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JP7601574B2 - 繊維処理剤組成物 - Google Patents

繊維処理剤組成物 Download PDF

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JP7601574B2 JP2020110575A JP2020110575A JP7601574B2 JP 7601574 B2 JP7601574 B2 JP 7601574B2 JP 2020110575 A JP2020110575 A JP 2020110575A JP 2020110575 A JP2020110575 A JP 2020110575A JP 7601574 B2 JP7601574 B2 JP 7601574B2
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Description

本発明は、透明性の高い繊維処理剤組成物に関する。詳細には、本発明は、消臭性に優れた透明性の高い繊維処理剤組成物に関する。
繊維処理剤として、シリコーンを主基材とし、カチオン界面活性剤やカチオン性の水溶性高分子と併用することで、綿や化繊衣類の風合い(柔軟性付与、滑らかさ付与)を向上させるものが知られている(特許文献1及び2)。このような組成物において、ノニオン性界面活性剤と、1種又は2種以上の水溶性溶剤を含むことで外観を透明にしているものがある(特許文献3)。一方で、上記組成物を用いて繰り返し洗濯を行うと、ニオイ成分も繊維に吸着するため、衣類に臭気が発生し、蓄積する。
そこで、衣類の臭気抑制に効果的な技術として、ハロゲノ-o-ヒドロキシジフェニル化合物などの抗菌性化合物や酸化防止剤の添加があるが(特許文献4及び5)、これは菌によって発生する臭気を抑えることは可能だが、繰り返し洗濯で発生するようなニオイに対する消臭効果は低い。
また、シリコーン化合物とカチオン性化合物とを主基剤とする繊維製品用液体仕上げ剤組成物において、特定の亜鉛化合物を配合することにより防臭性を付与する技術がある(特許文献6)。しかしながら、このような組成物は、繰り返し洗濯を実施する衣類、特に化繊混紡の肌着に対する防臭性や、更に着用後の衣類の体臭の防臭性は低い。
特開2000-154476号公報 特開2009-155739号公報 特開2004-131895号公報 特開2005-187973号公報 特開2007-254902号公報 特開2009-57647号公報
そこで、本発明は、消臭性に優れた透明性の高い繊維処理剤組成物を提供することを課題とする。
上記課題に対して鋭意検討した結果、リシノール酸亜鉛等の脂肪酸亜鉛塩により衣類に高い防臭性を付与し得ることを見出した。しかしながら、リシノール酸亜鉛等の脂肪酸亜鉛塩は、水に溶解せず、通例使用される溶剤にも溶けにくい化合物である。このようなリシノール酸亜鉛等の脂肪酸亜鉛塩を繊維処理剤において活用するには、溶解して、均一とさせることが望ましい。そのため、リシノール酸亜鉛等の脂肪酸亜鉛塩を含む組成物における、透明性の高い外観を維持するのに必要な安定化技術を検討し、本発明を見出した。
本発明は、例えば、下記〔1〕~〔5〕に関するものである。
〔1〕(A)炭素数8~22の脂肪酸亜鉛塩、
(B)炭素数1~4の一価アルコール、グリコールエーテル系溶剤、並びに炭素数2~6及びヒドロキシル基数2~6の多価アルコールからなる群から選ばれる1種又は2種以上の水溶性溶剤、及び
(C)下記式(1)又は(2)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル、
a-O-(C24O)r-H (1)
(式中、Raは炭素数10~18のアルキル基又はアルケニル基を表し、rは平均付加モル数であり、2~30である。)
b-O-(C24O)s(C36O)t-H (2)
(式中、Rbは炭素数10~18のアルキル基又はアルケニル基を表し、s及びtは平均付加モル数であり、sは2~30であり、tは1~20である。)
を含有し、(B)成分と(C)成分の総量/(A)成分の比が25以上を満たす、繊維処理剤組成物。
〔2〕(D)下記式(3)で表されるアミン化合物を更に含有する、前記〔1〕に記載の繊維処理剤組成物。
1(R2)N-(CH2m-N(R3)R4 (3)
(式中、R1~R4は、各々独立して、水酸基又はアミノ基を有していてもよい炭素数1~4の炭化水素基を表し、mは2~6の範囲の整数である。)
〔3〕(A)炭素数8~22の脂肪酸亜鉛塩、
(B)炭素数1~4の一価アルコール、グリコールエーテル系溶剤、並びに炭素数2~6及びヒドロキシル基数2~6の多価アルコールからなる群から選ばれる1種又は2種以上の水溶性溶剤
(C)下記式(1)又は(2)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル、
a-O-(C24O)r-H (1)
(式中、Raは炭素数10~18のアルキル基又はアルケニル基を表し、rは平均付加モル数であり、2~30である。)
b-O-(C24O)s(C36O)t-H (2)
(式中、Rbは炭素数10~18のアルキル基又はアルケニル基を表し、s及びtは平均付加モル数であり、sは2~30であり、tは1~20である。)
及び
(D)下記式(3)で表されるアミン化合物、
1(R2)N-(CH2m-N(R3)R4 (3)
(式中、R1~R4は、各々独立して、水酸基又はアミノ基を有していてもよい炭素数1~4の炭化水素基を表し、mは2~6の範囲の整数である。)
を含有し、(B)成分と(C)成分の総量/(A)成分の比が5以上を満たす、繊維処理剤組成物。
〔4〕(A)成分が、リシノール酸亜鉛である、前記〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の繊維処理剤組成物。
〔5〕(E)シリコーン化合物を更に含有する、前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の繊維処理剤組成物。
本発明の一態様によれば、消臭性に優れた透明性の高い繊維処理剤組成物を提供することができる。なお、本明細書において、透明性は、均一な外観であるか否かや、濁りの程度に基づき評価される。例えば、組成物が均一な外観を有していれば、若干の微濁があっても透明性は高いものと判断できる。
[(A)成分]
本発明の繊維処理剤組成物において(A)成分を配合することにより、繰り返し洗濯で蓄積するニオイの発生、及び、衣類を着用した際に付着するニオイを消臭することが可能となる。
(A)成分は、炭素数8~22の脂肪酸亜鉛塩であり、例えば、ベヘニン酸亜鉛、カプリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、及びリシノール酸亜鉛等を挙げることができる。これらの中でも、リシノール酸亜鉛塩が、衣類への吸着性、及び/又は亜鉛との塩の安定性の面で好ましい。
本発明の繊維処理剤組成物において、(A)成分は、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(A)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、繊維処理剤組成物の総質量に対し、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましい。
[(B)成分]
本発明の繊維処理剤組成物において(B)成分を配合することにより、(A)成分を微細な状態で溶媒中に存在させることができる。
(B)成分は、炭素数1~4の一価アルコール、グリコールエーテル系溶剤、並びに炭素数2~6及びヒドロキシル基数2~6の多価アルコールからなる群から選ばれる1種又は2種以上の水溶性溶剤である。具体的には、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
中でも好ましい例としては、経済性、及び人体や環境への安全性の観点から、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
本発明の繊維処理剤組成物において、(B)成分は、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(B)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、繊維処理剤組成物の総質量に対し、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましい。また、(A)成分との比率では、(A)成分に対する(B)成分の質量比B/Aは、15以上が好ましく、30以上がより好ましい。
本発明の繊維処理剤組成物において、後述する(E)成分としてポリエーテル変性シリコーンを使用する場合、(B)成分としては、エタノールもしくはジエチレングリコールモノブチルエーテル、又はそれらの組合せが好ましい。これらは、(E)成分に関しても微細に乳化させることができる。
(E)成分に対する(B)成分の質量比B/Eは、0.3以上が好ましい。質量比B/Eが0.3以上となる量で(B)成分と(E)成分を混合することにより、(E)成分を十分に微細な状態にすることができる。(B)成分を多量に用いても(E)成分の濃度が低くなり、経済性に欠けることから、質量比B/Eは、好ましくは10以下、より好ましくは5以下である。
[(C)成分]
本発明の繊維処理剤組成物において(C)成分を配合することにより、(A)成分の溶解性を向上させることができる。
(C)成分は、下記式(1)又は(2)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテルである。
a-O-(C24O)r-H (1)
(式中、Raは炭素数10~18のアルキル基又はアルケニル基を表し、rは平均付加モル数であり、2~30である。)
b-O-(C24O)s(C36O)t-H (2)
(式中、Rbは炭素数10~18のアルキル基又はアルケニル基を表し、s及びtは平均付加モル数であり、sは2~30であり、tは1~20である。)
式(1)において、Raは、好ましくは、炭素数12~18のアルキル基又はアルケニル基であり、より好ましくは、炭素数12~16のアルキル基又はアルケニル基である。Raにおけるアルキル基又はアルケニル基は、直鎖状であっても分岐していてもよい。
式(1)において、rは、好ましくは、3~20であり、より好ましくは、3~15である。
式(2)において、Rbは、好ましくは、炭素数12~18のアルキル基又はアルケニル基であり、より好ましくは、炭素数12~16のアルキル基又はアルケニル基である。Rbにおけるアルキル基又はアルケニル基は、直鎖状であっても分岐していてもよい。
式(2)において、sは、好ましくは3~20であり、より好ましくは、3~15である。
式(2)において、tは、好ましくは1~10であり、より好ましくは、1~5である。
式(2)において、(C24O)と(C36O)は、ランダム付加体であっても、ブロック付加体であってもよい。
本発明の繊維処理剤組成物において、(C)成分は、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(C)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、繊維処理剤組成物の総質量に対し、5~50質量%が好ましく、5~40質量%がより好ましく、5~30質量%が更に好ましい。また、(A)成分との比率では、(A)成分に対する(C)成分の質量比C/Aは、15以上が好ましい。
更に、(A)成分の分散及び/又は溶解性を向上させるためには、本発明の繊維処理剤組成物において、(B)成分と(C)成分の総量/(A)成分の比が25以上であることが好ましく、30以上であることがより好ましい。但し、本発明の繊維処理剤組成物が後述の(D)成分を含む場合、(B)成分と(C)成分の総量/(A)成分の比は5以上であればよい。
[(D)成分]
本発明の繊維処理剤組成物において、(D)成分として、下記式(3)で表されるアミン化合物を配合してもよい。本発明の繊維処理剤組成物において(D)成分を配合することにより、(A)成分の溶解性を向上させることができる。また、(D)成分を配合することで、本発明の繊維処理剤組成物により高い透明性を付与することができる。
1(R2)N-(CH2m-N(R3)R4 (3)
(式中、R1~R4は、各々独立して、水酸基又はアミノ基を有していてもよい炭素数1~4の炭化水素基を表し、mは2~6の範囲の整数である。)
1~R4における水酸基又はアミノ基は、R1~R4の各々において、1つであっても複数であってもよいが、好ましくは1つである。
1~R4の炭化水素基は、直鎖状であっても分岐していてもよい。
1~R4は、各々独立して、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキシプロピル基、2-ヒドロキシプロピル基、4-ヒドロキシブチル基、3-ヒドロキシブチル基、2―ヒドロキシブチル基、2-メチル-3-ヒドロキシプロピル基、2-メチル-2-ヒドロキシプロピル基、1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル基、アミノメチル基、2-アミノエチル基、3-アミノプロピル基、2-アミノプロピル基、4-アミノブチル基、3-アミノブチル基、2-アミノブチル基、2-メチル-3-アミノプロピル基、2-メチル-2-アミノプロピル基、又は1,1-ジメチル-2-アミノエチル基であり得る。
(D)成分は、好ましくは、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’-トリメチル-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N,N,N’-トリエチル-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N,N,N’-トリメチル-3-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、N,N,N’-トリメチル-2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、N,N-ジエチル-N’-メチル-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N,N,N’-トリメチル-2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、N,N,N’-トリメチル-2-ヒドロキシエチルブチレンジアミン、N,N-ジメチル-N’,N’-ビス(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N-ジエチル-N’,N’-ビス(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N-ジメチル-N’,N’-ビス(3-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N-ジメチル-N’,N’-ビス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N-ジメチル-N’,N’-ビス(3-ヒドロキシプロピル)プロピレンジアミン、N,N-ジメチル-N’,N’-ビス(2-ヒドロキシプロピル)プロピレンジアミン、N,N-ジエチル-N’,N’-ビス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N-ジエチル-N’,N’-ビス(2-ヒドロキシプロピル)プロピレンジアミン、N,N,N’-トリメチル-2-アミノエチルエチレンジアミン、N,N,N’-トリエチル-2-アミノエチルエチレンジアミン、N,N,N’-トリメチル-3-アミノプロピルエチレンジアミン、N,N,N’-トリメチル-2-アミノプロピルエチレンジアミン、N,N-ジエチル-N’-メチル-2-アミノエチルエチレンジアミン、N,N,N’-トリメチル-2-アミノエチルプロピレンジアミン、N,N,N’-トリメチル-2-アミノエチルブチレンジアミン、N,N-ジメチル-N’,N’-ビス(2-アミノエチル)エチレンジアミン、及びN,N-ジエチル-N’,N’-ビス(2-アミノエチル)エチレンジアミンからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である。
(D)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、繊維処理剤組成物の総質量に対し、0.01~5質量%であることが好ましく、0.1~2質量%であることがより好ましい。(D)成分の配合量が0.01~5質量%の範囲内であると、(A)成分を取り込み可溶化して、繊維処理剤組成物に透明性の高い外観を付与するだけでなく、(A)成分を均一に衣類に吸着するようになり得る。
[(E)成分]
本発明の繊維処理剤組成物において、(E)成分として、一般的に繊維製品処理に使用されているシリコーン化合物を配合してもよい。シリコーン化合物は、繊維製品に吸着した時に、滑らかさを付与することが可能であれば特に限定されない。
一般的に繊維製品処理に使用されているシリコーン化合物としては、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、エポキシポリエーテル変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、ポリグリセロール変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン、ポリエーテル・長鎖アルキル・アラルキル変性シリコーンなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
このシリコーン化合物の分子構造は、直鎖状であっても分岐や架橋していてもよい。また、変性シリコーン化合物は、1種類の有機官能基により変性されていても構わないし、2種以上の有機官能基により変性されていてもよい。
シリコーン化合物の25℃における動粘度は、10~100,000,000mm2/sであるのが好ましく、1,000~100,000mm2/sであるのがより好ましい。動粘度がこのような範囲にあると、配合のし易さ及び本発明の組成物で処理した布の滑り性の点で好ましい。
シリコーン化合物はオイルとして使用してもよい。
繊維へ吸着する効果が高く、柔軟性、滑らかさを高める点から、シリコーン化合物は、非イオン性であることが好ましく、より好ましい例としては、ジメチルシリコーン、カルビノール変性シリコーン、ポリグリセロール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーンが挙げられる。このなかでも特に好ましいシリコーン化合物として、柔軟性付与と変色のなさ・外観の観点から、ポリエーテル変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン及びジメチルシリコーンを挙げることができる。これらのシリコーン化合物は、ポリエーテル基を有しない低分子量のジメチルシリコーンに比べ、キシミ感が少なく良好な柔軟性を有する。
好ましいポリエーテル変性シリコーンとしては、アルキル(炭素数1~3)シロキサンとポリオキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2~5が好ましい)の共重合体が挙げられる。このうち、ジメチルシロキサンとポリオキシアルキレン(ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのランダム又はブロック共重合体など)の共重合体が好ましい。このようなものとして、下記一般式(I)又は(II)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007601574000001
(式中、M、N、a及びbは平均重合度であり、Rは水素又はアルキル基を表す。)
ここで、Mは10~10000、好ましくは100~300、Nは1~1000、好ましくは1~100、かつM>Nであることが好ましく、aは2~100、好ましくは2~50、bは0~50、好ましくは0~10である。Rとしては水素又は炭素数1~4のアルキル基が好ましい。
一般式(I)で表されるポリエーテル変性シリコーンは、一般に、Si-H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、例えばポリオキシアルキレンアリルエーテル等の、炭素-炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルとを白金触媒下、付加反応させることにより製造することができる。従って、ポリエーテル変性シリコーン中には未反応のポリオキシアルキレンアルキルエーテルやSi-H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンがわずかに含まれる場合がある。Si-H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは反応性が高いため、ポリエーテル変性シリコーン中の存在量として30ppm以下(-Hの量として)で存在していることが好ましい。
Figure 0007601574000002
(式中、A、B、h、及びiは平均重合度であり、Rはアルキル基を表し、R’は水素又はアルキル基を表す。)
ここで、Aは5~10000、Bは2~10000であることが好ましく、hは2~100、iは0~50が好ましい。Rとしては炭素数1~5のアルキル基が好ましい。R’としては水素又は炭素数1~4のアルキル基が好ましい。また、式(II)で表されるブロック共重合体の重量平均分子量は、柔軟性及び滑らかさ付与の観点から15,000~100,000,000であることが好ましい。
上記式(II)で表される線状ポリシロキサン-ポリオキシアルキレンブロック共重合体は、反応性末端基を有するポリオキシアルキレン化合物と、該化合物の反応性末端基と反応する末端基を有するジヒドロカルビルシロキサンとを反応させることにより製造することができる。
ポリエーテル変性シリコーンオイルの具体的な例としては、ダウ東レ(株)製のDOWSILTMシリーズ(旧東レ・ダウコーニング(株)社のカタログ中のものも含む)のFZ-2164、FZ-2154、FZ-2191、L-7001、FZ-2120、L-7002、SH3749、SH3771、SH3772、SH3775、CF1188N、SF8410、FZ-2104、FZ-7604、FZ-2161、FZ-2222、信越化学工業(株)製のKF352A、KF6008、KF615A、KF6016、KF6017、モメンティブジャパン製のTSF4450、TSF4452等が挙げられ、また、アミノポリエーテル変性シリコーンオイルの具体的な例としては、ダウ東レ(株)製のDOWSILTMシリーズのFZ-3789、SILSTYLE104、SILSTYLE201、SILSTYLE が挙げられ、これらを1種単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。
シリコーン化合物の配合量は特に限定されないが、滑らかさ及び組成物の粘度の点から、繊維処理剤組成物の総質量に対し、0.1~50質量%が好ましく、さらに好ましくは3~50質量%、特に好ましくは6~15質量%である。これにより、滑らかさなどの効果を優秀なものとすることができ、かつ、均一吸着を良好なものとすることができる。
[(F)成分]
本発明の繊維処理剤組成物において、(F)成分として、カチオン性を有する水溶性高分子化合物を配合してもよい。このような水溶性高分子化合物は、シリコーン化合物を繊維へ吸着させる効果を有する。
カチオン性を有する水溶性高分子化合物としては、水に溶解した時にカチオン性を有するものを使用し得るが、特にカチオン性を有する水溶性高分子化合物としては、アミノ基、アミン基、第4級アンモニウム基から選ばれる1種以上のカチオン性基を有する水溶性高分子化合物が好ましい。なお、本明細書において、水溶性高分子とは、25℃の水100gに対し、高分子化合物1gを加えたときに、その液が濁らず透明であるものをいう。 カチオン性を有する水溶性高分子化合物は、カチオン化度が0.1%以上のものが好ましく、例えば0.1~35%であるのがよく、特に2.5%以上が好ましく、例えば2.5~15%であるのがよい。カチオン化度がこのような条件を満たすことにより、共存するシリコーン化合物を繊維へ吸着させる効果を優秀なものとすることができ、かつ、多量の配合が必要となって経済的でないケースを防止することができる。
ここで、カチオン化度とは、高分子化合物がカチオン性モノマーの重合体、カチオン性モノマーとノニオン性モノマーの共重合体、及びノニオン性重合体の一部をカチオン性基で変性又は置換したもの(カチオン化セルロースなど)の場合には下記式(A)により、また、高分子化合物がカチオン性モノマーとアニオン性モノマーの共重合体、及びカチオン性モノマーとアニオン性モノマーとノニオン性モノマーの共重合体の場合には、下記式(B)により算出される値と定義する。
カチオン化度(%)=X×Y×100 式(A)
[X:高分子化合物のカチオン性基中のカチオン化された原子(窒素等)の原子量
Y:高分子化合物1g中に含まれるカチオン性基のモル数]
カチオン化度(%)=X×(Y-Z)×100 式(B)
[X:高分子化合物のカチオン性基中のカチオン化された原子(窒素等)の原子量
Y:高分子化合物1g中に含まれるカチオン性基のモル数
Z:高分子化合物1g中に含まれるアニオン性基のモル数(Zのアニオン性基とは、高分子鎖中のモノマー単位に含まれるカルボキシル基、スルホン酸基などが挙げられる。具体的には、アクリル酸中のカルボン酸などである。ただし、カチオン性基の対イオンは含まない。)]
カチオン化度の算出例として、下記式(III)で表されるMERQUAT280(NALCO社製)の場合を示す。
Figure 0007601574000003
塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸との質量比=80:20
X:14(窒素原子の原子量)
Y:4.95×10-3(カチオン性基の1g中の重量:0.8gとカチオン性基の分子量より算出)
Z:2.78×10-3(アニオン性基の1g中の重量:0.2gとアニオン性基の分子量より算出)
式(2)より、
カチオン化度(%)= 14×(4.95×10-3-2.78×10-3)×100=3.0である。
よって、上記記載のカチオン化度の算出法によれば、ノニオン性モノマーの重合体やアニオン性モノマーの重合体のカチオン化度は0%となる。
カチオン性を有する水溶性高分子は、ポリエチレングリコールを標準物質としてゲルパーメーションクロマトグラフィ法で測定される重量平均分子量が、1,000~5,000,000であることが好ましく、より好ましくは3,000~1,000,000であり、さらに好ましくは5,000~500,000である。これにより粘度の上昇を抑えて使用性を優秀なものとすることが可能となる。
カチオン性を有する水溶性高分子化合物の具体例としては、Merquat100(ルーブリゾール社製)、アデカカチオエースPD-50(旭電化工業(株))、ダイドールEC-004、ダイドールEC―315D(大同化成工業(株)製)等の塩化ジメチルジアリルアンモニウムの重合体、Merquat550(ルーブリゾール社製)等の塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、Merquat280(ルーブリゾール社製)等の塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体、レオガードMGP、レオガードKGP(ライオン(株)製)等のカチオン化セルロース、LUVIQUAT-FC905(BASF社製)等の塩化イミダゾリニウム・ビニルピロリドン共重体、LUGALVAN-G15000(BASF社製)等のポリエチレンイミン、ポバール11-98((株)クラレ製)等のカチオン化ポリビニルアルコール、キトサン等のアミノ基を有する天然系の高分子誘導体、ジエチルアミノメタクリレート・エチレンオキシド等が付加された親水基を有するビニルモノマーとの共重合体等が挙げられるが、水に溶解時にカチオン性を有する高分子化合物であればよく、本例に限定されるものではない。
この中で、シリコーンの付与する柔軟性などの風合いを妨げない観点から、カチオン性高分子が単独で吸着した時に繊維に付与する剛性の小さいものが好ましい。
特に好ましい高分子としては、ジメチルジアリルアンモニウム塩を重合して得られるカチオン性高分子である。
カチオン性を有する水溶性高分子化合物を1種単独で用いてもよいし、混合物として用いることもできる。
カチオン性を有する水溶性高分子化合物の配合量は特に限定されないが、繊維製品に剛性を付与しない範囲のものとするのが好ましく、例えば、繊維処理剤組成物の総質量に対し、0.1~30質量%とするのがよく、さらに好ましくは0.5~10質量%とするのがよい。このような範囲のものとすることにより、シリコーンの吸着促進効果を高めて、柔軟性、滑らかさなどの効果を十分なものとすることが可能となり、かつ、粘度の上昇を抑えて使用性の面で良好なものとすることができる。
[その他の任意成分]
<香料>
本発明の繊維処理剤組成物には、組成物の芳香のために香料を添加することができる。使用され得る香料原料のリストは、様々な文献、例えば「Perfume and Flavor Chemicals」,Vol.Iand II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)および「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)および「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)および「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等で見られ、それぞれを引用することにより本明細書の開示の一部とする。
<染料及び/又は顔料>
染料及び顔料は、それぞれ繊維処理剤組成物の外観を向上するために配合され得る。
染料及び顔料共に、繊維処理剤分野で公知の成分を特に制限なく使用できる。添加できる染料の具体例は、染料便覧(有機合成化学協会編,昭和45年7月20日発行,丸善株式会社)などに記載されている。また、特開平6-123081号公報、特開平6-123082号公報、特開平7-18573号公報、特開平8-27669号公報、特開平9-250085号公報、特開平10-77576号公報、特開平11-43865号公報、特開2001-181972号公報や特開2001-348784号公報などに記載されている染料も使用できる。
好ましくは、酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料及び媒染・酸性媒染染料から選ばれる、赤色、青色、黄色もしくは紫色系の水溶性染料の1種以上である。
染料及び顔料のそれぞれについて、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。また、染料と顔料とを併用してもよい。
染料及び顔料の各配合量は、配合目的を達成できる限り特に限定されないが、繊維処理剤組成物の総質量に対し、好ましくは1~50ppm、より好ましくは1~30ppmである。
<防腐剤>
防腐剤は、主に、繊維処理剤組成物の防腐力や殺菌力を強化し、長期保存中の防腐性を保つために配合され得る。
防腐剤としては、繊維処理剤分野で公知の成分を特に制限なく使用できる。具体例としては、例えば、イソチアゾロン系の有機硫黄化合物、ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物、安息香酸類、フェノール系のフェノール化合物、そして、2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール等が挙げられる。
イソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-n-ブチル-3-イソチアゾロン、2-ベンジル-3-イソチアゾロン、2-フェニル-3-イソチアゾロン、2-メチル-4,5-ジクロロイソチアゾロン、5-クロロ-2-メチル-3-イソチアゾロン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンや、これらの混合物などが挙げられる。なかでも、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンが好ましく、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンと2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンとの混合物がより好ましく、前者が約77質量%と後者が約23質量%との混合物やその希釈液(例えば、イソチアゾロン液)が特に好ましく、具体例としてはDDPスペシャルティ・プロダクツ・ジャパン社製のケーソンCG-ICP等が挙げられる。
ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4,5-トリメチレン-4-イソチアゾリン-3-オン、類縁化合物としてジチオ-2,2-ビス(ベンズメチルアミド)や、これらの混合物などが挙げられる。なかでも、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンが特に好ましく、具体例としてはクラリアント(株)製のニッパサイドや、(株)ロンザ製のプロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL、プロキセルLV、プロキセルCRL、プロキセルNBZ、プロキセルAM、プロキセルB20などが挙げられる。
安息香酸類、フェノール化合物としては、安息香酸又はその塩、サリチル酸又はその塩、パラヒドロキシ安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸ベンジル、3-メチル-3-イソプロピルフェノール、o-フェニルフェノール、2-イソプロピル-5-メチルフェノール、レゾルシン、クレゾール、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾールなどを使用することができる。
防腐剤の含量は、配合目的を達成できる限り特に限定されないが、繊維処理剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.0001~1質量%である。含量が0.0001質量%以上であると、防腐剤の配合効果が十分に得られ、1質量%以下であると、繊維処理剤組成物の高い保存安定性を十分に維持することができる。
<抗菌剤>
抗菌剤は、繊維処理剤組成物で繊維を処理した際に衣類に抗菌効果を付与できたり、組成物の保存性を高めるために配合され得る。
抗菌剤としては、繊維処理剤分野で公知の成分を特に制限なく使用できる。具体例としては、例えば、炭素数12~16のアルキルトリメチルアンモニウム塩(ライオンスペシャリティケミカルズ社製リポカードC12-37W、リポカードC50、リポカードC16Cl塩、リポカードC16MS塩等)、ジアルキルジメチルアンモニウム塩(ライオンスペシャリティケミカルズ社製リポカード210-80E、ロンザ社製CarboquatMW50等)、ジアルキルメチルポリアンモニウムプロピオネート(ロンザ社製Bardap26等)、ダイクロサン(BASF社製 チノサンHP100等)、トリクロサン、塩化ベンザルコニウム(ロンザ社製 BarquatMS100、BarquatMB80等)、塩化ベンゼトニウム、ビス-(2-ピリジルチオ-1-オキシド)亜鉛、8-オキシキノリン、ビグアニド系化合物(ロンザ社製 ProxelIB)、塩酸クロロヘキシジンや、ポリリジン等が挙げられる。
これらの中でも、C12-16アルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム、ビグアニド系化合物や、塩酸クロロヘキシジンが好ましい。
抗菌剤の含量は、配合目的を達成できる限り特に限定されないが、繊維処理剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.001~5質量%である。
<紫外線吸収剤>
紫外線吸収剤は、繊維処理剤組成物を紫外線から保護するために配合され得る。
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収し、赤外線や可視光線等に変換して放出することで、紫外線防御効果を発揮する成分である。
紫外線吸収剤としては、液体柔軟剤分野で公知の成分を特に制限なく使用できる。具体例としては、例えば、p-アミノ安息香酸、p-アミノ安息香酸エチル、p-アミノ安息香酸グリセリルや、p-ジメチルアミノ安息香酸アミル等のアミノ安息香酸誘導体;サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸オクチルや、サリチル酸ミリスチル等のサリチル酸誘導体;ジイソプロピルケイ皮酸メチル、p-メトキシケイ皮酸エチル、p-メトキシケイ皮酸イソプロピル、p-メトキシケイ皮酸-2-エチルヘキシルや、p-メトキシケイ皮酸ブチル等のケイ皮酸誘導体;2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸や、2、2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;ウロカニン酸や、ウロカニン酸エチル等のアゾール系化合物;4-t-ブチル-4'-メトキシベンゾイルメタン等が挙げられる。
紫外線吸収剤の含量は、配合目的を達成できる限り特に限定されないが、繊維処理剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.001~5質量%である。
<消泡剤>
本発明の繊維処理剤組成物には、消泡剤を配合すると、繊維処理する際の泡立ち、組成物を計量する際の泡立ちを抑えることができる。消泡剤としては、例えばシリコーン系消泡剤、アルコール系消泡剤、エステル系消泡剤、鉱油系消泡剤、植物油系消泡剤、及び合成油系消泡剤等が挙げられるが、シリコーン系の消泡剤が好ましい。シリコーン系消泡剤としては、オイル型消泡剤、コンパウンド型消泡剤、自己乳化型消泡剤、エマルション型消泡剤、粉末型消泡剤及び固形型消泡剤等が挙げられ、この中でも、自己乳化型消泡剤及びエマルション型消泡剤が好ましい。消泡剤の配合量は特に限定されないが、組成物の全質量をベースとして、0.1ppm~1.0質量%とすることができ、さらに好ましくは1ppm~0.05質量%とすることができる。
<その他>
前記の任意成分以外にも、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の繊維処理剤に使用されている添加剤などを使用することができる。そのような添加剤として、具体的には、カチオン性界面活性剤、流動パラフィン、高級アルコールなどの油剤、尿素、炭化水素、非イオン性セルロース誘導体、紫外線吸収剤、蛍光増白剤等を適宜配合でき、更に、繊維処理剤組成物の香気や色調の安定性を向上させるための酸化防止剤や還元剤、乳濁剤(ポリスチレンエマルジョンなど)、不透明剤、縮み防止剤、洗濯じわ防止剤、形状保持剤、ドレープ性保持剤、アイロン性向上剤、酸素漂白防止剤、増白剤、白化剤、布地柔軟化クレイ、帯電防止剤、移染防止剤(ポリビニルピロリドンなど)、高分子分散剤、汚れ剥離剤、スカム分散剤、蛍光増白剤(4,4-ビス(2-スルホスチリル)ビフェニルジナトリウムなど)、染料固定剤、退色防止剤(1,4-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジンなど)、染み抜き剤、繊維表面改質剤(セルラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼや、ケラチナーゼなどの酵素)、抑泡剤、水分吸放出性など絹の風合い・機能を付与する成分(シルクプロテインパウダー、それらの表面改質物、乳化分散液、具体的にはK-50、K-30、K-10、A-705、S-702、L-710、FPシリーズ(出光石油化学)、加水分解シルク液(上毛)、シルクゲンGソルブルS(一丸ファルコス))や、汚染防止剤(アルキレンテレフタレート及び/又はアルキレンイソフタレート単位とポリオキシアルキレン単位とからなる非イオン性高分子化合物、例えば、互応化学工業製FR627、クラリアント社製SRC-1など)、後述するpH調整剤等を適宜配合できる。なお、アニオン性界面活性剤、アニオン性高分子化合物は、配合する場合には、シリコーン化合物の吸着効果を考慮して、(F)成分のカチオン性高分子化合物の含有量よりも低い量で配合するのがよい。
また、酸化防止剤を配合する場合は、繊維処理剤組成物の外観や保存安定性の観点から、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)、メトキシフェノール、トコフェロール系化合物等が好ましい。酸化防止剤の配合量は、0.01~1.0質量%の範囲で使用されることが好ましい。
<水>
繊維処理剤組成物は、好ましくは水を含む液体状の水性組成物である。
水としては、水道水、イオン交換水、純水、蒸留水など、いずれも用いることができる。なかでもイオン交換水が好適である。
[組成物のpH]
本発明の繊維処理剤組成物のpH(25℃、ガラス電極を用いて測定)は特に限定されないが、4~8の範囲であることが好ましく、5~7の範囲であることがより好ましい。その範囲にするべく、必要に応じて、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、N-メチルエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン等の短鎖アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属珪酸塩などのpH調整剤を用いることができる。
[組成物の粘度]
本発明の繊維処理剤組成物の粘度(25℃、B型粘度計、2番ローターを使用、10回転後の示度を読みとる)は特に限定されないが、洗濯のすすぎ行程ですすぎ水に添加する製品の場合、500mPa・s以下であることが好ましく、一方、トリガースプレー容器やディスペンサー容器などに充填し、繊維製品に直接噴霧して使用する製品の場合は、100mPa・sであると使用性が良好である。
[組成物の調製方法]
本発明の繊維処理剤組成物の調製方法は特に限定されず、各成分を混合することにより本発明の繊維処理剤組成物を調製することができる。例えば、(A)成分と(B)成分をガラスビーカー等の容器に入れて撹拌した後、攪拌しながら(C)成分を添加すればよい。(D)成分やその他の任意成分は、特に限定されないが、(C)成分の添加後に添加すればよい。
[組成物の使用方法]
本発明の繊維処理剤組成物の用途、使用方法は特に限定されないが、綿等の天然繊維製品や、ポリエステル等の化学繊維製品に対して使用する場合は、洗濯機の洗剤投入口や柔軟剤投入口に入れて、洗濯機で衣類を処理するでもよく、また、トリガースプレー容器に入れ、衣類に噴霧する使用法でもよい。いずれの場合も(A)成分が布重量あたり、0.001%以上付着、吸着すれば、いずれの布に対しても、高い消臭性能を付与することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施例において成分配合量はすべて質量%(指定のある場合を除き、純分換算)を示す。
[(A)成分]
・A-1:リシノール酸亜鉛(TEGOSORB Conc50、EVONIK社)
・A-2:ステアリン酸亜鉛(試薬、富士フィルム和光純薬)
・A-3(比較例):グルコン酸亜鉛(試薬、富士フィルム和光純薬)
[(B)成分]
・B-1:95%エタノール(試薬、日本アルコール販売より)
・B-2:ブチルカルビトール(試薬、東京化成工業)
[(C)成分]
・C-1:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(C12-14、EO10)(EMALEX710、日本エマルジョン)
・C-2(比較例):ポリオキシエチレンアルキルエーテル(C13、EO40)(レオコールTDA-400-75、ライオンスペシャリティケミカルズ)
[(D)成分]
・D-1:N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン(試薬、東京化成工業)
[(E)成分]
・E-1:ポリエーテル変性シリコーン(DOWSILTMCF1188N、ダウ東レ株式会社製)
・E-2:ポリエーテル変性シリコーン(DOWSILTMSH3775、ダウ東レ株式会社製)
・E-3:アミノポリエーテル変性シリコーン(DOWSILTMFZ-3789、東レ・ダウコーニング株式会社製)
[(F)成分]
・F-1:ジメチルジアリルアンモニウムクロリドの重合体(MERQUATTM100、ルーブリゾール社製)
[他の任意成分]
・G-1:下記表1に示される組成で香料成分を含む香料組成物
Figure 0007601574000004
[繊維処理剤組成物の調製方法]
100mLガラスビーカーにて、(A)成分を入れたのちに、(B)成分を入れ、約3cmのスターラーで攪拌した。次いで、(A)成分と(B)成分の混合物を攪拌しながら(C)成分を添加し、その後、(C)成分添加後の混合物を攪拌しながら水を添加し、その上で、(D)成分を添加した。(E)成分、(F)成分及び(G)成分を添加する場合は、水を添加する前の時点で混合物に加えて、攪拌した。いずれもpHを7に合わせるために、硫酸(試薬)を適量加え、最後水でバランスをとった。調製した繊維処理剤組成物の組成は、下記表2及び3に示すとおりである。
<着用後の衣類の臭気評価(評価1)>
洗濯する衣類として、ポリエステル90%、ポリウレタン10%のエアリズム(UNIQLO:ファーストリテイリング社製)を用い、次の条件で洗濯を実施した。Panasonic ドラム式洗濯機NA-VX700にて、トップNANOXを洗剤投入口にセットし、上記調製方法のとおり調製した繊維処理剤組成物を仕上げ剤投入口にセットし、お任せコースで洗濯を実施した(布量は1kg)。洗濯後、乾燥した衣類を1日8時間着用し、着用後の衣類の臭気について、下記の6段階臭気強度の基準に基づき、評価者6名で評価した。結果を6名の平均値で表し、下記表2における「評価1」の項で示した。3点未満を合格とした。
(6段階臭気強度の基準)
5点:強烈なニオイ、4点:強いニオイ、3点:楽に感じるニオイ、2点:弱いニオイ、1点:感じないニオイ、0点:無臭。
<繰り返し洗濯による蓄積臭の臭気評価(評価2)>
ポリエステル90%、ポリウレタン10%のエアリズム(UNIQLO:ファーストリテイリング社製)を日中着用し、着用後の当該衣類について、洗濯を次の条件で繰り返し実施した。Panasonic ドラム式洗濯機NA-VX700にて、トップNANOXを洗剤投入口にセットし、上記調製方法のとおり調製した繊維処理剤組成物を仕上げ剤投入口にセットし、10枚の湿式人工汚染布20cm×20cmとともに、お任せコースで洗濯を10回繰り返し実施した(布量は着用後衣類と人工汚染布の合計で1kg)。繰り返し洗濯後の衣類の臭気について、下記の6段階臭気強度の基準に基づき、評価者6名で評価した。結果を6名の平均値で表し、下記表3における「評価2」の項で示した。3点未満を合格とした。なお、湿式人工汚染布は、(財)洗濯科学協会より購入したものである。
(6段階臭気強度の基準)
5点:強烈なニオイ、4点:強いニオイ、3点:楽に感じるニオイ、2点:弱いニオイ、1点:感じないニオイ、0点:無臭。
[繊維処理剤組成物の評価方法]
<外観評価(評価3)>
上記調製方法のとおり調製した繊維処理剤組成物を、密閉可能な蓋つき透明ガラス瓶に移して、更に、室温にて24時間静置し、その外観について、以下の基準で評価した。△以上を合格とした。結果を下記表2及び3における「評価3」の項で示した。
×:析出
△:均一な外観だが、若干微濁
〇:均一な外観で、ほとんどクリアだが、若干微濁
◎:均一な外観で、クリアな状態
Figure 0007601574000005
表中、各成分の組成における数値は質量%を表す。
Figure 0007601574000006
表中、各成分の組成における数値は質量%を表す。

Claims (3)

  1. (A)炭素数8~22の脂肪酸亜鉛塩、
    (B)炭素数1~4の一価アルコール、グリコールエーテル系溶剤、並びに炭素数2~6及びヒドロキシル基数2~6の多価アルコールからなる群から選ばれる1種又は2種以上の水溶性溶剤、
    (C)下記式(1)又は(2)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル、
    a-O-(C24O)r-H (1)
    (式中、Raは炭素数10~18のアルキル基又はアルケニル基を表し、rは平均付加モル数であり、2~30である。)
    b-O-(C24O)s(C36O)t-H (2)
    (式中、Rbは炭素数10~18のアルキル基又はアルケニル基を表し、s及びtは平均付加モル数であり、sは2~30であり、tは1~20である。)
    及び
    (D)下記式(3)で表されるアミン化合物、
    1(R2)N-(CH2m-N(R3)R4 (3)
    (式中、R1~R4は、各々独立して、水酸基又はアミノ基を有していてもよい炭素数1~4の炭化水素基を表し、mは2~6の範囲の整数である。)
    を含有し、
    (C)の配合量が、3~30質量%であり、
    (D)の配合量が、0.1~5質量%であり、かつ
    (B)成分と(C)成分の総量/(A)成分の比が5以上を満たす、繊維処理剤組成物。
  2. (A)成分が、リシノール酸亜鉛である、請求項に記載の繊維処理剤組成物。
  3. (E)シリコーン化合物を更に含有する、請求項1又は2に記載の繊維処理剤組成物。
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