JPH04368618A - 磁気記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、各種磁気テープや各種
フロッピーディスク等の塗布型の磁気記録媒体に関する
。

【０００２】

【従来の技術】非磁性支持体上に強磁性微粉末をバイン
ダ中に分散した塗布型の磁性層を有する各種磁気記録媒
体が汎用されているが、その記録密度の向上を計るため
には、当然のことながら記録波長の短い高周波信号を記
録する。しかし、その結果、再生出力が低下することは
避けられない。

【０００３】このような出力低下を防ぐためには、ヘッ
ドと媒体とのできるだけミクロな密着状態を確保して、
スペーシングロスを小さくし、媒体からの信号を無駄な
く読み取ることが必要である。このため、磁性層表面に
は、より厳しい表面平滑性が要求される。しかし、磁性
層表面の平滑化に伴い、磁気ヘッドと媒体の接触面積が
大きくなるので摩擦係数が大きくなり、媒体の安定な走
行性が妨げられ、媒体やヘッドの耐摩耗性も低下する。

【０００４】従来、磁気記録媒体の走行安定性を良好な
ものとするためには、磁性層中に種々の潤滑剤を添加し
、摩擦係数を下げることが知られている。しかしながら
磁性層の表面滑性を高めるために、潤滑剤を過度に使用
すると、磁性層面がブルーミングして逆に走行性が不安
定となり、磁気ヘッドの目詰まりや粉付着等を起こした
り、さらには出力、Ｓ／Ｎの低下を招いてしまう。一方
潤滑剤の添加量が少ないと潤滑効果が不十分となり、走
行特性の向上が期待できないため、その使いこなしは非
常に難しく、媒体設計がきわめて難しいのが現状である
。

【０００５】他方、摩擦係数を低下させるため、ＭＴク
ラスのローストラクチャーのカーボンブラックを添加す
ることが知られている（特公平１−３２５７３号、特開
昭５８−１３３６２６号等）。

【０００６】しかし、このような２００　ｍμｍ　程度
以上の大粒径カーボンブラックは分散性が悪く、出力、
Ｓ／Ｎの低下が著しいため十分な効果が挙げられていな
い。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的は
、摩擦係数が低く、走行安定性が高く、電磁変換特性が
良好で、高密度記録が可能な磁気記録媒体を提供するこ
とにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
（１）〜（４）の本発明により達成される。 （１）非磁性支持体上に強磁性微粉末とカーボンブラッ
クとをバインダ中に分散した磁性層を有する磁気記録媒
体において、前記カーボンブラックの平均一次粒径が２
５〜６５　ｍμｍ　の範囲であり、かつ粒径分布の標準
偏差σが１２〜２４　ｍμｍ　であることを特徴とする
磁気記録媒体。

【０００９】（２）前記カーボンブラックのＤＢＰ吸油
量が１００ｍｌ／１００ｇ　以下であり、かつＢＥＴ比
表面積が１００ｍ２／ｇ　以下である上記（１）に記載
の磁気記録媒体。

【００１０】（３）前記カーボンブラックの含有量が、
前記強磁性微粉末１００重量部あたり１５重量部以下で
ある上記（１）または（２）に記載の磁気記録媒体。

【００１１】（４）磁気ヘッドとの相対摺動速度が０．
５ｍ／ｓｅｃ　以上である上記（１）〜（３）に記載の
磁気記録媒体。

【００１２】

【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。塗布型の磁気記録媒体では、ヘッド目詰ま
りや粉付着による媒体の傷つき等を防止し、しかも摩擦
係数を小さくするため、磁性層の表面付近に、ロースト
ラクチャーのカーボンブラックやグラファイト等の比較
的大きく硬い粒子を配置することが知られている。

【００１３】この場合、グラファイトは粒子が大きく、
同じ添加量ではカーボンブラックの方が効果的である。 しかし、前述のとおり、従来摩擦係数を小さくするため
に用いられてきたローストラクチャーのカーボンブラッ
クは大粒径のものであり、電磁変換特性上、実用に耐え
ない。

【００１４】そこで、本発明では、このようなカーボン
ブラックの平均一次粒径ｄを２５〜６５　ｍμｍ　、よ
り好ましくは３０〜６０　ｍμｍの範囲とし、かつ粒径
分布の標準偏差σを１２〜２４　ｍμｍ　、より好まし
くは１４〜２０　ｍμｍ　とする。

【００１５】例えば従来用いられてきたＭＴ、ＦＴクラ
スのローストラクチャーのカーボンブラックに代表され
るような大粒径のカーボンブラックでは平均粒径が大き
過ぎ、かつ粒径分布のσも比較的大きいため予想以上に
大きな粒子が含まれており、電磁変換特性の著しい劣化
が避けられない。これに対して、平均一次粒径が２０ｍ
μｍ　程度の小粒径のハイストラクチャーのカーボンブ
ラックは、帯電防止効果があり、相対的に良好な電磁変
換特性が得られるものの、従来摩擦係数の低下には全く
寄与できないと考えられていた。

【００１６】しかし本発明のような粒径の平均一次粒径
ｄと、このｄに応じた所定の粒径分布σを有するカーボ
ンブラックは、極端に大きな粒径のカーボンブラックを
含んでいないため、磁性層表面に適度の平滑性を与え、
摩擦係数の低下に有効に作用することが判明した。そし
て、このような作用は、特に高速走行下でより一層有効
に発揮される。また、分散性も良好であり、磁気記録媒
体に必要とされる良好な電磁変換特性をもたせることが
できる。

【００１７】より具体的には、ｄ＜２５　ｍμｍ　とな
ると、σ＝１２〜２４　ｍμｍ　であっても、摩擦係数
が増大し、走行安定性が悪化する。またｄ＞６５　ｍμ
ｍ　となると、σ＝１２〜２４　ｍμｍであっても、電
磁変換特性は低下する。そして、ｄ＝２５〜６５　ｍμ
ｍ　であっても、σ＜１２　ｍμｍ　となると、摩擦係
数が増大し、走行安定性が悪化するため、Ｃ／Ｎも低下
してくる。そしてσ＞２４　ｍμｍ　では、電磁変換特
性が悪化する。そして、これらの効果は、ｄ＝２５〜６
５　ｍμｍ　、σ＝１２〜２４　ｍμｍ　にて、臨界的
にすぐれたものとなる。

【００１８】このようなカーボンブラックの粒径の測定
は例えば電子顕微鏡写真にて行なえばよい。すなわち、
１０，０００〜１００，０００倍の透過型電子顕微鏡（
ＴＥＭ）写真を撮影し、そこから無作為に抽出した例え
ば１，０００個程度のカーボンブラックの一次粒径を実
測する。それらの平均を求めることで平均一次粒径が得
られる。また、測定した粒径から、統計的手法により粒
径分布の標準偏差σが得られる。

【００１９】本発明では、このようなカーボンブラック
のＤＢＰ吸油量を１００ｍｌ／１００ｇ　以下、特に４
０〜９０ｍｌ／ｇ　とし、かつ窒素吸着を用いたＢＥＴ
法による比表面積を１００ｍ２／ｇ以下、特に３０〜８
０ｍ２／ｇとすることが好ましい。ＤＢＰ吸油量とＢＥ
Ｔ比表面積をこのような値とすることで、本発明の効果
はより一層すぐれたものとなる。なお、このようなカー
ボンブラックは一般に磁性層中で１〜数個程度までの二
次粒子として存在するローストラクチャーの構造を有す
る場合が多い。このような粒径およびその分布を有する
カーボンブラックは１種のみを使用してもよいが、その
複数種を混合して、同様の粒径とその分布を得てもよい
。

【００２０】本発明に用いるカーボンブラックは、前記
のｄやσをもてば、他に特に制限はなく、サーマルブラ
ック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ファ
ーネスブラック、ランプブラック等の製造法の異なるカ
ーボンブラックを用いることができる。

【００２１】本発明においては、このようなカーボンブ
ラックの添加量は、強磁性微粉末１００重量部に対し１
５重量部以下、特に１〜１０重量部とするのが好ましい
。カーボンブラックの含有量をこの範囲とすることで、
より一層良好な走行安定性と電磁変換特性とを得ること
ができる。

【００２２】このようなカーボンブラックを含有する磁
性層は強磁性微粉末をバインダに分散させて非磁性支持
体上に塗設したものである。用いる強磁性微粉末として
は、γ−Ｆｅ２　Ｏ３　、Ｃｏ含有γ−Ｆｅ２　Ｏ３　
、Ｆｅ３　Ｏ４　、Ｃｏ含有Ｆｅ３　Ｏ４　、ＣｒＯ２
　、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等
の酸化物微粉末や、Ｆｅ、Ｃｏ、Ｎｉあるいはこれらの
合金微粉末等公知の強磁性微粉末が使用できる。

【００２３】これらの強磁性微粉末を分散させるバイン
ダとしては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール
共重合体、ポリ塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重
合体、フェノキシ樹脂、セルロース誘電体、アクリロニ
トリル−ブタジエンラバー、スチレン−ブタジエンラバ
ー、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリイソシアネート、ポリアミド等、一般に磁性層
バインダとして使用されているバインダ、あるいはこれ
らを放射線感応変成したもの等を、単独または混合して
使用すればよい。そして、これらバインダは、好ましく
は硬化剤を添加して熱硬化したり、放射線硬化されたり
して硬化されることが好ましい。

【００２４】本発明の磁性層には、必要に応じ研磨剤を
含有させてもよい。研磨剤としてはアルミナ、酸化クロ
ム、炭化ケイ素等一般に使用されているものを使用して
よいが、特にモース硬度６以上の研磨剤が好ましい。

【００２５】さらに必要により、本発明の磁性層にはパ
ラフィン、シリコーンオイル、脂肪酸、脂肪酸エステル
等の潤滑剤や分散剤、帯電防止剤等を含有させることが
できる。なお、磁性層は一般に０．５〜５μｍ　程度の
厚さとする。

【００２６】本発明の非磁性支持体としては、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ
プロピレン等のプラスチック、ガラス、セラミック、金
属等が使用され、必要に応じ、これらに表面処理を施し
て使用してもよい。

【００２７】本発明の媒体は、テープ、ディスク、ドラ
ム等いずれであってもよい。ただし、磁気ヘッドと摺動
走行し、その走行速度が０．５ｍ／ｓｅｃ　以上、特に
２．５ｍ／ｓｅｃ　以上のものとすると、その効果がよ
り一層有効に実現する。

【００２８】

【実施例】以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明
をさらに詳細に説明する。

【００２９】実施例１ 下記のカーボンブラックを含む組成物をサンドグライン
ダーミルにより十分に分散し、バインダ硬化剤としてポ
リイソシアネートを３重量部添加し攪拌濾過した後、ポ
リエチレンテレフタレートフィルムの両面に乾燥厚が５
μｍ　になるように塗設した。得られた磁性層をカレン
ダー処理して層表面を平滑化した後、２インチ径に打ち
抜き磁気ディスクとした。なお、下記において、「部」
は全て重量部である。 　　鉄系強磁性合金粉末（ＢＥＴ表面積４０ｍ２／ｇ　
）　　　　　　１００部　　塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　７部　　ポリウレタン樹脂　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　９部　　カーボンブラックＡ 　　吸油量７０ｍｌ／１００ｇ　 　　ＢＥＴ値５５ｍ２／ｇ　 　　平均一次粒径４５　ｍμｍ　 　　σ＝１７　ｍμｍ　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　５部　　σ−アルミナ　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　５部　　ブチルステアレート　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　１部　　メチルエチルケトン　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２５０
部

【００３０】比較例１ カーボンブラックＡにかえて、平均一次粒径ｄ＜２５　
ｍμｍ　の下記のカーボンブラックＢを用いる他は実施
例１と同様にして磁気ディスクを得た。 吸油量５８ｍｌ／１００ｇ ＢＥＴ値１３７ｍ２／ｇ 平均一次粒径２４　ｍμｍ σ＝７　ｍμｍ

【００３１】比較例２ カーボンブラックＡにかえて、σ＜１２　ｍμｍ　のカ
ーボンブラックＣを用いる他は実施例１と同様にして磁
気ディスクを得た。 吸油量６５ｍｌ／１００ｇ ＢＥＴ値６０ｍ２／ｇ 平均一次粒径４０　ｍμｍ σ＝１０　ｍμｍ

【００３２】比較例３ カーボンブラックＡにかえて、σ＜１２　ｍμｍ　のカ
ーボンブラックＤを用いる他は実施例１と同様にして磁
気ディスクを得た。 吸油量７６ｍｌ／１００ｇ ＢＥＴ値９３ｍ２／ｇ 平均一次粒径２８　ｍμｍ σ＝１０　ｍμｍ

【００３３】比較例４ カーボンブラックＡにかえて、ｄ＞６５　ｍμｍ　、σ
＞１２　ｍμｍ　のカーボンブラックＥを用いる他は実
施例１と同様にして磁気ディスクを得た。 吸油量７１ｍｌ／１００ｇ ＢＥＴ値２５ｍ２／ｇ 平均一次粒径８５　ｍμｍ σ＝３２　ｍμｍ

【００３４】比較例５ カーボンブラックＡにかえて、ｄ＞＞６５　ｍμｍ　、
σ＞＞２４　ｍμｍ　のカーボンブラックＦを用いる他
は実施例１と同様にして磁気ディスクを得た。 吸油量４１ｍｌ／１００ｇ ＢＥＴ値６ｍ２／ｇ 平均一次粒径３９０　ｍμｍσ＝１７０　ｍμｍ

【００
３５】実施例２ カーボンブラックＡ＝５部にかえて、２種のカーボンブ
ラックをカーボンブラックＣ／カーボンブラックＥ＝４
／１部にて混合して用いた他は実施例１と同様にして磁
気ディスクを得た。

【００３６】比較例６ カーボンブラックＡ＝５部にかえて、２種のカーボンブ
ラックをカーボンブラックＣ／カーボンブラックＥ＝２
．５／２．５部にて混合して用いた他は実施例１と同様
にして磁気ディスクを得た。

【００３７】以上の実施例１、２および比較例１〜６に
用いたカーボンブラックＡ〜Ｆの物性、これらのカーボ
ンブラックを含有する磁性層を有する磁気ディスクの走
行性と磁気ディスク電磁変換特性とを表１に示す。

【００３８】

【表１】

【００３９】ここで摩擦係数は０．７ｍ／ｓｅｃ　の線
速度でディスクを回転し、ひずみ計でヘッドにかかる応
力を測定し、これからμを算出した。荷重は３０ｇ　と
した。

【００４０】回転トルクは、磁気ディスクドライブのス
ピンドルモーターの負荷電流として測定した。

【００４１】出力およびＣ／Ｎの測定はディスクの最外
周で行ない、記録周波数７．０ＭＨｚの単一記号を記録
し、次いでスペクトラムアナライザーを用いてその再生
信号の７．０ＭＨｚ　と６．７ＭＨｚ　、６．０ＭＨｚ
　のスペクトラムを測定し、Ｃ／Ｎについてはその比よ
り求めた。

【００４２】これらの値を実用上可か否かで○、×を付
し、表１に併記する。なお、図１には実施例１、比較例
１〜４のカーボンブラックＡ〜Ｅの粒径分布を示す。

【００４３】同様に、図２に複数のカーボンブラックを
用いた実施例２および比較例６のカーボンブラックの粒
径分布を示す。

【００４４】表１に示される結果から、本発明の臨界的
効果が明らかである。

【００４５】

【発明の効果】本発明によれば、摩擦係数が低下し、走
行安定性が向上するとともに、電磁変換特性が向上する
。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の磁気記録媒体の磁性層に添加するカー
ボンブラックの粒径分布を示す。

【図２】２種のカーボンブラックを混合して用いた場合
の粒径分布を示す。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　非磁性支持体上に強磁性微粉末とカー
   ボンブラックとをバインダ中に分散した磁性層を有する
   磁気記録媒体において、前記カーボンブラックの平均一
   次粒径が２５〜６５　ｍμｍ　の範囲であり、かつ粒径
   分布の標準偏差σが１２〜２４　ｍμｍ　であることを
   特徴とする磁気記録媒体。
2. 【請求項２】　　前記カーボンブラックのＤＢＰ吸油量
   が１００ｍｌ／１００ｇ以下であり、かつＢＥＴ比表面
   積が１００ｍ２／ｇ　以下である請求項１に記載の磁気
   記録媒体。
3. 【請求項３】　　前記カーボンブラックの含有量が、前
   記強磁性微粉末１００重量部あたり１５重量部以下であ
   る請求項１または２に記載の磁気記録媒体。
4. 【請求項４】　　磁気ヘッドとの相対摺動速度が０．５
   ｍ／ｓｅｃ　以上である請求項１〜３に記載の磁気記録
   媒体。