下記の実施形態1においては、本開示の規制部材について図面を用いて説明し、下記の実施形態2においては、本開示のアダプタについて図面を用いて説明する。ただし、下記の各実施形態は、本開示の様々な実施形態の一部に過ぎない。下記の各実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の各実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、下記の各実施形態(変形例を含む)は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
(実施形態1)
(概要)
先ず、本実施形態に係る規制部材K1が適用されるアダプタ5及びDCダクトシステム100の概要について説明する。
図1はアダプタ5とDCダクトシステム100の一部との斜視図であり、規制部材K1がDCダクトシステム100に取り付けられた状態を示す。図2はアダプタ5とDCダクトシステム100の一部との斜視図であり、規制部材K1がDCダクトシステム100から分離した状態を示す。図6はDCダクトシステム100の適用例の斜視図であり、図7はその適用例の正面図であり、図8はその適用例の右側面図であり、図9はその適用例の平面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る規制部材K1は、DCダクトシステム100からの、アダプタ5の取り外しを規制するように構成される。ここでは、規制部材K1は、DCダクトシステム100に接続されている状態のアダプタ5に対して外付けされるように構成される。
DCダクトシステム100は、コネクタ95が接続されるアダプタ5が着脱可能なDCダクト3を有する。ここでは、DCダクト3は、ダクトレール31(図1、図2、図4参照)と、導電バー32(図1、図2、図4、図13、図14参照)と、を有する。ここでは一例として、導電バー32は、アダプタ5に対して、ダクトレール31の長さ方向に連続した取付領域のうち任意の位置において電気的に接続可能である。言い換えると、アダプタ5は、DCダクト3の長さ方向に連続した取付領域のうち任意の位置に取り付けられる。アダプタ5には、DC電力を受電するコネクタ95(図14参照)が接続可能である。DCダクトシステム100は、アダプタ5を介してコネクタ95にDC(直流)電力を供給する。導電バー32は、ダクトレール31に収納されている。
上記取付領域は、ダクトレール31の表面又は内部に設けられた領域である。本実施形態のDCダクト3は、ダクトレール31の長さ方向に沿って形成された凹部3110(図1、図2参照)を含む。より詳細には、凹部3110は、ダクトレール31の長さ方向の両端に亘って形成されている。上記取付領域は、凹部3110が設けられた領域と一致する。
コネクタ95は、電気機器94の(又は、電気機器94に接続されるケーブルの)コネクタである。コネクタ95をアダプタ5に接続することで、DCダクト3から電気機器94に電力を供給することができる。よって、電力を電源コンセントから又は電源コンセントの電力を分配する電源タップから電気機器94に供給する場合と比較して、配線の取り回しを改善させることができる。
ここでいう電気機器94の種類は、特に限定されない。電気機器94の一例としては、コンピュータ端末(パーソナルコンピュータ、スマートフォン及びタブレット端末等)、コンピュータ端末の付属機器(モニタ、スピーカ及びマイクロフォン等)、照明機器(デスクライト等)、ネットワークカメラ、センサ(温度センサ、湿度センサ及び照度センサ等)、ゲーム機及び空調機器(卓上扇風機等)が挙げられる。
DCダクトシステム100は、例えば、什器に固定されて使用される。什器とは、住宅又は非住宅で使用される家具及び備品等の器具の総称である。什器の一例は、物を載せる台として使用される机、テーブル及び作業台等である。什器の別の一例は、棚、箱、ドレッサー、ベッド、ホワイトボード、スクリーン、間仕切り及び長椅子等である。
図6~図16等では、一例として、DCダクトシステム100が什器としての机7に固定されて使用される場合を例に説明する。図6に示すように、机7は、平面視長方形状の天板71と、2つの脚部72と、2つの支持台73と、を有する。以下では、天板71の長辺に沿った方向を左右方向と規定し、天板71の短辺に沿った方向を前後方向と規定し、天板71の法線に沿った方向を上下方向と規定する場合がある。ただし、これらの規定は、DCダクトシステム100の使用方向を限定する趣旨ではない。また、図1、図2、図4、図6~図16等における前後、左右、上下を表す矢印はそれぞれ、説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
ところで、DCダクトシステム100は、上述の通り、机7等の什器に設置される可能性がある。つまり、利便性の観点から、アダプタ5が、比較的に人(例えば、DCダクト3からの給電を利用するユーザ)の手の届きやすい位置に設置される可能性がある。その場合、人(ユーザ等)によってDCダクト3からアダプタ5が無断で持ち出さられてしまう可能性がある。
これに対して、規制部材K1は、図1に示すように、アダプタ5の少なくとも一部を覆うように構成された壁部K2と、特定のキーK4によって施錠状態及び解錠状態が切り替わる錠部K3と、を備える。規制部材K1は、錠部K3が施錠状態において、壁部K2が少なくとも一部を覆う態様でDCダクト3に取り付けられ、アダプタ5の取り外しを規制する。なお、ここでいう「少なくとも一部」は、一例として、アダプタ5の操作部52(解除レバー)であることを想定する。
この構成によれば、特定のキーK4で錠部K3を解錠状態にしない限り、規制部材K1が、アダプタ5の取り外しを規制することになる。結果的に、DCダクト3からのアダプタ5の持ち出しが起きにくくなる。
(詳細)
(1)DCダクトシステム
以下、先ず、規制部材K1が適用されるDCダクトシステム100及びDCダクトシステム100と共に用いられる構成について、より詳細に説明する。
図6に示すように、DCダクトシステム100は、ダクト固定具F1と、2つ(図6では1つのみ図示)のDCダクト3と、2つ(図6では1つのみ図示)のフィードイン4(フィードインキャップ)(図10参照)と、2つ(図10では1つのみ図示)のエンドキャップE1と、を備える。ダクト固定具F1は、2つの第1固定部1と、2つの第2固定部2と、を有する。2つの第1固定部1は、2つのDCダクト3と一対一で対応する。各第1固定部1は、対応するDCダクト3を保持する。つまり、各DCダクト3は、対応する第1固定部1に固定される。2つの第2固定部2は、什器(机7)に固定される。
また、DCダクトシステム100と共に用いられる構成としては、1以上のアダプタ5(図1、図2参照)と、3つのパーティション6と、机7と、がある。
(2)机
図6に示すように、机7は、平面視長方形状の天板71と、2つの脚部72と、2つの支持台73と、を有する。2つの脚部72のうち一方は、天板71の右端付近から下に突出しており、他方は、天板71の左端付近から下に突出している。2つの支持台73は、2つの脚部72と一対一で対応する。各支持台73は、対応する脚部72の下端につながっており、脚部72を支持する。
(3)第1固定部
図9に示すように、2つの第1固定部1は、前後に並んで、互いに合わさっている。図10に示すように、2つの第1固定部1の各々は、ダクト収納部11と、2つの連結突起12と、を含む。ダクト収納部11と2つの連結突起12とは、一体に形成されている。
ダクト収納部11の形状は、直方体状である。ダクト収納部11は、左右方向に長さを有する。2つの連結突起12のうち一方は、ダクト収納部11の右端から突出しており、他方は、ダクト収納部11の左端から突出している。ダクト収納部11は、DCダクト3(及びDCダクト3のダクトレール31)を収納する。また、ダクト収納部11は、フィードイン4をも収納する。2つの連結突起12の各々は、第1固定部1を第2固定部2に連結するための構成である。
各第1固定部1は、収納溝130と、2つの通線溝140と、を有する。収納溝130は、DCダクト3と、フィードイン4と、を収納する。通線溝140には、DCダクト3に電気的に接続される配線W1(図12A、図12B参照)が通される。
収納溝130は、ダクト収納部11に設けられている。収納溝130は、ダクト収納部11の長さ方向(左右方向)に沿って形成されている。2つの第1固定部1のうち前側の第1固定部1では、収納溝130は、ダクト収納部11の前面において開口しており、後側の第1固定部1では、収納溝130は、ダクト収納部11の後面において開口している。
2つの通線溝140は、2つの連結突起12と一対一で対応する。各通線溝140は、対応する連結突起12と、ダクト収納部11と、に亘って設けられている。つまり、第1固定部1の右端と左端とにそれぞれ通線溝140が設けられている。各通線溝140は、ダクト収納部11の長さ方向(左右方向)に沿って形成されている。2つの第1固定部1のうち前側の第1固定部1では、各通線溝140は、ダクト収納部11の後面において開口しており、後側の第1固定部1では、各通線溝140は、ダクト収納部11の前面において開口している。
2つの第1固定部1が合わさることで、2つの第1固定部1の各々の右端の通線溝140が合わさって、1つの空間を形成し(図12A参照)、かつ、2つの第1固定部1の各々の左端の通線溝140が合わさって、別の1つの空間を形成する。各通線溝140は、収納溝130とつながっている。通線溝140に通された配線W1は、収納溝130に収納されたフィードイン4の端子部432(図12A、図12B参照)に電気的に接続され、端子部432を介して、DCダクト3の導電バー32(図11、図12A参照)に電気的に接続される。
2つの第1固定部1の各々は、パーティション固定構造S1の一部として、4つ(図10では2つのみ図示)の窪み150を有する。4つの窪み150は、ダクト収納部11に設けられている。2つの第1固定部1が合わさることで、2つの第1固定部1の各々の4つの窪み150がそれぞれ合わさって、2つの第1固定部1の間の4つの隙間を形成する。この4つの隙間がそれぞれ、パーティション固定構造S1に相当する。各パーティション固定構造S1は、より詳細には、2つの第1固定部1が合わさった構成を上下方向に貫通する貫通孔である。4つのパーティション固定構造S1は、左右方向に並んでいる。各パーティション6は、その下部から突出する嵌合突起が、対応するパーティション固定構造S1に挿入されことにより、2つの第1固定部1に固定される。
(4)第2固定部
図10に示すように、2つの第2固定部2の各々は、横架部21と、支柱部22と、クランプ機構23と、を含む。横架部21と支柱部22とは、一体に形成されている。2つの第2固定部2は、ダクトレール31を什器(ここでは机7)に固定するための固定部材である。より詳細には、2つの第2固定部2は、2つの第1固定部1と共に用いられることで、ダクトレール31を机7に固定する。
横架部21の形状は、角筒状である。横架部21の軸方向は、左右方向に沿っている。
2つの第2固定部2は、2つの第1固定部1の各々の2つの連結突起12と、一対一で対応する。各第2固定部2の横架部21には、2つの第1固定部1の各々の対応する連結突起12が挿入される。さらに、2つの第1固定部1がそれぞれ、2つの第2固定部2にねじ止めされる。これにより、2つの第1固定部1が2つの第2固定部2に連結される。つまり、2つの第1固定部1は、2つの第2固定部2の間を架け渡すように、2つの第2固定部2に連結される。また、2つの第1固定部1の各々は、2つの第2固定部2から分離可能である。すなわち、2つの第1固定部1と2つの第2固定部2とを連結するねじを取り外し、各連結突起12を横架部21から引き出すことで、2つの第1固定部1の各々を2つの第2固定部2から分離することができる。
支柱部22の形状は、円筒状である。支柱部22の軸方向は、上下方向に沿っている。横架部21は、支柱部22の上端から、左右方向に突出している。横架部21の内部空間は、支柱部22の内部空間とつながって、1つの内部空間SP1を形成している。内部空間SP1には、配線W1(図12A参照)が通される。すなわち、第2固定部2は、導電バー32(図11参照)に電気的に接続される配線W1が通される内部空間SP1を有する。
支柱部22は、通線孔220を有する。通線孔220は、支柱部22の側面に設けられている。配線W1は、内部空間SP1から通線孔220を通って外部へ引き出される。
クランプ機構23は、机7を挟むことで机7に固定される。より詳細には、2つの第2固定部2のうち一方は、机7の天板71の左端を挟み、他方は、天板71の右端を挟む。これにより、DCダクトシステム100が机7に固定される。
クランプ機構23は、可動部231(図8、図10参照)と、ベース232と、操作部233と、を有する。
ベース232は、支柱部22と一体に形成されている。ベース232は、支柱部22の下端から左右方向に突出している。
可動部231は、ベース232の上に配置されている。可動部231の一部は、支柱部22の通線孔220の内側に配置されている。
操作部233は、可動部231を上下に動かすための操作を受け付ける。操作部233は、レバーであって、作業者が操作部233を回すことで、可動部231が上下に動く。
以下、クランプ機構23を用いてDCダクトシステム100を机7に固定する手順について説明する。図7に示すように、机7の天板71の左端(又は右端)は、通線孔220に挿入される。これにより、天板71の左端(又は右端)は、支柱部22と可動部231との間に配置される。作業者は、操作部233を回し、可動部231を上に動かす。これにより、天板71の左端(又は右端)は、支柱部22と可動部231との間に挟まれる。2つの第2固定部2の各々のクランプ機構23を用いて天板71の左端及び右端を挟むことにより、DCダクトシステム100が机7に固定される。
また、支柱部22が存在することにより、DCダクトシステム100の2つの第1固定部1と机7の天板71との間に隙間G1(図7参照)が確保される。つまり、2つの第1固定部1に固定された2つのダクトレール31と天板71との間に隙間G1が確保される。言い換えると、第2固定部2は、2つのダクトレール31と机7との間に隙間G1をあけて2つのダクトレール31を支持する支柱部22を含む。隙間G1を通すことで、机7の前後で書類等の物を受け渡すことができる。また、机7の天板71のうち、第1固定部1の下の部位に、開口部を設けてもよい。開口部は、交流電力を供給する配線を天板71の下から引き出すための構成である。ユーザは、隙間G1に手を入れて、開口部を通して配線を引き出すことができる。
(5)DCダクト
DCダクト3は、導電バー32と、導電バー32が収納される凹部3110を含むダクトレール31と、を有する。本実施形態では、DCダクトシステム100は、上述の通り、2つのDCダクト3を備えており、図10、図11に示すように、各DCダクト3は、ダクトレール31と、2つの導電バー32と、を有する。ダクトレール31は、第1レール311と、2つの第2レール312と、を含む。図1、図2に示すDCダクト3は、図10に示す2つのDCダクト3のうちのいずれか一方に相当し得る。なお、図1、図2では、第1固定部1の図示を省略している。
2つのDCダクト3は、2つの第1固定部1と一対一で対応する。各DCダクト3は、対応する第1固定部1の収納溝130に収納されている。そのため、2つのDCダクト3のうち一方は、パーティション6に対して前側に配置され、他方は、パーティション6に対して後ろ側に配置されている。
また、上記2つのDCダクト3は、第1固定部1に複数のDCダクト3が固定され、かつ、机7に第2固定部2が固定された状態で、水平面に沿った所定方向(前後方向)において互いに反対側に位置する。
第1レール311の形状は、角筒状である。第1レール311は、例えば金属製である。第1レール311の軸方向(長さ方向)は、左右方向に沿っている。第1レール311は、凹部3110を含む。凹部3110は、ダクトレール31の長さ方向(左右方向)に沿って形成されている。より詳細には、凹部3110は、ダクトレール31の長さ方向の両端に亘って形成されている。凹部3110には、2つの導電バー32が収納されている。
凹部3110は、パーティション6の表面と直交する方向に沿って開口している。つまり、凹部3110は、パーティション6の表面に沿った面において開口している。
図16に示すように、第1レール311は、2つの嵌合部3111と、2つの取付溝3112と、を更に含む。
2つの嵌合部3111はそれぞれ、溝である。2つの嵌合部3111は、凹部3110の内面に設けられている。2つの嵌合部3111は、ダクトレール31の長さ方向(左右方向)に沿って形成されている。より詳細には、2つの嵌合部3111は、ダクトレール31の長さ方向の両端に亘って形成されている。2つの嵌合部3111は、アダプタ5に嵌合する。これにより、アダプタ5がDCダクト3に取り付けられる。すなわち、ダクトレール31は、アダプタ5を取り付けるためのアダプタ取付部(2つの嵌合部3111)を含む。アダプタ5をDCダクト3に取り付ける手順については後述する。
2つの取付溝3112は、凹部3110の内面に設けられている。2つの嵌合部3111と2つの取付溝3112とのうち、2つの嵌合部3111の方が、凹部3110の開口部の近くに設けられている。2つの取付溝3112は、ダクトレール31の長さ方向(左右方向)に沿って形成されている。より詳細には、2つの取付溝3112は、ダクトレール31の長さ方向の両端に亘って形成されている。
2つの取付溝3112は、2つの第2レール312と一対一で対応する。各取付溝3112には、対応する第2レール312が嵌め込まれている。これにより、第1レール311に2つの第2レール312が取り付けられている。第1レール311は、2つの第2レール312の脱落を抑制するための2つの突起3113を有する。
また、第1レール311は、規制突起3114を更に有する。規制突起3114は、突起である。規制突起3114は、第1レール311の下部に設けられている。規制突起3114は、アダプタ5の規制凹部55に挿入される。
2つの第2レール312の各々は、左右方向に長さを有する。左右方向と直交する断面における第2レール312の形状は、U字状である。第2レール312は、電気絶縁性を有する。第2レール312は、例えばPVC(polyvinyl chloride)等の合成樹脂材料により形成されている。第2レール312は、その内側に導電バー32を保持している。
2つの導電バー32の各々は、左右方向に長さを有する。2つの導電バー32の各々は、ダクトレール31の右端から左端までに亘って設けられている。2つの導電バー32は、フィードイン4を介して、対応する配線W1(図12A参照)に電気的に接続される。各DCダクト3の2つの導電バー32のうち一方は、正極側の配線W1に電気的に接続され、他方は、負極側の配線W1に電気的に接続される。これにより、2つの導電バー32には、直流電力が供給される。
(6)フィードイン及びエンドキャップ
図10に示すように、2つのフィードイン4は、2つのDCダクト3と一対一で対応する。2つのエンドキャップE1は、2つのDCダクト3と一対一で対応する。各DCダクト3の長さ方向の第1端及び第2端のうち一方には、対応するフィードイン4が取り付けられ、他方には、対応するエンドキャップE1が取り付けられる。
フィードイン4は、DCダクト3の2つの導電バー32をそれぞれ対応する配線W1(図11参照)に電気的に接続するための構成である。すなわち、2つの導電バー32は、フィードイン4を介して、対応する配線W1に電気的に接続される。以下、図11を参照して、フィードイン4の構成を説明する。
フィードイン4は、外箱41と、端子ボックス42と、2つの端子ユニット43と、を含む。
外箱41の形状は、直方体状である。外箱41は、端子ボックス42を収納している。
端子ボックス42は、第1ブロック421と、第2ブロック422と、を有する。第1ブロック421と第2ブロック422とが結合することで、端子ボックス42が構成される。端子ボックス42は、2つの端子ユニット43を収納している。また、端子ボックス42は、2つの配線W1が挿入される2つの入線孔423を有する。2つの入線孔423は、第1ブロック421に設けられている。
2つの端子ユニット43の各々は、ばね431と、端子部432と、を有する。ばね431と端子部432との組は、速結端子を構成する。すなわち、端子ユニット43は、速結端子を有する。
ばね431は、金属板に曲げ加工等を施すことで形成されている。端子部432は、金属板からなり、板状に形成されている。端子部432は、ばね431に対向している。2つの端子ユニット43は、2つの導電バー32と一対一で対応する。各端子ユニット43の端子部432は、対応する導電バー32に電気的に接続されている。
図12A、図12Bに示すように、入線孔423を通して端子ボックス42の内部に挿入された配線W1は、ばね431と端子部432との間に挟まれる。これにより、配線W1は、端子部432に電気的に接続され、かつ、ばね431と端子部432との間に保持される。
(7)パーティション
本実施形態では、DCダクトシステム100は、上述の通り、パーティション6を固定可能なパーティション固定構造S1を備える。“パーティション”は、間仕切り、又は、衝立とも称される。パーティション付きダクトシステム200(図6~図9参照)は、DCダクトシステム100と、複数(ここでは3つ)のパーティション6(6A、6B、6C)と、を備える。
各パーティション6は、天板71の上方に固定される。これにより、天板71の上方の空間は、前側の空間と、後側の空間とに仕切られる。何人かの人(以下、“第1の人”と称す)は、机7の前方に着席し、別の何人かの人(以下、“第2の人”と称す)は、机7の後方に着席する。第1の人と第2の人との間の空間がパーティション6により仕切られるので、第1の人と第2の人との間で飛沫感染が起きる可能性を低減させることができる。
各パーティション6は、透光性を有する。各パーティション6の材質は、例えば、アクリル樹脂である。各パーティション6の形状は、板状である。パーティション6の厚さ方向は、前後方向に沿っている。各パーティション6の平面視形状は、長方形状である。各パーティション6の嵌合突起は、その本体から下方に突出していて、対応するパーティション固定構造S1(貫通孔)に挿入される。これにより、各パーティション6がDCダクトシステム100に固定される。すなわち、パーティション固定構造S1は、パーティション6の自重によりパーティション6と嵌合する構造である。また、嵌合突起をパーティション固定構造S1から抜き取ることで、各パーティション6は、DCダクトシステム100から取外し可能である。すなわち、パーティション固定構造S1は、パーティション6を着脱可能に固定する。
(8)アダプタ
図13に示すように、パーティション6の前後にそれぞれ第1固定部1が配置され、各第1固定部1には、DCダクト3(図6参照)が収納されている。これら2つのDCダクト3にそれぞれ、アダプタ5が着脱可能である。DCダクトシステム100は、アダプタ5を介してコネクタ95にDC電力を供給する。
図1、図2、図5、図14、図15、図16に示すように、アダプタ5は、筐体51と、(解除)操作部52と、取付突起53と、2つの受電端子54と、筐体51に収納されたばねと、蓋部56(図5参照)と、を有する。またアダプタ5は、筐体51に収納された、一対の接続コネクタ(USB ソケット)及び回路基板等を更に有する。ここでは、アダプタ5における筐体51、取付突起53、2つの受電端子54、一対の接続コネクタ、回路基板、及び蓋部56等が、アダプタ本体部50を構成する。
筐体51は、例えば樹脂製である。筐体51は、一面(図14及び図15等では後面)が開放された中空の箱状である。筐体51の開放された一面が蓋部56によって塞がれるように、蓋部56がねじ止め等により筐体51に組み付けられる。筐体51の外形状は、直方体状である。筐体51は、第1差込口511と、第2差込口512と、を有する。第1差込口511は、コネクタ95(図17参照)としてのUSB Type-Aプラグの差込口である。第2差込口512は、コネクタ95としてのUSB Type-Cプラグの差込口である。すなわち、第1差込口511は、第2差込口512とは規格が異なる。第1差込口511は、第2差込口512とは大きさが異なる。筐体51内では、一対の接続コネクタは、第1差込口511及び第2差込口512と、それぞれ一対一で対向するように回路基板に実装されている。第1差込口511又は第2差込口512に差し込まれたコネクタ95は、一対の接続コネクタの対応する一方に接続され、回路基板を介して受電端子54と電気的に接続される。
第1差込口511及び第2差込口512は、アダプタ5がDCダクト3に取り付けられているとき、DCダクト3と反対側を向く面(コネクタ装着面501:図14及び図15等では前面)に設けられている。第1差込口511及び第2差込口512は、アダプタ5がDCダクト3に取り付けられているとき、図1、図2、及び図15に示すように、上下に並ぶ。
操作部52は、凹部3110に抜き差し操作可能に構成されて、凹部3110に差し込むことでアダプタ5の回転を制限するように構成される。操作部52は、筐体51に保持されている。操作部52は、例えば樹脂製である。操作部52は、板状である。操作部52は、その表面に滑り止め部521を有しており、滑り止め部521のある表面が、筐体51の一側面から露出する態様で、筐体51に保持される。操作部52は、滑り止め部521に対して人の指先等で力が加えられることで、所定方向(図14では前後方向)にスライド移動可能である。操作部52は、筐体51内に収納されたばねの復帰力がコネクタ装着面501から離れる方向(後方)に作用した状態で、筐体51に保持されている。そのため、操作部52に対して力が加えられていないとき、操作部52の先端部(爪部520)は、筐体51からコネクタ装着面501側とは反対側へ突出した状態となる。滑り止め部521に対して、人の指先等でばねの力に抗して前方に力を加えることで、操作部52が前方にスライド移動する。
蓋部56は、例えば樹脂製である。蓋部56は、矩形の板状である。蓋部56の後面には、取付突起53が設けられている。図5、図16に示すように、蓋部56と取付突起53とは連続一体となって形成されている。取付突起53は、軸部531と、2つの固定リブ532と、を含む。軸部531は、筐体51からコネクタ装着面501側とは反対側に突出している。2つの固定リブ532は、軸部531の側面から突出している。2つの固定リブ532は、互いに反対向きに突出している。
2つの受電端子54は、筐体51からコネクタ装着面501側とは反対側に突出している。2つの受電端子54の各々の先端部は、屈曲している。2つの受電端子54は、それらの屈曲する先端部が軸部531の先端から露出するように取付突起53によって保持される(図5参照)。
アダプタ5は、規制凹部55(図5参照)を有する。規制凹部55は、筐体51の後ろ側の端面と蓋部56の表面とに形成された凹部により構成される。具体的には、規制凹部55は、第1凹部551と第2凹部552とを含む。
第1凹部551は、筐体51の後ろ側の端面の一部の領域が、コネクタ装着面501に近づく方向に一段下がって形成されている。図5では、理解し易いように、濃いドットハッチングで第1凹部551の領域を示す。
第2凹部552は、蓋部56の表面の一部の領域がコネクタ装着面501に近づく方向に一段下がって形成されている。図5では、理解し易いように、薄いドットハッチングで第2凹部552の領域を示す。第1凹部551の底面と、第2凹部552の底面とは略面一となっている。
アダプタ5がダクトレール31に取り付けられる際に、規制凹部55には、ダクトレール31の規制突起3114(図4参照)が挿入される。アダプタ5の向きが誤った向きであると(例えば図5に示すアダプタ5が上下逆向きであると)、規制突起3114がアダプタ5の後面における規制凹部55より一段出っ張った領域と干渉するので、アダプタ5をダクトレール31に取り付けることができない。すなわち、規制凹部55及び規制突起3114は、アダプタ5がダクトレール31に取り付けられる際のアダプタ5の向きを規制する。
アダプタ5は、電力変換器を更に有する。電力変換器を構成する複数の電子部品は、筐体51内の回路基板に実装されている。電力変換器は、2つの受電端子54で受電された電力を、所望の電圧の電力に変換する。一対の接続コネクタ(USB ソケット)からは、電力変換器で変換された電力が出力される。電気機器94(図17参照)は、第1差込口511又は第2差込口512に差し込まれ接続コネクタに接続されたコネクタ95(図17参照)を含むケーブルを介して、電力を受電することができる。
以下、アダプタ5をDCダクト3に取り付ける手順について説明する。
図1、図2、図15、図16では、2つの固定リブ532は、上下方向に並んでいる。
作業者は、まず、図5、図14に示すように、2つの固定リブ532の並んでいる方向がダクトレール31の長さ方向(左右方向)に沿うように、アダプタ5を持つ。この状態では、操作部52の滑り止め部521のある表面は、上方を向いている(図5、図14参照)。この状態では、2つの固定リブ532がダクトレール31に干渉することなく、挿入方向A1(後方)に沿って、取付突起53をダクトレール31の凹部3110に挿入できる。この時、操作部52は、その先端の爪部520が第1固定部1と接触し、第1固定部1の接圧により、コネクタ装着面501側(前方)に向かって動く。
図14に示すように取付突起53を凹部3110に挿入した後、作業者は、アダプタ5を、回転軸B1を中心に時計回りに90度回転させる。図5、図14に示す回転軸B1は仮想的な軸であり、軸部531の中心軸と概ね一致する。すると、図16に示すように、2つの固定リブ532が2つの嵌合部3111に挿入される。これにより、アダプタ5の前後方向の移動が規制される。また、図15に示すように、操作部52の爪部520がダクトレール31の凹部3110に挿入されることにより、筐体51の回転が規制される。また、2つの受電端子54は、それぞれ対応する導電バー32に接触し、これにより、対応する導電バー32に電気的に接続される。要するに、アダプタ5は、その固定リブ532を凹部3110へ挿入し、及びその挿入方向A1に沿った回転軸B1を中心に所定の角度(例えば90度)回転させることで、導電バー32との電気的な接続が達成され、かつ凹部3110からの引き抜きが抑制される。
以上の手順により、アダプタ5がDCダクト3に取り付けられる。アダプタ5は、凹部3110が設けられた領域(DCダクト3の長さ方向に連続した取付領域)のうち任意の位置において、DCダクト3に取付可能である。またアダプタ5は、導電バー32に電気的に接続可能である。
本実施形態では、DCダクト3に取り付けられたアダプタ5の左右方向の移動を規制する構成は設けていない。そのため、アダプタ5は、DCダクト3に取り付けられた状態のまま左右方向にスライド移動可能である。言い換えると、アダプタ5は、取付後においてDCダクト3の長さ方向に沿ったスライド移動が可能である。ただし、アダプタ5が左右方向に移動することによる2つの受電端子54の摩耗を抑制するために、DCダクトシステム100は、DCダクト3に取り付けられたアダプタ5の左右方向の移動を規制する構成を備えていてもよい。
次に、アダプタ5をDCダクト3から取り外す手順について説明する。作業者が操作部52の滑り止め部521に対して、コネクタ装着面501側に向かう力を加えると、操作部52が動き、爪部520が凹部3110から出る。これにより、筐体51の回転の規制が解除される。作業者が筐体51を反時計回りに90度回転させることで、2つの固定リブ532が2つの嵌合部3111から出る。そして、アダプタ5を手前に引き抜くことで、DCダクト3から取り外される。
(9)電力供給システム
次に、図17を参照して、電気機器94に電力を供給するシステム(DCダクトシステム100を含む)の構成の一例について、説明する。
電気機器94の使用場所の施設には、スイッチングハブ92と、スプリッタ93と、が設けられている。スイッチングハブ92は、電源91に電気的に接続されている。電源91は、スイッチングハブ92に交流電力を供給する。電源91は、例えば、商用電源又は分散型電源である。
スイッチングハブ92は、PoE(Power over Ethernet)に対応したPoEスイッチングハブである。スイッチングハブ92は、LAN(Local Area Network)ケーブルを介して、スプリッタ93に電気的に接続される。また、スイッチングハブ92は、PoEに対応した機器にも電気的に接続され得る。PoEに対応した機器は、例えば、コンピュータ端末、ネットワークカメラ、IP(Internet Protocol)電話及び、無線アクセスポイント等である。スイッチングハブ92は、スイッチングハブ92に電気的に接続された機器との間で、データと電力(直流電力)とを備えたPoE信号の授受を行うことができる。
スプリッタ93は、PoEに対応したPoEスプリッタである。スプリッタ93は、スイッチングハブ92から受け取ったPoE信号を、データと電力(直流電力)とに分離する。スプリッタ93は、PoE信号から分離された電力を、PoEに非対応の機器へ供給する。一例として、スプリッタ93は、PoE信号から分離された電力を、DCダクトシステム100を介して、PoEに非対応の1又は複数の電気機器94へ供給する。
また、スプリッタ93は、PoE信号から分離されたデータを含むデータ信号を、PoEに非対応の機器へ送信する。
スプリッタ93の直流電力の出力端子は、4つの配線W1の各々の第1端に電気的に接続される。2つのDCダクト3のうち一方のDCダクト3は、4つの配線W1のうち2つの配線W1と対応し、他方のDCダクト3は、残りの2つの配線W1と対応する。以下では、一方のDCダクト3と、このDCダクト3に対応する2つの配線W1及び1つのフィードイン4に着目して説明する。
2つの配線W1は、正極側の配線と負極側の配線とである。2つの配線W1は、フィードイン4に設けられた2つの入線孔423(図11参照)と一対一で対応する。また、2つの配線W1は、DCダクト3の2つの導電バー32と一対一で対応する。2つの配線W1の各々の第2端は、対応する入線孔423に挿入され、対応する導電バー32に電気的に接続される。1又は複数のアダプタ5は、DCダクト3に接続可能であり、各導電バー32には、アダプタ5を介して1又は複数の電気機器94が電気的に接続可能である。
以上より、各電気機器94は、配線W1から供給される電力を、導電バー32及びアダプタ5を介して受電することができる。ユーザは、机7(図6参照)の上、又は、机7の周囲で電気機器94を使用することができる。
アダプタ5が2つの導電バー32から受電する直流電圧(2つの導電バー32間の電圧)は、60V以下であることが好ましい。この場合、アダプタ5を設置する際に、電気工事士等の資格が不要であるという利点がある。よって、AC100Vのコンセントを移設又は新設する場合と比較して、手軽に電源を確保することができる。
アダプタ5が2つの導電バー32から受電する直流電圧は、24V以下であることがより好ましい。また、アダプタ5が2つの導電バー32から受電する直流電圧は、48V以下であることも好ましい。
一例として、スイッチングハブ92から出力されるPoE信号の直流電圧は、48Vである。スプリッタ93は、スイッチングハブ92から受電したPoE信号の直流電圧を降圧する機能を有し、スプリッタ93から出力される直流電圧は、一例として、24Vである。アダプタ5は、スプリッタ93から出力される直流電圧を受電し、24V以下の直流電圧を電気機器94へ出力する。
DCダクト3の2つの導電バー32間の電圧を、60V以下(例えば、24V)とすることにより、ユーザが導電バー32に接触したとき感電する可能性を低減させることができる。よって、DCダクト3にカバーを設けなくてもよく、アダプタ5をDCダクト3に取り付ける作業においてカバーを着脱する作業の手間がかからないという利点がある。
以上、電気機器94に電力を供給するシステムの構成例を説明したが、このシステムに代えて、より簡素に、例えば、各配線W1を、ACアダプタを介して商用電源のコンセントに接続するようにしてもよい。
(10)錠システム
以下、本実施形態に係る錠システムC1について図1~図5を参照しながら詳細に説明する。
錠システムC1は、図1に示すように、規制部材K1と、特定のキーK4とを備える。
規制部材K1は、DCダクトシステム100からの、アダプタ5の取り外しを規制する部材である。規制部材K1は、壁部K2と、錠部K3とを備える。ここでは一例として、壁部K2と錠部K3とは、一体となって形成されている。
以下では、図1に示すように、規制部材K1がDCダクトシステム100に取り付けられてアダプタ5の取り外しを規制した状態時のことを、単に「規制部材K1の使用時」と呼ぶことがある。
特定のキーK4は、図1に示すように、一例として、丸型キー(いわゆるエースキー)である。特定のキーK4を錠部K3の鍵穴K32に差し込み、回すことで、錠部K3の状態が、解錠状態から施錠状態へ、或いは施錠状態から解錠状態へ切り替わる。特定のキーK4の種類は特に限定されず、ディスクシリンダー等でもよい。また特定のキーK4には、スペアキーが存在してもよい。
壁部K2は、例えば一枚の金属板に、打ち抜き加工及び曲げ加工等を施すことで形成されている。壁部K2は、アダプタ5の少なくとも一部を覆うように構成される。ここでは、壁部K2は、DCダクト3の長手方向におけるアダプタ5の両端部(図1では左右両方における両端部)を挟み込むように構成される。
具体的には、壁部K2は、図3に示すように、囲い部K21と、接触片K22と、保持部K23とを有する。
囲い部K21は、規制部材K1の使用時において正面から見て、概ね逆U字形の板状である。囲い部K21は、規制部材K1の使用時に、概ね隙間なくアダプタ5の筐体51の長手方向における両側面と接触する、又は僅かに隙間が存在するように構成される。
囲い部K21は、図2及び図3に示すように、DCダクト3の長手方向に沿って延びている中央片K211と、中央片K211における長手方向の両端からそれぞれ下方に突出する一対の側片K212とを含む。中央片K211の厚み方向は、規制部材K1の使用時に、上下方向を向く。一対の側片K212の各々の厚み方向は、規制部材K1の使用時に、左右方向を向く。
中央片K211は、規制部材K1の使用時に、アダプタ5の筐体51の上面における略後ろ半分の領域を覆う。一対の側片K212は、規制部材K1の使用時に、アダプタ5の筐体51の左右の両側面における略後ろ半分の領域をそれぞれ覆う。
接触片K22は、一対の側片K212のうち左側の側片K212から突出している。接触片K22は、左側の側片K212と連続一体となって形成されている。接触片K22は、規制部材K1の使用時に、その厚み方向が前後方向を向き、その後面がDCダクト3と接触する。そのため、DCダクト3に対する規制部材K1のがたつきが抑制される。
保持部K23は、錠部K3を保持するように構成される。保持部K23は、上下方向に沿って見て、クランク形の板状である。保持部K23は、一対の側片K212のうち右側の側片K212から突出している。保持部K23は、右側の側片K212と連続一体となって形成されている。
保持部K23は、右端が後方に屈曲しさらに右方に屈曲することで、錠部K3との干渉を回避する空間を形成している。また保持部K23は、その先端部に、接触片K22と略同形で略同寸法の接触片を有しており、当該接触片は、規制部材K1の使用時に、その厚み方向が前後方向を向き、その後面がDCダクト3と接触する。そのため、DCダクト3に対する規制部材K1のがたつきが抑制される。
錠部K3は、一例として、いわゆるシリンダー錠である。上述の通り、錠部K3は、特定のキーK4が差し込まれる鍵穴K32を有する。錠部K3は、鍵穴K32が正面を向く態様で保持部K23によって保持される。また錠部K3は、施錠状態において、DCダクト3に嵌合するカムロック部K31を有する。カムロック部K31は、錠部K3のシリンダー部分に組み付けられている。カムロック部K31は、長円の板状のカムK310を有する。
以下に、規制部材K1の使用手順について説明する。
まず作業者は、アダプタ5をDCダクト3に取り付ける。次に作業者は、規制部材K1を持ち、囲い部K21内にアダプタ5を収めるように囲い部K21をアダプタ5の上から被せる(図2参照)。
ここで錠部K3が解錠状態時には、図2、及び図3(二点鎖線参照)に示すように、カムK310の長軸が中央片K211の長手方向(左右方向)に沿う状態となる。したがって、解錠状態時には、囲い部K21でアダプタ5を囲んだ状態で、カムK310を、挿入方向A1に沿ってDCダクト3の凹部3110に挿入することができる。
そして、作業者は、特定のキーK4を鍵穴K32内に差し込み時計回りに回す。すると、図1、図3に示すように、カムロック部K31が回転してカムK310の長軸が中央片K211の長手方向と直交する方向(上下方向)に沿う状態となり、錠部K3が、解錠状態から施錠状態に切り替わる。その結果、カムK310が、図4に示すように、DCダクト3における第1レール311の2つの嵌合部3111に嵌合する。つまり、アダプタ5の2つの固定リブ532の嵌合先(嵌合部3111)を、カムK310の嵌合先として共用している。施錠状態時には、規制部材K1は、囲い部K21でアダプタ5を囲んだ状態で、DCダクト3の凹部3110から引き抜けなくなる。すなわち、規制部材K1のDCダクト3への取り付けが達成される。
さらに錠部K3が施錠状態に切り替わったことで、壁部K2がアダプタ5の一部(ここでは、図1に示すように筐体51の上面、及び左右の側面)を覆う態様でDCダクト3に取り付けられ、アダプタ5の取り外しを規制する。
規制部材K1を取り外す場合には、作業者は、再び特定のキーK4を鍵穴K32内に差し込み、反時計回りに回すことで、錠部K3は、施錠状態から解錠状態に切り替わる。そして、作業者は、規制部材K1を掴んで手前(挿入方向A1と逆方向)に移動させることで、カムK310がDCダクト3の凹部3110から引き抜かれる。この状態になれば、作業者は、規制部材K1を引き上げて、アダプタ5から囲い部K21を脱離することができる。
ここで本実施形態の規制部材K1は、上述した説明からも理解できるように、アダプタ5の取り外しに対して二種類の規制を行っているといえる。
第一に、規制部材K1は、錠部K3が施錠状態において、壁部K2によりアダプタ5の回転を阻害し、アダプタ5の取り外しを規制する。具体的には、規制部材K1の使用時に、囲い部K21がアダプタ5を概ね隙間なく囲んだ状態にある。そのため、アダプタ5を反時計回りに回転して引き抜こうにも、筐体51が囲い部K21に当たり回転を阻害することになる。もっとも、アダプタ5は、上述の通り、操作部52の爪部520が凹部3110に差し込まれているため、操作部52によっても回転が防止されている。そのため、より強固にアダプタ5の回転が阻害されている。
第二に、規制部材K1の使用時に、囲い部K21の右側の側片K212が操作部52の表面(特に滑り止め部521)を覆い隠している。そのため、人(ユーザ等)が指先等で操作部52を操作しにくい状態にある。言い換えると、本実施形態では、壁部K2は、錠部K3が施錠状態において、操作部52の操作を阻害するように操作部52を覆う構成である。
本実施形態では、アダプタ5が、DCダクト3の長手方向に沿ってスライド移動が可能である。そして、規制部材K1は、錠部K3が施錠状態において、アダプタ5と一体的に長さ方向に沿ったスライド移動が可能である。つまり、カムK310は、DCダクト3における第1レール311の2つの嵌合部3111に嵌合しているため引き抜くことは規制されているが、2つの嵌合部3111内を沿って左右方向にスライド移動することは可能である。ここでは、規制部材K1は、囲い部K21がアダプタ5を囲む構成を有することで、アダプタ5と連なってスライド移動が可能である。そのため、DCダクトシステム100からの給電を利用するユーザの利便性を向上しつつも、アダプタ5の取り外しの規制を維持できる。
しかし、アダプタ5がDCダクト3の長手方向に対して移動不可である場合、規制部材K1もDCダクト3の長手方向に対して移動不可でもよい。さらにアダプタ5を囲む構成も、省略されてもよい。この場合、壁部K2は、囲い部K21のうち、操作部52の表面を覆い隠す右側の側片K212を有して、中央片K211及び左側の側片K212は適宜省略されてもよい。
逆に、本実施形態におけるアダプタ5の操作部52は必須の構成ではない。仮に操作部52がアダプタ5に設けられていなくても、規制部材K1が、アダプタ5を囲む囲い部K21を有することで、アダプタ5の回転を阻害し、アダプタ5の取り外しを規制し得る。
(11)利点
本実施形態では、電気機器94の(又は、電気機器94に接続されるケーブルの)コネクタ95を、DCダクト3に取り付けられたアダプタ5に接続することで、DCダクト3から電気機器94に電力を供給することができる。よって、電力を電源コンセントから又は電源コンセントの電力を分配する電源タップから電気機器94に供給する場合と比較して、什器の周りの配線の取り回しを改善させることができる。またアダプタ5を、コネクタ95への出力電圧が異なる別のアダプタへ交換することで、電気機器94への供給電圧を容易に変更可能である。
ここで上述の通り、DC電力の供給を行うDCダクトシステム100は、机7等の什器といった、比較的にユーザの手の届きやすい位置に設置される可能性がある。その場合、ユーザ等によってDCダクト3からアダプタ5が無断で持ち出さられてしまう可能性がある。特に、DCダクトシステム100が、図書館等の公共施設、ホテル、又は民泊等の什器に適用される場合は、ユーザは、不特定多数の者になることから、持ち出しされる可能性が高い。
これに対して、本実施形態の規制部材K1は、錠部K3を備え、DCダクトシステム100からの、アダプタ5の取り外しを規制する。そのため、特定のキーK4で錠部K3を解錠状態にしない限り、規制部材K1が、アダプタ5の取り外しを規制することになる。結果的に、DCダクト3からのアダプタ5の持ち出しが起きにくくなる。
また本実施形態では、アダプタ5が回転により着脱される構成を前提として、壁部K2によりアダプタ5の回転が阻害されるため、簡単な構成でありながら、アダプタ5の持ち出しが起きにくくなる。
さらに本実施形態では、アダプタ5が回転により着脱され、かつ操作部52の差し込みによりその回転が制限される構成を前提として、壁部K2により操作部52の操作が阻害される。そのため、簡単な構成でありながら、アダプタ5の持ち出しが起きにくくなる。
特に本実施形態では、壁部K2は、DCダクト3の長手方向におけるアダプタ5の両端部を挟み込むように構成されるため、アダプタ5の持ち出しをより抑制できる。
(実施形態1の変形例)
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
DCダクトシステム100の一部の構成が、他の構成とは独立して提供されてもよい。例えば、DCダクト3、ダクト固定具F1、第1固定部1又は第2固定部2(固定部材)が、他の構成とは独立して提供されてもよい。
実施形態1で示した個々の構成の個数は、一例であって、実施形態1で示した個数に限定されない。例えば、DCダクトシステム100は、2つのDCダクト3を備えることに限定されず、1つ又は3つ以上のDCダクト3を備えていてもよい。また、DCダクトシステム100は、2つの第1固定部1を備えることに限定されず、1つ又は3つ以上の第1固定部1を備えていてもよい。また、DCダクトシステム100は、2つの第2固定部2を備えることに限定されず、1つ又は3つ以上の第2固定部2を備えていてもよい。また、パーティション付きダクトシステム200は、3つのパーティション6を備えることに限定されず、1つ、2つ又は4つ以上のパーティション6を備えていてもよい。
複数のDCダクト3は、上下方向に並んだ2つ以上のDCダクト3を含んでいてもよい。また、上記2つ以上のDCダクト3ごとに、導電バー32の電圧が異なっていてもよい。また、上記2つ以上のDCダクト3ごとに、取付可能なアダプタ5の規格が異なっていてもよい。例えば、上記2つ以上のDCダクト3を、凹部3110の幅又は深さにおいてそれぞれ異ならせることで、上記2つ以上のDCダクト3ごとに、取付可能なアダプタ5の形状が限定されていてもよい。この場合、アダプタ5の形状に応じた規制部材K1が複数種類あってもよい。
規制部材K1の囲い部K21は、規制部材K1の使用時に、筐体51の下面及び左右両側面、或いは、上下左右の全周面を囲むように構成されてもよい。また錠部K3の鍵穴K32は、規制部材K1の使用時に、正面を向いていることに限定されない。
2つ以上のDCダクト3が1つの第1固定部1に固定されてもよい。あるいは、1つのDCダクト3が2つ以上の第1固定部1に固定されてもよい。
2つ以上のDCダクト3が、各々の長さ方向(左右方向)に連結可能であってもよい。
第2固定部2として、横架部21の長さがそれぞれ異なる複数の規格の第2固定部2を用意してもよい。第2固定部2を、規格の異なる別の第2固定部2へ交換することで、什器(机7)の長さに応じて、第1固定部1の両側の2つの第2固定部2の各々の支柱部22間の距離を調整することができる。
DCダクト3は、机7の天板71の上に固定されることに限定されない。DCダクト3は、例えば、天板71の側面又は裏面に固定されてもよい。
DCダクト3は、DCダクト3の長さ方向が水平面に沿うように什器に取り付けられなくてもよく、例えば、DCダクト3の長さ方向が鉛直方向に沿うように什器に取り付けられてもよい。また、例えば、DCダクト3がパーティション6のうち上下方向に沿った側面に組み込まれていてもよい。
DCダクト3において、取付領域(凹部3110)は、複数設けられて、DCダクト3の長さ方向に並んでいてもよい。
また、コネクタ95は、プラグに限定されず、ジャック(差込口)であってもよい。DCダクト3は、コネクタ95としてのプラグが接続可能な第1のアダプタと、コネクタ95としてのジャックが接続可能な第2のアダプタと、の両方を接続可能であってもよい。これにより、プラグとジャックとのいずれを備える電気機器94又はケーブルにも対応できる。第1のアダプタと第2のアダプタとにおいて、コネクタ95との接続部分以外の構成が共通であってもよい。
DCダクトシステム100は、例えば、図18に示す机7C(什器)に適用されてもよい。この机7Cは、ユーザが前方にのみ着席することが想定された机であり、例えば、カウンターデスクと称される。什器(机7C)は、DCダクト3を固定するダクト固定具F2を備える。つまり、机7Cとダクト固定具F2とが一体に形成されている。
机7Cは、机本体70と、ダクト固定具F2と、バックパネル74と、を備える。ダクト固定具F2は、第1固定部1Cと、2つの第2固定部2Cと、を有する。机本体70は、天板701と、突台702と、支持体703と、を含む。机7Cには、DCダクト3が取り付けられる。DCダクト3には、フィードイン4と、アダプタ5及び規制部材K1(図18では図示を省略)と、が取り付けられる。
(実施形態2)
以下、実施形態2に係るアダプタ5Aについて、図19、図20A、図20Bを用いて説明する。実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、実施形態1のアダプタ5に外付けされる規制部材K1における錠部K3の機能が、錠部K3Aとしてアダプタ5Aに設けられている。
図19は、アダプタ5Aの外観斜視図である。図20Aは、アダプタ5Aの内部の要部を模式的に示す図であり、特に錠部K3Aが解錠状態にある場合を示す図である。また図20Bは、アダプタ5Aの内部の要部を模式的に示す図であり、特に錠部K3Aが施錠状態にある場合を示す図である。
アダプタ5Aは、DC電力を供給するDCダクトシステム100のDCダクト3(図5参照)に着脱可能であり、コネクタ95(図17参照)が接続される。アダプタ5Aは、図19に示すように、DC電力をコネクタに送るアダプタ本体部50と、アダプタ本体部50に収納又は保持され、DCダクトシステム100からのアダプタ本体部50の取り外しを規制する規制部K1Aと、を備える。
規制部K1Aは、特定のキーK4(図1参照)によって施錠状態及び解錠状態が切り替わる錠部K3Aを有し、錠部K3Aの施錠状態においてアダプタ本体部50の取り外しを規制する。
実施形態1のアダプタ5と同様に、アダプタ5Aのアダプタ本体部50は、固定リブ532を有する(図5参照)。固定リブ532は、凹部3110へ挿入し、及びその挿入方向A1に沿った回転軸B1(図5参照)を中心に所定の角度(例えば90度)回転させることで、導電バー32との電気的な接続が達成され、かつ凹部3110からの引き抜きが抑制される。
錠部K3Aは、一例として、実施形態1の錠部K3と同様に、シリンダー錠である。錠部K3Aは、特定のキーK4が差し込まれる鍵穴K32Aを有する。錠部K3Aは、その鍵穴K32Aがアダプタ本体部50の一面(コネクタ装着面501)から外部に露出する態様で、アダプタ本体部50の内部に組み付けられている。ここでは、錠部K3Aは、鍵穴K32Aが正面を向く態様でアダプタ本体部50によって保持される。
本実施形態では、実施形態1で説明した操作部52が、規制部K1Aの構成要素の1つである。すなわち、規制部K1Aは、凹部3110に抜き差し操作可能に構成されて、凹部3110に差し込むことでアダプタ本体部50の回転を制限する操作部52を更に有する。一方、錠部K3Aは、施錠状態において、凹部3110に差し込まれた状態の操作部52に嵌合し、操作部52を抜く方向への移動を抑制するカムロック部K31Aを有する。
具体的には、カムロック部K31Aは、錠部K3Aのシリンダー部分に組み付けられている。カムロック部K31Aは、長円の板状のカムK310Aを有する。操作部52は、嵌合溝522を有する。嵌合溝522は、操作部52の内側の一面に形成されている。嵌合溝522は、アダプタ本体部50の内部で、カムロック部K31AのカムK310Aと対向するように配置される。図20A及び図20Bでは、操作部52は、ばねの力に付勢され、爪部520が筐体51から突出した状態である。
以下に、アダプタ5A(規制部K1A)の使用手順について説明する。
まず作業者は、実施形態1のアダプタ5の取付と同様に、図19に示す状態のアダプタ5Aを掴み、アダプタ5Aの固定リブ532を凹部3110へ挿入し、回転軸B1を中心に時計回りに回転させて、アダプタ本体部50をDCダクト3に取り付ける。この時点で、操作部52の先端の爪部520は、凹部3110に差し込まれていて、操作部52は、図20Aに示す位置にある。
次に作業者は、特定のキーK4を鍵穴K32A内に差し込み時計回りに回す。すると、図20Bに示すように、カムロック部K31Aが回転してカムK310Aの長軸が上下方向に沿っていた状態からDCダクト3の長手方向(左右方向)に沿う状態となり、錠部K3Aが、解錠状態から施錠状態に切り替わる。すなわち、カムK310Aが、操作部52の嵌合溝522に嵌合する。その結果、操作部52の滑り止め部521に対して人の指先等で力を加えて、操作部52を手前に移動させようにも、カムK310Aと嵌合溝522との嵌合により、操作部52の移動が制限されることになる。そして、操作部52の移動の制限は、アダプタ5Aを反時計回りに回転させることの抑制につながる。言い換えると、規制部K1Aは、錠部K3Aが施錠状態において、アダプタ本体部50の回転を阻害し、アダプタ本体部50の取り外しを規制することになる。
アダプタ5Aを取り外す場合には、作業者は、再び特定のキーK4を鍵穴K32A内に差し込み、反時計回りに回すことで、錠部K3Aは、施錠状態から解錠状態に切り替わる。そして、作業者は、操作部52を手前に移動させることで、アダプタ本体部50を反時計回りに回転させることができ、アダプタ5AをDCダクト3から取り外すことができる。
このように本実施形態のアダプタ5Aでは、特定のキーK4で錠部K3Aを解錠状態にしない限り、規制部K1Aが、アダプタ本体部50の取り外しを規制することになる。結果的に、DCダクト3からのアダプタ5Aの持ち出しが起きにくくなる。また規制部K1A(操作部52)によりアダプタ本体部50の回転が阻害されるため、簡単な構成でありながら、アダプタ5Aの持ち出しが起きにくくなる。特に、カムロック部K31Aにより操作部52の抜く方向への移動が阻害されるため、簡単な構成でありながら、アダプタ5Aの持ち出しが起きにくくなる。
本実施形態でも、実施形態1と同様に、アダプタ本体部50は、DCダクト3の長さ方向に連続した取付領域のうち任意の位置に取り付けられる。アダプタ本体部50は、その取付後に錠部K3Aが施錠状態において、長さ方向に沿ったスライド移動が可能である。そのため、DCダクトシステム100からの給電を利用するユーザの利便性を向上しつつも、アダプタ5Aの取り外しの規制を維持できる。
(実施形態2の変形例)
本実施形態におけるアダプタ5Aの操作部52は必須の構成ではない。図21A及び図21Bは、アダプタ5Aの変形例を模式的に示す。図21A及び図21Bはいずれも、DCダクト3とアダプタ5Aとを上から見た模式的な図である。図21Aは、アダプタ5Aの内部の一部だけを模式的に示しており、錠部K3Aが解錠状態にある場合を示す図である。また図21Bは、アダプタ5Aの内部の一部だけを模式的に示しており、錠部K3Aが施錠状態にある場合を示す図である。
本変形例の錠部K3Aは、施錠状態において(図21B参照)、DCダクト3に嵌合するカムロック部K31Aを有する。また本変形例では、操作部52がアダプタ5Aに設けられていない。本変形例の規制部K1Aの錠部K3Aは、その鍵穴K32Aがアダプタ本体部50の一側面(図面では右側面)から外部に露出する態様で、アダプタ本体部50の内部に組み付けられている。要するに、錠部K3Aが、操作部52の位置に、操作部52に代わって配置される。
本変形例では、作業者が特定のキーK4を鍵穴K32A内に差し込み時計回りに回すと、図21A及び図21Bに示すように、カムロック部K31Aが回転してカムK310Aの長軸が上下方向に沿っていた状態から前後方向に沿う状態となる。その結果、錠部K3Aが、解錠状態から施錠状態に切り替わる。すなわち、カムK310Aが、直接、DCダクト3の凹部3110に入り込む。そのため、アダプタ本体部50を反時計回りに回転させることの抑制につながる。言い換えると、規制部K1Aは、錠部K3Aが施錠状態において、アダプタ本体部50の回転を阻害し、アダプタ本体部50の取り外しを規制することになる。
なお、その他にも、錠部K3Aは、例えば、いわゆるシリンダー式のプッシュ錠でもよい。この場合、図20A及び図20Bと同様に、錠部K3Aは、その鍵穴K32Aがアダプタ本体部50のコネクタ装着面501から外部に露出する態様で、アダプタ本体部50の内部に組み付けられてもよい。作業者が特定のキーK4を鍵穴K32Aに差して、押し込みながら時計回りに回すと、シリンダーが特定のキーK4の差込方向(後方)に押し出され、その先端がDCダクト3の凹部3110(又は別の孔が設けられてもよい)に入り込むように構成されてもよい。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る規制部材(K1)は、DCダクトシステム(100)からの、アダプタ(5)の取り外しを規制する。DCダクトシステム(100)は、コネクタ(95)が接続されるアダプタ(5)が着脱可能なDCダクト(3)を有し、かつアダプタ(5)を介してコネクタ(95)にDC電力を供給する。規制部材(K1)は、アダプタ(5)の少なくとも一部を覆うように構成された壁部(K2)と、特定のキー(K4)によって施錠状態及び解錠状態が切り替わる錠部(K3)と、を備える。規制部材(K1)は、錠部(K3)が施錠状態において、壁部(K2)が少なくとも一部を覆う態様でDCダクト(3)に取り付けられ、アダプタ(5)の取り外しを規制する。
この態様によれば、特定のキー(K4)で錠部(K3)を解錠状態にしない限り、規制部材(K1)が、アダプタ(5)の取り外しを規制することになる。結果的に、DCダクト(3)からのアダプタ(5)の持ち出しが起きにくくなる。
第2の態様に係る規制部材(K1)に関して、第1の態様において、DCダクト(3)は、導電バー(32)と、導電バー(32)が収納される凹部(3110)を含むダクトレール(31)と、を有する。アダプタ(5)は、その固定リブ(532)を凹部(3110)へ挿入し、及びその挿入方向(A1)に沿った回転軸(B1)を中心に所定の角度回転させることで、導電バー(32)との電気的な接続が達成され、かつ凹部(3110)からの引き抜きが抑制される。規制部材(K1)は、錠部(K3)が施錠状態において、壁部(K2)によりアダプタ(5)の回転を阻害し、アダプタ(5)の取り外しを規制する。
この態様によれば、壁部(K2)によりアダプタ(5)の回転が阻害されるため、簡単な構成でありながら、アダプタ(5)の持ち出しが起きにくくなる。
第3の態様に係る規制部材(K1)に関して、第2の態様において、アダプタ(5)は、凹部(3110)に抜き差し操作可能に構成されて、凹部(3110)に差し込むことでアダプタ(5)の回転を制限する操作部(52)を有する。壁部(K2)は、錠部(K3)が施錠状態において、操作部(52)の操作を阻害するように操作部(52)を覆う。
この態様によれば、壁部(K2)により操作部(52)の操作が阻害されるため、簡単な構成でありながら、アダプタ(5)の持ち出しが起きにくくなる。
第4の態様に係る規制部材(K1)に関して、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、壁部(K2)は、DCダクト(3)の長手方向におけるアダプタ(5)の両端部を挟み込むように構成される。
この態様によれば、アダプタ(5)の持ち出しをより抑制できる。
第5の態様に係る規制部材(K1)に関して、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、アダプタ(5)は、DCダクト(3)の長さ方向に連続した取付領域のうち任意の位置に取り付けられる。アダプタ(5)は、取付後において長さ方向に沿ったスライド移動が可能である。規制部材(K1)は、錠部(K3)が施錠状態において、アダプタ(5)と一体的に長さ方向に沿ったスライド移動が可能である。
この態様によれば、DCダクトシステム(100)からの給電を利用するユーザの利便性を向上しつつも、アダプタ(5)の持ち出しを抑制できる。
第6の態様に係る規制部材(K1)に関して、第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、壁部(K2)と錠部(K3)とは、一体となって形成されている。
この態様によれば、壁部(K2)と錠部(K3)とが分離されてアダプタ(5)が持ち出されてしまうことを抑制できる。
第7の態様に係る規制部材(K1)に関して、第1~第6の態様のいずれか1つにおいて、錠部(K3)は、施錠状態において、DCダクト(3)に嵌合するカムロック部(K31)を有する。
この態様によれば、アダプタ(5)の持ち出しをより抑制できる。
第8の態様に係るアダプタ(5A)は、DC電力を供給するDCダクトシステム(100)のDCダクト(3)に着脱可能であり、コネクタ(95)が接続される。アダプタ(5A)は、DC電力をコネクタに送るアダプタ本体部(50)と、アダプタ本体部(50)に収納又は保持され、DCダクトシステム(100)からのアダプタ本体部(50)の取り外しを規制する規制部(K1A)と、を備える。規制部(K1A)は、特定のキー(K4)によって施錠状態及び解錠状態が切り替わる錠部(K3A)を有し、錠部(K3A)の施錠状態においてアダプタ本体部(50)の取り外しを規制する。
この態様によれば、特定のキー(K4)で錠部(K3A)を解錠状態にしない限り、規制部(K1A)が、アダプタ本体部(50)の取り外しを規制することになる。結果的に、DCダクト(3)からのアダプタ(5A)の持ち出しが起きにくくなる。
第9の態様に係るアダプタ(5A)に関して、第8の態様において、DCダクト(3)は、導電バー(32)と、導電バー(32)が収納される凹部(3110)を含むダクトレール(31)と、を有する。アダプタ本体部(50)は、凹部(3110)へ挿入し、及びその挿入方向(A1)に沿った回転軸(B1)を中心に所定の角度回転させることで、導電バー(32)との電気的な接続が達成され、かつ凹部(3110)からの引き抜きが抑制される固定リブ(532)を有する。規制部(K1A)は、錠部(K3A)が施錠状態において、アダプタ本体部(50)の回転を阻害し、アダプタ本体部(50)の取り外しを規制する。
この態様によれば、規制部(K1A)によりアダプタ本体部(50)の回転が阻害されるため、簡単な構成でありながら、アダプタ(5A)の持ち出しが起きにくくなる。
第10の態様に係るアダプタ(5A)に関して、第9の態様において、規制部(K1A)は、凹部(3110)に抜き差し操作可能に構成されて、凹部(3110)に差し込むことでアダプタ本体部(50)の回転を制限する操作部(52)を更に有する。錠部(K3A)は、施錠状態において、凹部(3110)に差し込まれた状態の操作部(52)に嵌合し、操作部(52)を抜く方向への移動を抑制するカムロック部(K31A)を有する。
この態様によれば、カムロック部(K31A)により操作部(52)の抜く方向への移動が阻害されるため、簡単な構成でありながら、アダプタ(5A)の持ち出しが起きにくくなる。
第11の態様に係るアダプタ(5A)に関して、第8~第10の態様のいずれか1つにおいて、アダプタ本体部(50)は、DCダクト(3)の長さ方向に連続した取付領域のうち任意の位置に取り付けられる。アダプタ本体部(50)は、その取付後に錠部(K3A)が施錠状態において、長さ方向に沿ったスライド移動が可能である。
この態様によれば、DCダクトシステム(100)からの給電を利用するユーザの利便性を向上しつつも、アダプタ(5A)の持ち出しを抑制できる。
第12の態様に係るアダプタ(5A)に関して、第8~第11の態様のいずれか1つにおいて、錠部(K3A)は、その鍵穴(K32A)がアダプタ本体部(50)の一面から外部に露出する態様で、アダプタ本体部(50)の内部に組み付けられている。
この態様によれば、アダプタ(5A)の外観上の見栄えを損ねにくくしつつ、アダプタ(5A)の持ち出しを抑制できる。
第13の態様に係るアダプタ(5A)に関して、第8~第12の態様のいずれか1つにおいて、錠部(K3A)は、施錠状態において、DCダクト(3)に嵌合するカムロック部(K31A)を有する。
この態様によれば、アダプタ(5A)の持ち出しをより抑制できる。
第2~7の態様に係る構成については、規制部材(K1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。また第9~13の態様に係る構成については、アダプタ(5A)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。