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JP7585583B2 - 食品材料 - Google Patents

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JP7585583B2
JP7585583B2 JP2021534398A JP2021534398A JP7585583B2 JP 7585583 B2 JP7585583 B2 JP 7585583B2 JP 2021534398 A JP2021534398 A JP 2021534398A JP 2021534398 A JP2021534398 A JP 2021534398A JP 7585583 B2 JP7585583 B2 JP 7585583B2
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本開示は概して、食品材料として使用するためのタンパク質-炭水化物複合物、この複合物の調製方法、食品の調製におけるそれらの使用、及び上記複合物を含む食品に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、タンパク質-炭水化物複合物の使用、及び肉模倣食品製品の調製に使用するためのそれらの製造方法に関する。
2050年までに97億人に達すると推定される、増加し続けている世界人口を養う必要性に伴い、持続可能な食料システム並びに食料及び栄養安全性の向上を達成するために、世界の食料源の動物由来成分のバランスを取り戻す必要がある。食肉製品に代わる植物由来の代替品は、消費者の食事パターンの変化により、成長市場となっている。消費者は、食品生産システムが環境、気候変動及び動物倫理に及ぼす影響についてますます懸念を抱いており、これは、消費者が食品購入の際に行う選択に影響を及ぼしている。ヴィーガン、ベジタリアン、さらには動物肉食者さえも、完全に又は実質的に非動物製品から作られた肉代替物に対する需要を牽引している。
しかし、多くの消費者は、生態学的及び倫理的理由のみに基づいて肉の消費を排除又は減少させることを望んでいない。1960年代以降、低水分レベルの押出技術を用いて大豆粉又は濃縮物から調製されたテクスチャード加工大豆タンパク質製品は、細かい挽肉又は粗い挽肉(minced or ground meat)の一般的な代替品となっている。しかし、動物肉はタンパク質構造と繊維との複雑なマトリックスを含んでおり、その中に脂肪、炭水化物及び水が捕捉され、肉含有食品の官能的、質感的及び構造的特性(例えば、風味、咀嚼性、ジューシーさ)に寄与しており、大豆及びエンドウ豆タンパク質などの非肉タンパク質源から動物肉の複雑な繊維質の質感を再現することは困難であることが証明されている。従来の低水分押出方法によって得られる非肉様テクスチャー(典型的には、スカスカしているか、ぐじゃぐじゃしているか、又はゴムのような)のため、熱心なベジタリアン及びヴィーガンを除けば、これらの伝統的な肉模倣製品は消費者にすぐには受け入れられていない。
より近年では、植物から得られたタンパク質の高湿度押出が、層状又は繊維状構造を導入する手段として使用されており、それによって、動物肉タンパク質の繊維状テクスチャーをより高度に模倣することが可能な食品又はその成分が製造されている。植物タンパク質の高水分押出は、加熱された押出機バレル中で、タンパク質:水混合物(水の重量で40%より多く、典型的にはおおよそ45%~55%、又は70%まで)に熱及びせん断を付与することによってタンパク質分子を軟化(plasticizing)した後、軟化したタンパク質溶融物を押出機の末端に配置された冷却ダイに通すことを含む。冷却ダイを通して溶融物を推し進めると、ペプチド及びタンパク質分子の分子整列が生じ、繊維状の異方性構造が得られる。また、高い水分レベルは、押出プロセスを容易にし、軟化したタンパク質がダイ中で冷却するにつれて、より流動性が低くなり、したがって、より高い水分レベルは、軟化したタンパク質をダイを通して押し出すことを補助する。しかし、高水分押出条件は得られる製品において実用的な加工上の利点及びより望ましいテクスチャー特性を提供するが、押出機における「乾燥」物質の処理能力が低下するため、低水分押出よりも効率が低い。さらに、高い水分レベルの使用は多量の水を含有する製品をもたらし、したがって、高い水分含有量による損傷を回避するために、得られる製品のよりエネルギー集約的な乾燥条件及び/又は冷蔵が必要となる。
したがって、1つ以上の点で動物肉由来製品により密接に類似し得る肉模倣食品製品に使用するための食品材料、及びそのような材料を得るためのプロセスが引き続き必要とされている。
低水分条件下でのタンパク質-炭水化物混合物又はブレンドの押出加工は、肉模倣食品製品の調製に有用な1つ以上の望ましい物理的特性又は感覚的属性を有するタンパク質-炭水化物複合物の製造を可能にし得ることが見出された。いくつかの実施形態では、本開示のプロセスは、肉模倣食品製品の繊維状又は軟骨状テクスチャー材料に寄与し得る食品材料を提供する。
したがって、第1の態様では、タンパク質源と炭水化物源とを押出機中で混合し、タンパク質源及び炭水化物源を低水分押出に供して、タンパク質-炭水化物複合物を生成する工程を含む、タンパク質-炭水化物複合食品材料を調製するためのプロセスが提供される。
本開示のさらなる態様では、タンパク質源と炭水化物源とを押出機中で混合し、タンパク質源及び炭水化物源を低水分押出に供してタンパク質-炭水化物複合物を生成することによって調製されるタンパク質-炭水化物複合食品材料が提供される。
本開示の別の態様では、タンパク質源と炭水化物源とを押出機中で混合し、タンパク質源及び炭水化物源を低水分押出に供してタンパク質-炭水化物複合物を生成することによって調製されるタンパク質-炭水化物複合物を含む、肉模倣食品製品などの食品が提供される。
いくつかの実施形態では、低水分押出は、39~30重量%のバレル水分レベルで、おおよそ40℃~180℃の範囲内の1つ以上の温度で押出機内で行われる。
上記のいずれかを含むいくつかの実施態様において、押出機に添加される総タンパク質含量は、乾燥重量基準で70%w/w以上である。
上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、押出機バレルを出るタンパク質-炭水化物複合物は、周囲温度又は加熱されたダイ中に保持される。
上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、タンパク質源は、大豆(soy bean)タンパク質液、大豆タンパク質濃縮物又は大豆タンパク質単離物を含むか、又は大豆タンパク質液、大豆タンパク質濃縮物又は大豆タンパク質単離物からなる。いくつかの実施形態において、タンパク質源は、エンドウ豆(pea)タンパク質液、エンドウ豆タンパク質濃縮物又はエンドウ豆タンパク質単離物を含むか、又はエンドウ豆タンパク質液、エンドウ豆タンパク質濃縮物又はエンドウ豆タンパク質単離物からなる。いくつかの実施形態において、タンパク質源は、ソラマメ(faba bean)タンパク質液、ソラマメタンパク質濃縮物又はソラマメタンパク質単離物を含むか、又はソラマメ(faba bean)タンパク質液、ソラマメタンパク質濃縮物又はソラマメタンパク質単離物からなる。いくつかの実施形態において、タンパク質源は、大豆タンパク質液、大豆タンパク質濃縮物、大豆タンパク質単離物、エンドウ豆タンパク質液、エンドウ豆タンパク質濃縮物、エンドウ豆タンパク質単離物、ソラマメタンパク質液、ソラマメタンパク質濃縮物又はソラマメタンパク質単離物、ルパン豆(lupin)タンパク質液、ルパン豆タンパク質濃縮物又はルパン豆タンパク質単離物のうちの1つ以上を含むか、又はそれらのうちの1つ以上からなる。
上記のいずれかを含むいくつかの実施形態において、炭水化物源は、糖、オリゴ糖、マルトデキストリン、ペクチン、乾燥グルコースシロップ、カラギーナン(イオタ、カッパ及び/又はラムダ)、ガム、繊維、デンプン(低アミロースデンプン(0~25%アミロース含量)及び高アミロースデンプン(>40%アミロース含量)を含む)、耐性デンプン若しくは変性デンプン、β-グルカン若しくはβ-グルカンリッチ源、又はジャガイモ小麦粉若しくは植物源由来の他の粉のうちのいずれか1つ以上を含むか、又はそれらのうちの1つ以上からなる。
ある実施形態において、タンパク質源は、エンドウ豆タンパク質単離物であるか、又はエンドウ豆タンパク質単離物を含み、炭水化物源は、ペクチンであるか、又はペクチンを含む。
<1>
タンパク質源と炭水化物源とを押出機中で混合し、タンパク質源と炭水化物源との混合物を低水分押出に供して、タンパク質-炭水化物複合物を生成する工程を含む、タンパク質-炭水化物複合食品材料を調製するためのプロセス。
<2>
前記タンパク質源が、タンパク質液、タンパク質濃縮物、及びタンパク質単離物のうちの1つ以上を含む、<1>に記載のプロセス。
<3>
前記タンパク質源が、エンドウ豆(pea)タンパク質液、エンドウ豆タンパク質濃縮物、エンドウ豆タンパク質単離物、大豆(soy)タンパク質液、大豆タンパク質濃縮物、大豆タンパク質単離物、ソラマメ(faba bean)液、ソラマメ濃縮物、ソラマメ単離物、ルパン豆(lupin)タンパク質液、ルパン豆タンパク質濃縮物、及びルパン豆タンパク質単離物のうちの1つ以上を含む、<1>又は<2>に記載のプロセス。
<4>
前記押出機に添加される総タンパク質含量が、乾燥重量基準で70%w/w以上である、<1>~<3>のいずれか1項に記載のプロセス。
<5>
前記押出機に添加される総タンパク質含量が、乾燥重量基準で80%w/w以上である、<4>に記載のプロセス。
<6>
前記炭水化物源が、糖、デンプン、ガム、ペクチン又は繊維から選択される1つ以上を含む、<1>~<5>のいずれか1項に記載のプロセス。
<7>
前記炭水化物源が、マルトデキストロース、ペクチン及びカラギーナンから選択される1つ以上を含む、~<6>のいずれか1項に記載のプロセス。
<8>
前記炭水化物源が還元糖を含有する、<1>~<7>のいずれか1項に記載のプロセス。
<9>
タンパク質源対炭水化物源のw/w比が、約90:10~約99:1である、<1>~<8>のいずれかに記載のプロセス。
<10>
前記押出機に添加される総水分含量が、39重量%(w/w)以下である、<1>~<9>のいずれかに記載のプロセス。
<11>
前記押出機に添加される総水分量が、おおよそ39~30重量%の範囲である、<10>に記載のプロセス。
<12>
押出機バレルが1つ~6つの温度ゾーンを含む、<1>~<11>のいずれかに記載のプロセス。
<13>
押出機バレルが、40℃~180℃の範囲の温度に加熱されたゾーンを1つ以上含む、<1>~<12>のいずれかに記載のプロセス。
<14>
前記押出機バレルが、60℃~140℃の範囲の温度に加熱されたゾーンを1つ以上含む、<13>に記載のプロセス。
<15>
各ゾーンにおけるタンパク質源-炭水化物源混合物の保持時間が、2~3秒からおおよそ120~240秒である、<12>~<14>のいずれかに記載のプロセス。
<16>
前記押出機から出る前記タンパク質-炭水化物複合物が、周囲温度又は加熱ダイ中に保持される、<1>~<15>のいずれかに記載のプロセス。
<17>
前記ダイが、約80℃~120℃の範囲の温度に加熱される、<16>に記載のプロセス。
<18>
前記ダイが、約10cm~100cmの範囲のボア長を有する、<16>又は<17>に記載のプロセス。
<19>
前記ダイが、約30cm~80cmの範囲のボア長を有する、<18>に記載のプロセス。
<20>
前記タンパク質-炭水化物複合物が、約10~100秒間ダイ中に保持される、<16>~<19>のいずれかに記載のプロセス。
<21>
前記タンパク質-炭水化物複合物をさらに乾燥させる、<1>~<19>のいずれかに記載のプロセス。
<22>
前記タンパク質-炭水化物複合物を、約85℃以下の温度で2~3時間から18~24時間乾燥させる、<20>に記載のプロセス。
<23>
<1>~<22>のいずれかに記載の方法によって調製されるタンパク質-炭水化物複合食品材料。
<24>
水分含量が50重量%未満である、<23>に記載のタンパク質-炭水化物複合物。
<25>
<22>又は<23>に記載の食品材料を含む肉模倣食品製品。
<26>
ハンバーガーパティ、ケバブ、ミートボール、ミートローフ、ソーセージ、ナゲット、薄切り肉(ストリップ)、フィンガー、カツレツ、ステーキ、並びに肉ソース及びフィリングから選択される、<25>に記載の肉模倣食品製品。
図1Aは、例示的な押出試行の選択されたセクションのためのスクリュー及び温度プロファイルを図示する。 図1Bは、例示的な長いダイの押出試行の選択されたセクションのためのスクリュー及び温度プロファイルを図示する。 図2は、エンドウ豆タンパク質単離物又はエンドウ豆タンパク質単離物と炭水化物との混合物から作製された押出物を示す:(PPI-エンドウ豆タンパク質単離物、MD DE30、30のデキストロース当量を有するマルトデキストリン、ペクチンE50-75-高メトキシペクチン)。 図3は、エンドウ豆タンパク質単離物及びペクチンから、保持用の長いダイに含まれて作成された食品材料押出物(LD6-1)を含むハンバーガーパティ配合における軟骨構造を示す。 図4は、エンドウ豆タンパク質単離物、炭水化物及びオイルエマルジョンを用いて作製された押出物を示す。 図5は、PPI、PPI-MD DE30、及びPPI-ペクチンから製造された再水和押出物を示す。炭水化物源を添加することにより、水分吸収(固体ベース、乾燥基準)が改善される。長いダイ(40mm)の導入により、水分吸収が減少する。油の取り込みにより、水分吸収が減少する。 図6は、大豆タンパク質単離物(SPI):ジャガイモデンプン、及びSPI:マルトデキストリン、ならびにAcron(登録商標)大豆タンパク質濃縮物から調製された再水和押出物を示す。 図7は、Acron(登録商標)大豆タンパク質濃縮物と比較した種々の再水和SPI:ペクチン押出物を示す
本明細書及び以下の特許請求の範囲全体にわたって、文脈が別段の要求をしない限り、「含む(comprise及びcomprises)」という用語、及び「含んでいる(comprising)」などの変形は、記載された整数又はステップ又は整数のグループを含むことを意味するが、他の任意の整数又はステップ又は整数又はステップのグループを排除しないことを理解されたい。
本明細書及び以下の特許請求の範囲を通して、文脈が別段の要求をしない限り、「本質的にからなる」という語句、及び「本質的にからなる」などの変形は、列挙された要素が本質的ですなわち本発明の必要な要素であることを示すと理解されるのであろう。この語句は本発明の特徴に実質的に影響を及ぼさないが、定義された本発明の基本的かつ新規な特徴に影響を及ぼす追加の特定されていない要素を除外する、他の列挙されていない要素の存在を可能にする。
本明細書において、先の刊行物(又はそれから派生する情報)又は既知の事項への言及は、本明細書が関係する努力の分野における技術常識の一部を構成することを認める、認める、又は先の刊行物(又はそれから派生する情報)もしくは既知の事項が示唆する何らかの形式ではなく、また、そのように解釈されるべきではない。
単数形「a」、「an」、及び「the」は文脈が明らかにそわないと指示しない限り、複数の態様を含む。
「発明」という用語は、本明細書に記載されるような全ての態様、実施形態、及び例を含む。
本明細書で使用される場合、「約(おおよそ)」は、記載された量、値又はパラメータの25%、20%、15%、10%、5%、又は1~2%ほど変動し得る量、値又はパラメータを指し、当技術分野で許容される少なくとも許容範囲を含む。列挙された範囲又は値のリストを優先する場合、範囲の上限及び下限、ならびにリストの各メンバの両方に適用されることが意図される。
文脈が別段の指示をしない限り、以下に記載される特徴は、本発明の任意の態様又は実施形態に独立して適用されてもよい
本明細書で使用される場合、肉模倣食品製品は、外観、味、食感、口当たり(湿気、咀嚼感、脂肪味など)、芳香、又は構造、食感、貯蔵、取扱い、及び/又は調理を含む他の物理的特性を含む、任意の1つ以上の物理的又は感覚的要因において動物由来肉製品を模倣し、類似し、又は同様の様式で機能する食品を指す。
本開示のいくつかの実施形態において、食品材料又は当該食品材料を含む肉模倣製品は、動物供給源に由来するか又は動物供給源から得られる任意の成分を含有しないか若しくは含まないか、又は実質的に含有しないか若しくは実質的に含まない。しかし、本開示は、このように限定されず、他の実施形態では、肉模倣食品製品又はそのための材料は、例えば、食品材料又は肉模倣食品製品のおおよそ5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、又は50重量%までの量で、1つ以上の動物由来成分(任意の1つ以上の筋肉、脂肪、軟骨及び結合組織、臓物(offal)若しくは血液、又はその成分を含む)の一部を含み得ることを理解されたい。
本明細書中で使用される場合、「タンパク質-炭水化物複合物」とは、1つ以上の非動物(例えば、植物)由来タンパク質供給源と、低水分押出に供された1つ以上の炭水化物供給源と、を含むブレンド又は混合物をいう。いくつかの実施形態では、低水分押出は、おおよそ40~180℃の範囲の1つ以上の温度で行われる。理論により本開示が限定されることはないが、炭水化物源が還元糖を含有する特定の条件下(例えば、おおよそ80℃又は120℃から、約180℃又は約180℃未満)では、還元糖のカルボニル基がアミノ酸、ペプチド、ポリペプチド又はタンパク質のアミノ基と反応することができるため、タンパク質-炭水化物結合体又はメイラード反応生成物(MRP)と呼ばれる共有結合した分子が生じる。したがって、いくつかの好ましい実施では、低水分押出によって生成されるタンパク質-炭水化物複合物は、タンパク質及び炭水化物成分に加えて、タンパク質-炭水化物複合物(メイラード反応産物)を含む。
本明細書で言及されるタンパク質及び炭水化物源は、押出混合物の個別又は別個に供給される成分であり、例えば、内在的に少量の炭水化物を含有し得るタンパク質源自体(例えば、大豆又はエンドウ豆タンパク質液、濃縮物又は単離物)、及び少量のタンパク質を含有し得る任意の炭水化物源自体とは区別されることが理解されるであろう。したがって、本開示の目的のために、炭水化物を多少は内在的に含有し得るタンパク質源(エンドウ豆(pea)、大豆(soy bean)、ソラマメ(faba bean)又はルパン豆(lupin)のタンパク質液、濃縮物又は単離物など)は、「タンパク質源及び炭水化物源」を構成しない。
本開示のプロセス及び製品における使用に適したタンパク質源としては、非動物(例えば、植物)由来のタンパク質源、すなわち、非動物源(例えば、豆(例えば、大豆(soy beans)、インゲン豆(kidney beans)、ライマメ(lima beans)、黒豆(black beans)、ソラマメ(faba beans))、ヒヨコマメ(バルバンゾ)(chick peas (garbanzo))、エンドウ豆(peas)、レンズ豆(lentils)、及びルパン豆(lupin))に由来するタンパク質、ポリペプチド及びアミノ酸が挙げられる。使用されるタンパク質源は、単一のタンパク質源又は1つ以上のタンパク質源の混合物であり得る。
植物由来のタンパク質源は、豆又はマメ科植物を脱皮及び粉砕して粉又はフレークを得た後、油及び脂質、炭水化物及びタンパク質成分を実質的に分画するために抽出及び/又は沈殿工程を行って、タンパク質画分を含む水性スラリ形態の抽出液濃縮物を得ることを含み得る、種々の手段によって得ることが可能である。抽出物又は抽出液のその後の乾燥(例えば、スプレー乾燥)により、タンパク質画分の粉末形態が得られ、これは、以下に述べる通り、タンパク質含量に応じてタンパク質濃縮物又はタンパク質単離物と称され得る。
いくつかの実施形態では、タンパク質源は、タンパク質液からなるか、又はタンパク質液を含む。本明細書中で使用される場合、「タンパク質液」とは、タンパク質抽出又は分画プロセスから得られる水性タンパク質濃縮物スラリーを指す。いくつかの実施形態では、タンパク質液は、本開示のプロセスにおいて直接使用されてもよく、又は必要に応じてさらに希釈又は濃縮されてもよい。いくつかの実施形態では、タンパク質液を使用することにより、押出機に添加される追加の水の必要性がないか、最小になるか、又は低減し得る。タンパク質液は、使用される乾燥成分の水分含量を考慮して、適切な水分含量のものであってもよく、又は押出機中の適切な水分含量を達成するために、他の湿潤及び/又は乾燥成分で補足されてもよく、例えば、1つ以上の追加のタンパク質液(同じ植物源又は異なる植物源由来の多少濃縮された)、水溶液水性懸濁液、水性エマルジョン又はタンパク質源の粉末形態、及び/又は炭水化物源及び/又は他の任意の成分は、押出機に供給する前にタンパク質液と混合されてもよく、又は別々に添加されてもよい。
いくつかの実施形態では、タンパク質源は、乾燥粉末タンパク質濃縮物又はタンパク質単離物からなるか、又は乾燥粉末タンパク質濃縮物又はタンパク質単離物を含む。本明細書で使用される場合、「タンパク質濃縮物」とは、乾燥重量基準で80重量%未満のタンパク質、例えば、おおよそ65重量%、68~70重量%又は72~73重量%又は約75重量%のタンパク質を含有する粉末形態を指す。本明細書で使用される場合、「タンパク質単離物」とは、乾燥重量基準で80重量%以上のタンパク質、例えば、おおよそ81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94又は95重量%のタンパク質を含有する粉末形態を指す。
タンパク質源のいくつかの例としては、エンドウ豆タンパク質液、エンドウ豆タンパク質濃縮物、エンドウ豆タンパク質単離物(PPI)、大豆タンパク質液、大豆タンパク質濃縮物、大豆タンパク質単離物、ソラマメ(faba又はfava)タンパク質液、ソラマメタンパク質濃縮物、ソラマメタンパク質単離物、ルパン豆(lupin)タンパク質液、ルパン豆タンパク質濃縮物、ルパン豆タンパク質単離物が挙げられる。他のタンパク質源としては、ナッツ、種子、野菜及び豆、藻類、ならびに微生物及び真菌源(例えば、ピーナッツ(peanuts)、ジャガイモ(potato)、米(rice)、麻(hemp)、ヒマワリ(sunflower)、亜麻仁(flaxseed)、コムギ(wheat)、トウモロコシ(corn)、モロコシ(sorghum)、ヒヨコマメ(chickpea)、オオムギ(barley)、キヌア(quinoa)、マカ(maca)、及びフザリウム・ベネナタム(Fusarium Venenatum)由来の真菌タンパク質)から得られるもの(例えば、乾燥粉末又は乾燥液の形成で)が挙げられ得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のタンパク質源は加水分解されていてもよい。いくつかの実施形態において、1つ以上のタンパク質供給源は、非加水分解であってもよい。
タンパク質源は、天然もしくは天然に存在する植物、又は遺伝的に改変されたもしくは変異した植物、又はそれらの混合物から得てもよい。さらに他の実施形態では、タンパク質源は、合成又は生合成により生成されたタンパク質又はポリペプチド分子を含んでいてもよい。
いくつかの好ましい実施形態では、タンパク質源が単一のタンパク質源であろうと、タンパク質源の混合物であろうと、乾燥重量基準で70%(w/w)以上のタンパク質、例えばおおよそ71、72、73、74、75、76、77、78又は79%(w/w)以上のタンパク質の総タンパク質含量を有する。さらなる実施形態において、タンパク質源の全体のタンパク質含量は、乾燥重量基準で80%(w/w)以上のタンパク質であり、例えば、おおよそ81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、又は95%(w/w)以上である。
炭水化物源は、糖、デンプン、ガム、ペクチン及び繊維のうちの1つ以上を含んでもよく、単糖、二糖、多糖及びオリゴ糖、ならびにそれらの2つ、3つ又は4つの混合物を含んでもよく、粉砕、粉砕又は粉末などの任意の適切な形態であってもよい。炭水化物源は、単一又は複数の植物源から得てもよい。いくつかの適切な例としては、デンプン(例えば、ジャガイモ、米、コムギ、トウモロコシ、オーツ麦、エンドウ豆、キャッサバ)、耐性デンプン(例えば、老化でんぷん)、高アミロースデンプン(例えば、おおよそ40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90又は95%以上のアミロース含量を有する)(例えば、Hylon V、Hylon VII、Hi-Maize 1043、Hi-Maize 240、Hi-Maize 260、Novelose 330、Novelose 240、Novelose 260)、ペクチン、フルクタン(例えば、イヌリン)、□-グルカン、カラギーナン(イオタ、カッパ、ラムダ)、マルトデキストリン、メチルセルロース、アルギン酸塩、グアーガム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースガム、ローカストビーンガム、ゲランガム、セルロース、ヘミセルロース、ガム類、粉(例えば、穀物(grain)、マメ類(legume)若しくは塊根類(tuber)(例えば、コムギ、米、トウモロコシ、オーツ麦、ライムギ、大麦、キヌア、アマランサス(amaranth)、ジャガイモ、ニンジン))、並びに、食用繊維(例えば、オーツ麦ふすま、コムギふすま、米ふすま、大麦ふすま、トウモロコシふすま、及びニンジン繊維)のうちのいずれか1つ、又は2つ以上の混合物が挙げられ得る。いくつかの実施形態では、炭水化物源又はバレル混合物は、食用繊維を含まないか、又は実質的に含まない(例えば、おおよそ5、4、3、2、又は1%(w/w)未満)。
炭水化物源は、天然もしくは天然に存在する植物、又は遺伝的に改変されたもしくは変異した植物、又はそれらの混合物から得てもよい。さらに他の実施形態において、炭水化物源は、合成(例えば、化学的にエステル化された)又は生合成的に生成された単糖、二糖、多糖及びオリゴ糖分子を含んでよい。
いくつかの実施形態では、炭水化物源は還元糖群、すなわち、タンパク質源中のアミノ群との反応に関与してメイラード反応生成物を形成することが可能な遊離カルボニル群を有するものを含有する。炭水化物源、例えばペクチン若しくはデンプン、又はタンパク質-炭水化物混合物又はブレンドは、追加量の1つ以上の還元糖(1つ以上の単糖又は三糖又はオリゴ糖など)で補充されてもよい。主要炭水化物源に、又は押出機混合物に別々に添加され得る還元糖のいくつかのさらなる例としては、グルコース、ガラクトース、フルクトース、グリセルアルデヒド、リボース、キシロース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、ラクトース及びマルトトリオースが挙げられる。
いくつかの実施形態では、炭水化物源は、タンパク質源と混合する前に、例えば還元カルボニル基の数を増加させるために、機械的又は化学的に処理されている。適切な前処理プロセスは、マイクロフルイダイゼーション、超音波処理、又は高圧押出を含み得る。例えば、デンプンは、例えば、おおよそ25~30%未満のアミロース含量を有する低アミロースデンプンから、少なくともおおよそ50~80%のアミロース含量まで、耐性デンプンの含量を増加させるために、機械的又は化学的に処理され得る。いくつかの実施形態では、炭水化物源が約50%よりも高いエステル化度を有する高メトキシペクチンなどのエステル化炭水化物、ならびに低メトキシペクチン(約50%よりも低いエステル化度)、又は様々な置換度を有する置換脂肪酸デンプンエステル、例えばアセチル化、プロピオン化又はブチル化デンプンであってもよい。
タンパク質-炭水化物ブレンド又は混合物は、押出食品材料の所望の特性が得られる適切な重量比で、タンパク質源及び炭水化物源を含有し得る。本開示で使用するためのタンパク質源:炭水化物源比(w/w)のいくつかの例としては、おおよそ50:50、55:45、60:40、65:35、70:30、75:25、80:20、85:25、90:10、92:8、94:6、95:5、96:4、98:2が挙げられる。いくつかの実施形態では、タンパク質-炭水化物ブレンド又は混合物は、大豆タンパク質液、大豆タンパク質濃縮物、大豆タンパク質単離物、エンドウ豆タンパク質液、エンドウ豆タンパク質濃縮物、エンドウ豆タンパク質単離物のうちの1つ以上、及びペクチン、ガム、デンプン又は繊維のうちの1つ以上であり、タンパク質源:炭水化物源のw/w比は、おおよそ90:10、91:9、92:8、93:7、94:6、95:5、96:4、97:3、98:2又は99:1である。
いくつかのさらなる実施形態において、例えば組み合わされたタンパク質及び炭水化物源の、乾燥重量基準での総タンパク質含量は、乾燥重量基準でおおよそ70%又は75%(w/w)以上のタンパク質であり、好ましくは約80%(w/w)以上のタンパク質、又はおおよそ83~85%(w/w)以上のタンパク質、又は90%(w/w)以上(例えば、約91%(w/w)、約92%(w/w)、約93%(w/w)、約94%(w/w)、約95%(w/w)、約96%(w/w)、約97%(w/w)、約98%(w/w)、又は約99%(w/w)など)のタンパク質である。
いくつかの実施形態では、タンパク質源はエンドウ豆タンパク質単離物からなるか、又はエンドウ豆タンパク質単離物を含み、炭水化物源はペクチンからなるか、又はペクチンを含む。
押出プロセスは、同時の機械的応力(せん断)と加熱を簡便に組み合わせる。したがって、タンパク質源及び炭水化物源を押出する工程は、タンパク質源及び炭水化物源を押出機中で混合する工程を含む。したがって、前駆体材料(タンパク質及び炭水化物源、ならびに水及び任意の追加の成分)は典型的には、バレル内に1つ以上の回転スクリューシャフトを含む、固定された平滑又は溝付きボアバレル(stationary smooth or grooved bore barrel)に供給され、このバレルの端には制限部(ブレーカープレート)及び任意選択でダイがある。いくつかの実施形態では、シングルスクリュー又はダブルスクリューが原料を混合し、バレルのシャフトの下方に輸送し、それによって、原料を機械的せん断にかける。バレル内の温度及び/又は圧力などの条件は、混合物がさらされる変化する温度/圧力プロファイルを提供するように区分されてもよい。バレルの端部で、混合物をダイに押し通すことができる。従来、タンパク質の高水分押出の場合のように、例えばウォータージャケットによって能動的に冷却される保持ダイが、軟化した混合物を「硬化」させるための冷却ゾーンとして使用される。いくつかの実施形態では、保持ダイは、例えば20、25又は30℃の温度の水で冷却されるが、本開示のいくつかの実施形態では、保持ダイは、押出機を出る溶融物の温度を維持又は上昇させるために、又は溶融物の冷却速度を遅くするために、又は特定の温度を維持するために加熱される。ダイの適切な加熱温度は、おおよそ50~120℃、例えば55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115又は120℃の範囲であり得る。他の実施形態では、ダイは能動的に加熱も冷却もされない(本明細書では周囲温度とも呼ばれる)。いくつかの実施形態では、周囲温度の(加熱されていない)ダイ又は加熱されたダイ(能動的に冷却されたダイとは対照的に)の使用がタンパク質-炭水化物結合及びタンパク質の架橋を潜在的に生成し得る。
適切な押出装置は当技術分野で公知であり、単軸又は二軸押出機、又は遊星ローラー押出機などの多軸押出機を含むことができる。バレル内の混合物の加熱は、物理的せん断プロセスによって生成された熱によって、及び/又は外部発熱源、例えば電気加熱によってもたらされ得る。例示的な押出機は、実施例の項にさらに記載されている。
タンパク質源及び炭水化物源は、同時に又は別々に乾燥成分として押出機バレルに添加することができ、又は最初に(例えば、リボン又は遊星ブレンダー中で)ブレンドし、タンパク質源及び炭水化物源の乾燥ブレンドとして、任意の他の任意の乾燥成分と一緒に添加してもよい。又は、タンパク質及び炭水化物源、又はブレンドされたタンパク質及び炭水化物源は、押出プロセスのための水相の一部又は全部を使用して、砕石又は水性又は液体スラリーなどの湿潤混合物として、押出機バレルに添加されてもよい。水相は、タンパク質液、水、水溶液、懸濁液もしくはエマルジョン、又はそれらの混合物を含み得る。いくつかの実施形態では、タンパク質及び炭水化物源のいくつか又は全てを、最初に、予備的な適切な加熱条件(例えば、おおよそ100、120、140、又は160℃などのおおよそ80~180℃の範囲の温度で、30分又は60分など、おおよそ20~90分間)にかけて、いくつかのメイラード反応生成物、例えば、タンパク質液の混合物及び/又は乾燥タンパク質の水性スラリーを含むタンパク質及び炭水化物の水性湿潤混合物を予備形成し、水中の乾燥炭水化物源を加熱して、いくつかのメイラード反応生成物の形成を誘導し、次いで、この混合物又はスラリーを押出機に供給することができる。
1つ以上の任意成分(すなわち、存在していても存在しなくてもよい)を、タンパク質及び炭水化物源ならびに水相と共に押出機バレルに添加してもよい。任意成分のいくつかの非限定的な例としては、pH調整剤、メイラード反応促進剤、架橋剤、酵素、フェノール性化合物、香料、着色剤、脂肪、油(例えば、カノーラ、ヒマワリ、オリーブ、ココナツ、野菜、パーム、ピーナッツ、亜麻仁、綿実、トウモロコシ、ベニバナ、米ぬか油;任意におおよそ0.5、1、2、3又は約5%(w/w)までの量で添加される)、脂質、脂肪酸(例えば、オメガ-6(例えば、リノール酸)及びオメガ-3脂肪酸(例えば、ALA、EPA、DHA))及びそれらのエステル、ならびにそのような脂肪酸を含有するリン脂質、結合剤、乳化剤(例えば、レシチン、ポリソルベート(20、40、80))、抗酸化剤、界面活性剤、塩、及び栄養剤(例えば、必須アミノ酸(ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、及びバリン)、ビタミン(例えば、A、B(1、2、3、5、6、7、9、及び12)、C、D、E、K)、ミネラル(カルシウム、リン、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、亜鉛、ヨウ素、鉄、銅)、ならびにカロテノイド(例えば、α-及びβ-カロテン、β-クリプトキサンチン、リコペン、ルテイン)、フラボノイド(例えば、フラバノール、フラボノール、フラボン、フラボノン、イソフラボン)、ポリフェノール(例えば、アントシアニン、ケルセチン、エラグ酸)などの植物栄養素)が挙げられる。いくつかの実施形態では、1つ以上の任意成分がバレル混合物に含まれてもよいが、いくつかの実施形態では、1つ以上のそのような成分が除外されてもよい。1つ又は複数の任意選択の添加剤が、1つ又は複数の機能を果たすことができることを理解されたい。
必要に応じて、1つ以上の他のメイラード反応促進剤を、タンパク質-炭水化物混合物又はブレンドに添加してもよい。このような薬剤の例としては、メイラード反応に関与するのに必要な官能性を有する薬剤、例えば、還元カルボニル基を有する薬剤、例えば、本明細書に記載のモノ-、ジ-及びトリサッカリド、アスコルビン酸、又はアミノ基を有する薬剤、例えば、アラニン、アスパラギン、システイン、グルタミン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、及びリジン、又は加水分解タンパク質を挙げることができる。
いくつかの実施形態では、バレル混合物は、炭水化物-炭水化物間、炭水化物-タンパク質間及び/又はタンパク質-タンパク質分子間の共有結合を促進するために、1つ以上の架橋剤を含んでもよい。「炭水化物」は単糖類、二糖類、多糖類及びオリゴ糖類を含み、「タンパク質」はアミノ酸、ペプチド、ポリペプチド及びタンパク質を含むことが理解されるのであろう。架橋剤は、化学的及び/又は酵素的架橋剤を含み得る。いくつかの例には、トランスグルタミナーゼ(TG)、ならびにラッカーゼ、トリオシナーゼ及びペルオキシダーゼなどの酸化酵素、ならびにカフェイン酸、カテキン、フェルリン酸及びタンニン酸などのフェノール化合物が含まれる。より大きな分子の分解を触媒する酵素(例えば、アミログルコシダーゼ、リグニル分解酵素、プロテアーゼ及びペクチナーゼ)もまた、添加され得る(例えば、Gatt、E.、Industrial Crops and Products,122,329-339,2018を参照のこと)。他の実施形態では、バレル混合物は、追加の架橋剤を含まないか、又は実質的に含まない。
いくつかの実施形態では、低水分押出プロセスは、バレル混合物の固有pHで(例えば、おおよそ6~7の範囲のpHで)実施される。メイラード反応生成物の形成は、より高いpH条件によって促進され得るので、いくつかの実施形態では、pH調整剤を添加して、最初のバレル混合物のpHを高くしてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、低水分押出プロセスはpH7以上で実施される。いくつかの更なる実施形態では、熱及びせん断処理プロセスが、pH約7.5以上、又はpH約8.0以上、又はpH約8.5以上、又はpH約9で実施される。所望のpHは、pH調整剤によって達成又は調整することができる。例示的なpH調整剤としては、加熱及びせん断処理の前又は間に、タンパク質-炭酸塩/水性混合物のpHを上昇、低下又は維持することが可能な任意の有機又は無機薬剤が上げられる。pH調節剤の例としては、重炭酸塩、炭酸塩、リン酸塩、及び水酸化物が挙げられ、例えば、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸カルシウム、重炭酸マグネシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸カリウムなどが挙げられる。pH調整剤は、液体(例えば、水、水性又はエマルジョン)相に溶解又は懸濁してもよい。pH調整剤は「食品グレード」のものであり、ヒト又は動物での消費を意図した食品に含めるのに許容されるものである。pH調整剤は、タンパク質-炭水化物ブレンドの所望のpHを達成するのに適した任意の量で添加される。いくつかの実施形態では、pH調整剤は、全混合物の約10重量%まで、例えば、全混合物の0.5~1%、1~2%、又は3~5%、又は7~8重量%までの量で添加されてもよい。
本明細書で使用される「低水分」とは、押出機バレルの総初期水分量(「バレル水分」)が40%(w/w)又は40%(w/w)未満であることを指す。初期バレル水分含量を計算する際には、押出機に供給される炭水化物及びタンパク質源、ならびに全ての他の成分などのバレル成分のそれぞれの水分含量が考慮される。
いくつかの実施形態では、低水分とは、バレル水分含量が、おおよそ40~35%(w/w)(例えば、おおよそ39、38、37又は36%)以下、又は35~30%(w/w)(例えば、おおよそ34、33、32又は31%)以下、又はおおよそ30~25%(w/w)(例えば、おおよそ28又は26%)以下、又はおおよそ25~20%(w/w)、又はおおよそ20~15%(w/w)、又はおおよそ15~10%、又はおおよそ10~5%の範囲又はそれ以下であり、例えば、約4%又は約3%であることを指す。逆に、高水分押出とは、バレル水分が40%(w/w)より多い、例えば45~50%(w/w)以上、例えばおおよそ55%以上、60%以上、70%以上又は75%以上であることを意味する。
所望のバレル水分レベルは、水自体、追加の成分を含有する水溶液もしくは懸濁液、又は水中油型エマルジョンとしての水の添加、タンパク質液の使用、又はタンパク質/炭水化物スラリー、又はそれらの組み合わせのいずれかによって達成され得る。水、水溶液又は懸濁液又はエマルジョンの一部又は全部を、タンパク質源及び炭水化物源の一方又は両方及び任意の追加の成分(別々に又は一緒に)と予備混合して、押出機バレル用のスラリー供給物を形成してもよく、又はタンパク質源及び炭水化物源の前又は後に、タンパク質及び炭水化物と同時に押出機バレルに添加してもよい。
タンパク質及び炭水化物源、任意の追加の水、及び押出機バレルに添加される任意のさらなる任意の成分(ともに「バレル混合物」と呼ばれる)は、押出機バレル内で、おおよそ40~180℃の範囲の1つ以上の温度で混合及び加熱されてもよい。例えば、おおよそ40~60℃、45~65℃、50~70℃、55~75℃、60~80℃、60~85℃、70~90℃、75~95℃、80~100℃、85~105℃、90~110℃、95~115℃、100~120℃、105~125℃、110~130℃、15~135℃、120~140℃、125~145℃、130~150℃、135~155℃、140~160℃、145~165℃、150~170℃、155~175℃又は160~180℃の範囲に1つ以上の温度ゾーンが存在してもよく、ここで、生地が特定の温度にさらされて温度プロファイルを作り出す。
押出機バレルは、複数の温度ゾーン、例えば最大10つのゾーンを有することができる。いくつかの実施形態では、押出機バレルは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの温度ゾーン、例えば3~6つのゾーンを有することができる。いくつかの実施形態では、各ゾーンの温度が他の全てとは異なる。いくつかの実施形態では、2つ以上のゾーンが同じ温度を有してもよく、任意選択で、1つ以上の異なる温度ゾーンによって分離されてもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上の温度ゾーンが存在する場合、各連続ゾーンの温度は例えば、タンパク質-炭水化物混合物が押出機の長さに沿って各ゾーンを通って移動することにつれて温度を上昇させることによって、直前のゾーン及び直後のゾーンと異なってもよく、最終ゾーンは先行ゾーンよりも温度が低い。
いくつかの実施形態では、初期又は第1の温度ゾーンがおおよそ40~80℃、例えば50~80℃の範囲である。いくつかのさらなる実施形態では、最終温度ゾーンがおおよそ65~140℃の範囲、例えば70~130℃である。なおさらなる実施形態において、第1のゾーンと最終ゾーンとの間の中間温度ゾーンは独立して、おおよそ60~170℃の範囲、例えば、60~150℃である。
いくつかの実施形態では、温度プロファイルは、例えば、3つの温度ゾーンを含む:
T1:40~80℃(例えば50~70℃)、
T2:60~160℃(例えば60~150℃)、
T3:70~130℃(例えば80~100℃又は110~120℃)。
いくつかの実施形態では、温度プロファイルは、例えば、4つの温度ゾーンを含む:
T1:50~80℃(例えば55~65℃)、
T2:60~120℃(例えば60~110℃)、
T3:70~160℃(例えば70~150℃)、
T4:70~130℃(例えば80~100℃又は110~130℃)。
いくつかの実施形態では、温度プロファイルは、例えば、5つの温度ゾーンを含む:
T1:40~80℃(例えば50~70℃)、
T2:60~140℃(例えば60~130℃)、
T3:70~150℃(例えば100~130℃又は110~140℃)。
T4:80~160℃(例えば100~150℃)、及び
T5:70~130℃(例えば80~100℃又は110~120℃)。
いくつかの実施形態では、温度プロファイルは、例えば、6つの温度ゾーンを含む:
T1:40~80℃(例えば50~70℃)、
T2:60~140℃(例えば60~130℃)、
T3:70~150℃(例えば80~100℃又は110~140℃)、
T4:80~160℃(例えば90~150℃)、
T5:80~160℃(例えば100~150℃)、
T6:70~130℃(例えば80~100℃又は110~120℃)。
いくつかの更なる実施形態では、各ゾーンの温度は最終ゾーンに向かって上昇する。
いくつかの実施形態では、スクリューが、他のゾーンと比較して、1つ以上のゾーンに追加のせん断を付与するように構成されてもよい。
タンパク質-炭水化物混合物が各ゾーンで費やす時間の長さは、変えてもよく、適切なスクリュー速度、例えば、50~500rpm(例えば、100~400又は150~250rpm)によって決定することができる。いくつかの実施形態において、各ゾーンにおけるタンパク質炭水化物混合物の保持時間は、独立して、2~3秒から、おおよそ2~4分まで、例えば、5~20秒、30~50秒、60~90秒、120~180秒である。
いくつかの実施形態では、押出機バレルを出る軟化したタンパク質-炭水化物混合物(例えば、おおよそ80~100℃又は100~120℃の範囲の温度)は、冷却又は周囲温度にさらされるか、又はバレル出口点に位置するダイ内での更なる加熱に供される。ダイは任意の適切な長さとしてよく、任意の適切な直径の内径(ボア)を有してよい。いくつかの実施形態では、ダイは、内径の長さが、約10cm~約100cm、例えば、おおよそ15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、又は95cmである。内径は、任意の適切な形状、例えば、円形、楕円形、正方形、又は長方形であってもよく、いくつかの実施形態では、おおよそ10~100mm(例えば、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、又は95mm)の範囲の直径又は断面測定値を有してもよい。
いくつかの実施形態において、押出機を出るタンパク質-炭水化物複合物は、おおよそ10~100秒間(例えば、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90又は95秒間)、ダイ中に保持される。いくつかの実施形態において、ダイ圧力は、内径サイズに少なくとも部分的に依存して、約0.5MPa~約20.0MPaの範囲であり得、例えば、おおよそ0.75、1.0、1.25、1.50、1.75、2.0、2.25、2.50、2.75、3.0、3.25、3.50、3.75、4.0、4.25、4.5、4.75、5.0、5.25、5.5、5.75、6.0、7~10、12~15又は17~20MPaである。ダイは冷却されてもよく(例えば、20~25℃の水で)、能動的に加熱も冷却もされなくてもよく、又は押出機出口温度を維持するために、又はダイ内のタンパク質-炭水化物複合物の冷却速度を遅くするために、さらに加熱されてもよい(例えば、80~120℃又は100~140℃)。いくつかの実施形態では、ダイ内の温度、圧力及び保持時間は、ダイ内でのメイラード反応生成物の形成を可能にするようなものである。
押出されたタンパク質-炭水化物複合物は、更なる乾燥に供され得る。いくつかの実施形態では、タンパク質-炭水化物複合物は、おおよそ85℃以下又は80℃以下、75℃以下、70℃以下の温度で、2~3時間以上、又は4~6時間以上、又は7~9時間以上、又は10~12時間以上、又は14~16時間以上、又は18~20時間以上、又は22~24時間以上乾燥される。いくつかの実施形態では、乾燥温度及び時間は、メイラード反応生成物の形成を可能にし得るようなものである。
タンパク質源及び炭水化物源のような1つ以上のプロセスパラメータ(個々の又は組み合わされたタンパク質源及び炭水化物源の一方又は両方の物理的及び/又は化学的前処理、成分量、pH、スクリュー速度、温度、圧力及び押出機バレル内の時間、ならびに保持ダイ内の温度、圧力及び時間、ならびに乾燥条件を含む)を変化させることによって、様々な特性を有する様々なテクスチャー食品材料構造(例えば、軟質、繊維質テクスチャー、軟骨質、弾性、砕けやすいなど)を形成することができる。
したがって、いくつかの実施形態では、タンパク質-炭水化物複合体は、最終食品製品の望ましい口当たり(保湿性又は「ジューシーさ」)に有利に寄与し得る保水性又は水分取り込み特性を有する。代替的な実施形態では、タンパク質-炭水化物複合物は、最終食品製品の繊維質又は軟骨構造又はテクスチャーに有利に寄与し得る保水性又は水分取り込み特性を有する。そのため、いくつかの実施形態において、タンパク質-炭水化物複合物は、乾燥重量基準での水分取り込みにより規定される保水性が、90%以上、例えば95%以上、又は100%以上、又は105%以上、又は105%以上、又は110%以上、又は115%以上、又は120%以上、又は125%以上、又は130%以上、又は135%以上、140%以上、又は145%以上、又は150%以上、又は155%以上、又は160%以上、又は165%以上、又は170以上、175%以上、180%以上、185%以上、190%以上、195%以上、200%以上、205%以上、210%以上、215%以上、220%以上、225%以上、230%以上、235%以上、240%以上、245%以上、250%以上である。いくつかの実施形態では、水分取り込みが約120%以上であると、より柔らかい構造が得られ得る。押出物は、水(例えば、10~30℃、40~60℃又は70~100℃)に2~3分間、10~30分間、又はおおよそ60、90、120、150又は180分間浸漬することによって水和され得る。
いくつかの実施形態では、食品材料として使用するための押出物(生又は乾燥)は、押出物の約50重量%以下の水分含量を有する。更なる実施形態では、押出食品材料は、押出物のおおよそ50~45重量%、又は押出物の45~40重量%、又は押出物の40~35重量%、又は押出物の35~30重量%、又は押出物の30~25重量%、又は押出物の25~20重量%、又は押出物の20~15重量%、又は押出物の15~10重量%、又は押出物の10~5重量%、又は押出物の5~0重量%の水分含量を有し、例えば、押出物の47~43重量%、押出物の43~37重量%、押出物の37~33重量%、押出物の33~27重量%、押出物の27~23重量%、押出物の23~17重量%、押出物の17~13重量%、押出物の13~7重量%、又は押出物の7~3重量%の範囲の水分含量を有する。更なる実施形態では、押出物は、押出物のおおよそ19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1重量%の水分含量を有する。
押し出された食品材料(生の又は乾燥された、及び任意にさらに水和された)は、1つ又は複数の押し出された食品材料(例えば、動物肉の1つ又は複数のテクスチャ及び/又は感覚的属性を模倣するために異なるテクスチャーを有する)を、前述のような任意のそのような成分を含む追加の成分と組み合わせて、肉模倣食品製品を形成することによって、細かい又は粗い挽肉などのヒト又は動物の消費のための肉模倣食品製品を調製するために使用されてもよい。追加の成分のいくつかの例としては、結合剤及び増粘剤(例えば、ガム(gums)、ペクチン、デンプン、卵、ポテトフレーク、ジャガイモ紛、製粉又は粉砕した穀物(grain)及びマメ類(コムギ、米、ライムギ、オーツ麦、オオムギ、ソバ、トウモロコシ、ルパン豆、ヒヨコマメ、レンズ豆など)から製造される粉、タンパク質-炭水化物MRP、香料(例えば、塩、肉フレーバー(例えば、豚肉、牛肉又は鶏肉の風味)、ハーブ、スパイス、植物風味香料(例えば、セロリ、タマネギ、ニンニク)、酵母エキス、糖(例えば、グルコース、スクロース、デキストロース)、天然及び人工甘味料、煙風味剤、グルタミン酸一ナトリウム)、脂肪、油脂(例えば、ココナツ油、パームステアリン、オリーブ油、植物油、カノーラ油及び前述の他の油)、着色剤、栄養剤(例えば、前述した、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、耐性デンプン及び食物繊維)、及び防腐剤が挙げられる。任意に、肉模倣食品製品は、ある割合(例えば、おおよそ1~2%、5%、10%、20%、30%、40%又は50%w/wまで)の動物由来(例えば、魚、貝類、家禽(例えば、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、シチメンチョウ)、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ)の成分を含有してもよく、このような成分の例としては、筋肉、血液、脂肪、軟骨及び結合組織、臓物(器官)、ゼラチン、カゼイン及びカゼイン(例えば、カルシウム又はナトリウム)、乳清、乳タンパク質濃縮物、乳タンパク質単離物、及び卵又はそれらの成分(例えば、アルブミン、レシチン)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、食品材料は、粉砕又は破砕された肉製品、例えば、バーガーパティ、ケバブ、ミートボール、ミートローフ、ソーセージ、肉ソース及びフィリング(例えば、チリ、ボロネーズ、タコス用フィリング、パイ用フィリング)、ならびに、ナゲット、ステーキ、カツレツ、シュニッツェル、フィンガー及びストリップなどの他の成形された又は成型された肉製品(任意に破砕された)のような肉模倣食品製品の調製に使用することができる。いくつかの更なる実施形態では、食品材料は、バーガーパティの調製に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、食品製品は、グルテン又はナッツなどの、アレルギー又は不耐性反応を引き起こす1つ以上の薬剤を含まないか、又は実質的に含まない。
本開示は、以下の実施例を参照することによってさらに説明されるが、これらは、例示のみを目的とするものであり、上記の一般性を限定するものとして解釈されるべきではない。
<実施例>
(材料)
タンパク質ベースの成分:使用した成分は以下の通り:(i)エンドウ豆タンパク質単離物:NUTRALYS(登録商標)S85F Roquette、84%タンパク質(min)、10%(w/w)でのpHは約7.5、水溶性(pH7)は約55%;(ii)大豆タンパク質単離物:SPIバルク栄養素、93.3%タンパク質、0.1%脂肪及び1.4% CHO;(iii)大豆タンパク質単離物:661 IP SPI Supro、90%タンパク質、乾燥基準、5%(w/w)スラリーのpHは6.7~7.1;(iv)ソラマメ単離物(オーストラリア製植物タンパク質):81%タンパク質、pH7で水溶性、試験範囲85~90%。比較のために、テクスチャードダイズタンパク質(Arcon(登録商標))をArcher Daniels Midland Company(ADM)から入手した。
炭水化物:使用した成分は以下の通り:(i)あらかじめ調理し、乾燥させ、粉砕したジャガイモから製造した、Potato Flour Menora Foods、<1%タンパク質;(ii)マルトデキストリンDE10及びマルトデキストリンDE30:メルボルン食品成分デポ(The Melbourne Food Ingredient Depot);(iii)κ-カラギーナン:Axieo(CP Kelco)、pH(0.5%液)は7.0~10.0;(iv)ペクチン(高メトキシ):メルボルン食品成分デポ、エステル化度70%;(v)イオタ-カラギーナン:メルボルン食品成分デポ、pH8.6。
油:使用した脂肪は、ココナツ脂肪を使用したいくつかのバーガー製剤試験を除いて、パームステアリン(商標名:CBS Besschoc 3934)(FTA Food solutions Pty Ltd)であった。
その他:小麦粉(バーガー製剤における結合材としての使用):ウールワース全目的小麦粉、タンパク質10.9%;炭水化物(CHO)70.4%;脂肪1.3%;繊維3.5%;水分13.9%。
(押出試験)
材料の機能性を変えるための低水分押出の予備的評価
押出試験は、低水分押出条件下で以下の成分を用いて行った。
(a)タンパク質源のみ:エンドウ豆タンパク質単離物、
(b)タンパク質-炭水化物ブレンド
(c)水相の一部として置換された水中油型エマルジョン(Tween 40によって安定化)とのタンパク質-炭水化物ブレンド。
実験室規模の二軸押出機(DSE32-II、Jinan Kredit Machinery Co. Ltd.、Shandong、China)を使用した。保持ダイを使用した場合と使用しない場合について、供給からダイ入口までの押出機バレルに沿った温度プロファイルを、それぞれ、60℃、100℃、140℃及び90℃又は120℃(T1、T2、T3及びT4)に設定した。供給からダイへの基本スクリュー構成をCE/37.5/37.5/8及びCE/25/45/8として構築し、長さ37.5mm、らせん角37.5°の8つの搬送要素、長さ25mm、らせん角25°の8つの搬送要素を用いて、タンパク質、及びタンパク質とマルトデキストリン、ペクチン又はカラゲナンにせん断を付与するためのT2又はT3位置の小さなスクリュー要素を置き換えた中断飛行で使用した(図1)。様々な長さ(153mm、243mm、又は組み合わせた)の保持管が取り付けられていないか、又は保持管を有する破砕プレートを有する標準的な丸型ダイを、120℃のバレルゾーンの後に温度制御無しで使用した。図1は、押出機の選択された部分を示す。
実施した押出試験の概要及び加工条件を以下に示す。最初の試験1~13は、長いダイを用いずに行った。続いて、長いダイ(LD)を導入したが、これは押出物がスクリューを用いて押出機のセクションから出るときに、長いダイが押出物の保持を可能にし、テクスチャード加工されたタンパク質炭水化物複合物を形成するための保持を可能にしたからである。短いダイ(SD)もまた、いくつかの実験において使用した。
油を添加した場合、パームステアリンをTween40で乳化した。エマルジョンは、10gのTween40を、50℃の1kgの水と1kgの溶融パームステアリン(~60℃)とを混合し、Silversonミキサーで乳化することにより、50%水中油型エマルジョンを得て調製した。エマルジョン供給物は、所望の油負荷及び目標バレル水分レベルを得るために、液体供給物と共に使用した。
押出物の製造に使用した配合及び条件を表1~表3に示す。




*配合は、成分重量に基づいた。

成分重量(wt)基準;**短いダイ
注:混合用のインタラプトフライト(interrupted flight for mixing)を有するスクリュープロファイル;短いダイ(長さ160mm);及び60、100、140及び120℃のバレル温度プロファイルを用いた。

混合用のインタラプトフライトを有するスクリュープロファイル;長いダイ(長さ400mm);短いダイ(長さ160mm);及び40~60、100、140及び120℃のバレル温度プロファイルを使用した。
押出条件を変化させて、改善された肉類似特性を有するPPI-ペクチン結合体を得た。
(押出物の物理的特性)
押出物の水分含量:押出物(3.0~4.0g)を105℃のオーブン中で24時間乾燥させた。押出物の乾燥重量を測定した。水分含量(%)及び乾燥物質含量は、以下のように計算した。
水分含量(%)=100×(乾燥前重量-乾燥後重量/乾燥前重量)
乾燥物量(%)=100-水分含量(%)
押出物の水和特性:タンパク質、タンパク質-炭水化物又はタンパク質-炭水化物-油を含む押出物を沸騰した湯(押出物1部:水3部)で覆い、30分又は120分又は180分間放置するか、又は沸騰した湯又は冷水で水和した後30分間放置した。水和した押出物を排水し、手で絞って水を除去した。放出された水及び水和した押出物の重量を記録した。押出物による水取り込みを計算した。異なる水分量を有する押出物の水和特性を比較するために、水取り込みはまた、乾燥成分基準での水取り込み率(%)として表された。
(押出試験からの押出物の特性)
様々な配合を有する押出物を、一連の押出変数及び原料を用いた押出後の乾燥条件を用いて製造した(表1~表3参照)。
(全体組成の推計)
計算された近接組成を表4に示す。注:押出物の全体組成の推定値は、典型的な84%タンパク質単離物、炭水化物及び押出用の他の成分の近接組成に基づく。また、押出及び後乾燥プロセスの間、成分(水を除く)の損失がないと仮定する。



全体組成に対する成分の寄与について、以下の推定値を使用した:エンドウ豆タンパク質単離物は84.00%のタンパク質、0.40%のCHO(可溶性糖)、4.00%の脂肪、1.80%の繊維、5.80%の灰分、4.00%の水分を含有する(リサーチゲート上のビーチピース・ラティルス・マリチウス-Lからのタンパク質単離物の機能特性:リサーチゲートから入手可能:https://www.researchgate.net/Figure/Chemical-composition-of-beach-Pea-Protein-isolates-a_tbl1_248510145[2019年6月17日入手]); MDは93.4%のCHO、0.6%の灰分、6%の水分を含有する;ペクチンは0.3%のタンパク質、81%のCHO、0.3%の脂肪、9%の繊維、0.21%の灰分、9.19%の水分含量を有する。
*脂肪含量は、押出中に油の損失がないと仮定して計算されるため、過大評価であり得る。押出物は均質ではなく、押出中に油のいくらかの漏れが観察された。**対照については、ADMテクスチャード植物蛋白質(TVP)生成物を添加した。
(外観)
タンパク質、タンパク質-炭水化物及びタンパク質-炭水化物-油混合物によって異なる構造が形成された。選択された例を図2及び図4に示す。
タンパク質-炭水化物混合物を高温(120~140℃で20秒間、又は>100℃で1分間)に曝露した持続時間を増加させる長い保持ダイの導入により、押出物の成分が融合した。
(押出物の水和)
表5~表7は、得られた種々の押出物の水和に関する特性の概要を示す。







*沸騰した湯による水和
様々な加工条件(バレル水分、ダイ圧力、供給速度、スクリュー速度、押出後の保持ダイ出口の有無)及び押出後の選択された乾燥条件下での押出によって、多様な産物(タンパク質成分又はタンパク質-炭水化物配合物)を製造した。タンパク質-炭水化物配合物、加工条件、及び押出後の後乾燥に応じて、軟質から繊維質から軟骨質まで、様々なテクスチャーを有する押出物を形成することができた。一例として、ペクチンを含むエンドウ豆タンパク質単離物を含む配合物(長い保持ダイ(400mm)を使用)により、(目視検査で)繊維構造を有する押出物が得られた(図3)。
いくつかの実施形態において、以下の条件は、軟骨性及び砕けやすい構造の産生のための基礎として使用され得る。
(軟骨構造の調製)
配合(w/w):96% PPI 4%:ペクチン70%エステル化
ダイ:長い(400mm)
バレル温度:60、100、140、120℃(T1、T2、T3、T4)
バレル水分含量:35%
乾燥粉末供給:9.1kg/hr
スクリュー速度:154 rpm
乾燥:例えば、85℃で12時間以上
(弾力のあるもろい構造の製造)
配合(w/w):96% PPI:4%ペクチン70°エステル化又はカラギーナン/マルトデキストリン変異
ダイ:短い(160mm)
バレル温度:60、100、140、120℃(T1、T2、T3、T4)
バレル水分含量:35%
乾燥粉末供給:9.1kg/hr
スクリュー速度:154 rpm
乾燥:例えば、85℃(以下)で12時間以上
(実施例2:ハンバーダーパティ)
実施例1で調製したいくつかの押出物をパティに配合した。
概して、押出物を沸騰した湯(押出物1部:水3部)中で水和し、2時間放置した。水和した押出物を排水し、手で絞って水を除去した。排水され、圧搾された押出物を、水素化パームステアリン(Besschoc 3934(FTA Food Solutions, Altona, Australia))と混合し、20秒間マイクロ波処理して固体脂肪を溶融させた。パティを一つにまとめるために必要であったため、全目的小麦粉(Woolworths、Australia)を結合材として使用した。ハンバーガーパティの配合に使用した成分の混合物及び量を以下に示す(表8)。








*結合材として、小麦粉又はMRP結合材を用いた。
**MRP結合材については、配合物に加える前にPPI-デンプン混合物を加熱した。MRP結合材は、17.8%のPPI、13.79%のジャガイモデンプン及び68.41%の水からなる。成分を混合し、pHを7.5に調整した。混合物を90℃で30分間撹拌した。
Beefmaster Premium gas barbeque unit(MC4PBSQ2、Barbeques Galore Artarmon)をバーガーのグリルに使用した。BBQユニットは、ゲージがレッドゾーンの中央に達するまで、4つのBBQバーナーすべてを最大限オンにすることにより、300℃以上に予熱した。バーガーの内部温度が72℃を超えるまで、BBQのホットプレート側で、各側について2分間、次いで各側について1分間、冷凍状態からバーガーを調理した。温度目標に到達しない場合、これが達成されるまで、各変動について記載された調理時間で、各側でさらに1分間の調理を繰り返した。
調理したパティの硬度を、パンク試験を用いて測定した。試験は、圧縮モードに設定されたUniversal machine(Instron 6455、England)を用いて行った。直径8mmのプローブは60mm/分でサンプルを貫通し、50%の変形を達成した。各サンプルについて少なくとも3回の測定を行った。プローブがパティ構造を破壊したときの最大ピークにおける力をパティの硬度として同定した
(調理試験)
調製試験1のバーガー
押出物4(PPI、炭水化物源なし)から調製されたバーガーは、調理中に適切に一つにまとめることができなかった。他のハンバーガーは全て無傷のままであった。直火焼き(flame grilling)の際に、LD 5A及びLD6-1押出物から調製されたバーガーは凝集構造を有し、特にLD6-1からのものは、所望の色及び軟骨組織を視覚的に与えた(図3を参照のこと)。
調製試験3のバーガー
追加の10gの水を含むバーガーについては、成分は一つにまとまらなかった。調理したバーガーの外観は、LD6-1の外観と同様であった。
調製試験6のバーガー
得られた押出物の水結合能力に及ぼす長いダイ及び短いダイの使用の効果を、この試験で試験した。全てのハンバーガーは、同じ配合物を用いて調製した:LD6-1及びTU砕片240の市販のTVPハンバーガーを参照として使用した。乾燥前及び乾燥後(>8時間)に、長いダイ及び短いダイ押出物からバーガーを調製した。生の押出物を4℃で貯蔵し、-20℃で7日間貯蔵し、同じ配合物を用いてバーガーを調製した。4℃で貯蔵された生の押出物もまた、メイラード反応の結果としての色の変化及び他の特性の変化を研究するために試験された。-20℃で保存した押出物を対照として使用した。短いダイを用いて調製されたバーガーは、長いダイ押出物からのバーガーよりも湿っていたが、軟骨構造の口当たりを有するとは予想されなかった。長いダイ押出物から調製されたバーガーはあまり湿っていなかったが、その軟骨構造のために、ざらざらした口当たりを有することが予想された。バーガー視覚特性は、押出物の貯蔵に伴って有意には変化しなかった。
調製試験8のバーガー
乾燥時間の効果を試験するために押出物を調製した。押出物を75℃で2、4及び6時間乾燥した。このバーガー調製配合では、小麦粉をジャガイモデンプンで置き換え、パームステアリンをココナッツ脂肪で置き換えた。小麦粉はジャガイモデンプンよりも良好な結合材であった。ココナッツ脂肪で置換しても、調理されたバーガーの外観に対して有意な視覚的差異を示さなかった。全てのバーガーは類似の湿潤性を有していた。6時間乾燥させた押出物から調製したバーガーは、より軟骨様の外観を有していた。
調製試験9のバーガー
75℃で2時間乾燥した押出物LD6-1及びLD 45を60:40の比率で混合し、ミックスバーガーを調製した。1つのハンバーガーはLD6-1のみを用いて調製し、別のハンバーガーは小麦粉及びココナッツ脂肪を用いて市販のTVP(TUクランブル240)のみを用いて調製した。タンパク質-炭水化物複合物を用いて作製した1つのハンガーを、LD6-1押出物及び結合材としてのMRP混合物を用いて調製した。調理済みミックスバーガー及びMRPバーガーは、調理済みLD6-1バーガーよりも湿っていた。それらはまた、軟骨組織を有していた。
調理バーガーの穿刺試験
調理したハンバーガーのテクスチャーの試験を行った。結果は表9のとおりであった。



*バーガー配合物に使用した脂肪はパームステアリンであった。
**バーガー配合物に使用した脂肪はココナッツ脂肪であった。

Claims (23)

  1. タンパク質源と炭水化物源とを押出機中で混合し、タンパク質源と炭水化物源との混合物を出に供して、タンパク質-炭水化物結合体(メイラード反応生成物)を含むタンパク質-炭水化物複合物を生成する工程を含み、
    前記押出機に添加される全タンパク質含量が、乾燥重量基準で80重量%以上であ
    押出機バレルの初期総水分含量が、40重量%又は40重量%未満であり、
    前記炭水化物源は、ペクチン、カラギーナン、及びガムから選択される、タンパク質-炭水化物複合食品材料を調製するためのプロセス。
  2. 前記タンパク質源が、タンパク質液、タンパク質濃縮物、及びタンパク質単離物のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記タンパク質源が、エンドウ豆(pea)タンパク質液、エンドウ豆タンパク質濃縮物、エンドウ豆タンパク質単離物、大豆(soy)タンパク質液、大豆タンパク質濃縮物、大豆タンパク質単離物、ソラマメ(faba bean)タンパク質液、ソラマメタンパク質濃縮物、ソラマメタンパク質単離物、ルパン豆(lupin)タンパク質液、ルパン豆タンパク質濃縮物、及びルパン豆タンパク質単離物のうちの1つ以上を含む、請求項1又は請求項2に記載のプロセス。
  4. 前記炭水化物源が、ム、ペクチン、イオタカラギーナン、カッパカラギーナン、ラムダカラギーナン、アルギン酸塩、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ゲランガム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースガム、セルロース、ヘミセルロースから選択される1つ以上を含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のプロセス。
  5. 前記炭水化物源が、50%よりも高いエステル化度を有する高メトキシペクチン及びカッパカラギーナンから選択される1つ以上を含む、請求項1~請求項のいずれか1項に記載のプロセス。
  6. 前記炭水化物源が還元糖を含有する、請求項1~請求項のいずれか1項に記載のプロセス。
  7. ンパク質源対炭水化物源のw/w比が、0:10~9:1である、請求項1~請求項のいずれか1項に記載のプロセス。
  8. 前記押出機に添加される混合物が、食用繊維を含まないか、又は実質的に含まない(すなわち5重量%未満である)、請求項1~7のいずれか1項に記載のプロセス。
  9. 前記押出機に添加される混合物が、好ましくはオーツ麦ふすま、小麦ふすま、大麦ふすま、トウモロコシふすま、及びニンジン繊維から選択される食用繊維を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のプロセス。
  10. 前記押出機に添加される総水分含量が、39重量以下である、請求項1~請求項のいずれか1項に記載のプロセス。
  11. 前記押出機に添加される総水分量が、9~30重量%の範囲である、請求項10に記載のプロセス。
  12. 前記押出機に添加される総水分量が、30重量%未満である、請求項1~10のいずれか1項に記載のプロセス。
  13. 押出機バレルが1つ~6つの温度ゾーンを含む、請求項1~請求項12のいずれか1項に記載のプロセス。
  14. 押出機バレルが、40℃~180℃の範囲の温度に加熱されたゾーンを1つ以上含む、請求項1~請求項13のいずれか1項に記載のプロセス。
  15. 前記押出機バレルが、60℃~140℃の範囲の温度に加熱されたゾーンを1つ以上含む、請求項14に記載のプロセス。
  16. 各ゾーンにおけるタンパク質源-炭水化物源混合物の保持時間が、2~3秒から2~4分である、請求項13~請求項15のいずれか1項に記載のプロセス。
  17. 前記押出機から出る前記タンパク質-炭水化物複合物が、周囲温度又は加熱ダイ中に保持される、請求項1~請求項16のいずれか1項に記載のプロセス。
  18. 前記ダイが、0℃~120℃の範囲の温度に加熱される、請求項17に記載のプロセス。
  19. 前記ダイが、0cm~100cmの範囲のボア長を有する、請求項17又は請求項18に記載のプロセス。
  20. 前記ダイが、0cm~80cmの範囲のボア長を有する、請求項19に記載のプロセス。
  21. 前記タンパク質-炭水化物複合物が、0~100秒間ダイ中に保持される、請求項17~請求項20のいずれか1項に記載のプロセス。
  22. 前記タンパク質-炭水化物複合物をさらに乾燥させる、請求項1~請求項21のいずれか1項に記載のプロセス。
  23. 前記タンパク質-炭水化物複合物を、5℃以下の温度で2~3時間から18~24時間乾燥させる、請求項22に記載のプロセス。
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