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JPH05112420A - 歯科用結晶化ガラス - Google Patents

歯科用結晶化ガラス

Info

Publication number
JPH05112420A
JPH05112420A JP3301080A JP30108091A JPH05112420A JP H05112420 A JPH05112420 A JP H05112420A JP 3301080 A JP3301080 A JP 3301080A JP 30108091 A JP30108091 A JP 30108091A JP H05112420 A JPH05112420 A JP H05112420A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crystallized glass
glass
dental
weight
sample
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3301080A
Other languages
English (en)
Inventor
Toyohide Kurahashi
豊英 倉橋
Hiroyuki Oshita
浩之 大下
Takehiro Shibuya
武宏 渋谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Electric Glass Co Ltd filed Critical Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority to JP3301080A priority Critical patent/JPH05112420A/ja
Publication of JPH05112420A publication Critical patent/JPH05112420A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Dental Preparations (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 多数の四珪化フルオロマイカ系結晶を析出し
てなり、着色剤を含有することによって、天然歯に近似
した良好な透光性と色調を得ることができ、しかも物性
を損なうこともない歯科用結晶化ガラスを提供する。 【構成】 熱処理することによって、四珪化フルオロマ
イカ系結晶を析出し得るガラス100重量部に対して、
着色剤としてCeO2 を0.1〜1.9重量部、着色助
剤としてV25 及び/又はTiO2 を0.01〜2.
0重量部含有してなることを特徴とする歯科用結晶化ガ
ラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ウ食、外傷等によって
一部欠損したり、喪失した歯質を充填、補綴するため、
あるいは審美修復するために用いられる歯科用結晶化ガ
ラスに関し、特に高強度で、天然歯に近似した良好な透
光性と色調を有する歯科用結晶化ガラスに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より一部欠損したり、喪失した歯質
を充填、補綴するために用いられる歯科材料としては、
合金、レジン、硬質レジン、陶材またはこれらの材料を
組み合わせたものが存在する。
【0003】ところで歯科材料には、各種の特性が要求
され、例えば為害性が無いこと、口腔内で長期間に亙っ
て化学的に安定であること、咀しゃく力に耐えうるだけ
の強度を有していること、比較的単純な製作によって寸
法精度の高い補綴修復物が得られること、成形後の形態
修正、形態付与等の切削加工性に優れていること、天然
歯と近似した透光性と色調を有すること等の特性が要求
されるが、これらの特性を全て満足する材料は未だ存在
しない。
【0004】すなわち合金は、天然歯と外観が全く異な
るという問題があると共に口腔内に装着した場合に、接
触した組織に為害性を与えるという欠点を有している。
【0005】またレジンや硬質レジンは、比較的天然歯
に近い外観を有するが、残存モノマーが口腔内で溶出す
るために為害性を有し、また化学的耐久性が悪いために
変色しやすく、さらに咀しゃくによって摩耗しやすい。
【0006】陶材も、比較的天然歯に近い外観を有する
が、製作工程が複雑で手間がかかるという欠点を有して
おり、強度的にも不十分で、金属で補強しているのが実
情である。また硬度が天然歯に比べて高いために、長期
に亙る使用において対合歯が摩耗しやすいという欠点も
ある。
【0007】このような事情から、近年これらの材料に
代わる新たな歯科材料として結晶化ガラスが各種提案さ
れている。例えば特開昭58−199742号公報に開
示されているようなマイカ系結晶化ガラスは、比較的高
い強度を有するため、咀しゃく力に耐え、また良好な切
削加工性を有し、且つ、為害性がなく、鋳造成形によっ
て比較的容易に製作することが可能であり、本出願人
も、特願平3−185250号及び特願平3−1852
51号において、四珪化フルオロマイカ系結晶を析出す
る歯科用結晶化ガラスを提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この本出願人による歯
科用結晶化ガラスは、従来のマイカ系結晶化ガラスに比
べて、高い強度を有し、且つ、透光性の調整を行うこと
が容易であるため、歯冠材料として好適である。しかし
ながら透光性の調整を行うことが可能であっても、天然
歯の色調が淡い黄白色の色調を呈するのに対し、一般に
この用途の結晶化ガラスは、白色の色調を呈するため、
これを実際に使用するには、天然歯の色調に近似する微
妙な着色を施す必要が生じる。
【0009】結晶化ガラスを着色させる方法の一つとし
て、ガラス原料に各種の着色剤を添加する着色方法があ
るが、四珪化フルオロマイカ系結晶を析出してなる結晶
化ガラスに所望の色調を施す目的で着色剤を多く含有さ
せると、結晶性が変わりやすく、特に結晶化ガラスに黄
色の色調を付与する成分であるCeO2 を2.0重量部
以上添加すると、四珪化フルオロマイカ系結晶の結晶性
が変わり、その物性が変化し、例えば透光性が失われた
り、曲げ強度が低下しやすいという問題が生じる。
【0010】本発明の目的は、多数の四珪化フルオロマ
イカ系結晶を析出してなり、着色剤を含有することによ
って、天然歯に近似した良好な透光性と色調を得ること
ができ、しかも物性を損なうこともない歯科用結晶化ガ
ラスを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々の研
究を重ねた結果、四珪化フルオロマイカ系結晶を析出し
得るガラスに対して、着色剤としてCeO2 を、結晶化
ガラスの物性を変化させない程度の少量しか添加しなく
とも、着色助剤として所定量のV25 やTiO2 を添
加することによって、天然歯に近似した色調を得ること
が可能であることを見いだし、本発明として提案するに
到った。
【0012】すなわち本発明の歯科用結晶化ガラスは、
熱処理することによって、四珪化フルオロマイカ系結晶
を析出し得るガラス100重量部に対して、着色剤とし
てCeO2 を0.1〜1.9重量部、着色助剤としてV
25 及び/又はTiO2 を0.01〜2.0重量部含
有してなることを特徴とする。
【0013】また本発明の歯科用結晶化ガラスは、好ま
しくは、四珪化フルオロマイカ系結晶を析出し得るガラ
スが、重量百分率で、SiO2 45.0〜70.0
%、MgO 5.0〜34.0%、K2 O 4.0〜2
0.0%、BaO 4.1〜12.1%、F 1.8〜
11.0%、ZrO2 0〜9.0%、Al23
〜2.0%の組成、あるいは、重量百分率で、SiO2
45.0〜70.0%、MgO 5.0〜34.0
%、K2 O 4.0〜20.0%、BaO4.1〜1
2.1%、F 1.8〜11.0%、P25 0.1〜
15.0%、ZrO2 0〜9.0%、Al23
〜2.0%の組成を有し、本質的にCaOを含有しない
ことを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明において着色剤として用いられるCeO
2 は、結晶化ガラスに黄色の着色を施す作用効果を有し
ているが、その含有量が1.9重量部以上では、結晶化
ガラスの物性を変化し、一方、0.1重量部以下では、
十分な作用効果が得られ難い。
【0015】また着色助剤として用いられるV25
TiO2 の2成分は、マイカ系結晶化ガラス中では、C
eO2 による着色を著しく強める作用を有するが、これ
らを単独、あるいは混合して添加しても着色の程度は、
非常に弱い。これらの成分をCeO2 と共に添加するこ
とによって、CeO2 の含有量を少なくすることが可能
となるが、その合量が2.0重量部以上では、やはり結
晶化ガラスの物性が変化し、一方、0.01重量部以下
では、十分な作用効果が得られ難い。
【0016】尚、本発明において、必要に応じて赤色の
色調を付与する目的で、着色剤としてCeO2 と共にM
nO2 を1.0重量部まで含有させることが可能であ
り、また着色助剤については、特にV25 の作用効果
が大きく、V25 を用いる場合には、CeO2 の添加
量を1.0重量部以下にしても、天然歯に近似した色調
を付与することが可能である。
【0017】また先記したように重量百分率で、SiO
2 45.0〜70.0%、MgO5.0〜34.0
%、K2 O 4.0〜20.0%、BaO 4.1〜1
2.1%、F 1.8〜11.0%、ZrO2 0〜
9.0%、Al23 0〜2.0%の組成を有する結
晶化ガラスは、従来のマイカ系結晶化ガラスに比べて、
高い強度を有し、且つ、透光性の調整を行うことが容易
であり、さらにSiO245.0〜70.0%、MgO
5.0〜34.0%、K2 O 4.0〜20.0%、
BaO 4.1〜12.1%、F 1.8〜11.0
%、P25 0.1〜15.0%、ZrO2 0〜
9.0%、Al23 0〜2.0%の組成を有し、本
質的にCaOを含有しない組成を有する結晶化ガラス
は、結晶化熱処理の際の収縮率が小さいという物性をも
有しており、これらの物性は、ガラス中に所望の四珪化
フルオロマイカ系結晶を析出することによって得られる
ため、特に先記したCeO2 、V25 及びTiO2
作用効果が発揮され得る。
【0018】尚、後者の結晶化ガラスが、CaOを本質
的に含有しない理由は、CaOを含有すると、ガラス中
にリン酸カルシウム系結晶が析出することになり、これ
によってガラスが白色化し、本発明において使用する着
色剤と着色助剤の作用が発揮され難いためである。
【0019】本発明の歯科用結晶化ガラスを作製するに
は、着色剤、着色助剤を含むガラス原料を1300〜1
550℃で2〜6時間溶融した後、所望の形状に成形
し、次いで900〜1100℃で0.5〜6時間の熱処
理を施す方法が採られる。
【0020】
【実施例】以下本発明の歯科用結晶化ガラスを実施例に
基づいて詳細に説明する。
【0021】表1は本発明の歯科用結晶化ガラスの実施
例(試料No.1〜5)および比較例(試料No.6〜
8)を示すものである。
【0022】
【表1】
【0023】表中の各試料は、次のように調製した。
【0024】表に示す各ガラス組成になるように調合し
た原料を白金るつぼに入れ、電気炉中で約1450℃で
約4時間溶融した。次にこれらの溶融ガラスを適当な大
きさのブロックに成形した後、940〜1025℃の温
度で約4時間熱処理を行い、結晶化させることによって
各試料を作製した。
【0025】こうして作製した各試料の結晶相を粉末X
線回折法によって調べたところ、実施例であるNo.1
〜5と、比較例であるNo.6、7の各試料には、四珪
化フルオロマイカ系結晶が析出し、またNo.8の試料
には、リン酸カルシウム系結晶が析出していた。
【0026】各試料の曲げ強度を測定したところ、表か
ら明らかなようにNo.1〜5とNo.6の各試料が、
2100〜2300kgf/cm2 と非常に高い値を示
したのに対し、No.2の試料と同じ組成を有する母ガ
ラスからなり、CeO2 を3.0%も含有するNo.7
の試料は、1800kgf/cm2 とやや低く、No.
8の試料については、わずかに1500kgf/cm2
であった。
【0027】また各試料の透光性を調べるため、透過率
(%)を測定したところ、No.7とNo.8の試料
は、他の試料に比べて低い値を示しており、透光性が劣
っていた。
【0028】尚、No.2の試料と、No.7の試料を
走査電子顕微鏡(SEM)によって観察したところ、N
o.2の試料に析出した四珪化フルオロマイカ系結晶
は、微細な長方形の板状結晶であり、それらの多数が複
雑に入り組んだ構造を有していたが、CeO2 を3.0
%も含有するNo.7の試料に析出した四珪化フルオロ
マイカ系結晶は、六角板状に近い結晶であった。
【0029】次いで各試料を歯冠形状にした場合の色調
を評価するため、先記した各溶融ガラスをロストワック
ス法を用いて以下のように鋳造した。
【0030】まず用意した原型に溶融したパラフィンを
流し込み、パラフィンを硬化させ、ワックス模型を作製
し、該ワックス模型にガラスを導くためのパラフィンの
スプルー線を溶着した後、リン酸塩系埋没材で埋没し
た。埋没材が硬化した後、徐々に120〜150℃まで
昇温してワックス模型及びスプルー線を焼却し、次いで
徐々に昇温して700〜800℃で係留することによっ
て鋳型を作製した。一方、先記した各溶融ガラスを小さ
なブロックに成形した後、1300〜1500℃に再溶
融し、これを先記のように作製した鋳型の上面に注ぎ、
遠心力によって歯冠形状のガラス体を鋳造した。こうし
て作製したガラス体を900〜1075℃で約2〜6時
間熱処理することによって結晶化ガラスからなる人工歯
冠を作製し、その色調を目視によって観察した。
【0031】表から明らかなように着色剤を含有するN
o.1〜5、7及び8の各試料は、淡い黄白色の色調を
呈し、特にMnO2 を含有するNo.2の試料は、やや
赤味をびた色調を呈しており、いずれも天然歯に近似し
た色調を有していたが、V 25 とTiO2 のいずれ
も含有しないNo.6の試料は、天然歯に比べて白っぽ
い色調を有していた。
【0032】尚、曲げ強度は、JIS R 1601に
準じた3点曲げ試験を行うことによって測定したもので
あり、また透過率は、各試料を1mmの厚さの薄板に加
工し、その薄板が波長700nmの光線を透過した割合
を測定したものである。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明の歯科用結晶化ガラ
スは、歯科材料に要求される物性を全て満足し、特に高
強度で、天然歯に近似した良好な色調と透光性を有する
ため、歯冠材料として好適である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱処理することによって、四珪化フルオ
    ロマイカ系結晶を析出し得るガラス100重量部に対し
    て、着色剤としてCeO2 を0.1〜1.9重量部、着
    色助剤としてV25 及び/又はTiO2 を0.01〜
    2.0重量部含有してなることを特徴とする歯科用結晶
    化ガラス。
  2. 【請求項2】 四珪化フルオロマイカ系結晶を析出し得
    るガラスが、重量百分率で、SiO2 45.0〜7
    0.0%、MgO 5.0〜34.0%、K2O 4.
    0〜20.0%、BaO 4.1〜12.1%、F
    1.8〜11.0%、ZrO2 0〜9.0%、Al2
    3 0〜2.0%の組成を有することを特徴とする請
    求項1の歯科用結晶化ガラス。
  3. 【請求項3】 四珪化フルオロマイカ系結晶を析出し得
    るガラスが、重量百分率で、SiO2 45.0〜7
    0.0%、MgO 5.0〜34.0%、K2O 4.
    0〜20.0%、BaO 4.1〜12.1%、F
    1.8〜11.0%、P25 0.1〜15.0%、
    ZrO2 0〜9.0%、Al23 0〜2.0の組
    成を有し、本質的にCaOを含有しない組成を有するこ
    とを特徴とする請求項1の歯科用結晶化ガラス。
JP3301080A 1991-10-21 1991-10-21 歯科用結晶化ガラス Pending JPH05112420A (ja)

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