〜29頁、同No.
18716の651頁左欄〜右欄、および同No.30
7105の880〜881頁に記載された通常の方法に
よって現像処理することができる。
【0350】本発明の感光材料の現像処理に用いる発色
現像液は、好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主
薬を主成分とするアルカリ性水溶液である。この発色現
像主薬としては、アミノフェノール系化合物も有用であ
るが、p−フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用
され、その代表例としては、例えば、3−メチル−4−
アミノ−N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−
アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリ
ン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メ
タンスルホンアミドエチルアニリン、3−メチル−4−
アミノ−N−エチル−β−メトキシエチルアニリン、4
−アミノ−3−メチル−N−メチル−N−(3−ヒドロ
キシプロピル)アニリン、4−アミノ−3−メチル−N
−エチル−N−(3−ヒドロキシプロピル)アニリン、
4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(2−ヒド
ロキシプロピル)アニリン、4−アミノ−3−エチル−
N−エチル−N−(3−ヒドロキシプロピル)アニリ
ン、4−アミノ−3−メチル−N−プロピル−N−(3
−ヒドロキシプロピル)アニリン、4−アミノ−3−プ
ロピル−N−メチル−N−(3−ヒドロキシプロピル)
アニリン、4−アミノ−3−メチル−N−メチル−N−
(4−ヒドロキシブチル)アニリン、4−アミノ−3−
メチル−N−エチル−N−(4−ヒドロキシブチル)ア
ニリン、4−アミノ−3−メチル−N−プロピル−N−
(4−ヒドロキシブチル)アニリン、4−アミノ−3−
メチル−N−エチル−N−(3−ヒドロキシ−2−メチ
ルプロピル)アニリン、4−アミノ−3−メチル−N,
N−ビス(4−ヒドロキシブチル)アニリン、4−アミ
ノ−3−メチル−N,N−ビス(5−ヒドロキシペンチ
ル)アニリン、4−アミノ−3−メチル−N−(5−ヒ
ドロキシペンチル)−N−(4−ヒドロキシブチル)ア
ニリン、4−アミノ−3−メトキシ−N−エチル−N−
(4−ヒドロキシブチル)アニリン、4−アミノ−3−
エトキシ−N,N−ビス(5−ヒドロキシペンチル)ア
ニリン、4−アミノ−N−プロピル−N−(4−ヒドロ
キシブチル)アニリン及びこれらの硫酸塩、塩酸塩もし
くはp−トルエンスルホン酸塩などが挙げられる。これ
らの中で、特に3−メチル−4−アミノ−N−エチル−
N−β−ヒドロキシエチルアニリン、4−アミノ−3−
メチル−N−エチル−N−(3−ヒドロキシプロピル)
アニリン、4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−
(4−ヒドロキシブチル)アニリン及びこれらの塩酸
塩、p−トルエンスルホン酸塩もしくは硫酸塩が好まし
い。4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(3−
ヒドロキシブチル)アニリン及びその塩類は発色性が高
くなり、現像銀量が少なくてもある程度の発色濃度を示
すことから、現像時間の短縮化や脱銀性の改善が可能で
あり、特に好ましい。これらの化合物は目的に応じ2種
以上併用することもできる。
【0351】発色現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホ
ウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、塩化物
塩、臭化物塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベン
ゾチアゾール類もしくはメルカプト化合物のような現像
抑制剤またはカブリ防止剤などを含むので一般的であ
る。また必要に応じて、ヒドロキシルアミン、ジエチル
ヒドロキシルアミン、亜硫酸塩、N,N−ビスカルボキ
シメチルヒドラジンの如きヒドラジン類、フェニルセミ
カルバジド類、トリエタノールアミン、カテコールスル
ホン酸類の如き各種保恒剤、エチレングリコール、ジエ
チレングリコールのような有機溶剤、ベンジルアルコー
ル、ポリエチレングリコール、四級アンモニウム塩、ア
ミン類のような現像促進剤、色素形成カプラー、競争カ
プラー、1−フェニル−3−ピラゾリドンのような補助
現像主薬、粘性付与剤、アミノポリカルボン酸、アミノ
ポリホスホン酸、アルキルホスホル酸、ホスホノカルボ
ン酸に代表されるような各種キレート剤、例えば、エチ
レンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリ
アミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロ
キシエチルイミノジ酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−
1,1−ジホスホン酸、ニトリロ−N,N,N−トリメ
チレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N,N
−テトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−ジ
(o−ヒドロキシフェニル酢酸)及びそれらの塩を代表
例として挙げることができる。
【0352】また反転処理を実施する場合は通常黒白現
像を行ってから発色現像する。この黒白現像液には、ハ
イドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1−フェ
ニル−3−ピラゾリドンなどの3−ピラゾリドン類また
はN−メチル−p−アミノフェノールなどのアミノフェ
ノール類など公知の黒白現像主薬を単独であるいは組み
合わせて用いることができる。これらの発色現像液及び
黒白現像液のpHは9〜12であることが一般的であ
る。またこれらの現像液の補充量は、処理するカラー写
真感光材料にもよるが、一般的に感光材料1平方メート
ル当たり3リットル以下であり、補充液中の臭化物イオ
ン濃度を低減させておくことにより500ミリリットル
以下にすることもできる。補充量を低減する場合には処
理槽の空気との接触面積を小さくすることによって液の
蒸発、空気酸化を防止することが好ましい。
【0353】処理槽での写真処理液と空気との接触面積
は、以下に定義する開口率で表わすことができる。即
ち、 開口率=〔処理液と空気との接触面積(cm2 )〕÷〔処
理液の容量(cm3 )〕 上記の開口率は、0.1以下であることが好ましく、よ
り好ましくは0.001〜0.05である。このように
開口率を低減させる方法としては、処理槽の写真処理液
面に浮き蓋等の遮蔽物を設けるほかに、特開平1−82
033号に記載された可動蓋を用いる方法、特開昭63
−216050号に記載されたスリット現像処理方法を
挙げることができる。開口率を低減させることは、発色
現像及び黒白現像の両工程のみならず、後続の諸工程、
例えば、漂白、漂白定着、定着、水洗、安定化などの全
ての工程において適用することが好ましい。また、現像
液中の臭化物イオンの蓄積を抑える手段を用いることに
より補充量を低減することもできる。
【0354】発色現像処理の時間は、通常2〜5分の間
で設定されるが、高温高pHとし、かつ発色現像主薬を
高濃度に使用することにより、更に処理時間の短縮を図
ることもできる。
【0355】発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理さ
れる。漂白処理は定着処理と同時に行なわれてもよいし
(漂白定着処理)、個別に行なわれてもよい。更に処理
の迅速化を図るため、漂白処理後漂白定着処理する処理
方法でもよい。さらに二槽の連続した漂白定着浴で処理
すること、漂白定着処理の前に定着処理すること、又は
漂白定着処理後漂白処理することも目的に応じ任意に実
施できる。漂白剤としては、例えば鉄(III)などの
多価金属の化合物、過酸類、キノン類、ニトロ化合物等
が用いられる。代表的漂白剤としては鉄(III)の有
機哉塩、例えばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレント
リアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチ
ルイミノ二酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、グ
リコールエーテルジアミン四酢酸、などのアミノポリカ
ルボン酸類もしくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの
錯塩などを用いることができる。これらのうちエチレン
ジアミン四酢酸鉄(III)錯塩、及び1,3−ジアミ
ンプロパン四酢酸鉄(III)錯塩を始めとするアミノ
ポリカルボン酸鉄(III)錯塩は迅速処理と環境汚染
防止の観点から好ましい。さらにアミノポリカルボン酸
鉄(III)錯塩は漂白液においても、漂白定着液にお
いても特に有用である。これらのアミノポリカルボン酸
鉄(III)錯塩を用いた漂白液又は漂白定着液のpH
は通常4.0〜8であるが、処理の迅速化のためにさら
に低いpHで処理することもできる。
【0356】漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書に記載されて
いる:米国特許第3,893,858号、西独特許第
1,290,812号、同2,059,988号、特開
昭53−32736号、同53−57831号、同53
−37418号、同53−72623号、同53−95
630号、同53−95631号、同53−10423
2号、同53−124424号、同53−141623
号、同53−28426号、リサーチ・ディスクロージ
ャーNo.17129号(1978年7月)などに記載
のメルカプト基またはジスルフィド基を有する化合物;
特開昭50−140129号に記載のチアゾリジン誘導
体;特公昭45−8506号、特開昭52−20832
号、同53−32735号、米国特許第3,706,5
61号に記載のチオ尿素誘導体;西独特許第1,12
7,715号、特開昭58−16235号に記載の沃化
物塩;西独特類第966,410号、同2,748,4
30号に記載のポリオキシエチレン化合物類;特公昭4
5−8836号記載のポリアミン化合物;その他特開昭
49−40943号、同49−59644号、同53−
94927号、同54−35727号、同55−265
06号、同58−163940号記載の化合物;臭化物
イオン等が使用できる。なかでもメルカプト基またはジ
スルフィド基を有する化合物が促進効果が大きい観点で
好ましく、特に米国特許第3,893,858号、西独
特許第1,290,812号、特開昭53−95630
号に記載の化合物が好ましい。更に、米国特許第4,5
52,834号に記載の化合物も好ましい。これらの漂
白促進剤は感材料中に添加してもよい。撮影用のカラー
感光材料を漂白定着するときにこれらの漂白促進剤は特
に有効である。
【0357】漂白液や漂白定着液には上記の化合物の他
に、漂白ステインを防止する目的で有機酸を含有させる
ことが好ましい。特に好ましい有機酸は、酸解離定数
(pKa)が2〜5である化合物で、具体的には酢酸、
プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸などが好ましい。
【0358】定着液や漂白定着液に用いられる定着剤と
してはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエーテル系化
合物、チオ尿素類、多量の沃化物塩等をあげることがで
きるが、チオ硫酸塩の使用が一般的であり、特にチオ硫
酸アンモニウムが最も広範に使用できる。また、チオ硫
酸塩とチオシアン酸塩、チオエーテル系化合物、チオ尿
素などの併用も好ましい。定着液や漂白定着液の保恒剤
としては、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、カルボニル重亜硫酸
付加物あるいは欧州特許第294769A号に記載のス
ルフィン酸化合物が好ましい。更に、定着液や漂白定着
液には液の安定化の目的で、各種アミノポリカルボン酸
類や有機ホスホン酸類の添加が好ましい。
【0359】本発明において、定着液または漂白定着液
には、pH調整のためにpKaが6.0〜9.0の化合
物、好ましくは、イミダゾール、1−メチルイミダゾー
ル、1−エチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール
の如きイミダゾール類を0.1〜10モル/リットル添
加することが好ましい。
【0360】脱銀工程の時間の合計は、脱銀不良が生じ
ない範囲で短い方が好ましい。好ましい時間は1分〜3
分、更に好ましくは1分〜2分である。また、処理温度
は25℃〜50℃、好ましくは35℃〜45℃である。
好ましく温度範囲においては、脱銀速度が向上し、かつ
処理後のステイン発生が有効に防止される。
【0361】脱銀工程においては、撹拌ができるだけ強
化されていることが好ましい。撹拌強化の具体的な方法
としては、特開昭62−183460号に記載の感光材
料の乳剤面に処理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭
62−183461号の回転手段を用いて撹拌効果を上
げる方法、更には液中に設けられたワイパーブレードと
乳剤面を接触させながら感光材料を移動させ、乳剤表面
を乱流化することによってより撹拌効果を向上させる方
法、処理液全体の循環流量を増加させる方法が挙げられ
る。このような撹拌向上手段は、漂白液、漂白定着液、
定着液のいずれにおいても有効である。撹拌の向上は乳
剤膜中への漂白剤、定着剤の供給を速め、結果として脱
銀速度を高めるものと考えられる。また、前記の撹拌向
上手段は、漂白促進剤を使用した場合により有効であ
り、促進効果を著しく増加させたり漂白促進剤による定
着阻害作用を解消させることができる。
【0362】本発明の感光材料に用いられる自動現像機
は、特開昭60−191257号、同60−19125
8号、同60−191259号に記載の感光材料搬送手
段を有していることが好ましい。前記の特開昭60−1
91257号に記載のとおり、このような搬送手段の前
浴から後浴への処理液の持込みを著しく削減でき、処理
後の性能劣化を防止する効果が高い。このような効果は
各工程における処理時間の短縮や、処理液補充量の低減
に特に有効である。
【0363】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一
般的である。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性
(例えばカプラー等使用素材による)、用途、更には水
洗水温、水洗タンクの数(段数)、向流、順流等の補充
方式、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。
このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の
関係は、Journal of the Societ
y of Motion Picture and T
elevision Engineers 第64巻、
P.248〜253(1955年5月号)に記載の方法
で、求めることができる。
【0364】前記文献に記載の多段向流方式によれば、
水洗水量を大幅に減少し得るが、タンク内における水の
滞留時間の増加により、バクテリアが繁殖し、生成した
浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生じる。本発明
のカラー感光材料の処理において、このような問題の解
決策として、特開昭62−288838号に記載のカル
シウムイオン、マグネシウムイオンを低減させる方法を
極めて有効に用いることができる。また、特開昭57−
8542号に記載のイソチアゾロン化合物やサイアベン
ダゾール類、塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩
素系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾール等、堀口博著
「防菌防黴剤の化学」(1986年)三共出版、衛生技
術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」(1982
年)工業技術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事
典」(1986年)に記載の殺菌剤を用いることもでき
る。
【0365】本発明の感光材料の処理における水洗水の
pHは、4〜9であり好ましくは5〜8である。水洗水
温、水洗時間も、感光材料の特性、用途等で種々設定し
得るが、一般には、15〜45℃で20秒〜10分、好
ましくは25〜40℃で30秒〜5分の範囲が選択され
る。更に、本発明の感光材料は、上記水洗に代り、直接
安定液によって処理することもできる。このような安定
化処理においては、特開昭57−8543号、同58−
148344号、同60−220345号に記載の公知
の方法はすべて用いることができる。
【0366】また、前記水洗処理に続いて、更に安定化
処理する場合もあり、その例として、撮影用カラー感光
材料の最終浴として使用される、色素安定化剤と界面活
性剤を含有する安定浴を挙げることができる。色素安定
化剤としては、ホルマリンやグルタルアルデヒドなどの
アルデヒド類、n- メチロール化合物、ヘキサメチレン
テトラミンあるいはアルデヒド亜硫酸付加物などを挙げ
ることができる。この安定浴にも各種キレート剤や防黴
剤を加えることもできる。
【0367】上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオ
ーバーフロー液は脱銀工程等他の工程において再利用す
ることもできる。
【0368】自動現像機などを用いた処理において、上
記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合には、水を加
えて濃縮補正することが好ましい。
【0369】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には
処理の簡略化及び迅速化の目的で発色現像主薬を内蔵し
ても良い。内蔵するためには、発色現像主薬の各種プレ
カーサーを用いるのが好ましい。例えば米国特許第3,
342,597号記載のインドアニリン系化合物、同第
3,342,599号、リサーチ・ディスクロージャー
No.14850及び同No.15159に記載のシッ
フ塩基型化合物、同No.13924号記載のアルドー
ル化合物、米国特許第3,719,492号記載の金属
塩錯体、特開昭53−135628号記載のウレタン系
化合物を挙げることができる。
【0370】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、
必要に応じて、発色現像を促進する目的で、各種の1−
フェニル−3−ピラゾリドン類を内蔵しても良い。典型
的な化合物は特開昭56−64339号、同57−14
4547号、および同58−115438号等に記載さ
れている。
【0371】本発明における各種処理液は10℃〜50
℃において使用される。通常は33℃〜38℃の温度が
標準的であるが、より高温にして処理を促進し処理時間
を短縮したり、逆により低温にして画質の向上や処理液
の安定性の改良を達成することができる。
【0372】また、本発明のハロゲン化銀感光材料は米
国特許第4,500,626号、特開昭60−1334
49号、同59−218443号、同61−23805
6号、欧州特許210,660A2号などに記載されて
いる熱現像感光材料にも適用できる。
【0373】
【実施例】以下に、本発明を実施例によって具体的に説
明するがこれに限定されるものではない。
【0374】実施例1 試料101の作成 下塗りを施した厚み127μの三酢酸セルロースフィル
ム支持体上に、下記の組成の各層より成る多層カラー感
光材料を作製し、試料101とした。数字はm2 当りの
添加量を表わす。なお添加した化合物の効果は記載した
用途に限らない。 第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.20g ゼラチン 1.9 g 紫外線吸収剤U−1 0.1 g 紫外線吸収剤U−3 0.04g 紫外線吸収剤U−4 0.1 g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.1 g 染料E−1の微結晶固体分散物 0.1 g 第2層:中間層 ゼラチン 0.40g 化合物Cpd−C 5 mg 化合物Cpd−J 5 mg 化合物Cpd−K 3 mg 高沸点有機溶媒Oil−3 0.1 g 染料D−4 0.4 mg 第3層:中間層 表面及び内部をかぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、変動係数 18%、AgI 含量1モル%) 銀量 0.05g ゼラチン 0.4 g 第4層:低感度赤感性乳剤層 乳剤A 銀量 0.1 g 乳剤B 銀量 0.4 g ゼラチン 0.8 g カプラーC−1 0.15g カプラーC−2 0.05g カプラーC−3 0.05g カプラーC−8 0.05g 化合物Cpd−C 10 mg 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1 g 添加物P−1 0.1 g 第5層:中感度赤感性乳剤層 乳剤B 銀量 0.2 g 乳剤C 銀量 0.3 g ゼラチン 0.8 g カプラーC−1 0.2 g カプラーC−2 0.05g カプラーC−3 0.2 g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1 g 添加物P−1 0.1 g 第6層:高感度赤感性乳剤層 乳剤D 銀量 0.4 g ゼラチン 1.1 g カプラーC−1 0.3 g カプラーC−2 0.1 g カプラーC−3 0.7 g 添加物P−1 0.1 g 第7層:中間層 ゼラチン 0.6 g 添加物M−1 0.3 g 混色防止剤Cpd−I 2.6 mg 紫外線吸収剤U−1 0.01g 紫外線吸収剤U−2 0.002g 紫外線吸収剤U−5 0.01g 染料D−1 0.02mg 化合物Cpd−C 5 mg 化合物Cpd−J 5 mg 化合物Cpd−K 5 mg 高沸点有機溶媒Oil−1 0.02g 第8層:中感層 表面及び内部をかぶらせた沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、変動係数16 %、 AgI 含量0.3 モル%) 銀量 0.02g ゼラチン 1.0 g 添加物P−1 0.2 g 混色防止剤Cpd−A 0.1 g 第9層:低感度緑感性乳剤層 乳剤E 銀量 0.1 g 乳剤F 銀量 0.2 g 乳剤G 銀量 0.2 g ゼラチン 0.5 g カプラーC−4 0.1 g カプラーC−6 0.05g カプラーC−7 0.20g 化合物Cpd−B 0.03g 化合物Cpd−C 10 mg 化合物Cpd−D 0.02g 化合物Cpd−E 0.02g 化合物Cpd−F 0.02g 化合物Cpd−G 0.02g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.1 g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1 g 第10層:中感度緑感性乳剤層 乳剤G 銀量 0.3 g 乳剤H 銀量 0.3 g ゼラチン 0.6 g カプラーC−4 0.1 g カプラーC−6 0.2 g カプラーC−7 0.1 g 化合物Cpd−B 0.03g 化合物Cpd−D 0.02g 化合物Cpd−E 0.02g 化合物Cpd−F 0.05g 化合物Cpd−G 0.05g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.01g 第11層:高感度緑感性乳剤層 乳剤I 銀量 0.5 g ゼラチン 1.0 g カプラーC−4 0.3 g カプラーC−6 0.1 g カプラーC−7 0.1 g 化合物Cpd−B 0.08g 化合物Cpd−C 5 mg 化合物Cpd−D 0.02g 化合物Cpd−E 0.02g 化合物Cpd−F 0.02g 化合物Cpd−G 0.02g 化合物Cpd−J 5 mg 化合物Cpd−K 5 mg 高沸点有機溶媒Oil−1 0.02g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.02g 第12層:中間層 ゼラチン 0.6 g 第13層:イエローフィルター層 黄色コロイド銀 銀量 0.09g ゼラチン 1.1 g 混色防止剤Cpd−A 0.01g 高融点有機溶媒Oil−1 0.01g 第14層:中間層 ゼラチン 0.6 g 第15層:低感度青感性乳剤層 乳剤J 銀量 0.2 g 乳剤K 銀量 0.3 g 乳剤L 銀量 0.1 g ゼラチン 0.8 g カプラーC−5 0.7 g 第16層:中感度青感性乳剤層 乳剤L 銀量 0.1 g 乳剤M 銀量 0.4 g ゼラチン 0.9 g カプラーC−5 0.6 g 第17層:高感度青感性乳剤層 乳剤N 銀量 0.4 g ゼラチン 1.2 g カプラーC−5 1.3 g 第18層:第1保護層 ゼラチン 0.7 g 紫外線吸収剤U−1 0.2 g 紫外線吸収剤U−2 0.05g 紫外線吸収剤U−5 0.3 g ホルマリンスカベンジャー Cpd−H 0.4 g 染料D−1 0.1 g 染料D−2 0.05g 染料D−3 0.1 g 第19層:第2保護層 コロイド銀 銀量 0.1 mg 微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、AgI含量1モル%) 銀量 0.1 g ゼラチン 0.4 g 第20層:第3保護層 ゼラチン 0.4 g ポリメチルメタクリレート(平均粒径1.5 μm)0.1 g メチルメタクリレートとアクリル酸のモル比4:6の共重合体 (平均粒径1.5 μm) 0.1 g シリコーンオイル 0.03g 界面活性剤W−1 0.03g また、すべての乳剤層には上記組成物の他に添加剤F−
1〜F−8を添加した。さらに各層には、上記組成物の
他にゼラチン硬化剤H−1及び塗布用、乳化用界面活性
剤W−2、W−3、W−4、W−5を添加した。
【0375】更に防腐、防黴剤としてフェノール、1,
2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−フェノキシ
エタノール、フェネチルアルコール、p−安息香酸ブチ
ルエステルを添加した。
【0376】
【表8】
【0377】
【表9】
【0378】
【表10】
【0379】
【化116】
【0380】
【化117】
【0381】
【化118】
【0382】
【化119】
【0383】
【化120】
【0384】
【化121】
【0385】
【化122】
【0386】
【化123】
【0387】
【化124】
【0388】
【化125】
【0389】
【化126】
【0390】
【化127】
【0391】
【化128】
【0392】
【化129】 試料102の作製 試料101において第14層の中間層を除去した以外試
料101と同様にして作製した。 試料103の作製 試料102において、第13層のイエローフィルター層
のコロイド銀を除去し、かわりに下記引例染料(1)を
酢酸エチルとトリクレジルフォスフェートの混合溶媒に
溶解し、コロイドミルを使ってゼラチン水溶液中に分散
し、化合物の塗布量が2.0×10-4モル/m2 になる
ように上記分散物を添加した以外試料101と同様にし
て作製した。
【0393】
【化130】 試料104の作製 試料103の引例染料(1)のかわりに本発明の染料分
散物II−51を等モル添加した以外試料103と同様
にして作製した。 試料105〜107の作製 試料104において染料分散物II−51のかわりにI
II−10、IV−3、VI−2をそれぞれ添加した以
外試料104と同様にして作製した。
【0394】試料108〜114の作製 試料101〜107において第15〜17層に添加した
イエローカプラーC−5を除去しかわりに本発明のイエ
ローカプラーYA−28を等モル添加し、発色濃度を合
わせるため塗布量を×0.8倍した以外試料101〜1
07と同様にして作製した。
【0395】試料115〜121の作製 試料108〜114と同じく第15〜17層のイエロー
カプラーを本発明のイエローカプラーYB−6に等モル
置き換えた以外試料108〜114と同様にして作製し
た。
【0396】試料122の作製 試料110において第15〜17層のイエローカプラー
を本発明のイエローカプラーYA−28とYB−6を各
々1/2モルずつ添加した以外は試料110と同様にし
て作製した。
【0397】上記試料101〜122の内容を表11に
示す。
【0398】
【表11】 得られた試料101〜122を裁断後、35℃80%R
Hの条件下にて一ケ月保存した。保存後、常法にてウエ
ッジ露光を与え室温にて保存しておいた試料とともに下
記処理工程にて処理し、染料の残色、感度離び最大発色
濃度の変化を調べた。また鮮鋭度評価のため緑感層のM
TF値の評価を行なった。
【0399】得られた結果を表12に示した。表12か
ら明らかなように本発明の染料とカプラーを組合せたも
のは第14層を除去しても長期保存時の感度変化、最大
濃度の低下(第1現像のかぶりアップによって起こるも
のと考えられる。)も少なく、また残色も少ない。さら
に鮮鋭度も高いことが分かる。
【0400】更に本発明のカプラーYA−28をYA−
4、YA−36−に、またYB−6をYB−24、YB
−31に等モル置き換えして作製し同様の評価を行なっ
たところ、表12と同様な効果が得られた。
【0401】
【表12】 処理工程 処理工程 時間 温度 第一現像 6分 38℃ 水 洗 2分 38℃ 反 転 2分 38℃ 発色現像 6分 38℃ 調 整 2分 38℃ 漂 白 6分 38℃ 定 着 4分 38℃ 水 洗 4分 38℃ 安 定 1分 25℃ 各処理液の組成は以下の通りであった。 〔第一現像液〕 ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸 ・5ナトリウム塩 1.5g ジエチレントリアミン五酢酸・5ナトリウム塩 2.0g 亜硫酸ナトリウム 30 g ハイドロキノン・モノスルホン酸カリウム 20 g 炭酸ナトリウム 15 g 重炭酸ナトリウム 12 g 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシ メチル−3−ピラゾリドン 1.5g 臭化カリウム 2.5g チオシアン酸カリウム 1.2g ヨウ化カリウム 2.0mg ジエチレングリコール 13 g 水を加えて 1000 ミリリットル pH 9.60 pHは塩酸又は水酸化カリウムで調製した。 〔反転液〕 ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸 ・5ナトリウム塩 3.0g 塩化第一スズ・2水塩 1.0g p−アミノフェノール 0.1g 水酸化ナトリウム 8 g 氷酢酸 15 ミリリットル 水を加えて 1000 ミリリットル pH 6.00 pHは塩酸又は水酸化ナリウムで調製した。 〔発色現像液〕 ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸 ・5ナトリウム塩 2.0g 亜硫酸ナトリウム 7.0g リン酸3ナトリウム・12水塩 36 g 臭化カリウム 1.0g ヨウ化カリウム 90 mg 水酸化ナトリウム 3.0g シトラジン酸 1.5g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル) −3−メチル−4−アミノアニリン・3/2硫酸・1水塩 11 g 3,6−ジチアオクタン−1,8−ジオール 1 g 水を加えて 1000 ミリリットル pH 11.80 pHは塩酸又は水酸化ナリウムで調製した。 〔調整液〕 エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム塩・2水塩 8.0g 亜硫酸ナトリウム 12 g 1−チオグリセロール 0.4g ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム付加物 30 g 水を加えて 1000 ミリリットル pH 6.20 pHは塩酸又は水酸化ナリウムで調製した。 〔漂白液〕 エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム塩・2水塩 2.0g エチレンジアミン4酢酸・Fe(III)アンモニウム・2水塩 120 g 臭化カリウム 100 g 硝酸アンモニウム 10 g 水を加えて 1000 ミリリットル pH 5.70 pHは塩酸又は水酸化ナリウムで調製した。 〔定着液〕 チオ硫酸アンモニウム 80 g 亜硫酸ナトリウム 5.0g 重亜硫酸ナトリウム 5.0g 水を加えて 1000 ミリリットル pH 6.60 pHは塩酸又はアンモニア水で調製した。 〔安定液〕 ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.02 g ポリオキシエチレンp−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.3 g 水を加えて 1000 ミリリットル pH 7.0 実施例2 下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム支持体上に、
下記に示すような組成の各層よりなる多層カラー感光材
料である試料201を作製した。 (感光層組成)各層に使用する素材の主なものは下記の
ように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤 ExS:増感色素 塗布量はハロゲン化銀およびコロイド銀については銀の
g/m2 単位で表した量を、またカプラー、添加剤およ
びゼラチンについてはg/m2 単位で表した量を、また
増感色素については同一層内のハロゲン化銀1モルあた
りのモル数で示した。 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.15 ゼラチン 1.90 ExM−1 2.0×10-2 HBS−1 3.0×10-2 第2層(中間層) ゼラチン 2.10 UV−1 3.0×10-2 UV−2 6.0×10-2 UV−3 7.0×10-2 ExF−1 4.0×10-3 HBS−2 7.0×10-2 第3層(低感度赤感乳剤層) 乳剤AA 銀 0.15 乳剤BB 銀 0.25 ゼラチン 1.50 ExS−1 1.0×10-4 ExS−2 3.0×10-4 ExS−3 1.0×10-5 ExC−1 0.11 ExC−3 0.11 ExC−4 3.0×10-2 ExC−7 1.0×10-2 HBS−1 7.0×10-3 第4層(中感度赤感乳剤層) 乳剤CC 銀 0.25 乳剤DD 銀 0.45 ゼラチン 2.00 ExS−1 1.0×10-4 ExS−2 3.0×10-4 ExS−3 1.0×10-5 ExC−1 0.16 ExC−2 8.0×10-2 ExC−3 0.17 ExC−7 1.5×10-2 比較カプラー(a) 3.0×10-2 Cpd−10 1.0×10-4 HBS−1 0.10 第5層(高感度赤感乳剤層) 乳剤EE 銀 0.60 ゼラチン 1.60 ExS−1 1.0×10-4 ExS−2 3.0×10-4 ExS−3 1.0×10-5 ExC−4 1.0×10-2 ExC−5 7.0×10-2 ExC−6 8.0×10-2 ExC−7 1.5×10-2 HBS−1 0.15 HBS−2 8.0×10-2 第6層(中間層) ゼラチン 1.10 P−2 0.17 Cpd−1 0.10 Cpd−4 0.17 HBS−1 5.0×10-2 第7層(低感度緑感乳剤層) 乳剤FF 銀 0.10 乳剤GG 銀 0.15 ゼラチン 0.50 ExS−4 3.0×10-4 ExS−5 1.2×10-4 ExS−6 0.2×10-4 ExS−7 3.0×10-4 ExM−1 3.0×10-2 ExM−2 0.20 比較カプラー(a) 3.0×10-2 Cpd−11 7.0×10-3 HBS−1 0.15 HBS−3 0.10 第8層(中感度緑感乳剤層) 乳剤HH 銀 0.55 ゼラチン 1.00 ExS−4 3.0×10-4 ExS−5 1.2×10-4 ExS−6 2.0×10-5 ExS−7 3.0×10-4 ExM−1 3.0×10-2 ExM−2 0.25 ExM−3 1.5×10-2 比較カプラー(a) 4.0×10-2 Cpd−11 9.0×10-3 HBS−1 0.20 第9層(高感度緑感乳剤層) 乳剤II 銀 0.45 ゼラチン 0.90 ExS−4 2.0×10-4 ExS−5 2.0×10-4 ExS−6 2.0×10-5 ExS−7 3.0×10-4 ExS−9 2.0×105 − ExM−1 1.0×10-2 ExM−4 3.9×10-2 ExM−5 2.6×10-2 比較カプラー(a) 0.8×10-2 Cpd−2 1.0×10-2 Cpd−9 2.0×10-4 Cpd−10 2.0×10-4 HBS−1 0.10 HBS−2 5.0×10-2 HBS−3 0.10 第10層(イエローフィルータ層) ゼラチン 0.90 黄色コロイド 5.0×10-2 Cpd−1 0.20 HBS−1 0.15 第11層(低感度青感乳剤層) 乳剤JJ 銀 0.10 乳剤KK 銀 0.20 ゼラチン 1.00 ExS−8 2.0×10-4 比較カプラー(a) 9.0×10-2 比較カプラー(A) 0.90 Cpd−2 1.0×10-2 HBS−1 0.15 HBS−4 0.15 第12層(高感度青感乳剤層) 乳剤LL 銀 0.40 ゼラチン 0.60 ExS−8 1.0×10-4 比較カプラー(a) 2.0×10-2 比較カプラー(A) 0.12 Cpd−2 1.0×10-3 HBS−1 4.0×10-2 第13層(第1保護層) 微粒子沃臭化銀(平均粒径0.07μm、AgI1モル%) 0.20 ゼラチン 0.80 UV−2 0.10 UV−3 0.10 UV−4 0.20 HBS−3 4.0×10-2 P−3 9.0×10-2 第14層(第2保護層) ゼラチン 0.90 B−1(直径1.5μm) 0.10 B−2(直径1.5μm) 0.10 B−3 2.0×10-2 H−11 0.40 更に、保存性、処理性、圧力耐性、防黴、防菌性、帯電
防止性、及び塗布性をよくするために、下記のCpd−
3、Cpd−5ないしCpd−8、P−11、P−1
2、W−11ないしW−13を添加した。
【0402】上記の他に、さらにB−4、F−11ない
しF−21、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、イリジウム
塩、及びロジウム塩が適宜、各層に含有されている。
【0403】次に本発明に用いた乳剤の一覧表および化
合物の化学構造式または化学名を下に示した。
【0404】
【表13】
【0405】
【表14】 表13および表14において、 (1)各乳剤は特開平2−191938号の実施例に従
い、二酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒子調
製時に還元増感されている。 (2)各乳剤は特開平3−237450号の実施例に従
い、各感光層に記載の分光増感色素とチオシアン酸ナト
リウムの存在下に金増感、硫黄増感とセレン増感が施さ
れている。 (3)平板状粒子の調製には特開平1−158426号
の実施例に従い、低分子量ゼラチンを使用している。 (4)平板状粒子および粒子構造を有する正常晶粒子に
は特開平3−237450号に記載されているような転
位線が高圧電子顕微鏡を用いて観察されている。 (5)各乳剤は沃臭化銀乳剤である。
【0406】
【化131】
【0407】
【化132】
【0408】
【化133】
【0409】
【化134】
【0410】
【化135】
【0411】
【化136】
【0412】
【化137】
【0413】
【化138】
【0414】
【化139】
【0415】
【化140】
【0416】
【化141】
【0417】
【化142】
【0418】
【化143】
【0419】
【化144】 試料201に続いて以下の試料を作製した。 (試料202〜204の作製)試料201の青感乳剤層
の第11層、第12層に使用したイエローカプラーの比
較カプラー(A)を表15に示すように比較カプラー
(B)、比較カプラー(C)及び本発明のイエローカプ
ラーYA−20にそれぞれ等モル量置き換えて試料を作
製した。 (試料205〜208の作製)試料201〜204のイ
エローフィルター層の第10層に用いた黄色コロイド銀
を全量除き、本発明の染料II−49を使用し、このI
I−49の高沸点有機溶媒(HBS−1)による分散物
を調製したもの(HBS−1/II−49=2/1重量
比)を3.0×10-4モル/m2 になるように塗布をし
て試料を作製した。 (試料209〜211の作製)試料208の赤感乳剤層
の第4層、緑感乳剤層の第7層〜第9層、青感乳剤層の
第11層、第12層に用いたDIRカプラーの比較カプ
ラー(a)を表15に示すように比較カプラー(b)、
引例カプラー(c)及び本発明のカプラーYA−64に
それぞれ等モル量置き換えて試料を作製した。 (試料212〜229の作製)試料201の赤感乳剤層
の第4層、緑感乳剤層の第7層〜第9層、青感乳剤層の
第11層、第12層に用いたDIRカプラー、青感乳剤
層の第11層、第12層に用いたイエローカプラー、イ
エローフィルター層の第10層の黄色コロイド銀をそれ
ぞれ表16及び表17に示すように本発明の前記一般式
(1)または一般式(2)で表わされるカプラー及び本
発明の前記染料もしくは引例の染料にそれぞれ等モル量
置き換えて試料を作製した。
【0420】
【表15】
【0421】
【表16】
【0422】
【表17】 なお、比較カプラー及び比較の染料については下記化1
45〜化147に示す。
【0423】
【化145】
【0424】
【化146】
【0425】
【化147】 作製した試料201〜229は次に示すカラー現像処理
工程、処理液組成の液を用いて処理を行い、以下に示す
諸性能について調べた。
【0426】処理は自動現像機を使用し、発色現像液の
累積補充量がタンク容量の3倍量補充されるまで別途像
様露光を与えた試料を処理したのち、処理を施し諸性能
について調べた。
【0427】処理工程及び処理液組成を以下に示す。 (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 発色現像 3分5秒 38.0℃ 600ミリリットル 10リットル 漂 白 50秒 38.0℃ 140ミリリットル 5リットル 漂白定着 50秒 38.0℃ − 5リットル 定 着 50秒 38.0℃ 420ミリリットル 5リットル 水 洗 30秒 38.0℃ 980ミリリットル 3.5リットル 安定(1) 20秒 38.0℃ − 3リットル 安定(2) 20秒 38.0℃ 560ミリリットル 3リットル 乾 燥 1分30秒 60 ℃ *補充量は感光材料1m2 当たりの量 安定液は(2)から(1)への向流方式であり、水洗水
のオーバーフロー液は全て定着浴へ導入した。漂白定着
浴への補充は、自動現像機の漂白槽の上部並びに定着槽
の上部に切りかきを設け、漂白槽、定着槽への補充液の
供給により発生するオーバーフロー液の全てが漂白定着
浴に流入されるようにした。尚、現像液の漂白工程への
持ち込み量、漂白液の漂白定着工程への持ち込み量、漂
白定着液の定着工程への持ち込み量及び定着液の水洗工
程への持ち込み量は感光材料1m2 当たりそれぞれ65
ミリリットル、50ミリリットル、50ミリリットル、
50ミリリットルであった。また、クロスオーバーの時
間はいずれも6秒であり、この時間は前工程の処理時間
に包含される。
【0428】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 2.0 2.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 3.3 3.3 亜硫酸ナトリウム 3.9 5.1 炭酸カリウム 37.5 39.0 臭化カリウム 1.4 0.4 沃化カリウム 1.3mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 3.3 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル) アミノ〕アニリン硫酸塩 4.5 6.0 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 10.05 10.15 (漂白液) タンク液(g) 補充液(g) 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二鉄アンモニウム一水塩 130 195 臭化アンモニウム 70 105 硝酸アンモニウム 14 21 ヒドロキシ酢酸 50 75 酢酸 40 60 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH〔アンモニア水で調整〕 4.4 4.4 (漂白定着タンク液) 上記漂白タンク液と下記定着タンク液の15対85(容量比)混合液。
【0429】 (pH7.0) (定着液) タンク液(g) 補充液(g) 亜硫酸アンモニウム 19 57 チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/リットル) 280 ミリットル 840ミリリットル イミダゾール 15 45 エチレンジアミン四酢酸 15 45 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH〔アンモニア水、酢酸で調整〕 7.4 7.45 (水洗水)水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロー
ムアンドハース社製アンバーライトIR−120B)
と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同アンバーライ
トIR−400)を充填した混床式カラムに通水してカ
ルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3mg/リット
ル以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール酸ナトリ
ウム20mg/リットルと硫酸ナトリウム150mg/
リットルを添加した。この液のpHは6.5〜7.5の
範囲にあった。 (安定液)タンク液、補充液共通 (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0リットル pH 8.5 上記カラー現像処理を行って以下の性能について調べ
た。 (1)写真性 白光(光源の色温度4800°K)の階調露光を与え、
上記処理を行った試料は濃度測定を行い、そのシアン
(R)、マゼンタ(G)、イエロー(B)濃度の特性曲
線からそれぞれについて最小濃度+0.2の濃度を与え
る露光量の逆数の対数値を算出し、これを感度として試
料201を基準にとってその差(ΔSR、ΔSG 、ΔS
B )を求め感度の比較を行った。
【0430】また、イエロー色像については最小濃度+
0.2の濃度を与える露光量の点から高露光量側にlo
gE=1.0の露光量を与える点の濃度を読み取り、同
じく試料201を基準にとって発色濃度の百分率(DB
%)を求めた。 (2)感光材料の保存性 作製した各試料の2組を準備し、1つの組は5℃の冷蔵
庫に5日間保存し、もう1つの組は50℃、80%RH
の条件下に5日間保存してから、これら2組の試料に白
光の階調露光を与えて同時に処理した。上記(1)と同
様の方法で感度を求め、同一番号の試料の5℃の冷蔵庫
に保存した試料の感度を基準にとってその差を求めた。
マゼンタ及びイエロー濃度についての結果を示す。さら
に感材の保存性として未露光試料を一定時間、一定の角
度で折り曲げた後、現像処理して圧力による濃度変化に
ついても調べた。 (3)色像堅牢性 白光の階調露光を与え、上記処理を行って(1)と同様
の濃度測定した試料は60℃、70%RHの条件下に3
0日間保存したのち、再び濃度測定を行った。これらの
特性曲線上から、テスト開始前の最小濃度+1.5の濃
度を与える露光量の点におけるテスト終了後の濃度を読
み取り、テスト開始前の濃度に対するテスト終了後の濃
度の百分率を求め、色像残存率(%)として堅牢性を調
べた。イエロー及びマゼンタ色像の結果を示す。 (4)画質 色濁り 緑色光の均一露光(0.5Lux・秒)を与えてから青
色光の階調露光を与え、処理して得られた色画像のイエ
ロー及びマゼンタ濃度を測定し、その特性曲線上の最小
濃度+2.0のイエロー濃度を与える露光量の点のマゼ
ンタ濃度から、イエロー濃度で測定した最小濃度部のマ
ゼンタ濃度を減じた値を色濁りとし、色再現性の評価の
1つの尺度とした。小さい値程イエロー色像の色の彩度
が高いことを表わす。
【0431】鮮鋭性 先に作製した試料201〜229のイエロー色像の感度
及び階調を試料201にほぼ一致するようにカプラー塗
布量あるいは増感色素添加量を調整して試料を再作製し
た。
【0432】これら再作製した試料を用いて、白光でも
ってMTFパターンを通して露光を与え、上記処理を行
い、慣用の方法でイエロー色像のMTF値(25サイク
ル/mm)を測定し鮮鋭度の比較を行った。
【0433】以上の(1)〜(4)の結果はまとめて表
18及び19に示す。
【0434】
【表18】
【0435】
【表19】 表18及び表19の結果から、本発明の前記カプラーを
使用することにより、イエロー色像の感度、発色濃度の
写真性能、感材の保存性、色像堅牢性、色濁りにおいて
優れていることが他の比較カプラー、類似のマロンジア
ミド系カプラーとの比較、つまり、試料204と試料2
01〜203との対比からわかる。
【0436】しかし、本発明の構成要件である前記本発
明のカプラーと前記本発明の染料を同一感光材料に使用
することにより、前記諸性能が比較試料205〜207
が同等レベルで殆んど変化しないのに対し、本発明の試
料208ではわずかでも向上することがわかる。さら
に、本発明の構成要件において本発明の染料の使用によ
り、該染料を用いた層よりも支持体に近い側の感光層、
つまり、緑感乳剤層、赤感乳剤層の感度が著しく高くな
ることが試料201〜204と試料205〜208の対
比から明瞭である。
【0437】一方、染料については、本発明の染料が写
真性能、感材の保存性、色像堅牢性、画質において他の
引例の染料に比べ優れていることも試料211、224
〜227と試料229との比較から明らかである。これ
は本発明の染料が乾膜中で他層へ拡散することがなく、
カラー現像試理中に脱色もしくは流出することによるも
のと考えられる。これに対し比較染料では乾膜中でも他
層への拡散が生じ写真性能に悪作用を及ぼしたり、ある
いはカラー現像処理中に脱色もしくは流出され難いこと
による影響が上記諸性能の差異として現われたものと思
われる。
【0438】なお、本発明の前記カプラーにおいても、
一般式(1)で表わされるカプラーよりも、一般式
(2)で表わされるカプラーのほうが上記諸性能に優れ
ていることも試料212〜214の間の比較及び試料2
15と試料216との比較から知ることができる。さら
に、本発明のカプラーにあってもカラー現像主薬の酸化
体とのカップリング反応により離脱しうる基が現像抑制
性化合物であるいわゆるDIRカプラーであって、この
種のカプラーを使用することにより写真性能、感材の保
存性、色像堅牢性、画質(色濁り、鮮鋭性)の諸性能が
さらに良化することも試料208〜210と試料21
1、221、222との比較、試料205と試料228
との比較から知ることができる。
【0439】また、感光材料の保存性の1つとして未露
光試料を一定の角度で折り曲げたのち現像処理してその
濃度変化を調べたが、本発明の構成要件を満たす試料2
08〜228、中でも試料211〜227が最も濃度変
化が小さく、次いで試料205〜207、試料229、
試料201〜204の順に大別されることが観察され、
本発明の前記一般式(1)または一般式(2)で表わさ
れるカプラー及び本発明の前記染料を使用することによ
り、感材の圧力耐性の改良されることがわかった。
【0440】実施例3 実施例2において作製した試料201、208、21
1、223、227及び228を用い、特公平2−32
615号及び実公平3−39784号に記載の方法に従
って、レンズ付フィルムユニットを作製した。
【0441】作製したこれら6種のレンズ付フィルムユ
ニットは同一条件で種々の被写体を撮影し、自動現像
機、FP−560BAL(富士写真フイルム株式会社
製)でもってカラー現像処理を行い、続いてフジミニラ
ボチャンピオン;プリンタープロセッサーFA−140
(富士写真フイルム株式会社製)でもってフジカラーペ
ーパー・スーパーFA、TypeIIにプリントした
(カラー現像処理はCP−43FAを使用した)。
【0442】上記6種からプリントして得られた絵柄を
観察したところ、本発明の構成からなる前記本発明のカ
プラーと本発明の染料を使用した試料208、211、
223、227及び228は比較染料を使用した試料2
01に比べ、色の彩度の高い鮮明な絵柄の得られること
が確認できた。また、同じ本発明の構成からなる試料で
あっても試料211、223、227のほうが試料20
8、228に比べ優れていることも確認できた。
【0443】実施例4 実施例2で作製した試料201〜229を用いて、自動
現像機を使用して以下に記載の方法で、発色現像液の累
積補充量がタンク容量の3倍量補充されるまで別途像様
露光を与えた試料を処理してから、性能を調べる試料の
処理を実施し、先の実施例2と同様の性能評価を行っ
た。 (処理工程) 工 程 処理時間 温度 補充量* タンク容量 前 浴 10秒 27℃ 13ミリリットル 10リットル リンス(1) 10秒 38℃ − − 発色現像 3分00秒 41℃ 30ミリリットル 20リットル 停 止 30秒 38℃ 20ミリリットル 10リットル 促 進 30秒 27℃ 6.5ミリリットル 10リットル 漂 白 3分00秒 27℃ 6.5ミリリットル 10リットル 水洗(1) 30秒 38℃ − 10リットル 水洗(2) 30秒 38℃ 45ミリリットル 10リットル 定 着 2分00秒 38℃ 20ミリリットル 10リットル 水洗(3) 40秒 38℃ − 10リットル 水洗(4) 40秒 38℃ − 10リットル 水洗(5) 40秒 38℃ 9ミリリットル 10リットル リンス(2) 10秒 38℃ 13ミリリットル 10リットル *補充量は35mm幅1m長さ当りの量を示す。
【0444】リンス(1)はスプレー方式で感光材料の
両面に直接、水を吹きつけ流し出す。30ミリリットル
/35mm幅1m。
【0445】水洗は(2)→(1)、(5)→(4)→
(3)への向流方式である。
【0446】以下に処理液の組成を示す。 (前浴) 母液(g) 補充液(g) ほう砂(10水塩) 20.0 20.0 硫酸ナトリウム 100 100 水酸化ナトリウム 1.0 1.0 水を加えて 1リットル 1リットル pH 9.25 9.35 (発色現像) 母液(g) 補充液(g) アミノトリ(メチレンホスホン酸)−5−ナトリウム塩 1.5 2.0 亜硫酸ナトリウム 2.0 2.5 臭化ナトリウム 1.0 0.8 炭酸ナトリウム(無水) 25.6 25.0 重炭酸ナトリウム 2.7 0.6 N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチル−3−メチル −4−アミノアニリンセスキスルフェートモノヒドレート 4.0 5.5 水を加えて 1リットル 1リットル pH 10.20 10.27 (停止) 7.0N硫酸 50ミリリットル 水を加えて 1リットル(母液に同じ) pH 0.8〜1.5 (促進) 母液(g) 補充液(g) メタ重亜硫酸ナトリウム 10.0 12.0 氷酢酸 25ミリリットル 30ミリリットル 酢酸ナトリウム 10.0 12.0 エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム 1.0 1.2 2−(2−N,N−ジメチルアミノエチル) イソチオ尿素二塩酸塩 3.0 3.6 水を加えて 1リットル 1リットル pH 2.3 3.8 (漂白) 母液(g) 補充液(g) ゼラチン 0.5 0.5 過硫酸ナトリウム 35.0 55.0 塩化ナトリウム 15.0 20.0 第1リン酸ナトリウム 9.0 12.9 リン酸(85%) 2.5ミリリットル 2.5ミリリットル 水を加えて 1リットル 1リットル pH 2.3 2.4 (定着) 母液(g) 補充液(g) アミノトリ(メチレンホスホン酸)−5−ナトリウム塩 1.5 2.1 チオ硫酸アンモニウム水溶液(58wt%) 185ミリリットル 200ミリリットル 亜硫酸ナトリウム 10.0 22.0 重亜硫酸ナトリウム 8.4 4.0 水を加えて 1リットル 1リットル pH 6.5 7.2 (リンス(2) ) 母液(g) 補充液(g) ホルムアルデヒド(37%) 1.0ミリリットル 1.5ミリリットル ドライウェル(富士フイルム(株)社製) 2.0ミリリットル 2.4ミリリットル 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル 上記処理を実施して得られた結果は、先の表18及び表
19に示した結果と同様の傾向を示すものであり、本発
明の構成要件である本発明の前記一般式(1)または一
般式(2)で表わされるカプラー及び本発明の前記染料
を使用する感光材料は写真性能、感材の保存性、色像堅
牢性、画質に優れていることが確認できた。
【0447】また、本発明においては発色現像処理前
に、本実施例の処理のようにアルカリ性の前浴処理を実
施してもなんら上記諸性能に変化を与えるものではない
ことが実施例2の結果との対比から知ることができた。
【0448】実施例5 試料501の作成 ポリエチレンで両面ラミネートした厚さ200μmの紙
支持体に、以下の第1層から第11層までを重層塗布
し、カラー写真材料を作成した。第1層塗布側のポリエ
チレンには、15重量%のアナターゼ型二酸化チタンホ
ワイトを白色顔料として、微量の群青を青み付け染料と
して添加した。支持体表面の色度は(L*、a*、b
*)表色系で、それぞれ89.0、−0.18、−0.
73であった。 (各層の組成)以下に各層の成分と塗布量(g/m2
を示す。ただし、ハロゲン化銀については銀換算の塗布
量を示す。 第1層(アンチハレーション層) 黒色コロイド銀 0.07 ゼラチン 0.50 第2層(低感度赤感層) 赤色増感色素(1、2、3各等量)で分光増感された塩沃臭化銀 (塩化銀1モル%、沃化銀4モル%、平均粒径0.3μm、 分散係数10%、立方体、コア沃度型コアシェル構造) 0.05 赤色増感色素(1、2、3各等量)で分光増感された塩沃臭化銀 (塩化銀1モル%、沃化銀4モル%、平均粒径0.5μm、 分散係数12%、立方体) 0.08 ゼラチン 1.00 シアンカプラー1 0.14 シアンカプラー2 0.07 褪色防止剤1 0.03 褪色防止剤2 0.03 褪色防止剤3 0.03 分散媒(カプラー用) 0.03 ジ(2−エチルヘキシル)フタレート(カプラー用溶媒) 0.02 トリノニルホスフェート(カプラー用溶媒) 0.02 ジ(3−メチルヘキシル)フタレート(カプラー用溶媒) 0.02 現像促進剤 0.05 第3層(高感度赤感層) 赤色増感色素(1、2、3各等量)で分光増感された沃臭化銀 (沃化銀6モル%、平均粒径0.8μm、分散係数18%、 平板状(アスペクト比=8)、コア沃度型コアシェル構造) 0.15 ゼラチン 1.00 シアンカプラー1 0.20 シアンカプラー2 0.10 褪色防止剤1 0.05 褪色防止剤2 0.05 褪色防止剤3 0.05 分散媒(カプラー用) 0.03 ジ(2−エチルヘキシル)フタレート(カプラー用溶媒) 0.033 トリノニルホスフェート(カプラー用溶媒) 0.033 ジ(3−メチルヘキシル)フタレート(カプラー用溶媒) 0.033 現像促進剤 0.05 第4層(中間層) 黒色コロイド銀 0.02 ゼラチン 1.00 混色防止剤1 0.04 混色防止剤2 0.04 トリクレジルホスフェート(混色防止剤用溶媒) 0.08 ジブチルフタレート(混色防止剤用溶媒) 0.08 ポリエチルアクリレート・ラテックス (分子量10000〜100000) 0.10 第5層(低感度緑感層) 緑色増感色素1で分光増感された塩沃化臭化銀 (塩化銀1モル%、沃化銀2.5モル%、平均粒径0.28μm、 分散係数6%、立方体、コア沃度型コアシェル構造) 0.03 緑色増感色素1で分光増感された塩沃臭化銀 (塩化銀1モル%、沃化銀2.5モル%、平均粒径0.45μm、 分散係数10%、立方体) 0.05 ゼラチン 0.80 マゼンタカプラー1 0.05 マゼンタカプラー2 0.05 褪色防止剤4 0.10 ステイン防止剤1 0.05 ステイン防止剤2 0.05 ステイン防止剤3 0.001 ステイン防止剤4 0.01 分散媒(カプラー用) 0.05 トリクレジルホスフェート(カプラー用溶媒) 0.075 トリオクチルホスフェート(カプラー用溶媒) 0.075 第6層(高感度緑感層) 緑色増感色素1で分光増感された沃臭化銀 (沃化銀3.5モル%、平均粒径1.0μm、分散係数18%、 平板状(アスペクト比=9)、均一沃度型) 0.10 ゼラチン 0.80 マゼンタカプラー1 0.05 マゼンタカプラー2 0.05 褪色防止剤4 0.10 ステイン防止剤3 0.001 ステイン防止剤4 0.01 分散媒(カプラー用) 0.05 トリクレジルホスフェート(カプラー用溶媒) 0.075 トリオクチルホスフェート(カプラー用溶媒) 0.075 第7層(イエローフィルター層) イエローコロイド銀 0.14 ゼラチン 1.00 混色防止剤1 0.06 トリクレジルホスフェート(混色防止剤用溶媒) 0.075 ジブチルフタレート(混色防止剤溶媒) 0.075 ポリエチルアクリレート・ラテックス (分子量10000〜100000) 0.10 第8層(低感度青感層) 青色増感色素(1、2各等量)で分光増感された塩沃臭化銀 (塩化銀2モル%、沃化銀2.0モル%、平均粒径0.38μm、 分散係数8%、立方体、コア沃度型コアシェル構造) 0.07 青色増感色素(1、2各等量)で分光増感された塩沃臭化銀 (塩化銀1モル%、沃化銀2.0モル%、平均粒径0.55μm、 分散係数10%、立方体、コア沃度型コアシェル構造) 0.10 ゼラチン 0.50 イエローカプラー1 0.10 イエローカプラー2 0.10 褪色防止剤5 0.10 ステイン防止剤3 0.001 分散媒(カプラー用 0.05 トリノニルホスフェート(カプラー用溶媒) 0.05 第9層(高感度青感層) 青色増感色素(1、2各等量)で分光増感された沃臭化銀 (沃化銀2.0モル%、平均粒径1.4μm、分散係数18%、 平板状(アスペクト比=12)、コア沃度型コアシェル構造) 0.25 ゼラチン 1.00 イエローカプラー1 0.20 イエローカプラー2 0.20 褪色防止剤5 0.10 ステイン防止剤3 0.002 分散媒(カプラー用) 0.15 トリノニルホスフェート(カプラー用溶媒) 0.10 第10層(紫外線吸収層) ゼラチン 1.50 紫外線吸収剤1 0.50 紫外線吸収剤2 0.50 分散媒(紫外線吸収剤用) 0.15 ジ(2−エチルヘキシル)フタレート (紫外線吸収剤用溶媒) 0.075 トリノニルホスフェート(紫外線吸収剤用溶媒) 0.075 染料1(イラジエーション防止用) 0.01 染料2(イラジエーション防止用) 0.01 染料3(イラジエーション防止用) 0.005 染料4(イラジエーション防止用) 0.005 第11層(保護層) ゼラチン 0.90 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド) エタン(ゼラチン硬化剤) 0.085 4,6−ジクロロ−2−ヒドロキシ−1,3,5− トリアジン・ナトリウム塩(ゼラチン硬化剤) 0.085 非感光性ハロゲン化銀 (塩臭化銀、臭化銀3モル%、平均粒径0.2μm) 0.02 変性ポバール 0.05 さらに各層には、乳化分散剤としてアルカノールXC
(Du Pont社製)およびアルキルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウムを、塗布助剤としてコハク酸エステルお
よびMagfac F−120(大日本インキ(株)
製)を用いた。ハロゲン化銀あるいはコロイド銀含有層
には下記の安定剤1、2および3を用いた。
【0449】このように作成した写真材料を試料番号5
01とした。
【0450】写真材料の作成に用いた化合物を以下に示
す。
【0451】
【化148】
【0452】
【化149】
【0453】
【化150】
【0454】
【化151】
【0455】
【化152】
【0456】
【化153】
【0457】
【化154】
【0458】
【化155】
【0459】
【化156】
【0460】
【化157】
【0461】
【化158】
【0462】
【化159】
【0463】
【化160】
【0464】
【化161】
【0465】
【化162】
【0466】
【化163】
【0467】
【化164】
【0468】
【化165】
【0469】
【化166】
【0470】
【化167】
【0471】
【化168】
【0472】
【化169】
【0473】
【化170】
【0474】
【化171】
【0475】
【化172】
【0476】
【化173】
【0477】
【化174】
【0478】
【化175】
【0479】
【化176】
【0480】
【化177】
【0481】
【化178】
【0482】
【化179】
【0483】
【化180】
【0484】
【化181】 試料501に続いて、以下の試料を作製した。 (試料502の作製)試料501の第7層に用いたイエ
ローコロイド銀を全量除き、代わりに実施例1で用いた
引例染料(1)を酢酸エチルとトリクレジルフォスフェ
ートの混合溶媒に溶解し、コロイドミルを用いてゼラチ
ン水溶液中に分散し、化合物の塗布量が3.0×10-4
になるように上記分散物を添加した以外は試料501と
同様にして作製した。 (試料503〜505の作製)試料502の引例染料
(1)の代わりに、本発明の染料分散物II−44、I
II−5、IV−2をそれぞれ等モル添加した以外は試
料502と同様にして作製した。 (試料506〜510の作製)試料501〜505にお
いて、第8層と第9層に添加したイエローカプラー1お
よび2を除去し、代わりに本発明のイエローカプラーY
A−15を等モル添加した以外は試料501〜505と
同様にして作製した。 (試料511〜515の作製)試料501〜505にお
いて、第8層と第9層に添加したイエローカプラー1お
よび2を除去し、代わりに本発明のイエローカプラーY
B−1を等モル添加した以外は試料501〜505と同
様にして作製した。 (試料516の作製)試料508において、第8層と第
9層に添加したイエローカプラーYA−15を除去し、
代わりにイエローカプラーYA−17およびYB−3を
1:1のモル比で添加した以外は試料508と同様にし
て作製した。
【0485】上記試料501〜516の内容を表20に
示した。
【0486】
【表20】 得られた試料501〜516はロールの状態で25℃の
条件下に2週間保存した後、裁断して各々の実験に供し
た。各試料は3200°Kの光源にてセンシメトリー用
ウェッジを通して露光した後、次に示すカラー反転現像
処理工程、処理液組成の液を用いて処理を行ない、濃度
測定を行なうことにより特性曲線を得て、以下に示す諸
性能について調べた。
【0487】 処理工程 時間 温度 母液タンク容量 補充量 黒白現像 75秒 38℃ 8リットル 330ml/m2 第1水洗(第1浴) 45秒 33℃ 5リットル なし 第1水洗(第2浴) 45秒 33℃ 5リットル 5000ml/m2 反転露光 15秒(100 ルックス) カラー現像 135秒 38℃ 15リットル 500ml/m2 第2水洗 45秒 33℃ 5リットル 1000ml/m2 漂白定着(第1浴) 60秒 38℃ 7リットル なし 漂白定着(第2浴) 60秒 38℃ 7リットル 220ml/m2 第3水洗(第1浴) 45秒 33℃ 5リットル なし 第3水洗(第2浴) 45秒 33℃ 5リットル なし 第3水洗(第3浴) 45秒 33℃ 5リットル 5000ml/m2 乾燥 45秒 75℃ 上記第1水洗工程および第3水洗工程は、それぞれ向流
水洗方式とした。すなわち、第1水洗工程では、第2水
洗水を流し、そのオーバーフロー液を第1浴に導いた。
また、第3水洗工程では、第3浴に水洗水を流し、その
オーバーフロー液を第2浴に導き、第2浴のオーバーフ
ロー液を第1浴に導いた。
【0488】各処理液の組成を以下に示す。 黒白現像液 母液 補充液 ニトリロ−N,N,N−トリメチレン ホスホン酸・5ナトリウム塩 1.0g 1.0g ジエチレントリアミン5酢酸・5ナトリウム塩 3.0 3.0 亜硫酸カリウム 30.0g 30.0g チオシアン酸カリウム 1.2g 1.2g 炭酸カリウム 35.0g 35.0g ハイドロキノンモノスルホン酸カリウム 25.0g 25.0g 1−フェニル−4−ヒドロキシメチル−4− メチル−4−メチル−3−ピラゾリドン 2.0g 2.0g 臭化カリウム 0.5g なし 沃化カリウム 5.0mg なし 水を加えて 1000 ml 1000 ml pH(塩酸または水酸化カリウムで調整) 9.60 9.60 カラー現像液 母液 補充液 ベンジルアルコール 15.0ml 18.0ml ジエチレングリコール 12.0ml 14.0ml 3,6−ジチアー1,8−オクタン−ジオール 0.20g 0.25g ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸 ・5ナトリウム塩 0.5g 0.5g ジエチレントリアミン5酢酸・5ナトリウム塩 2.0g 2.0g 亜硫酸ナトリウム 2.0g 2.5g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.0g 3.6g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)− 3−メチル−アミノアニリン硫酸塩 5.0g 8.0g 蛍光増白剤(ジアミノスチルベン系) 1.0g 1.2g 臭化カリウム 0.5g なし 沃化カリウム 1.0mg なし 水を加えて 1000 ml 1000 ml pH(塩酸または水酸化カリウムで調整) 10.25 10.40 漂白定着液 母液 補充液 エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム ・2水塩 5.0g 5.0g エチレンジアミン4酢酸・Fe(III) アンモニウム・1水塩 80.0g 80.0g 亜硫酸ナトリウム 15.0g 15.0g チオ硫酸アンモニウム水溶液(700ml/l) 160 ml 160 ml 2−メルカプト−1,3,4−トリアゾール 0.5g 0.5g 水を加えて 1000 ml 1000 ml pH(酢酸またはアンモニア水で調整) 6.50 6.50 上記のカラー反転現像処理を行なって、以下に示す諸性
能を調べた。 (1)発色性 イエロー色像について、試料501において最小濃度+
1.6を与える露光量を求め、この露光量の点における
濃度を読みとり、試料501を基準として濃度DB の百
分率(%)を求めた。 (2)感光材料の保存性 各試料を2組準備し、一方は25℃、60%RH、他方
は45℃、80%RHの条件下に7日間保存した後、同
時に処理を行なった。イエロー色像について最高濃度B
max と感度BS0.6 を、マゼンタ色像について最高濃
度GDmax を求めて、25℃、60%RHに保存した試
料に対する変化を示した。感度は濃度0.6を与える露
光量の逆数の対数を算出することにより求めた。 (3)残色 イエロー色像の最低濃度BDmax を試料501を基準に
して評価した。 (4)色像堅牢性 濃度測定を行なって特性曲線を得た試料を60℃、70
%RHの条件下に30日間保存した後、再び濃度測定を
行なった。イエロー色像について、保存テスト実施前の
特性曲線上で最小濃度(Dmin )+0.6の濃度を与え
る露光量の点においてテスト終了後のD´を読みとり、
さらに最小濃度Dmin´を求めた。テスト実施前の濃度
差に対するテスト終了後の濃度差の百分率X(%)を次
の式で求め、色像残存率として堅牢性を調べた。
【0489】X=(D´−Dmin ´)/0.6×100 以上の(1)〜(4)の結果をまとめて表21に示し
た。
【0490】
【表21】 表21に示した結果から明らかなように、本発明の染料
とカプラーを組み合わせて得られる感光材料は高発色性
を示し、色像の保存性が改善され、更に長期保存におけ
る感度や最高濃度の変化が少ないという優れた性能を発
揮することがわかる。また、残色も問題にならないこと
がわかる。
【0491】実施例6 ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体(厚さ10
0ミクロン)の表側に、次の第1層から第14層を、裏
側に第15層から第16層を重層塗布したカラー写真感
光材料を作成した。第1層塗布側のポリエチレンには酸
化チタン(4g/m2 )を白色顔料として、また微量
(0.003g/m2 )の群青を青み付け染料として含
む(支持体の表面の色度はL* 、a* 、b* 系で88.
0、−0.20、−0.75であった)。 (感光層組成)以下に成分と塗布量(g/m2 単位)を
示す。なお、ハロゲン化銀については銀換算の塗布量を
示す。各層に用いた乳剤は乳剤EM−1の製法に準じて
作られた。但し第14層の乳剤は表面化学増感しないリ
ップマン乳剤を用いた。 第1層(アンチハレーション層) 黒色コロイド銀 …0.10 混色防止剤(Cpd−27) …0.05 ゼラチン …0.70 第2層(中間層) ゼラチン …0.70 第3層(低感度赤感層) 赤色増感色素(ExS−11、12、13等量)で分光増感された臭化銀 (平均粒子サイズ0.25μ、粒子サイズ分布〔変動係数〕8%、八面体) …0.40 赤色増感色素(ExS−11、12、13等量)で分光増感された塩臭化銀 (塩化銀 5モル%、平均粒子サイズ0.40μ、粒子サイズ分布10 %、八面体) …0.08 ゼラチン …1.00 シアンカプラー(ExC−11、12、13を1:1:0.2) …0.30 退色防止剤(Cpd−21、22、23、24、50等量) …0.18 ステイン防止剤(Cpd−25) …0.003 カプラー分散媒(Cpd−26) …0.03 カプラー溶媒(Solv−1、2、3等量) …0.12 第4層(高感度赤感層) 赤色増感色素(ExS−11、12、13等量)で分光増感された臭化銀 (平均粒子サイズ0.60μ、粒子サイズ分布15%、八面体) …0.14 ゼラチン …1.00 シアンカプラー(ExC−11、12、13を1:1:0.2) …0.30 退色防止剤(Cpd−21、22、23、24、50等量) …0.18 カプラー分散媒(Cpd−26) …0.03 カプラー溶媒(Solv−1、2、3等量) …0.12 第5層(中間層) ゼラチン …1.00 混色防止剤(Cpd−27) …0.08 混色防止剤溶媒(Solv−4、5等量) …0.16 ポリマーラテックス(Cpd−28) …0.10 第6層(低感度緑感層) 緑色増感色素(ExS−14)で分光増感された臭化銀(平均粒子サイズ 0.25μ、粒子サイズ分布8%、八面体) …0.04 緑色増感色素(ExS−14)で分光増感された塩臭化銀(塩化銀5モル%、 平均粒子サイズ0.40μ、粒子サイズ分布10%、八面体) …0.06 ゼラチン …0.80 マゼンタカプラー(ExM−11、12、13等量) …0.11 退色防止剤(Cpd−29、46、50等量) …0.15 ステイン防止剤(Cpd−30、31、32、33を 10:7:7:1比で) …0.025 カプラー分散媒(Cpd−26) …0.05 カプラー溶媒(Solv−4、6等量) …0.15 第7層(高感度緑感層) 緑色増感色素(ExS−14)で分光増感された臭化銀(平均粒子サイズ 0.65μ、粒子サイズ分布16%、八面体) …0.10 ゼラチン …0.80 マゼンタカプラー(ExM−11、12、13等量) …0.11 退色防止剤(Cpd−29、46、50等量) …0.15 ステイン防止剤(Cpd−30、31、32、33を 10:7:7:1比で) …0.025 カプラー分散媒(Cpd−26) …0.05 カプラー溶媒(Solv−4、6等量) …0.15 第8層(中間層) 第5層と同じ 第9層(イエローフィルター層) イエローコロイド銀(粒子サイズ100A) …0.12 ゼラチン …0.70 混色防止剤(Cpd−27) …0.03 混色防止剤溶媒(Solv−4、5等量) …0.10 ポリマーラテックス(Cpd−28) …0.07 第10層(中間層) 第5層と同じ 第11層(低感度青感層) 青色増感色素(ExS−15、16等量)で分光増感された臭化銀 (平均粒子サイズ0.40μ、粒子サイズ分布8%、八面体) …0.07 青色増感色素(ExS−15、16等量)で分光増感された塩臭化銀 (塩化銀8モル%、平均粒子サイズ0.60μ、粒子サイズ分布11%、 八面体) …0.14 ゼラチン …0.80 イエローカプラー(ExY−1、2、3等量) …0.35 退色防止剤(Cpd−34) …0.10 退色防止剤(Cpd−50) …0.05 ステイン防止剤(Cpd−25、35を1:5比で) …0.007 カプラー分散媒(Cpd−26) …0.05 カプラー溶媒(Solv−2) …0.10 第12層(高感度青感層) 青色増感色素(ExS−15、16等量)で分光増感された臭化銀 (平均粒子サイズ0.85μ、粒子サイズ分布18%、八面体) …0.15 ゼラチン …0.60 イエローカプラー(ExY−1、2、3等量) …0.30 退色防止剤(Cpd−34) …0.10 退色防止剤(Cpd−50) …0.05 ステイン防止剤(Cpd−25、35を1:5比で) …0.007 カプラー分散媒(Cpd−26) …0.05 カプラー溶媒(Solv−2) …0.10 第13層(紫外線吸収層) ゼラチン …1.00 紫外線吸収剤(Cpd−22、24、36等量) …0.50 混色防止剤(Cpd−27、37等量) …0.03 分散媒(Cpd−26) …0.02 紫外線吸収剤溶媒(Solv−2、7等量) …0.08 イラジエーション防止染料(Cpd−38、39、40、41、47を 10:10:13:15:20比で) …0.05 第14層(保護層) 微粒子塩臭化銀(塩化銀97モル%、平均サイズ0.1μ) …0.03 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体(分子量50,000) …0.01 ポリメチルメタクリレート粒子(平均粒子サイズ2.4μ)と酸化けい素 (平均粒子サイズ5μ)等量 …0.05 ゼラチン …1.80 ゼラチン硬化剤(H−21、H−22等量) …0.18 第15層(裏層) ゼラチン …2.50 紫外線吸収剤(Cpd−22、24、36等量) …0.50 染料(Cpd−38、39、40、41、47等量) …0.06 第16層(裏層保護層) ポリメチルメタクリレート粒子(平均粒子サイズ2.4μ)と酸化けい素 (平均粒子サイズ5μ)等量 …0.05 ゼラチン …2.00 ゼラチン硬化剤(H−21、H−22等量) …0.14 乳剤EM−1の作り方 臭化カリウムと硝酸銀の水溶液をゼラチン水溶液に激し
く攪拌しながら75℃で15分を要して同時に添加し、
平均粒径が0.35μの八面体臭化銀粒子を得た。この
際、銀1モル当り0.3gの3,4−ジメチル−1,3
−チアゾリン−2−チオンを添加した。この乳剤に銀1
モル当り6mgのチオ硫酸ナトリウムと7mgの塩化金
酸(4水塩)を順次加え、75℃で80分間加熱するこ
とにより化学増感処理を行なった。こうして得た粒子を
コアとして、第1回目と同様な沈澱環境で更に成長さ
せ、最終的に平均粒径が0.7μの八面体単分散コア/
シェル臭化銀乳剤を得た。粒子サイズの変動係数は約1
0%であった。この乳剤に銀1モル当り1.5mgのチ
オ硫酸ナトリウムと1.5mgの塩化金酸(4水塩)を
加え、60℃で60分間加熱して化学増感処理を行ない
内部潜像型ハロゲン化銀乳剤を得た。
【0492】各感光層には、造核剤としてExZK−1
とExZK−2をハロゲン化銀に対しそれぞれ10-3
10-2重量%、造核促進剤としてCpd−42、48、
49を各々10-2重量%用いた。更に各層には乳化分散
助剤としてアルカノールXC(Du Pont社)及び
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムを、塗布助剤と
してコハク酸エステル及びMagefac F−120
(大日本インキ社製)を用いた。ハロゲン化銀及びコロ
イド銀含有層には安定剤として(Cpd−43、44、
45)を用いた。この試料を試料番号601とした。以
下に実施例に用いた化合物を示す。
【0493】
【化182】
【0494】
【化183】
【0495】
【化184】
【0496】
【化185】
【0497】
【化186】
【0498】
【化187】
【0499】
【化188】
【0500】
【化189】
【0501】
【化190】
【0502】
【化191】
【0503】
【化192】 Solv−1 ジ(2−エチルヘキシル)セバケート Solv−2 トリノニルホスフェート Solv−3 ジ(3−メチルヘキシル)フタレート Solv−4 トリクレジルホスフェート Solv−5 ジブチルフタレート Solv−6 トリオクチルホスフェート Solv−7 ジ(2−エチルヘキシル)フタレート H−21 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン H−22 4,6−ジクロロ−2−ヒドロキシ−1,3,5−トリ
アジン Na塩 ExZK−1 7−(3−エトキシチオカルボニルアミノベンズアミ
ド)−9−メチル−10−プロパルギル−1,2,3,
4−テトラヒドロアクリジニウム トリフルオロメタン
スルホナート ExZK−2 2−〔4−{3−〔3−{3−〔5−{3−〔2−クロ
ロ−5−(1−ドデシルオキシカルボニルエトキシカル
ボニル)フェニルカルバモイル〕−4−ヒドロキシ−1
−ナフチルチオ}テトラゾール−1−イル〕フェニル}
ウレイド〕ベンゼンスルホンアミド}フェニル〕−1−
ホルミルヒドラジン。
【0504】試料602の作製 試料601において、第10層の中間層を除去した以外
は試料601と同様にして作製した。 試料603の作製 試料602において、第9層のイエローフィルター層の
コロイド銀を除去し、かわりに実施例1の引例染料
(1)を酢酸エチルとトリクレジルフォスフェートの混
合溶媒に溶解し、コロイドミルを使ってゼラチン水溶液
中に分散し、化合物の塗布量が2.8×10-4モル/m
2 になるように上記分散物を添加した以外は、試料60
1と同様にして作製した。 試料604の作製 試料603の引例染料(1)のかわりに本発明の染料分
散物II−1を等モル添加した以外、試料603と同様
にして作製した。 試料605〜607の作製 試料604において染料分散物II−1のかわりにII
I−16、IV−3、V−5をそれぞれ添加した以外は
試料604と同様にして作製した。 試料608〜614の作製 試料601〜607において第11、12層に添加した
イエローカプラーExY−1、2、3を除去し、かわり
に本発明のイエローカプラーYA−28を等モル添加し
た以外試料601〜607と同様にして作製した。 試料615〜621の作製 試料608〜614と同様に、第11、12層のイエロ
ーカプラーを本発明のイエローカプラーYB−6に等モ
ル置き換えした以外は試料608〜614と同様にして
作製した。以上の試料601〜621を表22に一覧す
る。
【0505】
【表22】 このようにして作製されたカラー印画紙試料601〜6
21を40℃、80%RHの環境下に3日間保存し、ウ
ェッジ露光(1/10秒、10cms)した後、下記の
処理工程を施してイエローの最大発色画像濃度及び最小
発色画像濃度を測定した。その結果を表23に示す。
【0506】
【表23】 また、同様の試料601〜621を同様に露光処理した
後、30℃、80%RHにて7日間強制経時させた後の
イエロー最大発色濃度の低下量及び、60℃、40%R
Hにて3日間強制経時された後のイエロー最大発色濃度
の低下量を測定した。その結果を表24に示す。
【0507】
【表24】 表23、表24の結果から明らかなように、本発明の染
料とカプラーを組み合わせた物は第10層の中間層を除
去しても長期保存の最大発色画像濃度、最小発色画像濃
度の変化が小さい。また、色像の堅牢性も良好なことが
分かる。
【0508】以下に、実施例6における処理工程を示
す。
【0509】以上のようにして作成したハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料は像様露光した後、自動現像機を用い
て以下に記載の方法で、液の累積補充量がそのタンク容
量の3倍になるまで連続処理した。
【0510】 処理工程 時間 温度 タンク容量 補充量 発色現像 135秒 38℃ 11リットル 350ミリリットル/m2 漂白定着 40秒 34℃ 3リットル 300ミリリットル/m2 水洗(1) 40秒 32℃ 3リットル − 水洗(2) 40秒 32℃ 3リットル 350ミリリットル/m2 乾 燥 30秒 80℃ 水洗水の補充方式は、水洗浴(2)に補充し、水洗浴
(2)のオーバーフロー液を水洗浴(1)に導く、いわ
ゆる向流補充方式とした。このとき感光材料による各処
理液の持ち出し量は35ミリリットル/m2 であった。
【0511】各処理液の組成は以下の通りであった。 〔発色現像液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 D−ソルビット 0.15g 0.20g ナフタレンスルホン酸ナトリウム・ホルマリン縮合物 0.15g 0.20g ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)五ナトリウム塩 1.8g 1.8g ジエチレントリアミン五酢酸 0.5g 0.5g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 0.15g 0.15g ジエチレングリコール 12.0ml 6.0ml ベンジルアルコール 13.5ml 18.0ml 臭化カリウム 0.70g − ベンゾトリアゾール 0.003g 0.004g 亜硫酸ナトリウム 2.4g 3.2g ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナートエチル) ヒドロキシルアミン 8.0 10.6g トリエタノールアミン 6.0 8.0g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−3−メチル− 4−アミノアニリン・3/2硫酸・1水塩 6.0g 8.0g 炭酸カリウム 30.0g 25.0g 蛍光増白剤(ジアミノスチルベン系) 1.3g 1.7g 水を加えて 1000ml 1000ml pH(25℃)(KOHまたは硫酸でpH調整) 10.30 10.79 〔漂白定着液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム・2水塩 4.0g タンク液に同じ エチレンジアミン4酢酸・Fe(III)・アンモニウム・2水塩 55.0g チオ硫酸アンモニウム(750g/リットル) 168ミリリットル p−トルエンスルホン酸ナトリウム 30.0g 亜硫酸アンモニウム 35.0g 5−メルカプト−1,3,4−トリアゾール 0.5g 硝酸アンモニウム 10.0g 水を加えて 1000ミリリットル pH(25℃)(アンモニア水または酢酸でpH調整) 6.5 〔水洗水〕 [ タンク液、補充液とも〕 塩素化イソシアヌール酸ナトリウム 0.02 g 脱イオン水(導電率5μs/cm以下) 1000ミリリットル pH 6.5
【0512】
【発明の効果】本発明の染料を本発明のカプラーと組み
合わせるとコロイド銀を用いたときに生じる保存時のか
ぶりや感度変化を大幅に減少させることができ、またコ
ロイド銀層に隣接して設けられた層を必要とすることな
く鮮鋭度を向上させることができる。さらに、写真性
能、特に感度、色像堅牢性、色濁り、画質の再現性に優
れたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供することが
できる。
フロントページの続き (72)発明者 田本 公璽 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 柴山 繁 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 佐藤 実 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 中条 清 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にそれぞれ少なくとも一層の赤
    感性ハロゲン化銀乳剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層、
    青感性ハロゲン化銀乳剤層及び非感光性層を有するハロ
    ゲン化銀カラー写真感光材料において、該写真感光材料
    が下記化1に示される一般式(I)で表される染料を含
    有し、且つ該感光性ハロゲン化銀乳剤層または非感光性
    層に下記化2、化3に示される一般式(1)、(2)で
    表されるイエローカプラーの少なくとも1種および/ま
    たは下記化4に示される一般式(Y)で表されるアシル
    基を有するアシルアセトアミド型イエローカプラーを少
    なくとも一種含有することを特徴とするハロゲン化銀カ
    ラー写真感光材料。 【化1】 式中X、Yは各々電子求引性基を表わすか、XYで結合
    した酸性核を表わし、Arはフェニル基または複素環基
    を表し、L1 、L2 、L3 は各々メチン基を表わし、n
    は0、1又は2を表わす。 【化2】 【化3】 一般式(1)、(2)中、X1 及びX2 は各々アルキル
    基、アリール基又は複素環基を表し、X3 は>N−とと
    もに含窒素複素環基を形成する有機残基を表し、Yはア
    リール基又は複素環基を表し、Zは該一般式で示される
    カプラーが現像主薬酸化体と反応したとき離脱する基を
    表す。 【化4】 一般式(Y)中、D1 は一価の基を表し、QはCととも
    に3〜5員の炭化水素環またはN、S、OおよびPから
    選ばれる少なくとも一個のヘテロ原子を環内に有する3
    〜5員の複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表
    す。但し、D1 は水素原子であることはなく、また、Q
    と結合して環を形成することはない。
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