JPH04337091A

JPH04337091A - 潤滑防錆組成物

Info

Publication number: JPH04337091A
Application number: JP10901891A
Authority: JP
Inventors: Yasumasa Inoue; 井上　安正; Masaru Adachi; 優安達; Yuzo Kawakami; 川上　裕三
Original assignee: Nippon Quaker Chemical Ltd
Current assignee: Nippon Quaker Chemical Ltd
Priority date: 1991-05-14
Filing date: 1991-05-14
Publication date: 1992-11-25

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動車産業、家電産業を
中心に使用されている合金鋼板、表面処理鋼板、アルミ
板類等の各種鋼板類の防錆油および潤滑油として適用が
可能で、特に前記各種鋼板類の保存期間中の防錆処理な
らびに加工時のプレス加工処理を単一の油剤で処理する
ことを可能とする潤滑防錆組成物に関する。

【０００２】

【従来技術】一般に、製鉄メーカー等で製造される鋼板
、合金鋼板、表面処理鋼板あるいはアルミ板類等の各種
鋼板類は、該鋼板類製造後ユーザーである自動車メーカ
ーあるいは家電メーカー等が使用するまでの間の発錆を
防止するために、鋼板類表面に防錆処理が施されている
。

【０００３】自動車メーカーや家電メーカー等のユーザ
ーは、防錆処理の施された鋼板類を自動車や家電製品に
プレス加工し成形するが、入手した鋼板類をそのまま加
工工程に適用しても、従来の防錆処理に一般に用いられ
てる防錆油は、潤滑性が不十分なため、プレス割れ、傷
、皺等が鋼板側に発生したり、加工治具に材料のビルド
アップが発生したりする。そのため鋼板の加工処理前に
潤滑性を与えるための処理を施している。さらに、その
処理のため、予め製鉄メーカー等が鋼材表面に施した防
錆剤を除去する工程を必要とする場合もある。潤滑性付
与剤としては、下記の種々のタイプのものが知られてい
るが、それぞれ以下のごとき欠点をもっている。

【０００４】即ち油型（油膜形成型）はプレス油に要求
される防錆性が不十分になり易い。

【０００５】ワックス型（固体フィルム型）のうち溶剤
型は専用の塗油装置が必要、均一塗油も困難である。ま
た溶剤としては揮発性の高い引火点の低い溶剤あるいは
揮発性の高い有毒性の溶剤が使用されており安全・公害
上の問題を持つ。さらに固体フィルムは融点を持ってい
るので、プレス加工後の脱脂性が不良となり易い。

【０００６】ホットメルト型は専用の塗油装置が必要で
均一塗油も困難である。また固体フィルムは融点を持っ
ているので、プレス加工後の脱脂性が不良になり易い。

【０００７】ドライフィルム型（水溶性）は専用の塗油
装置が必要、均一塗油も困難である。加えて防錆力が劣
るため、ドライフィルムの上から防錆油を塗油する必要
がある。

【０００８】従来は、以上のように防錆処理工程と潤滑
処理工程に別々の処理剤を必要とするため、それぞれの
処理工程を設ける必要があった。これは、防錆剤はプレ
ス加工に要求されるを潤滑性を有しておらず、潤滑性付
与剤は十分な防錆力を有していないためである。従って
、防錆力と潤滑性の両特性を有する処理剤を使用すれば
、従来必要とされた防錆剤除去工程、プレス加工のため
の潤滑剤付与工程を省略することができ、効率的な製品
製造が可能となるばかりでなく、省資源、省エネルギー
という公共的社会的責務をも同時に果たすことが可能と
なる。

【０００９】かかる、防錆力とプレス加工に要求される
潤滑性を併せ持つ処理剤としては、例えば特開昭６２−
９５３９６号公報あるいは特開昭４８−６７１４１号公
報等が知られている。

【００１０】しかし、このような処理剤であっても、厚
目付け亜鉛メッキ鋼板、特殊鋼材、高強度鋼板、アルミ
合金等の難加工材においては十分でなく、難深絞り加工
を可能とするには、なお改良が必要とされる。さらに、
過酷な環境下における防錆性の維持、実ラインにおける
脱脂、化成処理剤あるいは接着剤、シール材との良好な
る適合性を併せ持つことは困難で、これらのうちいづれ
かを犠牲にしていた。

【００１１】特に、自動車会社においては、北米、カナ
ダの塩害対策のため耐食性の高い厚目付け亜鉛メッキ鋼
板が使用されており、そのような鋼板はプレス加工が難
しく、従来の防錆・プレス兼用処理剤を使用しても、プ
レス時に粉化（Ｐｏｗｄｅｒｉｎｇ）、剥離（ｆｌａｋ
ｉｎｇ）、　ひび割れ（Ｃｒａｃｋｉｎｇ）、　むしれ
、スクラッチ、焼き付き（Ｇａｌｌｉｎｇ）あるいはピ
ンプル（Ｐｉｍｐｌｅ）が依然として発生するという問
題がある。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたもので、過酷な環境下においても優れた防錆
力を有するのみならず、難加工材（厚目付け亜鉛メッキ
鋼板、特殊鋼材、高強度鋼板、アルミ合金材等）ならび
に難深絞り加工をも可能とする潤滑防錆組成物を提供す
ることを目的とする。

【００１３】本発明の他の目的は、各種鋼板等の表面に
熱的に安定で緻密な塗油膜を形成し、保管中に鋼板等の
表面から流動しにくく、油膜の片寄りや油だれ等も少な
く、熱の発生により、油剤の粘度が低下して油膜が薄く
なるような高速連続プレス加工においても安定した良好
なる潤滑性を有する潤滑防錆組成物を提供することにあ
る。

【００１４】本発明のさらなる目的は、自動車会社等で
使用されている多種多様の接着剤、シール材との適合性
の良好な潤滑防錆組成物を提供することにある。本発明
のさらなる目的は、自動車会社等で使用されている塗装
前の脱脂、化成処理剤との適合性の良好な潤滑防錆組成
物を提供することにある。

【００１５】

【課題を解決するための手段】すなわち本発明はＡ．炭
素数６〜２２の側鎖を有していてもよい飽和あるいは不
飽和の脂肪酸と水酸基２〜１２を有する多価アルコール
とのポリオールエステルからなる群より選ばれる少なく
とも一種類；Ｂ．スルホネートのアルカリ金属塩およびアルカリ土類
金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種類；Ｃ．
調整剤；を含有し、ケン化価が２０以上、かつ４０℃に
おける粘度が２〜２００ｃＳｔである潤滑防錆組成物に
関する。

【００１６】化合物群Ａを構成するポリオールエステル
は潤滑性を付与する働きをするものであり、かかるポリ
オールエステルの酸成分である脂肪酸としては、炭素数
６〜２２、好ましくは（１０〜２０）、より好ましくは
（１２〜１８）の側鎖を有してもよい飽和あるいは不飽
和の脂肪酸、例えばオレイン酸、イソステアリン酸、ラ
ウリン酸、ネオデカン酸、エルカ酸等が挙げられる。炭
素数が６より小さい脂肪酸を使用した場合は、十分なる
潤滑性、防錆性が得られずプレス成形性の不良、錆の発
生を生じ易い。炭素数が２２より大きい脂肪酸を使用し
た場合は脂肪酸ポリオールエステル自身の融点が高くな
りプレス後の脱脂工程における脱脂不良を生じ易い。

【００１７】成分Ａを構成するポリオールエステルの他
の成分である多価アルコールとしては、水酸基が２〜１
２、好ましくは２〜４、より好ましくは２〜３を有する
もの、例えばトリメチロールプロパン、ネオペンチルグ
リコール、ペンタエリスリトール、グリセリン、ソルビ
トール、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール等を挙げることができる。

【００１８】水酸基の数が２より小さいと、即ち１であ
るアルコールを使用すると単独使用では十分なる潤滑性
、防錆性が得られない。水酸基の数が１２より多いと製
品への溶解度の低下により安定なる製品が得られない。また、脱脂工程における脱脂不良が問題となる。

【００１９】成分Ｂを構成するスルホネートは、防錆効
果と潤滑性を付与する働きをするもので、かかるスルホ
ネートとしては石油スルホネート、合成スルホネート、
例えばアルキルベンゼンスルホネート、アルキルナフタ
レンスルホネート、天然石油留分より得られる石油スル
ホネート等を挙げることができ、それらのアルカリ金属
（リチウム、ナトリウム、カリウム等）の塩またはアル
カリ土類金属（マグネシウム、カルシウム、バリウム等
）の塩が好適に用いられる。本明細書中、塩は中性塩、
塩基性塩あるいは超塩基性塩を含む概念で用いられる。

【００２０】成分Ｃを構成する調整剤は希釈剤として添
加されるもので、主に本願発明の潤滑防錆組成物の粘度
、ケン価を調整するのに有効で、例えば鉱物油、例えば
マシン油（９ｃｓｔ／４０℃）、マシン油（４６ｃｓｔ
／４０℃）；合成炭化水素、例えば粘度（１００℃）２
〜２０ｃｓｔのα−オレフィン、合成ナフテン（ＭＷ１
３０〜２５０）；エステル類、例えばラウリルオレート
、ジオクチルセバケート等を挙げることができる。

【００２１】本発明において、成分Ａ〜Ｃの配合割合は
、組成物全重量に対し成分Ａが７〜６０重量％、好まし
くは１３〜４０重量％、成分Ｂが１〜４０重量％、好ま
しくは１０〜２５重量％、成分Ｃが１５〜８２重量％、
好ましくは３０〜６０重量％となるように混合すればよ
い。

【００２２】成分Ａの量が７重量％より少ないと潤滑性
が不足し６０重量％より多いとプレス加工後の脱脂性と
接着剤との適合性が悪くなる。成分Ｂの量が１重量％よ
り少ないと防錆性が不足し、４０重量％を越えるとプレ
ス加工後の脱脂性および接着性との適合性が悪くなる。

【００２３】本発明組成物にはさらに極圧添加剤を添加
してもよく、その例としては有機金属化合物、有機ホウ
素化合物およびリン化合物、アルキルチオホスフェート
、および硫黄化合物等を挙げることができ、高圧条件下
において潤滑性を発揮する。

【００２４】より具体的には、有機金属化合物としては
、有機モリブデン化合物、例えばサンフリックＦＭ−２
（三洋化成）、ジチオリン酸亜鉛（ＺＤＴＰ）等を挙げ
ることができる。有機ホウ素化合物としてはホウ酸アル
キルアミン塩等を挙げることができる。リン化合物とし
てはトリクレジルホスフェート、２エチルヘキシルアシ
ッドホスフェートのアミン塩、トリオレイルホスフェー
ト等を挙げることができる。

【００２５】チオホスフェート化合物としてはトリラウ
リルトリチオホスフェート等を挙げることができる。

【００２６】極圧添加剤は潤滑防錆組成物全量の１０重
量％以下、好ましくは、０．２〜３重量％配合するのが
よい。本発明潤滑防錆組成物はさらに通常の潤滑油や防
錆油に一般に配合される他の添加剤、例えば界面活性剤
、酸化防止剤、ステイン防止剤、非鉄防蝕剤等を含んで
もよい。

【００２７】そして、本発明において、さらに重要な要
素は上記のような混合割合で調製して得られた潤滑防錆
組成物がケン化価として２０以上、好ましくは２０〜１
００、より好ましくは４０〜７０を有し、粘度４０℃に
おけるとして２〜２００ｃｓｔ、好ましくは３〜５０ｃ
ｓｔ、より好ましくは１０〜３０ｃｓｔを有することで
ある。ケン化価が２０より小さいと鉄板への防錆油の付
着状況にむらが生じ該鉄板をプレス成形する際に破断等
のトラブルを生じ、かつ潤滑性不足により安定したプレ
ス成形製が得られず、粘度が２ｃｓｔより小さいと十分
な油膜厚さが取れず潤滑不足となり、安定したプレス成
形性が得られ難く、粘度が２００ｃｓｔより大きいとプ
レス工程後に実施される脱脂工程における脱脂性不良が
生じ易い。

【００２８】本発明の潤滑防錆組成物は、添加混合して
調製すればよく、成分Ａ〜Ｃの添加順序等は特に制限さ
れるものではない。

【００２９】このようにして調製され、上述したような
組成、粘度およびケン価を有する潤滑防錆組成物は融点
が２０℃以下であり、難加工材に対して良好な絞り加工
性、過酷な環境下における防錆性、脱脂性を有し、さら
に化成処理剤あるいは接着剤、シール材との良好なる適
合性を併せ持つ。

【００３０】以下、実施例を用いて本発明を説明する。実施例以下の表１に示した成分組成で潤滑防錆組成物Ｉ〜Ｖを
調製した。

【００３１】

【表１】

【００３２】潤滑防錆組成物Ｉ〜Ｖについて潤滑性（フ
ァレックス試験、バウデン試験）、防錆性（湿潤試験、
塩水噴霧試験）、適合性（接着剤試験、脱脂性試験）に
付いて評価し、結果を表２にまとめた。

【００３３】

【表２】

【００３４】比較例として、表３に示した従来の代表的
油剤（油型防錆油、兼用型防錆油、ワックス型油、フィ
ルム型）を調製し、潤滑性、防錆性および適合性につい
て同様に評価した。結果を表３にまとめた。

【００３５】

【表３】

【００３６】なお、上記各種評価試験は、以下のように
して行った。

【００３７】ｉ）　ファレックス試験試験方法：ＡＳＴＭ−３２３３−Ａに準拠試験評価：耐
圧荷重の測定

【００３８】ｉｉ）　バウデン試験試験方法：摩擦係数の測定図１に示したようにヒーター（１）で一定温度に調整さ
れた鋼板（２）上に被検油を一定量塗油し、その上でボ
ール（３）に一定の荷重をかけながら下記条件下で摺動
させ、２０回目の値を測定した。結果を図２に示す。

【００３９】試験条件：試験片　　ボール：ＳＵＪ−２
（１５／６４”）鋼板　　：ＧＡ（６０／６０）滑り速度：２００　ｍｍ／ｍｉｎ摺動距離：１００　ｍｍ摺動回数：　２０荷重　　　　：　５００ｇ試験温度：　５０　℃ 塗油量　　：　２ｇ／ｍ２

【００４０】ｉｉｉ）　湿潤試験試験方法：ＪＩＳ−Ｋ−２２４６に準拠試験評価：３０
日後の錆なし面積で評価し、錆なし面積率を以下のよう
にランク付けした。 ◎：１００％ ○：８０≦％〜＜１００％ △：５０≦％〜＜８０％ ×：０≦％〜＜５０％

【００４１】ＩＶ）　塩水噴霧試験試験方法：ＪＩＳ−Ｋ−２２４６に準拠試験評価：２４
時間後の錆なし面積で評価し、錆なし面積率を以下のよ
うにランク付けした。 ◎：１００％ ○：８０≦％〜＜１００％ △：５０≦％〜＜８０％ ×：０≦％〜＜５０％

【００４２】Ｖ）　接着剤試験試験条件：試験用接着剤：塩ビ・エポキシ型接着剤試験用鋼板：　（ＧＡ６０／６０）（２５×２００）剥
離速度：２００　ｍｍ／ｍｉｎキュアリング：　２１０　℃　×　３０　ｍｉｎ評価：
　剥離接着強さを測定し、以下のようにランク付けを行
った。 ◎：合格 ○：条件付き合格 ×：不合格

【００４３】ＶＩ）　脱脂性試験試験方法：浸漬法により脱脂性を評価試験用鋼板：　ＧＡ（６０／６０）（６０×８０）脱脂
剤：　ケイ酸ソーダ型脱脂剤脱脂条件：濃度：　２０　ｇ／ｌ温度：　４０　℃ 脱脂性の評価：水濡れ法により以下のようにランク付け
を行った。 ◎：１００％ ○：８０≦％〜＜１００％ △：５０≦％〜＜８０％ ×：０≦％〜＜５０％

【００４４】

【発明の効果】本発明による潤滑防錆組成物は、難加工
材に対しても良好な絞り加工性、過酷な環境下における
防錆性を示し、さらに脱脂剤、化成処理剤あるいは接着
、シール剤に対しても良好な適合性がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】　　バウデン試験の概要を説明するための図で
ある。

【図２】　　バウデン試験結果を示すグラフ。

【符号の説明】

（１）ヒーター（２）鋼板（３）ボール

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】　　Ａ．炭素数６〜２２の側鎖を有してい
てもよい飽和あるいは不飽和の脂肪酸と水酸基２〜１２
を有する多価アルコールとのポリオールエステルからな
る群より選ばれる少なくとも一種類；Ｂ．スルホネートのアルカリ金属塩およびアルカリ土類
金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種類；Ｃ．
調整剤；を含有し、ケン化価が２０以上、かつ４０℃に
おける粘度が２〜２００ｃＳｔである潤滑防錆組成物。