JPH0489615A - 磁気記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、オーディオ・ビデオ機器あるいはコンピュー
タ等に用いる磁気テープ等の磁気記録媒体に関するもの
である。

従来の技術 磁気記録媒体は、年々高密度記録化への傾向を深めつつ
ある。その結果、短波長領域における記録、再生損失の
低減が必要となり、磁気ヘッドと磁気記録媒体の間の空
隙をより小さくするための方策が施されている。すなわ
ち、磁気記録媒体表面の高平滑化、磁性粉の微粉末化等
である。

ところが、このような方策により、磁気記録媒体を製造
すると、次に述べる問題が生しる。すなわち、磁気記録
媒体表面の高平滑化により、磁気記録媒体の摩擦係数（
走行抵抗）が増大するため、走行性、耐久性が従来のも
のに比べて劣化する。

具体的には、磁気テープであればジッターやワウ・フラ
ッタ−の増加、さらには走行停止・磁気テプの損傷とい
った不具合が生しる。

この問題を解決するために、いくつかの対策がなされて
いる。たとえば、（１）ＶＡ磁性層混入する脂肪酸等の
潤滑剤の含有量を調整することにより摩擦係数を低減す
る。（２）カーボンブランク等の潤滑性の高い充填剤を
磁性層に含有させて摩擦係数の低減を図る。（３）磁気
記録媒体の、非磁性支持体上の磁性層とは反対側の面に
、摩擦係数の低いハックコート層を設ける等である［た
とえば特公昭５５−８０８３０号公報］。

発明が解決しようとする課題 上記従来の技術を用いて磁性層中に脂肪酸とカーボンブ
ラックを添加すると、次に述べるような問題が生しる。

すなわち、支持層上に磁性層を塗布した後ロール状に巻
き取った場合、または支持層の反対面にハックコート層
を塗布した後、ロール状に巻き取った場合、磁性層表面
に存在する脂肪酸の一部が、巻き取られて接触している
支持層またはバックコート層に次第に転写して行き、磁
性層に含まれる脂肪酸量が徐々に減少する。不足した脂
肪酸は、磁性層内部から表面へ次第に浮き出すことによ
り供給されるが、脂肪酸の転写はその後も続き、遂に磁
性層表面の脂肪酸量は不足するようになる。このため、
磁性層の摩擦係数が時間と共に次第に増加し、走行性・
耐久性が劣化する。

それを避けるために、脂肪酸等の潤滑剤の含有量を過度
に増すと、結合剤と磁性粉との結着力が減少して、磁性
層強度が低下し、テープのスチル寿命が短くなるという
課題があった。

本発明は上記従来の課題を解決するもので、長時間にわ
たって低い摩擦係数を維持し、かつ血Ｊ久性の優れた磁
気記録媒体を提供するものである。

課題を解決するだめの手段 」二記課題を解決するために、本発明はあらかじめ脂肪
酸が吸着処理されたカーボンブラックを磁性層中に含有
させる手段をとっている。

作用 上記の手段により、磁性層に含有させるカーボンブラッ
ク内部に既に脂肪酸が吸着されているため、脂肪酸の過
剰な移動は制限され、磁性層表面から一部の脂肪酸が反
対面の層に転写しても、カーボンブランクの内部からは
低い摩擦係数を維持するために必要な最小限の脂肪酸が
徐々に磁性層表面へ供給されることにより、転写量すな
わち失われる脂肪酸の量も最小限となり、磁性層表面の
脂肪酸量が長期間にわたりほぼ一定に保たれる。

この結果、摩擦係数の時間的変化が極めて少なく、走行
性・耐久性に優れた磁気記録媒体の提供を可能にするも
のである。

実施例 本発明におけるカーホンブランクの処理は、たとえばカ
ーホンブラックと脂肪酸をトルエン、メチルエチルケト
ン等の有ｍ、溶剤で数時間混合・分散させることにより
行う。

ここで使用されるカーホンブランクは、サーマル、ファ
ーネス、チャンネル、グラファイト化カボンブラック等
、いずれの方法で製造されたものでも良いが、比表面積
が１０〜２００ｍ２７Ｈのものが好ましい。

カーボンブラックの比表面積が１０ｍ２／ｇより小さい
場合、脂肪酸の吸着量が少ないため、脂肪酸の供給効果
が期待できない。比表面積が２００ｍ２７ｇより大きい
場合、分散が困難となるため、磁性塗料には適さない。

また、脂肪酸としては炭素数が１０〜２２である飽和ま
たは不飽和の脂肪酸が好ましい。炭素数が１０よりも小
さい場合、潤滑性が小さくなり、また炭素数が２２より
も大きい場合、樹脂との相溶性が悪くなるため、ふされ
しくない。カーボンブランクと混合する脂肪酸は、１種
類あるいは複数であってもよい。

また含有させろカーボンブラックの量は磁性粉の１〜５
重量％が適当である。１％未満であると耐久性にやや不
足があり、また５％を超えると磁性層の強度が不足して
くる。

本発明の磁気記録媒体について、その実施例を磁気テー
プを例として具体的に説明する。なお、実施例に述べて
いる成分比の値は、すべて重量部を示している。

（実施例Ｉ） １、カーボンブランクの処理 カーボンブラック　比表面積１５０ｍ”／ｇ２部 脂肪酸ニステアリン酸　　　　　　　　２部メチルエチ
ルケトン　　　　　　　　１０部上記組成物をボールミ
ルで２０時時間音分散し、塗料を準備した。これを塗料
Ａとする。

２、磁性塗料Ｂの調製 Ｃｏ含有Ｔ−Ｆｅ２０８　磁性酸化鉄粉末１００部 平均粒子サイズ　　長さ−０，１μｍ μｍ状比−１０／１ 保磁力　　　　　９０００ｅ ポリウレタン樹脂　　　　　　　　　１０部塩化ビュル
ー酢酸ビニル共重合体　　１０部酸化アルミ粉末　　　
　　　　　　　　５部平均粒子サイズ　０．２μｍ メチルエチルケトン　　　　　　　１００部シクロヘキ
ザノン　　　　　　　　　５０部トルエン　　　　　　
　　　　　　１００部上記組成物と塗料Ａをボールミル
で４８時間混合分散した後、硬化剤（コロネートＬ）６
部を添加して得られた混練物を平均粒径３μｍを有する
フィルターでろ過して磁性塗料Ｂを準備した。

３、バックコート層用塗料の調製 カーボン粉末 平均粒子サイズ　０．１μｍ ポリウレタン樹脂 ニトロセルロース樹脂 メチルエチルケｉ・ン １００部 ３０部 ３０部 ２５０部 トルエン　　　　　　　　　　　　１８０部シクロへキ
サノン　　　　　　　　　７０部上記組成物をボールミ
ルで３６時間混合分散して混練物を取り出した後、硬化
剤（コロネートし）１５部を添加して高速ディゾルハで
約３０分音合分散を行い、更に平均粒径３μｍのフィル
ターでろ過してバックコート層用塗料を準備した。

次に、上記磁性塗料Ｂを１４μｍ厚のポリエステルフィ
ルム上に塗布、配向、乾燥した後、スーパーカレンダロ
ールにより磁性層を表面加工処理し、磁性層厚４μｍの
広幅のジャンボロールを得た。このジャンボロールを使
って磁性層と反対側の面に上記バックコート層用塗料を
塗布、乾燥した後、スーパーカレンダロールにより表面
加工処理して膜厚０．７μｍのハックコート層を形成し
た。

これを２分の１インチ幅に裁断してビデオテープを作製
した。

（実施例２） 実施例１の塗料へにおいて、カーポンプシックの比表面
積を６０ｍ２／ｇとし、他は実施例１と同様にしてビデ
オテープを作製した。

（実施例３） 実施例１の塗料Ａにおいて、ステアリン酸を１部とし、
他は実施例１と同様にしてビデオテープを作製した。

（実施例４） 実施例１の塗料Ａにおいて、ステアリン酸２部ミリスチ
ン酸２部とし、他は実施例１と同様にしてビデオテープ
を作製した。

（比較例１） 実施例１において、カーボンブラックの処理を行わず、
磁性塗料Ｂの組成を次のようにする。

カーホンブラック　比表面積１５０ｍ”／ｇ２部 脂肪酸ニステアリン酸　　　　　　　　２部ｃｏ含有ｒ
−Ｆｅ２０３　磁性酸化鉄粉末１００部 平均粒子サイズ　　長さ−０，１μｍ 針状比−１０／１ 保磁力　　　　　９０００ｅ ポリウレタン樹脂　　　　　　　　　１０部塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体　　１０部酸化アルミ粉末　　　
　　　　　　　　５部平均粒子ザイズ　０．２μｍ メチルエチルケトン　　　　　　　１００部シクロへキ
サノン　　　　　　　　　５０部トルエン　　　　　　
　　　　　　１００部これをボールミルで４８時間混合
分散した後、硬化剤（コロネー）Ｌ）６部を添加して得
られた混練物を平均粒径３μｍを有するフィルターでろ
過して磁性塗料Ｂを準備した。この後の手順は実施例１
と同様にしてビデオテープを作製した。

（比較例２） 比較例１の磁性塗料Ｂにおいて、カーボンブラックの添
加量を０部とし、他は比較例１と同様にしてビデオテー
プを作製した。

（比較例３） 比較例２の磁性塗料Ｂにおいて、ステアリン酸の添加量
を４部とし、他は比較例１と同様にしてビデオテープを
作製した。

巨 テープ作製直後、および３力月放Ｗ後における、摩擦係
数、ジンク−、スチル寿命を別表に示す。

この表において、 （Ｄ　　摩擦係数（μｋ）は、試料を４φのステンレス
ビンに１８０度の角度で巻き付けた状態で１　ｃｍ／秒
で走行させたときの入側テンション（Ｔｉ）と出側テン
ション（Ｔ　ｏ　）の値を読みだし、次式より求めた。

μに＝ｊ２ｎ　（Ｔｏ／Ｔ　ｉ）　／ｒｔ（２）　　ジ
ッターは、５°Ｃ，８０％ＲＨ（７ｎｌｔ下でＶＨ３方
式ＶＴＲ（松下電器産業■製ＮＶＭ２１）を用い、ＴＶ
信号発生器によるビデオ信号を記録、再生した時のジッ
ター量をシックメータにより測定したものである（単位
はμ５ｅｃ）。

（３）スチル寿命は、ＶＨ３方式ＶＴＲ（松下電器産業
■製ＮＶ−ＭＩＯ）を用い、−１０°Ｃの環境下で、ビ
デオ信号を記録し、静止モードで再生したとき、画質が
著しく劣化するまでの時間を測定することにより求めた
（単位は分）。

」二記表より明らかなように、以上のようにして得られ
た磁気テープは、従来品である比較例に比べ、摩擦係数
の経時変化が少なく、ジッター量が少ないことから、走
行性・耐久性に優れているといえる。

なお、上記実施例では磁気テープについて説明したが、
本発明は磁気テープのみならず、磁気シート等の他の磁
気記録媒体にも適用でさることは言うまでもない。

発明の効果 以上詳述したように本発明によれば、脂肪酸で処理され
たカーボンブラックから、磁性層へ適量の脂肪酸が供給
されるため、摩擦係数の時間的変化が非常に少なく、走
行性・耐久性に優れた磁気記録媒体が得られるため、そ
の実用上の価値は大なるものがある。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）脂肪酸が吸着処理されたカーボンブラックを磁性
   層中に含有させたことを特徴とする磁気記録媒体。
2. （２）カーボンブラックを磁性層中に磁性粉の１〜５重
   量％含有させたことを特徴とする請求項（１）記載の磁
   気記録媒体。