以下、図面を参照して実施形態について説明する。
[第1実施形態]
まず、図1~図6を参照して、第1実施形態について説明する。
<電力変換装置の概要>
図1は、第1実施形態に係る電力変換装置1の一例を示す回路図である。
電力変換装置1は、所定の外部電源(例えば、商用電源系統)から入力される三相交流電力を用いて、所定の三相交流電力を生成し、生成した三相交流電力を所定の負荷装置(例えば、電動機)に供給する。
図1に示すように、電力変換装置1は、整流回路10と、平滑回路20と、ヒューズ30と、インバータ回路40とを含む。
整流回路10は、外部電源から入力端子11を通じて入力される、R相、S相、及びT相の三相交流電力を整流して所定の直流電力を平滑回路20に出力する。
入力端子11は、R相の電力が入力されるR相入力端子111と、S相の電力が入力されるS相入力端子112と、T相の電力が入力されるT相入力端子113とを含む。
図1に示すように、整流回路10は、例えば、6つのダイオード12をブリッジ状に接続したブリッジ型全波整流回路である。
平滑回路20は、整流回路10から出力される直流電力やインバータ回路40から回生される直流電力を平滑化する。
平滑回路20は、正極側ブスバー20Pと、負極側ブスバー20Nと、平滑用コンデンサ21とを含む。
正極側ブスバー20Pは、導電性が相対的に高い材料(例えば、銅やアルミニウム等)を用いた平板状の部材である。以下、後述する負極側ブスバー20N、U相正極側直流ブスバー41P、U相負極側直流ブスバー41N、V相正極側直流ブスバー42P、V相負極側直流ブスバー42N、W相正極側直流ブスバー43P、及びW相負極側直流ブスバー43Nについても同様である。
正極側ブスバー20Pは、整流回路10の正極側の出力端、及びインバータ回路40の正極側の入力端のそれぞれに接続される。
負極側ブスバー20Nは、整流回路10の負極側の出力端、及びインバータ回路40の負極側の直流入力端に接続される。
平滑用コンデンサ21は、整流回路10やインバータ回路40と並列に、正極側ブスバー20P及び負極側ブスバー20Nを接続する電力経路に配置される。平滑用コンデンサ21は、適宜、充放電を繰り返しながら、整流回路10やインバータ回路40から出力される直流電力を平滑化する。
平滑用コンデンサ21は、一つであってもよいし、複数の平滑用コンデンサ21が並列接続されてもよい(図2、図3参照)。
平滑用コンデンサ21は、正極側ブスバー20Pに接続される正極側端子21Pと、負極側ブスバー20Nに接続される負極側端子21Nとを含む。
ヒューズ30は、正極側ブスバー20Pとインバータ回路40の正極側の直流入力端との間の正極側の電力経路上に配置される。ヒューズ30は、過電流等の発生時に溶断し、過負荷や短絡等に伴う過電流による損傷等から電力変換装置1(インバータ回路40)を保護する。
インバータ回路40は、平滑回路20から供給される直流電力から、U相、V相、及びW相の三相交流電力を生成し、出力端子40Tから外部の負荷装置に出力する。出力端子40Tは、U相の交流電力を外部に出力するU相出力端子41Tと、V相の交流電力を外部に出力するV相出力端子42Tと、W相の交流電力を外部に出力するW相出力端子43Tとを含む。
インバータ回路40は、U相回路41と、V相回路42と、W相回路43とにより構成されるブリッジ回路を含む。U相回路41、V相回路42、及びW相回路43(何れも出力回路の一例)は、電力変換装置1の正極側の配線及び負極側の配線の間の並列に接続される。
U相回路41は、U相正極側直流ブスバー41Pと、U相負極側直流ブスバー41Nと、スイッチモジュール411~414と、U相交流ブスバー41Oとを含む。以下、第1実施形態では、スイッチモジュール411~414を包括的に、或いは、スイッチモジュール411~414のうちの任意の一つを個別に「スイッチモジュール410」と称する場合がある。
U相正極側直流ブスバー41Pは、ヒューズ30を介して、平滑回路20の正極側ブスバー20Pに接続される。
U相負極側直流ブスバー41Nは、平滑回路20の負極側ブスバー20Nに接続される。
スイッチモジュール411~414(スイッチレグの一例)は、U相正極側直流ブスバー41PとU相負極側直流ブスバー41Nとの間に並列接続される。
スイッチモジュール411は、上下のアームに相当する半導体スイッチ411s1,411s2と、環流ダイオード411d1,411d2と、正極側端子411Pと、負極側端子411Nと、交流出力端子411Oとを含む。
スイッチモジュール412は、上下のアームに相当する半導体スイッチ412s1,412s2と、環流ダイオード412d1,412d2と、正極側端子412Pと、負極側端子412Nと、交流出力端子412Oとを含む。
スイッチモジュール413は、上下のアームに相当する半導体スイッチ413s1,413s2と、環流ダイオード413d1,413d2と、正極側端子413Pと、負極側端子413Nと、交流出力端子413Oとを含む。
スイッチモジュール414は、上下のアームに相当する半導体スイッチ414s1,414s2と、環流ダイオード414d1,414d2と、正極側端子414Pと、負極側端子414Nと、交流出力端子414Oとを含む。
以下、第1実施形態では、半導体スイッチ411s1,411s2,412s1,412s2,413s1,413s2,414s1,414s2を包括的に、或いは、これらのうちの任意の一つを個別に、「半導体スイッチ410s」と称する場合がある。また、第1実施形態では、上述の「スイッチモジュール410」の正極側端子411P~414Pに相当する構成要素を「正極側端子410P」と称する場合がある。また、第1実施形態では、上述の「スイッチモジュール410」の負極側端子411N~414Nに相当する構成要素を「負極側端子410N」と称する場合がある。また、第1実施形態では、上述の「スイッチモジュール410」の交流出力端子411O~414Oに相当する構成要素を「交流出力端子410O」と称する場合がある。
スイッチモジュール411~414は、同様の構成要素を有し、同様の回路で構成されるため、スイッチモジュール411について代表して説明し、スイッチモジュール412~414の説明を省略する。
半導体スイッチ411s1,411s2(上下のアームの一例)は、正極側端子411Pと負極側端子411Nとの間を接続する電力経路に配置され、互いに直列接続されている。半導体スイッチ411s1,411s2は、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。
半導体スイッチ411s1は、スイッチレグの上アームに相当し、正極側端子411Pに接続されている。
半導体スイッチ411s2は、スイッチレグの下アームに相当し、負極側端子411Nに接続されている。
環流ダイオード411d1,411d2は、半導体スイッチ411s1,411s2のそれぞれと並列接続されている。
正極側端子411Pは、U相正極側直流ブスバー41Pに接続される。
負極側端子411Nは、U相負極側直流ブスバー41Nに接続される。
交流出力端子411O(上下のアームの接続点の一例)は、半導体スイッチ411s1,411s2の間の接続点(中間点)から引き出される。
U相交流ブスバー41Oは、一端において、スイッチモジュール411~414のそれぞれの交流出力端子411O~414O同士を接続すると共に、他端において、U相出力端子41Tに接続される。これにより、インバータ回路40は、スイッチモジュール411~414から出力されるU相の交流電力をU相出力端子41Tから外部に出力することができる。
V相回路42は、V相正極側直流ブスバー42Pと、V相負極側直流ブスバー42Nと、スイッチモジュール421~424と、V相交流ブスバー42Oとを含む。以下、第1実施形態では、スイッチモジュール421~424を包括的に、或いは、スイッチモジュール421~424のうちの任意の一つを個別に「スイッチモジュール420」と称する場合がある。
V相正極側直流ブスバー42Pは、ヒューズ30を介して、平滑回路20の正極側ブスバー20Pに接続される。
V相負極側直流ブスバー42Nは、平滑回路20の負極側ブスバー20Nに接続される。
スイッチモジュール421~424は、V相正極側直流ブスバー42PとV相負極側直流ブスバー42Nとの間に並列接続される。
スイッチモジュール421は、上下のアームに相当する半導体スイッチ421s1,421s2と、環流ダイオード421d1,421d2と、正極側端子421Pと、負極側端子421Nと、交流出力端子421Oとを含む。
スイッチモジュール422は、上下のアームに相当する半導体スイッチ422s1,422s2と、環流ダイオード422d1,422d2と、正極側端子422Pと、負極側端子422Nと、交流出力端子422Oとを含む。
スイッチモジュール423は、上下のアームに相当する半導体スイッチ423s1,423s2と、環流ダイオード423d1,423d2と、正極側端子423Pと、負極側端子423Nと、交流出力端子423Oとを含む。
スイッチモジュール424は、上下のアームに相当する半導体スイッチ424s1,424s2と、環流ダイオード424d1,424d2と、正極側端子424Pと、負極側端子424Nと、交流出力端子424Oとを含む。
以下、第1実施形態では、半導体スイッチ421s1,421s2,422s1,422s2,423s1,423s2,424s1,424s2を包括的に、或いは、これらのうちの任意の一つを個別に、「半導体スイッチ420s」と称する場合がある。また、第1実施形態では、上述の「スイッチモジュール420」の正極側端子421P~424Pに相当する構成要素を「正極側端子420P」と称する場合がある。また、第1実施形態では、上述の「スイッチモジュール420」の負極側端子421N~424Nに相当する構成要素を「負極側端子420N」と称する場合がある。また、第1実施形態では、上述の「スイッチモジュール420」の交流出力端子421O~424Oに相当する構成要素を「交流出力端子420O」と称する場合がある。
スイッチモジュール421~424は、同様の構成要素及び同様の回路構成を有するため、スイッチモジュール421について代表して説明し、スイッチモジュール422~424の説明を省略する。
半導体スイッチ421s1,421s2(上下のアームの一例)は、正極側端子421Pと負極側端子421Nとの間を接続する電力経路に配置され、互いに直列接続されている。
半導体スイッチ421s1は、スイッチレグの上アームに相当し、正極側端子421Pに接続されている。
半導体スイッチ421s2は、スイッチレグの下アームに相当し、負極側端子421Nに接続されている。
環流ダイオード421d1,421d2は、半導体スイッチ421s1,421s2のそれぞれと並列接続されている。
正極側端子421Pは、V相正極側直流ブスバー42Pに接続される。
負極側端子421Nは、V相負極側直流ブスバー42Nに接続される。
交流出力端子421O(上下のアームの接続点の一例)は、半導体スイッチ421s1,421s2の間の接続点(中間点)から引き出される。
V相交流ブスバー42Oは、一端において、スイッチモジュール421~424のそれぞれの交流出力端子421O~424O同士を接続すると共に、他端において、V相出力端子42Tに接続される。これにより、インバータ回路40は、スイッチモジュール421~424から出力されるV相の交流電力をV相出力端子42Tから外部に出力することができる。
W相回路43は、W相正極側直流ブスバー43Pと、W相負極側直流ブスバー43Nと、スイッチモジュール431~434と、W相交流ブスバー43Oとを含む。以下、第1実施形態では、スイッチモジュール431~434を包括的に、或いは、スイッチモジュール431~434のうちの任意の一つを個別に「スイッチモジュール430」と称する場合がある。
W相正極側直流ブスバー43Pは、ヒューズ30を介して、平滑回路20の正極側ブスバー20Pに接続される。
W相負極側直流ブスバー43Nは、平滑回路20の負極側ブスバー20Nに接続される。
スイッチモジュール431~434は、W相正極側直流ブスバー43PとW相負極側直流ブスバー43Nとの間に並列接続される。
スイッチモジュール431は、上下のアームに相当する半導体スイッチ431s1,431s2と、環流ダイオード431d1,431d2と、正極側端子431Pと、負極側端子431Nと、交流出力端子431Oとを含む。
スイッチモジュール432は、上下のアームに相当する半導体スイッチ432s1,432s2と、環流ダイオード432d1,432d2と、正極側端子432Pと、負極側端子432Nと、交流出力端子432Oとを含む。
スイッチモジュール433は、上下のアームに相当する半導体スイッチ433s1,433s2と、環流ダイオード433d1,433d2と、正極側端子433Pと、負極側端子433Nと、交流出力端子433Oとを含む。
スイッチモジュール434は、上下のアームに相当する半導体スイッチ434s1,434s2と、環流ダイオード434d1,434d2と、正極側端子434Pと、負極側端子434Nと、交流出力端子434Oとを含む。
以下、第1実施形態では、半導体スイッチ431s1,431s2,432s1,432s2,433s1,433s2,434s1,434s2を包括的に、或いは、これらのうちの任意の一つを個別に、「半導体スイッチ430s」と称する場合がある。また、第1実施形態では、上述の「スイッチモジュール430」の正極側端子431P~434Pに相当する構成要素を「正極側端子430P」と称する場合がある。また、第1実施形態では、上述の「スイッチモジュール430」の負極側端子431N~434Nに相当する構成要素を「負極側端子430N」と称する場合がある。また、第1実施形態では、上述の「スイッチモジュール430」の交流出力端子431O~434Oに相当する構成要素を「交流出力端子430O」と称する場合がある。
スイッチモジュール431~434は、同様の構成要素及び同様の回路構成を有するため、スイッチモジュール431について代表して説明し、スイッチモジュール432~434の説明を省略する。
半導体スイッチ431s1,431s2(上下のアームの一例)は、正極側端子431Pと負極側端子431Nとの間を接続する電力経路に配置され、互いに直列接続されている。
半導体スイッチ431s1は、スイッチレグの上アームに相当し、正極側端子431Pに接続されている。
半導体スイッチ431s2は、スイッチレグの下アームに相当し、負極側端子431Nに接続されている。
環流ダイオード431d1,431d2は、半導体スイッチ431s1,431s2のそれぞれと並列接続されている。
正極側端子431Pは、W相正極側直流ブスバー43Pに接続される。
負極側端子431Nは、W相負極側直流ブスバー43Nに接続される。
交流出力端子431O(上下のアームの接続点の一例)は、半導体スイッチ431s1,431s2の間の接続点(中間点)から引き出される。
W相交流ブスバー43Oは、一端において、スイッチモジュール431~434のそれぞれの交流出力端子431O~434O同士を接続すると共に、他端において、W相出力端子43Tに接続される。これにより、インバータ回路40は、スイッチモジュール431~434から出力されるW相の交流電力をW相出力端子43Tから外部に出力することができる。
<電力変換装置の構造>
図2、図3は、第1実施形態に係る電力変換装置1の一例を示す構造図である。具体的には、図2は、電力変換装置1の筐体1Hの一部を取り外した状態を示す斜視図であり、図3は、電力変換装置1の筐体1Hの一部を取り外し、且つ、出力端子40Tを取り外して上方向に移動させた状態を示す分解斜視図である。図4~図6は、ブスバーの配置構造の一例を説明する図である。具体的には、図4は、ブスバーの構成要素を分解して模式的に示す分解斜視図であり、図5は、図4のブスバーの構成要素を組み立てた完成状態を示す斜視図であり、図6は、ブスバーの配置構造の一例を模式的に示す側面図である。
尚、図4、図5では、便宜的に、ラミネートブスバー20PN、U相ラミネートブスバー41PN、V相ラミネートブスバー42PN、及びW相ラミネートブスバー43PNが一体の部材として描画されている。また、図4では、便宜的に、平滑回路20の正極側ブスバー20P、並びにインバータ回路40のU相正極側直流ブスバー41P、V相正極側直流ブスバー42P、及びW相正極側直流ブスバー43Pが一体の部材として描画されている。同様に、図4では、便宜的に、平滑回路20の負極側ブスバー20N、並びにインバータ回路40のU相負極側直流ブスバー41N、V相負極側直流ブスバー42N、及びW相負極側直流ブスバー43Nが一体の部材として描画されている。同様に、図4では、絶縁層20I1,41I1,42I1,43I1が一体の部材として描画されている。同様に、図4では、絶縁層20I2,41I2,42I2,43I2が一体の部材として描画されている。また、図4、図5では、簡単のため、平滑回路20の全ての平滑用コンデンサ21のうちの一部(4個)のみが代表して描画されている。同様に、図4、図5では、簡単のため、U相回路41の全てのスイッチモジュール410のうちの一部(1個)のみが代表して描画されている。同様に、図4、図5では、簡単のため、V相回路42に含まれるスイッチモジュール420のうちの一部(1個)のみが代表して描画されている。同様に、図4、図5では、簡単のため、W相回路43に含まれるスイッチモジュール430のうちの一部(1個)のみが代表して描画されている。また、図6では、便宜的に、絶縁層20I1,20I2,41I1,41I2,42I1,42I2,43I1,43I2の描画が省略されている。
図2、図3に示すように、電力変換装置1は、上面視、側面視、及び正面視の全てにおいて、略矩形形状の略箱形状を有する筐体1Hに各種構成要素が収容される。「略」は、製造誤差等を許容する意図であり、以下、同様の意味で使用する。
以下、筐体1Hの上面視の長手方向をX軸方向と称し、筐体1Hの上面視の短手方向をY軸方向と称し、上下方向をZ軸方向と称する場合がある(図2~図6参照)。
図2、図3に示すように、平滑回路20、ヒューズ30、及びインバータ回路40は、筐体1Hの内部の長手方向の一端部から他端部に亘って(即ち、X軸正方向に)、順に並べて配置される。
また、出力端子40Tは、筐体1Hの内部の長手方向(X軸方向)の中央部、且つ、筐体1Hの内部の上部に配置される。具体的には、出力端子40Tは、筐体1Hの内部の平滑回路20及びヒューズ30の上方に配置される。
出力端子40Tは、上述の如く、U相出力端子41Tと、V相出力端子42Tと、W相出力端子43Tとを含む。U相出力端子41T、V相出力端子42T、及びW相出力端子43Tは、筐体1Hの内部の短手方向の一端部から中央部に亘って(即ち、Y軸正方向に)、順に並べて配置される。
本例では、平滑回路20は、24個の平滑用コンデンサ21を含む。
平滑用コンデンサ21は、略円柱形状を有し、軸方向が上下方向に沿う態様で、筐体1Hの底面に載置される。また、平滑用コンデンサ21の載置面の反対の端面(上端面)には、正極側端子21P及び負極側端子21Nが設けられる。
具体的には、図2、図3に示すように、平滑用コンデンサ21は、X軸方向に4個並べて配置されると共に、Y軸方向に6個並べて配置される。
平滑用コンデンサ21の上端面には、ラミネートブスバー20PNがX軸方向及びY軸方向に略平行に配置される。
ラミネートブスバー20PNは、上面視で、略矩形形状を有する。ラミネートブスバー20PNは、X軸方向及びY軸方向で24個の平滑用コンデンサ21を覆う範囲に亘って配置される。
図4、図5に示すように、ラミネートブスバー20PNは、正極側ブスバー20P及び負極側ブスバー20Nが絶縁層20I1を介して積層されることにより構成される。具体的には、ラミネートブスバー20PNは、最下層に負極側ブスバー20Nが配置され、その上に、絶縁層20I1が配置され、その上に、正極側ブスバー20Pが配置され、最上層に絶縁層20I2が配置される4層のラミネート構造を有する。
図4~図6に示すように、最下層の負極側ブスバー20Nには、平滑用コンデンサ21の負極側端子21Nとボルト締結される相対的に小さい貫通孔が設けられる。これにより、平滑用コンデンサ21の負極側端子21Nと負極側ブスバー20Nとを直接接続することができる。また、負極側ブスバー20Nには、正極側端子21Pを上面視で露出させるための相対的に大きい貫通孔が設けられる。これにより、負極側ブスバー20Nよりも上の層にある正極側ブスバー20Pと正極側端子21Pとを接続させることができる。
図4、図5に示すように、負極側ブスバー20Nの上に隣接する絶縁層20I1には、平滑用コンデンサ21の正極側端子21P及び負極側端子21N(即ち、負極側ブスバー20Nの締結用の貫通孔)を上面視で露出させるための相対的に大きな貫通孔が設けられる。
図4~図6に示すように、絶縁層20I1の上に隣接する正極側ブスバー20Pには、平滑用コンデンサ21の正極側端子21Pとボルト締結される相対的に小さい貫通孔が設けられる。これにより、平滑用コンデンサ21の正極側端子21Pと正極側ブスバー20Pとを直接接続させることができる。また、正極側ブスバー20Pには、平滑用コンデンサ21の負極側端子21N(即ち、負極側ブスバー20Nの締結用の貫通孔)を上面視で露出させるための相対的に大きな貫通孔が設けられる。これにより、作業者は、正極側ブスバー20Pよりも下の層にある負極側ブスバー20Nの締結用の貫通孔にアクセスすることができる。
図4、図5に示すように、最上層の絶縁層20I2には、平滑用コンデンサ21の正極側端子21P(即ち、正極側ブスバー20Pの締結用の貫通孔)及び負極側端子21N(即ち、負極側ブスバー20Nの締結用の貫通孔)を上面視で露出させる相対的に大きい貫通孔が設けられる。
ラミネートブスバー20PNの正極側ブスバー20P及び負極側ブスバー20Nは、例えば、略同じ厚みを有する。これにより、正極側ブスバー20P及び負極側ブスバー20Nの電流密度が略等しくなる。
また、ラミネートブスバー20PNは、正極側ブスバー20P及び負極側ブスバー20Nの重なり合う面積が相対的に大きくなるように(好適には、最大化されるように)筐体1H内に配置されてよい。また、ラミネートブスバー20PNは、正極側ブスバー20P及び負極側ブスバー20Nの絶縁性を確保しつつ、その距離が相対的に小さくなるように絶縁層20I1の厚みが設定されてよい。これにより、空間上、逆向きに流れる電流経路を近接させることができる。そのため、正極側ブスバー20Pの電流により生じる磁界及び負極側ブスバー20Nの電流により生じる磁界の少なくとも一部を相殺させ、正極側ブスバー20P及び負極側ブスバー20Nのインダクタンスを低減させることができる。また、上記のように、電流密度が略等しい場合、正極側ブスバー20Pの電流及び負極側ブスバー20Nの電流の双方により生じる磁界の大きさが略等しくなり、発生する磁界のほとんどを相殺させることができる。そのため、正極側ブスバー20P及び負極側ブスバー20Nのインダクタンスを更に抑制することができる。よって、正極側ブスバー20P及び負極側ブスバー20Nのインダクタンスの低減に伴い、電力変換装置1のサージ電圧を抑制することができる。
インバータ回路40は、上述の如く、U相回路41と、V相回路42と、W相回路43とにより構成されるブリッジ回路を含む。
図2、図3に示すように、U相回路41、V相回路42、及びW相回路43は、Y軸負方向の端部からY軸正方向の端部に向けて、Y軸方向に順に並べて配置される。
U相回路41は、4個のスイッチモジュール410(即ち、上述のスイッチモジュール411~414に相当)を含む。
4個のスイッチモジュール410は、X軸方向に2個並べて配置される2つのグループが、Y軸方向で二列に並べて配置される。また、4個のスイッチモジュール410は、筐体1Hの底面に載置される別の部品(例えば、電力変換装置1の制御回路、半導体スイッチ410s、420s、430sの駆動回路、インバータ回路40の冷却機構等)の上に配置される。これにより、Z軸方向に相対的に大きい寸法を有する平滑用コンデンサ21との上端位置の差異を相対的に小さくすることができる。そのため、正極側ブスバー20P及び負極側ブスバー20NのZ軸方向の位置と、U相正極側直流ブスバー41P及びU相負極側直流ブスバー41NのZ軸方向の位置とを相対的に近づけることができる。
図4、図5に示すように、スイッチモジュール410は、箱形状を有し、上面視の角部に締結用の切り欠き及びボルトの座面が設けられる。
スイッチモジュール410は、上面視の長手方向が略X軸方向に沿うように配置される。スイッチモジュール410には、その長手方向(即ち、X軸方向)に沿って、平滑回路20(平滑用コンデンサ21)に近い方から順に、交流出力端子410O、負極側端子410N、及び正極側端子410Pが並べて配置される。
尚、U相回路41には、スイッチモジュール410のように、2つの半導体スイッチ410sの直列接続体が筐体内に予め収容される形態と異なる形態のスイッチレグが適用されてもよい。以下、V相回路42のスイッチモジュール420やW相回路43のスイッチモジュール430についても同様であってよく、後述の第2実施形態~第4実施形態についても同様であってよい。
スイッチモジュール410の上端部には、U相ラミネートブスバー41PNがX軸方向及びY軸方向に略平行に配置される。具体的には、U相ラミネートブスバー41PNは、後述のV相ラミネートブスバー42PN、及びW相ラミネートブスバー43PNと一体に連結される形で構成される。即ち、スイッチモジュール410の上端部には、U相ラミネートブスバー41PN、V相ラミネートブスバー42PN、及びW相ラミネートブスバー43PNを含むラミネートブスバー40PNがX軸方向及びY軸方向に略平行に配置される。以下、後述の第2実施形態~第4実施形態についても同様である。
U相ラミネートブスバー41PNは、X軸方向及びY軸方向で4個のスイッチモジュール410を覆う範囲に亘って配置される。
図4、図5に示すように、U相ラミネートブスバー41PNは、U相正極側直流ブスバー41P及びU相負極側直流ブスバー41Nが絶縁層41I1を介して積層されることにより構成される。具体的には、U相ラミネートブスバー41PNは、最下層にU相負極側直流ブスバー41Nが配置され、その上に、絶縁層41I1が配置され、その上に、U相正極側直流ブスバー41Pが配置され、最上層に絶縁層41I2が配置される4層のラミネート構造を有する。
U相正極側直流ブスバー41Pは、後述のV相正極側直流ブスバー42P及びW相正極側直流ブスバー43Pと一体に連結される形で(例えば、一体の板状部材として)構成される。即ち、図6に示すように、ラミネートブスバー40PNは、U相正極側直流ブスバー41P、V相正極側直流ブスバー42P、及びW相正極側直流ブスバー43Pを含む形で構成される正極側直流ブスバー40Pを含む。以下、後述の第2実施形態~第4実施形態についても同様である。
U相負極側直流ブスバー41Nは、後述のV相負極側直流ブスバー42N及びW相負極側直流ブスバー43Nと一体に連結される形で(例えば、一体の板状部材として)構成される。即ち、図6に示すように、ラミネートブスバー40PNは、U相負極側直流ブスバー41N、V相負極側直流ブスバー42N、及びW相負極側直流ブスバー43Nを含む形で構成される負極側直流ブスバー40Nを含む。以下、後述の第2実施形態~第4実施形態についても同様である。
絶縁層41I1は、後述の絶縁層42I1及び絶縁層43I1と一体に連結される形で(例えば、一体の板状部材として)構成されてよい。同様に、絶縁層42I2は、後述の絶縁層42I2及び絶縁層43I2と一体に連結される形で(例えば、一体の板状部材として)構成されてよい。以下、後述の第2実施形態~第4実施形態についても同様であってよい。
図4~図6に示すように、最下層のU相負極側直流ブスバー41Nには、スイッチモジュール410の負極側端子410Nとボルト締結される相対的に小さい貫通孔が設けられる。これにより、スイッチモジュール410の負極側端子410NとU相負極側直流ブスバー41Nとを直接接続することができる。また、U相負極側直流ブスバー41Nには、正極側端子410Pを上面視で露出させるための相対的に大きい略矩形の貫通孔が設けられる。これにより、U相負極側直流ブスバー41Nよりも上の層にあるU相正極側直流ブスバー41Pと正極側端子410Pとを接続させることができる。また、U相負極側直流ブスバー41Nには、交流出力端子410Oを上面視で露出させるための相対的に大きい略矩形の貫通孔が設けられる。これにより、U相負極側直流ブスバー41Nよりも上にあるU相交流ブスバー41Oと交流出力端子410Oとを接続させることができる。
図4、図5に示すように、U相負極側直流ブスバー41Nの上に隣接する絶縁層41I1には、スイッチモジュール410に対応する相対的に大きな略矩形の貫通孔が設けられる。これにより、正極側端子410P、負極側端子410N(即ち、U相負極側直流ブスバー41Nの締結用の貫通孔)、及び交流出力端子410Oを上面視で露出させることができる。
図4~図6に示すように、絶縁層41I1の上に隣接するU相正極側直流ブスバー41Pには、スイッチモジュール410の正極側端子410Pとボルト締結される相対的に小さい貫通孔が設けられる。これにより、スイッチモジュール410の正極側端子410PとU相正極側直流ブスバー41Pとを直接接続させることができる。また、U相正極側直流ブスバー41Pには、スイッチモジュール410の負極側端子410N(即ち、U相負極側直流ブスバー41Nの締結用の貫通孔)及び交流出力端子410Oを上面視で露出させるための相対的に大きな貫通孔が設けられる。これにより、作業者は、U相正極側直流ブスバー41Pよりも下の層にあるU相負極側直流ブスバー41Nの締結用の貫通孔や交流出力端子410Oにアクセスすることができる。
図4、図5に示すように、最上層の絶縁層41I2には、スイッチモジュール410に対応する相対的に大きな矩形の貫通孔が設けられる。これにより、スイッチモジュール410の正極側端子410P(即ち、U相正極側直流ブスバー41Pの締結用の貫通孔)、負極側端子410N(即ち、U相負極側直流ブスバー41Nの締結用の貫通孔)、及び交流出力端子410Oを上面視で露出させることができる。
U相ラミネートブスバー41PNのU相正極側直流ブスバー41P及びU相負極側直流ブスバー41Nは、例えば、略同じ厚みを有する。これにより、U相正極側直流ブスバー41P及びU相負極側直流ブスバー41Nの電流密度が略等しくなる。
図2~図6に示すように、U相交流ブスバー41Oは、スイッチモジュール410の交流出力端子410OとU相出力端子41Tとの間を接続する。U相交流ブスバー41Oは、U相並列接続用ブスバー41O1と、U相出力用ブスバー41O2とを含む。
U相並列接続用ブスバー41O1は、U相交流ブスバー41Oの全体構成のうち、4個のスイッチモジュール410の交流出力端子410Oを並列接続させるための構成部分である。具体的には、U相並列接続用ブスバー41O1は、U相交流ブスバー41Oの全体構成のうち、4個のスイッチモジュール410のそれぞれの交流出力端子410OからU相出力端子41Tに向かう電力経路を合流させるための構成部分である。
図2、図3に示すように、U相並列接続用ブスバー41O1は、X軸方向に並ぶ2個のスイッチモジュール410の間の中央位置におけるX軸に対する垂直面を基準として面対称になるように構成される。また、U相並列接続用ブスバー41O1は、Y軸方向に並ぶ二列のスイッチモジュール410の間の中央位置におけるY軸に対する垂直面を基準として面対称になるように構成される。そして、U相並列接続用ブスバー41O1は、X軸方向及びY軸方向において、4個のスイッチモジュール410の交流出力端子410Oの中央位置に相当する部分で、U相出力用ブスバー41O2と接続される。これにより、4個のスイッチモジュール410の交流出力端子410OのそれぞれからU相出力端子41Tに向かう経路が合流するまでの経路長さを略等しくすることができる。また、4個のスイッチモジュール410の交流出力端子410OのそれぞれからU相出力端子41Tに向かう経路ごとの電流密度を略等しくすることができる。そのため、4個のスイッチモジュール410とU相出力端子41Tとの間の電力経路のインダクタンスを略等しくすることができる。
具体的には、U相並列接続用ブスバー41O1は、2つの脚部41O1aと、連結部41O1bとを含む。
2つの脚部41O1aは、それぞれ、X軸方向及びZ軸方向に略平行な平板形状を有する。2つの脚部41O1aは、それぞれ、Y軸方向に2列設けられる、X軸方向に並ぶ2つのスイッチモジュール410の交流出力端子410O同士を接続する。2つの脚部41O1aは、X軸方向に並ぶ2つのスイッチモジュール410の交流出力端子410O同士の略中央位置におけるX軸方向に対する垂直面を基準として面対称になるように構成されている。具体的には、脚部41O1aは、2つの座面部と、2つの下脚部と、中間脚部と、上脚部とを含む。2つの座面部は、上面視で略矩形形状を有し、X軸方向に並ぶ2個のスイッチモジュール410の交流出力端子410Oのそれぞれに載置され、交流出力端子410Oとボルト締結されるための締結孔を有する。2つの下脚部は、2つの座面部のそれぞれから上向きに延び出すように設けられる。中間脚部は、2つの下脚部同士をX軸方向に延びるように連結する。上脚部は、中間脚部の上端且つX軸方向の中央部から上向きに延び出すように設けられる。これにより、脚部41O1aは、2つのスイッチモジュール410のそれぞれの交流出力端子410Oからの経路を略同じ距離で合流させることができる。また、脚部41O1aは、2つのスイッチモジュール410のそれぞれの交流出力端子410Oからの経路の断面積を略同じにし、電流密度を略同じにすることができる。また、2つの脚部41O1aは、互いに、Y軸方向に並ぶ2つのスイッチモジュール410の交流出力端子410O同士の略中央位置におけるY軸方向に対する垂直面を基準として面対称になるように構成される。これにより、2つの脚部41O1aは、互いに、2つのスイッチモジュール410から合流までの経路を略同じ距離にすることができる。
連結部41O1bは、X軸方向及びY軸方向に略平行な平板形状を有し、Y軸方向で並ぶように配置される2つの脚部41O1aを連結する。具体的には、連結部41O1bは、上面視で、略矩形形状を有し、2つの脚部41O1aの上脚部同士をY軸方向に延びるように連結する。また、連結部41O1bは、Y軸方向における2つの脚部41O1aの間の略中央位置、即ち、Y軸方向に並ぶ2個(2列)のスイッチモジュール410の交流出力端子410O同士の間の略中央位置におけるY軸に対する垂直面を基準として面対称に構成される。また、連結部41O1bは、Y軸方向における2つの脚部41O1aの間の略中央位置で、U相出力用ブスバー41O2と接続される。これにより、U相並列接続用ブスバー41O1は、4つのスイッチモジュール410からの経路を2つずつ等長で合流させながら全ての経路の長さを略等しくし、且つ、経路ごとの電流密度を同じすることができる。
U相出力用ブスバー41O2は、U相並列接続用ブスバー41O1の連結部41O1bのY軸方向の中央部から上面視でX軸負方向に向けて延び出すように設けられ、U相出力端子41Tに接続される。
V相回路42は、U相回路41と同様、4個のスイッチモジュール420を含む。
4個のスイッチモジュール420の配置構造は、U相回路41の4個のスイッチモジュール410の場合と同様であるため、説明を省略する。
図4、図5に示すように、スイッチモジュール420の外観形状は、スイッチモジュール410と同様である。
スイッチモジュール420は、上面視の長手方向が略X軸方向に沿うように配置される。スイッチモジュール420には、その長手方向(即ち、X軸方向)に沿って、平滑回路20(平滑用コンデンサ21)に近い方から順に、交流出力端子420O、負極側端子420N、及び正極側端子420Pが並べて配置される。
スイッチモジュール420の上端部には、V相ラミネートブスバー42PNがX軸方向及びY軸方向に略平行に配置される。
V相ラミネートブスバー42PNは、X軸方向及びY軸方向で4個のスイッチモジュール420を覆う範囲に亘って配置される。
図4、図5に示すように、V相ラミネートブスバー42PNは、V相正極側直流ブスバー42P及びV相負極側直流ブスバー42Nが絶縁層42I1を介して積層されることにより構成される。具体的には、V相ラミネートブスバー42PNは、最下層にV相負極側直流ブスバー42Nが配置され、その上に、絶縁層42I1が配置され、その上に、V相正極側直流ブスバー42Pが配置され、最上層に絶縁層42I2が配置される4層のラミネート構造を有する。
V相正極側直流ブスバー42Pは、上述の如く、U相正極側直流ブスバー41P及び後述のW相正極側直流ブスバー43Pと一体に連結される形で構成される。
V相負極側直流ブスバー42Nは、上述の如く、U相負極側直流ブスバー41N及び後述のW相負極側直流ブスバー43Nと一体に連結される形で構成される。
絶縁層42I1は、上述の如く、絶縁層41I1及び後述の絶縁層43I1と一体に連結される形で構成されてよい。同様に、絶縁層42I2は、上述の如く、絶縁層41I2及び後述の絶縁層43I2と一体に連結される形で構成されてよい。
V相ラミネートブスバー42PNの詳細構造は、U相ラミネートブスバー41PNの場合と同様であるため、説明を省略する。
図2~図6に示すように、V相交流ブスバー42Oは、スイッチモジュール420の交流出力端子420OとV相出力端子42Tとの間を接続する。V相交流ブスバー42Oは、V相並列接続用ブスバー42O1と、V相出力用ブスバー42O2とを含む。
V相交流ブスバー42Oの配置及び構造は、U相交流ブスバー41Oの場合と同様であるため、説明を省略する。
W相回路43は、U相回路41と同様、4個のスイッチモジュール430を含む。
4個のスイッチモジュール430の配置構造は、U相回路41の4個のスイッチモジュール410の場合と同様であるため、説明を省略する。
図4、図5に示すように、スイッチモジュール430の外観形状は、スイッチモジュール410と同様である。
スイッチモジュール430は、上面視の長手方向が略X軸方向に沿うように配置される。スイッチモジュール430には、その長手方向(即ち、X軸方向)に沿って、平滑回路20(平滑用コンデンサ21)に近い方から順に、交流出力端子430O、負極側端子430N、及び正極側端子430Pが並べて配置される。
スイッチモジュール430の上端部には、W相ラミネートブスバー43PNがX軸方向及びY軸方向に略平行に配置される。
W相ラミネートブスバー43PNは、X軸方向及びY軸方向で4個のスイッチモジュール430を覆う範囲に亘って配置される。
図4、図5に示すように、W相ラミネートブスバー43PNは、W相正極側直流ブスバー43P及びW相負極側直流ブスバー43Nが絶縁層43I1を介して積層されることにより構成される。具体的には、W相ラミネートブスバー43PNは、最下層にW相負極側直流ブスバー43Nが配置され、その上に、絶縁層43I1が配置され、その上に、W相正極側直流ブスバー43Pが配置され、最上層に絶縁層43I2が配置される4層のラミネート構造を有する。
W相正極側直流ブスバー43Pは、上述の如く、U相正極側直流ブスバー41P及びV相正極側直流ブスバー42Pと一体に連結される形で構成される。
W相負極側直流ブスバー43Nは、上述の如く、U相負極側直流ブスバー41N及びV相負極側直流ブスバー42Nと一体に連結される形で構成される。
絶縁層43I1は、上述の如く、絶縁層41I1及び絶縁層42I1と一体に連結される形で構成されてよい。同様に、絶縁層43I2は、上述の如く、絶縁層41I2及び絶縁層42I2と一体に連結される形で構成されてよい。
W相ラミネートブスバー43PNの詳細構造は、U相ラミネートブスバー41PNの場合と同様であるため、説明を省略する。
図2~図6に示すように、W相交流ブスバー43Oは、スイッチモジュール430の交流出力端子430OとW相出力端子43Tとの間を接続する。W相交流ブスバー43Oは、W相並列接続用ブスバー43O1と、W相出力用ブスバー43O2とを含む。
W相交流ブスバー43Oの配置及び構造は、U相交流ブスバー41Oの場合と同様であるため、説明を省略する。
ラミネートブスバー40PNは、正極側直流ブスバー40P及び負極側直流ブスバー40Nの重なり合う面積が相対的に大きくなるように(好適には、最大化されるように)筐体1H内に配置されてよい。また、ラミネートブスバー40PNは、正極側直流ブスバー40P及び負極側直流ブスバー40Nの絶縁性を確保しつつ、その距離が相対的に小さくなるように絶縁層41I1,42I1,43I1の厚みが設定されてよい。これにより、空間上、逆向きに流れる電流経路を近接させることができる。そのため、正極側直流ブスバー40Pの電流により生じる磁界及び負極側直流ブスバー40Nの電流により生じる磁界の少なくとも一部を相殺させることができる。例えば、正極側直流ブスバー40PにU相の電流が流れる場合、負極側直流ブスバー40NにV相やW相の電流が流れるからである。よって、正極側直流ブスバー40P及び負極側直流ブスバー40Nのインダクタンスを低減させることができる。また、上記のように、電流密度が略等しい場合、正極側直流ブスバー40Pの電流及び負極側直流ブスバー40Nの電流の双方により生じる磁界の大きさが略等しくなり、発生する磁界のほとんどを相殺させることができる。そのため、正極側直流ブスバー40P及び負極側直流ブスバー40Nのインダクタンスを更に抑制することができる。よって、正極側直流ブスバー40P及び負極側直流ブスバー40Nのインダクタンスの低減に伴い、電力変換装置1のサージ電圧を抑制することができる。
このように、第1実施形態では、平滑回路20の正極側ブスバー20P及び負極側ブスバー20Nは、絶縁層20I1を介して積層されるラミネート構造を有する。同様に、インバータ回路40の正極側直流ブスバー40P及び負極側直流ブスバー40Nは、絶縁層41I1,42I1,43I1を介して積層されるラミネート構造を有する。これにより、平滑回路20と出力端子40Tとの間の一巡の電力経路のうちの直流部分のインダクタンスを低減し、非常に小さくすることができる。そのため、電力変換装置1の半導体スイッチ410s、420s、430sのON・OFFに伴うサージ電圧を抑制することができる。
また、第1実施形態では、U相並列接続用ブスバー41O1は、4個のスイッチモジュール410のそれぞれの交流出力端子410OからU相出力端子41Tに向かって合流するまでの電力経路の長さが略等しくなるように構成される。具体的には、U相並列接続用ブスバー41O1は、4個のスイッチモジュール410(の交流出力端子410O)と、U相出力用ブスバー41O2との接続部との間の電力経路の長さが略等しくなるように構成される。これにより、4個のスイッチモジュール410の交流出力端子410OとU相出力端子41Tとの間のそれぞれの電力経路のインダクタンスの差を相対的に小さくすることができる。そのため、平滑回路20とU相出力端子41Tとの間の4個のスイッチモジュール410の通過する一巡の電力経路のそれぞれのインダクタンスの差を相対的に小さくすることができる。また、U相並列接続用ブスバー41O1は、4個のスイッチモジュール410のそれぞれの交流出力端子410OからU相出力端子41Tに向かって合流するまでの電力経路ごとの電流密度が略等しくなるように構成される。これにより、4個のスイッチモジュール410の交流出力端子410OとU相出力端子41Tとの間のそれぞれの電力経路のインダクタンスを全て略等しくすることができる。そのため、平滑回路20とU相出力端子41Tとの間の4個のスイッチモジュール410の通過する一巡の電力経路のそれぞれのインダクタンスを略等しくすることができる。同様に、V相並列接続用ブスバー42O1は、4個のスイッチモジュール420のそれぞれの交流出力端子420OからV相出力端子42Tに向かって合流するまでの電力経路の長さが略等しくなるように構成される。これにより、4個のスイッチモジュール420の交流出力端子420OとV相出力端子42Tとの間のそれぞれの電力経路のインダクタンスの差を相対的に小さくすることができる。そのため、平滑回路20とV相出力端子42Tとの間の4個のスイッチモジュール420の通過する一巡の電力経路のそれぞれのインダクタンスの差を相対的に小さくすることができる。また、V相並列接続用ブスバー42O1は、4個のスイッチモジュール420のそれぞれの交流出力端子420OからV相出力端子42Tに向かって合流するまでの電力経路ごとの電流密度が略等しくなるように構成される。これにより、4個のスイッチモジュール420の交流出力端子420OとV相出力端子42Tとの間のそれぞれの電力経路のインダクタンスを全て略等しくすることができる。そのため、平滑回路20とV相出力端子42Tとの間の4個のスイッチモジュール420の通過する一巡の電力経路のそれぞれのインダクタンスを略等しくすることができる。同様に、W相並列接続用ブスバー43O1は、4個のスイッチモジュール430のそれぞれの交流出力端子430OからW相出力端子43Tに向かって合流するまでの電力経路の長さが略等しくなるように構成される。これにより、4個のスイッチモジュール430の交流出力端子430OとW相出力端子43Tとの間のそれぞれの電力経路のインダクタンスの差を相対的に小さくすることができる。そのため、平滑回路20とW相出力端子43Tとの間の4個のスイッチモジュール430の通過する一巡の電力経路のそれぞれのインダクタンスの差を相対的に小さくすることができる。また、W相並列接続用ブスバー43O1は、4個のスイッチモジュール430のそれぞれの交流出力端子430OからW相出力端子43Tに向かって合流するまでの電力経路ごとの電流密度が略等しくなるように構成される。これにより、4個のスイッチモジュール430の交流出力端子430OとW相出力端子43Tとの間のそれぞれの電力経路のインダクタンスを全て略等しくすることができる。そのため、平滑回路20とW相出力端子43Tとの間の4個のスイッチモジュール430を通過する一巡の電力経路のそれぞれのインダクタンスを略等しくすることができる。上述の如く、平滑回路20と出力端子40Tとの間の一巡の電力経路のうちの直流部分のインダクタンスが非常に小さく、交流部分のインダクタンスが支配的だからである。よって、4個のスイッチモジュール410、4個のスイッチモジュール420、及び4個のスイッチモジュール430のそれぞれの電流のアンバランスを抑制し、電流の均一化を図ることができる。
尚、第1実施形態では、並列接続されるスイッチモジュール410の個数は、それぞれのスイッチモジュール410の交流出力端子410OからU相出力端子41Tに向かう全ての経路が合流するまでの電力経路の長さが略等しくなる限り、任意であってよい。即ち、並列接続されるスイッチモジュール410の個数は、2個或いは3個であってもよいし、5個以上であってもよい。例えば、並列接続されるスイッチモジュール410の個数が2個の場合、U相並列接続用ブスバー41O1は、脚部41O1aのみで構成され、脚部41O1aの上端のX軸方向の略中央位置(中点)でU相出力用ブスバー41O2と接続される構成であってよい。また、スイッチモジュール420やスイッチモジュール430の個数についても同様であってよい。また、第1実施形態では、複数のスイッチモジュール410は、それぞれのスイッチモジュール410の交流出力端子410OからU相出力端子41Tに向かう全ての経路が合流するまでの電力経路の長さが略等しくなる限り、任意に配置されてよい。例えば、複数のスイッチモジュール410は、X軸方向に3個以上並べられてもよい。また、例えば、複数のスイッチモジュール410は、X軸方向に一列で並べられてもよいし、X軸方向の列がY軸方向に3列以上の列数で並べられてもよい。例えば、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに並べられる個数は、2のべき乗であることが好ましい。これにより、上述の如く、複数のスイッチモジュール410のそれぞれの交流出力端子410Oからの経路を2つずつ等長で合流させながら、全ての経路の長さ及び経路ごとの電流密度を略同じにすることができる。また、スイッチモジュール420やスイッチモジュール430の配置についても同様であってよい。また、第1実施形態では、U相並列接続用ブスバー41O1の構成は、それぞれのスイッチモジュール410の交流出力端子410OからU相出力端子41Tに向かう全ての経路が合流するまでの電力経路の長さが略等しくなる限り、任意であってよい。例えば、U相並列接続用ブスバー41O1は、4つのスイッチモジュール410の交流出力端子410OからU相出力端子41Tに向かう全ての経路が合流するまでの電力経路の長さが略等しくなる限り、上述のような面対称の構成でなくてもよい。具体的には、U相並列接続用ブスバー41O1の2つの脚部41O1aは、Y軸方向に対する垂直面を基準とする面対称の形状ではなく、互いにY軸方向に離間した略同一形状で構成されていてもよい。また、V相並列接続用ブスバー42O1やW相並列接続用ブスバー43O1の構成についても同様であってよい。
[第2実施形態]
次に、図7~図10を参照して、第2実施形態について説明する。以下、第1実施形態に係る電力変換装置1と異なる部分を中心に説明し、第1実施形態と同じ或いは対応する内容の説明を簡略化或いは省略する場合がある。
<電力変換装置の概要>
図7は、第2実施形態に係る電力変換装置1の一例を示す回路図である。
図7に示すように、電力変換装置1は、第1実施形態の場合と同様、整流回路10と、平滑回路20と、ヒューズ30と、インバータ回路40とを含む。
インバータ回路40は、第1実施形態の場合と同様、U相回路41と、V相回路42と、W相回路43とにより構成されるブリッジ回路を含む。
U相回路41は、第1実施形態と同様、U相正極側直流ブスバー41Pと、U相負極側直流ブスバー41Nと、スイッチモジュール411~414と、U相交流ブスバー41Oとを含む。また、U相回路41は、第1実施形態の場合と異なり、更に、スイッチモジュール415,416を含む。以下、第2実施形態、並びに後述する第3実施形態及び第4実施形態では、スイッチモジュール411~416を包括的に、或いは、スイッチモジュール411~416のうちの任意の一つを個別に「スイッチモジュール410」と称する場合がある。つまり、U相回路41は、第1の実施形態の場合と異なり、6個のスイッチモジュール410を含む。
スイッチモジュール411~416(スイッチレグの一例)は、U相正極側直流ブスバー41PとU相負極側直流ブスバー41Nとの間に並列接続される。
スイッチモジュール415は、上下のアームに相当する半導体スイッチ415s1,415s2と、環流ダイオード415d1,415d2と、正極側端子415Pと、負極側端子415Nと、交流出力端子415Oとを含む。
スイッチモジュール416は、上下のアームに相当する半導体スイッチ416s1,416s2と、環流ダイオード416d1,416d2と、正極側端子416Pと、負極側端子416Nと、交流出力端子416Oとを含む。
以下、第2実施形態、並びに後述する第3実施形態及び第4実施形態では、半導体スイッチ411s1,411s2,412s1,412s2,413s1,413s2,414s1,414s2,415s1,415s2,416s1,416s2を包括的に、或いは、これらのうちの任意の一つを個別に、「半導体スイッチ410s」と称する場合がある。また、第2実施形態、並びに後述する第3実施形態及び第4実施形態では、上述の「スイッチモジュール410」の正極側端子411P~416Pに相当する構成要素を「正極側端子410P」と称する場合がある。また、第2実施形態、並びに後述する第3実施形態及び第4実施形態では、上述の「スイッチモジュール410」の負極側端子411N~416Nに相当する構成要素を「負極側端子410N」と称する場合がある。また、第2実施形態、並びに後述する第3実施形態及び第4実施形態では、上述の「スイッチモジュール410」の交流出力端子411O~416Oに相当する構成要素を「交流出力端子410O」と称する場合がある。
スイッチモジュール411~416は、同様の構成要素を有し、同様の回路で構成される。
U相交流ブスバー41Oは、一端において、スイッチモジュール411~416のそれぞれの交流出力端子411O~416O同士を接続すると共に、他端において、U相出力端子41Tに接続される。これにより、インバータ回路40は、スイッチモジュール411~416から出力されるU相の交流電力をU相出力端子41Tから外部に出力することができる。
V相回路42は、第1実施形態と同様、V相正極側直流ブスバー42Pと、V相負極側直流ブスバー42Nと、スイッチモジュール421~424と、V相交流ブスバー42Oとを含む。また、V相回路42は、第1実施形態の場合と異なり、更に、スイッチモジュール425,426を含む。以下、第2実施形態、並びに後述する第3実施形態及び第4実施形態では、スイッチモジュール421~426を包括的に、或いは、スイッチモジュール421~426のうちの任意の一つを個別に「スイッチモジュール420」と称する場合がある。つまり、V相回路42は、第1の実施形態の場合と異なり、6個のスイッチモジュール420を含む。
スイッチモジュール421~426は、V相正極側直流ブスバー42PとV相負極側直流ブスバー42Nとの間に並列接続される。
スイッチモジュール425は、上下のアームに相当する半導体スイッチ425s1,425s2と、環流ダイオード425d1,425d2と、正極側端子425Pと、負極側端子425Nと、交流出力端子425Oとを含む。
スイッチモジュール426は、上下のアームに相当する半導体スイッチ426s1,426s2と、環流ダイオード426d1,426d2と、正極側端子426Pと、負極側端子426Nと、交流出力端子426Oとを含む。
以下、第2実施形態、並びに後述する第3実施形態及び第4実施形態では、半導体スイッチ421s1,421s2,422s1,422s2,423s1,423s2,424s1,424s2,425s1,425s2,426s1,426s2を包括的に、或いは、これらのうちの任意の一つを個別に、「半導体スイッチ420s」と称する場合がある。また、第2実施形態、並びに後述する第3実施形態及び第4実施形態では、上述の「スイッチモジュール420」の正極側端子421P~426Pに相当する構成要素を「正極側端子420P」と称する場合がある。また、第2実施形態、並びに後述する第3実施形態及び第4実施形態では、上述の「スイッチモジュール420」の負極側端子421N~426Nに相当する構成要素を「負極側端子420N」と称する場合がある。また、第2実施形態、並びに後述する第3実施形態及び第4実施形態では、上述の「スイッチモジュール420」の交流出力端子421O~426Oに相当する構成要素を「交流出力端子420O」と称する場合がある。
スイッチモジュール421~426は、同様の構成要素を有し、同様の回路で構成される。
V相交流ブスバー42Oは、一端において、スイッチモジュール421~426のそれぞれの交流出力端子421O~426O同士を接続すると共に、他端において、V相出力端子42Tに接続される。これにより、インバータ回路40は、スイッチモジュール421~426から出力されるV相の交流電力をV相出力端子42Tから外部に出力することができる。
W相回路43は、第1実施形態と同様、W相正極側直流ブスバー43Pと、W相負極側直流ブスバー43Nと、スイッチモジュール431~434と、W相交流ブスバー43Oとを含む。また、W相回路43は、第1実施形態の場合と異なり、更に、スイッチモジュール435,436を含む。以下、第2実施形態、並びに後述する第3実施形態及び第4実施形態では、スイッチモジュール431~436を包括的に、或いは、スイッチモジュール431~436のうちの任意の一つを個別に「スイッチモジュール430」と称する場合がある。つまり、W相回路43は、第1の実施形態の場合と異なり、6個のスイッチモジュール430を含む。
スイッチモジュール431~436は、W相正極側直流ブスバー43PとW相負極側直流ブスバー43Nとの間に並列接続される。
スイッチモジュール435は、上下のアームに相当する半導体スイッチ435s1,435s2と、環流ダイオード435d1,435d2と、正極側端子435Pと、負極側端子435Nと、交流出力端子435Oとを含む。
スイッチモジュール436は、上下のアームに相当する半導体スイッチ436s1,436s2と、環流ダイオード436d1,436d2と、正極側端子436Pと、負極側端子436Nと、交流出力端子436Oとを含む。
以下、第2実施形態、並びに後述する第3実施形態及び第4実施形態では、半導体スイッチ431s1,431s2,432s1,432s2,433s1,433s2,434s1,434s2,435s1,435s2,436s1,436s2を包括的に、或いは、これらのうちの任意の一つを個別に、「半導体スイッチ430s」と称する場合がある。また、第2実施形態、並びに後述する第3実施形態及び第4実施形態では、上述の「スイッチモジュール430」の正極側端子431P~436Pに相当する構成要素を「正極側端子430P」と称する場合がある。また、第2実施形態、並びに後述する第3実施形態及び第4実施形態では、上述の「スイッチモジュール430」の負極側端子431N~436Nに相当する構成要素を「負極側端子430N」と称する場合がある。また、第2実施形態、並びに後述する第3実施形態及び第4実施形態では、上述の「スイッチモジュール430」の交流出力端子431O~436Oに相当する構成要素を「交流出力端子430O」と称する場合がある。
スイッチモジュール431~436は、同様の構成要素を有し、同様の回路で構成される。
W相交流ブスバー43Oは、一端において、スイッチモジュール431~436のそれぞれの交流出力端子431O~436O同士を接続すると共に、他端において、W相出力端子43Tに接続される。これにより、インバータ回路40は、スイッチモジュール431~436から出力されるW相の交流電力をW相出力端子43Tから外部に出力することができる。
<電力変換装置の構造>
図8、図9は、第2実施形態に係る電力変換装置の一例を示す構造図である。具体的には、図8は、電力変換装置1の筐体1Hの一部を取り外した状態を示す斜視図である。図9は、電力変換装置1の筐体1Hの一部を取り外し、且つ、出力端子40T並びにU相交流ブスバー41O、V相交流ブスバー42O、及びW相交流ブスバー43Oを取り外して上方向に移動させた状態を示す分解斜視図である。図10は、X軸方向に並べて配置される各スイッチモジュール410に流れる電流の経路を説明する図である。図10では、X軸方向で並ぶ3個のスイッチモジュール410を通過する電流の経路が平滑回路20に最も近いスイッチモジュール410から順に、白抜き矢印、斜線でハッチングされる矢印、及び黒塗り矢印で表される。
図8、図9に示すように、平滑回路20、ヒューズ30、及びインバータ回路40は、第1実施形態の場合と同様、筐体1Hの内部の長手方向の一端部から他端部に亘って(即ち、X軸正方向に)、順に並べて配置される。
また、出力端子40Tは、第1実施形態の場合と同様、筐体1Hの内部の長手方向(X軸方向)の中央部、且つ、筐体1Hの内部の上部に配置される。具体的には、出力端子40Tは、筐体1Hの内部の平滑回路20及びヒューズ30の上方に配置される。
出力端子40Tは、上述の如く、U相出力端子41Tと、V相出力端子42Tと、W相出力端子43Tとを含む。U相出力端子41T、V相出力端子42T、及びW相出力端子43Tは、第1実施形態の場合と同様、筐体1Hの内部の短手方向の一端部から中央部に亘って(即ち、Y軸正方向に)、順に並べて配置される。
インバータ回路40は、上述の如く、U相回路41と、V相回路42と、W相回路43とにより構成されるブリッジ回路を含む。
図8、図9に示すように、U相回路41、V相回路42、及びW相回路43は、第1実施形態の場合と同様、Y軸負方向の端部からY軸正方向の端部に向けて、Y軸方向に順に並べて配置される。
U相回路41は、6個のスイッチモジュール410(即ち、上述のスイッチモジュール411~416に相当)を含む。
6個のスイッチモジュール410は、X軸方向に等間隔で3個並べて配置される2つのグループが、Y軸方向で二列に並べて配置される。また、6個のスイッチモジュール410は、第1実施形態の場合と同様、筐体1Hの底面に載置される別の部品の上に配置される。
スイッチモジュール410は、第1実施形態の場合と同様、上面視の長手方向が略X軸方向に沿うように配置される。スイッチモジュール410には、その長手方向(即ち、X軸方向)に沿って、平滑回路20(平滑用コンデンサ21)に近い方から順に、交流出力端子410O、負極側端子410N、及び正極側端子410Pが並べて配置される。
図8、図9に示すように、スイッチモジュール410の上端部には、第1実施形態の場合と同様、U相ラミネートブスバー41PNがX軸方向及びY軸方向に略平行に配置される。
U相ラミネートブスバー41PNは、X軸方向及びY軸方向で6個のスイッチモジュール410を覆う範囲に亘って配置される。
図8、図9に示すように、U相交流ブスバー41Oは、スイッチモジュール410の交流出力端子410OとU相出力端子41Tとの間を接続する。U相交流ブスバー41Oは、第1実施形態の場合と同様、U相並列接続用ブスバー41O1と、U相出力用ブスバー41O2とを含む。
図8、図9に示すように、U相並列接続用ブスバー41O1は、上面視で、6個のスイッチモジュール410のうちの平滑回路20から最も離れているスイッチモジュール410の近傍でU相出力用ブスバー41O2と接続されている。具体的には、U相並列接続用ブスバー41O1は、上面視で、Y軸方向に二列で配置される、X軸方向に並ぶ3個のスイッチモジュール410のグループのうちの平滑回路20から離れている端部のスイッチモジュール410よりもX軸方向で平滑回路20から離れた位置でU相出力用ブスバー41O2と接続されている。
より具体的には,U相並列接続用ブスバー41O1は、6つの脚部41O1aと、連結部41O1bとを含む。
6つの脚部41O1aは、それぞれ、X軸方向及びZ軸方向に略平行な平板形状を有する。6つの脚部41O1aは、それぞれ、6個のスイッチモジュール410の交流出力端子410Oに載置される座面部と、座面部から上向き(Z軸正方向)に延び出す主脚部とを有する。また、6つの脚部41O1aのそれぞれのZ軸方向の寸法は、略同じに設定される。また、6つの脚部41O1aのそれぞれの断面積は、略同じに設定される。これにより、6つの脚部41O1aのそれぞれの電流密度を略等しくすることができる。
連結部41O1bは、X軸方向及びY軸方向に略平行な平板形状を有し、6つの脚部41O1aを連結する。具体的には、連結部41O1bは、上面視で略矩形形状を有し、6つの脚部41O1aが配置される範囲に亘ってX軸方向及びY軸方向に延びるように設けられる。連結部41O1bのX軸正方向の端部は、6個のスイッチモジュール410のうちのX軸正方向の端部に位置する2個のスイッチモジュール410の交流出力端子410OよりX軸正方向に離れた位置に設けられ、U相出力用ブスバー41O2に接続される。
図10に示すように、U相回路41の直流入力端からX軸方向に並ぶ3個のスイッチモジュール410を通過してU相並列接続用ブスバー41O1とU相出力用ブスバー41O2との接続部に到達するまでの電流の経路のうちのZ軸方向に流れる経路の長さは、全て略等しい。上述の如く、6つの脚部41O1aのZ軸方向の寸法は、略同じだからである。また、U相回路41の直流入力端からX軸方向に並ぶ3個のスイッチモジュール410を通過してU相並列接続用ブスバー41O1とU相出力用ブスバー41O2との接続部に到達するまでの電流の経路のうちのX軸方向に流れる経路の長さも、全て略等しい。ラミネートブスバー20PN、U相ラミネートブスバー41PN、及び連結部41O1bは、X軸方向及びY軸方向に略平行に配置されているからである。そのため、U相回路41の直流入力端からX軸方向に並ぶ3個のスイッチモジュール410のそれぞれを通過してU相並列接続用ブスバー41O1とU相出力用ブスバー41O2との接続部に到達するまで電流の経路全体の長さは、全て略等しくなる。また、もう一方の一列のX軸方向に並ぶ3個のスイッチモジュール410についても同様のことが言える。そのため、平滑回路20から6個のスイッチモジュール410のそれぞれを通過してU相出力端子41Tに到達するまでの電流の経路全体の長さは、全て略等しくなる。同様に、U相出力端子41Tから6個のスイッチモジュール410のそれぞれを通過して平滑回路20に到達するまでの電流の経路全体の長さについても、全て略等しくなる。
また、連結部41O1bは、6個のスイッチモジュール410のそれぞれを通過する6つの電力経路ごとに、U相正極側直流ブスバー41P及びU相負極側直流ブスバー41Nと電流密度が略等しくなるように、その断面積、即ち、その幅及び厚さが設定される。これにより、6個のスイッチモジュール410のそれぞれを通過する平滑回路20とU相出力端子41Tとの間の電力経路の長さ及び電流密度は、全て略等しくなる。そのため、6個のスイッチモジュール410のそれぞれを通過する平滑回路20とU相出力端子41Tとの間の一巡の電力経路のインダクタンスを全て略等しく、均一化することができる。
図8、図9に示すように、U相出力用ブスバー41O2は、U相並列接続用ブスバー41O1とU相出力端子41Tとの間を接続する。U相出力用ブスバー41O2は、U相並列接続用ブスバー41O1の連結部41O1bのX軸正方向の端部から上向きの延び出す折り返し部と、折り返し部の上端からX軸方向及びY軸方向に略平行な態様で、U相出力端子41Tに向けて延び出す主部とを有する。
V相回路42は、U相回路41と同様、6個のスイッチモジュール420(上述のスイッチモジュール421~426に相当)を含む。
6個のスイッチモジュール420の配置構造は、U相回路41の6個のスイッチモジュール410の場合と同様であるため、説明を省略する。
スイッチモジュール420は、スイッチモジュール410と同様、上面視の長手方向が略X軸方向に沿うように配置される。スイッチモジュール420には、その長手方向(即ち、X軸方向)に沿って、平滑回路20(平滑用コンデンサ21)に近い方から順に、交流出力端子420O、負極側端子420N、及び正極側端子420Pが並べて配置される。
スイッチモジュール420の上端部には、V相ラミネートブスバー42PNがX軸方向及びY軸方向に略平行に配置される。
V相ラミネートブスバー42PNは、X軸方向及びY軸方向で6個のスイッチモジュール420を覆う範囲に亘って配置される。
図8、図9に示すように、V相交流ブスバー42Oは、スイッチモジュール420の交流出力端子420OとV相出力端子42Tとの間を接続する。V相交流ブスバー42Oは、V相並列接続用ブスバー42O1と、V相出力用ブスバー42O2とを含む。
V相交流ブスバー42Oの配置及び構造は、U相交流ブスバー41Oの場合と同様であるため、説明を省略する。
W相回路43は、U相回路41と同様、6個のスイッチモジュール430(上述のスイッチモジュール431~436に相当)を含む。
6個のスイッチモジュール430の配置構造は、U相回路41の6個のスイッチモジュール410の場合と同様であるため、説明を省略する。
スイッチモジュール430は、上面視の長手方向が略X軸方向に沿うように配置される。スイッチモジュール430には、その長手方向(即ち、X軸方向)に沿って、平滑回路20(平滑用コンデンサ21)に近い方から順に、交流出力端子430O、負極側端子430N、及び正極側端子430Pが並べて配置される。
スイッチモジュール430の上端部には、W相ラミネートブスバー43PNがX軸方向及びY軸方向に略平行に配置される。
W相ラミネートブスバー43PNは、X軸方向及びY軸方向で6個のスイッチモジュール430を覆う範囲に亘って配置される。
W相ラミネートブスバー43PNの詳細構造は、U相ラミネートブスバー41PNの場合と同様であるため、説明を省略する。
図8、図9に示すように、W相交流ブスバー43Oは、スイッチモジュール430の交流出力端子430OとW相出力端子43Tとの間を接続する。W相交流ブスバー43Oは、W相並列接続用ブスバー43O1と、W相出力用ブスバー43O2とを含む。
W相交流ブスバー43Oの配置及び構造は、U相交流ブスバー41Oの場合と同様であるため、説明を省略する。
このように、第2実施形態では、U相並列接続用ブスバー41O1は、6個のスイッチモジュール410のそれぞれを通過する、U相ラミネートブスバー41PNの直流入力端と、U相出力用ブスバー41O2との接続部との間の電力経路の長さが略等しくなるように構成される。また、U相並列接続用ブスバー41O1は、6個のスイッチモジュール410のそれぞれを通過する、U相ラミネートブスバー41PNの直流入力端と、U相出力用ブスバー41O2との接続部との間の電力経路ごとの経路全体に亘る電流密度が略等しくなるように構成される。具体的には、6つの脚部41O1aは、互いに略同じ長さ及び略同じ断面積を有し、それぞれの電流密度が全て略等しくなるように構成される。また、連結部41O1bは、6個のスイッチモジュール410のそれぞれを通過する電力経路ごとに、その電流密度が正極側直流ブスバー40P及び負極側直流ブスバー40Nの電流密度と略等しくなるように構成される。つまり、U相並列接続用ブスバー41O1は、6つの電力経路ごとの長さが共通する部分(即ち、6つの脚部41O1a)の電流密度が全て略等しくなるように構成される。そして、U相並列接続用ブスバー41O1は、それ以外の部分、即ち、電力経路ごとの長さの差に相当する部分(連結部41O1b)の電流密度が、6つの電力経路ごとに、正極側直流ブスバー40P及び負極側直流ブスバー40Nの電流密度と略等しくなるように構成される。これにより、6個のスイッチモジュール410のそれぞれを通過する、平滑回路20とU相出力端子41Tとの間の一巡の電力経路の長さ及び電流密度は、全て略等しくなる。そのため、6個のスイッチモジュール410のそれぞれを通過する、平滑回路20とU相出力端子41Tとの間の一巡の電力経路のインダクタンスを全て略等しく、均一化することができる。同様に、V相並列接続用ブスバー42O1は、6個のスイッチモジュール420のそれぞれを通過する、V相ラミネートブスバー42PNの直流入力端と、V相出力用ブスバー42O2との接続部との間の電力経路の長さが全て略等しくなるように構成される。また、V相並列接続用ブスバー42O1は、6個のスイッチモジュール420のそれぞれを通過する、V相ラミネートブスバー42PNの直流入力端と、V相出力用ブスバー42O2との接続部との間の電力経路ごとの経路全体に亘る電流密度が略等しくなるように構成される。そのため、6個のスイッチモジュール420のそれぞれを通過する、平滑回路20とV相出力端子42Tとの間の一巡の電力経路のインダクタンスを全て略等しく、均一化することができる。同様に、W相並列接続用ブスバー43O1は、6個のスイッチモジュール430のそれぞれを通過する、W相ラミネートブスバー43PNの直流入力端と、W相出力用ブスバー43O2との接続部との間の電力経路の長さが全て略等しくなるように構成される。また、W相並列接続用ブスバー43O1は、6個のスイッチモジュール430のそれぞれを通過する、W相ラミネートブスバー43PNの直流入力端と、W相出力用ブスバー43O2との接続部との間の電力経路ごとの経路全体に亘る電流密度が略等しくなるように構成される。そのため、6個のスイッチモジュール430のそれぞれを通過する平滑回路20とW相出力端子43Tとの間の一巡の電力経路のインダクタンスを全て略等しく、均一化することができる。よって、6個のスイッチモジュール410、6個のスイッチモジュール420、及び6個のスイッチモジュール430のそれぞれの電流のアンバランスを抑制し、電流の均一化を図ることができる。
尚、第2実施形態では、並列接続されるスイッチモジュール410の個数は、それぞれのスイッチモジュール410を通過する、U相ラミネートブスバー41PNの直流入力端と、U相出力用ブスバー41O2との接続部との間の電力経路の長さが略等しく、且つ、経路ごとの経路全体に亘る電流密度が等しく構成される限りに、任意であってよい。即ち、並列接続されるスイッチモジュール410の個数は、2個以上且つ5個以下であってもよいし、7個以上であってもよい。また、スイッチモジュール420やスイッチモジュール430の個数についても同様であってよい。また、第2実施形態では、複数のスイッチモジュール410は、それぞれのスイッチモジュール410を通過する、U相ラミネートブスバー41PNの直流入力端と、U相出力用ブスバー41O2との接続部との間の電力経路の長さが略等しく、且つ、経路ごとの経路全体に亘る電流密度が等しく構成される限り、任意に配置されてよい。例えば、複数のスイッチモジュール410は、X軸方向に一列に並べられてもよいし、X軸方向に並べられる一列分のグループがY軸方向に3列以上で並べられてもよい。また、スイッチモジュール420やスイッチモジュール430の配置についても同様であってよい。また、第2実施形態では、U相並列接続用ブスバー41O1の構成は、それぞれのスイッチモジュール410を通過する、U相ラミネートブスバー41PNの直流入力端と、U相出力用ブスバー41O2との接続部との間の電力経路の長さが略等しく、且つ、経路ごとの経路全体に亘る電流密度が等しく構成される限り、任意であってよい。例えば、U相並列接続用ブスバー41O1は、連結部41O1bにおけるX軸方向の両端の脚部41O1aとの接続部の間の部分の電力経路ごとの電流密度だけがU相正極側直流ブスバー41P及びU相負極側直流ブスバー41Nと略等しく構成されてもよい。即ち、U相並列接続用ブスバー41O1の連結部41O1bは、少なくとも、6個のスイッチモジュール410のそれぞれからの経路の全てが合流するまでの経路区間ごとの電流密度がU相正極側直流ブスバー41P及びU相負極側直流ブスバー41Nと略等しく構成されてもよい。また、V相並列接続用ブスバー42O1やW相並列接続用ブスバー43O1の構成についても同様であってよい。
[第3実施形態]
次に、図11,図12を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る電力変換装置1の回路構成は、上述の第2実施形態(図7)と同様であるため、説明を省略する。以下、第1実施形態や第2実施形態に係る電力変換装置1と異なる部分を中心に説明し、第1実施形態や第2実施形態と同じ或いは対応する内容の説明を簡略化或いは省略する場合がある。
<電力変換装置の構造>
図11、図12は、第3実施形態に係る電力変換装置1の一例を示す構造図である。具体的には、図11は、電力変換装置1の筐体1Hの一部を取り外した状態を示す斜視図である。図12は、電力変換装置1の筐体1Hの一部を取り外し、且つ、出力端子40T及びU相出力用ブスバー41O2、V相出力用ブスバー42O2、及びW相出力用ブスバー43O2を取り外して上方向に移動させた状態を示す分解斜視図である。
図11、図12に示すように、平滑回路20、ヒューズ30、及びインバータ回路40は、第1実施形態等の場合と同様、筐体1Hの内部の長手方向の一端部から他端部に亘って(即ち、X軸正方向に)、順に並べて配置される。
また、出力端子40Tは、第1実施形態等の場合と同様、筐体1Hの内部の長手方向(X軸方向)の中央部、且つ、筐体1Hの内部の上部に配置される。具体的には、出力端子40Tは、筐体1Hの内部の平滑回路20及びヒューズ30の上方に配置される。
出力端子40Tは、上述の如く、U相出力端子41Tと、V相出力端子42Tと、W相出力端子43Tとを含む。U相出力端子41T、V相出力端子42T、及びW相出力端子43Tは、第1実施形態等の場合と同様、筐体1Hの内部の短手方向の一端部から中央部に亘って(即ち、Y軸正方向に)、順に並べて配置される。
インバータ回路40は、上述の如く、U相回路41と、V相回路42と、W相回路43とにより構成されるブリッジ回路を含む。
図11、図12に示すように、U相回路41、V相回路42、及びW相回路43は、第1実施形態等の場合と同様、Y軸負方向の端部からY軸正方向の端部に向けて、Y軸方向に順に並べて配置される。
U相回路41は、第2実施形態の場合と同様、6個のスイッチモジュール410(即ち、上述のスイッチモジュール411~416に相当)を含む。
6個のスイッチモジュール410は、第2実施形態の場合と同様、X軸方向に等間隔で3個並べて配置される2つのグループが、Y軸方向で二列に並べて配置される。また、6個のスイッチモジュール410は、第1実施形態等の場合と同様、筐体1Hの底面に載置される別の部品の上に配置される。
スイッチモジュール410は、第1実施形態等の場合と同様、上面視の長手方向が略X軸方向に沿うように配置される。スイッチモジュール410には、その長手方向(即ち、X軸方向)に沿って、平滑回路20(平滑用コンデンサ21)に近い方から順に、交流出力端子410O、負極側端子410N、及び正極側端子410Pが並べて配置される。
図12に示すように、スイッチモジュール410の上端部には、第1実施形態等の場合と同様、U相ラミネートブスバー41PNがX軸方向及びY軸方向に略平行に配置される。
U相ラミネートブスバー41PNは、X軸方向及びY軸方向で6個のスイッチモジュール410を覆う範囲に亘って配置される。
図12に示すように、U相交流ブスバー41Oは、スイッチモジュール410の交流出力端子410OとU相出力端子41Tとの間を接続する。U相交流ブスバー41Oは、第1実施形態等の場合と同様、U相並列接続用ブスバー41O1と、U相出力用ブスバー41O2とを含む。
U相並列接続用ブスバー41O1は、X軸方向及びY軸方向に略平行な平板形状を有し、上面視で、6個のスイッチモジュール410を覆う範囲に亘る略矩形形状を有する。U相並列接続用ブスバー41O1は、U相ラミネートブスバー41PNの最上層の絶縁層41I2(図4参照)の上に更に積層される。これにより、U相負極側直流ブスバー41N、U相正極側直流ブスバー41P、及びU相並列接続用ブスバー41O1は、絶縁層41I1,41I2を介して、下から順に積層されるラミネート構造のU相ラミネートブスバー41PNOを構成する。そのため、U相並列接続用ブスバー41O1の電流密度は、U相正極側直流ブスバー41P及びU相負極側直流ブスバー41Nと略等しくなる。
図11、図12に示すように、U相並列接続用ブスバー41O1には、6個のスイッチモジュール410に対応する位置に、上面視で略矩形の相対的に大きい貫通孔が設けられる。これにより、スイッチモジュール410の正極側端子410P(即ち、U相正極側直流ブスバー41Pの締結用の貫通孔)、負極側端子410N(即ち、U相負極側直流ブスバー41Nの締結用の貫通孔)、及び交流出力端子410Oを上面視で露出させることができる。そのため、作業者は、U相並列接続用ブスバー41O1の上からスイッチモジュール410の正極側端子410P、負極側端子410N、及び交流出力端子410Oにアクセスすることができる。
図11、図12に示すように、U相出力用ブスバー41O2は、U相並列接続用ブスバー41O1とU相出力端子41Tとの間を接続する。U相出力用ブスバー41O2は、U相並列接続用ブスバー41O1のX軸正方向の端部、即ち、二列のX軸方向に並ぶ3個のスイッチモジュール410のX軸正方向の端部のスイッチモジュール410の交流出力端子410OよりもX軸正方向に離れた位置に接続される。また、U相出力用ブスバー41O2は、U相並列接続用ブスバー41O1のX軸正方向の端部で、且つ、二列のX軸方向に並ぶ3個のスイッチモジュール410のグループの交流出力端子410O同士の間のY軸方向の略中央位置に接続される。これにより、6個のスイッチモジュール410のそれぞれを通過する、U相回路41の直流入力端と、U相並列接続用ブスバー41O1及びU相出力用ブスバー41O2の接続部との間の電力経路の長さが全て略等しくなる。そのため、6個のスイッチモジュール410のそれぞれを通過する、平滑回路20とU相出力端子41Tとの間の一巡の電力経路の長さ及び電流密度は、全て略等しくなる。よって、6個のスイッチモジュール410を通過する平滑回路20とU相出力端子41Tとの間の一巡の電力経路のインダクタンスを略等しく、均一化することができる。
V相回路42は、U相回路41と同様、6個のスイッチモジュール420(上述のスイッチモジュール421~426に相当)を含む。
6個のスイッチモジュール420の配置構造は、U相回路41の6個のスイッチモジュール410の場合と同様であるため、説明を省略する。
スイッチモジュール420は、スイッチモジュール410と同様、上面視の長手方向が略X軸方向に沿うように配置される。スイッチモジュール420には、その長手方向(即ち、X軸方向)に沿って、平滑回路20(平滑用コンデンサ21)に近い方から順に、交流出力端子420O、負極側端子420N、及び正極側端子420Pが並べて配置される。
図12に示すように、スイッチモジュール420の上端部には、V相ラミネートブスバー42PNがX軸方向及びY軸方向に略平行に配置される。
V相ラミネートブスバー42PNは、X軸方向及びY軸方向で6個のスイッチモジュール420を覆う範囲に亘って配置される。
図12に示すように、V相交流ブスバー42Oは、スイッチモジュール420の交流出力端子420OとV相出力端子42Tとの間を接続する。V相交流ブスバー42Oは、V相並列接続用ブスバー42O1と、V相出力用ブスバー42O2とを含む。
V相並列接続用ブスバー42O1は、X軸方向及びY軸方向に略平行な平板形状を有し、上面視で、6個のスイッチモジュール420を覆う範囲に亘る略矩形形状を有する。V相並列接続用ブスバー42O1は、V相ラミネートブスバー42PNの最上層の絶縁層42I2(図4参照)の上に更に積層される。これにより、V相負極側直流ブスバー42N、V相正極側直流ブスバー42P、及びV相並列接続用ブスバー42O1は、絶縁層42I1,42I2を介して、下から順に積層されるラミネート構造のV相ラミネートブスバー42PNOを構成する。そのため、V相並列接続用ブスバー42O1の電流密度は、V相正極側直流ブスバー42P及びV相負極側直流ブスバー42Nと略等しくなる。
V相交流ブスバー42O(V相並列接続用ブスバー42O1及びV相出力用ブスバー42O2)の配置及び構造は、U相交流ブスバー41Oの場合と同様であるため、説明を省略する。
W相回路43は、U相回路41と同様、6個のスイッチモジュール430(上述のスイッチモジュール431~436に相当)を含む。
6個のスイッチモジュール430の配置構造は、U相回路41の6個のスイッチモジュール410の場合と同様であるため、説明を省略する。
スイッチモジュール430は、スイッチモジュール410と同様、上面視の長手方向が略X軸方向に沿うように配置される。スイッチモジュール430には、その長手方向(即ち、X軸方向)に沿って、平滑回路20(平滑用コンデンサ21)に近い方から順に、交流出力端子430O、負極側端子430N、及び正極側端子430Pが並べて配置される。
図12に示すように、スイッチモジュール430の上端部には、W相ラミネートブスバー43PNがX軸方向及びY軸方向に略平行に配置される。
W相ラミネートブスバー43PNは、X軸方向及びY軸方向で6個のスイッチモジュール430を覆う範囲に亘って配置される。
図12に示すように、W相交流ブスバー43Oは、スイッチモジュール430の交流出力端子430OとW相出力端子43Tとの間を接続する。W相交流ブスバー43Oは、W相並列接続用ブスバー43O1と、W相出力用ブスバー43O2とを含む。
W相並列接続用ブスバー43O1は、X軸方向及びY軸方向に略平行な平板形状を有し、上面視で、6個のスイッチモジュール430を覆う範囲に亘る略矩形形状を有する。W相並列接続用ブスバー43O1は、W相ラミネートブスバー43PNの最上層の絶縁層43I2(図4参照)の上に更に積層される。これにより、W相負極側直流ブスバー43N、W相正極側直流ブスバー43P、及びW相並列接続用ブスバー43O1は、絶縁層43I1,43I2を介して、下から順に積層されるラミネート構造のW相ラミネートブスバー43PNOを構成する。そのため、W相並列接続用ブスバー43O1の電流密度は、W相正極側直流ブスバー43P及びW相負極側直流ブスバー43Nと略等しくなる。
W相交流ブスバー43O(W相並列接続用ブスバー43O1及びW相出力用ブスバー43O2)の配置及び構造は、U相交流ブスバー41Oの場合と同様であるため、説明を省略する。
このように、第3実施形態では、U相並列接続用ブスバー41O1は、U相正極側直流ブスバー41P及びU相負極側直流ブスバー41Nと共に、互いに絶縁層41I1,41I2を介して積層されるラミネート構造を有する。また、U相並列接続用ブスバー41O1は、6個のスイッチモジュール410のうちのX軸正方向の端部のスイッチモジュール410の交流出力端子410OよりもX軸正方向に離れた位置で、U相出力用ブスバー41O2と接続される。これにより、6個のスイッチモジュール410のそれぞれを通過する平滑回路20とU相出力端子41Tとの間の一巡の電力経路の長さ及び電流密度は、全て略等しくなる。そのため、6個のスイッチモジュール410のそれぞれを通過する平滑回路20とU相出力端子41Tとの間の一巡の電力経路のインダクタンスを略等しく、均一化することができる。同様に、V相並列接続用ブスバー42O1は、V相正極側直流ブスバー42P及びV相負極側直流ブスバー42Nと共に、互いに絶縁層42I1,42I2を介して積層されるラミネート構造を有する。また、V相並列接続用ブスバー42O1は、6個のスイッチモジュール420のうちのX軸正方向の端部のスイッチモジュール420の交流出力端子420OよりもX軸正方向に離れた位置で、V相出力用ブスバー42O2と接続される。これにより、6個のスイッチモジュール420のそれぞれを通過する平滑回路20とV相出力端子42Tとの間の一巡の電力経路の長さ及び電流密度は、全て略等しくなる。そのため、6個のスイッチモジュール420のそれぞれを通過する平滑回路20とV相出力端子42Tとの間の一巡の電力経路のインダクタンスを略等しく、均一化することができる。同様に、W相並列接続用ブスバー43O1は、W相正極側直流ブスバー43P及びW相負極側直流ブスバー43Nと共に、互いに絶縁層43I1,43I2を介して積層されるラミネート構造を有する。また、W相並列接続用ブスバー43O1は、6個のスイッチモジュール430のうちのX軸正方向の端部のスイッチモジュール430の交流出力端子430OよりもX軸正方向に離れた位置で、W相出力用ブスバー43O2と接続される。これにより、6個のスイッチモジュール430のそれぞれを通過する平滑回路20とW相出力端子43Tとの間の一巡の電力経路の長さ及び電流密度は、全て略等しくなる。そのため、6個のスイッチモジュール430のそれぞれを通過する平滑回路20とW相出力端子43Tとの間の一巡の電力経路のインダクタンスを略等しく、均一化することができる。よって、6個のスイッチモジュール410、6個のスイッチモジュール420、及び6個のスイッチモジュール430のそれぞれの電流のアンバランスを抑制し、電流の均一化を図ることができる。
尚、第3実施形態において、並列接続されるスイッチモジュール410の個数は、任意であってよく、2個以上且つ5個以下であってもよいし、7個以上であってもよい。スイッチモジュール420やスイッチモジュール430の個数についても同様であってよい。また、第3実施形態において、複数のスイッチモジュール410の配置は、任意であってよく、例えば、複数のスイッチモジュール410は、X軸方向に一例に並べられてもよいし、X軸方向に並べられる一列分のグループがY軸方向に3列以上で並べられてもよい。
[第4実施形態]
次に、図13,図14を参照して、第4実施形態について説明する。第4実施形態に係る電力変換装置1の回路構成は、上述の第2実施形態(図7)と同様であるため、説明を省略する。以下、第1実施形態~第3実施形態に係る電力変換装置1と異なる部分を中心に説明し、第1実施形態~第3実施形態と同じ或いは対応する内容の説明を簡略化或いは省略する場合がある。
<電力変換装置の構造>
図13、図14は、第4実施形態に係る電力変換装置1の一例を示す構造図である。具体的には、図13は、電力変換装置1の筐体1Hの一部を取り外した状態を示す斜視図である。図14は、電力変換装置1の筐体1Hの一部を取り外し、且つ、出力端子40Tを取り外して上方向に移動させた状態を示す分解斜視図である。
図13、図14に示すように、平滑回路20、ヒューズ30、及びインバータ回路40は、第1実施形態等の場合と同様、筐体1Hの内部の長手方向の一端部から他端部に亘って(即ち、X軸正方向に)、順に並べて配置される。
また、出力端子40Tは、第1実施形態等の場合と同様、筐体1Hの内部の長手方向(X軸方向)の中央部、且つ、筐体1Hの内部の上部に配置される。具体的には、出力端子40Tは、筐体1Hの内部の平滑回路20及びヒューズ30の上方に配置される。
出力端子40Tは、上述の如く、U相出力端子41Tと、V相出力端子42Tと、W相出力端子43Tとを含む。U相出力端子41T、V相出力端子42T、及びW相出力端子43Tは、第1実施形態等の場合と同様、筐体1Hの内部の短手方向の一端部から中央部に亘って(即ち、Y軸正方向に)、順に並べて配置される。
インバータ回路40は、上述の如く、U相回路41と、V相回路42と、W相回路43とにより構成されるブリッジ回路を含む。
図13、図14に示すように、U相回路41、V相回路42、及びW相回路43は、第1実施形態等の場合と同様、Y軸負方向の端部からY軸正方向の端部に向けて、Y軸方向に順に並べて配置される。
U相回路41は、第2実施形態等の場合と同様、6個のスイッチモジュール410(即ち、上述のスイッチモジュール411~416に相当)を含む。
6個のスイッチモジュール410は、第2実施形態等の場合と同様、X軸方向に等間隔で3個並べて配置される2つのグループが、Y軸方向で二列に並べて配置される。また、6個のスイッチモジュール410は、第1実施形態等の場合と同様、筐体1Hの底面に載置される別の部品の上に配置される。
スイッチモジュール410は、第1実施形態等の場合と同様、上面視の長手方向が略X軸方向に沿うように配置される。スイッチモジュール410には、その長手方向(即ち、X軸方向)に沿って、平滑回路20(平滑用コンデンサ21)に近い方から順に、交流出力端子410O、負極側端子410N、及び正極側端子410Pが並べて配置される。
図13、図14に示すように、スイッチモジュール410の上端部には、第1実施形態等の場合と同様、U相ラミネートブスバー41PNがX軸方向及びY軸方向に略平行に配置される。
U相ラミネートブスバー41PNは、X軸方向及びY軸方向で6個のスイッチモジュール410を覆う範囲に亘って配置される。
図13、図14に示すように、U相交流ブスバー41Oは、スイッチモジュール410の交流出力端子410OとU相出力端子41Tとの間を接続する。U相交流ブスバー41Oは、第1実施形態等の場合と同様、U相並列接続用ブスバー41O1と、U相出力用ブスバー41O2とを含む。
U相並列接続用ブスバー41O1は、第3実施形態と同様、X軸方向及びY軸方向に略平行な平板形状を有し、上面視で、6個のスイッチモジュール410を覆う範囲に亘る略矩形形状を有する。U相並列接続用ブスバー41O1は、U相ラミネートブスバー41PNの最上層の絶縁層41I2(図4参照)の上に更に積層される。これにより、U相負極側直流ブスバー41N、U相正極側直流ブスバー41P、及びU相並列接続用ブスバー41O1は、絶縁層41I1,41I2を介して、下から順に積層されるラミネート構造のU相ラミネートブスバー41PNOを構成する。そのため、U相並列接続用ブスバー41O1の電流密度は、U相正極側直流ブスバー41P及びU相負極側直流ブスバー41Nと略等しくなる。
図13、図14に示すように、U相出力用ブスバー41O2は、U相並列接続用ブスバー41O1とU相出力端子41Tとの間を接続する。U相出力用ブスバー41O2は、U相並列接続用ブスバー41O1のX軸負方向の端部、即ち、二列のX軸方向に並ぶ3個のスイッチモジュール410のX軸負方向の端部のスイッチモジュール410の交流出力端子410OよりもX軸負方向に離れた位置に接続される。また、U相出力用ブスバー41O2は、U相並列接続用ブスバー41O1のX軸負方向の端部で、且つ、二列のX軸方向に並ぶ3個のスイッチモジュール410のグループの交流出力端子410O同士の間のY軸方向の略中央位置に接続される。これにより、6個のスイッチモジュール410のそれぞれに向かってU相正極側直流ブスバー41Pを流れる電流の向きは、X軸正方向になる。一方、6個のスイッチモジュール410のそれぞれからU相出力端子41Tに向かってU相並列接続用ブスバー41O1を流れる電流の向きは、反対のX軸負方向になる。そのため、同じ電流密度の電流が反対向きに流れることで、U相正極側直流ブスバー41P及びU相並列接続用ブスバー41O1のそれぞれの電流で発生する磁界が相殺され、そのインダクタンスを大きく低減することができる。同様に、U相出力端子41Tから6個のスイッチモジュール410のそれぞれに向かってU相並列接続用ブスバー41O1を流れる電流の向きは、X軸正方向になる。一方、6個のスイッチモジュール410のそれぞれから平滑回路20に向かってU相負極側直流ブスバー41Nを流れる電流の向きは、X軸負方向になる。そのため、同じ大きさの電流が反対向きに流れることで、U相負極側直流ブスバー41N及びU相並列接続用ブスバー41O1のそれぞれの電流で発生する磁界が相殺され、そのインダクタンスを大きく低減することができる。よって、6個のスイッチモジュール410を通過する平滑回路20とU相出力端子41Tとの間の一巡の電力経路のそれぞれのインダクタンスが非常に小さくなることで、電力経路間のインダクタンスの差異を抑制し、インダクタンスの均一化を図ることができる。
V相回路42は、U相回路41と同様、6個のスイッチモジュール420(上述のスイッチモジュール421~426に相当)を含む。
6個のスイッチモジュール420の配置構造は、U相回路41の6個のスイッチモジュール410の場合と同様であるため、説明を省略する。
スイッチモジュール420は、スイッチモジュール410と同様、上面視の長手方向が略X軸方向に沿うように配置される。スイッチモジュール420には、その長手方向(即ち、X軸方向)に沿って、平滑回路20(平滑用コンデンサ21)に近い方から順に、交流出力端子420O、負極側端子420N、及び正極側端子420Pが並べて配置される。
図13、図14に示すように、スイッチモジュール420の上端部には、V相ラミネートブスバー42PNがX軸方向及びY軸方向に略平行に配置される。
V相ラミネートブスバー42PNは、X軸方向及びY軸方向で6個のスイッチモジュール420を覆う範囲に亘って配置される。
図13、図14に示すように、V相交流ブスバー42Oは、スイッチモジュール420の交流出力端子420OとV相出力端子42Tとの間を接続する。V相交流ブスバー42Oは、V相並列接続用ブスバー42O1と、V相出力用ブスバー42O2とを含む。
V相並列接続用ブスバー42O1は、第3実施形態の場合と同様、X軸方向及びY軸方向に略平行な平板形状を有し、上面視で、6個のスイッチモジュール420を覆う範囲に亘る略矩形形状を有する。V相並列接続用ブスバー42O1は、V相ラミネートブスバー42PNの最上層の絶縁層42I2(図4参照)の上に更に積層される。これにより、V相負極側直流ブスバー42N、V相正極側直流ブスバー42P、及びV相並列接続用ブスバー42O1は、絶縁層42I1,42I2を介して、下から順に積層されるラミネート構造のV相ラミネートブスバー42PNOを構成する。そのため、V相並列接続用ブスバー42O1の電流密度は、V相正極側直流ブスバー42P及びV相負極側直流ブスバー42Nと略等しくなる。
V相交流ブスバー42O(V相並列接続用ブスバー42O1及びV相出力用ブスバー42O2)の配置及び構造は、U相交流ブスバー41Oの場合と同様であるため、説明を省略する。
W相回路43は、U相回路41と同様、6個のスイッチモジュール430(上述のスイッチモジュール431~436に相当)を含む。
6個のスイッチモジュール430の配置構造は、U相回路41の6個のスイッチモジュール410の場合と同様であるため、説明を省略する。
スイッチモジュール430は、スイッチモジュール410と同様、上面視の長手方向が略X軸方向に沿うように配置される。スイッチモジュール430には、その長手方向(即ち、X軸方向)に沿って、平滑回路20(平滑用コンデンサ21)に近い方から順に、交流出力端子430O、負極側端子430N、及び正極側端子430Pが並べて配置される。
図13、図14に示すように、スイッチモジュール430の上端部には、W相ラミネートブスバー43PNがX軸方向及びY軸方向に略平行に配置される。
W相ラミネートブスバー43PNは、X軸方向及びY軸方向で6個のスイッチモジュール430を覆う範囲に亘って配置される。
図13、図14に示すように、W相交流ブスバー43Oは、スイッチモジュール430の交流出力端子430OとW相出力端子43Tとの間を接続する。W相交流ブスバー43Oは、W相並列接続用ブスバー43O1と、W相出力用ブスバー43O2とを含む。
W相並列接続用ブスバー43O1は、第3実施形態の場合と同様、X軸方向及びY軸方向に略平行な平板形状を有し、上面視で、6個のスイッチモジュール430を覆う範囲に亘る略矩形形状を有する。W相並列接続用ブスバー43O1は、W相ラミネートブスバー43PNの最上層の絶縁層43I2(図4参照)の上に更に積層される。これにより、W相負極側直流ブスバー43N、W相正極側直流ブスバー43P、及びW相並列接続用ブスバー43O1は、絶縁層43I1,43I2を介して、下から順に積層されるラミネート構造のW相ラミネートブスバー43PNOを構成する。そのため、W相並列接続用ブスバー43O1の電流密度は、W相正極側直流ブスバー43P及びW相負極側直流ブスバー43Nと略等しくなる。
W相交流ブスバー43O(W相並列接続用ブスバー43O1及びW相出力用ブスバー43O2)の配置及び構造は、U相交流ブスバー41Oの場合と同様であるため、説明を省略する。
このように、第4実施形態では、U相並列接続用ブスバー41O1は、U相正極側直流ブスバー41P及びU相負極側直流ブスバー41Nと共に、互いに絶縁層41I1,41I2を介して積層されるラミネート構造を有する。また、U相並列接続用ブスバー41O1は、6個のスイッチモジュール410のうちのX軸負方向の端部のスイッチモジュール410の交流出力端子410OよりもX軸負方向に離れた位置で、U相出力用ブスバー41O2と接続される。これにより、6個のスイッチモジュール410のそれぞれを通過する前後のU相正極側直流ブスバー41P及びU相並列接続用ブスバー41O1の電流、並びにU相並列接続用ブスバー41O1及びU相負極側直流ブスバー41Nの電流が同じ電流密度且つ空間上で反対向きになる。そのため、U相正極側直流ブスバー41P及びU相並列接続用ブスバー41O1の電流、並びにU相並列接続用ブスバー41O1及びU相負極側直流ブスバー41Nの電流で発生する磁界が相殺され、これらの電力経路のインダクタンスを非常に小さくできる。その結果、6個のスイッチモジュール410のそれぞれを通過する、平滑回路20とU相出力端子41Tとの間の一巡の電力経路のインダクタンスの経路間の差異を抑制し、インダクタンスの均一化を図ることができる。同様に、V相並列接続用ブスバー42O1は、V相正極側直流ブスバー42P及びV相負極側直流ブスバー42Nと共に、互いに絶縁層42I1,42I2を介して積層されるラミネート構造を有する。また、V相並列接続用ブスバー42O1は、6個のスイッチモジュール420のうちのX軸負方向の端部のスイッチモジュール420の交流出力端子420OよりもX軸負方向に離れた位置で、V相出力用ブスバー42O2と接続される。これにより、6個のスイッチモジュール420のそれぞれを通過する前後のV相正極側直流ブスバー42P及びV相並列接続用ブスバー42O1の電流、並びにV相並列接続用ブスバー42O1及びV相負極側直流ブスバー42Nの電流が同じ電流密度且つ空間上で反対向きになる。そのため、V相正極側直流ブスバー42P及びV相並列接続用ブスバー42O1の電流、並びにV相並列接続用ブスバー42O1及びV相負極側直流ブスバー42Nの電流で発生する磁界が相殺され、これらの電力経路のインダクタンスを非常に小さくできる。その結果、6個のスイッチモジュール420のそれぞれを通過する、平滑回路20とV相出力端子42Tとの間の一巡の電力経路のインダクタンスの経路間の差異を抑制し、インダクタンスの均一化を図ることができる。同様に、W相並列接続用ブスバー43O1は、W相正極側直流ブスバー43P及びW相負極側直流ブスバー43Nと共に、互いに絶縁層43I1,43I2を介して積層されるラミネート構造を有する。また、W相並列接続用ブスバー43O1は、6個のスイッチモジュール430のうちのX軸負方向の端部のスイッチモジュール430の交流出力端子430OよりもX軸負方向に離れた位置で、W相出力用ブスバー43O2と接続される。これにより、6個のスイッチモジュール430のそれぞれを通過する前後のW相正極側直流ブスバー43P及びW相並列接続用ブスバー43O1の電流、並びにW相並列接続用ブスバー43O1及びW相負極側直流ブスバー43Nの電流が同じ電流密度且つ空間上で反対向きになる。そのため、W相正極側直流ブスバー43P及びW相並列接続用ブスバー43O1の電流、並びにW相並列接続用ブスバー43O1及びW相負極側直流ブスバー43Nの電流で発生する磁界が相殺され、これらの電力経路のインダクタンスを非常に小さくできる。その結果、6個のスイッチモジュール430のそれぞれを通過する、平滑回路20とW相出力端子43Tとの間の一巡の電力経路のインダクタンスの経路間の差異を抑制し、インダクタンスの均一化を図ることができる。よって、6個のスイッチモジュール410、6個のスイッチモジュール420、及び6個のスイッチモジュール430のそれぞれの電流のアンバランスを抑制し、電流の均一化を図ることができる。
尚、第4実施形態において、並列接続されるスイッチモジュール410の個数は、任意であってよく、2個以上且つ5個以下であってもよいし、7個以上であってもよい。また、スイッチモジュール420やスイッチモジュール430の個数についても同様であってよい。また、第4実施形態において、複数のスイッチモジュール410の配置は、任意であってよく、例えば、複数のスイッチモジュール410は、X軸方向に一例に並べられてもよいし、X軸方向に並べられる一列分のグループがY軸方向に3列以上で並べられてもよい。
[作用]
次に、本実施形態に係る電力変換装置1の作用について説明する。
本実施形態(第1実施形態)では、電力変換装置1は、平滑回路20と、インバータ回路40と、出力端子40Tとを含む。具体的には、インバータ回路40は、複数の半導体スイッチ410sを含む上下のアームが直列接続されるスイッチモジュール410が、複数並列接続されると共に、複数のスイッチモジュール410のそれぞれの上下のアームの接続点(交流出力端子410O)同士が接続されることにより構成されるU相回路41を含む。同様に、インバータ回路40は、複数の半導体スイッチ420sを含む上下のアームが直列接続されるスイッチモジュール420が、複数並列接続されると共に、複数のスイッチモジュール420のそれぞれの上下のアームの接続点(交流出力端子420O)同士が接続されることにより構成されるV相回路42を含む。同様に、インバータ回路40は、複数の半導体スイッチ430sを含む上下のアームが直列接続されるスイッチモジュール430が、複数並列接続されると共に、複数のスイッチモジュール430のそれぞれの上下のアームの接続点(交流出力端子430O)同士が接続されることにより構成されるW相回路43を含む。即ち,インバータ回路40は、出力回路(U相回路41、V相回路42、及びW相回路43)が複数相分並列接続されることにより構成されるブリッジ回路を含む。そして、インバータ回路40は、平滑回路20から入力される直流電力に基づき、所定の交流電力を出力する。また、出力端子40Tは、インバータ回路40からの所定の交流電力を外部に出力する。また、インバータ回路40は、複数のスイッチモジュール410,420,430の正極側端子410P,420P,430P同士を接続する正極側直流ブスバー40Pと、複数のスイッチモジュール410,420,430の負極側端子410N,420N,430N同士を接続する負極側直流ブスバー40Nとを含む。また、インバータ回路40は、複数のスイッチモジュール410の交流出力端子410O同士を接続するU相並列接続用ブスバー41O1を含む。同様に、インバータ回路40は、複数のスイッチモジュール420の交流出力端子420O同士を接続するV相並列接続用ブスバー42O1を含む。同様に、インバータ回路40は、複数のスイッチモジュール430の交流出力端子430O同士を接続するW相並列接続用ブスバー43O1を含む。また、正極側直流ブスバー40P及び負極側直流ブスバー40Nは、絶縁層41I1,42I1,43I1を介して積層されるラミネート構造を有する。そして、U相並列接続用ブスバー41O1は、複数のスイッチモジュール410に含まれる全てのアーム(半導体スイッチ410s)と、複数のスイッチモジュール410のそれぞれからの全ての経路が合流する合流部との間のそれぞれの経路の長さが略等しくなるように構成される。同様に、V相並列接続用ブスバー42O1は、複数のスイッチモジュール420に含まれる全てのアーム(半導体スイッチ420s)と、複数のスイッチモジュール420のそれぞれからの全ての経路が合流する合流部との間のそれぞれの経路の長さが略等しくなるように構成される。同様に、W相並列接続用ブスバー43O1は、複数のスイッチモジュール430に含まれる全てのアーム(半導体スイッチ430s)と、複数のスイッチモジュール430のそれぞれからの全ての経路が合流する合流部との間のそれぞれの経路の長さが略等しくなるように構成される。
例えば、インバータ回路において、複数のスイッチレグを並列接続することにより、電力変換装置の電流容量を増やすことができる。
この場合、複数のスイッチレグを通過するそれぞれの経路ごとにインダクタンスが異なると、複数のスイッチレグを通過する電流にアンバランスが生じ、一部のスイッチレグに含まれる半導体スイッチに電流が集中する可能性がある。その結果、損失による温度上昇に伴い半導体スイッチの素子が破損する可能性がある。
一方、最も電流が集中する半導体スイッチの許容電流に合わせることにより、電流のアンバランスを考慮して、電力変換装置の電流容量を決定することも可能である。しかしながら、この場合、電流が集中する半導体スイッチ以外の半導体スイッチには、許容電流よりも相対的に低い電流しか流れなくなる。その結果、並列接続するスイッチレグを増やしても、複数のスイッチレグ全体の許容電流を有効に使用することができず、電力変換装置の電流容量をあまり増やすことができない可能性がある。
これに対して、本実施形態(第1実施形態)では、正極側直流ブスバー40P及び負極側直流ブスバー40Nのラミネート構造化に伴い、インバータ回路40の正極側及び負極側の直流配線部分のインダクタンスを非常に小さくすることができる。そのため、平滑回路20と出力端子40Tとの間の一巡の電力経路のインダクタンスについて、交流配線部分のインダクタンスが支配的になる。その上で、複数のスイッチモジュール410に含まれる全てのアーム(半導体スイッチ410s)から合流部までのそれぞれの経路長さが略等しく構成されることで、U相並列接続用ブスバー41O1における各半導体スイッチ410sを通過する電力経路のインダクタンスの差を相対的に小さくすることができる。そのため、電力変換装置1は、複数のスイッチモジュール410のそれぞれを通過する電力経路について、平滑回路20と出力端子40T(U相出力端子41T)との間の一巡の電力経路のインダクタンスの差を相対的に小さくすることができる。よって、電力変換装置1は、複数の半導体スイッチ410s(スイッチモジュール410)の電流のアンバランスを抑制し、電流の均一化を図ることができる。また、複数のスイッチモジュール420についても同様である。そのため、電力変換装置1は、複数のスイッチモジュール420のそれぞれを通過する電力経路について、平滑回路20と出力端子40T(V相出力端子42T)との間の一巡の電力経路のインダクタンスの差を相対的に小さくすることができる。よって、電力変換装置1は、複数の半導体スイッチ420s(スイッチモジュール420)の電流のアンバランスを抑制し、電流の均一化を図ることができる。また、複数のスイッチモジュール430についても同様である。そのため、電力変換装置1は、複数のスイッチモジュール430のそれぞれを通過する電力経路について、平滑回路20と出力端子40T(W相出力端子43T)との間の一巡の電力経路のインダクタンスの差を相対的に小さくすることができる。よって、電力変換装置1は、複数の半導体スイッチ430s(スイッチモジュール430)の電流のアンバランスを抑制し、電流の均一化を図ることができる。
また、本実施形態(第1実施形態)では、U相並列接続用ブスバー41O1は、複数のスイッチモジュール410に含まれる全ての半導体スイッチ410sと、複数のスイッチモジュール410のそれぞれからの全ての経路が合流する合流部との間の経路ごとの電流密度が略等しくなるように構成される。また、V相並列接続用ブスバー42O1やW相並列接続用ブスバー43O1についても同様であってよい。
これにより、U相並列接続用ブスバー41O1における各半導体スイッチ410sを通過する電力経路のインダクタンスを略同等にすることができる。そのため、電力変換装置1は、複数のスイッチモジュール410のそれぞれを通過する電力経路について、平滑回路20と出力端子40T(U相出力端子41T)との間の一巡の電力経路のインダクタンスを略等しくすることができる。よって、電力変換装置1は、複数の半導体スイッチ410s(スイッチモジュール410)の電流のアンバランスを更に抑制し、更に電流の均一化を図ることができる。また、V相並列接続用ブスバー42O1やW相並列接続用ブスバー43O1についても同様の作用・効果を奏する。
また、本実施形態(第1実施形態)では、複数のスイッチモジュール410に含まれる2つのスイッチモジュール410は、一の軸方向(X軸方向)に並べて配置される。また、複数のスイッチモジュール420や複数のスイッチモジュール430についても同様であってよい。そして、U相並列接続用ブスバー41O1は、2つのスイッチモジュール410からU相出力端子41Tに向かう経路を、X軸方向において、2つのスイッチモジュール410の交流出力端子410O同士の略中央位置(中点)で合流させてよい。また、V相並列接続用ブスバー42O1やW相並列接続用ブスバー43O1についても同様であってよい。
これにより、U相並列接続用ブスバー41O1は、2つのスイッチモジュール410の組み合わせごとに、2つのスイッチモジュール410の交流出力端子410Oのそれぞれからの経路をその長さが略同じになるように合流させることができる。また、V相並列接続用ブスバー42O1やW相並列接続用ブスバー43O1についても同様の作用・効果を奏する。
また、本実施形態(第1実施形態)では、並列接続される複数のスイッチモジュール410は、2つのスイッチモジュール410の組み合わせを複数含んでよい。また、並列接続される複数のスイッチモジュール420や並列接続される複数のスイッチモジュール430についても同様であってよい。そして、U相並列接続用ブスバー41O1は、複数の組み合わせごとの2つのスイッチモジュール410のそれぞれからの経路が合流する中間合流部と、全てのスイッチモジュール410のそれぞれからの経路が合流する合流部との間のそれぞれの電力経路の長さが略等しくなるように構成されてよい。また、V相並列接続用ブスバー42O1やW相並列接続用ブスバー43O1についても同様であってよい。
これにより、U相並列接続用ブスバー41O1において、並列接続される複数のスイッチモジュール410のそれぞれからの全ての経路が合流するまでの経路の長さを略等しくすることができる。また、V相並列接続用ブスバー42O1やW相並列接続用ブスバー43O1についても同様の作用・効果を奏する。
また、本実施形態(第1実施形態)では、並列接続される複数(4個)のスイッチモジュール410は、2組の2つのスイッチモジュール410が、X軸方向の位置を合わせて、X軸方向と垂直な他の軸方向(Y軸方向)に二列に並べて配置されてよい。また、複数(4個)のスイッチモジュール420や複数(4個)のスイッチモジュール430についても同様であってよい。また、U相並列接続用ブスバー41O1は、X軸方向において、2つのスイッチモジュール410の中央位置の垂直面を基準として略面対称になるように構成される。また、U相並列接続用ブスバー41O1は、Y軸方向において、2組の中央位置の垂直面を基準として略面対称になるように構成されてよい。そして、U相並列接続用ブスバー41O1は、U相出力端子41Tまでの配線(U相出力用ブスバー41O2)との接続部が、X軸方向及びY軸方向において、2組に含まれる4つのスイッチモジュール410の間の中央位置になるように構成されてよい。また、V相並列接続用ブスバー42O1やW相並列接続用ブスバー43O1についても同様であってよい。
これにより、U相並列接続用ブスバー41O1において、具体的に、並列接続される複数(4個)のスイッチモジュール410のそれぞれの経路が合流するまでのそれぞれの経路の長さを略等しくすることができる。そのため、電力変換装置1は、具体的に、各半導体スイッチ410sを通過する経路のインダクタンスを略同等にすることができる。また、V相並列接続用ブスバー42O1及びW相並列接続用ブスバー43O1についても同様の作用・効果を奏する。
また、本実施形態(第2実施形態)では、電力変換装置1は、平滑回路20と、インバータ回路40と、出力端子40Tとを含む。具体的には、インバータ回路40は、複数の半導体スイッチ410sを含む上下のアームが直列接続されるスイッチモジュール410が、複数並列接続されると共に、複数のスイッチモジュール410のそれぞれの上下のアームの接続点(交流出力端子410O)同士が接続されることにより構成されるU相回路41を含む。同様に、インバータ回路40は、複数の半導体スイッチ420sを含む上下のアームが直列接続されるスイッチモジュール420が、複数並列接続されると共に、複数のスイッチモジュール420のそれぞれの上下のアームの接続点(交流出力端子420O)同士が接続されることにより構成されるV相回路42を含む。同様に、インバータ回路40は、複数の半導体スイッチ430sを含む上下のアームが直列接続されるスイッチモジュール430が、複数並列接続されると共に、複数のスイッチモジュール430のそれぞれの上下のアームの接続点(交流出力端子430O)同士が接続されることにより構成されるW相回路43を含む。即ち,インバータ回路40は、出力回路(U相回路41、V相回路42、及びW相回路43)が複数相分並列接続されることにより構成されるブリッジ回路を含む。そして、インバータ回路40は、平滑回路20から入力される直流電力に基づき、所定の交流電力を出力する。また、出力端子40Tは、インバータ回路40からの所定の交流電力を外部に出力する。また、インバータ回路40は、複数のスイッチモジュール410,420,430の正極側端子410P,420P,430P同士を接続する正極側直流ブスバー40Pと、複数のスイッチモジュール410,420,430の負極側端子410N,420N,430N同士を接続する負極側直流ブスバー40Nとを含む。また、インバータ回路40は、複数のスイッチモジュール410の交流出力端子410O同士を接続するU相並列接続用ブスバー41O1を含む。同様に、インバータ回路40は、複数のスイッチモジュール420の交流出力端子420O同士を接続するV相並列接続用ブスバー42O1を含む。同様に、インバータ回路40は、複数のスイッチモジュール430の交流出力端子430O同士を接続するW相並列接続用ブスバー43O1を含む。また、正極側直流ブスバー40P及び負極側直流ブスバー40Nは、絶縁層41I1,42I1,43I1を介して積層されるラミネート構造を有する。また、U相並列接続用ブスバー41O1は、複数のスイッチモジュール410に含まれる全てのアーム(半導体スイッチ410s)のそれぞれを通過する、平滑回路20と複数のスイッチモジュール410のそれぞれからの経路が合流する合流部との間の電力経路のそれぞれの長さが略等しくなるように構成される。そして、U相並列接続用ブスバー41O1は、複数のスイッチモジュール410に含まれる全てのアームのそれぞれを通過する、平滑回路20と上記の合流部との間の電力経路ごとの経路全体に亘る電流密度が略等しくなるように構成される。同様に、V相並列接続用ブスバー42O1は、複数のスイッチモジュール420に含まれる全てのアーム(半導体スイッチ420s)のそれぞれを通過する、平滑回路20と複数のスイッチモジュール420のそれぞれからの経路が合流する合流部との間の電力経路のそれぞれの長さが略等しくなるように構成される。そして、V相並列接続用ブスバー42O1は、複数のスイッチモジュール420に含まれる全てのアームのそれぞれを通過する、平滑回路20と上記の合流部との間の電力経路ごとの経路全体に亘る電流密度が略等しくなるように構成される。同様に、W相並列接続用ブスバー43O1は、複数のスイッチモジュール430に含まれる全てのアーム(半導体スイッチ430s)のそれぞれを通過する、平滑回路20と複数のスイッチモジュール430のそれぞれからの経路が合流する合流部までの電力経路のそれぞれの長さが略等しくなるように構成される。そして、W相並列接続用ブスバー43O1は、複数のスイッチモジュール430に含まれる全てのアームのそれぞれを通過する、平滑回路20と上記の合流部との間の電力経路ごとの経路全体に亘る電流密度が略等しくなるように構成される。
これにより、インバータ回路40において、直流入力と交流出力の合流部との間の全ての経路の長さ及び経路ごとの経路全体に亘る電流密度を均一化することができる。そのため、電力変換装置1は、複数のスイッチモジュール410のそれぞれを通過する電力経路について、平滑回路20と出力端子40T(U相出力端子41T)との間の一巡の電力経路のインダクタンスを略同等にすることができる。よって、電力変換装置1は、複数の半導体スイッチ410s(スイッチモジュール410)の電流のアンバランスを抑制し、電流の均一化を図ることができる。また、複数のスイッチモジュール420についても同様である。そのため、電力変換装置1は、複数のスイッチモジュール420のそれぞれを通過する電力経路について、平滑回路20と出力端子40T(V相出力端子42T)との間の一巡の電力経路のインダクタンスを略同等にすることができる。よって、電力変換装置1は、複数の半導体スイッチ420s(スイッチモジュール420)の電流のアンバランスを抑制し、電流の均一化を図ることができる。また、複数のスイッチモジュール430についても同様である。そのため、電力変換装置1は、複数のスイッチモジュール430のそれぞれを通過する電力経路について、平滑回路20と出力端子40T(W相出力端子43T)との間の一巡の電力経路のインダクタンスを略同等にすることができる。よって、電力変換装置1は、複数の半導体スイッチ430s(スイッチモジュール430)のそれぞれの電流のアンバランスを抑制し、電流の均一化を図ることができる。
また、本実施形態(第2実施形態)では、U相並列接続用ブスバー41O1は、複数のスイッチモジュール410のそれぞれを通過する電力経路ごとの長さが共通する部分の電流密度が略等しくなるように構成されてよい。そして、U相並列接続用ブスバー41O1は、それ以外の部分、即ち、それぞれの電力経路の長さの差に相当する部分の電流密度が、電力経路ごとに、正極側直流ブスバー40P及び負極側直流ブスバー40Nの電流密度と略等しくなるように構成されてよい。また、V相並列接続用ブスバー42O1やW相並列接続用ブスバー43O1についても同様であってよい。
これにより,インバータ回路40において、直流入力と交流入力の合流部との間の全ての経路ごとの経路全体に亘る電流密度を略等しくすることができる。
また、本実施形態(第2実施形態)では、平滑回路20及びインバータ回路40は、一の軸方向(X軸方向)に並べて配置されてよい。また、複数のスイッチモジュール410は、X軸方向に並べて配置されてよい。また、複数のスイッチモジュール420や複数のスイッチモジュール430についても同様であってよい。また、U相並列接続用ブスバー41O1は、複数のスイッチモジュール410のそれぞれの上下のアームの接続点(交流出力端子410O)から上下方向(Z軸方向)に延びるように設けられ、互いに略同じ長さ及び略同じ断面積を有する複数の脚部41O1aを含んでよい。また、U相並列接続用ブスバー41O1は、複数の脚部41O1a同士をX軸方向に延びるように連結する連結部41O1bを含んでよい。また、連結部41O1bは、X軸方向で平滑回路20より離れている端部で出力端子40T(U相出力端子41T)までの配線(U相出力用ブスバー41O2)と接続されてよい。そして、連結部41O1bは、複数のスイッチモジュール410のそれぞれを通過する電力経路ごとに、その電流密度が正極側直流ブスバー40P及び負極側直流ブスバー40Nの電流密度と略等しくなるように構成されてよい。また、V相並列接続用ブスバー42O1やW相並列接続用ブスバー43O1についても同様であってよい。
これにより、インバータ回路40において、具体的に、直流入力と交流出力の合流部との間の全ての電力経路の長さ及び電力経路ごとの経路全体に亘る電流密度を略同等にすることができる。
また、本実施形態(第2実施形態)では、複数のスイッチモジュール410は、一の軸方向(X軸方向)に並べられた2つのグループが、X軸方向と垂直な他の軸方向(Y軸方向)に二列に並べて配置されてよい。そして、U相並列接続用ブスバー41O1の連結部41O1bは、複数の脚部41O1a同士をX軸方向及びY軸方向に延びるように連結してよい。
これにより、インバータ回路40において、具体的に、直流入力と交流出力の合流部との間の全ての電力経路の長さ及び電力経路ごとの経路全体に亘る電流密度を略同等にすることができる。
また、本実施形態(第3実施形態)では、電力変換装置1は、平滑回路20と、インバータ回路40と、出力端子40Tとを含む。具体的には、インバータ回路40は、複数の半導体スイッチ410sを含む上下のアームが直列接続されるスイッチモジュール410が、複数並列接続されると共に、複数のスイッチモジュール410のそれぞれの上下のアームの接続点(交流出力端子410O)同士が接続されることにより構成されるU相回路41を含む。同様に、インバータ回路40は、複数の半導体スイッチ420sを含む上下のアームが直列接続されるスイッチモジュール420が、複数並列接続されると共に、複数のスイッチモジュール420のそれぞれの上下のアームの接続点(交流出力端子420O)同士が接続されることにより構成されるV相回路42を含む。同様に、インバータ回路40は、複数の半導体スイッチ430sを含む上下のアームが直列接続されるスイッチモジュール430が、複数並列接続されると共に、複数のスイッチモジュール430のそれぞれの上下のアームの接続点(交流出力端子430O)同士が接続されることにより構成されるW相回路43を含む。即ち,インバータ回路40は、出力回路(U相回路41、V相回路42、及びW相回路43)が複数相分並列接続されることにより構成されるブリッジ回路を含む。そして、インバータ回路40は、平滑回路20から入力される直流電力に基づき、所定の交流電力を出力する。また、出力端子40Tは、インバータ回路40からの所定の交流電力を外部に出力する。また、インバータ回路40は、複数のスイッチモジュール410,420,430の正極側端子410P,420P,430P同士を接続する正極側直流ブスバー40Pと、複数のスイッチモジュール410,420,430の負極側端子410N,420N,430N同士を接続する負極側直流ブスバー40Nとを含む。また、インバータ回路40は、複数のスイッチモジュール410の交流出力端子410O同士を接続するU相並列接続用ブスバー41O1を含む。また、正極側直流ブスバー40P、負極側直流ブスバー40N、及びU相並列接続用ブスバー41O1は、絶縁層41I1,41I2を介して積層されるラミネート構造を有する。同様に、インバータ回路40は、複数のスイッチモジュール420の交流出力端子420O同士を接続するV相並列接続用ブスバー42O1を含む。また、正極側直流ブスバー40P、負極側直流ブスバー40N、及びV相並列接続用ブスバー42O1は、絶縁層42I1,42I2を介して積層されるラミネート構造を有する。同様に、インバータ回路40は、複数のスイッチモジュール430の交流出力端子430O同士を接続するW相並列接続用ブスバー43O1を含む。また、正極側直流ブスバー40P、負極側直流ブスバー40N、及びW相並列接続用ブスバー43O1は、絶縁層43I1,43I2を介して積層されるラミネート構造を有する。そして、U相並列接続用ブスバー41O1と出力端子40T(U相出力端子41T)までの配線(U相出力用ブスバー41O2)との接続部は、複数のスイッチモジュール410に含まれる全てのアーム(半導体スイッチ410s)のうちの平滑回路20から最も離れている半導体スイッチ410sよりも平滑回路20から離れた位置に設けられる。同様に、V相並列接続用ブスバー42O1と出力端子40T(V相出力端子42T)までの配線との接続部は、複数のスイッチモジュール420に含まれる全てのアーム(半導体スイッチ420s)のうちの平滑回路20から最も離れている半導体スイッチ420sよりも平滑回路20から離れた位置に設けられる。同様に、W相並列接続用ブスバー43O1と出力端子40T(W相出力端子43T)までの配線との接続部は、複数のスイッチモジュール430に含まれる全てのアーム(半導体スイッチ430s)のうちの平滑回路20から最も離れている半導体スイッチ430sよりも平滑回路20から離れた位置に設けられる。
これにより、インバータ回路40のブスバーのラミネート構造化に伴い、インバータ回路40の直流入力と交流入力の合流部との間の全ての電力経路の電流密度を略均一化することができる。その上で、U相並列接続用ブスバー41O1とU相出力用ブスバー41O2との間の接続部の配置に伴い、複数のスイッチモジュール410のそれぞれからの経路が合流する合流部が平滑回路20から最も離れた半導体スイッチ410s付近に設定される。即ち、複数のスイッチモジュール410のそれぞれを通過する、インバータ回路40における直流入力と交流出力の合流部との間の全て電力経路の長さを略等しくすることができる。そのため、電力変換装置1は、複数のスイッチモジュール410のそれぞれを通過する、平滑回路20と出力端子40T(U相出力端子41T)との間の一巡の電力経路のインダクタンスを全て略同等にすることができる。よって、電力変換装置1は、複数の半導体スイッチ410s(スイッチモジュール410)の電流のアンバランスを抑制し、電流の均一化を図ることができる。また、複数のスイッチモジュール420についても同様である。そのため、電力変換装置1は、複数のスイッチモジュール420のそれぞれを通過する、平滑回路20と出力端子40T(V相出力端子42T)との間の一巡の電力経路のインダクタンスを全て略同等にすることができる。よって、電力変換装置1は、複数の半導体スイッチ420s(スイッチモジュール420)の電流のアンバランスを抑制し、電流の均一化を図ることができる。また、複数のスイッチモジュール430についても同様である。そのため、電力変換装置1は、複数のスイッチモジュール430のそれぞれを通過する、平滑回路20と出力端子40T(W相出力端子43T)との間の一巡の電力経路のインダクタンスを全て略同等にすることができる。よって、電力変換装置1は、複数の半導体スイッチ430s(スイッチモジュール430)の電流のアンバランスを抑制し、電流の均一化を図ることができる。
また、本実施形態(第3実施形態)では、平滑回路20及びインバータ回路40は、一の軸方向(X軸方向)に並べて配置されてよい。そして、U相並列接続用ブスバー41O1とU相出力用ブスバー41O2との接続部は、X軸方向において、複数のスイッチモジュール410のうちの平滑回路20から最も離れたスイッチモジュール410よりも平滑回路20から離れた位置に配置されてよい。また、V相並列接続用ブスバー42O1とV相出力用ブスバー42O2との接続部やW相並列接続用ブスバー43O1とW相出力用ブスバー43O2との接続部についても同様であってよい。
例えば、複数のスイッチモジュール410は、それぞれがX軸方向に並べられた2つのグループが、X軸方向と垂直な他の軸方向(Y軸方向)に二列に並べて配置されてよい。また、複数のスイッチモジュール420や複数のスイッチモジュール430についても同様であってよい。そして、U相並列接続用ブスバー41O1とU相出力用ブスバー41O2との接続部は、X軸方向において、2つのグループの平滑回路20よりも離れた端部よりも離れた位置で、且つ、Y軸方向において、2つのグループの略中央位置に配置されてよい。また、V相並列接続用ブスバー42O1とV相出力用ブスバー42O2との接続部やW相並列接続用ブスバー43O1とW相出力用ブスバー43O2との接続部についても同様であってよい。
これにより、インバータ回路40において、具体的に、直流入力と交流出力の合流部との間の電力経路の長さを略同等にすることができる。
また、本実施形態(第4実施形態)では、電力変換装置1は、平滑回路20と、インバータ回路40と、出力端子40Tとを含む。具体的には、インバータ回路40は、複数の半導体スイッチ410sを含む上下のアームが直列接続されるスイッチモジュール410が、複数並列接続されると共に、複数のスイッチモジュール410のそれぞれの上下のアームの接続点(交流出力端子410O)同士が接続されることにより構成されるU相回路41を含む。同様に、インバータ回路40は、複数の半導体スイッチ420sを含む上下のアームが直列接続されるスイッチモジュール420が、複数並列接続されると共に、複数のスイッチモジュール420のそれぞれの上下のアームの接続点(交流出力端子420O)同士が接続されることにより構成されるV相回路42を含む。同様に、インバータ回路40は、複数の半導体スイッチ430sを含む上下のアームが直列接続されるスイッチモジュール430が、複数並列接続されると共に、複数のスイッチモジュール430のそれぞれの上下のアームの接続点(交流出力端子430O)同士が接続されることにより構成されるW相回路43を含む。即ち,インバータ回路40は、出力回路(U相回路41、V相回路42、及びW相回路43)が複数相分並列接続されることにより構成されるブリッジ回路を含む。そして、インバータ回路40は、平滑回路20から入力される直流電力に基づき、所定の交流電力を出力する。また、出力端子40Tは、インバータ回路40からの所定の交流電力を外部に出力する。また、インバータ回路40は、複数のスイッチモジュール410,420,430の正極側端子410P,420P,430P同士を接続する正極側直流ブスバー40Pと、複数のスイッチモジュール410,420,430の負極側端子410N,420N,430N同士を接続する負極側直流ブスバー40Nとを含む。また、インバータ回路40は、複数のスイッチモジュール410の交流出力端子410O同士を接続するU相並列接続用ブスバー41O1を含む。また、正極側直流ブスバー40P、負極側直流ブスバー40N、及びU相並列接続用ブスバー41O1は、絶縁層41I1,41I2を介して積層されるラミネート構造を有する。同様に、インバータ回路40は、複数のスイッチモジュール420の交流出力端子420O同士を接続するV相並列接続用ブスバー42O1を含む。また、正極側直流ブスバー40P、負極側直流ブスバー40N、及びV相並列接続用ブスバー42O1は、絶縁層42I1,42I2を介して積層されるラミネート構造を有する。同様に、インバータ回路40は、複数のスイッチモジュール430の交流出力端子430O同士を接続するW相並列接続用ブスバー43O1を含む。また、正極側直流ブスバー40P、負極側直流ブスバー40N、及びW相並列接続用ブスバー43O1は、絶縁層43I1,43I2を介して積層されるラミネート構造を有する。そして、U相並列接続用ブスバー41O1と出力端子40T(U相出力端子41T)までの配線(U相出力用ブスバー41O2)との接続部は、複数のスイッチモジュール410に含まれる全てのアーム(半導体スイッチ410s)のうちの平滑回路20に最も近い半導体スイッチ410sよりも平滑回路20に近い位置に設けられる。同様に、V相並列接続用ブスバー42O1と出力端子40T(V相出力端子42T)までの配線(V相出力用ブスバー42O2)との接続部は、複数のスイッチモジュール420に含まれる全てのアーム(半導体スイッチ420s)のうちの平滑回路20に最も近い半導体スイッチ420sよりも平滑回路20に近い位置に設けられる。同様に、W相並列接続用ブスバー43O1と出力端子40T(W相出力端子43T)までの配線(W相出力用ブスバー43O2)との接続部は、複数のスイッチモジュール430に含まれる全てのアーム(半導体スイッチ430s)のうちの平滑回路20に最も近い半導体スイッチ430sよりも平滑回路20に近い位置に設けられる。
これにより、インバータ回路40のブスバーのラミネート構造化に伴い、インバータ回路40の直流入力と交流入力の合流部との間の全ての電力経路の電流密度を略均一化することができる。その上で、U相並列接続用ブスバー41O1とU相出力用ブスバー41O2との間の接続部の配置に伴い、実空間上において、U相正極側直流ブスバー41Pの電流の向きとU相並列接続用ブスバー41O1の電流の向きとを逆向きにすることができる。同様に、U相並列接続用ブスバー41O1の電流の向きとU相負極側直流ブスバー41Nの電流の向きとを逆向きにすることができる。そのため、略同じ電流密度の電流が逆向きに流れることで、発生する磁界が相殺され、U相正極側直流ブスバー41P、U相負極側直流ブスバー41N、及びU相並列接続用ブスバー41O1のインダクタンスを低減し、非常に小さくすることができる。その結果、複数のスイッチモジュール410を通過する、直流入力と交流入力の合流部との間の全ての電力経路のインダクタンスの差が小さくなり、電力経路間のインダクタンスの均一化を図ることができる。そのため、電力変換装置1は、複数のスイッチモジュール410のそれぞれを通過する、平滑回路20と出力端子40T(U相出力端子41T)との間の一巡の電力経路のインダクタンスの差異を抑制し、非常に小さくすることができる。よって、電力変換装置1は、複数の半導体スイッチ410s(スイッチモジュール410)の電流のアンバランスを抑制し、電流の均一化を図ることができる。また、複数のスイッチモジュール420についても同様である。そのため、電力変換装置1は、複数のスイッチモジュール420のそれぞれを通過する、平滑回路20と出力端子40T(V相出力端子42T)との間の一巡の電力経路のインダクタンスの差異を抑制し、非常に小さくすることができる。よって、電力変換装置1は、複数の半導体スイッチ420s(スイッチモジュール420)の電流のアンバランスを抑制し、電流の均一化を図ることができる。また、複数のスイッチモジュール430についても同様である。そのため、電力変換装置1は、複数のスイッチモジュール430のそれぞれを通過する、平滑回路20と出力端子40T(W相出力端子43T)との間の一巡の電力経路のインダクタンスの差異を抑制し、非常に小さくすることができる。よって、電力変換装置1は、複数の半導体スイッチ430s(スイッチモジュール430)の電流のアンバランスを抑制し、電流の均一化を図ることができる。
また、本実施形態(第4実施形態)では、平滑回路20及びインバータ回路40は、一の軸方向(X軸方向)に並べて配置されてよい。そして、U相並列接続用ブスバー41O1とU相出力用ブスバー41O2との接続部は、X軸方向において、複数のスイッチモジュール410のうちの平滑回路20に最も近いスイッチモジュール410よりも平滑回路20に近い位置に配置されてよい。また、V相並列接続用ブスバー42O1とV相出力用ブスバー42O2との接続部やW相並列接続用ブスバー43O1とW相出力用ブスバー43O2との接続部についても同様であってよい。
例えば、複数のスイッチモジュール410は、上面視で、それぞれがX軸方向に並べられた2つのグループが、X軸方向と垂直な他の軸方向(Y軸方向)に二列に並べて配置される。また、複数のスイッチモジュール420及び複数のスイッチモジュール430についても同様である。そして、U相並列接続用ブスバー41O1とU相出力端子41Tまでの配線(U相出力用ブスバー41O2)との接続部は、X軸方向において、2つのグループの平滑回路20に近い端部よりも平滑回路20に近い位置に配置されてよい。また、V相並列接続用ブスバー42O1とV相出力端子42Tまでの配線(V相出力用ブスバー42O2)との接続部、及びW相並列接続用ブスバー43O1とW相出力端子43Tまでの配線(W相出力用ブスバー43O2)との接続部についても同様である。
これにより、具体的に、実空間上におけるU相正極側直流ブスバー41P及びU相並列接続用ブスバー41O1の電流の向き、並びにU相並列接続用ブスバー41O1及びU相負極側直流ブスバー41Nの電流の向きをそれぞれ逆向きにすることができる。同様に、実空間上におけるV相正極側直流ブスバー42P及びV相並列接続用ブスバー42O1の電流の向き、並びにV相並列接続用ブスバー42O1及びV相負極側直流ブスバー42Nの電流の向きをそれぞれ逆向きにすることができる。同様に、実空間上におけるW相正極側直流ブスバー43P及びW相並列接続用ブスバー43O1の電流の向き、並びにW相並列接続用ブスバー43O1及びW相負極側直流ブスバー43Nの電流の向きをそれぞれ逆向きにすることができる。
以上、実施形態について詳述したが、本開示はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。