JPH0428758Y2

JPH0428758Y2 -

Info

Publication number: JPH0428758Y2
Application number: JP1984008690U
Authority: JP
Priority date: 1984-01-25
Filing date: 1984-01-25
Publication date: 1992-07-13
Also published as: JPS60120837U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は別製の木質板、繊維板、プラスチツク
板等に貼着されてテーブルトツプ、キヤビネツ
ト、間仕切板、壁装材等に加工される化粧シート
に関するものであり、深みのある金属調を具備
し、しかも堅牢性及び加工特性に富み、かつ比較
的廉価に得ることの出来る化粧シートを提供する
ものである。

金属調を呈する化粧シートには、絵柄入り鏡
板、ステンレス、銅・アルミ、スチール等の金属
板の表面にシルク刷り印刷層を形成したもの、あ
るいはアルミホイル表面にグラビア印刷による印
刷層を形成したもの等があるが、例えば絵柄入り
鏡板は高価であるうえに割れ易く、また金属板の
表面にシルク刷り印刷層を形成したものは、深み
のある金属調を呈するものが得難く、しかも高価
であり、更にアルミホイル表面にグラビア印刷層
を形成したものは、深みのある金属調を呈するも
のが得られないうえに表面の耐久性が乏しい等の
欠点がある。

本考案は、透明もしくは半透明の合成樹脂製フ
イルムと、該フイルムの裏面に接着剤層を介して
貼着されている金属箔と、前記金属箔の裏面に接
着剤層を介して貼着されている硬化性合成樹脂含
浸紙もしくは合成ゴムラテツクス含浸紙とで構成
されている積層シートからなる化粧シートで、し
かも、前記透明もしくは半透明の合成樹脂製フイ
ルムの裏面と金属箔の表面とのうちの少なくとも
いずれか一方の面には、印刷用インキによる透明
もしくは半透明の全面あるいは部分的な印刷イン
キ層か、あるいは不透明な部分的印刷インキ層の
うちの少なくともいずれか１種類の印刷インキ層
が形成されており、透明もしくは半透明の合成樹
脂製フイルムの裏面と金属箔の表面との間に介在
されている前記接着剤層が、透明もしくは半透明
な接着剤で構成されている化粧シートとすること
により、深みのある金属色調を呈し、かつ堅牢性
及び加工性に富み、しかも比較的廉価に得ること
が出来、極めて優れた意匠性を有する化粧シート
を提供し得たものである。

また、特に、前記構成の化粧シートにおいて、
金属箔を、少なくともその表面にエンボス模様を
有する金属箔で構成することにより、該金属箔表
面が光の散乱作用を呈するので、化粧シートの表
面が平滑面であるにも拘らず具現される金属調の
深みが一層優れた化粧シートとすることが出来
る。

更に、透明もしくは半透明の合成樹脂製フイル
ムの裏面と金属箔の表面との間の接着剤層を、ウ
レタン樹脂による透明な接着剤層で構成すること
により、特に耐熱性に優れた性質を有する化粧シ
ートとなし得るばかりか、プレス成形で本考案の
化粧シートを得る際のプレス加工性に優れたもの
となし得るものである。

また、透明もしくは半透明の合成樹脂製フイル
ムの裏面と金属箔の表面とのうちの少なくともい
ずれか一方の面に形成されている印刷インキ層
が、不透明な印刷用インキによる部分的な印刷イ
ンキ層で構成されるか、あるいは、不透明な印刷
用インキによる部分的な印刷インキ層と透明もし
くは半透明をなす印刷用インキによる印刷インキ
層との組み合わせで構成される場合には、金属光
沢が発現される部分と、金属光沢が隠蔽される部
分とが共に存在するため、極めて斬新な意匠特性
を具現する化粧シートとなし得るものである。

次に、本考案の金属調を呈する化粧シートにつ
いて、その代表的な構成の具体例を図面実施例で
説明する。

第１図に符号１で表示される本考案の実施例品
たる金属調を呈する化粧シートは、ウレタン樹脂
をベヒクルとする印刷用インキによる不透明な印
刷インキ層m₁が裏面に形成されている厚さ25μの
ポリエステル製フイルム（フイルム部分の商品
名：東レルミラー）２の前記印刷インキ層m₁面
と、厚さ30μのアルミニウム箔３の表面とが、ウ
レタン系接着剤（商品名：セイカボンドE295）
30ｇ／m²からなる透明な接着剤層４を介して貼着
されており、かつ、前記アルミニウム箔３の裏面
には、ウレタン系接着剤（商品名：セイカボンド
E295）15ｇ／m²からなる接着剤層５を介して、
245ｇ／m²のパルプ抄造紙に含浸率30％にSBRラ
テツクスを含浸、固化せしめた厚さ400μ、350
ｇ／m²のSBRラテツクス含浸紙６が貼着、積層
された積層シートによつて構成されているもので
ある。

尚、前記化粧シート１は、印刷インキ層m₁が
印刷されているポリエステル製フイルム２とアル
ミニウム箔３とを接着剤層４をなす接着剤でドラ
イラミネートし、得られた積層体のアルミニウム
箔３面に、更に別製の固化処理済みのSBRラテ
ツクス含浸紙６を、接着剤層５をなす接着剤でド
ライラミネートし、養生、硬化させた後、続いて
鏡面盤を前記得られた積層シートのポリエステル
製フイルム２面に乗せ、熱圧プレスすることによ
つて成形されたものであり、得られた化粧シート
は、表面が保護層たるポリエステル樹脂層で被覆
され、しかもアルミニウム鏡面に部分的な絵柄が
形成された斬新な意匠間隔の金属調を呈するもの
である。

第２図に符号７で表示される本考案の別の実施
例品たる金属調を呈する化粧シートは、ウレタン
樹脂をベヒクルとする印刷用インキによる不透明
な印刷インキ層m₂が裏面に形成されている厚さ
25μのポリエステル製フイルム（フイルム部分の
商品名：東レルミラー）８の前記印刷インキ層
m₂面と、厚さ30μのアルミニウム箔に微細な絹目
のエンボス加工を全体に施すことによつて得られ
たエンボス模様を有するアルミニウム箔９の表面
とが、ウレタン系接着剤（商品名：セイカボンド
E295）８ｇ／m²からなる透明な接着剤層１０を
介して貼着されており、かつ、前記アルミニウム
箔９の裏面には、ウレタン系接着剤（商品名：セ
イカボンドE295）15ｇ／m²からなる接着剤層１
１を介して、245ｇ／m²のパルプ抄造紙に含浸率
30％にSBRラテツクスを含浸、固化せしめた厚
さ400μ、350ｇ／m²のSBRラテツクス含浸紙１２
が貼着、積層された積層シートによつて構成され
ているものである。

尚、前記化粧シート７は、前述の化粧シート１
と同様の成形手順に従つて得られたものである
が、表面の保護層たるポリエステル樹脂層表面は
平滑面であり、しかも前記ポリエステル樹脂層を
通して透視されるアルミニウム箔９の表面にはエ
ンボス加工による光の散乱作用が呈せられ、深み
のあるトーンが現出されており、かつ、この光の
散乱作用は印刷インキ層m₂で隠蔽される部分も
存在するため、これらの条件が相伴つて、極めて
斬新な意匠を発現する金属調を呈するものであ
る。

また、図示実施例においては印刷インキ層m₁
及びm₂として、いずれもポリエステル製フイル
ムの裏面に不透明な印刷インキによつて部分的に
形成されている印刷インキ層の例を示したが、印
刷インキによる印刷インキ層は、透明もしくは半
透明の合成樹脂製フイルムの裏面と金属箔の表面
との少なくともいずれか一方に形成されていれば
良く、またこの印刷インキ層が透明もしくは半透
明をなすものであれば必ずしも部分的に形成され
ている印刷インキ層である必要はなく、その全面
に形成されていても良く、勿論、透明な印刷イン
キ層と不透明な部分的に設けられている印刷イン
キ層との組み合わせであつても良い。

本考案の金属調を呈する化粧シートは叙上の通
りの構成からなるものであり、透明または半透明
の合成樹脂製フイルムとしては、ポリエステルフ
イルム、ボリ塩化ビニルフイルム、アクリルニト
リルフイルム、ポリカーボネートフイルム、ポリ
エチレンやポリプロピレン等のポリオレフイン系
樹脂フイルム等が好ましいが、この合成樹脂製フ
イルムは化粧シートの表面保護層たる合成樹脂層
となるものであるので、耐薬品性、耐光性、耐擦
傷性、耐溶剤性等の面から、及び汎用性の面から
ポリエステルフイルムが最も好ましい。

また金属箔としては、アルミニウム、ステンレ
ススチール、銅、亜鉛等の金属光沢を有する通常
30μ程度の厚みのものが利用される。

印刷インキ層は、これが透明もしくは半透明の
印刷インキ層の場合は、染料や超微細粒子顔料を
色剤とする印刷用インキで形成され得るものであ
る。

透明もしくは半透明の合成樹脂製フイルムと金
属箔との接着剤としては、これが硬化された場合
に透明もしくは半透明の接着剤層となるものであ
れば如何なるものでも利用し得るが、その成形工
程中にプレス工程が含まれるので、ウレタン樹脂
が良く、なかでも耐熱性や加工特性の点からポリ
エステルポリオールからなる主剤にイソシアネー
ト硬化剤を利用した接着剤を利用するのが最も好
ましい。

また、固化されている合成樹脂含浸紙あるいは
同じく固化されている合成ゴムラテツクス含浸紙
は、本考案の化粧シートに厚みを具備せしめるも
のであり、別製の木質板、繊維板、プラスチツク
板等に貼着される際のそれらの板の表面の凹凸を
吸収する作用を奏し、かつ化粧シートの補強をな
すもので、化粧シートの表面から仮令傷が入るよ
うなことがあつても、その傷が、得られた化粧板
の内部にまで侵入してゆくという不測の事態を阻
止するものであり、例えば、パルプ紙に不飽和ポ
リエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポ
キシ樹脂、フエノール樹脂、ウレタン樹脂、メラ
ミン樹脂、あるいはこれらの樹脂の混合樹脂等か
らなる硬化性合成樹脂、またはSBR，CR，BR，
NR，NBR等のラテツクスを含浸率20〜50％程
度に含浸せしめ、これを固化させて得られた80〜
400ｇ／m³、好ましくは200〜350ｇ／m³程度のも
のが使用される。

尚、合成樹脂含浸率（％）は、含浸紙全体の重量−原紙の重量／含浸紙全体の重量×
100 に従つて計算した値である。

金属箔と、固化されている熱硬化性合成樹脂含
浸紙あるいは同じく固化されている合成ゴムラテ
ツクス含浸紙との接着剤は、金属箔と合成樹脂含
浸紙との積層体が高温圧着に耐え得るように、主
剤がポリエステルポリオールで構成されこれにイ
ソシアネート系硬化剤が添加されているウレタン
系接着剤が最も好適である。

金属箔に所望により施されるエンボス加工は、
ヘアーライン加工やサンドブラスト加工等の深さ
数μ程度のものから、金属箔と合成樹脂含浸紙と
の積層体にエンボス加工を施すことによつて形成
された深さ数mmもに達するエンボス模様まで含ま
れるが、金属箔と合成樹脂含浸紙との積層体を得
る際の接着工程で、合成樹脂含浸紙の表面の凹凸
が金属箔表面に到達することによつて金属箔の表
面に形成されるエンボス模様の場合もある。

本考案の金属調を呈する化粧シートは以上の通
りの構成からなるもので、別製の木質板、繊維
板、プラスチツク板等に貼着されてテーブルトツ
プ、キヤビネツト、間仕切板、壁装材等に加工さ
れるものであるが、その表面が透明ないし半透明
の合成樹脂製フイルムで被覆され、該合成樹脂製
フイルムによつて構成されている合成樹脂層を通
して金属箔表面の印刷模様が視認されるので、深
みのある意匠性に富む金属調が表現され、しかも
堅牢性に富み、かつ金属性を表現する部分が厚み
の小さい箔で構成されているので、化粧シートの
取扱い工程中にワレやカケの発生が無く、曲げ加
工時の賦形特性にも優れ、加工後に形状が復元し
てしまうというようなことも無く、更には従来の
この種の化粧シートはエンドレス状に巻き取り保
管すると巻き癖が付くことによる取扱い性が悪い
ことが欠点であつたが、本考案の化粧シートは圧
着、押し曲げ等の操作でこの巻き癖を容易に直す
ことが出来るので、取扱い性が優れている等の作
用、効果をも奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案の金属調を呈する化粧
シートのそれぞれ別の実施例品を示す模型的断面
図である。１……金属調を呈する化粧シート、２……透明
な合成樹脂製フイルムたるポリエステル製フイル
ム、３……金属箔たるアルミニウム箔、４……接
着剤層、５……接着剤層、６……固化されている
硬化性合成樹脂もしくは合成ゴムラテツクス含浸
紙、m₁……印刷インキ層。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 透明もしくは半透明の合成樹脂製フイルムの
裏面と金属箔の表面とが透明もしくは半透明の
ウレタン系の接着剤層を介して貼着されてお
り、かつ前記金属箔の裏面には、固化されてい
る硬化性合成樹脂含浸紙あるいは同じく固化さ
れている合成ゴムラテツクス含浸紙がウレタン
系の接着剤により貼着、積層されている積層シ
ートからなり、しかも前記透明もしくは半透明
の合成樹脂製フイルムの裏面と金属箔の表面と
のうちの少なくともいずれか一方の面には、透
明もしくは半透明をなす印刷インキによる全面
もしくは部分的な印刷インキ層か、あるいは不
透明をなす印刷用インキによる部分的な印刷イ
ンキ層のうちの少なくともいずれか１種類の印
刷インキ層が形成されていることを特徴とする
金属調を呈する化粧シート。 (2) 金属箔が、少なくともその表面にエンボス模
様をする金属箔である実用新案登録請求の範囲
第１項記載の金属調を呈する化粧シート。