JPH0435504Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、改装建物の窓回りのおさまり構造に
関する。

既存の建物の外壁を金属板等からなる新規外装
材で被覆してなる改装建物においては、旧窓枠を
そのまま残存せしめて再使用する場合がある。か
かる旧窓枠を残存せしめた場合、改装工事の容易
さ、外観の良好性および雨仕舞の点より、窓回り
のおさまりを如何にするかが重要となる。

従来の改装工法は、第１図に示すように、既存
建物の外壁１にアングルピース２をアンカーボル
ト３で固定し、該アングルピース２に横胴縁４を
溶接すると共に、この横胴縁４に縦胴縁５を溶接
し、これら胴縁４，５に金属板からなる新規外装
材６をビス止めしていた。そして窓回りのおさま
りは、外壁１の水切りわく７ａ及び水切り台７ｂ
を斫り工事で除去せしめて凹部８を形成し、該凹
部８に新規水切りわく材９ａ及び水切り材９ｂの
先端部が突入するよう、横胴縁４に固定されたブ
ラケツト１０ａ又は１０ｂを介して取着してい
た。

即ち、従来の改装建物の窓回りおさまり構造
は、斫り工事を伴なうため、騒音・塵埃の公害を
発生させると共に、施工に多大の時間を要してい
る。また旧窓枠１１の外端面はそのまま残存して
見えるため、新規外装材６と旧窓枠１１とのアン
バランスが顕著になり外観上好ましいものではな
かつた。

そこで、本考案は、上記問題点に鑑みて案出さ
れたものであり、改装工事の容易さ、外観の良好
さ、及び雨仕舞の良好さを満足させることができ
る改装建物の窓回りのおさまり構造を提供するこ
とを目的とする。従つて、その特徴とする処は、
既存の建物の外壁を新規外装材で被包してなる改
装建物の窓回りのおさまり構造において、窓開口
部の下辺を除く他の３辺を構成する新規水切りわ
く材は、旧水切りわくを被覆すると共に、その一
端縁は旧窓枠外端面にＬ形アタツチメントを介し
て結合され、他端縁は新規外装材の開口部周縁に
結合されている点にある。

以下、本考案の実施例を図面に基づき詳述す
る。

第２図及び第３図において、２０は既存の建物
の外壁であり、該外壁２０は中心部のコンクリー
ト躯体２１と、その周囲のモルタル２２と、及び
外壁材であるタイル２３等から成る。外壁２０に
は窓開口部２４が設けられ、該開口部２４に窓枠
２５が取着されている。２６は窓枠２５の上枠体
であり、該上枠体２６の外端面より外方の外壁２
０は水切りわく２７とされている。

上記既存の外壁２０に対し、その外面を改装す
べく、新規外装材２８が取着されている。すなわ
ち、外壁２０の外面にアングルピース２９がアン
カーボルト３０で固着され、該アングルピース２
９に横胴縁３１が溶接で固着され、更に積胴縁３
１に縦胴縁３２が溶接で固着され、これら胴縁３
１，３２に、金属板からなる新規外装材２８がビ
ス止め３３されている。

上記新規外装材２８にも前記窓開口部２４に対
応して開口部３４が設けられている。この新規外
装材２８の開口部３４と前記旧窓枠２５の上枠体
２６の外端面間の空間を閉塞すべく新規水切りわ
く材３５が設けられている。この新規水切りわく
材３５は、その一端が新規外装材２８の開口部３
４の上部周縁にビス３３で固定され、該結合部は
コーキング材３６でシーリングされている。新規
水切りわく材３５の他端部はアタツチメント３７
を介して、上枠体２６の外端面に結合され、もつ
て新規水切り材３５は、旧の水切り台２７を全面
にわたり被覆している。

第３図に示すごとく、前記アタツチメント３７
は略Ｌ字形をなし、Ｌ字形の側部に一対の脚部３
８が形成され、該脚部３８が旧上枠体２５の外端
面に接当し、かつビス３９で固定されており、両
脚部３８間にはシール材４０が充填されている。
新規水切りわく材３５の端縁とアタツチメント３
７はビス４１により固定されている。その結合部
にはコーキング材４２によりシーリングされてい
る。

尚、かかる窓回りのおさまり構造は、窓開口部
２４の下辺を除く他の３辺において採用されてい
る。

上記本考案の実施例によれば、窓回りのおさま
りにおいて、従来のように斫り工事を行なう必要
がないので、騒音・塵埃公害が発生せず、かつ工
事時間の短縮が図られる。更に、従来のように水
切りわく材取り付け用のブラケツトを不要とする
ので部品点数の削減、並びに取付け時間の短縮が
図られる。また、新規水切りわく材３５は、旧窓
枠体２６の外端面を被覆しているので、旧窓枠２
５を残存せしめているのに、新規なもののように
見え、外観上好ましいものとなる。この枠体２６
と新規水切りわく材３５の結合に際し、アタツチ
メント３７を介在させているので、流出を直接接
合するのに比べ、雨仕舞が容易となる。

尚、本考案は、上記実施例に限定されるもので
はない。

本考案によれば、改装工事に際し、騒音・塵埃
公害が発生せず、作業時間の短縮、部品点数の削
減が図られ、コストダウンになり、かつ外観上き
れいなものになる等、実用に供して多大の効果を
発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す断面図、第２図は本考案
の実施例を示す断面図、第３図は第２図のＡ部分
拡大図である。 ２０……外壁、２４……窓開口部、２７……水
切りわく、２８……新規外装材、３４……開口
部、３５……新規水切りわく材、３７……アタツ
チメント。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 既存の建物の外壁を新規外装材で被包してなる
   改装建物の窓回りのおさまり構造において、窓開
   口部の下辺を除く他の３辺を構成する新規水切り
   わく材は、旧水切りわくを被覆すると共に、その
   一端縁は旧窓枠外端面にＬ形アタツチメントを介
   して結合され、他端縁は新規外装材の開口部周縁
   に結合されていることを特徴とする改装建物の窓
   回りのおさまり構造。