以下、添付図面を参照して、本願の開示する車両制御装置および車両制御方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<車両制御装置による車両制御方法の概要>
以下では先ず、実施形態に係る車両制御装置による車両制御方法の概要について図1A~図1Cを参照して説明する。図1A~図1Cは、実施形態に係る車両制御装置による車両制御方法の概要を説明する図である。
なお、以下において、実施形態に係る車両Vは、例えば高齢者や身体障害者などのユーザによって利用され、ユーザの移動を支援するパーソナルモビリティや比較的小型のモビリティであるものとする。また、以下では、実施形態に係る車両制御装置が、車両Vに搭載される車載装置10である場合を例に挙げて説明を行う。
図1Aに示すように、実施形態に係る車両Vは、例えば1人乗りの電動車両であるが、2人以上が乗車可能な車両であってもよい。車両Vには、同図に示すセニアカーのようなカート型の他、車椅子型や立ち乗り型など様々なタイプのものがある。なお、上記では、車両Vを動力としてモータを用いる電動車両としたが、これに限られず、例えば内燃機関などその他の動力を用いる車両であってもよい。
車両Vは、車載装置10を備える。車載装置10は、後述する制御部20(図4参照)を備え、例えばユーザの運転操作による手動運転制御や、ユーザの運転操作を要しない自動運転制御によって車両Vを制御することができる。
また、車両Vは、自動車等とは異なり、歩道や路側帯を走行する。なお、歩道は、例えば歩行者や車両Vなどが通行する道路である。路側帯は、例えば歩道が設けられていない車道に沿って延在する帯状の道路であって、歩行者や車両Vなどが通行する道路である。
ところで、上記した歩道や路側帯においては、道路脇に溝や段差、路肩が存在したり、他の歩行者が通行していたりする。車両Vは、このような溝や段差、路肩、歩行者などの障害物に接触すると転倒するおそれがある。そのため、車両Vは、かかる障害物を適切に回避することで、安全に走行することができる。
また、路側帯においては、例えば車道との間に境界線(ライン)が存在し、かかる境界線を挟んで車道が隣接している。従って、車両Vが上記した境界線を逸脱することは、車両Vの安全上好ましくない。そのため、車両Vは、境界線を適切に回避することで、言い換えると境界線を逸脱しないようにすることで、安全に走行することができる。
なお、以下では、上記した道路脇の溝や段差、路肩、歩行者などの障害物、および、路側帯における車道との境界線を総称して「回避対象物」と記載する場合がある。また、上記した溝等は、回避対象物の一例であって限定されるものではない。すなわち、回避対象物は、溝等に加えてあるいは代えて、例えば歩道や路側帯の脇のガードレールや壁などその他のものを含んでもよい。
本実施形態に係る車載装置10にあっては、上記した歩道や路側帯を走行する車両Vが、回避対象物に接近した場合に、車両Vの走行状況に応じた適切な内容の車両制御を実行して回避対象物を回避し、車両Vの安全性を向上させることができるような構成とした。
具体的に説明すると、車両Vは、上記した車載装置10に加え、ドライブレコーダ40を備える。ドライブレコーダ40は、車載装置10と通信可能に接続される。また、ドライブレコーダ40は、カメラを備え、車両Vの周辺を撮像する。なお、ドライブレコーダ40のカメラは、車両Vの全周囲(360°)を撮像することができるが、これに限定されるものではなく、例えば車両Vの周囲の一部を撮像するものであってもよい。
ドライブレコーダ40は、カメラによって撮像されたカメラ画像を取得する。そして、ドライブレコーダ40は、取得されたカメラ画像を解析することで、車両Vが走行している走行場所が歩道であるか路側帯であるかを判定する(ステップS1)。
例えば、ドライブレコーダ40は、カメラ画像に、走行場所が歩道であることを示す歩道情報が含まれる場合、走行場所が歩道であると判定する。歩道情報の例としては、走行場所の脇に一段下がる段差があり、かかる段差の下側の路面(すなわち走行場所とは異なる路面)に車道を示す中央線や車線境界線などが存在することを示す情報である。また、歩道情報の他の例としては、走行場所の脇に縁石ブロックや車止め、ガードレールなどがあり、かかる縁石ブロック等を越えた場所の路面(すなわち走行場所とは異なる路面)に中央線や車線境界線などが存在することを示す情報である。なお、上記した歩道情報は、あくまでも例示であって限定されるものではない。
また、例えばドライブレコーダ40は、カメラ画像に、走行場所が路側帯であることを示す路側帯情報が含まれる場合、走行場所が路側帯であると判定する。路側帯情報の例としては、走行場所の脇にライン(境界線)があり、かかるラインを越えた場所の路面(すなわち走行場所とは異なる路面)に中央線や車線境界線などが存在することを示す情報である。なお、上記した路側帯情報は、あくまでも例示であって限定されるものではない。
また、ドライブレコーダ40は、カメラ画像に基づいて車両Vと回避対象物との位置関係を示す位置関係情報を算出する(ステップS2)。例えば、ドライブレコーダ40は、カメラ画像を解析し、車両Vと車両Vの周辺に存在する回避対象物(ここでは道路脇の溝や段差、歩行者などの障害物、および、路側帯における車道との境界線など)との相対位置や、車両Vから回避対象物までの距離(離間距離)などを位置関係情報として算出する。そして、ドライブレコーダ40は、走行場所が歩道であるか路側帯であるかを判定する処理の判定結果および位置関係情報を車載装置10へ出力する。
車載装置10は、判定結果および位置関係情報をドライブレコーダ40から取得する。車載装置10は、取得された位置関係情報に基づいて車両Vが回避対象物に接近したことが検出された場合に回避対象物を回避する車両制御を実行するとともに、判定結果に応じて当該車両制御の内容を変更する(ステップS3)。
ここで、ステップS3の処理について、図1Bおよび図1Cを参照して詳説する。図1Bは、走行場所が路側帯Gである場合の車両制御の一例を示し、図1Cは、走行場所が歩道Lである場合の車両制御の一例を示している。
なお、図1Bおよび図1Cでは、車両Vの走行の遷移を模式的に示している。詳しくは、図1B,1Cにおいて車両Vは、図面の下方から上方へ向けて走行するものとし、より詳しくは、車両Vは、参照符号V11(V21)、V12(V22)、V13(V23)、V14(V24)で示す順で移動するものとする。
また、図1Bの例において、車両Vは路側帯Gを走行し、路側帯Gの両脇には、回避対象物Hが存在するものとする。なお、図1Bの例において、回避対象物H1は、道路脇の溝や段差等であり、回避対象物H2は、路側帯Gと車道Jとの境界を示す境界線(ライン)であるものとする。また、図1Bでは、車道Jにある中央線あるいは車線境界線を参照符号Kで示している。
また、図1Cの例において、車両Vは歩道Lを走行し、歩道Lの両脇には、回避対象物Hが存在するものとする。なお、図1Cの例において、回避対象物H1は、道路脇の溝や段差等であり、回避対象物H3は、ガードレールなど歩道Lと車道Jとを分離する分離帯であるものとする。また、図1B,1Cでは、理解の便宜のため、回避対象物Hを網掛けで示している。なお、回避対象物Hは、上記に限られず、例えば歩道Lや路側帯G上に存在する、大きな石や穴、自動販売機や電柱等の静止物や、歩行者や自車以外の小型車両といった移動体を含んでもよい。
先ず、図1Bを用いて走行場所が路側帯Gである場合の車両制御について説明する。車載装置10は、参照符号V11で示すように、位置関係情報に基づいて、車両Vと回避対象物Hとの相対位置、および、車両Vから回避対象物Hまでの離間距離Xなどを常時監視する。なお、ここでは、車載装置10は、ユーザの運転操作による手動運転制御によって車両Vを制御している。
そして、参照符号V12で示すように、ユーザの運転操作によって車両Vが回避対象物Hの方向(図1Bの例では回避対象物H1側の左方)へ移動して接近し、離間距離Xが閾値A以下になった場合、車載装置10は、車両Vが回避対象物H(H1)に接近していることをユーザへ通知する。なお、上記した閾値Aは、例えばユーザへの通知が必要と推定される値に設定されるが、これに限られず、任意の値に設定可能である。
ユーザへの通知が行われたにもかかわらず、参照符号V13で示すように、車両Vが回避対象物H(H1)の方向(図1Bにおいて左方)へさらに移動して接近し、離間距離Xが閾値B以下になった場合、車載装置10は、車両Vの制動によって回避対象物H(H1)を回避する制御を車両制御として実行する。具体的には、車載装置10は、離間距離Xや車速などに応じて、車両Vを減速させる車両制御を行う。なお、上記した閾値Bは、閾値Aより小さい値であり(A>B)、例えば回避対象物Hを回避する制御を実行する必要があると推定される値に設定されるが、これに限定されるものではなく、任意の値に設定可能である。
このように、本実施形態に係る車載装置10にあっては、走行場所が路側帯Gであると判定され、かつ、車両Vが回避対象物Hに接近した場合、車両Vの制動によって回避対象物Hを回避する制御を車両制御として実行する。
これにより、車両Vは減速するため、例えばユーザは車両Vを回避対象物H(H1)から離れる方向(図1Bの例では右方)へ操舵することで、回避対象物H(H1)を容易に回避することができ、車両Vの安全性を向上させることができる。
また、走行場所が路側帯Gである場合、例えば仮に、上記した制動による車両制御(回避制御)ではなく、操舵で回避対象物H(H1)を回避しようとすると、図1Bの例では車道J側に近づくことになる。この場合、例えばユーザによるハンドル操作によって想定以上に操舵されてしまったり、回避対象物H1から車道Jまで(正確には境界線。回避対象物H2まで)の幅が狭い路側帯Gを走行したりする場合には、車両Vが境界線(回避対象物H2)を越えて車道Jを走行する自動車に接触する可能性が生じ得る。そこで、本実施形態では、走行場所が路側帯Gである場合には、回避制御として制動制御を優先して行うようにした。なお、制動制御だけでは回避できない緊急時には、操舵制御を行うように構成してもよい。
また、図示は省略するが、車両Vが回避対象物H2(図1Bの例では右方)へ接近することがある。このとき、路側帯Gに隣接する車道Jには車両Vより速度の速い自動車が走行しているため、車両Vが車道Jとの境界線である回避対象物H2を逸脱することは車両Vの安全上好ましくない。本実施形態においては、上記のように制動による車両制御(回避制御)が行われることで、車両Vが回避対象物H2(境界線)を逸脱することを抑制でき、よって車両Vの安全性をより向上させることができる。
ここで、車両Vが歩道を走行することが前提の小型車両の場合、車道Jを走行する自動車に比べて周囲状況を確認するセンシング機能が簡素化されている場合が多い。詳しくは、例えば本実施形態のように、センシング手段がドライブレコーダ40のカメラのみで、そのカメラも1つのみで全周囲を監視(撮影)するように構成されることがある。このとき、カメラは、撮影向きを回転させて全周囲を撮影する等の構成であるため、例えば車両Vの後方は乗員が邪魔になってカメラでの撮影が適切に行われない可能性がある。このような構成の場合、例えば高速で接近する車両や、夜間や雨等で見通しが悪い場合には、車両の接近を見落としてしまったり、検出が遅れてしまったりする可能性がある。そこで、本実施形態にあっては、路側帯G走行時には、車道J側には近づかないように回避制御を行うとよい。
図1Bの説明を続けると、車両Vを減速させる車両制御が行われたにもかかわらず、参照符号V14で示すように、車両Vが回避対象物H(H1)の方向(図1Bにおいて左方)へさらに移動して接近し、離間距離Xが閾値C以下になった場合、車載装置10は、車両Vを停止させて回避対象物H(H1)を回避する制御を車両制御として実行する。なお、上記した閾値Cは、閾値Bより小さい値であり(B>C)、例えば車両Vが回避対象物Hに接近したために停止制御を実行する必要があると推定される値に設定されるが、これに限定されるものではなく、任意の値に設定可能である。
これにより、路側帯Gを走行する車両Vが、溝等である回避対象物H1に接触することを確実に回避することができ、よって車両Vの安全性をより一層向上させることができる。また、図示は省略するが、車両Vが回避対象物H2(図1Bの例では右方)へ接近するような場合も、上記した停止制御により、路側帯Gを走行する車両Vが、境界線である回避対象物H2を逸脱することを確実に回避することができ、よって車両Vの安全性をより一層向上させることができる。
次に、図1Cを用いて走行場所が歩道Lである場合の車両制御について説明する。車載装置10は、走行場所が路側帯Gである場合と同様、位置関係情報に基づいて、車両Vと回避対象物Hとの相対位置、および、車両Vから回避対象物Hまでの離間距離Xなどを常時監視する(参照符号V21)。ここでは、車載装置10は、ユーザの運転操作による手動運転制御によって車両Vを制御している。
そして、参照符号V22で示すように、ユーザの運転操作によって車両Vが回避対象物H1の方向(図1Cの例では左方)へ移動して接近し、離間距離Xが閾値D以下になった場合、車載装置10は、車両Vが回避対象物H1に接近していることをユーザへ通知する。なお、上記した閾値Dは、例えばユーザへの通知が必要と推定される値に設定されるが、これに限られず、任意の値に設定可能である。
ユーザへの通知が行われたにもかかわらず、参照符号V23で示すように、車両Vが回避対象物H1の方向(図1Cにおいて左方)へさらに移動して接近し、離間距離Xが閾値E以下になった場合、車載装置10は、車両Vの操舵によって回避対象物Hを回避する制御を車両制御として実行する。具体的には、車載装置10は、離間距離Xや車速などに応じて、車両Vの操舵角が回避対象物H1を回避可能な角度となるように(図1Bにおいて右側に操舵する適切な角度となるように)、車両Vの制御を行う。なお、上記した閾値Eは、閾値Dより小さい値であり(D>E)、例えば回避対象物Hを回避する制御を実行する必要があると推定される値に設定されるが、これに限定されるものではなく、任意の値に設定可能である。
このように、本実施形態に係る車載装置10にあっては、走行場所が歩道Lであると判定され、かつ、車両Vが回避対象物H(H1)に接近した場合、車両Vの操舵によって回避対象物Hを回避する制御を車両制御として実行する。
これにより、参照符号V24で示すように、車両Vは回避対象物Hから離れる方向(図1Cの例では右方)へ移動することとなるため、回避対象物Hを容易に回避することができ、車両Vの安全性を向上させることができる。
また、走行場所が歩道Lである場合、道路脇の溝等である回避対象物Hを回避するために、車両Vの操舵によって回避しても、路側帯G走行時のような車道Jに対する危険性は少なく、また、回避のために頻繁に制動制御が行われるとユーザ(乗員)が不快に感じる可能性がある。そのため、本実施形態では、走行場所が歩道Lである場合には、操舵による回避制御を優先して行うようにした。なお、操舵制御だけでは回避できない緊急時には、制動制御を行うように構成してもよい。
また、図示は省略するが、歩道Lには歩行者が回避対象物Hとして存在している。歩行者は、車両Vより速度の遅いあるいは同程度であるため、本実施形態においては、制動による回避より、操舵による回避が優先的に行われることで、車両Vが回避対象物H(歩行者)に接触することを抑制でき、よって車両Vの安全性をより向上させることができる。
なお、通常は上記した操舵による車両制御(回避制御)によって、車両Vは回避対象物Hを回避することができるが、ユーザ(乗員)がパニックになってさらに回避対象物H(H1)に近づくようにハンドル操作される、あるいは路面の傾斜や車速など何らかの理由で回避対象物Hを回避できず、想像線で示すように、車両Vが回避対象物Hの方向(図1Cにおいて左方)へさらに移動して接近する場合がある。具体的には、操舵による車両制御(回避制御)が行われたにもかかわらず、離間距離Xが閾値F以下になる場合がある。このような場合、想像線で示すように、車載装置10は、車両Vを停止させて回避対象物Hを回避する制御を車両制御として実行する。なお、上記した閾値Fは、閾値Eより小さい値であり(E>F)、例えば車両Vが回避対象物Hに接近したために停止制御を実行する必要があると推定される値に設定されるが、これに限定されるものではなく、任意の値に設定可能である。
これにより、歩道Lを走行する車両Vが、溝や歩行者等である回避対象物Hに接触することを確実に回避することができ、よって車両Vの安全性をより一層向上させることができる。
上記したように、本実施形態に係る車載装置10は、車両Vが走行している走行場所が歩道Lであるか路側帯Gであるかを判定する処理の判定結果に応じて車両制御の内容を変更することで、車両Vが回避対象物Hに接近した場合に、車両Vの走行状況に応じた適切な内容の車両制御を実行して回避対象物Hを回避でき、車両Vの安全性を向上させることができる。
なお、上記では、走行場所が歩道Lであるか路側帯Gであるかを判定する判定処理や、位置関係情報を算出する算出処理がドライブレコーダ40によって行われるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば判定処理および算出処理の一部あるいは全部が車載装置10によって行われるように構成してもよい。
<車載装置を備えた車両システムの構成>
次に、実施形態に係る車載装置10を備えた車両システム1の構成について、図2を用いて説明する。図2は、車両システム1の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、車両システム1は、車両Vと、端末装置100とを含み、これらはインターネット網などの通信ネットワークNを介して通信可能に接続される。なお、図2では、図示の簡略化のため、車両Vおよび端末装置100をそれぞれ1つ示したが、複数であってもよい。
端末装置100は、ユーザの関係者によって使用される装置である。ユーザの関係者は、例えばユーザの家族、車両Vを管理する管理者などであるが、これらは例示であって限定されるものではない。なお、ユーザの関係者は、所定の対象者の一例である。
端末装置100としては、例えばスマートフォンやタブレット端末、PC(Personal Computer)などを用いることができるが、これに限定されるものではない。なお、端末装置100には、車両Vが回避対象物に接近して回避対象物を回避する車両制御が実行されたことを示す情報が通知されるが、これについては後述する。
車両Vには、上記した車載装置10およびドライブレコーダ40などが搭載される。先ず、ドライブレコーダ40について、図3を参照して説明する。図3は、ドライブレコーダ40の構成例を示すブロック図である。なお、図3等のブロック図では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
換言すれば、図3等のブロック図に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
図3に示すように、ドライブレコーダ40は、通信部41と、カメラ42と、センサ部43と、制御部50と、記憶部60とを備える。
通信部41は、例えばNIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部41は、通信ネットワークNに双方向通信可能に接続され、端末装置100等との間で情報の送受信を行う。
カメラ42は、車両Vの適宜位置に設置され、車両Vの周辺を撮像する。カメラ42は、例えば魚眼レンズ等のレンズと、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子とを備えたカメラであるが、これに限定されるものではない。
センサ部43は、ドライブレコーダ40が取り付けられた車両Vの各種の状況を示す情報を出力するセンサ群である。センサ部43には、例えばGセンサやGPSセンサなどが含まれるが、これらは例示であって限定されるものではない。
制御部50は、画像取得部51と、判定部52と、算出部53と、送信部54と、処理部55とを備え、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部50の画像取得部51、判定部52、算出部53、送信部54および処理部55として機能する。
また、制御部50の画像取得部51、判定部52、算出部53、送信部54および処理部55の少なくともいずれか一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
また、記憶部60は、例えば、不揮発性メモリやデータフラッシュ、ハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部60には、画像情報61および各種プログラムなどが記憶される。
画像情報61は、カメラ42によって撮像されたカメラ画像を含む情報である。なお、カメラ画像は、動画データであっても、静止画データであってもよい。
制御部50の画像取得部51は、カメラ42によって撮影されたカメラ画像を取得し、取得されたカメラ画像を、記憶部60に画像情報61として記憶させる。
判定部52は、車両Vが走行している走行場所が歩道であるか路側帯であるかを判定する。例えば、判定部52は、記憶部60の画像情報61を読み出し、画像情報61であるカメラ画像を解析する。判定部52は、解析処理により、カメラ画像に上記した歩道情報が含まれる場合に走行場所が歩道であると判定する一方、路側帯情報が含まれる場合に走行場所が路側帯であると判定する。判定部52は、判定結果を示す情報を送信部54へ出力する。
なお、上記において、判定部52は、カメラ画像に基づいて走行場所が歩道であるか路側帯であるかを判定するようにしたが、判定の手法はこれに限定されるものではない。すなわち、例えば判定部52は、地図情報を図示しない外部サーバや予め記憶させた記憶部60から取得し、取得された地図情報とセンサ部43に含まれるGPSセンサの出力とに基づいて、走行場所が歩道であるか路側帯であるかを判定するなど、その他の手法で判定を行ってもよい。
算出部53は、車両Vと回避対象物との位置関係を示す位置関係情報を算出する。例えば、算出部53は、記憶部60の画像情報61であるカメラ画像を読み出し、解析する。算出部53は、解析処理により、車両Vと回避対象物との相対位置(例えば車両Vに対して回避対象物が存在する方向など)、および、車両Vから回避対象物までの離間距離X(図1B,1C参照)などを位置関係情報として算出する。算出部53は、算出された位置関係情報を送信部54へ出力する。
なお、上記において、算出部53は、カメラ画像に基づいて位置関係情報を算出するようにしたが、算出の手法はこれに限定されるものではない。すなわち、例えばドライブレコーダ40が車両V周辺の物標を検出するレーダ装置を備え、算出部53は、かかるレーダ装置の出力に基づいて位置関係情報を算出するなど、その他の手法で算出してもよい。
送信部54は、上記した判定結果および位置関係情報を、例えばCAN(Controller Area Network)等を介して車載装置10へ送信する。なお、送信部54は、車載装置10への情報の送信処理を定期的あるいは不定期に行うが、これに限られない。
処理部55は、例えば車載装置10から通知要求(後述)を受け付けた場合に、所定の情報を端末装置100へ通知する処理を行う。例えば、車両Vが回避対象物に接近して回避対象物を回避する車両制御が実行されると、上記した通知要求が車載装置10からドライブレコーダ40へ出力される。
ドライブレコーダ40の処理部55は、通知要求を受け付けると、当該車両制御が実行されたときの車両Vに関する情報(例えば、車両制御が実行される前後のカメラ画像、実行日時、実行場所など)を通信部41を介して端末装置100へ送信して通知する。
これにより、端末装置100を使用するユーザの関係者(所定の対象者)は、車両Vが回避対象物に接近して車両制御が実行されたときの車両Vの状況などを確認することが可能となる。
なお、処理部55は、ドライブレコーダ40における各種の処理を実行してもよい。例えば、処理部55は、センサ部43に含まれるGセンサの出力により事故等による衝撃を検知した場合、検知前後の所定時間分のカメラ画像について上書きを禁止する処理を行ってもよい。これにより、例えば事故発生時の状況を示すカメラ画像を上書きされることなく確実に記録することが可能となる。
次に、車載装置10などについて図4を参照して説明する。図4は、車載装置10などの構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、車載装置10には、上記したドライブレコーダ40と、車両機構11と、車載センサ部12と、HMI(Human Machine Interface)部13とが、CAN等を介して通信可能に接続される。
車両機構11は、車両Vの走行系や電力系等を構成する各種の機構である。車載センサ部12は、車両Vに搭載され、車両Vの各種の状況を示す情報を出力するセンサ群である。車載センサ部12には、例えば車速センサや操舵角センサ、ジャイロセンサ、着座センサなどが含まれるが、これらは例示であって限定されるものではない。
HMI部13は、ユーザと車両Vとが情報をやり取りするための各種のインタフェース部品であって、アクセルやブレーキ、ステアリング、表示部、スピーカ、マイクといったハードウェア部品の他、表示部に表示されるソフトウェア部品を含む。
車載装置10は、制御部20と、記憶部30とを備える。制御部20は、取得部21と、車両制御部22と、通知部23とを備え、例えば、CPU、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部20の取得部21、車両制御部22および通知部23として機能する。また、制御部20の取得部21、車両制御部22および通知部23の少なくともいずれか一部または全部をASICやFPGA等のハードウェアで構成することもできる。
また、記憶部30は、例えば、不揮発性メモリやデータフラッシュ、ハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部30には、車両制御情報31および各種プログラムなどが記憶される。
車両制御情報31は、車両Vの車両制御に関する情報である。具体的には、本実施形態においては、上記したように車両Vが回避対象物に接近した場合に、回避対象物を回避する車両制御を実行し、かかる車両制御の内容は、車両Vの走行場所が歩道であるか路側帯であるかによって異なる。車両制御情報31は、その車両制御の内容を含む情報である。
ここで、図5を用いて、車両制御情報31について説明する。図5は、車両制御情報31の一例を示す図である。図5に示すように、車両制御情報31には、「車両制御ID」、「走行場所」、「車両制御の内容」および「閾値」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
「車両制御ID」は、車両制御情報を識別する識別情報である。「走行場所」は、車両Vの走行場所を示す情報である。「走行場所」には、車両Vの走行が想定される場所である「路側帯」や「歩道」などの情報が登録される。
なお、図5の例では、走行場所が「路側帯」、「歩道」の2つである場合を示すが、これに限定されるものではない。すなわち、「路側帯」や「歩道」についても、例えば道路幅の大小、雨などにより路面が濡れているか否か、路面の傾斜(上り傾斜、下り傾斜、左傾斜、右傾斜)、道路が屋外か屋内かなど、道路の状態によってさらに細分化されてもよい。また、「走行場所」には、路側帯や歩道とは異なる場所であって、車両Vが走行可能な場所が登録されてもよい。
「車両制御の内容」は、回避対象物を回避する車両制御の内容を示す情報である。かかる車両制御は、上記したように、車両Vが回避対象物に接近した場合に実行される車両制御である。なお、図5に示す例では、便宜上、「車両制御の内容」を「内容Q01」といったように抽象的な記載とするが、「内容Q01」には具体的な情報が記憶されるものとする。
ここで、「車両制御の内容」の一例を説明する。「走行場所」が「路側帯」に対応する「車両制御の内容」(内容Q01)には、車両Vの制動によって回避対象物を回避する制御の情報が含まれる。具体的に「車両制御の内容」(内容Q01)においては、車両Vから回避対象物までの現在の離間距離X(図1B参照)や現在の車速などに応じた目標車速(詳しくは回避対象物を回避する減速の目標となる車速)などが設定される。
また、「車両制御の内容」の他の例について説明すると、「走行場所」が「歩道」に対応する「車両制御の内容」(内容Q02)には、車両Vの操舵よって回避対象物を回避する制御の情報が含まれる。具体的に「車両制御の内容」(内容Q02)においては、車両Vから回避対象物までの現在の離間距離X(図1C参照)や現在の車速などに応じた目標操舵角(詳しくは回避対象物を回避する操舵の目標となる操舵角)などが設定される。
「閾値」は、車両Vから回避対象物までの現在の離間距離X(図1B,1C参照)と比較する閾値を示す情報である。
図5に示す例では、車両制御ID「P01」で識別される車両制御情報は、走行場所が「路側帯」、車両制御の内容が「内容Q01」、閾値が「閾値A,B,C」であることを示している。また、車両制御ID「P02」で識別される車両制御情報は、走行場所が「歩道」、車両制御の内容が「内容Q02」、閾値が「閾値D,E,F」であることを示している。
ここで、上記した閾値A~Fは、車両Vの走行場所に応じて値が異なるように設定されてもよい。例えば、閾値A~Fは、車両Vの走行場所が路側帯である場合と、走行場所が歩道である場合とで異なる値に設定される。これにより、車両Vの安全性をより一層向上させることができる。
詳説すると、上記したように走行場所が路側帯である車両Vが回避対象物に接近し、離間距離Xが閾値A以下になった場合、回避対象物へ接近していることがユーザへ通知される。一方、走行場所が歩道である車両Vが回避対象物に接近し、離間距離Xが閾値D以下になった場合、回避対象物へ接近していることがユーザへ通知される。
路側帯は、自動車が走行する車道に隣接しているため、歩道に比べて危険の度合いが高く、車両Vが回避対象物(例えば路側帯と車道との境界を示す境界線)へ接近していることを、早期にユーザへ通知することが望ましい。
そこで、本実施形態においては、閾値Aが閾値Dより大きくなるように設定される(A>D)。これにより、路側帯を走行している車両Vに対する通知は、歩道を走行するときに比べて早期に行われることとなる。そのため、例えば車両Vが回避対象物に近づいていることをユーザに早期に認識させることが可能となり、結果として車両Vの安全性をより一層向上させることができる。
また、上記したように走行場所が路側帯である車両Vが回避対象物にさらに接近し、離間距離Xが閾値B以下になった場合、回避対象物を回避する車両制御(正確には制動による車両制御)が実行される。一方、走行場所が歩道である車両Vにおいて、離間距離Xが閾値E以下になった場合、回避対象物を回避する車両制御(正確には操舵による車両制御)が実行される。ここでも、路側帯を走行する車両Vについては、回避対象物を回避する車両制御が、歩道を走行する車両Vに比べて早期に実行されることが望ましい。
そこで、本実施形態においては、閾値Bが閾値Eより大きくなるように設定される(B>E)。これにより、路側帯を走行している車両Vに対する車両制御は、歩道を走行するときに比べて早期に実行されることとなるため、結果として車両Vの安全性をより一層向上させることができる。
また、上記したように走行場所が路側帯である車両Vが回避対象物にさらに接近し、離間距離Xが閾値C以下になった場合、車両Vを停止させる車両制御が実行される。一方、走行場所が歩道である車両Vにおいて、離間距離Xが閾値F以下になった場合、車両Vを停止させる車両制御が実行される。ここでも、路側帯を走行する車両Vについては、車両Vを停止させる車両制御が、歩道を走行する車両Vに比べて早期に実行されることが望ましい。
そこで、本実施形態においては、閾値Cが閾値Fより大きくなるように設定される(C>F)。これにより、路側帯を走行している車両Vを停止させる車両制御は、歩道を走行するときに比べて早期に実行されることとなるため、結果として車両Vの安全性をより一層向上させることができる。
このように、本実施形態にあっては、車両Vの走行場所に応じて閾値A~Fが異なるように設定されるため、車両Vの安全性をより一層向上させることができる。なお、上記した閾値A~Fにおける大小関係は、あくまでも例示であって限定されるものではない。すなわち、例えば閾値Aと閾値Dとは同じ値に設定され、閾値Bと閾値Eとが異なる値に設定されるなどしてもよい。
図4の説明に戻ると、制御部20の取得部21は、ドライブレコーダ40から判定結果および位置関係情報を取得し、車両制御部22へ出力する。また、取得部21は、車載センサ部12から車両Vの各種の状況を示す情報を取得し、車両制御部22へ出力する。
車両制御部22は、車両Vの制御を行う。例えば、車両制御部22は、HMI部13を介して入力されるユーザの運転操作と、車載センサ部12からの情報とに基づき、ユーザの運転操作による手動運転制御を行って車両Vを制御する。
また、車両制御部22は、判定結果、位置関係情報および車両制御情報31に基づいて、車両Vと回避対象物との相対位置、および、車両Vから回避対象物までの離間距離Xなどを常時監視する。
そして、車両制御部22は、例えば路側帯を走行する車両Vと回避対象物との離間距離Xが閾値A以下になった場合、あるいは、歩道を走行する車両Vにおける離間距離Xが閾値D以下になった場合、ユーザへの通知要求を通知部23へ出力する。
通知部23は、ユーザへの通知要求を受け付けると、車両Vが回避対象物へ接近していることをHMI部13を介してユーザへ通知する。例えば、HMI部13が表示部やスピーカを備える場合、通知部23は、回避対象物へ接近していることを示す表示情報や音声情報を表示部やスピーカを介して出力させる。これにより、車両Vが回避対象物へ接近していることをユーザに対して認識させることが可能になる。
また、車両制御部22は、車両Vが回避対象物にさらに接近した場合に回避対象物を回避する車両制御を実行する。ここで、車両制御部22は、車両Vが走行している走行場所が歩道であるか路側帯であるかを判定する処理の判定結果に応じて車両制御の内容を変更する。
例えば、車両制御部22は、走行場所が路側帯であると判定され、かつ、車両Vが回避対象物に接近し離間距離Xが閾値B以下になった場合、車両Vの制動によって回避対象物を回避する制御を車両制御として実行する。
これにより、車両Vは減速するため、例えばユーザは車両Vを回避対象物から離れる方向へステアリングを操舵すれば、回避対象物を容易に回避することができ、車両Vの安全性を向上させることができる。
また、例えば、車両制御部22は、走行場所が歩道であると判定され、かつ、車両Vが回避対象物に接近し離間距離Xが閾値E以下になった場合、車両Vの操舵によって回避対象物を回避する制御を車両制御として実行する。
これにより、車両Vは、例えば回避対象物から離れる方向へ移動することとなるため、回避対象物を容易に回避することができ、車両Vの安全性を向上させることができる。
このように、車両制御部22は、車両Vと回避対象物との離間距離Xが閾値B(あるいは閾値E)以下の場合に車両Vが回避対象物に接近したと判定して車両制御を実行する。
また、車両制御部22は、路側帯を走行する車両Vが回避対象物へさらに移動して接近し、離間距離Xが閾値C以下になった場合、車両Vを停止させて回避対象物を回避する制御を車両制御として実行する。
また、車両制御部22は、歩道を走行する車両Vが回避対象物へさらに移動して接近し、離間距離Xが閾値F以下になった場合、車両Vを停止させて回避対象物を回避する制御を車両制御として実行する。
このように車両Vを停止させることで、車両Vが回避対象物に接触することなどを確実に回避することができ、よって車両Vの安全性をより一層向上させることができる。
また、車両制御部22は、車両Vを停止させる車両制御(以下、「停止制御」と記載する場合がある)を実行した後、例えば停止制御を解除する解除条件が成立したか否かを判定する。そして、車両制御部22は、解除条件が成立した場合、停止制御を解除してもよい。
解除条件の例としては、ユーザによってHMI部13のステアリングが、接近した回避対象物を回避する方向へ操作された場合などである。なお、上記した解除条件は、あくまでも例示であって限定されるものではない。すなわち、解除条件は、例えばユーザによってステアリングが回避対象物を回避する方向へ操作され、かつ、その方向に車両Vが進んだときに他の回避対象物が存在しない場合に設定されたり、ユーザによって解除を要求する操作がなされた場合に設定されたりするなど、任意に設定可能である。
通知部23は、車両制御部22によって例えば制動による車両制御や操舵による車両制御が実行されると、当該車両制御が実行されたことを示す情報をユーザの関係者(所定の対象者)へ通知する。
具体的には、通知部23は、制動や操舵による車両制御が実行されると、当該車両制御が実行されたことを示す情報を、端末装置100へ通知することを要求する通知要求をドライブレコーダ40へ出力する。
かかる通知要求により、ドライブレコーダ40では、上記したように、当該車両制御が実行されたときの車両Vに関する情報(例えば、車両制御が実行される前後のカメラ画像、実行日時、実行場所など)を端末装置100へ送信して通知する。これにより、端末装置100を使用するユーザの関係者は、車両制御が実行されたときの車両Vの状況などを確認することが可能になることは、既に述べた通りである。
なお、端末装置100への通知タイミングは、上記に限られず、例えば回避対象物へ接近していることがユーザへ通知されたタイミングや、停止制御が実行されたタイミングなど、任意に設定可能である。
<実施形態に係る車両制御装置の制御処理>
次に、車載装置10における具体的な処理手順について図6Aおよび図6Bを用いて説明する。図6Aおよび図6Bは、車載装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。
図6Aに示すように、車載装置10の制御部20は、車両Vの走行場所が路側帯であるか否かを判定する(ステップS10)。制御部20は、走行場所が路側帯であると判定された場合(ステップS10,Yes)、車両Vから回避対象物までの離間距離Xが閾値A以下か否かを判定する(ステップS11)。
制御部20は、離間距離Xが閾値A以下ではないと判定された場合(ステップS11,,No)、以降の処理をスキップする。一方、制御部20は、離間距離Xが閾値A以下であると判定された場合(ステップS11,Yes)、回避対象物へ接近していることをユーザへ通知済みであるか否かを判定する(ステップS12)。
制御部20は、ステップS12の処理を最初に実行するときはユーザへ通知済みではないと判定され(ステップS12,No)、車両Vが回避対象物へ接近していることをユーザへ通知する処理を実行する(ステップS13)。
一方、制御部20は、ユーザへ通知済みであると判定された場合(ステップS12,Yes)、回避対象物までの離間距離Xが閾値B以下か否かを判定する(ステップS14)。制御部20は、離間距離Xが閾値B以下ではないと判定された場合(ステップS14,,No)、すなわち、離間距離Xが閾値Bより大きく、閾値A以下である場合、以降の処理をスキップする。
制御部20は、離間距離Xが閾値B以下であると判定された場合(ステップS14,Yes)、制動による車両制御(回避制御)を実行中であるか否かを判定する(ステップS15)。
制御部20は、ステップS15の処理を最初に実行するときは制動による車両制御を実行中ではないと判定され(ステップS15,No)、制動による車両制御を実行する(ステップS16)。
他方、制御部20は、制動による車両制御を実行中であると判定された場合(ステップS15,Yes)、回避対象物までの離間距離Xが閾値C以下か否かを判定する(ステップS17)。
制御部20は、離間距離Xが閾値C以下ではないと判定された場合(ステップS14,,No)、すなわち、離間距離Xが閾値Cより大きく、閾値B以下である場合、以降の処理をスキップする。
制御部20は、離間距離Xが閾値C以下であると判定された場合(ステップS17,Yes)、車両Vを停止させる停止制御を実行する(ステップS18)。次いで、制御部20は、停止制御を解除する解除条件が成立しているか否かを判定する(ステップS19)。
制御部20は、解除条件が成立していないと判定された場合(ステップS19,No)、ステップS18の処理へ戻る。一方、制御部20は、解除条件が成立したと判定された場合(ステップS19,Yes)、停止制御を解除する(ステップS20)。
また、制御部20は、車両Vの走行場所が路側帯ではないと判定された場合(ステップS10,No)、すなわち、走行場所が歩道である場合、図6Bに示すように、回避対象物までの離間距離Xが閾値D以下か否かを判定する(ステップS21)。
制御部20は、離間距離Xが閾値D以下ではないと判定された場合(ステップS21,,No)、以降の処理をスキップする。一方、制御部20は、離間距離Xが閾値D以下であると判定された場合(ステップS21,Yes)、回避対象物へ接近していることをユーザへ通知済みであるか否かを判定する(ステップS22)。
制御部20は、ステップS22の処理を最初に実行するときはユーザへ通知済みではないと判定され(ステップS22,No)、車両Vが回避対象物へ接近していることをユーザへ通知する処理を実行する(ステップS23)。
一方、制御部20は、ユーザへ通知済みであると判定された場合(ステップS22,Yes)、回避対象物までの離間距離Xが閾値E以下か否かを判定する(ステップS24)。制御部20は、離間距離Xが閾値E以下ではないと判定された場合(ステップS24,,No)、すなわち、離間距離Xが閾値Eより大きく、閾値D以下である場合、以降の処理をスキップする。
制御部20は、離間距離Xが閾値E以下であると判定された場合(ステップS24,Yes)、操舵による車両制御(回避制御)を実行中であるか否かを判定する(ステップS25)。
制御部20は、ステップS25の処理を最初に実行するときは操舵による車両制御を実行中ではないと判定され(ステップS25,No)、操舵による車両制御を実行する(ステップS26)。
他方、制御部20は、操舵による車両制御を実行中であると判定された場合(ステップS25,Yes)、回避対象物までの離間距離Xが閾値F以下か否かを判定する(ステップS27)。
制御部20は、離間距離Xが閾値F以下ではないと判定された場合(ステップS24,,No)、すなわち、離間距離Xが閾値Fより大きく、閾値E以下である場合、以降の処理をスキップする。
制御部20は、離間距離Xが閾値F以下であると判定された場合(ステップS27,Yes)、車両Vを停止させる停止制御を実行する(ステップS28)。次いで、制御部20は、停止制御を解除する解除条件が成立しているか否かを判定する(ステップS29)。
制御部20は、解除条件が成立していないと判定された場合(ステップS29,No)、ステップS28の処理へ戻る。一方、制御部20は、解除条件が成立したと判定された場合(ステップS29,Yes)、停止制御を解除する(ステップS30)。
上述してきたように、実施形態において、歩道および路側帯を走行可能な車両Vに搭載される車載装置(車両制御装置の一例)10であって、車両制御部22を備える。車両制御部22は、車両Vが回避対象物に接近した場合に回避対象物を回避する車両制御を実行する。また、車両制御部22は、車両Vが走行している走行場所が歩道であるか路側帯であるかを判定する処理の判定結果に応じて車両制御の内容を変更する。これにより、車載装置10にあっては、車両Vの安全性を向上させることができる。
なお、上記では、車両Vの周辺状況を示すカメラ画像がドライブレコーダ40によって撮像されるようにしたが、これに限定されるものではない。すなわち、ユーザが所持し、カメラ機能を有するスマートフォンなどその他の種類の装置を用いてもよい。例えば、スマートフォンにドライブレコーダとして機能するアプリケーションがインストールされ、かかるアプリケーションとカメラによって撮像されたカメラ画像が車載装置10に送信されるように構成されてもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。