JPH0466972B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、屋根棟に沿つて取り付けられる棟瓦
の支持装置に関するものである。

このように、屋根棟に沿つて棟瓦を取り付けた
場合、この棟瓦と屋根瓦との間の〓間をなんらか
の手段で覆うことが必要となる。

第１図は、このような棟瓦の従来の取り付け構
造を示しており、この従来の構造においては、屋
根瓦５を施工した後、この屋根瓦上にモルタル
１，１を施工して土台を形成し、この土台上に棟
瓦２を載せ、予め棟桟６及び野地板７に打ち込ん
だ釘３へ、ワイヤー４によつて止めていた。その
ため、この従来例では、モルタルの土台を施工す
るための職人が必要となり、しかも施工期間が長
くなる欠点がある。

これと異なるものでは、モルタルの土台に代え
て、屋根瓦の上面の凹凸に適合した土台を有する
取付け台を、屋根瓦上へ取付け、この土台で棟瓦
を支持するようにしたものがあるが、常に屋根瓦
の凹凸の形状に合わせて土台を形成しておかなけ
ればならず、そのため、この屋根瓦の凹凸の形状
が種々異なる場合には、凹凸に応じて形状の異な
る土台を備えなければならない。特に、寄せ棟に
おいては、屋根瓦の凹凸部形状が不規則になるか
ら、そのように予め屋根瓦の凹凸に合わせて形成
しおくことは極めて困難である。

このような問題を解決するものとして、従来、
面度を発泡合成樹脂のような収縮材で形成し、こ
れを屋根瓦の上面に押し付けることによつて、そ
の屋根瓦に密着させるようにしたものがある（特
開昭57−143043号公報参照）。即ち、棟瓦支持台
を兼ねた瓦を笠木へ釘で打ち付けることによつ
て、その瓦で面戸を屋根瓦の上面へ押圧して、そ
の屋根瓦の凹凸に沿つて収縮させた状態に固定保
持するものである。そして、その笠木へ打ち付け
た瓦の上に棟瓦を設置し、前記の釘に取り付けた
ワイヤーを棟瓦の穴に挿通して、このワイヤーで
棟瓦を連結支持している。

しかしながら、収縮自在な面戸を用いた上記従
来の発明においては、その面戸を押圧支持する棟
瓦支持台を釘打ちして笠木に固定しており、その
ため、下側からの強風などによつて長い間にその
釘が緩んで浮き上がる恐れがあると言う欠点があ
る。また、棟瓦は笠木に固定した上記瓦の上に設
置して固定しているが、その笠木を固定する野地
板の上面が不揃いになつていると、棟瓦が傾いて
設置されることとなつて外観を悪くするという欠
点がある。この発明は、このような従来の欠点を
解消することを目的としてなされたものである。

上記の課題を解決するため、この発明では、屋
根頂部の野地板の上面に固定される支持具本体よ
り上方に立設し、かつ、その中間に支持部材を螺
着した支持ボルトと、支持台本体の左右両端下面
に伸縮部材からなる一対の面戸を屋根棟方向に沿
つて下向きに突設した棟瓦支持台と、その棟瓦支
持台の上部に設置される棟瓦とからなり、前記支
持ボルトの上端を前記支持台本体のボルト孔へ挿
通してこの支持台を前記支持部材上に設置すると
共に、その支持ボルトに螺合したナツトで、前記
面戸を屋根瓦上面に沿つて押圧収縮された状態で
この支持台を固定し、さらに、この支持台上に棟
瓦を固定したことを特徴とする。

以下、本発明の構成を図示の一実施例に基づい
て説明すると、第２図〜第４図で示すように、本
発明の支持装置は、屋根棟に沿つて設けられる台
支持具１１と、この台支持具１１によつて固定保
持される棟瓦支持台１２とからなる。

台支持具１１は、野地板１３の上面に固定され
る支持具本体１４と、この支持具本体１４上へ立
設される支持ボルト１５とからなるものであつ
て、支持具本体１４は、屋根形状に折曲形成され
た取付プレート１６と、この取付けプレート１６
の頂部より突設させた短尺螺子パイプ１７とから
なるものであつて、この螺子パイプ１７の内周に
雌螺子１８が形成される。他方、支持ボルト１５
にはその中間部に、円板型の支持部材２０が、そ
のボス２１において螺合されている。２２は、こ
の支持部材２０の下方において、支持ボルト１５
へ螺合した固定用ナツトを示している。

他方、棟瓦支持台１２は、ベニヤ板等の釘打ち
可能な部材からなる板状の支持台本体２３と、こ
の支持台本体２３の左右両端部下部に、屋根棟の
方向に沿つて固着して、下向きに突設した一対の
面戸２４，２４とからなるものであつて、この面
戸２４，２４は、発泡合成樹脂等の伸縮性部材に
よつて成型されている。また、支持台本体２３に
は適宜間隔を置いてボルト孔２５が形成されてい
る。

上記棟瓦支持台１２と台支持具１１を用いた棟
瓦２６の施工方法を説明すると、まず、第２図の
如く、野地板１３の上面に、シート状アスフアル
ト等のルーフイング２７を敷き、その後、棟の方
向に沿つて適宜間隔を置き、前記支持具本体１
４，１４…のみを釘打ち等によつて野地板１３へ
固定する。次いで、第３図及び第４図の如く、瓦
桟２８，２８を取付けた後、屋根瓦２９，２９…
を敷設し、しかる後、支持ボルト１５の下端を、
支持具本体１４の螺子パイプ１７へ上方より螺合
して取付け、固定用ナツト２２を締め付けて固定
保持する。その際、支持ボルト１５に取付けられ
た支持部材２０を回動させて、各支持部材２０，
２０…のレベル出しを行つておく。このようにし
て、台支持具１１を取付けた後、棟瓦支持台１２
を、そのボルト孔２５へ、前記支持ボルト１５の
上端を挿通するようにして、屋根棟に沿つて設置
し、上方から押圧すると、第３図の二点鎖線の如
く、最上端の屋根瓦２９，２９…に沿つてこれら
の面戸２４，２４が各々収縮し、該屋根瓦２９，
２９…上面に密着するから、この状態で支持ボル
ト１５上上端より別のナツト３０を締め付けて、
該棟瓦支持台１２を固定する。そして、このよう
に棟瓦支持台１２を取付けた後、第４図の如く断
面アーチ型の棟瓦２６を、支持台本体２３上面へ
設置し、該棟瓦２６に形成した釘穴３１，３１よ
り、釘３２，３２を前記支持台本体２３へ打ち込
んで固定するものである。釘穴３１，３１には、
釘３２，３２を打ち込んだ後コーキング剤が充填
される。

なお、上記において、台支持具１１，１１…
は、棟方向へ適宜間隔をおいて複数個取付けるよ
うにしているが、棟方向に一体となつた一個のも
のを取付けるようにしてもよい。

以上のように、この発明では、支持ボルトを棟
瓦支持台のボルト孔へ挿通して、この支持ボルト
に螺合したナツトでこの棟瓦支持台を支持すると
共に、その支持台の下側に突出した面戸を収縮保
持しているから、従来の釘打ちしたものと異なつ
て、長期間経つても浮き上がる心配がないという
効果がある。更に、棟瓦支持台は、支持ボルトに
螺着した支持部材で支えるので、野地板の上面が
水平に揃つていない場合でも、この支持部材の高
さを調節することによつてその上部に設置される
棟瓦の水平を簡単に出すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の棟瓦取付け構造を示す横断面
図、第２図及び第３図は、本発明の棟瓦の取付け
構造を示す斜視図、第４図は、本発明の棟瓦の取
付け構造を示す横断面図である。 １１……台支持具、１２……棟瓦支持台、１３
……野地板、１５……支持ボルト、２０……支持
部材、２３……支持台本体、２４……面戸、２５
……ボルト孔、２６……棟瓦、２９……屋根瓦、
３０……ナツト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 屋根頂部の野地板の上面に固定される支持具
   本体より上方に立設し、かつ、その中間に支持部
   材を螺着した支持ボルトと、支持台本体の左右両
   端下面に伸縮部材からなる一対の面戸を屋根棟方
   向に沿つて下向きに突設した棟瓦支持台と、その
   棟瓦支持台の上部に設置される棟瓦とからなり、
   前記支持ボルトの上端と前記支持台本体のボルト
   孔へ挿通してこの支持台を前記支持部材上に設置
   すると共に、その支持ボルトに螺合したナツト
   で、前記面戸を屋根瓦上面に沿つて押圧収縮させ
   た状態でこの支持台を固定し、さらに、この支持
   台上に棟瓦を固定したことを特徴とする棟瓦の支
   持装置。