JPH05108194A - 低消費電力型半導体集積回路 - Google Patents
低消費電力型半導体集積回路Info
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Abstract
なおかつ動作を停止した待機モード時の消費電流が少な
い半導体集積回路を提供することである。 【構成】MOS型回路を用いた半導体集積回路において
MOSトランジスタのしきい値を低く設定して低電源電
圧における高速動作を可能にし、待機モード時にはプロ
グラム命令あるいは外部信号により基板バイアスを印加
することによりしきい値を上昇させ、クロックの供給も
停止してリーク電流を減少させる。 【効果】本発明によれば、低電源電圧での高速動作と待
機モード時の低消費電力性を両立させることができる。
Description
回路に関し、特に電池で動作するとともにMOSトラン
ジスタを用いたマイクロプロセッサなどの情報処理装置
に関する。
体回路の例としては、昭和62年2月10日培風館より
発行の「超高速MOSデバイス」第259頁乃至第26
1頁(菅野卓雄監修)に述べられているものがある。
の従来例のように、pn接合容量を低減することにより
高速化することを目的としている。一方、基板バイアス
の印加時にはnチャネルMOSFETのしきい値が上昇
して0.6〜1.0V程度の実用的な値になるように設計
されている。この例によれば基板バイアスの値が高いほ
どドレインの空乏層が広がり、pn接合の容量が減少し
て高速化をすることができる。
の低消費電力化について対策した例として、特開昭56−
42827 号公報に述べられているように、プログラム命令
によりCPU部分および動作しない回路へのクロック供
給を停止して待機モードに入り、消費電力を抑えようと
するものがある。CMOS型回路ではクロックを停止し
て全てのスイッチングを停止すれば、消費電力はMOS
トランジスタのサブスレッショルド電流によるリーク電
流のみとなるので、待機モード時の消費電流を動作時よ
りも3桁以上低減させることができる。
V程度)のMOS型トランジスタを用いたマイクロプロ
セッサでも5Vの電源電圧を用いれば高速で動作させる
ことが可能であり、従来のように基板バイアスの印加に
よるpn接合容量の低減により高速化も可能であった。
しかし、低消費電力の観点からは、消費電力が電源電圧
の2乗に比例するため電源電圧を5V以下に下げる必要
がある。特に電池動作の場合には1V程度の低電圧化が
必要となる。また、MOSトランジスタの微細化が進む
につれて素子耐圧も低下するため、電源電圧を下げる必
要がでてきている。
の電荷をドレイン電流で充放電する時間であり、電源電
圧/(電源電圧−しきい値)2乗に比例する。従って、し
きい値が無視できるような高い電源電圧では遅延時間は
電源電圧に反比例するが、しきい値が無視できなくなる
低電圧では電源電圧の低下に伴って遅延時間が急激に増
加する。このような低電圧の動作時には基板バイアスを
印加するとしきい値が上昇するため、かえって動作速度
が低下してしまう問題がある。従って、低電圧動作時に
は基本的に基板バイアスを印加せず、MOSトランジス
タのしきい値を低く保たなければならない。
MOSトランジスタのサブスレッショルド電流によるリ
ーク電流の増加につながると言う別の問題を生じる。こ
のリーク電流は、室温においてしきい値を0.1V 低下
させるごとに約47倍と指数関数で増加する。たとえば
0.5Vから0.3Vまでしきい値を低下させるとリーク
電流は約2200倍となる。数十万素子規模のマイクロ
プロセッサの場合、動作時の電流と比較するとこのリー
ク電流は1割以下でありあまり消費電力は増加しない。
しかしながら、従来例のようにクロックのみを停止する
待機モード時の消費電流はまさにこのリーク電流による
ものなので、0.5Vから0.3Vまでしきい値を低下さ
せるとリーク電流は直接2200倍になる。従ってしき
い値電圧を低下した場合は、クロックを止めるだけでは
消費電流の低減は十分でなく、待機モード時の電池バッ
クアップ時間が著しく短縮されると言う問題が生ずる。
結果を基礎としてなされたものであり、その目的とする
ところは動作時は低電源電圧でも高速な動作が可能であ
り、かつ待機モード時にはリーク電流による消費電力が
少ない情報処理装置を提供することである。
チング動作をしない待機モード時にもMOSトランジス
タのしきい値が低いことが原因である。
電源電圧でも高速動作を可能にし、待機モード時にはし
きい値を高くしてリーク電流を低減できれば、低電源電
圧による動作時の高速動作性と待機モード時の低消費電
力性との両立が可能である。そのため、MOSトランジ
スタそのもののしきい値は低く設定し、待機モード時に
は基板バイアスを印加することによりしきい値を上昇さ
せる。
昇によるリーク電流の低減量が基板バイアス回路の消費
電流よりも大きくなるように設定する必要があることは
言うまでもない。
作が可能になり、一方、待機モード時にはしきい値電圧
が高くなるのでリーク電流を大幅に減少させることがで
きる。
に説明する。
の基本的な概念を説明する。まず、低電源電圧での高速
動作を保つために、MOSトランジスタ(MN,MP)
のしきい値は低く設定されている。一方、キーボード入
力が一定時間以上無い場合や、最低消費電力の状態が一
定時間以上続いた場合を判定して、プログラム命令ある
いは外部の制御信号によって待機モードに入る。
MPU(マイクロプロセッサ・ユニット)1に供給する
クロックCkmを停止し、同時に動作モード切替信号A
により基板バイアス回路2−1,2−2を作動させて、
NMOSトランジスタ(MN)には負の基板バイアス
VBn,PMOSトランジスタ(MP)には電源よりも正
の基板バイアスVBpを印加する。基板バイアスを印加す
ることによりMOSトランジスタのしきい値は上昇し、
リーク電流はしきい値上昇分の指数関数で減少する。す
なわち、基板バイアスを印加すると、サブスレッショル
ド特性が改善されてリーク電流が減少する。素子数の多
いマイクロプロセッサであるほどリーク電流の低減量は
大きく、基板バイアス回路2−1,2−2の消費電流以
上の値となる。以上の作用により、低電圧での高速動作
が可能で待機モード時には低消費電力の少ない情報処理
装置が可能になる。
説明する。図1に示すように、MPU1,基板バイアス回路
2−1,2−2,クロック制御回路3等が1チップ上に
集積化されることにより、マイクロプロセッサが構成さ
れている。MPU1は同業者に周知のように、命令フェ
ッチユニット,命令デコーダ,命令実行部等から構成さ
れている。MPU1はCMOS回路で構成され、NMO
Sトランジスタのしきい値は0.3V,PMOSトラン
ジスタのしきい値は−0.3Vに設定して、電源電圧Vc
cが1Vの低電圧でも高速な動作を可能にしている。
尚、マイクロプロセッサのチップの電源電圧Vccの供給
端子は電池(図示せず)に接続されており、電源電圧V
ccは電池から供給されている。また、基板バイアス印加
のために、MPU1のNMOSとPMOSの各基板(ま
たはウェル領域)には端子が出ている。
た動作モード切換信号AがNMOS,PMOS用の基板
バイアス回路2−1,2−2が印加され、基板バイアス
VBp,VBnのレベルを制御する。モードの切替は、キーボ
ードからの入力の有無や、消費電流の大小などの条件で
行うことが出来る。クロック制御回路3を動作モード切
換信号Aと周波数切換信号Bで制御することにより、M
PU1に供給されるクロックのオン・オフおよび周波数
が制御される。
モードの各動作モードにおけるクロックと基板バイアス
の変化を、図2に示す。
ックが供給され、基板バイアスは印加されない。従って
N,Pの各チャネルMOSトランジスタのしきい値の絶
対値は0.3V のままであるので、1Vの低電源電圧V
ccでも高速動作が可能である。一方、しきい値が低いの
でサブスレッショルド電流による定常的なリーク電流は
流れているが、10万ゲートのマイクロプロセッサの場
合、定常的なリーク電流による消費電流はスイッチング
動作による消費電流の1/10以下なので動作時の消費
電流はあまり変化しない。
消費電力を抑えるため、クロック制御回路3は周波数切
換信号Bに応答して、クロック周波数は2分周の8MH
zに低下する。基板バイアス回路2−1,2−2により
−0.5VのNMOS用基板バイアスVBnと+1.5V
のPMOS用基板バイアスVBpを印加してMOSトラン
ジスタのしきい値を絶対値で0.5V 程度まで上昇させ
る。動作速度が遅いのでしきい値を上げても動作上問題
が無い。この低消費電力モードによりスイッチング電流
は1/2、リーク電流は約1/2200に低減すること
ができる。
ックを停止させる。クロックを停止すれば、スイッチン
グ動作は一切停止する。また、絶対値で上昇されたしき
い値を得るため、同様に基板バイアスVBn, VBpを印加
する。従って、CMOS回路の消費電流は高いしきい値
に対応する極めて微小のサブスレッショルド電流による
リーク電流のみになる。基板バイアス印加によりしきい
値の絶対値が0.5V程度に上昇しているので、リーク
電流は動作時の約1/2200に抑えることができる。
実施例を、図3に示す。動作モード切換信号が1になる
と基板バイアス回路にクロック信号が供給され動作が開
始する。チャージポンピング回路を用いて、NMOS用
に負電圧,PMOS用に電源電圧より高い電圧を発生さ
せている。電源電圧Vccが1Vの場合NMOS用に−
0.5V程度,PMOS用に+1.5V程度のバイアス電
圧VBn,VBpが発生できる。このクロック信号は時計,
マイクロプロセッサなどのために常時動作させる基本ク
ロックを用いるので、新たな発振回路は不必要であり、
基板バイアス印加のための消費電流は100μA程度で
ある。本実施例では、単一電源を基本に考え基板バイア
ス回路を設けたが、電池動作の場合には基板バイアス専
用の電池を設けても良い。
に示す。基本クロック信号は動作モード切換信号Aが0
のときにクロック制御回路3を通してクロック出力CK
mとしてMPU1に供給される。待機モード時には動作
モード切替信号が1となり、クロック出力はMPU1に
供給されない。クロック入力の一方はTフリップフロッ
プによる分周回路に入り、他方は素通りしてクロック周
波数切換回路に入る。クロック周波数切換信号Bが1の
ときには高速のクロックがそのままMPU1に供給さ
れ、クロック周波数切換信号Bが0のときには1/2に
分周された低消費電力モード用の低速クロックが供給さ
れる。
加するための素子構造の実施例を図5に示す。通常のC
MOS構造でも基板を接地せずにバイアスを印加するこ
とは可能であるが、パッケージングが複雑になったり、
ノイズ等を拾いやすい問題がある。P型半導体基板1を
接地した状態でN,P両チャネルMOSトランジスタに
基板バイアスVBn,VBpを加えるために、NチャネルM
OSの基板pウェル3は基板1からPチャネルMOSの
基板nエピタキシャル層2により絶縁されている。pウ
ェル3には基板バイアス端子5−1を通してNMOS基
板バイアスVBnとして負の電圧が、nエピタキシャル層
2には基板バイアス端子5−2を通してPMOS基板バ
イアスVBpとして正の電圧が印加されるが、全てのバイ
アス関係はpn接合の逆バイアスなのでお互いに絶縁さ
れる。
圧も低いため、デバイス構造を工夫している。Nチャネ
ルMOSのゲート電極直下のp形高濃度領域7およびP
チャネルMOSのゲート電極直下のn形高濃度領域8は
それぞれチャネル反転層形成時の表面空乏層の厚さより
も深い位置に設けている。従って、基板バイアスが印加
されないときにはしきい値に影響を与えない。基板バイ
アスを印加すると空乏層は高濃度領域7,8に広がり、
実効的な基板濃度が高いためしきい値は基板バイアスに
より大きく変化する。基板バイアスとしきい値の変化量
を図6に示す。p形ウェル3の表面濃度は5×1016/
cm3 ,p形高濃度領域7の濃度は3×1017/cm3 にし
てある。p形高濃度領域7が無い場合は基板定数が小さ
いために基板バイアスを印加してもしきい値の変化は少
なく、低電源電圧ではしきい値の制御幅が小さすぎる。
p形高濃度領域7を設けることにより、基板定数が2倍
以上になってしきい値を大きく制御することができる。
基板バイアス0.5V の印加により、しきい値を約0.
2V 上昇させることができる。
周波数により自動的に基板バイアスを切り換える基本構
成を図7に示す。クロック信号の周波数の変化を基板バ
イアス制御回路2−0が検出して基板バイアス回路2−
1,2−2から発生される基板バイアスVBn,VBpの値
を切り換える。これによりクロック信号のみで、基板バ
イアスの通常モード,低消費電力モード,待機モードの
切換ができる。
8に示す。クロック信号からチャージポンプ回路により
電圧Vc を発生させる。Vc の値はクロックの周波数に
比例し、結合容量Ccおよび負荷抵抗Rbによって調整す
ることができる。クロック周波数が高周波の時にはVc
の値が高くMOSトランジスタMN1が同通してa点の
信号はローレベルとなるため、リングオシレータは発振
せず基板バイアスVBn,VBpは印加されない。次にクロ
ック周波数が低周波の時には、Vc 値が低くMN1が同
通しないため、a点はハイレベルになり、リングオシレ
ータが発振して基板バイアスVBn,VBpが印加される。
もちろんクロック信号が停止したときにはa点がハイに
なり、基板バイアスVBn,VBpが印加される。本実施例
では基板バイアス発生用にリングオシレータを発振させ
るため、待機モード時の消費電力が300μA程度と大
きくなるが、リーク電流の低減量の方が大きいので効果
はある。また、クロック周波数により自動的に基板バイ
アスVBn,VBpが変化するので、特定の命令や制御信号
を設ける必要が無い。
流特性のしきい値による変化を示す。リーク電流とはゲ
ート電圧が0Vの時のドレイン電流である。しきい値を
0.3Vから0.5V に上昇させると、リーク電流は44
nAから約2200分の1に低下する。しきい値電圧が
0.3V でリーク電流が44nAのMOSトランジスタ
でマイクロプロセッサを構成することを考えると、マイ
クロプロセッサのゲート数が約10万ゲートの場合、そ
のリーク電流はマイクロプロセッサ全体では4.4mA
に達する。基板バイアスを0.5V印加すると、しきい
値は0.5V まで上昇し、リーク電流はもともとのしき
い値が0.5V のトランジスタとほぼ同じ20pA程度
まで減少する。一方、基板バイアス回路の消費電流が1
00μA程度あるので、総合で102μAの消費電流と
なる。図10は、マイクロプロセッサの最大動作周波数
と消費電流に関して、しきい値0.5Vおよび0.3Vの
従来例と本実施例の比較をまとめて示したものである。
定できるので低電源電圧でも高速動作が可能であり、低
速動作時や待機モード時には基板バイアスを印加してし
きい値電圧を上昇させるので消費電力を小さく抑えるこ
とができる。
ック図を示す。
の波形変化を示す。
施例を示す。
施例を示す。
を示す。
電圧の関係を示す。
ロック図を示す。
路の実施例を示す。
とリーク電流の関係を示す。
電流に関して、従来と本発明とを比較し、まとめて示し
たものである。
ネルMOS用基板バイアス、CKm…マイクロプロセッ
サ用クロック信号、CKb…基板バイアス発生用クロッ
ク信号。
Claims (6)
- 【請求項1】MOSトランジスタ回路と、該MOSトラ
ンジスタ回路のMOSトランジスタのしきい値電圧を制
御する制御回路とを有し、第1動作モードでは上記制御
回路は上記MOSトランジスタ回路のMOSトランジス
タのしきい値電圧を低く設定することにより上記MOS
トランジスタ回路が高速動作を実行し、第2動作モード
では上記制御回路は上記MOSトランジスタ回路のMO
Sトランジスタのしきい値電圧を高く設定することによ
り上記MOSトランジスタ回路が低消費電力化されるこ
とを特徴とする半導体集積回路。 - 【請求項2】上記第1動作モードと上記第2動作モード
とでは上記制御回路から上記MOSトランジスタへ供給
される基板バイアスが異なることによってしきい値電圧
が設定されることを特徴とする請求項1記載の半導体集
積回路。 - 【請求項3】上記第1動作モードでは所定の周波数のク
ロックを上記MOS回路に供給し、上記第2動作モード
では上記所定の周波数より低い周波数を上記MOS回路
に供給することを特徴とする請求項2記載の半導体集積
回路。 - 【請求項4】上記第1動作モードでは所定の周波数のク
ロックを上記MOS回路に供給し、上記第2動作モード
では上記MOS回路へのクロックの供給を停止すること
を特徴とする請求項2記載の半導体集積回路。 - 【請求項5】上記MOS回路はマイクロプロセッサ・ユ
ニットであることを特徴とする請求項1から請求項4ま
でのいずれかに記載の半導体集積回路。 - 【請求項6】上記半導体集積回路の電源電圧供給端子は
電池に接続されてなり、上記MOS回路の電源電圧は上
記電池から供給されてなることを特徴とする請求項1か
ら請求項5までのいずれかに記載の半導体集積回路。
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Related Child Applications (3)
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JP10005376A Division JPH10189884A (ja) | 1998-01-14 | 1998-01-14 | 低消費電力型半導体集積回路 |
JP00537498A Division JP3144370B2 (ja) | 1998-01-14 | 1998-01-14 | 半導体装置 |
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