JPH04278302A - 樹脂処理木質材の製造方法 - Google Patents
樹脂処理木質材の製造方法Info
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- JPH04278302A JPH04278302A JP6803391A JP6803391A JPH04278302A JP H04278302 A JPH04278302 A JP H04278302A JP 6803391 A JP6803391 A JP 6803391A JP 6803391 A JP6803391 A JP 6803391A JP H04278302 A JPH04278302 A JP H04278302A
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Landscapes
- Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は寸法安定性、耐久性、耐
汚染性、加工性等に優れ、且つ木材本来の外観を呈する
樹脂処理木質材の製造方法に関するものである。
汚染性、加工性等に優れ、且つ木材本来の外観を呈する
樹脂処理木質材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、木質材を改質したフェノール
樹脂処理木質材が知られている。このようなフェノール
樹脂処理木質材は、木質材の細胞壁内の微細な空隙に樹
脂を注入、充填して木質材のもつ欠点である耐汚染性や
寸法安定性、強度の改善を図っているものである。
樹脂処理木質材が知られている。このようなフェノール
樹脂処理木質材は、木質材の細胞壁内の微細な空隙に樹
脂を注入、充填して木質材のもつ欠点である耐汚染性や
寸法安定性、強度の改善を図っているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、木質材
内への樹脂の注入、硬化に際し、木材細胞内腔のような
大きな空隙部にも樹脂が注入、硬化してしまうと、木質
材の特徴である切削性が低下し、軽量性が損なわれるば
かりでなく、濃色化や脆弱化が生じる。
内への樹脂の注入、硬化に際し、木材細胞内腔のような
大きな空隙部にも樹脂が注入、硬化してしまうと、木質
材の特徴である切削性が低下し、軽量性が損なわれるば
かりでなく、濃色化や脆弱化が生じる。
【0004】そのため、木質材の細胞壁内の微細な空隙
に選択的にフェノール樹脂を充填することが望まれるが
、木質材への浸透性を向上するためには、溶媒により低
粘度に希釈する必要がある一方で、フェノール樹脂を硬
化させるために加熱すると、一旦浸透した樹脂が溶媒と
ともに流出し易くなるという欠点があった。
に選択的にフェノール樹脂を充填することが望まれるが
、木質材への浸透性を向上するためには、溶媒により低
粘度に希釈する必要がある一方で、フェノール樹脂を硬
化させるために加熱すると、一旦浸透した樹脂が溶媒と
ともに流出し易くなるという欠点があった。
【0005】さりとて、触媒を用いてフェノール樹脂の
硬化を図ろうとすると、処理液が木質材への注入前に高
粘度化を生じ、木質材への浸透性が悪くなるという問題
点があった。
硬化を図ろうとすると、処理液が木質材への注入前に高
粘度化を生じ、木質材への浸透性が悪くなるという問題
点があった。
【0006】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たもので、フェノール樹脂を効率的に注入し、硬化せし
めて樹脂の注入にも拘わらず木材本来の外観が維持され
ると共に、切削性、軽量性、寸法安定性、耐久性、耐汚
染性等の優れた物性を発揮する樹脂処理木質材の製造方
法を提供するものである。
たもので、フェノール樹脂を効率的に注入し、硬化せし
めて樹脂の注入にも拘わらず木材本来の外観が維持され
ると共に、切削性、軽量性、寸法安定性、耐久性、耐汚
染性等の優れた物性を発揮する樹脂処理木質材の製造方
法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の樹脂処理木質材の製造方法は、トルエンス
ルフォン酸、ベンゼンスルフォン酸等の酸を添加してい
る不揮発分40重量%以下のフェノール樹脂水溶液を木
質材に含浸し、該木質材中の水分を揮散させて樹脂の高
粘度化を生じせしめたのち、木質材を樹脂硬化可能な温
度に加熱して樹脂を硬化させることを特徴とするもので
ある。
に、本発明の樹脂処理木質材の製造方法は、トルエンス
ルフォン酸、ベンゼンスルフォン酸等の酸を添加してい
る不揮発分40重量%以下のフェノール樹脂水溶液を木
質材に含浸し、該木質材中の水分を揮散させて樹脂の高
粘度化を生じせしめたのち、木質材を樹脂硬化可能な温
度に加熱して樹脂を硬化させることを特徴とするもので
ある。
【0008】
【作用】フェノール樹脂を多量の水にて希釈しているた
め、酸を添加しても水が樹脂の縮重合反応を抑制して処
理液である該フェノール樹脂水溶液の粘度増大を防止し
、親水性である木質材の細胞壁などに容易に浸入する。 木質材に処理液を注入した後、木質材中の処理液の水分
を揮散させると、大半の水分は木質材の細胞内腔などの
おおきな空隙内から材外へ容易に放出されることによっ
て樹脂が充填されない空隙部が形成される一方、細胞壁
内の小さな空隙には処理液が残存する。
め、酸を添加しても水が樹脂の縮重合反応を抑制して処
理液である該フェノール樹脂水溶液の粘度増大を防止し
、親水性である木質材の細胞壁などに容易に浸入する。 木質材に処理液を注入した後、木質材中の処理液の水分
を揮散させると、大半の水分は木質材の細胞内腔などの
おおきな空隙内から材外へ容易に放出されることによっ
て樹脂が充填されない空隙部が形成される一方、細胞壁
内の小さな空隙には処理液が残存する。
【0009】この際、水分の少なくなった樹脂注入部分
においては、酸と樹脂との反応が徐々に開始され、フェ
ノール樹脂の高粘度化が始まり、樹脂が流出しにくい状
態になる。ここで、フェノール樹脂の重縮合反応を行わ
せるに充分な加熱をすると、木質材に残存している樹脂
が充填、固化する。従って、木質材はその多孔質性を残
して寸法安定性等の改質を図ることができる。
においては、酸と樹脂との反応が徐々に開始され、フェ
ノール樹脂の高粘度化が始まり、樹脂が流出しにくい状
態になる。ここで、フェノール樹脂の重縮合反応を行わ
せるに充分な加熱をすると、木質材に残存している樹脂
が充填、固化する。従って、木質材はその多孔質性を残
して寸法安定性等の改質を図ることができる。
【0010】
【実施例】次に、本発明の実施例を詳しく述べると、適
量の水の添加によって不揮発分が40重量%以下、好ま
しくは5〜25重量%の濃度に調整されたフェノール樹
脂水溶液に、適量の酸を添加して注入処理液を作製する
。酸としては、トルエンスルフォン酸、ベンゼンスルフ
ォン酸、フェノールスルフォン酸、キシレンスルフォン
酸、シュウ酸、ホウ酸、リン酸等の有機酸、或いは硫酸
、塩酸等の無機酸を使用することができる。なお、注入
処理液は常温で低粘度を保持するように、木質材への浸
透を妨げない範囲内でその濃度および酸の種類、添加量
が選択される。
量の水の添加によって不揮発分が40重量%以下、好ま
しくは5〜25重量%の濃度に調整されたフェノール樹
脂水溶液に、適量の酸を添加して注入処理液を作製する
。酸としては、トルエンスルフォン酸、ベンゼンスルフ
ォン酸、フェノールスルフォン酸、キシレンスルフォン
酸、シュウ酸、ホウ酸、リン酸等の有機酸、或いは硫酸
、塩酸等の無機酸を使用することができる。なお、注入
処理液は常温で低粘度を保持するように、木質材への浸
透を妨げない範囲内でその濃度および酸の種類、添加量
が選択される。
【0011】次いで、処理液を木質材中に注入する。こ
の注入方法は、減圧、加圧注入法によって行うが、浸漬
によって行ってもよく、木質材内に合成樹脂水溶液が均
一に注入、含浸するように材の形状や寸法、浸透性、樹
種に適した方法、条件を適宜に選択すればよい。又、注
入処理される木質材としては角材や板材、中空材等の厚
い製材品、集成材、合板、単板のような薄板等のいずれ
であってもよく、その樹種も特に限定されない。
の注入方法は、減圧、加圧注入法によって行うが、浸漬
によって行ってもよく、木質材内に合成樹脂水溶液が均
一に注入、含浸するように材の形状や寸法、浸透性、樹
種に適した方法、条件を適宜に選択すればよい。又、注
入処理される木質材としては角材や板材、中空材等の厚
い製材品、集成材、合板、単板のような薄板等のいずれ
であってもよく、その樹種も特に限定されない。
【0012】このような適宜な注入手段を用いて、木質
材に処理液を注入すると、フェノール樹脂水溶液には多
量の水が存在しているので、注入前や注入時には、該水
によって処理液中の酸とフェノール樹脂との高粘度化が
抑制され、処理液のポットライフを長くすると共に親水
性である木質材の細胞壁中などに処理液が容易に浸入す
る。
材に処理液を注入すると、フェノール樹脂水溶液には多
量の水が存在しているので、注入前や注入時には、該水
によって処理液中の酸とフェノール樹脂との高粘度化が
抑制され、処理液のポットライフを長くすると共に親水
性である木質材の細胞壁中などに処理液が容易に浸入す
る。
【0013】木質材に処理液を注入したのちこの樹脂注
入木質材を大気中に放置したり、減圧によりさらには緩
慢な条件下で熱風ドライヤーによって加熱し、木質材中
の比較的大きな空隙に含浸した処理液中の水分を揮散、
排除する。なお、水除去手段としては高周波加熱や熱板
等の汎用される木質材の乾燥手段を用いてもよい。
入木質材を大気中に放置したり、減圧によりさらには緩
慢な条件下で熱風ドライヤーによって加熱し、木質材中
の比較的大きな空隙に含浸した処理液中の水分を揮散、
排除する。なお、水除去手段としては高周波加熱や熱板
等の汎用される木質材の乾燥手段を用いてもよい。
【0014】このように処理液中の溶媒である水を揮散
させると、大半の水が主として木質材の細胞内腔などの
おおきな空隙部から材外へ放出されて樹脂が充填されな
い空隙部(細胞内腔)が形成される一方、細胞壁内の小
さな空隙には樹脂が充填された状態で残存する。
させると、大半の水が主として木質材の細胞内腔などの
おおきな空隙部から材外へ放出されて樹脂が充填されな
い空隙部(細胞内腔)が形成される一方、細胞壁内の小
さな空隙には樹脂が充填された状態で残存する。
【0015】この際、酸を混在させている処理液が水分
の除去によってその酸性度が高められるが、フェノール
樹脂との反応を円滑に行わせるためにはpH4以下にま
で低下させることが望ましい。このように処理液中の水
分の除去によるpHの低下によって実質上、酸と樹脂と
の高粘度化が徐々に開始され、一旦、木質材に浸入した
フェノール樹脂が材外へ流出しにくゝなる。
の除去によってその酸性度が高められるが、フェノール
樹脂との反応を円滑に行わせるためにはpH4以下にま
で低下させることが望ましい。このように処理液中の水
分の除去によるpHの低下によって実質上、酸と樹脂と
の高粘度化が徐々に開始され、一旦、木質材に浸入した
フェノール樹脂が材外へ流出しにくゝなる。
【0016】次いで、フェノール樹脂の硬化を促進させ
るために、硬化温度を40〜150 ℃の範囲で数分〜
数時間に亘って行う。なお、酸の存在によってその硬化
温度、時間等のフェノール樹脂硬化条件を緩和でき、従
って、木質材の発色成分の着色や脆性の低下が抑制され
る共にフェノール樹脂の濃色化が防止される。
るために、硬化温度を40〜150 ℃の範囲で数分〜
数時間に亘って行う。なお、酸の存在によってその硬化
温度、時間等のフェノール樹脂硬化条件を緩和でき、従
って、木質材の発色成分の着色や脆性の低下が抑制され
る共にフェノール樹脂の濃色化が防止される。
【0017】その結果、木質材内の大きな空隙部である
細胞内腔には樹脂が殆ど充填されなくて中空となり、且
つ該細胞壁内の小さな空隙部に樹脂が注入、硬化されて
天然木材の外観をそのまゝ維持した色合いの処理木材が
得られる。なお、木質材の空隙部内に対する樹脂充填率
が高くなると、フェノール樹脂による着色やコストアッ
プ等の弊害が生じるので、あくまでもフェノール樹脂水
溶液の濃度が上記40重量%以下の範囲内で濃度の調整
を行うものである。
細胞内腔には樹脂が殆ど充填されなくて中空となり、且
つ該細胞壁内の小さな空隙部に樹脂が注入、硬化されて
天然木材の外観をそのまゝ維持した色合いの処理木材が
得られる。なお、木質材の空隙部内に対する樹脂充填率
が高くなると、フェノール樹脂による着色やコストアッ
プ等の弊害が生じるので、あくまでもフェノール樹脂水
溶液の濃度が上記40重量%以下の範囲内で濃度の調整
を行うものである。
【0018】又、下記の試験結果からも明らかなように
、比重が 0.3 〜0.5 の樹種の木質材であっ
ても濃度が10〜25重量%のフェノール樹脂水溶液を
注入すれば寸法安定性等の改質効果を図ることができる
ので、樹脂注入性の悪い木質材や比重が0.8の高い木
質材でも、40重量%濃度のフェノール樹脂水溶液を注
入すれば、寸法安定性や耐汚染性の改善を図ることがで
きるものである。
、比重が 0.3 〜0.5 の樹種の木質材であっ
ても濃度が10〜25重量%のフェノール樹脂水溶液を
注入すれば寸法安定性等の改質効果を図ることができる
ので、樹脂注入性の悪い木質材や比重が0.8の高い木
質材でも、40重量%濃度のフェノール樹脂水溶液を注
入すれば、寸法安定性や耐汚染性の改善を図ることがで
きるものである。
【0019】次に、本発明の具体的な実施例および実験
例を示す。 実施例 1 厚さ0.5mm 、幅10cm、長さ1mのベイツガ単
板に、パラトルエンスルフォン酸0.5 重量%を添加
している樹脂不揮発分10重量%のフェノール樹脂水溶
液を40トールの減圧下で30分、5Kg/cm2の加
圧下で30分、減圧・加圧注入を行った。次いで、この
樹脂注入単板を20日間放置することにより、水分を除
去した後、105℃の熱風ドライヤー中で12時間、注
入樹脂を反応硬化させた。こうして得られた処理単板は
、従来のフェノール樹脂特有の赤身や焼けが消失して処
理前の色調をそのまゝ維持した外観を呈するものであっ
た。また、この処理単板を45日間屋外暴露しても汚れ
が殆ど目立たなく、耐汚染性の優れたものであった。
例を示す。 実施例 1 厚さ0.5mm 、幅10cm、長さ1mのベイツガ単
板に、パラトルエンスルフォン酸0.5 重量%を添加
している樹脂不揮発分10重量%のフェノール樹脂水溶
液を40トールの減圧下で30分、5Kg/cm2の加
圧下で30分、減圧・加圧注入を行った。次いで、この
樹脂注入単板を20日間放置することにより、水分を除
去した後、105℃の熱風ドライヤー中で12時間、注
入樹脂を反応硬化させた。こうして得られた処理単板は
、従来のフェノール樹脂特有の赤身や焼けが消失して処
理前の色調をそのまゝ維持した外観を呈するものであっ
た。また、この処理単板を45日間屋外暴露しても汚れ
が殆ど目立たなく、耐汚染性の優れたものであった。
【0020】実施例 2
厚さ25mm、幅10cm: 長さ1mのベイツガ製材
品に、パラトルエンスルフォン酸0.5 重量%を添加
している樹脂不揮発分10重量%のフェノール樹脂水溶
液を40トールの減圧下で2時間、10Kg/cm2の
加圧下で8時間、減圧・加圧注入を行った。次いで、こ
の樹脂注入製材品を高周波減圧乾燥器内で、40トール
の減圧下で1日間放置して水分を除去し、しかるのち、
120 ℃の温度下で6時間、注入樹脂を反応硬化させ
た。こうして得られた処理単板は、従来のフェノール樹
脂特有の赤身や焼けが現出していない良好な化粧性を呈
するものであった。また、長期間、屋外暴露を行っても
汚れが殆ど目立たなく、耐汚染性の優れたものであった
。
品に、パラトルエンスルフォン酸0.5 重量%を添加
している樹脂不揮発分10重量%のフェノール樹脂水溶
液を40トールの減圧下で2時間、10Kg/cm2の
加圧下で8時間、減圧・加圧注入を行った。次いで、こ
の樹脂注入製材品を高周波減圧乾燥器内で、40トール
の減圧下で1日間放置して水分を除去し、しかるのち、
120 ℃の温度下で6時間、注入樹脂を反応硬化させ
た。こうして得られた処理単板は、従来のフェノール樹
脂特有の赤身や焼けが現出していない良好な化粧性を呈
するものであった。また、長期間、屋外暴露を行っても
汚れが殆ど目立たなく、耐汚染性の優れたものであった
。
【0021】実験例
パラトルエンスルフォン酸0.5 重量%を添加してい
るフェノール樹脂水溶液において、その不揮発分を5、
10、15、20、25、30、40、50重量%とな
るように調整した処理液を作製し、夫々の濃度の処理液
を絶乾比重が0.43のベイツガ単板(厚さ1.5mm
、幅50mm、長さ50mm)に夫々、上記実施例1
に示した条件に基づいて注入、硬化させ、各処理単板の
重量増加率と寸法安定化率を次式により算出して図1に
示すような線図を得た。 重量増加率=[(処理後重量−処理前絶乾重量)/処理
前絶乾重量]×100、 寸法安定化率=[(無処理材吸水収縮率−処理材吸水収
縮率)/無処理材吸水収縮率]×100 。
るフェノール樹脂水溶液において、その不揮発分を5、
10、15、20、25、30、40、50重量%とな
るように調整した処理液を作製し、夫々の濃度の処理液
を絶乾比重が0.43のベイツガ単板(厚さ1.5mm
、幅50mm、長さ50mm)に夫々、上記実施例1
に示した条件に基づいて注入、硬化させ、各処理単板の
重量増加率と寸法安定化率を次式により算出して図1に
示すような線図を得た。 重量増加率=[(処理後重量−処理前絶乾重量)/処理
前絶乾重量]×100、 寸法安定化率=[(無処理材吸水収縮率−処理材吸水収
縮率)/無処理材吸水収縮率]×100 。
【0022】なお、寸法安定化試験は処理単板及び無処
理単板に水を減圧・加圧注入したのち、2日間放置して
寸法測定後、さらに105 ℃で一晩乾燥したのちその
寸法を測定し、両者の差を収縮寸法として収縮率を算出
した。
理単板に水を減圧・加圧注入したのち、2日間放置して
寸法測定後、さらに105 ℃で一晩乾燥したのちその
寸法を測定し、両者の差を収縮寸法として収縮率を算出
した。
【0023】上記試験結果を示す図1から明らかなよう
に、処理液濃度(不揮発分)が15%、重量増加率30
%で寸法安定化が略ピークに達し、処理液濃度が40重
量%を越えると改質効果が劣ることになる。なお、この
ような改質効果は重量増加率が5〜40%の間で現れる
が、切削性を考慮した場合、不揮発分5〜25重量%の
フェノール樹脂水溶液を使用することが望ましい。
に、処理液濃度(不揮発分)が15%、重量増加率30
%で寸法安定化が略ピークに達し、処理液濃度が40重
量%を越えると改質効果が劣ることになる。なお、この
ような改質効果は重量増加率が5〜40%の間で現れる
が、切削性を考慮した場合、不揮発分5〜25重量%の
フェノール樹脂水溶液を使用することが望ましい。
【0024】
【発明の効果】以上のように本発明の樹脂処理木質材の
製造方法によれば、不揮発分40重量%以下に希釈され
、且つ適量の酸を添加しているフェノール樹脂水溶液を
木質材に含浸し、該木質材中の水分を揮散させて樹脂の
高粘度化を生じせしめたのち、木質材を樹脂硬化可能な
温度に加熱して樹脂を硬化させることを特徴とするもの
であるから、フェノール樹脂水溶液を多量の水にて希釈
しているため、酸を添加しても樹脂の高粘度化が生ぜず
、従って、低粘度を保持した状態で木質材の細胞壁内の
小さな空隙部にまで容易に該フェノール樹脂水溶液を含
浸させることができるばかりでなく、この含浸処理後に
水分を揮散させることによって木質材の細胞内腔などの
大きな空隙部を中空にすると共に微細な空隙ではフェノ
ール樹脂の高粘度化を生じさせてフェノール樹脂をその
後の加熱処理によって細胞壁内の微細な空隙部から流出
しにくい状態で硬化させることができるものである。
製造方法によれば、不揮発分40重量%以下に希釈され
、且つ適量の酸を添加しているフェノール樹脂水溶液を
木質材に含浸し、該木質材中の水分を揮散させて樹脂の
高粘度化を生じせしめたのち、木質材を樹脂硬化可能な
温度に加熱して樹脂を硬化させることを特徴とするもの
であるから、フェノール樹脂水溶液を多量の水にて希釈
しているため、酸を添加しても樹脂の高粘度化が生ぜず
、従って、低粘度を保持した状態で木質材の細胞壁内の
小さな空隙部にまで容易に該フェノール樹脂水溶液を含
浸させることができるばかりでなく、この含浸処理後に
水分を揮散させることによって木質材の細胞内腔などの
大きな空隙部を中空にすると共に微細な空隙ではフェノ
ール樹脂の高粘度化を生じさせてフェノール樹脂をその
後の加熱処理によって細胞壁内の微細な空隙部から流出
しにくい状態で硬化させることができるものである。
【0025】さらに、加熱による樹脂硬化工程において
、酸の存在によって硬化温度、時間等のフェノール樹脂
硬化条件を緩和でき、木質材の発色成分の着色や靱性の
低下が抑制される共に上記酸によってフェノール樹脂の
濃色化を防止することができる。また、処理液を作製す
る際に、酸を添加させてもフェノール樹脂水溶液が多量
の水によって処理前に縮重合するのを防止され、ポット
ライフの維持や粘度の調整なども容易となる。
、酸の存在によって硬化温度、時間等のフェノール樹脂
硬化条件を緩和でき、木質材の発色成分の着色や靱性の
低下が抑制される共に上記酸によってフェノール樹脂の
濃色化を防止することができる。また、処理液を作製す
る際に、酸を添加させてもフェノール樹脂水溶液が多量
の水によって処理前に縮重合するのを防止され、ポット
ライフの維持や粘度の調整なども容易となる。
【0026】従って、木質材の細胞壁に効率的に注入、
硬化したフェノール樹脂によって木質材に対する水分や
汚染物質の浸入を阻止することができ、寸法安定性や耐
汚染性、防腐防虫性の向上を図ることができる。さらに
、木質材には細胞内腔等の大きな空隙が残存して多孔質
となるものであるから、該空隙を樹脂により充填する従
来の樹脂処理木質材の製造方法のように着色を防止でき
、天然木質材本来のもつ外観を維持して優れた化粧性を
発揮する木質材が得られると共に切削性、軽量性におい
ても優れた木質材を製造できる。
硬化したフェノール樹脂によって木質材に対する水分や
汚染物質の浸入を阻止することができ、寸法安定性や耐
汚染性、防腐防虫性の向上を図ることができる。さらに
、木質材には細胞内腔等の大きな空隙が残存して多孔質
となるものであるから、該空隙を樹脂により充填する従
来の樹脂処理木質材の製造方法のように着色を防止でき
、天然木質材本来のもつ外観を維持して優れた化粧性を
発揮する木質材が得られると共に切削性、軽量性におい
ても優れた木質材を製造できる。
【図1】注入処理液濃度に対する重量増加率と寸法安定
化率を示す線図である。
化率を示す線図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 不揮発分40重量%以下に希釈され、
且つ適量の酸を添加しているフェノール樹脂水溶液を木
質材に含浸し、該木質材中の水分を揮散させてフェノー
ル樹脂の高粘度化を生じせしめたのち、木質材を樹脂硬
化可能な温度に加熱して樹脂を硬化させることを特徴と
する樹脂処理木質材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6803391A JPH04278302A (ja) | 1991-03-06 | 1991-03-06 | 樹脂処理木質材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6803391A JPH04278302A (ja) | 1991-03-06 | 1991-03-06 | 樹脂処理木質材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04278302A true JPH04278302A (ja) | 1992-10-02 |
Family
ID=13362085
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6803391A Pending JPH04278302A (ja) | 1991-03-06 | 1991-03-06 | 樹脂処理木質材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04278302A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013527054A (ja) * | 2010-04-28 | 2013-06-27 | エムベェ エデルトレ アクチエボラグ | 板および板要素を処理する方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0281603A (ja) * | 1988-09-20 | 1990-03-22 | Daiken Trade & Ind Co Ltd | 改質木材の製造方法 |
-
1991
- 1991-03-06 JP JP6803391A patent/JPH04278302A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0281603A (ja) * | 1988-09-20 | 1990-03-22 | Daiken Trade & Ind Co Ltd | 改質木材の製造方法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013527054A (ja) * | 2010-04-28 | 2013-06-27 | エムベェ エデルトレ アクチエボラグ | 板および板要素を処理する方法 |
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