JPH0435445Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、事務所等の室内のコンクリート製等
の床基盤上に、適宜配線用空間を隔てて床基台を
配設した、いわゆる二重床構造において、その上
に壁パネルを立設させるとき支持装置の構造に関
するものである。

〔従来の技術とその問題点〕 事務所等の室内のコンクリート製の床基盤上
に、電源コードや通信ケーブル等の配線や水道
管、ガス管等の配管のための空間を有するよう
に、床パネルを敷設する二重床構造において、そ
の床パネルの上に間仕切用の壁パネルを立設する
先行技術として、特開昭61−207762号公報では、
床基盤に接地させた接地部材から突出する脚体の
中途部を、床パネルの側縁に形成した切欠き部か
ら上に臨ませ、該脚体の上端を壁パネルの下端に
止め金具を介して取付け、壁パネルの設置高さの
調節に際して、床基盤に接地する接地部材と脚体
とを螺合などにより、上下伸縮可能に構成するこ
とを提案している。

従つて、壁パネルの高さ調節の作業を実行する
に際しては、壁パネルを脚体に取付けない状態に
おいて、一旦脚体自体を軸線廻りに回動させるな
どして脚体上端の止め金具が所定の高さ位置に来
るように設定する必要がある。

しかしながら、通常、複数の脚体が互いに離れ
た位置にあるから、壁パネルの下端を水平状に
し、且つ、隣接する壁パネルの下端高さ位置も一
致するように前記脚体の高さを調節することは、
容易ではないという問題があつた。

また、壁パネルが室内を仕切る上下高さ寸法の
大きいものである場合には、壁パネルの設置高さ
位置の調節に際して、壁パネル全体を脚体に対し
て着脱自在に取付ける作業も厄介で手間が掛かる
という問題もあつた。

また、壁パネルの下端と床面との隙間を塞ぐ巾
木は、前記脚体の側面に取付くようになつてい
る。（その具体的構成は開示されていない）。

従つて、巾木の長さ寸法を壁パネルの巾寸法と
略同じに設定し、且つ巾木の長手の端部を脚体側
面に装着するとすれば、各壁パネル毎に一対の脚
体が必要となり、必要数以上に脚体を設けなけれ
ばならない。しかもこれら各巾木は長手中途部は
固定されないからぐらつくという問題もあつた。

この問題を解決するため、特公昭52−46011号
公報のように、支持ボルトを介して高さ調節可能
な下梁と該下梁に挟持金具を介して立設する支柱
の下端との間に巾木を介挿する構成では、前記支
柱を立設する前に巾木を取り付けなければならな
いから、一旦、支柱を組立てしまうと巾木だけを
着脱自在できないという問題があつた。

本考案は、これらの問題点を解決することを目
的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

前記目的を達成するため本考案は、室内を仕切
る壁パネルにおけるパネル板支持用の枠体を、室
内の床基盤に適宜間隔にて配置した支持台に取付
く取付けボルトにて支持するように構成した壁パ
ネルの支持装置において、前記床基盤上に適宜空
間を隔てて床基台を敷設し、前記各支持台に取付
く取付けボルトを、床基台より上向きに突出さ
せ、前記枠体における下梁を、前記各取付けボル
トに高さ調節可能に装着し、下梁の左右両側に
は、前記パネル板の下面を支持する長手水平片を
形成する一方、該一対の長手水平片の下面と適宜
隙間を隔てるように挟持片を設け、該各挟持片と
水平片との間に巾木の上端を挟持するように構成
したものである。

〔考案の作用・効果〕

本考案では、枠体に対してパネル板を着脱自在
に装着する形式のものであるから、間仕切の施工
に際して、まず、床基盤に配設させた支持台から
突出した取付けボルトに、前記枠体における下梁
を装着すれば良いのであり、パネル板を装着して
いない状態の枠体は軽量で取扱が容易となる。

枠体だけの段階で取付けボルトに対する下梁の
高さ位置や水平度の調節をとることができるか
ら、調節作業が簡単であり、且つ、調節精度も向
上する。

従つて壁パネルが室内を仕切る上下高さ寸法の
大きいものであつても、壁パネルの設置高さなど
の調節が至極簡単できるという効果を有する。

前記の調節に際して、枠体における水平方向の
下梁と垂直方向の取付けボルトとの装着箇所にて
高さ調節できるので、枠体における垂直の支柱筒
所の下端で取付けボルトに対して高さ調節する場
合に比べ作業が容易となるという効果も有するの
である。

しかも、下梁の左右両側には、前記パネル板の
下面を支持する長手水平片を形成する一方、該一
対の長手水平片の下面と適宜隙間を隔てるように
挟持片を設け、該各挟持片と水平片との間に巾木
の上端を挟持するように構成したものであるか
ら、ハンドル板の着脱作業と巾木の着脱作業とを
別々に実行することができ、壁パネルの組立作業
が至極容易となるという効果を奏する。

しかも、巾木の上端部長手方向の任意の複数の
部位を挟持できるので巾木が倉付くこともないと
いう効果を奏する。

〔実施例〕

次に実施例を図面に従つて説明すると、コンク
リート製等の床基盤９との間に、いわゆる二重床
構造を構成するための床基台１は、第１図及び第
２図で示すように、天板２と該天板２を支持する
ための複数の長手板状の脚体３および長手の脚体
３から直角に天板周縁方向に延びる脚体４と、天
板２の上面に貼設したカーペツトやビニールタイ
ル等の柔軟性を有する床表面材５とから成る。天
板２と脚体３，４は一体的に形成されているが、
別体にて構成し、接着剤等にて固着しても良い
し、他の形状の床基台であつても良い。

前記天板２及び脚体３，４は、各々アルミダイ
キヤストや鋼板等による金属製、パーライト等の
無機質材料を含む積層板の積層体、ガラス繊維強
化プラスチツク等種々のものが用いられる。

そして、長手の脚体３における前後両外側面３
ａ及び短い脚体４の各外側面４ａを、前記天板２
における４側辺の周縁２ａよりも適宜寸法ｈ１だ
け突出させて、相隣接する床基台１における脚体
３，４の外側面同士が接当するように構成するの
であり、各床基台１における天板２に接着材等に
て貼設したカーペツト等の柔軟性を有する床表面
材５を、その側縁５ａが前記脚体３，４の外側面
３，４ａに沿つて延びる鉛直線上に達するまで延
長させるものである。

なお、このとき、各脚体３，４の上端縁を天板
２における周縁２ａに向かつて湾曲状に切欠いた
凹湾曲部６を形成している。

符号７は脚３，４に下向き開放状等に切欠き形
成したコード挿通孔であり、床基台１を相隣接さ
せて敷設するとき、互いに対向する位置の脚体３
又は／及び脚体４の下端に横向きに突設した突起
８は、相手側の床基台１における突起８と互いに
噛み合うことにより、互いに横ずれしないように
するものである。

床基台１上に立設する壁パネルの枠体１０は、
第３図に示すように、下梁１３と、該下梁１３に
適宜間隔にて下端が支持された支柱１４と、支柱
１４の上端が取付く上レール１５と、支柱１４の
上下中途部を連結する補助梁１６とから成り、支
柱１４と下梁１３との嵌合箇所では下梁１３から
突設した係合爪により位置ずれしないように構成
され、上レール１５は、室内の図示しない天井に
装着するものである。

また、表裏一対のパネル板１７，１７は、各々
下端が前記下梁１３に支持され、且つ支柱１４の
側面に適宜間隔にて穿設した係合溝孔に係止鉤片
（共に図示せず）を介してパネル板１７の側縁部
分が着脱自在に装着される構成である。

符号１８は前記取付けボルト１２に被嵌する断
面コ字状のアジヤスタスペーサ、符号１９，２０
は前記下梁１３における長手方向中途部の孔１３
ａに挿通した取付けボルト１２に螺合するナツト
で、この上下ナツト１９，２０は前記アジヤスタ
スペーサ１８を介して下梁１３を高さ位置調節に
固定する構成である。

また、下梁１３には、挟持片２２を適宜間隔に
てスポツト溶接などにて固着してあり、該挟持片
２２と、下梁１３における互いに反対向きに突出
した長手水平片１３ｂ，１３ｂの下面との間にて
一対の巾木２１，２１の上端を挟持することがで
きる。符号２３は挟持片２２に上向きに膨出させ
たタボ部である。

そして、支持台１１は断面下向きコ字型等に形
成され、床基台１における脚体３，３または脚体
４，４間等の隙間に嵌まり、且つ、床基台１にお
ける天板２の下面と床基盤９との間にきつちりと
挿入されるようにしても良い。この支持台１１に
は、取付けボルト１２が熔接又は螺子螺着等によ
り固着されて上向きに突出しており、この取付け
ボルト１２は、前記相隣接する床基台１の隙間か
ら上向きに突出させる。なお、床基台１に天板２
側縁に前記取付けボルト１２が突出できる円弧状
の切欠き部を設けても良い。

また、支持台１１には、一対の調節脚を横向き
に突設し、両調節脚の先端に螺着した調節ボルト
を床基盤９に押圧させて取付けボルト１２が垂直
状に姿勢補正できる構成であつても良い。

符号２５は、前記相隣接して敷設した床基台
１，１における床表面材５，５の側縁５ａ，５ａ
の突き合わせ部分を上から突き合わせ部分を上か
ら跨いで覆う長手の床表面材押さえ体で、該床表
面材押さえ体２５は、断面下向きコ字状の中央部
２５ａの左右両側下端から外向きに延びる一対の
押さえ片２５ｂ，２５ｂ及び該各押さえ片２５ｂ
から上に延びる立ち起し片２５ｃとからなるよう
に一体的に屈曲形成したものである。

また前記床表面材押さえ体２５における中央部
２５ａには、大径孔部２６と挟持溝部２７とが連
通して成る平面視だるま状の挿通孔２８を長手方
向に沿つて適宜間隔にて複数穿設する。この挿通
孔２８における大径部２６では、押さえナツト２
９が前記取付けボルト１２に螺合した状態のまま
上下に挿通できる程度のものである。

この実施例による二重床構造では、第２図の平
面図で示すように床基台１の四周における脚体３
の外側面３ａ同士及び脚体４の外側面４ａ同士を
接当させて床基盤９上に敷設することができ、こ
の状態では、互いに接当した脚体３及び４の外側
面は天板２の周縁２ａよりも寸法ｈ１だけ外側に
突出している、換言すれば床基台１の周辺は脚体
３，４の外側面箇所に対して寸法ｈ１だけ内側に
凹んで位置することになるから、脚体３，４の箇
所を除き相隣接する床基台１，１の周辺において
巾寸法２ｈ１の隙間２４が長く形成されることに
なる。

そして、前記複数の支持台１１を隣接する床基
台１，１間の下側に適宜隔てて挿入し、各支持台
１１の取付けボルト１２を前記隙間２４から上方
向に突出させ、該各取付けボルト１２に螺合した
押さえナツト２９箇所の上に挿通孔２８を位置合
わせさせて、上から前記床表面材押さえ体２５落
とし込み、前記押さえナツト２９より下側に位置
させる。なお、その前に、前記隙間２４を通して
配線コード３０を引出しておき、任意の挿通孔２
８箇所に配線コード３０を通しておく。

つぎに、床表面材押さえ体２５の下端押さえ片
２５ｂ，２５ｂが床表面材５に接当した状態にて
取付けボルト１２が挟持溝部２７に嵌まるように
横移動させ、押さえナツト２９にて床表面材押さ
え体２５を床表面材に押し付ける。

これにて、当該床表面材押さえ体２５における
左右両側の押さえ片２５ｂ，２５ｂと、床基台１
の天板２とで挟持された床表面材５はその側縁５
ａ近傍を挟み付けることができ、複数の床基台１
が横方向及び上下方向にガタ付いたり、ずれたり
することも無くなる。

しかも、前記隣接する床表面材５の側縁の突き
合わせ隙間から引き出された配線コード３０によ
り捲り上がつた箇所の影響を外側に及ぼすことが
無くなる。

次いで、前記各取付けボルト１２にナツト１９
及びアジヤスタスペーサ１８を所定の高さ位置に
取付け、壁パネルの枠体１０における下梁１３を
孔１３ａの箇所で上側のナツト２０にて挟着す
る。

この下梁１３の任意の複数箇所の基準面からの
高さを測定したり、下梁１３の上面に水準器を当
てることにより、当該下梁１３の高さ位置やレベ
ル調節をしごく簡単に実行することができる。

そして、支柱１４の下端を前記下梁１３の所定
の箇所に嵌合させ、当該支柱１４を立て起こしな
がら、その上端を上レール１５に嵌合させること
で、壁パネルの枠体１０を組み立てることができ
るのである。

表裏のパネル板１７，１７は前記下梁１３より
上側にて適宜手段により支柱１４等に装着すれば
良く、また、一対の巾木２１，２１の上端は下受
け梁１３における挟持片２２箇所に挿入し、各巾
木２１の下端は前記床表面材押さえ体２５の立ち
起し片２５ｃの外面に沿うように配設し、巾木２
１の裏面に固着した下向き鉤片３１や両面接着テ
ープ（図示せず）を介して立ち起し片２５ｃに固
定することができるが、この巾木２１の下端と床
表面材押さえ体２５とは必ずしも連結する必要は
ない。

以上の実施例では、支持台１１および取付けボ
ルト１２を床表面材押さえ体２５の押さえ用と壁
パネルの枠体１０の立設用とに兼用したものであ
るが、壁パネル１０の立設用と床表面材押さえ体
２５との用途別に別々の箇所に専用の支持台と取
付けボルトとを配設しても良いことは勿論であ
る。

また、支柱１４の上端に上下動可能な連設片を
装着し、該連結片を介して上レール１５に取付く
ように構成しても良いのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は床基台
の斜視図、第２図は床基台の敷設状態の平面図、
第３図は壁パネルの枠体及び床表面材押さえ体２
５の組立状態を示す斜視図、第４図は各部品の斜
視図、第５図は組立状態を示す断面図である。 １……床基台、２……天板、２ａ……周縁、
３，４……脚体、３ａ，４ａ……外側面、５……
床表面材、５ａ……側縁、６……凹湾曲部、２４
……隙間、７……コード挿通孔、９……床基盤、
１１……支持台、１２……取付けボルト、１０…
…枠体、１３……下梁、１３ｂ……長手水平片、
１４……支柱、１６……補助梁、１７……パネル
板、１８……アジヤスタスペーサ、１９，２０…
…ナツト、２１……巾木、２２……挟持片、２３
……ダボ部、２５……床表面材押さえ体、２５ｂ
……押え片、２５ｃ……立ち起し片、２６……大
径部、２７……挟持溝部、２８……挿通孔、２９
……押さえナツト、３０……配線コード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 室内を仕切る壁パネルにおけるパネル板支持用
   の枠体を、室内の床基盤に適宜間隔にて配置した
   支持台に取付く取付けボルトにて支持するように
   構成した壁パネルの支持装置において、前記床基
   盤上に適宜空間を隔てて床基台を敷設し、前記各
   支持台に取付く取付けボルトを、床基台より上向
   きに突出させ、前記枠体における下梁を、前記各
   取付けボルトに高さ調節可能に装着し、下梁の左
   右両側には、前記パネル板の下面を支持する長手
   水平片を形成する一方、該一対の長手水平片の下
   面と適宜隙間を隔てるように挟持片を設け、該各
   挟持片と水平片との間に巾木の上端を挟持するよ
   うに構成したことを特徴とする壁パネルの支持装
   置。