JPH04314817A - 冶金容器のガス吹込み攪拌装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、冶金分野における電気
炉、転炉等の冶金容器のガス吹込み攪拌装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】最近、製鋼工程で使用されている上底吹
き転炉、電気炉などで、その炉底部に精錬用ガスのガス
吹込みノズルを配設して、このガス吹込みノズルから酸
素、ＣＯ、ＣＯ２　、炭化水素、不活性ガス等を吹き込
み、溶融金属を強制的に攪拌して精錬効果を挙げている
。特に、鋼のスクラップ等を主原料として電気ア−クで
溶解する電気炉に世界的に広く使用されている。

【０００３】この電気炉の炉底部から精錬用ガスを吹き
込む手段として、次の二つの手段が挙げられる。その一
つは図６に示すもので、他は図７に示すものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前者のものは、本件出
願人が開発しているもので、図６のようにステンレス鋼
細管を埋設したＭｇＯ−Ｃ　製のガス吹込みノズル１か
ら直接に溶鋼内へ精錬用ガスを吹き込むものである。こ
のものは、図のように溶鋼を対流によって攪拌できて攪
拌効果が大きいが、精錬用ガスの吹き込みを行なうと、
精錬の進行にともなってガス吹込みノズル１およびその
周辺の耐火物が溶鋼やスラグの強制攪拌で激しく損耗す
る。

【０００５】そのため、ガス吹込みノズル１の寿命が一
般的に１５０〜３５０ヒ−トであり、その寿命の都度電
気炉２を冷却し、ガス吹込みノズル１および周辺の耐火
物を交換したり、補修することが必要となる。そのため
の電気炉の停止時間は炉体冷却を含めて最低でも５時間
以上が必要であり、この間電気炉の生産を停止しなけれ
ばならないという問題があった。

【０００６】一方、後者のものは、ドイツ特許公報（Ｄ
Ｅ−３７４２８６１）に掲載されているものである。こ
れは図７のようにガス吹込みノズル３を電気炉４の炉底
部５の耐火れんが部に埋設し、炉底部５の通常の難通気
性のラミング材とは異なって弱通気性を有するラミング
材６の気孔を通して精錬用ガスを吹込むようにしている
。 このものでは、ガス吹込みノズル３が直接溶鋼と接触し
ないため、ガス吹込みノズル３の寿命は炉底部５の弱通
気性のラミング材６と同一であり、ラミング材６やその
上面の消耗ライニング材７を熱間補修すれば半年以上（
３，０００ヒ−ト）ものノズル寿命が得られる。

【０００７】しかし、上記のものでは、炉床全面にわた
って使用される不揃いな弱通気性ラミング材の気孔を通
して、偏向板８で拡大して広い領域に精錬用ガスが吹き
出すため、溶鋼内へ精錬用ガスが吹き出る位置が安定し
なく、また精錬用ガスが広く分散するために図のように
溶鋼を対流によって攪拌できず、精錬用ガスを吹き込む
ことによる溶鋼の攪拌で得られる冶金効果が著しく低減
するという大きな問題がある。

【０００８】またさらに、この方法は、炉床全面に弱通
気性のラミング材を使用するため、使用中に銅、鉛等が
侵入して弱通気性のラミング材中にたまり易い。そのた
め、長期間使用すると、侵入した銅、鉛等でラミング材
中の気孔が塞がれて、精錬用ガスが出なくなってくる。 そして、ラミング材中の気孔が塞がれてしまうと、炉床
全面に使用した弱通気性のラミング材をすべて取り除い
て、取り換えなければならないという経済的な問題があ
った。

【０００９】そのため、本発明者らは、電気炉において
その炉底部にガス吹込み攪拌装置を埋設し、そのまわり
を金属材で囲んだりしていろいろ研究を行なってきた。 （特願平２−３０４５８４号）。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
点に鑑みたもので、上記の課題を解決するために、冶金
容器の炉底部にラミング材を敷設しており、この炉底部
の精錬用ガスの吹き込みが必要な所定個所に耐火物の筒
状のスリ−ブを炉底部の下部から上部近傍まで配設して
おり、この耐火物の筒状のスリ−ブの中に精錬用ガスを
吹き込むガス吹込みノズルを埋設するとともに、上記ガ
ス吹込みノズルの上面に耐火物の粒状物を敷設したガス
プ−ル部、または空間としたガスプ−ル部を設けて、さ
らにその上部に炉底部のラミング材と同等またはそれよ
りも大きい通気性を有するラミング材をスリ−ブ内にほ
ぼ上端に至るまで配設していることを特徴とする冶金容
器のガス吹込み攪拌装置を提供するにある。

【００１１】

【作用】本発明によれば、冶金容器のラミング材を敷設
の炉底部に筒状のスリ−ブ内に埋設したガス吹込みノズ
ルによって、精錬用ガスを広く分散することなく、筒状
スリ−ブにそって冶金容器内の溶融金属に吹き込んで攪
拌することができる。

【００１２】そして、上記ガス吹込みノズルの上面に設
けたガスプ−ル部によって、精錬用ガスをスリ−ブ全域
にわたって一様に吹き出すようにでき、その上部の、周
囲のラミング材と同等またはそれよりも大きい通気性の
ラミング材を介して一様に溶融金属中に吹き込むことが
できて溶融金属を対流によって攪拌することができ、か
つ炉底部のラミング材の寿命と同じ長期間にわたって精
錬用ガスを吹き込んで溶融金属を精錬できる。そして、
ガス吹込み攪拌装置が埋設状態なので、必要時に精錬用
ガスを吹き込むことができて、溶融金属の精錬を行なう
ことができる。

【００１３】なお、ガス吹込みノズルは、その外形をで
きれば上方にいくにしたがって細くなったテ−パ−状で
、比較的小径のものとすることによって、作りやすくで
きるとともに、筒状のスリ−ブに挿入しやすく、引き出
しやすくでき、さらにコストダウンをはかることができ
る。

【００１４】

【実施例】以下、本発明を実施例にもとづいて説明する
。図１〜図５は、本発明の一実施例である。電気炉等の
冶金容器１０は、図１のように鉄皮の炉外壁１１の内側
に永久張りれんが１２を敷設し、その内側に通常の難通
気性ないし弱通気性のラミング材１３を装填している。 溶融金属攪拌用のガス吹込み攪拌装置１４は、図１に示
すよう冶金容器１０の炉底部１５に適宜の間隔でラミン
グ材１３中に埋め込んで配設していて、溶融金属を精錬
用ガスで攪拌できるようにしている。ガス吹込み攪拌装
置１４は冶金容器１０に対応して直径が１００〜１００
０ｍｍの範囲にわたって形成できるもので、図１、図２
のように耐火れんがの筒状のスリ−ブ１６の中にポ−ラ
スノズルのガス吹込みノズル１７を埋没状態として、ガ
ス吹込みノズル１７の上部に敷設したラミング材１８を
介して精錬用ガスを溶融金属中へ一様に吹き込んで溶融
金属を対流によって攪拌できるようにしている。

【００１５】スリ−ブ１６は、図１、図２のように炉底
部１５の底面から上面に至るまで緻密質の耐火れんが、
または不定形耐火物で一体的または適宜に積層して敷設
し、ガス吹込みノズル１７から吹き込む精錬用ガスを周
辺に分散せずに溶融金属中に吹き込めるようにしている
。耐火れんが、または不定形耐火物としては、ＭｇＯ　
やＭｇＯ−ＣａＯ、ＭｇＯ−Ｃ　等の耐火性のある材質
を使用できる。 なお、スリ−ブ１６は、炉底部１５の適宜な上面近傍ま
でであってもよい。

【００１６】このスリ−ブ１６のほぼ下半部の内周部に
は、緻密質の不定形耐火物１９を装填しており、その中
央部に図１、図２のように上方にいく程細くなった切頭
円錐状の開孔部２０を開孔して、上記したガス吹込みノ
ズル１７を装着している。

【００１７】ポ−ラスノズルのガス吹込みノズル１７は
、上記したスリ−ブ１６の断面積のほぼ５分の４〜６分
の１となるように口径がスリ−ブ１６のほぼ４０〜９０
％程とし、製造しやすいテ−パ−の筒状体としている。 その外周面は鉄皮２１を被覆し、内側は通気性耐火物２
２で形成し、下部にガス溜め部２３を設けてガス導入管
２４を接続し、精錬用ガスを吹き込めるようにしている
。この通気性耐火物２２としては、ＭｇＯ　や　ＭｇＯ
−ＣａＯ、ＭｇＯ−Ｃ　、Ａｌ２　０　３　系の耐火性
のある材質が望ましい。また、この通気性耐火物２２は
、十分な通気性を有するラミング材でもよいし、あらか
じめ成形してできている十分な通気性を有する焼成や不
焼成のれんがでもよい。なお、所要の通気性を有する耐
火物は、耐火物を構成する粒子の粒度構成を選択するこ
とにより容易に得ることができる。

【００１８】上記ガス吹込みノズル１７の上面には、図
１、図２のように耐火物の粒状物を５〜２００ｍｍ、好
ましくは２０〜３０ｍｍ位の厚さにスリ−ブ１６内全面
にわたって敷設してガスプ−ル部２５を形成し、その上
部に上記したように炉底部１５のラミング材１３と同等
、好ましくはそれよりも大きい通気性を有するラミング
材１８をスリ−ブ部１６の上端に至るまで配設し、一様
に精錬用ガスを溶融金属中に吹き込めるようにしている
。粒状物は、精錬用ガスを流通できて、上部のラミング
材１８を支持してガスプ−ル部２５が形成できる位のも
のであればよく、その材質としては、たとえば　ＭｇＯ
、Ａｌ２　Ｏ　３　等の高耐火性の粒状物が好ましい。 また、粒状物をナフタリン等の昇華性物質で形成して、
使用時に粒状物が消滅してガスプ−ル部２５を形成した
り、メッシュ状の箱体を装着して空間のガスプ−ル部２
５を形成することもできる。

【００１９】上記したようにガスプ−ル部２５によって
ラミング材１８に一様に精錬用ガスを分散して吹き込む
ガス吹込みノズル１７は、図２、図３のようにその底部
をフランジ２６に搭載していて、このフランジ２６を冶
金容器１０の炉外壁１１に突設した筒状部２７に脱着可
能にボルト、ナットの締付具２８で取り付け、必要によ
り下方へ引き抜けるようにしている。

【００２０】ガス吹込みノズル１７は、上記したように
炉底部１５の下方に突き出して炉底部１５に埋設するこ
とによって、その上面を炉底部１５のできるだけ低い位
置に配置して炉底部１５を有効に利用できて精錬用ガス
を一様に吹き込めるようにできる。そして、図２のよう
にガス吹込みノズル１７のまわりのスリ−ブ１６内に高
、低の高さにシ−ス熱電対等の温度センサ−２９、３０
を埋設し、ガス吹込みノズル１７の周辺の熱伝達状態を
管理できるようにしている。

【００２１】

【使用例】炉底部の厚さ８００ｍｍ、溶鋼量が７０トン
の電気炉に、図のように電極の中央部に本発明の実施例
のものを装着し、その冶金効果について調べた。ガス吹
込み攪拌装置は、周囲の耐火物のスリ−ブにＭｇＯ　９
５％の焼成れんがを使用し、内径が３００ｍｍで、高さ
が８００ｍｍ、厚さを８０ｍｍのものとした。ガス吹込
みノズルは上面の口径をスリ−ブの５０％とし、ガス吹
込みノズルの通気性耐火物としてはＭｇＯ　９４％の十
分な通気性を得る粒度構成のラミング材を使用した。ま
た、粒状充填物は２〜４ｍｍ径の　ＭｇＯ粒を使用し、
高さが３０ｍｍのガスプ−ル部とした。その上面のラミ
ング材は、周囲のものより大きい通気性のものとした。

【００２２】その結果について、精錬用ガスを吹き込ま
ないときと、従来の図６のものについて表１のように比
較した。本発明のガス吹込み攪拌装置は、従来の図６の
ものと同じように対流による冶金効果を奏することがで
きた。また、ガス吹込み攪拌装置のスリ−ブ内のラミン
グ材の溶損量は、炉床のラミング材と同等またはそれ以
下で、１年以上のノズル寿命が得られることが分かった
。それは、スリ−ブ内の単位断面積当りのガス量が少な
く、熱間における溶鋼の摩耗による侵食がほとんどない
うえに、逆に操業中は精錬用ガスでラミング材の内部が
冷却され、ラミング材内の気孔を精錬用ガスが均一に充
満していることで溶損が少なくなるためである。

【００２３】

【表１】

【００２４】またさらに、従来のものでは、ガス吹込み
細管の閉塞防止のために精錬用ガスを絶えず流出する必
要があったが、本発明品では上記のような心配が全くな
く、しかも必要に応じて精錬用ガスの吹き込みを停止状
態とすることができ、ガス使用量を低減できる。

【００２５】なお、本発明では、長期間使用して、ガス
吹込み攪拌装置の上方部のラミング材に銅や鉛が侵入し
てたまってきても、ガス吹込み攪拌装置部のみを容易に
取り換えられて、経済的にガス吹き込みを継続すること
ができる。すなわち、図４のように炉底部に下方に突き
出した筒状体のフランジ部を取りはずし、ガス吹込みノ
ズルを下方へ引っ張ると、図のようにガス吹込みノズル
を取りはずすことができる。そして、スリ−ブ内の緻密
質の耐火物、上部の粒状物、ラミング材を除去し、図５
のようにガス吹込みノズルを再び装着して、上記した耐
火物、粒状物、ラミング材を装着することによって、比
較的容易に補修することができ、精錬効果を低下するこ
とがないように維持できる。

【００２６】以上の実施例で、ガス吹込み攪拌装置の耐
火物のスリ−ブの内径を変えることにより、ガス気孔の
上昇面積（裸湯の面積）を自由にコントロ−ルすること
ができ、また形状は円形に限らずに、必要に応じて四角
形、六角形等の多角形状にすることもできる。ガス吹込
みノズルは、ポ−ラスノズルの他、本発明の範囲におい
て他のものも代替可能である。また、炉底部に設置する
数量は、炉容積やガス吹込み量に応じて１個ないし適宜
な複数個とすることができる。必要により、所定数ごと
交換して精錬用ガスを吹き込むこともできる。

【００２７】上記では、電気炉の冶金容器について説明
したが、上底吹き転炉、その他の精錬炉についても同様
に適用できるものであり、また本発明についていくつか
の実施例を挙げたが、本発明の趣旨または主要な特徴か
ら逸脱することなく、他にもいろいろな形態で変更して
実施可能である。

【００２８】

【発明の効果】以上のように本発明にあっては、ガス吹
込み攪拌装置を炉底部に埋設して使用でき、炉床のラミ
ング材と同じ長期にわたって使用できて製鋼の生産性の
向上をはかれる。また、ガス吹込み攪拌装置を炉床のラ
ミング材中に埋設するにもかかわらず、精錬用ガスを分
散させないで、スリ−ブを介して溶融金属中に吹き込む
ことができて溶融金属を対流によって攪拌することがで
き、所要の精錬効果を挙げることができる。また、必要
なときに精錬用ガスの吹き込みを停止することができて
、ガス消費量を節約できるなど優れた効果を挙げること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の一部省略した側断面図、

【
図２】同上のガス吹込み攪拌装置部の拡大側断面図、

【
図３】同上の底面図、

【図４】同上のガス吹込みノズルの引き抜き説明用の側
断面図、

【図５】同上のガス吹込み攪拌装置の補修説明用の側断
面図、

【図６】本出願人が開発した従来例の説明用側断面図、

【図７】ドイツ特許出願公告公報に記載されたものの説
明用側断面図。

【符号の説明】

１０…冶金容器　　　　１３…ラミング材　　　　１４
…ガス吹込み攪拌装置 １５…炉底部　　　　　　１６…スリ−ブ　　　　　　
１７…ガス吹込みノズル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　冶金容器の炉底部にラミング材を敷設
   しており、この炉底部の精錬用ガスの吹き込みが必要な
   所定個所に耐火物の筒状のスリ−ブを炉底部の下部から
   上部近傍まで配設しており、この耐火物の筒状のスリ−
   ブの中に精錬用ガスを吹き込むガス吹込みノズルを埋設
   するとともに、上記ガス吹込みノズルの上面に耐火物の
   粒状物を敷設したガスプ−ル部、または空間としたガス
   プ−ル部を設けて、さらにその上部に炉底部のラミング
   材と同等またはそれよりも大きい通気性を有するラミン
   グ材をスリ−ブ内にほぼ上端に至るまで配設しているこ
   とを特徴とする冶金容器のガス吹込み攪拌装置。