JPH041235Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案は、建物の壁パネルに薄板外装板を取付
け支持する構造に関する。

（従来技術及び問題点） PCパネル等からなる壁パネルに薄板外装板を
取付けるものとして、従来から多くの取付固定構
造が提案されている。例えば薄板外装板とパネル
表面間にバインダー、セメントモルタル、接着剤
等を塗着して取付ける工法やパネル表面に取付金
具等からなる取付下地材を設け、この取付下地材
により固定する工法等がある。

これらの各工法はそれぞれ長短所を有するが、
建物躯体を例えばALCパネルによつて構成した
場合は、ALCパネル表面は強度が十分でない為、
直接パネル表面にモルタルを塗布して取付けなけ
ればならず、又下地材が重量のものは取付けるこ
とが出来ない等問題点を有している。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記問題点に鑑み案出されたもので、
ALC等によつて形成された壁パネル内に予めア
ンカープレートを埋め込み、このアンカープレー
トにタツピンネジを貫通させることにより壁パネ
ルの表面を破損することなく取付金物を固定し、
この取付金物により薄板外装板を支持するもので
ある。

（実施例） 以下図面に基づき本考案の支持構造を説明す
る。

第１図はALCパネルによつて形成された建物
躯体表面に薄板外装板を取付けた状態を示す一部
省略斜視図である。

建物躯体は第３図の側面概略図で示すように、
ALCからなる壁パネル１，１により形成されて
いる。壁パネル１，１はＨ型鋼梁１１のフランジ
に固定されたアングル１２，１２及びフアスナー
１３を介して各々固定される。又最下階の壁パネ
ル１は基礎天端（図示せず）上に同様のアングル
及びフアスナーを介して固定される。

上記壁パネル１，１の外表面には薄板外装板
２，２…が取付けられる。

薄板外装板は、例えばガラス板、合成樹脂板、
セメント板、陶板、石板、金属パネル等から成
り、第４図の要部拡大断面図で示す如く、取付金
物３，３…によつて上下端が支持される。又取付
金物３は第２図で示す如く取付部３１と載部３
２，３２及びこの載部３２，３２に直交して外方
に延出した爪片３３，３３から断面略〓状を為し
ている。

一方壁パネル１内には細鉄筋１４，１４…が配
筋され、この細鉄筋１４，１４…の所定位置には
工場等で予めアンカープレート４が溶接されて埋
め込まれている。

斯かる状態において、薄板外装板２，２を所定
位置に配置し、下方に位置する薄板外装板２の上
端部を取付金物３の下側の載部３２に対向させ、
又上側の載部３２には上方に位置する薄板外装板
２の下端部を載置し、両薄板外装板２，２を爪片
３３，３３で支持するとともに、タツピンネジｎ
を取付部３１から壁パネル１に打ち込み固定す
る。タツピンネジｎが打ち込まれる位置は、上述
した様にアンカープレート４が埋め込まれている
箇所である。又打込み位置の壁パネル１の表面に
は補強プレート５を当てがつておく。すると補強
プレート５は所謂緩衝板として働き、タツピンネ
ジｎが打ち込まれる際に壁パネル１の表面を破壊
することなくアンカープレート４に喰い込み定着
する。

尚薄板外装板２の大きさ（例えば600×600mm）
に応じて取付金物３，３…の固定位置が定まり、
その固定位置の細鉄筋１１にアンカープレート４
を溶接してALCを打設すれば取付金物３，３…
とアンカープレート４，４…間では位置擦れが生
じない。

上記の如く壁パネル１，１の上下左右方向の所
定位置に取付金物３，３…を固定してゆき、順次
薄板外装板２，２…を支持する。しかも取付金物
３の上下の載部３２，３２は所定の間隔を有して
いるので横目地は常に定寸法が確保される。又横
目地寸法が正確に確保されると薄板外装板２，２
の側端を定規として正確に縦目地を得ることがで
きる。

尚、薄板外装板の裏面に弾性接着剤を塗布して
おけば補助接着として働き、割れても板片が飛散
することなく安全である。

（効果） 以上の様に、本考案の支持構造は壁パネルにタ
ツピンネジを直接打ち込んでアンカープレートに
喰込ませることにより容易に抜けることなく、且
つ確実に取付金物を固定することが可能となる。
又取付金物の上、下の爪片によつて薄板外装板の
上、下端部がそれぞれ支持されるので、全体とし
て確実な支持構造となる。

更に又、ALC等の脆性材によつて形成された
壁パネルであつてもタツピンネジを打ち込むこと
により壁パネル自体を破壊することなく取付金物
の固定が可能となる等、実利的な効果が大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、建物躯体の表面に薄板外装板を取付
けた状態を示す一部省略斜視図、第２図は、取付
金物の斜視図、第３図は、支持状態を示す側面概
略図、第４図は、支持構造の要部拡大断面図であ
る。 １……壁パネル、２……薄板外装板、３……取
付金物、４……アンカープレート、５……補強プ
レート、ｎ……タツピンネジ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 壁パネル内に埋め込まれたアンカープレートと
   壁パネルの外表面に配置された補強プレートとを
   貫通した状態に打込んだタツピンネジにより取付
   金物を該壁パネルの外表面に固定し、 前記取付金物で、上部と下部に位置する薄板外
   装板を支持するものにおいて、 前記取付金物は前記補強プレートに当接する取
   付部と、所定の間隔で配置された上側の載部と下
   側の載部と、両載部の先端で外方に延出された一
   対の爪片とから成るもので、 前記上側の載部には上部に位置する薄板外装板
   の下端が載置され、同下側の載部には下部に位置
   する薄板外装板の上端が当接されるとともに、 前記爪片により各薄板外装板の脱落が防止され
   ることを特徴とする薄板外装板の支持構造。