JPH04370384A - スクロール圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、冷凍、空調用の冷媒圧
縮機及び空気圧縮機等のガス圧縮機として用いられる密
閉形スクロール圧縮機に係り、特にガスに混入する油量
を低減するのに好適なスクロール圧縮機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のスクロール圧縮機として、特開昭
６２−３７２３８号公報に記載のものにおいては、図６
に示すように、クランクシャフト４の上端の偏心穴４ａ
に設けた旋回軸受（図示せず）内に旋回スクロール２の
背面に突設したスクロールピン２ｃを嵌合し、固定スク
ロール１に締結したフレーム９に設けられた主軸受（図
示せず）でクランクシャフト４の上部外周面を軸受けし
、クランクシャフト４を電動機で回転させることによっ
て旋回スクロール２を固定スクロール１に対して旋回運
動させるようになっている。圧縮ガスは吐出孔１ｄから
密閉容器６の上方の吐出室６ｄに吐き出される。その後
圧縮ガスは、通路１５を通って下方のモータ室６ｅに流
れモータ７の周囲を通って吐出管１２に達し、この吐出
管１２を経由して使用箇所に送られる。

【０００３】背圧室９ａは、自転阻止部材３でシールさ
れており、小孔２ｄによって圧縮室５の圧縮途中の部屋
と連絡しているため、吸入圧力と吐出圧力との中間の圧
力になっているとともに、吸入圧力の変化に追従して変
化する。また、旋回軸受に供給された油はクランクシャ
フト４と旋回軸受との軸受隙間を通って背圧室９ａに流
入する。冷媒圧縮機の場合、吐出圧力、温度に応じて油
中に冷媒が溶解しているため、油が背圧室９ａに入った
とき、油中の冷媒が気化し、小孔２ｄによって定まる中
間圧力よりも高い圧力となる。背圧室９ａに流入した油
は小孔２ｄなどから圧縮室を経て冷媒と共に圧縮室から
吐出される。

【０００４】また特開平３−３７３８５号公報には、旋
回鏡板背面と軸受部品との間を摺動密封環で仕切り、そ
の内側を吐出圧力、外側を背圧室としたスクロール圧縮
機が例示されているが、本構造は圧縮機部を下部にモー
タを上部に配置し油溜め部をフレーム上部に配置してお
り、摺動各部に給油するための油を油溜め部に確保する
必要があり、そのため圧縮機全体の高さが高くなる欠点
があった。

【０００５】そして特開昭５９−４９３８６号公報には
、密閉容器内を高圧力として圧縮機部を上部に、油溜め
室を底部に設けたスクロール圧縮機が例示されている。 本構造は旋回スクロール背面で、その内側、外側をオル
ダムリングでシールし、外側を低圧力、内側を高圧力と
し、軸受に給油した油をフレームに設けた連通路より下
方の排出すると記載してあるが、吐出ガスがモータ室へ
流入し難い構造であり、モータ冷却効果を得られない。 さらにオルダムリングでシールするため、往復摩擦力が
増大し、効率および信頼性が低下する。またシール外側
が吸入圧力のため、旋回スクロール部材を固定スクロー
ル部材に押し付けるための適性なスラスト力を得ること
が難しい欠点があった。

【０００６】特開昭６１−１５２９８３号公報には、密
閉容器内を高圧力とし圧縮機部を上部に油溜り部を低部
に配置し、フレーム上部でかつ旋回軸受より外側の位置
に旋回スクロール背面側に向け、突出させた突周壁と突
周壁の旋回スクロール側に位置する面に環周溝と、環周
溝内に装着されたシール機構とを具備したスクロール圧
縮機が例示されているが、軸受の排出する油の戻しにつ
いては記載されておらず、油上りの低減効果は少なく、
またモータ冷却のためのガス通路等がなくモータ冷却方
法、油上り量低減に対する配慮がなされていない。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】従来のスクロール圧縮
機にあっては、背圧室に旋回軸受へ給油した油を流入さ
せ、小孔より排油する構造のため、吐出孔より吐出され
るガス中には多量の油が混合した状態となり、吐出室お
よびモータ室での油分離効果が不充分となり油上り量（
ガスに混入する油量）が増加し、場合によっては密閉容
器内の油量が減少し軸受や各摺動部の潤滑ための必要給
油量が得られず、焼付に至る問題点があった。また背圧
室と吐出圧力との差圧が運転条件によって変化し場合に
よっては給油が不充分で軸受の損傷を招くことがあった
。

【０００８】さらに背圧室の油の入排油量のつり合いの
関係で、背圧室内に多量の油が溜った場合は、自転阻止
部材と旋回鏡板との接触面に油が入り旋回鏡板外周部で
油を圧縮し入力の増加をもたらし効率を低下させる等の
問題点があった。

【０００９】本発明の目的は、ガス中に混入する油量を
低減させ、圧縮運転条件によって軸受への給油が影響さ
れない高効率のスクロール圧縮機を提供することにある
。

【００１０】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係るスクロール圧縮機は、吐出圧力が作用
する密閉容器内に電動機と電動機で駆動する圧縮機構と
を配置し、圧縮機構は、旋回鏡板の上面に直立するうず
巻き状のラップと前記旋回鏡板の下面に旋回中心として
突出するスクロールピンとを有する旋回スクロールと、
ラップと噛み合い圧縮室を形成する固定ラップと圧縮室
に連通する吸入口とを有する固定スクロールと、旋回鏡
板に設けた小孔を介して圧縮室と連通する背圧室を旋回
鏡板の下部に有するフレームと、背圧室に設けられ旋回
スクロールの自転を防止する自転防止部材と、上端の外
周を主軸受を介してフレームに支承され上端に設けた偏
心穴にスクロールピンを嵌入して旋回自在に支承しかつ
下端から偏心穴に連通する偏心給油路を穿設したクラン
クシャフトとよりなるスクロール圧縮機において、小孔
と主軸受との間にシール部材を設け、シール部材の外側
は圧縮室と連通し中間圧力が作用する背圧室とし、シー
ル部材の内側は主軸受及び旋回軸受と連通し高圧力が作
用する油溜り室とし、それぞれの軸受へ給油した油を密
閉容器の底部へ戻す排油通路を備えた構成とする。

【００１１】そして密閉容器に、圧縮室より吐出したガ
スと主軸受及び旋回軸受より排油した油との混合を防止
する吐出ガス通路を設けた構成でもよい。

【００１２】またフレームに、主軸受の下端と連通する
油受け室を形成し、油受け室に、クランクシャフトのバ
ランスウェイトを収容しかつ排油通路を接続した構成で
もよい。

【００１３】さらにフレームの下部に、主軸受の下端と
連通する油受け室を形成し、油受け室の下方にクランク
シャフトのバランスウェイトを配設し、油受け室と排油
通路とを接続した構成でもよい。

【００１４】そしてフレームの下方に、クランクシャフ
トのバランスウェイトを配設し、バランスウェイトの外
周と密閉容器の側壁との間に油受けを設け、側壁に沿っ
て油を前記密閉容器の底部へ戻す構成でもよい。

【００１５】

【作用】本発明によれば、旋回軸受を給油した油は油溜
り室へ流入する。油溜り室は吐出圧力が作用しており中
間圧力が作用する背圧室とはシール部材で区切られる。 中間圧力よりも高圧の冷媒を溶解している高圧の油が背
圧室に流入することが防止され、小孔および吸入側より
圧縮室へ排出する油量が程んどなくなるため、吐出孔よ
り吐き出されるガス中の油量が圧縮運転状態の変動の影
響を受けることなく常に一定に保たれる。

【００１６】さらに背圧室内でバランスウェイトによる
油の撹拌、油のかみ込みによる入力の損失が低減される
。

【００１７】主軸受を給油して排出した油を油受け室で
回収し、排油通路を経由して密閉容器底部へ戻すことに
より、油溜りに達する前にモータ室内の高圧ガスの流れ
に油が巻き込まれ、ガスとともに油が密閉容器の外へ排
出されるのが防止される。

【００１８】

【実施例】本発明の一実施例を図１〜図５を参照しなが
ら説明する。図１は本発明の一実施例を示す構成図であ
り、図２は図１の主要部の詳細を示す図である。

【００１９】密閉容器６は３つの部分６ａ，６ｂ及び６
ｃからなり、以下に述べる機器を収納するものである。 ３つの部分６ａ，６ｂ，６ｃはその内部に電動機及び電
動機で駆動する圧縮機構の各機器を収納し、フレームを
密閉容器６に固定した後結合され、一つの密閉容器６を
形成する。

【００２０】固定スクロール１は、端板１ａと、この端
板１ａの下方に直立しているうず巻き状の固定ラップ１
ｂとからなり、中心部に吐出孔１ｄを有し、外周側に吸
入口１ｃを有する。吸入口１ｃには吸入管８が連結され
、吐出孔１ｄは密閉容器６内の吐出室６ｄに開口してい
る。旋回スクロール２は、旋回鏡板２ａと、この旋回鏡
板２ａに直立しているうず巻き状のラップ２ｂとからな
り、反ラップ側の面（下面）にスクロールピン２ｃおよ
び旋回鏡板２ａに２個の小孔２ｄを備えている。

【００２１】両スクロール１，２のラップ１ｂ，２ｂは
ともに同じ形状に成形されている。また両スクロール１
，２はラップ１ｂ，２ｂを互いに向き合わされてかみ合
っており、圧縮室５を形成している。

【００２２】フレーム９ｂは、固定スクロール１に数本
のボルト（図示せず）によって取付けられ、背圧室９ａ
を備えている。フレーム９ｃはフレーム９ｂに数本のボ
ルト（図示せず）によって取付けられ、クランクシャフ
ト４のバランスウェイト２５を収容するバランスウェイ
ト室を兼ねた油受け室９ｄを備えている。クランクシャ
フト４は、フレーム９に取付けた軸受１０に回転自在に
支持され、軸心は固定スクロール１の中心と一致してい
る。

【００２３】このクランクシャフト４は、その端部に偏
心穴４ａを備え、この偏心穴４ａの中心は、クランクシ
ャフト４の軸心から旋回半径εだけ離れたところに位置
している。またこの偏心穴４ａにはスクロールピン２ｃ
がはめ込まれている。クランクシャフト４の上端外周部
分はフレーム９ｂに設けた主軸受２０で支承されている
。

【００２４】自転阻止部材３は、オルダムリングとキー
とからなり、平らなオルダムリングの両面に互いに直交
する溝を備え、旋回スクロール２の背面とフレーム９ｂ
との間に設けられている。

【００２５】モータ７のステータ７Ｓは密閉容器６の内
壁面に取付けられ、ロータ７Ｒは、クランクシャフト４
に取付けられている。

【００２６】吐出管１２は、密閉容器６に取付けられ、
モータ室６ｅに連絡されている。偏心給油路１３は、ク
ランクシャフト４に設けられ、下方端１３ａはクランク
シャフト４の軸心と一致する位置で開口している。上方
端における位置はクランクシャフト４の軸心から離れた
ところである。なお、密閉容器６の底部に油溜り１４が
設けられている。油は偏心給油路を経由しクランクシャ
フト４の回転遠心力で高圧となり各軸受に給油される。

【００２７】圧縮動作は従来と変らないため、ここでは
省略し、圧縮ガスの流れについて述べる。

【００２８】圧縮ガスは吐出孔１ｄから密閉容器６の上
方の吐出室６ｄに吐き出される。その後圧縮ガスは、通
路１５を通って下方のモータ室６ｅに流れモータ７の周
囲を通って吐出管１２に達し、この吐出管１２を経由し
て使用箇所に送られる。背圧室９ａと油溜り室２２とは
シール部材２１で圧力が区切られた状態にあり、この背
圧室は小孔２ｄによって圧縮室５の圧縮途中の部屋と連
絡しているため、吸入圧力と吐出圧力との中間の圧力に
なっているとともに、吸入圧力が変化してこれに見合っ
て圧縮室の圧力が変ったときに、この変化が小孔２ｄを
通して背圧室９ａに伝達され、背圧室９ａの圧力は吸入
圧力の変化に追従して変化する。

【００２９】油溜り室２２には旋回軸受２４を給油した
油が流入する。流入した油は吐出圧力が作用しているが
背圧室９ａとはシール部材２１で区切られているため背
圧室９ａに入ることなく主軸受２０を給油し、フレーム
９ｂ，９ｃおよびクランクシャフト４で形成された油受
け室９ｄに流入する。フレーム９ｃには油通路９ｅが設
けられており、密閉容器６底部の油溜り１４の油面付近
に開口する排油管２３と油受け室９ｄとを連通している
。このため旋回軸受２４、及び主軸受２０を給油した油
はガスに混合されることなく密閉容器底部の油溜り１４
に戻すことができ、油上り量（ガスに混入する油量）を
低減できる。

【００３０】本発明の他の実施例を図３を参照しながら
説明する。クランクシャフト４の下端は下軸受座４０に
設けた下軸受４２で支承されている。主軸受２０より排
出された油はフレーム９ｂの下側に備えた油受け３０と
の間に形成された油受け室３０ｂに溜められ、油受け３
０に接続する通路部材３０ａの単独または密閉容器６ｂ
の側面とで形成される油通路３０ｃを経由し、図５に示
すモータ７Ｓの４面あるカット面と密閉容器６ｂ側面で
形成された４ヶ所の通路７Ｓａの内の１つを経由し、密
閉容器側面をつたわり、自重で密閉容器底部の油溜り１
４へ戻る。

【００３１】本発明の他の実施例を図４を参照しながら
説明する。吐出孔１ｄより吐き出された吐出ガスはガス
通路１５、仕切板４４及び図５に示す通路７Ｓａの内の
１つを経由しモータ下部室へ送られ、一方主軸受２０よ
り排出された油は、図４に示すバランスウェイト２５の
回転により油受け４３に移り、油受け４３より、密閉容
器６ｂの側面を自重で伝り落ち、予め図５に示す上記ガ
ス通路となった７Ｓａ以外の３ヶ所の通路に導びかれる
ようにされており、密閉容器底部の油溜り１４へ戻る。

【００３２】このような構成により旋回軸受及び主軸受
を給油した油及び圧縮し吐き出されるガスは油通路とガ
ス通路が分離しているため、油がガスに混入されること
なく密閉容器底部の油溜りに戻すことができ、油上り量
を低減できる。またバランスウェイトを背圧室に収容し
ない構成では、油の撹拌による回転トルクのロスを減少
できる。

【００３３】

【発明の効果】本発明によれば、旋回軸受を給油した吐
出圧力の作用した潤滑油を背圧室に入ることなく主軸受
へ給油して油受け室に回収し、排油通路を経由して密閉
容器底部の油溜りへ戻しているため、軸受を給油した油
がガス圧縮過程およびモータ室内でガス中に混入するこ
とがなくなり、圧縮運転状態に影響されることなくガス
に混入する油上油量を低減できる。さらに、バランスウ
ェイトによる油撹拌や背圧室で油の噛み込みを低減でき
、効率の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す縦断面図である。

【図２】図１の主要部を示す断面図である。

【図３】本発明の他の実施例を示す縦断面図である。

【図４】本発明の他の実施例を示す縦断面図である。

【図５】図３および図４のＩ−Ｉ線断面の断面図である
。

【図６】従来技術を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１　　固定スクロール １ｂ　　固定ラップ ２　　旋回スクロール ２ａ　　旋回鏡板 ２ｂ　　ラップ ２ｃ　　スクロールピン ３　　自転防止部材 ４　　クランクシャフト ４ａ　　偏心穴 ５　　圧縮室 ８　　吸入管 ９　　フレーム ９ａ　　背圧室 ９ｄ　　油受け室 ９ｅ　　排油通路 １２　　吐出管 １３　　偏心給油路 ２０　　主軸受 ２１　　シール部材 ２２　　油溜り室 ２４　　旋回軸受

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　吐出圧力が作用する密閉容器内に電動
   機と該電動機で駆動する圧縮機構とを配置し、該圧縮機
   構は、旋回鏡板の上面に直立するうず巻き状のラップと
   前記旋回鏡板の下面に旋回中心として突出するスクロー
   ルピンとを有する旋回スクロールと、前記ラップと噛み
   合い圧縮室を形成する固定ラップと該圧縮室に連通する
   吸入口とを有する固定スクロールと、前記旋回鏡板に設
   けた小孔を介して前記圧縮室と連通する背圧室を前記旋
   回鏡板の下部に有するフレームと、前記背圧室に設けら
   れ前記旋回スクロールの自転を防止する自転防止部材と
   、上端の外周を主軸受を介して前記フレームに支承され
   前記上端に設けた偏心穴に前記スクロールピンを嵌入し
   て旋回自在に支承しかつ下端から前記偏心穴に連通する
   偏心給油路を穿設したクランクシャフトとよりなるスク
   ロール圧縮機において、前記小孔と前記主軸受との間に
   シール部材を設け、該シール部材の外側は前記圧縮室と
   連通し中間圧力が作用する背圧室とし、前記シール部材
   の内側は前記主軸受及び前記旋回軸受と連通し高圧力が
   作用する油溜り室とし、それぞれの軸受へ給油した油を
   前記密閉容器の底部へ戻す排油通路を備えたことを特徴
   とするスクロール圧縮機。
2. 【請求項２】　　密閉容器に、圧縮室より吐出したガス
   と主軸受及び旋回軸受より排油した油との混合を防止す
   る吐出ガス通路を設けたことを特徴する請求項１記載の
   スクロール圧縮機。
3. 【請求項３】　　フレームに、主軸受の下端と連通する
   油受け室を形成し、該油受け室に、クランクシャフトの
   バランスウェイトを収容しかつ排油通路を接続したこと
   を特徴とする請求項１記載のスクロール圧縮機。
4. 【請求項４】　　フレームの下部に、主軸受の下端と連
   通する油受け室を形成し、該油受け室の下方にクランク
   シャフトのバランスウェイトを配設し、前記油受け室と
   排油通路とを接続したことを特徴とする請求項１記載の
   スクロール圧縮機。
5. 【請求項５】　　フレームの下方に、クランクシャフト
   のバランスウェイトを配設し、該バランスウェイトの外
   周と密閉容器の側壁との間に油受けを設け、該側壁に沿
   って油を前記密閉容器の底部へ戻すことを特徴とする請
   求項１記載のスクロール圧縮機。