JPH0513420Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の目的） この考案は、携帯中その他非所望のときの誤噴
射の発生を予防するため、操作機構をロツクでき
るエアゾル噴射容器に関するもので、古くから随
所で量産消費され安価である周知エアゾル噴射用
容器本体を仕様の変更なしに使用し、しかも前記
操作機構のロツクが可能な手段を提供するのがそ
の目的である。

従来、エアゾル噴射容器には一般に着脱式のキ
ヤツプを付属させ、噴射口つきの押ボタンなど容
器本体の外部に所在する操作機構をこのキヤツプ
で覆い、護噴射の発生を予防するのが通例であつ
たが、小型の噴射容器については特にキヤツプが
紛失しやすいところから、キヤツプを省略し、こ
れにかえて操作機構をロツクできるようにするこ
ともすでに提案されている。しかしながら、もつ
とも多量に消費されて安価な容器本体にロツク機
構を施す場合、従来の提案によれば、マウンテン
キヤツプにロツク機構の一部を設けている関係
上、周知のマウンテンキヤツプの仕様変更が必要
な著しい不利がある。この考案はこのような不利
を回避することにより、前記した着脱式キヤツプ
を付属させたのとかわらない低コストの誤噴射防
止手段を実現できたもので、以下図示の実施例に
よりこの考案を説明する。

（考案の構成） すなわち、１は噴射剤の圧力下に噴射液を収容
する容器本体で、バルブステム１１の下方への弾
圧で開弁する噴射弁の図示外の弁筐を固定したマ
ウンテンキヤツプ１２をそなえている。２はバル
ブステム１１に冠着した噴射口２１つきの押ボタ
ンで、このような容器本体１と押ボタン２とによ
り噴射容器が構成されているが、このような噴射
容器はもちろん周知である。

ところでこの考案によれば、噴射口２１の露出
窓３２を穿つた保護筒３がマウンテンキヤツプ１
２の縁部に回転可能かつ脱け難く外嵌されてい
る。

この保護筒３には、ストツパー片３１が内周面
に突設形成されている一方、押ボタン２には第１
図、第４図、または第７図に示すその上昇位置に
おいてストツパー片３１の頂面の水準に対応する
裾縁２３が形成されており、裾縁２３にはストツ
パー片３１の受溝２４が穿たれている。そして、
ストツパー片３１の頂面の水準を含む対壁面２５
が受溝２４に隣接して形成されている。さらに、
前記した露出窓３２は、ストツパー片３１が受溝
２４内に位置するときにおける噴射口２１の前方
に設けられている。

この考案は上記のようにしてなつているが、図
示した各実施例によれば、前記したストツパー片
３１および受溝２４はそれぞれ軸対称に１対ずつ
設けられている。しかしながら、これらのストツ
パー片３１および受溝２４はたがいに対応するか
ぎり、その組数および位置は任意である。また、
図示の各実施例によれば、保護筒３に設けた掛爪
３３とストツパー片３１とによりマウンテンキヤ
ツプ１２を上下からはさみ込んでいるが、掛爪３
３のみにより保護筒３がマウンテンキヤツプ１２
の縁部から脱け難く装着される場合は、ストツパ
ー片３１をさらに上方に変更してもよい。

つぎに、第１実施例によれば、ストツパー片３
１に対する対壁面２５は押ボタンの裾縁２３から
下方に垂下したピン２６の側面に形成されている
とともに、このピン２６および受溝２４の部分を
除いては、押ボタンの上昇位置において、ストツ
パー片３１の頂面の水準に対応する裾縁２３が全
周にわたつて形成されているので、保護筒３は押
ボタン２に対してほぼ180度回転可能である。こ
れに対し、第２実施例によれば、前記対壁面２５
はストツパー片３１の頂面の水準に対応する裾縁
２３よりも下方に垂下する裾壁２７の端面として
形成され、この裾壁２７は全周のほぼ1/4にわた
つて形成されているため、保護筒３の回転可能範
囲はほぼ90度である。なお、第２実施例によれ
ば、前記した露出窓３２と軸対称の位置に指当り
逃げ用の切欠き３４が保護筒３に設けられてい
る。

さて、この考案は前記のようにしてなり、回転
可能な保護筒３の内周面に形成されているストツ
パー片３１の受溝２４が押ボタン２の裾縁２３に
穿たれている一方、ストツパー片３１の頂面の水
準を含む対壁面２５が受溝２４に隣接形成されて
いるので、保護筒３を回転し、ストツパー片３１
が対壁面２５に当接して停止したとき、押ボタン
２を押圧すれば、対壁面２５にそつてストツパー
片３１が受溝２４に受入れられるので、押ボタン
２とともにバルブステム１１が下降し、噴射弁が
開く。一方、保護筒３に穿たれている露出窓３２
はストツパー片３１が受溝２４内に位置するとき
における噴射口２１に前方に設けられているの
で、前記のようにして噴射弁が開いたとき、容器
本体１に収容されている噴射液が噴射口２１から
露出窓３２を介して放出される。

つぎに押ボタン２の弾圧を解除すれば、噴射弁
の閉鎖とともに押ボタン２が再び上昇位置に復帰
し、その際ストツパー片３１は受溝２４から下方
に脱出するとともに、押ボタンの裾縁２３はスト
ツパー３１の頂面に対応する水準に復帰する。そ
こで、保護筒３を逆回転すれば、ストツパー片３
１は裾縁２３の下方でこれにそつて移動するとと
もに、露出窓３２が噴射口２１の前方位置から移
動し、従つて、噴射口２１は保護筒３の筒壁に覆
われて保護される。

前記したように、裾縁２３は、この際ストツパ
ー片３１の頂面の水準に対応する位置にあるの
で、押ボタン２を押圧すれば裾縁２３が直ちにス
トツパー片３１に当接し、従つて、押ボタン２の
下降は不能であり、従つて、押ボタン２に不測の
外力が及んでも誤噴射が防止される。そして、そ
れと同時に噴射口２１が保護筒３の筒壁で覆われ
るので、噴射口２１が外力から保護される。

（考案の効果） かくして、この考案によれば、指頭による軽い
操作により押ボタン２を操作不能にロツクし、ま
たはロツクの解除が容易にできるのと同時に、ロ
ツクの状態では噴射口２１が外力から保護される
のみならず、保護筒は離脱不能で紛失のおそれが
ない。それのみならず、このような噴射容器を構
成するのにあたり、容器本体１には、古くからも
つとも多用されているものを何ら仕様変更せずに
そのまま使用できるし、押ボタン２は、裾部が特
殊な形状を呈していても、プラスチツク成型によ
り、普通の従来品と同等の生産コストで量産で
き、また同様に、保護筒３の形状は従来の着脱式
保護キヤツプと較べてきわめて特殊な形状のもの
であつても、プラスチツク素材の所望量が少ない
のでむしろ安価に量産される結果、この考案にか
かる噴射容器は着脱式キヤツプを付属させた従来
品よりむしろ安価に量産することが可能であり、
従つて、エアゾル噴射容器の普及および利用性の
向上に寄与するところが顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の第１実施例の使用準備状態
における頭部の要部縦断側面図、第２図は第１図
の−横断面図、第３図は第１図の容器本体の
底部の要部縦断面図、第４図は第１図に対応する
不使用状態における要部縦断側面図、第５図は第
１図および第４図における押ボタンの正面図、第
６図は同じく第５図に対応する底面図、第７図は
第２実施例の使用準備状態における頭部の要部縦
断側面図、第８図は第７図の−横断面図、第
９図は第１図の容器本体の底部の要部縦断面図、
第１０図は第７図における保護筒の要部縦断正面
図、第１１図は第７図における押ボタンの正面
図、第１２図は第１１図に対応する底面図であ
る。 １は容器本体、１１はバルブステム、１２はマ
ウンテンキヤツプ、１３は軸孔、１４は吸液管、
２は押ボタン、２１は噴射口、２２は噴射通路、
２３は裾縁、２４は受溝、２５は対壁面、２６は
ピン、２７は裾壁、２８は底面、３は保護筒、３
１はストツパー片、３２は露出窓、３３は掛爪、
３４は切欠きである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バルブステム１１の下方への弾圧で開弁する噴
   射弁の弁筐を固定したマウンテンキヤツプ１２を
   そなえるとともに噴射剤の圧力下に噴射液を収容
   する容器本体１と、バルブステム１１に冠着した
   噴射口２１つきの押ボタン２とを有する噴射容器
   において、噴射口２１の露出窓３２を穿つた押ボ
   タン２の保護筒３をマウンテンキヤツプ１２の縁
   部に回転可能かつ脱け難く外嵌し、保護筒３は、
   ストツパー片３１を内周面に突設形成し、押ボタ
   ン２は、その上昇位置においてストツパー片３１
   の頂面の水準に対応する裾縁２３を形成し、スト
   ツパー片３１の受溝２４を裾縁２３に穿つととも
   に、押ボタン２の前記上昇位置においてストツパ
   ー片３１の頂面の水準を含む対壁面２５を受溝２
   ４に隣接形成し、前記露出窓３２はストツパー片
   ３１が受溝２４内に位置するときにおける噴射口
   ２１の前方に設けてなる誤噴射防止噴射容器。