JPH0445693Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、内視鏡装置に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に内視鏡（軟性）は、把持部を兼ねた手元
側の操作部から前方に細長で可撓性を有する挿入
部を延設し構成され、これら操作部ないし挿入部
に観察光学系と照明光学系を内設し且つ各種の処
置装置を組み込み可能として夫々を挿入部先端側
に露呈し、前記挿入部を例えば体腔内に挿入し、
該体腔内に照明しつつ観察し、必要とする種々の
処置が可能となつている。又、この内視鏡は前記
挿入部の先端側を左右又は及び上下方向に指向可
能な湾曲部を有し、手元側操作部の操作により湾
曲部を左右又は及び上下方向に湾曲して先端側を
任意方向へ指向させることができるようになつて
いる。

一方、最近のエレクトロニクスの進歩によつ
て、内視鏡観察像を電気信号に変換してとらえる
ことのできるCCD（電荷結像素子）、BBD
（Backet Brigade Device）、MOS型センサ等の
固体撮像素子が開発され、前記内視鏡の挿入部先
端側に従前の観察像伝達手段としてのイメージガ
イドフアイバーバンドルに代えて配設されること
が知られている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このような固体撮像素子を用い
た（電子）内視鏡に、体腔内患部等を焼灼切除す
る高周波切開切除具を併用する場合、高周波電流
が前記固体撮像素子の走査で読み出される内視鏡
観察像信号にノイズとして重畳するといつた問題
点がある。

本考案の目的は、体腔内幹部等を焼灼削除する
高周波切開切除具を、固体撮像素子を用いた電子
内視鏡と併用する場合において、高周波電流のケ
ーブルとして用いることにより、高周波電流をシ
ールドしてこれらが固体撮像素子の走査で読み出
される内視鏡観察像信号にノイズとして重畳する
ことがないようにした内視鏡装置を提供するにあ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、細長な挿入部の先端部に被写体を撮
像し電気信号に変換する撮像手段を設け、この撮
像手段から挿入部内を経て後方へ電気信号を伝達
する信号伝達手段を、挿入部の先端部から外部に
突出させる処置具電極からのケーブルと挿入部内
で併設状態で挿通されており、このケーブルは軸
芯方向に内側導体を配設し、この内側導体の外周
側に可撓性を有する絶縁層を介して外側導体を設
け、この外側導体の外周側に可撓性を有する絶縁
層を形成してなり、この外側導体の少なくとも一
端を処置具電極に高周波電流を供給する高周波焼
灼電源の筺体に接続したことを特徴としている。

〔作用〕

本考案では、撮像手段からの信号伝達手段に対
する処置具電極へのケーブルからなる高周波ノイ
ズは外側導体で内側導体を電気的にシールドし、
外側導体を高周波焼灼電源の筺体に接続すること
で重畳することを防止している。

〔実施例〕

以下図面を参照して本考案の実施例を説明す
る。第１図及び第２図は本考案の第一実施例に係
り、第１図は同軸ケーブルの一部切欠正面図、第
２図は同軸ケーブルを高周波切開切除具に用いた
電子内視鏡装置を示す説明図である。

第１図において符号１は同軸ケーブルで、この
同軸ケーブル１は導電性ゴムにて軸芯方向に内側
導体２が配設され、この内側導体２の外周に可撓
性を有する合成樹脂、ゴム等からなる絶縁層３を
有し、該絶縁層３の外周に前記内側導体２を囲繞
するよう該内側導体２と同軸状に導電性ゴムより
なる外側導体４が配設され、さらにこの外側導体
４の外周に可撓性を有する合成樹脂、ゴム等から
なる外皮絶縁層５を設けて構成され、全体として
可撓性が良好であり、多数回繰り返えされる曲げ
に対して強く、且つ曲率半径の小さな曲げも可能
になつている。

第２図において符号６は内視鏡で、把持部を兼
ねた手元側の操作部７から前方に細長で可撓性を
有する挿入部８を延設し、この挿入部８の先端側
３３後方に図示しないワイヤの牽引、弛緩等によ
る湾曲手段にて前記先端側３３を左右、上下方向
等へ指向可能にする湾曲する湾曲部を連設し構成
されている。この挿入部先端側３３は手元側操作
部３４側へ連通している信号チヤンネル３５、処
置具用チヤンネル３６及び図示しないライトガイ
ドチヤンネル等を有している。信号チヤンネル３
５には対物レンズ２３、例えばCCD等で構成さ
れた固体撮像素子３７、前置増幅部３８及び固体
撮像素子３７の内視画像信号を導出する信号線３
９の一部が配設され、この信号線３９は操作部３
４を通つて信号処理回路４０に接続され、この信
号処理回路４０で内視画像信号を例えば３原色信
号に変換してブラウン管４１に導出している。固
体撮像素子３７はカラー撮影が可能なように色モ
ザイクフイルタ又は色ストライプフイルタを備え
たカラー撮像用素子である。そして被観察体で反
射された光は対物レンズ２３を通りさらに色モザ
イクフイルタ又は色ストライプフイルタでＲ
（赤）、Ｇ（緑）、Ｂ（青）の三色光にて固体撮像素
子３７に受光され、固体撮像素子３７の駆動並び
にその出力の増幅を行うドライバ及びプリアンプ
回路３８を用いて電気信号に変換されて取り出さ
れ、信号処理回路４０へ入力されるようになつて
いる。信号処理回路４０は主にＲ，Ｇ，Ｂ用サン
プルホールド回路で構成されていて、電気信号は
サンプリングパルス発生回路からの色モザイク又
は色ストライプに対応したサンプリングパルスに
よつてＲ，Ｇ，Ｂごとにサンプルホールドされて
カラーブラウン管４１へ出力されるようになつて
いる。したがつて、Ｒ，Ｇ，Ｂ用サンプルホール
ド回路からＲ，Ｇ，Ｂ信号が出力されてブラウン
管４１にてカラー表示されるものである。

なお、この実施例ではカラー表示する手段とし
て色モザイクフイルタ又は色ストライプフイルタ
を備えたカラー撮像用素子を用いた場合について
示しているが、色フイルタを用いない通常の白黒
撮像用素子を用いかつ光源装置として三色光を順
次切り換えて照射する方式のカラー表示手段を構
成してもよい。

また、電子内視鏡の操作部３４は処置具挿入部
４２が取り付けられ、この処置具挿入部４２から
高周波切開切除具４３を挿入し、挿入部先端側３
３の処置具用チヤンネル３６に高周波切開切除具
４３の先端に設けたループ状メス部４４を挿通し
導出できるようになつている。

上記高周波切開切除具４３は焼灼電源４５から
高周波電流を取り込むための高周波伝送ケーブル
を第１図に示した同軸ケーブル１で構成し、この
同軸ケーブル１は高周波切開切除具４３の手元側
把持部４６を経て焼灼電源４５に接続されてい
る。この同軸ケーブル１の外側導体４は焼灼電源
４５内で接地される一方、内側導体２はコイル４
７を介して接地されている。さらに、この同軸ケ
ーブル１の内側導体２は高周波切開切除具４３先
端のメス部４４に接続されている。この同軸ケー
ブル１は手元側把持部４６からメス部４４にかけ
てシース４７内に挿通されている。

なお、焼灼電源４５は導体筺体４８によつて内
部が電気的にシールドされている。そして、高周
波信号源４９で発生した高周波を電力増幅部５０
で電力増幅した後狭帯域フイルタ部５１に高周波
電流を導出し、この狭帯域フイルタ部５１を介し
て同軸ケーブル１の内側導体２に帯域制限された
高周波電流が導出されるようになつている。

このような構成では、同軸ケーブル１の内側導
体２は外側導体４によつて電気的にシールドされ
ているので、固体撮像素子３７の前置増幅部３８
からの信号線等へ高周波電流をノイズとして重畳
することを防止できる。

第３図には同軸ケーブルの変形例が示されてい
る。この例の同軸ケーブル１は第１図に示した同
軸ケーブルの外皮絶縁層５の外周に密巻きコイル
３２を巻回したものである。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案の内視鏡装置によれ
ば、処置具電極へ高周波電流を供給するケーブル
からの高周波ノイズが撮像手段からの信号伝達手
段に重畳することを防止でき、上記ケーブルが幾
度となく繰り返し曲げられても折損することがな
くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例に用いる同軸ケー
ブルの一部切欠正面図、第２図は本考案の内視鏡
装置を示す図、第３図は同軸ケーブルの変形例の
一部切欠正面図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 細長な挿入部の先端部に配設されて被写体を撮
   像し電気信号に変換する撮像手段と、この撮像手
   段の電気信号を前記挿入部内を経て後方へ伝達す
   る信号伝達手段と、上記挿入部の先端部から外部
   に突出させる処置具電極を有してそのケーブルを
   前記信号伝達手段と併設状態で挿入部に挿通する
   ものであつて、前記ケーブルは軸芯方向に内側導
   体を配設し、この内側導体の外周側に可撓性を有
   する絶縁層を介して外側導体を設け、この外側導
   体の外周側に可撓性を有する絶縁層を形成してな
   り、前記処置具電極に高周波電流を供給する高周
   波焼灼電源の筺体に前記外側導体の少なくとも一
   端を接続したことを特徴とする内視鏡装置。