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JPH04253958A - 長鎖カルボン酸マレイミド - Google Patents

長鎖カルボン酸マレイミド

Info

Publication number
JPH04253958A
JPH04253958A JP3036722A JP3672291A JPH04253958A JP H04253958 A JPH04253958 A JP H04253958A JP 3036722 A JP3036722 A JP 3036722A JP 3672291 A JP3672291 A JP 3672291A JP H04253958 A JPH04253958 A JP H04253958A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sod
acid
reaction
carboxylic acid
derivative
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3036722A
Other languages
English (en)
Inventor
Iwao Ebata
江端 巌
Tetsuo Takigawa
滝川 哲夫
Masayasu Inoue
正康 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP3036722A priority Critical patent/JPH04253958A/ja
Publication of JPH04253958A publication Critical patent/JPH04253958A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Pyrrole Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は長鎖カルボン酸マレイミ
ドに関する。本発明により提供される長鎖カルボン酸マ
レイミドは、医薬として有用性が注目されているス−パ
−オキシドジスムタ−ゼの血中半減期を延長させるため
の化学修飾剤として有用である。 【0002】 【従来の技術】従来、ス−パ−オキシドジスムタ−ゼ[
以下、これをSODと略記することがある]は動物、植
物、微生物などの生体内に広く存在し、生体に有害なス
−パ−オキシドを分解する酵素として知られており、抗
炎症剤としての使用の検討[ファルマシア、17巻、4
11〜412頁 (1981) およびカレント・テラ
ピュ−ティク・リサ−チ(Current Thera
peutic Research),16巻, 706
頁 (1974)参照]、心臓弁膜症手術時における心
筋保護効果の検討(「第 19 回心臓血管外科学会講
演要旨集」、102 頁参照)等が行われてきたが、S
ODを静脈内投与した場合SODの分子量(約32,0
00)が腎糸球体の濾過限界値(分子量で約 50,0
00)よりも小さいため、速かに血中から尿中に排泄代
謝され、その血中半減期は僅か 4 〜 6 分とされ
ている。血中半減期の延長を主目的として、天然高分子
化合物または有機合成化合物による修飾が試みられてき
た。 【0003】フィコ−ル、イヌリン、デキストラン硫酸
、デキストラン、ヘパリン、ヒアルロン酸、グリコサミ
ノグリカンなどの天然高分子化合物で修飾されたSOD
は知られているが[プロシ−ディングズ・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミ−・オブ・サイエンス・オブ・ユナ
イテッド・ステ−ツ・オブ・アメリカ(Proc. N
atl.Acad. Sci. USA), 77巻,
 1159頁 (1980);特開昭 58−3282
6 号公報;特開平 2−231075 号公報;特開
平 2−231076 号公報;特開平 2−2310
77 号公報;特開平 2−231078 号公報;特
開平 2−273176 号公報参照]、天然高分子化
合物の分子量には幅があることから、それらSOD修飾
体の分子量は一定ではない。またラットアルブミンで修
飾されたSODも知られているが[エイジェンツ・アン
ド・アクションズ(Agents and Actio
ns), 10巻, 231頁 (1980) 参照]
、このSOD修飾体には抗原性がある。 【0004】ポリエチレングリコ−ルなどのポリアルキ
レングリコ−ル等の合成高分子化合物で修飾したSOD
も知られているが[リサ−チ・コミュニケ−ションズ・
イン・ケミカル・パソロジ−・アンド・ファ−マコロジ
−(Res. Commun. Chem. Path
ol. Pharmacol.), 29巻, 113
頁 (1980);特開昭 61−249388号公報
参照]、合成高分子化合物も天然高分子化合物と同様に
分子量に分布がある。 【0005】部分半エステル化スチレン−無水マレイン
酸共重合体(以下、これをSMAと略称する)によるS
ODの修飾も検討されている[特開平 1−10416
4 号公報参照]。SODをSMAで修飾することによ
り得られる誘導体(以下、これをSMA−SODと略記
する)は、血中でアルブミンを主体とする血清タンパク
質と可逆的に結合・解離する性質を有することから血中
半減期が延長されており、またSMAがカルボン酸を含
有することから炎症により酸性となった部位への集積性
をも有する。また、ジカルボン酸を用いることにより2
分子のSODを結合した分子量分布の狭い架橋化誘導体
も知られているが[特開平 1−95775 号公報参
照]、この誘導体は炎症部位への集積性は期待できない
。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】以上述べた誘導体にお
いてはいずれもSODがアミノ基を介して修飾されてい
る。ヒト型SODは1分子当たりアミノ基を22個また
は24個有しており、またウシ型SODは1分子当たり
アミノ基を20個有する。このようにSODは多数のア
ミノ基を有しており、修飾の際にSOD分子内の結合部
位となるアミノ基を特定することは極めて難しい。医薬
の有効成分は単一の化学構造を有する化合物であること
が好ましい状況にあることを考慮すれば、医薬用途に供
するSOD修飾体はSOD分子内の修飾位置が特定され
ているものが望まれる。 【0007】かかる観点から、メルカプト基との反応性
を有する官能基が導入されたSMAによりSODをメル
カプト基を介して修飾した誘導体(以下、これをSMI
−SODと略記する)も創製されている[特開平 1−
257479 号公報参照]。この誘導体は血中寿命、
残存酵素活性、酸性部位への集積性の点では上記SMA
−SODと同等であり、またSOD分子内の修飾位置が
特定されているが、SMAの構造が高分子化学的に特定
されているとはいえ複雑であり、先に述べた医薬の有効
成分という観点にたつと改善すべき問題が残っている。 従って、血中寿命、残存酵素活性、酸性部位への集積性
の点ではSMA−SODおよびSMI−SODと同等で
、しかもSMI−SOD同様SOD分子内の修飾位置が
特定されており、さらに構造の明瞭な修飾剤を結合させ
たSOD修飾体の出現が切望されているのが実状である
。 【0008】しかして、本発明の目的は、SODに比べ
て大幅に延長された血中半減期を有し、酸性部位への集
積性を有する新規なSOD誘導体を与える、SOD分子
内の2個のメルカプト基に結合性を有する新規な化学修
飾剤である長鎖カルボン酸マレイミドを提供することに
ある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、下記の化2 【0010】 【化2】 【0011】(式中、Wは1個以上の酸素原子、硫黄原
子、または−N(R)−(式中、Rは低級アルキル基を
表す)で示される基で中断されていてもよい2価の長鎖
炭化水素基を表す)で示される長鎖カルボン酸マレイミ
ド(以下、これを長鎖カルボン酸マレイミド(I)と略
称する)を提供することによって達成される。 【0012】長鎖カルボン酸マレイミド(I)において
、Wで表される2価の長鎖炭化水素基としては【001
3】(CH2)17 、(CH2)18 、(CH2)
19 、(CH2)20 、(CH2)21 、(CH
2)8CH=CH(CH2)7 、(CH2)9CH=
CH(CH2)7 、(CH2)10CH=CH(CH
2)7 、(CH2)11CH=CH(CH2)7 、
(CH2)12CH=CH(CH2)7 、(CH2)
8CH=CH(CH2)8 、(CH2)8CH=CH
(CH2)9 、(CH2)8CH=CH(CH2)1
0 、(CH2)8CH=CH(CH2)11 、(C
H2)5CH=CHCH2CH=CH(CH2)7 、
(CH2)6CH=CHCH2CH=CH(CH2)7
 、(CH2)7CH=CHCH2CH=CH(CH2
)7 、(CH2)8CH=CHCH2CH=CH(C
H2)7 、(CH2)9CH=CHCH2CH=CH
(CH2)7 、(CH2)2−O−(CH2)15 
、(CH2)4−O−(CH2)16 、(CH2)2
−O−(CH2)17 、(CH2)4−O−(CH2
)18 、(CH2)2−O−(CH2)19 、(C
H2)4−O−(CH2)13 、(CH2)4−O−
(CH2)14 、(CH2)4−O−(CH2)15
 、(CH2)4−O−(CH2)16 、(CH2)
4−O−(CH2)17 、(CH2)6−O−(CH
2)11 、(CH2)6−O−(CH2)12 、(
CH2)6−O−(CH2)13 、(CH2)6−O
−(CH2)14 、(CH2)6−O−(CH2)1
5 、(CH2)8−O−(CH2)9 、(CH2)
8−O−(CH2)10 、(CH2)8−O−(CH
2)11 、(CH2)8−O−(CH2)12 、(
CH2)8−O−(CH2)13 、(CH2)10−
O−(CH2)7 、(CH2)10−O−(CH2)
9 、(CH2)10−O−(CH2)11 、(CH
2)12−O−(CH2)5 、(CH2)12−O−
(CH2)7 、(CH2)12−O−(CH2)9 
、(CH2)2−O−(CH2)5CH=CH(CH2
)7 、(CH2)4−O−(CH2)5CH=CH(
CH2)7 、(CH2)6−O−(CH2)5CH=
CH(CH2)7 、(CH2)2−S−(CH2)1
5 、(CH2)4−S−(CH2)16 、(CH2
)2−S−(CH2)17 、(CH2)4−S−(C
H2)18 、(CH2)2−S−(CH2)19 、
(CH2)4−S−(CH2)13 、(CH2)4−
S−(CH2)14 、(CH2)4−S−(CH2)
15 、(CH2)4−S−(CH2)16 、(CH
2)4−S−(CH2)17 、(CH2)6−S−(
CH2)11 、(CH2)6−S−(CH2)12 
、(CH2)6−S−(CH2)13 、(CH2)6
−S−(CH2)14 、(CH2)6−S−(CH2
)15 、(CH2)8−S−(CH2)9 、(CH
2)8−S−(CH2)10 、(CH2)8−S−(
CH2)11 、(CH2)8−S−(CH2)12 
、(CH2)8−S−(CH2)13 、(CH2)1
0−S−(CH2)7 、(CH2)10−S−(CH
2)9 、(CH2)10−S−(CH2)11 、(
CH2)12−S−(CH2)5 、(CH2)12−
S−(CH2)7 、(CH2)12−S−(CH2)
9 、(CH2)2−N(CH3)−(CH2)14 
、(CH2)4−N(CH3)−(CH2)14 、(
CH2)6−N(CH3)−(CH2)14 、(CH
2)2−N(C2H5)−(CH2)14 、(CH2
)4−N(C2H5)−(CH2)14 、(CH2)
6−N(C2H5)−(CH2)14 、(CH2)2
−O−(CH2)2−O−(CH2)12 、(CH2
)4−O−(CH2)2−O−(CH2)12 、(C
H2)6−O−(CH2)2−O−(CH2)12 、
(CH2)2−O−(CH2)2−O−(CH2)14
 、(CH2)2−O−(CH2)2−O−(CH2)
16 、(CH2)2−S−S−(CH2)14 、(
CH2)2−S−S−(CH2)16 、(CH2)2
−S−S−(CH2)18 、(CH2)4−S−S−
(CH2)12 、(CH2)4−S−S−(CH2)
14 、(CH2)4−S−S−(CH2)16 、(
CH2)6−S−S−(CH2)10 、(CH2)6
−S−S−(CH2)12 、(CH2)6−S−S−
(CH2)14 、(CH2)8−S−S−(CH2)
8 、(CH2)8−S−S−(CH2)10 、(C
H2)8−S−S−(CH2)12 、などが例示され
る。 【0014】長鎖カルボン酸マレイミド(I)は下記の
一般式 【0015】H2N−W−CO2H 【0016】(式中、Wは前記定義のとおりである)で
示されるアミノカルボン酸(以下、これをアミノカルボ
ン酸(II)と略称する)をマレイン酸無水物と反応さ
せることにより、下記の化3 【0017】 【化3】 【0018】(式中、Wは前記定義のとおりである)で
示されるアミドジカルボン酸(以下、これをアミドジカ
ルボン酸(III)と略称する)を得、次いでアミドジ
カルボン酸(III)を閉環処理する自体公知の方法[
オ−ガニック・シンセシス(Org. Synth.)
, 41巻, 93頁 (1961) および「新実験
化学講座 14−II」、1145〜1147頁、(丸
善株式会社、昭和52年発行)参照]により合成するこ
とができるが、この方法を一部改良した方法により合成
することもできる。 【0019】アミノカルボン酸(II)の合成は、アミ
ノ酸合成法として知られているガブリエル(Gabri
el)法[ベリッヒテ(Ber.), 22巻, 42
6頁 (1889)参照]を鍵反応として利用する自体
公知の方法に従って実施するのが簡便である。即ち、下
記の一般式 【0020】HO−W−CO2R1 【0021】(式中、Wは前記定義のとおりであり、R
1 は低級アルキル基を表す)で示されるオキシカルボ
ン酸エステル(以下、これをオキシカルボン酸エステル
(IV)と略称する)をp−トルエンスルホニルクロリ
ド、メタンスルホニルクロリド等のスルホン酸ハライド
で処理し、得られる下記の化4 【0022】 【化4】 【0023】(式中、WおよびR1 は前記定義のとお
りであり、R2 は低級アルキル基または低級アルキル
基で置換されてもよいアリ−ル基を表す)で示されるス
ルホン酸エステル(以下、これをスルホン酸エステル(
V)と略称する)にガブリエル法を適用し、まずフタル
イミドアルカリ金属塩を反応させ、下記の化5【002
4】 【化5】 【0025】(式中、WおよびR1 は前記定義のとお
りである)で示されるフタルイミドカルボン酸エステル
(以下、これをフタルイミドカルボン酸エステル(VI
)と略称する)を得たのち、これをヒドラジンで処理す
ることによりフタルイミド基を分解し、その後、生成し
たアミノカルボン酸エステルをアルカリ条件下で加水分
解することによりアミノカルボン酸(II)を得る。 【0026】スルホン酸エステル(V)はオキシカルボ
ン酸エステル(IV)とp−トルエンスルホニルクロリ
ド、メタンスルホニルクロリド等のスルホン酸ハライド
との反応により容易に得ることができる。この反応は、
通常、例えばピリジン、トリエチルアミンなどで代表さ
れる塩基の存在下、塩化メチレン、エ−テルなどの適当
な溶媒の存在下または不存在下に、−20 ℃〜 +5
0 ℃の範囲の温度において行われる。 【0027】スルホン酸エステル(V)とフタルイミド
アルカリ金属塩との反応は通常、非極性高沸点溶媒の存
在下または不存在下に行われるが、N,N’−ジメチル
ホルムアミド中で行うのが簡便である。即ち、フタルイ
ミドカリウムをN,N’−ジメチルホルムアミドに溶解
し、得られた溶液に室温〜 153 ℃の範囲、好まし
くは 80 〜 120℃の範囲の温度でスルホン酸エ
ステル(V)を添加することにより行われる。 【0028】上記のようにして得られたフタルイミドカ
ルボン酸エステル(VI)のアミノカルボン酸(II)
への誘導は、フタルイミドカルボン酸エステル(VI)
をヒドラジンで処理することによりフタルイミド基を分
解したのち生成したアミノカルボン酸エステルをアルカ
リ条件下で加水分解することによって行われる。即ち、
フタルイミドカルボン酸エステル(VI)を例えば、エ
タノ−ル、メタノ−ルなどの適当な溶媒に溶解し、得ら
れた溶液にヒドラジンを加えて攪拌し、生成したフタル
ヒドラジドを除去したのち、残存する生成したアミノカ
ルボン酸エステルを常法に従い水酸化ナトリウムまたは
水酸化カリウムの含水メタノ−ル、含水エタノ−ル、ま
たは含水イソプロパノ−ルの溶液中で攪拌することによ
り行われる。ヒドラジンの使用量は、フタルイミドカル
ボン酸エステル(VI)に対して約 1.0 〜20 
モル当量であることが好ましく、1.0 〜 10 モ
ル当量であることがより好ましい。その反応を円滑に進
行させるため、反応温度としては、0 ℃から溶媒の沸
点までの範囲の温度を採用することが望ましく、25 
℃から溶媒の沸点までの範囲の温度を採用することがよ
り望ましい。反応完結に要する時間は、このとき採用す
る温度条件によって異なるが、通常約 10 分間〜 
3日間の範囲内である。 【0029】上記の反応によって生成するフタルヒドラ
ジドは、反応混合液を好適には室温ないしは氷冷下の温
度下で、塩酸、硫酸などの鉱酸を用いて pH1 〜 
4 程度の酸性状態にして沈澱させ、濾過することによ
って除去するのが簡便である。かかる操作を行ったのち
に溶媒を留去し、残存するアミノカルボン酸エステルを
アルカリ条件下での加水分解反応に付する。この加水分
解反応は 0 ℃から溶媒の沸点までの範囲の温度で行
うのが好ましく、25 ℃から溶媒の沸点までの範囲の
温度で行うのがより好ましい。反応完結に要する時間は
、採用する温度条件によって異なるが、通常約 10 
分間〜 3 日間の範囲内である。反応後、反応混合物
からのアミノカルボン酸(II)の単離は、好適には反
応混合物を室温ないしは氷冷までの範囲の温度条件下で
、塩酸、硫酸などの鉱酸を用いて中和し、生じた沈澱を
濾過したのち、再結晶することにより得られる。 【0030】アミノカルボン酸(II)とマレイン酸無
水物との反応は溶媒中で行うのが望ましい。好適に使用
される溶媒としては、含水メタノ−ル、含水エタノ−ル
、含水イソプロパノ−ルなどの含水アルコ−ルが挙げら
れる。反応を円滑に進行させるためには反応液の pH
 は 6 以上に保つのが好ましい。pH 6 以下で
はアミノカルボン酸(II)の溶解度が低下して反応が
進行しにくくなる。マレイン酸無水物はアミノカルボン
酸(II) 1 モル当たり一般には 1 〜 300
 モルの割合で用いられ、好ましくは 1 〜50 モ
ルの割合で用いられる。好ましい実施態様においては、
アミノカルボン酸(II)の溶液または分散液にマレイ
ン酸無水物を全量一度に加えるか、または少量ずつ徐々
に加えることにより反応させる。反応温度は 0℃から
溶媒の沸点までの範囲の温度を採用するのが好ましく、
20 ℃〜 60 ℃の範囲の温度を選択するのがより
好ましい。反応の進行を確認するためには、薄層クロマ
トグラフィ−により原料の消失を追跡するのが便利であ
る。反応後、反応混合物からのアミドジカルボン酸(I
II)の単離は、好適には反応混合物を室温ないしは氷
冷までの範囲の温度条件下で、塩酸、硫酸などの鉱酸を
用いてpH 1〜 4 程度の酸性状態にし、生じた沈
澱を濾過することにより行うのが簡便である。 【0031】アミドジカルボン酸(III)を常法に従
い、例えば酢酸ナトリウムの存在下に無水酢酸とともに
加熱し、脱水することにより容易に長鎖カルボン酸マレ
イミド(I)に誘導することができる。 【0032】SODと長鎖カルボン酸マレイミド(I)
とを pH 6 〜 10 の水溶液中で反応させるこ
とにより、下記の化6 【0033】 【化6】 【0034】(式中、[SOD]はス−パ−オキシドジ
スムタ−ゼからメルカプト基を2個除去した残基を表し
、Wは1個以上の酸素原子、硫黄原子、または−N(R
)−(式中、Rは低級アルキル基を表す)で示される基
で中断されていてもよい2価の長鎖炭化水素基を表す)
で示されるス−パ−オキシドジスムタ−ゼ誘導体(以下
、これをSOD誘導体と略称する)を製造することがで
きる。 【0035】SODと長鎖カルボン酸マレイミド(I)
との反応は、通常トリス(ヒドロキシメチル)アミノメ
タン塩酸塩、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、酢酸
ナトリウム、リン酸ナトリウムなどの塩の水溶液中にS
ODを溶解し、得られた溶液に粉末状の長鎖カルボン酸
マレイミド(I)またはジメチルスルホキシドなどの有
機溶媒に溶解した長鎖カルボン酸マレイミド(I)を添
加することにより行われる。反応中、溶液の pH は
 6 〜 10 の範囲内、好ましくは 8 〜 10
 の範囲内に維持されていることが必要である。pH 
が 6 より低い場合には、長鎖カルボン酸マレイミド
(I)の溶解性が低下して反応は進行しにくくなる。ま
た、pH が10 より高い場合には、長鎖カルボン酸
マレイミド(I)がSODのアミノ基とも反応してしま
う場合が生じる。反応温度としては室温以下の温度が好
ましい。また、反応時間は長鎖カルボン酸マレイミド(
I)の添加方法により異なるが、通常 10 分間〜 
2 日間である。長鎖カルボン酸マレイミド(I)の使
用量はSOD1モルに対して約 2.0 〜 30 モ
ルの範囲内である。 【0036】このようにして得られた反応液にはSOD
誘導体と未反応のSODおよび長鎖カルボン酸マレイミ
ド(I)などが存在するが、かかる反応液を濾過し、濾
液をゲル濾過し、得られるSOD誘導体を含む溶出液を
必要に応じてハイドロフォ−ビック・カラムクロマトグ
ラフィ−、イオン交換カラムクロマトグラフィ−などに
付したのち、限外濾過に付することにより濃縮し、凍結
乾燥することによりSOD誘導体の固形物を得ることが
できる。 【0037】上記の反応により、SODが有するメルカ
プト基と長鎖カルボン酸マレイミド(I)が有するマレ
イミド環とが付加反応により結合し、SOD誘導体が生
成する。 【0038】本発明の長鎖カルボン酸マレイミド(I)
には1分子中にマレイミド基が1個存在し、またSOD
が有するメルカプト基については、通常ヒト型SODに
は反応しうる遊離のメルカプト基は2個存在する。それ
ゆえに、上記の反応および反応後の処理により、ヒト型
SOD1分子当り長鎖カルボン酸マレイミド(I)が2
分子結合したSOD誘導体を得ることができる。なお、
この反応および反応後の処理により、SOD誘導体が有
するカルボキシル基がアルカリ金属塩またはアンモニウ
ム塩を形成する可能性があるが、かかる塩を形成したカ
ルボキシル基を有するSOD誘導体も医薬の有効成分化
合物として用いることに不都合はない。 【0039】SOD誘導体は、SODに比べて大幅に延
長された血中半減期を有し、しかも酸性部位への集積性
を有することから抗炎症部位への移行性が良好であると
いう特徴を有する。 【0040】原料として用いられるSODとしては、動
物(ヒト、ウシなど)、植物、微生物などの生物中に含
まれているものを公知の方法によりそれぞれの生物体か
ら分離取得されたもの、または遺伝子工学的手法を用い
て取得されたものなどが挙げられる。SODの化学構造
(配位金属、分子量、アミノ酸配列など)はかなり解明
されてきており、SODはFe配位SOD、Mn配位S
OD、Cu−Zn配位SOD等に分類され、存在してい
る生体組織によって異なるが3万〜8万の分子量を有し
ている。SODのアミノ酸配列も存在している生体組織
によって若干相異する[「SODと活性酸素調節剤」第
2章  SOD(大柳善彦著、日本医学館、1989年
 11月 6日発行)参照]。ヒト型のCu−Zn配位
SODは分子量 32,000 を有しており、反応性
の遊離のメルカプト基2個を有する。このヒト型SOD
は、例えば、ヒトの血液を順次熱処理、イオン交換、ゲ
ル濾過に付することにより、また遺伝子工学の手法を用
いることによって取得される。 【0041】本発明の長鎖カルボン酸マレイミド(I)
は脂肪酸部分を有する。従って、かかる長鎖カルボン酸
マレイミド(I)が結合しているSOD誘導体は、血清
タンパク質および生体膜との可逆的な結合性を有してお
り、これにより血中半減期が延長され、また臓器への移
行性が良好となる。 【0042】長鎖カルボン酸マレイミド(I)において
、Wが表す長鎖炭化水素基の主鎖原子数は 9 〜 2
9 であることが好ましく、17 〜 23 であるこ
とがより好ましい。主鎖原子数が 9 より少ない長鎖
カルボン酸マレイミドをSODと反応させて得られるS
OD誘導体は血清タンパク質への結合能が不良となるの
で好ましくない。主鎖原子数が 29 より多い長鎖カ
ルボン酸マレイミドは pH 6 〜 10 の水溶液
中への溶解性が不良となり、かかる長鎖カルボン酸マレ
イミドをSODに結合させることが難しくなる。 【0043】SOD誘導体は後述の試験例2および試験
例3の結果から明らかなように優れた抗潰瘍作用および
抗不整脈作用を有する。またSOD誘導体は抗炎症作用
、抗虚血障害作用、抗脳浮腫作用などの薬理作用をも有
する。 【0044】またSOD誘導体は毒性試験においても低
毒性であることが確認されている。 【0045】以上の結果より、SODは活性酸素ラジカ
ルが関与する種々の疾患に対して有効であり、特に抗炎
症剤、抗潰瘍剤、虚血性疾患治療剤、脳浮腫治療剤、パ
ラコ−ト治療剤として使用することができる。またSO
D誘導体は、活性酸素ラジカルに起因する制癌剤の副作
用を軽減するための医薬としても有用である。さらにS
OD誘導体は火傷、外傷、各種の皮膚炎などの皮膚の疾
病などの治療薬としても有用である。 【0046】SOD誘導体の投与量は疾病、患者の重篤
度、薬物に対する認容性などにより異なるが、通常成人
 1 日あたり 0.1 〜 500mg の範囲、好
ましくは 0.5 〜 100 mg の範囲の量であ
り、これを 1 回または分割して投与するのがよい。 投与に際しては投与ル−トに適した任意の形態をとるこ
とができる。 【0047】SOD誘導体は任意慣用の製剤方法を用い
て投与用に調製することができる。SOD誘導体を少な
くとも 1 種含有する医薬組成物は任意所用の製薬用
担体、賦形剤などの医療上許容される添加剤などを使用
して慣用の手段によって調製される。 【0048】この医薬組成物が経口用製剤である場合に
は、該製剤は消化管からの吸収に好適な形態で提供され
るのが好ましい。経口投与の錠剤およびカプセルは単位
量投与形態であり、結合剤、例えばシロップ、アラビア
ゴム、ゼラチン、ソルビット、トラガント、ポリビニル
ピロリドンなど;賦形薬、例えば乳糖、とうもろこし澱
粉、りん酸カルシウム、ソルビット、グリシンなど;潤
滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリ
エチレングリコ−ル、シリカなど;崩壊剤、例えばラウ
リル硫酸ナトリウム、などのような慣用の賦形剤を含有
していてもよい。錠剤は当業界において周知の方法でコ
−ティングしてもよい。経口用液体製剤は水性または油
性の懸濁剤、溶液、シロップ、エリキシル剤、その他で
あってもよく、または使用する前に水もしくは他の適当
なビヒクルで再溶解させる乾燥生成物であってもよい。 このような液体製剤は普通に用いられる添加剤、例えば
懸濁化剤、例えばソルビットシロップ、メチルセルロ−
ス、グルコ−ス/糖シロップ、ゼラチン、ヒドロキシエ
チルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス、ステア
リン酸アルミニウムゲル、水素化食用脂など;乳化剤、
例えばレシチン、モノオレイン酸ソルビタン、アラビア
ゴムなど;非水溶性ビヒクル、例えばア−モンド油、分
別ココナット油、油性エステル、プロピレングリコ−ル
、エタノ−ルなど、;防腐剤、例えばp−ヒドロキシ安
息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、ソル
ビン酸などを含有してもよい。 【0049】また注射剤を調製する場合には、SOD誘
導体を生理食塩水、注射用ブドウ糖液などの溶剤に溶解
し、SOD誘導体 2 〜 20 mg/溶剤 2 〜
 10 ml の濃度に調整し、常法により皮下、筋肉
内、静脈内注射剤とする。調製時に必要により水溶液に
 pH 調整剤、緩衝剤、安定化剤、保存剤、可溶化剤
などを添加することもできる。 【0050】上記の医薬組成物は、その形態等に依存し
て、SOD誘導体を一般に約 0.01〜 50 重量
%、好ましくは約 0.1 〜 20 重量%の濃度で
含有することができる。     【0051】 【実施例】以下に、実施例により本発明を具体的に説明
する。なお、本発明は、これらの実施例により限定され
るものではない。1H−NMR はテトラメチルシラン
を内部標準として測定し、IR は KBr 錠剤法に
より測定した。 【0052】実施例1 18 − トシルオキシオクタデカン酸メチルエステル
の合成 18 − ヒドロキシオクタデカン酸メチルエステル 
( 4.5 g,14.3 mmol )を塩化メチレ
ン 50 ml に溶解し、得られた溶液にピリジン 
( 4.53 g, 57.2 mmol )を加え、
次いで氷冷下にp−トルエンスルホニルクロリド ( 
5.46 g, 28.6 mmol )を1時間を要
して徐々に添加して、冷蔵庫内で 16 時間反応させ
た。反応液を 10 % 塩酸、水、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィ−(展開液:ベンゼン)
で分離精製して、下記の物性値を示す 18 − トシ
ルオキシオクタデカン酸メチルエステル ( 5.69
 g, 85 % )を得た。 m.p. 67.5 〜 68.5 ℃1H−NMR 
( CDCl3, 270 MHz ) : δ 1.
09 〜 1.42 ( m,26H ),1.53 
〜 1.72 ( m,4H ),2.30 ( t,
2H ),2.45 ( s,3H ),3.68 (
 s,3H ),4.03 ( t,2H ),7.3
5 ( d,2H ),7.79 ( d,2H ) 【0053】実施例2 18 − フタルイミドオクタデカン酸メチルエステル
の合成 フタルイミドカリウム ( 2.96 g, 16.0
 mmol ) と乾燥 N,N’− ジメチルホルム
アミド 100 ml との混合物を 110 ℃に加
熱し、この混合物に 18 − トシルオキシオクタデ
カン酸メチルエステル ( 5.0 g, 10.7 
mmol ) の N,N’− ジメチルホルムアミド
 80 ml 溶液を滴下し、110 ℃で 2 時間
反応させた。反応液を氷水にあけ全量を 1.2 l 
にし、30 分間攪拌したのち、沈澱物を濾取し、クロ
ロホルムに溶解した。得られた溶液を水、飽和食塩水で
順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィ−[展開液:ベンゼンと塩化
メチレンとの混合液(容量比: 2 対 1 )]で分
離精製し、下記の物性値を示す 18 − フタルイミ
ドオクタデカン酸メチルエステル( 4.15 g, 
88 % ) を得た。 m.p. 82 〜 83 ℃ 1H−NMR ( CDCl3, 270 MHz )
 : δ 1.09 〜 1.42 ( m,26H 
),1.53 〜 1.76 ( m,4H ),2.
30 ( t,2H ),3.66, 3.67 ( 
s,t,5H ),7.71 ( m,2H ),7.
84 ( m,2H )【0054】実施例3 18 − アミノオクタデカン酸の合成18 − フタ
ルイミドオクタデカン酸メチルエステル ( 2.0 
g, 4.51 mmol )、エタノ−ル 30 m
l および 80 % 抱水ヒドラジン ( 0.42
 ml, 6.76 mmol ) の混合物を 9 
時間加熱還流した。反応液に 6N 塩酸 ( 11.
3 ml, 67.6 mmol )を加えてさらに 
1 時間加熱還流したのち、不溶物を濾別した。濾液を
減圧下に濃縮した。残渣にエタノ−ル 30 ml お
よび 1N 水酸化ナトリウム水溶液 18.1ml 
を加え、18 時間加熱還流した。反応液を氷冷下に 
6N 塩酸で中和し、沈殿物を濾取後、再結晶(エタノ
−ル − 酢酸 − 水)して、下記の物性値を示す 
18 − アミノオクタデカン酸 ( 800 mg,
 59 % ) を得た。 m.p. 172 〜 174 ℃ IR ( cm−1 ) : 2920, 2850,
 1640, 1535, 1470, 1400FD
−MS ( m/z ) : [M+H]+ 300【
0055】実施例4 N −(17 − カルボキシヘプタデシル)マレアミ
ン酸の合成 18 − アミノオクタデカン酸 ( 400 mg,
 1.33 mmol ) をエタノ−ル  50 m
l および 1N 水酸化ナトリウム水溶液 25 m
l の混合液に 40 ℃で溶解し、得られた溶液の温
度を 40 ℃に保ちながら無水マレイン酸 ( 1.
97g, 20.0 mmol ) を 2時間を要し
て徐々に添加した。反応液を 30 分間攪拌後、氷冷
下に塩酸酸性にし、遠心分離操作に付した。沈渣を濾過
し、十分に水洗後、減圧下に乾燥して、下記の物性値を
示す N −(17 − カルボキシヘプタデシル)マ
レアミン酸 ( 436 mg, 88 % )を得た
。 m.p. 144 〜 147.5 ℃IR ( cm
−1 ) : 3305, 2920, 2850, 
1710, 1630, 1585, 1470, 1
400, 1280,1250, 1230, 121
5, 1195, 1180FD−MS ( m/z 
) : [ M+H ]+ 398【0056】実施例
5 18 − マレイミドオクタデカン酸の合成N −(1
7 − カルボキシヘプタデシル)マレアミン酸 ( 
400 mg, 1.01 mmol )、無水酢酸 
2.83 ml および無水酢酸ナトリウム ( 41
.0 mg, 0.50 mmol) の混合物を 1
00 ℃で 1 時間反応させた。反応物を放冷し、氷
にあけて1時間攪拌したのち、クロロホルムで抽出した
。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮してシリカゲルカラム
クロマトグラフィ−[展開液:ベンゼンとクロロホルム
との混合液(容量比: 1 対 1 )]で分離精製し
、下記の物性値を示す 18 − マレイミドオクタデ
カン酸 ( 172 mg, 45 % )を得た。 m.p. 101 〜 103 ℃ 1H−NMR ( CDCl3, 270 MHz )
 : δ 1.14 〜 1.40 ( m,26H 
),1.48 〜 1.72 ( m,4H ),2.
35 ( t,2H ),3.50 ( t,2H )
,6.68 ( s,2H )IR ( cm−1 )
 : 2920, 2850, 1710, 1470
, 1450, 1410, 840, 700 FD−MS ( m/z ) : [ M+H ]+ 
380【0057】実施例6 20 − トシルオキシエイコサン酸メチルエステルの
合成20 − ヒドロキシエイコサン酸メチルエステル
 ( 8.0 g, 23.4 mmol )を塩化メ
チレン 90 ml に溶解し、得られた溶液にピリジ
ン ( 7.39 g, 93.4 mmol )を加
え、次いで氷冷下にp−トルエンスルホニルクロリド 
( 8.90 g, 46.7 mmol )を1時間
を要して徐々に添加して、冷蔵庫内で 14 時間反応
させた。反応終了後、実施例1におけると同様にして後
処理を行い、下記の物性値を示す 20 − トシルオ
キシエイコサン酸メチルエステル ( 10.57 g
, 91 % )を得た。 m.p. 72.5 〜 73.5 ℃1H−NMR 
( CDCl3, 270 MHz ) : δ 1.
10 〜 1.38 ( m,30H ),1.52 
〜 1.72 ( m,4H ),2.30 ( t,
2H ),2.45 ( s,3H ),3.67 (
 s,3H ),4.02 ( t,2H ),7.3
4 ( d,2H ),7.78 ( d,2H ) 【0058】実施例7 20 − フタルイミドエイコサン酸メチルエステルの
合成フタルイミドカリウム ( 5.59 g, 30
.2 mmol ) と乾燥 N,N’− ジメチルホ
ルムアミド 200 ml との混合物を 110 ℃
に加熱し、これに 20 − トシルオキシエイコサン
酸メチルエステル ( 10.0 g, 20.1 m
mol ) の N,N’− ジメチルホルムアミド 
300 ml 溶液を滴下し、110 ℃で 2 時間
反応させた。反応終了後、実施例2におけると同様の後
処理を行い、下記の物性値を示す 20 − フタルイ
ミドエイコサン酸メチルエステル ( 8.97 g,
 95 % ) を得た。 m.p. 86.5 〜 87.5 ℃1H−NMR 
( CDCl3, 270 MHz ) : δ 1.
08 〜 1.50 ( m,30H ),1.55 
〜 1.81 ( m,4H ),2.30 ( t,
2H ),3.66, 3.67 ( s,t,5H 
),7.71 ( m,2H ),7.84 ( m,
2H )【0059】実施例8 20 − アミノエイコサン酸の合成 20 − フタルイミドエイコサン酸メチルエステル 
( 5.0 g,10.6 mmol )、エタノ−ル
 100 ml および 80 % 抱水ヒドラジン 
( 1.0 ml, 15.9 mmol ) の混合
物を 9 時間加熱還流した。反応液に 6N 塩酸 
26.5ml を加えてさらに 1 時間加熱還流した
のち、不溶物を濾別した。濾液を減圧下に濃縮した。残
渣にエタノ−ル 70 ml および 1N 水酸化ナ
トリウム水溶液 42.4 ml を加え、16 時間
加熱還流した。反応液を氷冷下に 6N 塩酸で中和し
、沈殿物を濾取後、再結晶(エタノ−ル − 酢酸 −
 水)して、下記の物性値を示す 20 − アミノエ
イコサン酸 ( 2.50 g, 72 % ) を得
た。 m.p. 172.5 〜 174 ℃FD−MS (
 m/z ) : [ M+H ]+ 328IR (
 cm−1 ) : 2920, 2850, 164
0, 1535, 1470, 1400【0060】
実施例9 N −(19 − カルボキシノナデシル)マレアミン
酸の合成20 − アミノエイコサン酸 ( 500 
mg, 1.53 mmol ) をエタノ−ル  8
5 ml および 1N 水酸化ナトリウム水溶液 4
0 ml の混合液に 40 ℃で溶解し、得られた溶
液の温度を 40 ℃に保ちながら無水マレイン酸 (
 3.75 g, 38.3 mmol ) を 3 
時間を要して徐々に添加した。この間、反応液の pH
 を 8 〜 10 に保った。反応液を 30 分間
攪拌後、実施例4におけると同様にして後処理を行い、
下記の物性値を示す N −(19 − カルボキシノ
ナデシル)マレアミン酸 ( 538 mg, 83 
% )を得た。 m.p. 146 〜 148 ℃ FD−MS ( m/z ) : [ M+H ]+ 
426IR ( cm−1 ) : 3305, 29
20, 2850, 1710, 1630, 157
0, 1470, 1405, 1275,1245,
 1225, 1210, 1195, 1180【0
061】実施例10 20 − マレイミドエイコサン酸の合成N −(19
 − カルボキシノナデシル)マレアミン酸 ( 50
0 mg, 1.22 mmol )、無水酢酸 3.
44 ml および無水酢酸ナトリウム ( 50.1
 mg, 0.61 mmol) の混合物を100 
℃で 1 時間反応させた。反応終了後、実施例5にお
けると同様にして後処理を行い、下記の物性値を示す 
20 − マレイミドエイコサン酸 ( 230 mg
, 46 %)を得た。 m.p. 104 〜 105.5 ℃1H−NMR 
( CDCl3, 270 MHz ) : δ 1.
17 〜 1.40 ( m,30H ),1.50 
〜 1.69 ( m,4H ),2.34 ( t,
2H ),3.51 ( t,2H ),6.68 (
 s,2H )FD−MS( m/z ) : [ M
+H ]+ 408IR ( cm−1 ) : 29
20, 2850, 1710, 1470, 145
5, 1410, 840, 700 【0062】実施例11 22 − トシルオキシドコサン酸メチルエステルの合
成22 − ヒドロキシドコサン酸メチルエステル (
 1.70 g, 4.59 mmol ) をピリジ
ン 15 ml および塩化メチレン 120 ml 
の混合溶媒に溶解し、得られた溶液に氷冷下にp−トル
エンスルホニルクロリド ( 1.75 g, 9.1
8 mmol )を1時間を要して徐々に添加して、冷
蔵庫内で 14 時間攪拌した。次いで、反応液にp−
トルエンスルホニルクロリド ( 1.75 g, 9
.18 mmol )を加えてさらに 24 時間反応
させた。反応終了後、実施例1におけると同様にして後
処理を行い、下記の物性値を示す 22 − トシルオ
キシドコサン酸メチルエステル ( 2.28 g, 
75 % )を得た。 m.p. 74 〜 76 ℃ 1H−NMR ( CDCl3, 270 MHz )
 : δ 1.08 〜 1.40 ( m,34H 
),1.53 〜 1.72 ( m,4H ),2.
30 ( t,2H ),2.45 ( s,3H )
,3.67 ( s,3H ),4.02 ( t,2
H ),7.35 ( d,2H ),7.80 ( 
d,2H ) 【0063】実施例12 22 − フタルイミドドコサン酸メチルエステルの合
成フタルイミドカリウム ( 1.16 g, 6.2
9 mmol ) と乾燥 N,N’− ジメチルホル
ムアミド 40 ml との混合物を 110 ℃に加
熱し、これに 22 − トシルオキシドコサン酸メチ
ルエステル ( 2.20 g, 4.19 mmol
 ) の N,N’− ジメチルホルムアミド 70 
ml 溶液を滴下し、110 ℃で 2 時間反応させ
た。反応終了後、実施例2におけると同様にして後処理
を行い、下記の物性値を示す 22 − フタルイミド
ドコサン酸メチルエステル ( 1.57 g, 95
 % ) を得た。 m.p. 88.5 〜 90.5 ℃1H−NMR 
( CDCl3, 270 MHz ) : δ 1.
12 〜 1.41 ( m,34H ),1.54 
〜 1.75 ( m,4H ),2.30 ( t,
2H ),3.66, 3.67 ( s,t,5H 
),7.71 ( m,2H ),7.84 ( m,
2H )【0064】実施例13 22 − アミノドコサン酸の合成 22 − フタルイミドドコサン酸メチルエステル (
 1.5 g, 3.0 mmol )、エタノ−ル 
40 ml および 80 % 抱水ヒドラジン ( 
0.28 ml, 4.50 mmol ) の混合物
を10 時間加熱還流した。反応液に 6N 塩酸 1
1.3 ml を加えてさらに 1 時間加熱還流した
のち、不溶物を濾別した。濾液を減圧下に濃縮した。残
渣にエタノ−ル30 ml および 1N 水酸化ナト
リウム水溶液 15 ml を加え、19 時間加熱還
流した。反応液を氷冷下に 6N 塩酸で中和し、沈殿
物を濾取後、再結晶(エタノ−ル− 酢酸 − 水)し
て、下記の物性値を示す 22 −アミノドコサン酸 
( 827 mg, 77 % ) を得た。 m.p. 166 〜 168 ℃ FD−MS ( m/z ) : [ M+H ]+ 
356IR ( cm−1 ) : 2920, 28
50, 1640, 1535, 1470, 140
0【0065】実施例14 N −(21 − カルボキシヘンエイコシル)マレア
ミン酸の合成 22 − アミノドコサン酸 ( 400 mg, 1
.12 mmol) をエタノ−ル  100 ml 
および1N 水酸化ナトリウム水溶液 50 ml の
混合液に 40 ℃で溶解し、得られた溶液の温度を 
40 ℃に保ちながら無水マレイン酸 ( 4.39 
g, 44.8 mmol ) を 5 時間を要して
徐々に添加した。この間、反応液の pH を 8 〜
 10 の範囲に保った。反応液を 30 分間攪拌後
、実施例4におけると同様にして後処理を行い、下記も
物性値を示す N −(21 − カルボキシヘンエイ
コシル)マレアミン酸 ( 538 mg,83 % 
)を得た。 m.p. 140 〜 143 ℃ FD−MS ( m/z ) : [ M+H ]+ 
454IR ( cm−1 ) : 3305, 29
20, 2850, 1710, 1630, 157
0, 1470, 1405, 1275,1245,
 1225, 1210, 1195, 1180【0
066】実施例15 22 − マレイミドドコサン酸の合成N −(21 
− カルボキシヘンエイコシル)マレアミン酸 ( 4
50 mg, 0.99 mmol )、無水酢酸 2
.8 ml および無水酢酸ナトリウム ( 40.7
 mg, 0.50 mmol) の混合物を 100
 ℃で 1 時間反応させた。反応終了後、実施例5に
おけると同様にして後処理を行い、下記の物性値を示す
 20 − マレイミドエイコサン酸 ( 170 m
g, 39 % )を得た。 m.p. 105.5 〜 106.5 ℃1H−NM
R ( CDCl3, 270 MHz ) : δ 
1.12 〜 1.42 ( m,34H ),1.5
0 〜 1.71 ( m,4H ),2.34 ( 
t,2H ),3.51 ( t,2H ),6.68
 ( s,2H )FD−MS ( m/z ) : 
[ M+H ]+ 436IR ( cm−1 ) :
 2920, 2850, 1710, 1475, 
1450, 1415, 840, 700 【0067】参考例1 18 − マレイミドオクタデカン酸とSODとの反応
によるSOD誘導体の合成の予備検討 ヒトSOD 1 mg (31 nmol)を 0.1
M トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩
衝液( pH 9 ) 0.9 mlに溶解して得られ
た溶液を 7 検体用意し、下記の表1に示した量の実
施例5で得られた 18 − マレイミドオクタデカン
酸をそれぞれジメチルスルホキシド 0.1 ml に
溶解して得られた溶液を上記のSOD溶液にそれぞれ攪
拌下に添加した。冷蔵庫内で二晩攪拌したのち、反応液
を電気泳動に付した。得られた電気泳動図を模式的に図
1に示す。図1中、(a)、(b)、(c)、(d)、
(e)、(f)および(g)はそれぞれSODに対する
18 − マレイミドオクタデカン酸のモル比が 0、
 1、 2、 5、 10、 20 および 50の場
合に得られた反応液の電気泳動図の模式図を示す。 【0068】 【表1】 【0069】なお、表中、モル比はSODに対する 1
8 − マレイミドオクタデカン酸のモル比を表し、重
量は 18 − マレイミドオクタデカン酸の重量を表
す。 【0070】図1から明らかなように、SODと 18
 − マレイミドオクタデカン酸の反応成績体はモル比
 2 以上の各反応においてほぼ同一であり、モル比 
2 以上の反応ではSOD中の反応可能な官能基がすべ
て反応してしまったことを示している。 【0071】図1中のバンド(1)、(2)および(3
)はそれぞれ上記予備検討に用いたSODのチャ−ジア
イソマ−に対応し、バンド(4)、(5)および(6)
はそれぞれバンド(1)、(2)および(3)に対応す
るSODのチャ−ジアイソマ−に 18 − マレイミ
ドオクタデカン酸が1個結合したSOD誘導体に対応す
る。またバンド(7)、(8)および(9)はそれぞれ
バンド(1)、(2)および(3)に対応するSODの
チャ−ジアイソマ−に 18− マレイミドオクタデカ
ン酸が2個結合したSOD誘導体に対応する。 【0072】18 − マレイミドオクタデカン酸とS
ODとの反応によるSOD誘導体の合成 ヒトSOD水溶液 (88.95mg/ml) 1.1
2ml に 水 1.68ml および 0.5M ト
リス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液(
pH 9) 0.8ml を加え、次いで実施例5で得
られた 18 − マレイミドオクタデカン酸 4.7
mg をジメチルスルホキシド 0.4ml に溶解し
て得られた溶液を攪拌下に徐々に添加した。室温で一晩
攪拌し、濾過したのち、反応液をセファデックスG−2
5 (Sephadex G−25 :商品名、ファル
マシア社製)を担体として用いるゲル濾過[溶出液:1
0 mM 重炭酸アンモニウム水溶液]に付し、高分子
画分を集めた。この画分をそのまま DEAE−セファ
ロ −ス(DEAE−Sepharose Fast 
Flow:商品名、ファルマシア社製)を担体として用
いるイオン交換クロマトグラフィ−[溶出液: 10m
M トリス−塩酸緩衝液 (pH 8) および0.0
75M 塩化ナトリウム水溶液の混合液]に付し、SO
D誘導体を含む画分を分取した。この画分をセファデッ
クス G−25 (Sephadex G−25:商品
名、ファルマシア社製)を担体として用いるゲル濾過[
溶出液:10 mM 重炭酸アンモニウム水溶液]に付
し、脱塩したのち、高分子画分を凍結乾燥してSOD誘
導体 52mg を得た。なお、得られたSOD誘導体
からは遊離の SH 基は検出されなかった。 【0073】使用したSODと得られたSOD誘導体の
それぞれの電気泳動図を模式的に図2の(a)および(
b)に示す。(b)におけるそれぞれのバンドは図1の
バンド(7)、(8)および(9)にそれぞれ一致した
。このことと SH 基の定量結果から、得られたSO
D誘導体はSODの2個の SH 基に 18 − マ
レイミドオクタデカン酸分子がそれぞれ結合したもので
あると同定した。また、得られたSOD誘導体の赤外線
吸収スペクトルを図3に示す。 【0074】参考例2 20 − マレイミドエイコサン酸とSODとの反応に
よるSOD誘導体の合成 ヒトSOD水溶液 (88.95mg/ml) 1.1
2ml に 水 1.68ml および 0.5M ト
リス(ヒドロキシメチル)アミノメタン水溶液 0.8
ml を加え、次いで実施例10で得られた 20 −
 マレイミドエイコサン酸 5.1mg をジメチルス
ルホキシド 0.4ml に溶解して得られた溶液を攪
拌下に徐々に添加した。室温で一晩攪拌し、濾過したの
ち、反応液をセファデックス G−25 を担体として
用いるゲル濾過[溶出液:10mM 重炭酸アンモニウ
ム水溶液]に付し、高分子画分を集めた。この画分をそ
のまま DEAE− セファロ−スを担体として用いる
イオン交換クロマトグラフィ−[溶出液: 10mM 
トリス−塩酸緩衝液 (pH 8) および 0.10
M 塩化ナトリウム水溶液の混合液]に付し、SOD誘
導体を含む画分を分取した。この画分をセファデックス
 G−25 を担体として用いるゲル濾過[溶出液:1
0mM 重炭酸アンモニウム水溶液]に付し、脱塩した
のち、高分子画分を凍結乾燥してSOD誘導体 33 
mgを得た。なお、得られたSOD誘導体からは遊離の
 SH 基は検出されなかった。 【0075】使用したSODと得られたSOD誘導体の
それぞれの電気泳動図を模式的に図4の(a)および(
b)に示す。以下、参考例1におけると同様にして、得
られたSOD誘導体はSODの2個の SH 基に 2
0 − マレイミドエイコサン酸分子がそれぞれ結合し
たものであると同定した。また、得られたSOD誘導体
の赤外線吸収スペクトルを図5に示す。 【0076】参考例3 22 − マレイミドドコサン酸とSODとの反応によ
るSOD誘導体の合成 ヒトSOD水溶液 (88.95mg/ml) 1.1
2ml に 水 4,88ml および 0.5M ト
リス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液(
pH 9)4.0ml を加え、次いで実施例15で得
られた 22 − マレイミドドコサン酸 13.6m
g をジメチルスルホキシド 10ml に溶解して得
られた溶液を攪拌下に徐々に添加した。室温で一晩攪拌
し、濾過したのち、反応液をセファデックス G−25
 を担体として用いるゲル濾過[溶出液:10 mM 
重炭酸アンモニウム水溶液]に付し、高分子画分を集め
た。この画分をそのまま DEAE− セファロ−スを
担体として用いるイオン交換クロマトグラフィ−[溶出
液: 10mM トリス−塩酸緩衝液 (pH 8) 
および 0.15M 塩化ナトリウム水溶液の混合液]
に付し、SOD誘導体を含む画分を分取した。この画分
をセファデックス G−25 を担体として用いるゲル
濾過[溶出液:10 mM 重炭酸アンモニウム水溶液
]に付し、脱塩したのち、高分子画分を凍結乾燥してS
OD誘導体 42mg を得た。なお、得られたSOD
誘導体からは遊離の SH 基は検出されなかった。 【0077】使用したSODと得られたSOD誘導体の
それぞれの電気泳動図を模式的に図6の(a)および(
b)に示す。以下、参考例1におけると同様にして、得
られたSOD誘導体はSODの2個の SH 基に 2
2 − マレイミドドコサン酸分子がそれぞれ結合した
ものであると同定した。また、得られたSOD誘導体の
赤外線吸収スペクトルを図7に示す。 【0078】試験例1 SOD誘導体の血中濃度 ペントバルビタ−ル麻酔下にラット(Wister 系
雄性、7 週令、体重約 200g、)の大腿静脈より
カニュレ−ションを行い、ヘパリン溶液(1000 U
/ml)を 0.2ml注射した。SODまたはSOD
誘導体を生理食塩水に溶解して得られる溶液(10 m
g/ml)をそれぞれラット1匹当たり 0.2ml 
大腿静脈より注射した。経時的に0.2ml づつ採血
し、血漿中のSOD活性を測定することにより血中濃度
を測定した。SODの血中濃度およびSOD誘導体の血
中濃度の経時変化を図8に示す。 【0079】試験例2 ラット急性胃粘膜病変(胃潰瘍)に対するSOD誘導体
の効果 SD 系雄性ラット(体重 200g )を一晩絶食さ
せたのち、1群 6 匹としてストレスケ−ジに入れて
拘束し、ラットの胸から下を22℃の水に浸漬し、ラッ
トにストレスを負荷した。6 時間後にラットを水から
引き揚げたのち、脱血死させ、胃を摘出した。胃内腔に
 1 %ホルマリンを注入して組織を固定した。固定後
、粘膜面の線状潰瘍の長さを測定しその総和を潰瘍係数
とした。 【0080】なお、コントロ−ル群には 0.5ml 
の生理食塩水を、また試験群には 2mg/ラットの参
考例1で得られた SOD 誘導体を 0.2ml の
生理食塩水溶液として水浸拘束 5 分前に静脈内投与
した。結果を下表に示す。 【0081】 【表2】 【0082】表2から明らかなとおり、試験群ではSO
D誘導体の顕著な抗潰瘍作用が認められた。 【0083】試験例3 ラット冠動脈再灌流性不整脈に対するSOD誘導体の効
果 ラット(Wistar 系雄性、体重 200 〜 2
30 g)を一晩絶食させたのち、ペントバルビタ−ル
(50 mg/kg 体重)を腹腔内投与することによ
り麻酔した。麻酔したラットを、気管切開してレスピレ
−タにより呼吸管理し( 1 回の換気量:1.5ml
/100g体重、換気回数: 60 回/min )、
胸骨縦切開により心臓を露出させた。冠動脈の閉塞を、
左冠動脈前下行枝を回旋枝分岐部より約 3 mm 末
梢で吸引することにより行った。閉塞−再灌流の操作を
 30 分間隔で 2 回行い、第 1 回目の再灌流
 15 分後に、薬剤をラットの大腿静脈に 5 mg
/kg 体重(総量 0.1 ml)投与した。薬剤と
して、コントロ−ル群には生理食塩水を、試験群には参
考例2で得られた SOD 誘導体の生理食塩水による
調製液を用いた。各再灌流時に心電図(II誘導)を 
30 分間連続モニタ−し、心室性期外収縮(PVC)
、心室性頻脈(VT)および心室細動(Vf)を調べた
。結果を下表に示す。 【0084】 【表3】 【0085】表3から明らかなとおり、試験群ではSO
D誘導体の顕著な抗不整脈作用が認められた。 【0086】 【発明の効果】本発明によれば、SODに比べて大幅に
延長された血中半減期を有し、かつ単一の化学構造を有
するSOD誘導体を与える長鎖カルボン酸マレイミド(
I)が提供される。SOD誘導体は血清タンパク質との
可逆的な相互作用を有しており、病巣局所に容易に移行
することが可能である。またSOD誘導体は優れた抗潰
瘍作用を有し、さらに抗炎症作用、抗不整脈作用、抗虚
血障害作用、抗脳浮腫作用などの薬理作用を併せ有する
【図面の簡単な説明】
【図1】電気泳動の結果を示す模式図であり、(a)、
(b)、(c)、(d)、(e)、(f)および(g)
はそれぞれ参考例1において、SODに対する18 −
 マレイミドオクタデカン酸のモル比が 0、1、2、
5、10、20 および 50 の場合に得られた反応
液の電気泳動図の模式図を示す。
【図2】電気泳動の結果を示す模式図であり、(a)は
参考例1で使用したSODの電気泳動図の模式図を示し
、(b)は参考例1で得られたSOD誘導体の電気泳動
図の模式図を示す。
【図3】参考例1で得られたSOD誘導体の赤外線吸収
スペクトルを示す図である。
【図4】電気泳動の結果を示す模式図であり、(a)は
参考例2で使用したSODの電気泳動図の模式図を示し
、(b)は参考例2で得られたSOD誘導体の電気泳動
図の模式図を示す。
【図5】参考例2で得られたSOD誘導体の赤外線吸収
スペクトルを示す図である。
【図6】電気泳動の結果を示す模式図であり、(a)は
参考例3で使用したSODの電気泳動図の模式図を示し
、(b)は参考例3で得られたSOD誘導体の電気泳動
図の模式図を示す。
【図7】参考例3で得られたSOD誘導体の赤外線吸収
スペクトルを示す図である。
【図8】試験例1で測定した血中濃度の経時変化を示す
図であり、(1)、(2)、(3)および(4)はそれ
ぞれSOD、参考例1で得られたSOD誘導体、参考例
2で得られたSOD誘導体および参考例3で得られたS
OD誘導体の血中濃度の経時変化を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  下記の化1 【化1】 (式中、Wは1個以上の酸素原子、硫黄原子、または−
    N(R)−(式中、Rは低級アルキル基を表す)で示さ
    れる基で中断されていてもよい2価の長鎖炭化水素基を
    表す)で示される長鎖カルボン酸マレイミド。
JP3036722A 1991-02-05 1991-02-05 長鎖カルボン酸マレイミド Pending JPH04253958A (ja)

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