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JP7573622B2 - Nlrp3モジュレーター - Google Patents

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JP7573622B2
JP7573622B2 JP2022542267A JP2022542267A JP7573622B2 JP 7573622 B2 JP7573622 B2 JP 7573622B2 JP 2022542267 A JP2022542267 A JP 2022542267A JP 2022542267 A JP2022542267 A JP 2022542267A JP 7573622 B2 JP7573622 B2 JP 7573622B2
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Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年1月10日出願の米国仮出願番号第62/959,208号に対する優先権を主張するものであって、その内容の全てを参照により本明細書に組み込むものである。
(技術分野)
本開示は、NLRP3シグナル伝達の増加が、対象(例えばヒト)における病理および/または症状および/または難治性の病状、疾患または障害(例えば、T細胞浸潤の少ないがん)の進行および/または治療に関与する、自然免疫活性の不足を正常化し得る病状、疾患または障害などの治療に有用なNLRP3を調節する(例えば、刺激または一部刺激する)、化学物質群(例えば、化合物またはその化合物の医薬的に許容される塩、および/または水和物、および/または共結晶、および/または合剤)を特徴とする。本開示はまた、上記化合物の組成物ならびに他のその使用および製造方法を特徴とする。
ヌクレオチド結合性多量体ドメイン様受容体("NLR")は、病原体関連分子パターン("PAMP")および内因性分子を検出する細胞内受容体ファミリーを含む(例えば、Ting, J. P. Y. et al., "The NLR gene family: a standard nomenclature," Immunity, 28(3):285-287, (2008)を参照のこと)。
NLRPは、ピリンドメインを包含するNLRのサブファミリーを表しており、タンパク質群(例えばNLRP1、NLRP3、NLRP4、NLRP6、NLRP7およびNLRP12)により構成されている。NLRPは、インフラマソームと呼ばれる複数のタンパク質複合体の形成に関連すると考えられている(例えば、Chaput, C. et al., "NOD-like receptors in lung diseases," Frontiers in Immunology, 4: article 393, (2013)を参照)。これらの複合体は、通常、1または2つのNLRタンパク質、アダプター分子であるアポトーシス関連スペック様カード蛋白質(ASC)およびプロカスパーゼ-1Fを包含する(例えば、Bauernfeind, F and Hornung, V. "Of inflammasomes and pathogens-sensing of microbes by the inflammasome," EMBO Molecular Medicine, 5(6):814-826,(2013)を参照されたい)。
あるインフラマソームは、NLRP3スキャフォールド、ASCアダプターおよびプロカスパーゼ-1により形成されており(例えば、Hirota, J. A., et al., "The airway epithelium nucleotide-binding domain and leucine-rich repeat protein 3 inflammasome is activated by urban particulate matter," Journal of Allergy and Clinical Immunology, 129(4):1116.e6-1125.e6, (2012)を参照)、その発現は、骨髄性細胞およびヒト気管支上皮細胞(Id.)において炎症性サイトカインおよびTLRアゴニストにより誘導されると考えられている。NLRP3インフラマソームは、前駆体IL-1βおよび前駆体IL-18をIL-1βおよびIL-18に変換するカスパーゼ-1依存性の変換を媒介すると考えられている。さらに、IL-1βおよびIL-18は、様々ながん種の治療において重要な役割を果たすことが示されている(例えば、Chen, L-C. et al., EMBO Mol Med., 4(12):1276-1293 (2012)およびTse, B. W-C. et al., PLoS One, 6(9):e24241 (2011)を参照されたい)。IL-18は、大腸がん動物腫瘍モデルにおいてチェックポイント阻害剤に対する耐性を無効にすることが知られている(Ma, Z. et al., Clin. Cancer Res. (2016) DOI:10.1158/1078-0432. CCR-15-1655を参照されたい)。
本発明は、式(I):
Figure 0007573622000001
(ここで、全ての可変部は本明細書の下記で定義される通りである)の化合物に関する。
また、式(I)の化合物の医薬的に許容される塩、立体異性体、互変異性体、および溶媒和物も本発明の範囲内である。
本発明はまた、1つ以上の本発明の化合物を含む医薬組成物に関する。本発明はまた、1つ以上の本発明の化合物を用いるがんの治療方法に関する。
本発明はまた、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩、立体異性体、互変異性体、および溶媒和物を製造するための方法および中間体を提供する。
本発明の化合物は、治療に使用されてもよい。
本発明の化合物は、がん治療のための医薬の製造に用いられ得る。
本発明の化合物は、単体で、本発明の他の化合物と組み合わせて、または1つ以上の別の薬剤と組み合わせて用いられ得る。
本発明のその他の特徴および長所は、次の詳細な説明および請求項から明らかとなる。
(本発明の化合物)
第1態様において、本発明は、とりわけ、式(I):
Figure 0007573622000002
[式中、
R1は、独立してHまたは0~3個のハロゲンで置換されたC1-6アルキルから選択され;
R2、R3およびR5は、それぞれ存在するとき独立してH、ハロゲン、シアノ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、およびC1-4ハロアルコキシから選択され;
R4は、独立してN、N(Ra)、O、およびSからそれぞれ独立して選択される1~4個の環原子を含む5員ヘテロアリールであって、0~3個のRbで置換されたヘテロアリールであり;
R6は、独立して
Figure 0007573622000003
から選択され;
R7は、独立してH、C1-4アルキルおよび-C(=O)R8から選択され;
R8は、独立してC2-4アルキニル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、0~2個のRcで置換されたC1-4アルキル、-(CH2)0-2-(0~3個のRdで置換されたC3-6シクロアルキル)、-(CH2)0-2-(0~3個のRdで置換されたフェニル)、および-(CH2)0-2-(N、N(Ra)、O、およびSからそれぞれ独立して選択される1~4個の環原子を含む5~6員ヘテロアリールであって、0~3個のRbで置換されたヘテロアリール)から選択され;
Raは、それぞれ存在するとき独立してHおよびC1-4アルキルから選択され;および
Rb、RcおよびRdは、それぞれ存在するとき独立してハロゲン、OH、シアノ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、およびC1-4ハロアルコキシから選択される]
の化合物、またはその立体異性体、互変異性体あるいは医薬的に許容される塩を提供する。
第2態様において、本発明は、式中、
R1が、独立してHまたはC1-6アルキルから選択され;
R2、R3およびR5が、それぞれ存在するとき独立してH、ハロゲンおよびC1-4アルキルから選択され;
R4が、独立してピラゾリル、チエニルまたはイソチアゾリルであり;
R6が、独立して
Figure 0007573622000004
から選択され;および
R7が、独立してHまたは-C(=O)R8である、
第1態様の範囲内の式(I)の化合物、またはその互変異性体あるいは医薬的に許容される塩を提供する。
第3態様において、本発明は、式(II):
Figure 0007573622000005
[式中、
R1は、独立してHまたはC1-4アルキルであり;
R6は、独立して
Figure 0007573622000006
から選択され;
R8は、独立してC2-4アルキニル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、フェニル、ピリジル、ベンジル、0~1個のRcで置換されたC1-4アルキル、および0~2個のRdで置換されたC3-6シクロアルキルから選択され;
Rcは、独立してC1-4アルコキシまたはシアノであり;および
Rdは、独立してF、シアノおよびC1-4ハロアルキルから選択される]
の化合物、またはその立体異性体、互変異性体あるいは医薬的に許容される塩を提供する。
第4態様において、本発明は、式中、
R6が、独立して
Figure 0007573622000007
である、第3態様の範囲内の式(II)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体あるいは医薬的に許容される塩を提供する。
第5態様において、本発明は、式中、
R6が、独立して
Figure 0007573622000008
から選択される、第3態様の範囲内の式(II)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体あるいは医薬的に許容される塩を提供する。
別の態様において、本発明は、式中、
R6が、独立して
Figure 0007573622000009
である、第3態様または第4態様の範囲内の式(II)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体あるいは医薬的に許容される塩を提供する。
別の態様において、本発明は、式中、
R6が、独立して
Figure 0007573622000010
である、第3態様または第4態様の範囲内の式(II)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体あるいは医薬的に許容される塩を提供する。
別の態様において、本発明は、式中、
R6が、独立して
Figure 0007573622000011
である、第3態様または第5態様の範囲内の式(II)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体あるいは医薬的に許容される塩を提供する。
別の態様において、本発明は、式中、
R6が、独立して
Figure 0007573622000012
である、第3態様または第5態様の範囲内の式(II)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体あるいは医薬的に許容される塩を提供する。
別の態様において、本発明は、式中、
R6が、独立して
Figure 0007573622000013
である、第3態様または第5態様の範囲内の式(II)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体あるいは医薬的に許容される塩を提供する。
ある実施態様において、R1はHである。別の実施態様において、R1はC1-4アルキルである。別の実施態様において、R1はエチルまたはイソプロピルである。
第6態様において、本発明は、実施例1~96に示されるものから選択される化合物またはその立体異性体、互変異性体、または医薬的に許容される塩を提供する。
別の態様において、本発明は、上記の態様のいずれかの範囲内の、化合物の任意の部分集合から選択される化合物、または実施例に示された単一化合物を提供する。
本明細書に記載の化学式の一部は、速度論的に支配される場合であっても、1つ以上の他の共鳴構造で書面上表される場合もあり得るか、または1つ以上の他の互変異性形態で存在する場合もあり得ることが当業者に理解される。当業者は、そのような互変異性形態が、前記化合物のごく一部分のみを表していることを理解している。そのような共鳴構造または互変異性体は、本明細書に明確に示されていないが、そのような化合物は、本開示の範囲内であることが明らかに意図されている。
(本発明のその他の態様および実施態様)
ある態様において、本明細書に記載の化学物質(例えば、本明細書で一般的または特異的に記載されている化合物またはその医薬的に許容される塩またはそれを含む組成物)をNLRP3に接触させることを含む、NLRP3活性の調節方法(例えば、刺激、一部刺激、拮抗)が提供されている。好ましい実施態様において、NLRP3活性の調節方法は、刺激および一部刺激することである。ある実施態様において、NLRP3活性の調節方法は刺激することである。ある実施態様において、NLRP3活性の調節方法は、一部刺激することである。その方法には、インビトロの方法(例えば、1つ以上のNLRP3を含む細胞(例えば、THP-1細胞)を含むサンプルに、上記化学物質を接触させること)が含まれる。また、その方法には、インビボの方法(例えば、NLRP3シグナル伝達の増加が、病理および/または症状および/または疾患の進行(例えばがん;例えば難治性がん)に関与する自然免疫活性の不足を正常化し得る疾患を有する対象(例えばヒト)に、化学物質を投与すること)も含まれる。
一部の実施態様において、本発明の化合物は、NLRP3活性の低下が、対象(例えばヒト)における、病理および/または症状および/または病状、疾患または障害(例えばがん)の進行に関与する、病状、疾患または障害(例えば、NLRP3シグナル伝達が抑制または障害されることに関連する病状、疾患または障害)の治療に有用である。
あるがんが、がん治療に反応しない(または耐性がある)場合、難治性と呼ばれる。難治性がんは、耐性がんとしても知られる。
別の態様において、がんの治療方法は、治療が必要な対象に、本明細書に記載の化学物質(例えば、本明細書に一般的または具体的に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩またはそれを含む組成物)を有効量投与することを特徴とする。一部の実施態様において、上記がんは難治性がんであり得る。
さらなる態様において、NLRP3シグナル伝達の増加が、病理および/または症状および/または疾患の進行に関与する自然免疫活性の不足を正常化し得る疾患の治療方法は、治療が必要な対象に、本明細書に記載の化学物質(例えば、本明細書に一般的または具体的に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩またはそれを含む組成物)を有効量投与することを特徴とする。
別の態様において、治療方法は、NLRP3シグナル伝達の増加が、病理および/または症状および/または疾患の進行に関与する自然免疫活性の不足を正常化し得る疾患を有する対象に、本明細書に記載の化学物質(例えば、本明細書に一般的または具体的に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩またはそれを含む組成物)を有効量投与することを特徴とする。
さらなる態様において、治療方法は、本明細書に記載の化学物質(例えば、本明細書に一般的または具体的に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩またはそれを含む組成物)を、対象に投与することを特徴とする。ここで該化学物質は、NLRP3シグナル伝達の増加により、病理および/または症状および/または疾患の進行に関与する自然免疫活性の不足を正常化し得る疾患を治療するための有効量が投与され、それによって疾患を治療する。
実施態様は、次の1つ以上の特徴とする。
化学物質は、1つ以上の別のがん治療(例えば、手術、放射線療法、化学療法、毒素治療、免疫療法、凍結療法または遺伝子治療、またはその組み合わせ)と組み合わせて投与され得る(例えば、1つ以上(例えば、2、3、4、5、6つまたはそれ以上)の別の抗がん剤を投与することを含むがん治療)。以下に限らないが、例えば別の抗がん剤(化学療法剤)は、アルキル化剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、メクロレタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、イホスファミドおよび/またはオキサリプラチン);代謝拮抗剤(例えば、アザチオプリンおよび/またはメルカプトプリン);テルペノイド(例えば、ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビンおよび/またはビンデシン)および/またはタキサン(タキソール、パクリタキセルおよび/またはドセタキセル));トポイソメラーゼ(例えば、I型トポイソメラーゼ(例えば、カンプトテシン、イリノテカンおよび/またはトポテカン)および/またはII型トポイソメラーゼ(アムサクリン、エトポシド、エトポシドリン酸塩および/またはテニポシド));細胞毒性抗生物質(例えば、アクチノマイシン、アントラサイクリン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、バルルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシンおよび/またはマイトマイシン);ホルモン(例えば、ホルモンアゴニストを放出する黄体形成ホルモン(例えば、ロイプロリド、ゴセレリン、トリプトレリン、ヒストレリン、ビカルタミド、フルタミドおよび/またはニルタミド));抗体(例えば、アブシキシマブ、アダリムマブ、アレムツズマブ、アトリズマブ、バシリキシマブ、ベリムマブ、ベバシズマブ、ブレンツキシマブ ベドチン、カナキヌマブ、セツキシマブ、セルトリズマブペゴル、ダクリズマブ、デノスマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、ゲムツズマブ、ゴリムマブ、イブリツモマブチウキセタン、インフリキシマブ、イピリムマブ、ムロモナブ-CD3、ナタリズマブ、オファツムマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、ラニビズマブ、リツキシマブ、トシリズマブ、トシツモマブおよび/またはトラスツズマブ);抗血管新生薬;サイトカイン; 血栓薬;増殖阻害剤;駆虫薬;およびCTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-1-PD-L1、PD-1-PD-L2、T細胞免疫グロブリンおよびムチン3(TIM3またはHAVCR2)、ガレクチン9-TIM3、ホスファチジルセリン-TIM3、リンパ球活性化遺伝子3タンパク質(LAG3)、MHCクラスII-LAG3、4-1BB-4-1BBリガンド、OX40-OX40リガンド、GITR、GITRリガンド-GITR、CD27、CD70-CD27、TNFRSF25、TNFRSF25-TL1A、CD40L、CD40-CD40リガンド、HVEM-LIGHT-LTA、HVEM、HVEM-BTLA、HVEM-CD160、HVEM-LIGHT、HVEM-BTLA-CD160、CD80、CD80-PDL-1、PDL2-CD80、CD244、CD48-CD244、CD244、ICOS、ICOS-ICOSリガンド、B7-H3、B7-H4、VISTA、TMIGD2、HHLA2-TMIGD2、ブチロフィリン、例えばBTNL2、Siglecファミリー、TIGITおよびPVRファミリーメンバー、KIR、ILTおよびLIR、NKG2DおよびNKG2A、MICAおよびMICB、CD244、CD28、CD86-CD28、CD86-CTLA、CD80-CD28、ホスファチジルセリン、TIM3、ホスファチジルセリン-TIM3、SIRPA-CD47、VEGF、ニューロピリン、CD160、CD30、およびCD155(例えば、CTLA-4またはPD1またはPD-L1)から選択される免疫チェックポイント受容体を標的とする免疫チェックポイント阻害剤およびその他の免疫調節剤(例えば、インターロイキン-2(IL-2)、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)、IL-10、トランスフォーミング増殖因子-β(TGFβ)、CD39、CD73、アデノシン-CD39-CD73、およびCXCR4-CXCL12)から選択される。
対象は、がんを有し得るものであって、例えば、その対象は1つ以上のがん治療を過去に受けたもの、および/または現在受けているもの、およびまたは受ける予定のものである。
がんの例として以下に限らないが、急性骨髄性白血病、副腎皮質がん、カポジ肉腫、リンパ腫、肛門がん、虫垂がん、奇形腫/ラブドイド腫瘍、基底細胞がん、胆管がん、膀胱がん、骨がん、脳腫瘍、乳がん、気管支腫瘍、カルチノイド腫瘍、心臓腫瘍、子宮頸がん、脊索腫、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄増殖性腫瘍、結腸がん、大腸がん、頭蓋咽頭腫、子宮内膜がん、上衣腫、食道がん、嗅神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、眼腫瘍、卵管がん、胆嚢がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍、胚細胞腫瘍、有毛細胞白血病、頭頸部がん、心臓腫瘍、肝臓がん、下咽頭がん、膵臓がん、腎臓がん、喉頭がん、慢性骨髄性白血病、口唇および口腔がん、肺がん、黒色腫、メルケル細胞がん、中皮腫、口唇がん、口腔がん、骨肉腫、卵巣がん、陰茎がん、咽頭がん、前立腺がん、直腸がん、唾液腺がん、皮膚がん、小腸がん、軟部肉腫、精巣がん、喉のがん、甲状腺がん、尿道がん、子宮がん、腟がん、および外陰がんが挙げられる。
他の実施態様において、哺乳動物は、がんまたは感染症を有することが確認されている。感染症の代表例は、以下に限らないが、アシネトバクター感染症、放線菌症、アフリカ睡眠病、後天性免疫不全症候群、アメーバ症、アナプラズマ症、炭疽症、溶血性アルカノバクテリア感染症、アルゼンチン出血熱、回虫症、アスペルギルス症、アストロウイルス感染症、バベシア症、バチルス・セレウス感染症、細菌性肺炎、細菌性腟炎、バクテロイデス感染症、バランチジウム症、アライグマ回虫症、BKウイルス感染症、黒色砂毛症、ブラストシスチス・ホミニス感染症、ブラストミセス症、ボリビア出血熱、ボツリヌス症、ブラジル出血熱、ブルセラ症、腺ペスト、バークホルデリア感染症、ブルーリ潰瘍、カリシウイルス感染症、カンピロバクター感染症、カンジダ症、猫ひっかき病、蜂巣炎、シャーガス病、軟性下疳、水痘、チクングニヤ熱、クラミジア感染症、クラミジア肺炎感染症、コレラ、黒色分芽菌症、肝吸虫症、クロストリジウム・ディフィシル感染症、コクシジオイデス症、コロラドダニ熱、風邪、クロイツフェルト・ヤコブ病、クリミア・コンゴ出血熱、クリプトコックス症、クリプトスポリジウム症、皮膚幼虫移行症、サイクロスポラ症、嚢虫症、サイトメガロウイルス感染症、デング熱、デスモデスムス感染症、二核アメーバ症、ジフテリア、裂頭条虫症、メジナ虫症、エボラ出血熱、エキノコックス症、エーリキア症、蟯虫症、腸球菌感染症、エンテロウイルス感染症、発疹チフス、紅斑感染症、突発性発疹、肥大吸虫症、肝蛭症、致死性家族性不眠症、フィラリア症、クロストリジウム筋壊死による食中毒、自由生活性アメーバ感染症、フソバクテリウム感染症、ガス壊疽、ゲオトリクム症、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群、ジアルジア症、鼻疽、顎口虫症、淋病、鼠径肉芽腫、A群連鎖球菌感染症、B群連鎖球菌感染症、インフルエンザ菌感染症、手足口病、ハンタウイルス肺症候群、ハートランドウィルス疾患、ヘリコバクター・ピロリ感染症、溶血性尿毒症症候群、腎症候性出血熱、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、単純ヘルペス、ヒストプラスマ症、鉤虫感染症、ヒトボカウイルス感染症、ヒトエーリキア症、ヒト顆粒球アナプラズマ症、ヒトメタニューモウイルス感染症、ヒト単球エーリキア症、ヒトパピローマウイルス感染症、ヒトパラインフルエンザウイルス感染症、膜様条虫症、エプスタイン・バーウイルス感染単核球症、インフルエンザ、イソスポーラ症、川崎病、角膜炎、キンゲラ・キンゲ感染症、クールー病、ラッサ熱、レジオネラ症、ポンティアック熱、リーシュマニア症、ハンセン病、レプトスピラ症、リステリア症、ライム病、リンパ系フィラリア症、リンパ球性脈絡髄膜炎、マラリア、マールブルグ出血熱、麻疹、中東呼吸器症候群、類鼻疽、髄膜炎、髄膜炎菌感染症、横川吸虫症、微胞子虫症、伝染性軟属腫、サル痘、流行性耳下腺炎、発疹熱、マイコプラズマ肺炎、筋腫、蝿蛆症、新生児結膜炎、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病、ノカルジア症、オンコセルカ症、パラコクシジオイデス症、肺吸虫症、パスツレラ症、アタマジラミ症、コロモジラミ症、ケジラミ症、骨盤内炎症性疾患、百日咳、ペスト、肺炎、急性灰白髄炎、プレボテラ感染症、原発性アメーバ性髄膜脳炎、進行性多巣性白質脳症、オウム病、Q熱、狂犬病、回帰熱、呼吸器多核体ウイルス感染症、リノスポリジウム症、ライノウイルス感染症、リケッチア感染症、リケッチア痘症、リフトバレー熱、ロッキー山紅斑熱、ロタウイルス感染症、風疹、サルモネラ症、重症急性呼吸器症候群、疥癬、住血吸虫症、敗血症、細菌性赤痢、帯状疱疹、天然痘、スポロトリクム症、ブドウ球菌食中毒、ブドウ球菌感染症、糞線虫症、亜急性硬化性全脳炎、梅毒、条虫症、破傷風、白癬性毛瘡、頭部白癬、体部白癬、股部白癬、手白癬、黒癬、足白癬、爪白癬、癜風、トキソカラ症、トラコーマ、トキソプラズマ症、旋毛虫症、トリコモナス症、鞭虫症、結核、野兎病、腸チフス、ウレアプラズマ・ウレアリチカム感染症、渓谷熱、ベネズエラ出血熱、ウイルス性肺炎、ウエストナイル熱、白色砂毛症、仮性結核菌感染症、エルシニア感染症、黄熱病、および接合菌症が挙げられる。
化学物質は、腫瘍内投与され得る。
化学物質は、全身投与され得る(以下に限らないが、経口、皮下、筋肉内、静脈内投与を含む)。
前記方法は、対象を同定することをさらに含み得る。
他の実施態様は、詳細な説明および/または請求項に記載の実施態様を含む。
(定義)
本明細書に記載の本開示の理解を進めるために、様々な他の用語が下記で定義される。一般に、本明細書で用いられる命名法および本明細書に記載の有機化学、医薬品化学、および薬理学における実験手順は、当業者に周知であり、一般に用いられる。特に断りが無い限り、本明細書で用いるあらゆる専門用語および科学用語は、一般に、本開示が属する分野の当業者により一般に理解されるものと同じ意味を持つ。
本明細書において特に断りが無い限り、単数形で表される語句は複数も含み得る。例えば、「a」および「an」は「1」、または「1以上」のいずれを指してもよい。
特に断りが無い限り、原子価が満たされていないいずれのヘテロ原子にも、原子価を満たすために十分な水素原子が含まれると見なされる。
記述を明確にするため、および当技術分野の従来の標準的な慣習に従って、式および表に使用する記号:
Figure 0007573622000014
は、構造の一部または置換基から中心部/核へ接続する点である結合を示す。
さらに記述を明確にするため、2つの文字または記号の間ではないところで置換基にダッシュ(-)があるとき、これは置換基の接続点を示すために使用される。例えば、-OCH3は、酸素原子を介して接続する。
本明細書で用いる、用語「NLRP3」は、以下に限らないが、核酸、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、センス鎖およびアンチセンス鎖ポリヌクレオチド、相補的配列、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ホモログおよび/またはオルソログなNLRP3分子、アイソフォーム、前駆体、変異体、バリアント、誘導体、スプライスバリアント、アレル、異なる種およびそれらの活性フラグメントを包むことを意図する。
NLRP3の「アゴニスト」には、NLRP3の活性が増加するように(例えば活性化、安定化、分布の変化、またはその他の方法で)、タンパク質レベルで、NLRP3に直接結合または修飾する化合物が含まれる。
NLRP3フルアゴニストよりNLRP3を弱く刺激する、本明細書に記載の特定の化合物は、アンタゴニストならびにアゴニストとしてアッセイで機能し得る。これらの化合物は、NLRP3相互作用の最大効果を防ぐため、NLRP3フルアゴニストによるNLRP3の活性を弱める。しかしながら、この化合物はまた、それ単体で一部のNLRP3活性を活性化させるが、一般にNLRP3フルアゴニストの対応する量より少ない。このような化合物は、「NLRP3のパーシャルアゴニスト」と呼ばれ得る。
一部の実施態様において、本明細書に記載の化合物は、NLRP3のアゴニスト(例えばフルアゴニスト)である。他の実施態様において、本明細書に記載の化合物は、NLRP3のパーシャルアゴニストである。
一般に、受容体には、活性型(Ra)および不活性型(Ri)が存在する。受容体に作用する特定の化合物は、Ra対Riの比率(Ra/Ri)を変化させ得る。例えば、フルアゴニストは、Ra/Ri比を増加させ、「最大」飽和効果をもたらし得る。パーシャルアゴニストが受容体に結合した場合、フルアゴニスト(例えば内因性アゴニスト)により誘発された応答より小さい応答を示す。それ故、パーシャルアゴニストのRa/Riは、フルアゴニストの比率より小さい。しかしながら、パーシャルアゴニストの効力は、フルアゴニストの効力より大きくても、または小さくてもよい。
本明細書で、製剤、組成物または成分に関して用いる用語「許容される」は、治療を受ける対象の健康状態に対して、持続的な有害作用を示さないことを意味する。
「API」は、活性医薬成分をいう。
本明細書で用いる用語「有効量」または「治療有効量」は、治療する疾患または病状の1つ以上の症状がある程度緩和されるのに十分な化学物質(例えば、ミトコンドリア内脱共役剤としての活性を示す化合物またはその医薬的に許容される塩および/または水和物および/または共結晶;例えば、化合物(例えばニクロサミド)、またはその医薬的に許容される塩および/または水和物および/または共結晶;例えば、化合物(例えばニクロサミド類似体)、またはその医薬的に許容される塩および/または水和物および/または共結晶)の投与量をいう。その結果として、徴候、症状、または疾患の原因の軽減および/または緩和、または任意の他の生命システムの所望の変化が挙げられる。例えば、治療に用いる「有効量」は、本明細書で開示の化合物を含む組成物の、臨床的に有意な病徴の減少をもたらすことが要求される量である。個々の事例における適当な「有効」量は、任意の適切な手法(例えば用量漸増試験)を用いて決定される。
用語「賦形剤」または「医薬的に許容される賦形剤」は、医薬的に許容される物質、組成物、またはビークルを意味し、例えば、液体増量剤または固体増量剤、希釈剤、担体、溶媒、またはカプセル剤が挙げられる。ある実施態様において、各成分は、医薬製剤の他の成分と適合するという意味、かつヒトおよび動物の組織または臓器と過度な毒性、刺激、アレルギー反応、免疫原性またはその他の問題、もしくは合併症を起こすことなく接触させるのに適切であり、合理的なベネフィット/リスク比をもたらすという意味において「医薬的に許容される」。例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 22nd Edition, Pharmaceutical Press, London, UK (2012); Handbook of Pharmaceutical Excipients, 6th ed.; Rowe et al., Eds.; The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association: (2009); Handbook of Pharmaceutical Additives, 3rd ed.; Ash and Ash Eds.; Gower Publishing Company: (2007); Pharmaceutical Preformulation and Formulation, 2nd ed.; Gibson Ed.; CRC Press LLC: Boca Raton, FL, (2009)を参照のこと。
用語「医薬的に許容される塩」は、投与される生物に著しい刺激を与えず、化合物の生物活性および性質が抑止されない化合物の剤形をいう。ある例において、医薬的に許容される塩は、本明細書に記載の化合物を、酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸など)と反応させることにより得られる。一部の例において、医薬的に許容される塩は、本明細書に記載の酸性基を有する化合物を、塩を形成する塩基(例えばアンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムまたはカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムまたはマグネシウム塩)、有機塩基塩(例えばジシクロヘキシルアミン、N-メチル-D-グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン)、およびアミノ酸塩(例えばアルギニン、リシン)など)と反応させるか、または上記で決定した他の方法により得られる。薬理学的に許容される塩は、薬剤に使用できる限り、特に限定されていない。本明細書に記載の化合物が塩基と形成する塩の例として、以下:無機塩基塩(例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、およびアルミニウム)、有機塩基塩(例えばメチルアミン、エチルアミンおよびエタノールアミン)、塩基性アミノ酸塩(例えばリシンおよびオルニチン)、およびアンモニウム塩が挙げられる。塩は、酸添加塩であってもよく、酸添加塩として、特に以下:鉱酸塩(例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、およびリン酸)、有機酸塩(例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、およびエタンスルホン酸)、酸性アミノ酸塩(例えばアスパラギン酸およびグルタミン酸)が挙げられる。
用語「医薬組成物」は、本明細書に記載の化合物と、(本明細書では「賦形剤」と総称される)他の化学成分(例えば、担体、安定化剤、希釈剤、分散剤、懸濁化剤および/または増粘剤)との混合物をいう。該医薬組成物は、生物への化合物の投与を容易にする。当業者は、化合物を投与する多数の技法を有し、以下に限らないが、直腸、経口、静脈内、エアロゾル、非経口、眼、肺、および局所投与が挙げられる。
用語「対象」は、以下に限らないが、霊長類(例えばヒト)、サル、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラットまたはマウスを含む動物をいう。本明細書において同義で用いられる用語「対象」および「患者」は、例えば、哺乳類の対象(例えばヒト)をいう。
疾患または障害を治療する文脈中の用語「治療する」および「治療」は、障害、疾患、病状、またはその障害、疾患、病状に関与する1つ以上の症状を、軽減または抑止するか、またはその疾患、障害、病状の1つ以上の症状の進行、伝播もしくは悪化を遅延させることを含むことを意図する。「がん治療」とは、1つ以上の次の効果:(1)腫瘍増殖のある程度の阻害、例えば、(i)遅延および(ii)完全増殖抑止;(2)腫瘍細胞数の減少;(3)腫瘍サイズの維持;(4)腫瘍サイズの縮小;(5)末梢臓器への腫瘍細胞浸潤の阻害、例えば、(i)減少、(ii)抑止または(iii)完全防止;(6)転移の阻害、例えば(i)減少、(ii)抑止または(iii)完全防止;(7)(i)腫瘍サイズの維持、(ii)腫瘍サイズの縮小、(iii)腫瘍増殖の抑止、(iv)浸潤の減少、抑止または防止をもたらし得る、抗腫瘍免疫応答の強化および/または(8)障害に関する1つ以上の症状の、重症度または障害の数のある程度の軽減をいう。
用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ(F)、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)、またはヨード(I)をいう。
用語「アルキル」は、直鎖または分岐鎖であり得る、示された数の炭素原子を含む炭化水素鎖をいう。例えばC1-10は、その基中に、1~10個の炭素原子を有し得る基を示す。以下に限らないが、例として、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、n-ヘキシルが挙げられる。
用語「アルキレン」は、分岐鎖または直鎖二価アルキル(例えば、-CH2-)をいう。
-CH2-)。
用語「ハロアルキル」は、1つ以上の水素原子が、独立して選択されたハロゲンで置換されているアルキルをいう。
用語「アルコキシ」は、-O-アルキル基(例えば、-OCH3)をいう。
用語「ハロアルコキシ」は、示された数の炭素原子が酸素原子を介して接続する、上記で定義される-O-ハロアルキル基をいう。例えば、「C1-6ハロアルコキシ」は、C1、C2、C3、C4、C5、およびC6ハロアルコキシ基を含むことを意図する。ハロアルコキシの例として、以下に限らないが、トリフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、およびペンタフルオロエトキシが挙げられる。
用語「アルケニル」は、1つ以上の炭素-炭素二重結合を有する、直鎖または分岐鎖であり得る炭化水素鎖をいう。アルケニル部分は、示された数の炭素原子を含む。例えば、C2-6は、2~6個の炭素原子をその中に含む基を示す。
用語「アルキニル」は、1つ以上の炭素-炭素三重結合を有する、直鎖または分岐鎖であり得る炭化水素鎖をいう。アルキニル部分は、示された数の炭素原子を含む。例えば、C2-6は、2~6個の炭素原子をその中に含む基を示す。
用語「芳香族」は一般に、共鳴安定化した4n+2個のπ電子の環状配列を有する環をいい、ここでnは、整数(例えば、1または2)である。芳香族は、アリールおよびヘテロアリール基を含む。用語「非芳香族」は、「芳香族」の定義に含まれないあらゆる部分をいう。
用語「アリール」は、6員炭素単環、10員炭素二環、または14員炭素三環芳香環システムをいい、ここで各環の0、1、2、3、または4個の原子は置換基で置換されてもよく、単環基を含む環は芳香族であり、および二環または三環基を含む縮合環の少なくとも1個は芳香族(例えばテトラヒドロナフチル)である。アリール基の例にはフェニル、ナフチルなども挙げられる。
本明細書で用いる用語「シクロアルキル」は、5~12個の炭素を有する飽和環状炭化水素基、好ましくは5~10個の炭素を有する二環または三環式炭化水素基を含み、ここでシクロアルキル基はスピロ環であり得るか、または1以上の架橋リンカーを含んでもよく、適宜置換されていてもよい。本明細書で用いる用語「シクロアルキレン」は、二価のシクロアルキルをいう。
本明細書で用いる用語「ヘテロシクロアルキル」は、5~12個の環原子を有する飽和環状炭化水素基、好ましくはN(または置換されたN)、O、およびSからそれぞれ独立して選択される1~4個の環原子を含む、5~10個の環原子を有する二環を含み、ここでヘテロシクロアルキルはスピロ環であり得るか、または架橋リンカーを含んでもよく、適宜置換されていてもよい。本明細書で用いる用語「ヘテロシクロアルキレン」は、二価のヘテロシクロアルキルをいう。
用語「ヘテロアリール」は、単環の場合1~3個のヘテロ原子、二環の場合1~6個のヘテロ原子、または三環の場合1~9個のヘテロ原子を有する、5~8員の単環、8~12員の二環、または11~14員の三環システムの芳香族をいい、上記ヘテロ原子は、O、N、またはSから選択され(例えば、炭素原子ならびに単環、二環、または三環の場合、それぞれ1~3個、1~6個、または1~9個のN、O、またはSのヘテロ原子)、ここで各環の0、1、2、3、または4個の原子は置換基で置換されてもよく、単環基を含む環は芳香族であり、二環または三環基を含む縮合環の少なくとも1個は芳香族である(しかし、例えばテトラヒドロイソキノリニルのような、ヘテロ原子を含む環である必要はない)。ヘテロアリール基の例として、ピリジル、フリルまたはフラニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピリミジニル、チオフェニルまたはチエニル、キノリニル、インドリル、チアゾリルなども挙げられる。
用語「ヘテロシクリル」は、単環の場合1~3個のヘテロ原子、二環の場合1~6個のヘテロ原子、または三環の場合1~9個のヘテロ原子を有する、5~8員の非芳香族単環、8~12員の非芳香族二環、または11~14員の非芳香族三環システムをいい、上記ヘテロ原子は、O、N、またはS(例えば、炭素原子ならびに単環、二環、または三環の場合、それぞれ1~3個、1~6個、または1~9個のN、O、およびSのヘテロ原子)から選択され、各環の0、1、2または3個の原子が置換基で置換されてもよい。ヘテロシクリル基の例として、ピペラジニル、ピロリジニル、ジオキサニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニルなどが挙げられる。
さらに、本実施態様の化合物を構成する原子は、その原子の全ての同位体を含有することを意図する。本明細書で用いる同位体には、原子番号が同一であるが質量数が異なる原子が含まれる。一般的な例として、以下に限らないが、水素の同位体には、トリチウムおよび重水素、および炭素の同位体には、13Cおよび14Cが挙げられる。
本発明の1つ以上の実施態様の詳細は、添付の図および下記の説明にて明記される。本発明のその他の特徴および長所は、説明、図、および請求項から明らかであろう。
本開示は、NLRP3シグナル伝達の増加が、対象(例えばヒト)における病理および/または症状および/または病状、疾患または障害(例えばがん)の進行に関与する、自然免疫活性の不足を正常化し得る病状、疾患または障害(例えば、不十分な免疫応答に関連する病状、疾患または障害)などの治療に有用なNLRP3を調節する(例えば、刺激または一部刺激する)、化学物質群(例えば、化合物または化合物の医薬的に許容される塩、および/または水和物、および/または共結晶、および/または合剤)を特徴とする。本開示はまた、上記化合物の組成物ならびに他のその使用および製造方法を特徴とする。
(医薬組成物および投与)
一部の実施態様において、化学物質(例えば、NLRP3を調節する(例えば、刺激するまたは一部刺激する)化合物、またはその医薬的に許容される塩、および/または水和物、および/または共結晶、および/または合剤)は、化学物質および1つ以上の医薬的に許容される賦形剤、本明細書に記載の1つ以上の別の治療剤を適宜含んでもよい医薬組成物として投与される。
一部の実施態様において、医薬組成物は、本発明の化合物またはその塩、および1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を包含する。特定の実施態様において、医薬組成物は、本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩、および1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を包含する。特定の実施態様において、医薬組成物は、治療上有効量の本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩、および1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を包含する。
一部の実施態様において、化学物質群は、1つ以上の従来の医薬賦形剤と組み合わせて投与され得る。医薬的に許容される賦形剤には、以下に限らないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、自己乳化型薬物送達系(SEDDS)(例えばd-α-トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート)、医薬剤形に使用される界面活性剤(例えばTween、ポリオキサマーまたは他の類似のポリマーデリバリーマトリックス)、血清タンパク質(例えばヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えばリン酸塩、トリス、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム)、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム塩、リン酸水素カリウム塩、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースを基にした物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマーおよび羊脂が挙げられる。シクロデキストリン(例えばα-、β-、およびγ-シクロデキストリン、または化学的に修飾された誘導体(例えば、2-および3-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含むヒドロキシアルキルシクロデキストリン、またはその他の可溶化誘導体))もまた本明細書に記載の式の化合物の運搬を増進するために使用され得る。製剤または組成物は、非毒性賦形剤とのバランスで、本明細書に記載の化学物質を0.005%~100%の範囲で含んで調製され得る。目的の組成物は、本明細書において提供される化学物質を0.001%~100%、ある実施態様においては0.1~95%、別の実施態様においては75~85%、さらなる実施態様においては20~80%含み得る。前記製剤を製造する実際の方法は、既知であるか、または当業者には明らかであろう;例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 22nd Edition (Pharmaceutical Press, London, UK. 2012)を参照のこと。
投与経路および組成物成分
一部の実施態様において、本明細書に記載の化学物質群またはその医薬組成物は、許容されるあらゆる投与経路により、その必要のある対象に投与され得る。許容される投与経路は、以下に限らないが、口腔内、皮膚、子宮頚管内、鼻腔内、気管内、腸内、硬膜外、間質内、腹腔内、動脈内、気管支内、滑液包内、脳内、大槽内、冠動脈内、真皮内、管内、十二指腸内、硬膜内、表皮内、食道内、胃内、歯肉内、回腸内、リンパ管内、髄内、髄膜内、筋肉内、卵巣内、腹腔内、前立腺内、肺内、腔内(intrasinal)、髄腔内、滑膜内、精巣内、くも膜下内、管内、腫瘍内、子宮内、血管内、静脈内、経鼻、経鼻胃、経口、非経口、経皮、経硬膜、直腸、呼吸器(吸入)、皮下、舌下、粘膜下、局所、経皮、経粘膜、経気管、尿管、尿道および腟内投与が挙げられる。特定の実施態様において、好ましい投与経路は、非経口投与(例えば、腫瘍内投与)である。特定の実施態様において、好ましい投与経路は、全身投与である。
組成物は、非経口投与用に製剤化され得る(例えば、静脈内、筋肉内、皮下または腹腔内経路による注射用製剤)。一般に、そのような組成物は、注射剤(液体溶液または懸濁液のいずれか)として製造され得て注射の前に液体を加えて、溶液または懸濁液を調製するための適切な固体形態もまた製造され得て;および上記製剤は乳化され得る。このような製剤の製造は、本開示を踏まえて当業者に理解される。
注射用途のための適切な医薬形態には、滅菌水溶液または分散液;ゴマ油、ピーナツ油、または水性プロピレングリコールを含む製剤;ならびに滅菌注射用溶液または分散液の即時調製用の滅菌粉末が挙げられる。全ての場合において、前記医薬形態は、滅菌されているべきであり、かつそれが注射し易い程度の液体でなければならない。また、製造および貯蔵条件下で安定であって、かつ微生物(例えば、細菌および真菌)の汚染混入を防ぐべきである。
また、担体は、溶媒または分散媒体であってもよく、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、適切なその混合物および植物油が挙げられる。適度な流動性は、例えば、コーティング剤(例えばレシチン)の使用により、分散液の場合には所望の粒子サイズの保持により、界面活性剤の使用により維持され得る。微生物の作用は、様々な抗菌剤および抗真菌剤(例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなど)により予防され得る。多くの場合、等張剤(例えば、糖または塩化ナトリウム)を包含することが好ましい。注射用組成物の持続的吸収は、組成物中に、吸収遅延化剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)を使用することによりもたらされ得る。
滅菌注射可能溶液は、上記に列挙した様々な他の成分と共に、適当な溶媒中に必要な量で活性化合物を導入した後、必要に応じて滅菌濾過を行なうことにより製造される。一般に、分散液は、種々の滅菌された活性成分を、滅菌ビークル(上記に列挙されたものから基本的な分散媒体および所望の他の成分を含有する)に導入することにより製造される。滅菌注射用溶液を製造するための滅菌散剤の場合、好ましい製造方法は、真空乾燥および凍結乾燥技術であり、この技術により、活性成分に加えて、予め滅菌濾過したその溶液の所望成分を任意に加えた粉末を得る。
腫瘍内注射剤は、例えば、Lammers, et al., "Effect of Intratumoral Injection on the Biodistribution and the Therapeutic Potential of HPMA Copolymer-Based Drug Delivery Systems" Neoplasia. 10:788-795 (2006)にて議論されている。
ゲル、クリーム、浣腸または直腸用坐剤として直腸組成物中で使用できる薬理学的に許容され得る賦形剤には、これに限定されないが、ココアバターグリセリド、合成ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、PEG(PEG軟膏剤類)、グリセリン、グリセリン化ゼラチン、水素化植物油、ポロキサマー、様々な分子量のポリエチレングリコール混合物およびポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、ワセリン、無水ラノリン、サメ肝臓油、サッカリンナトリウム、メントール、スイートアーモンド油、ソルビトール、安息香酸ナトリウム、アノキシドSBN、バニラ精油、エアロゾル、パラベン/フェノキシエタノール、ナトリウムメチルp-オキシベンゾエート、ナトリウムプロピルp-オキシベンゾエート、ジエチルアミン、カルボマー、カルボポール、メチルオキシベンゾエート、マクロゴールセトステアリルエーテル、ココイルカプリロカプレート、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、液体パラフィン、キサンタンガム、カルボキシ-メタビスルファイト、エデト酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、グレープフルーツシード抽出物、メチルスルホニルメタン(MSM)、乳酸、グリシン、ビタミン(例えば、ビタミンAおよびE)、および酢酸カリウムのいずれか1つ以上が挙げられる。
特定の実施態様において、坐剤は、本明細書に記載した化学物質群を、周囲温度では固体であるが、体温で液体となるため、直腸中で溶解して、活性化合物を放出する適切な非刺激性賦形剤または担体(例えばココアバター、ポリエチレングリコール)または坐剤用ワックスと混合することにより製造され得る。他の実施態様において、直腸投与のための組成物は、浣腸の形態で存在する。
他の実施態様において、本明細書に記載の化合物またはその医薬組成物は、経口投与(例えば、固体または液体製剤)により、消化管またはGI管に局所送達するために適切である。
経口投与のための固体製剤には、カプセル、錠剤、ピル、散剤および顆粒剤が挙げられる。そのような固体製剤において、化学物質は、1つ以上の医薬的に許容され得る賦形剤、例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム塩および/または: a)充填剤または増量剤(例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸)、b)結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、およびアカシア)、c)湿潤剤(例えばグリセロール)、d)崩壊剤(例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸、および炭酸ナトリウム)、e)溶解遅延剤(例えばパラフィン)、f)吸収促進剤(例えば四級アンモニウム化合物)、g)湿潤剤(例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール)、h)吸収剤(例えばカオリンおよびベントナイトクレイ)、およびi)滑沢剤(例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびその混合物)と混合される。カプセル、錠剤およびピルの場合には、製剤は、緩衝剤を含んでいてもよい。類似のタイプの固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの前記賦形剤を用いて、ソフトおよびハードゼラチンカプセル内の充填剤として用いられてもよい。
ある実施態様において、組成物は、単一剤形の形態(例えばピルまたは錠剤)をとり、そのため組成物は、本明細書にて提供される化学物質と共に、希釈剤(例えばラクトース、スクロース、リン酸二カルシウム塩など)、滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウムなど)、および結合剤(例えばデンプン、アカシアガム、ポリビニルピロリジン、ゼラチン、セルロース、セルロース誘導体など)を含有してもよい。別の固体製剤において、粉末、マルメ(marume)、溶液または懸濁液(例えば、プロピレンカーボネート、植物油、PEG、ポロキサマー124またはトリグリセリド)は、カプセル(ゼラチンまたはセルロースを基にしたカプセル)中に封入される。本明細書において提供される1つ以上の化学物質群または別の活性剤が物理的に分離されている配合剤には、例えば、各薬剤の顆粒剤を含むカプセル(または、カプセル中の錠剤)、2層錠剤、2区分ゲルカプセルなども意図される。腸溶性コーティング経口製剤または遅延性放出経口製剤もまた意図される。
他の生理学的に許容される化合物には、微生物の成長または作用を阻止するために特に有用な、湿潤剤、乳化剤、分散剤または防腐剤が挙げられる。様々な防腐剤が周知であり、例えば、フェノールおよびアスコルビン酸が挙げられる。
特定の実施態様において、賦形剤は滅菌状態であり、一般に望ましくない物質を含まない。これらの組成物は、従来の周知の滅菌技術により滅菌され得る。様々な経口製剤用賦形剤(例えば錠剤およびカプセル)には、無菌性は求められない。USP/NF基準で通常十分である。
特定の実施態様において、固体経口製剤は、胃または下部GI(例えば、上行結腸および/または横行結腸および/または遠位結腸および/または小腸)へ化学物質を送達するために、組成物を化学的および/または構造的に取り込みやすくさせる、1つ以上の成分をさらに含み得る。製剤技術の例は、例えば、Filipski, K.J., et al., Current Topics in Medicinal Chemistry, 2013, 13, 776-802に記載されている。
上部GIターゲティング技術の例には、例えば、Accordion Pill(Intec Pharma)、フローティングカプセル、および粘膜壁と結合可能な物質が挙げられる。
その他の例には、下部GIターゲティング技術が挙げられる。腸管内の様々な領域を標的とするために、複数の腸溶性/pH依存性コーティング剤および賦形剤が利用できる。これらの物質は、一般に、特定のpH範囲で溶解または崩壊するように設計されたポリマーであり、望ましい薬物放出GI領域を基に選択される。これらの物質は酸に不安定な薬剤を胃液から保護するように、または活性成分が上部GIに刺激を与える場合には、その暴露を制限するように機能する(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート系、Coateric(ポリビニルアセテートフタレート)、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、Eudragit系(メタクリル酸-メチルメタクリレート共重合体)、およびMarcoat)。その他の技術には、GI内の局所フローラに反応する剤形、即ち圧力調節型大腸送達カプセルおよびPulsincapが挙げられる。
眼用組成物には、以下には限らないが、ビスコーゲン(viscogen)(例えば、カルボキシメチルセルロース、グリセリン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール)、安定化剤(例えば、Pluronic(トリブロックコポリマー)、シクロデキストリン)、防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、ETDA、SofZia(ホウ酸、プロピレングリコール、ソルビトール、および塩化亜鉛;Alcon Laboratories, Inc.)、Purite(安定化オキシクロロ複合体;Allergan, Inc.))のいずれか1つ以上が含まれ得る。
局所用組成物には、軟膏およびクリームが挙げられ得る。軟膏は、半固体製剤であり、一般に、ワセリンまたは他の石油誘導体を基にしたものである。選択された活性剤を含むクリームは、一般に、粘性液体または半固体エマルジョンであり、多くは水中油型または油中水型のいずれかである。クリーム基剤は一般に、水可溶性であり、油相、乳化剤および水相を含有している。油相は「内相」とも呼ばれ、一般には、ワセリンおよび脂肪アルコール(例えばセチルアルコールまたはステアリールアルコール)から成り、水相は、必ずしもそうではないが、通常、油相の体積を超えており、一般に湿潤剤を含む。クリーム製剤中の乳化剤は、一般に、非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性の界面活性剤である。他の担体またはビークルと同様、軟膏基剤は、不活性、安定、非刺激性および非感作性でなければならない。
前記実施態様のいずれかにおいて、本明細書に記載の医薬組成物には、1つ以上の次のもの:脂質、内部二層型架橋性多重膜ベシクル、生分解性D,L-乳酸-グリコール酸共重合体[PLGA]またはポリ無水物を基にしたナノ粒子またはマイクロ粒子、およびナノ多孔質粒子支持型脂質二重層を含み得る。
投薬量
投薬量は、患者の要望、治療する症状の重症度および用いられる特定の化合物によって変更されてもよい。特定の状況に対する適切な投薬量の決定は、医薬分野における当業者により決定され得る。1日の総投薬量は、1日を通して、分割し、少量ずつ投与されても、または連続的に投薬する手段により投与されてもよい。
一部の実施態様において、本明細書に記載の化合物は、約0.001mg/kg~約500mg/kg(例えば、約0.001mg/kg~約200mg/kg;約0.01mg/kg~約200mg/kg;約0.01mg/kg~約150mg/kg;約0.01mg/kg~約100mg/kg;約0.01mg/kg~約50mg/kg;約0.01mg/kg~約10mg/kg;約0.01mg/kg~約5mg/kg;約0.01mg/kg~約1mg/kg;約0.01mg/kg~約0.5mg/kg;約0.01mg/kg~約0.1mg/kg;約0.1mg/kg~約200mg/kg;約0.1mg/kg~約150mg/kg;約0.1mg/kg~約100mg/kg;約0.1mg/kg~約50mg/kg;約0.1mg/kg~約10mg/kg;約0.1mg/kg~約5mg/kg;約0.1mg/kg~約1mg/kg;約0.1mg/kg~約0.5mg/kg)の投薬量で投与される。
投与計画
前記投薬量は、1日あたりの基準量(例えば、単回用量、または2回以上の分割用量)または1日あたりではない基準量(例えば、隔日、2日毎、3日毎、週に1回、週に2回、2週に1回、1ヶ月に1回の用量)で投与され得る。
一部の実施態様において、本明細書に記載の化合物の投与期間は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月またはそれ以上である。さらなる実施態様において、投与が中止される期間は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月またはそれ以上である。ある実施態様において、治療化合物は、ある一定期間個人に投与され、続いて別の期間に投与される。別の実施態様において、治療化合物は、第一期間に投与され、第一期間後の第二期間に投与が中止され、続いて第三期間に治療化合物の投与が開始され、次いで第三期間後の第四期間に投与が中止される。この実施態様の態様において、治療化合物の投与期間に続いて投与が中止される期間は、所定の期間または任意の期間反復される。さらなる実施態様において、投与期間は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月またはそれ以上である。さらなる実施態様において、投与が中止される期間は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月またはそれ以上である。
(治療方法)
一部の実施態様において、NLRP3シグナル伝達の増加により、病状、疾患または障害(例えばがん)の病変および/または症状および/または進行に関与する自然免疫活性の不足を補正し得る、病状、疾患または障害(例えば、不十分な免疫応答に関連する病状、疾患または障害)を有する対象を治療する方法が提供される。
適応症
本明細書に記載のいずれかの方法において、対象はがんを有し得る。本明細書に記載のいずれかの方法の、一部の例において、哺乳動物は、がんを有すると確認されているか、またはがんを有すると診断されている。
以下に限定されないが、がんの例には、急性骨髄性白血病、副腎皮質がん、カポジ肉腫、リンパ腫、肛門がん、虫垂がん、奇形腫/ラブドイド腫瘍、基底細胞がん、胆管がん、膀胱がん、骨がん、脳腫瘍、乳がん、気管支腫瘍、カルチノイド腫瘍、心臓腫瘍、子宮頸がん、脊索腫、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄増殖性腫瘍、結腸がん、大腸がん、頭蓋咽頭腫、子宮内膜がん、上衣腫、食道がん、嗅神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、眼腫瘍、卵管がん、胆嚢がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍、胚細胞腫瘍、有毛細胞白血病、頭頸部がん、心臓腫瘍、肝臓がん、下咽頭がん、膵臓がん、腎臓がん、喉頭がん、慢性骨髄性白血病、口唇および口腔がん、肺がん、黒色腫、メルケル細胞がん、中皮腫、口唇がん、口腔がん、骨肉腫、卵巣がん、陰茎がん、咽頭がん、前立腺がん、直腸がん、唾液腺がん、皮膚がん、小腸がん、軟部肉腫、精巣がん、喉のがん、甲状腺がん、尿道がん、子宮がん、腟がん、および外陰がんが挙げられる。
特定の実施態様において、以下に限定されないが、がんの例には、乳がん、結腸がん、直腸がん、大腸がん、膵臓がんおよび前立腺がんが挙げられる。
対象ががんを有すると診断するための方法または哺乳動物ががんを有すると確認するための方法は、当分野において周知である。例えば、医療専門家(例えば、医師、フィジシャン・アシスタント、または技術者)は、哺乳動物における1つ以上のがんの症状を観察することにより、哺乳動物のがんを診断し得る。以下に限らないが、がんの症状の例として、疲労、皮膚下の肥厚したフェルト状の塊または領域、体重変化黄疸、皮膚の黒ずみまたは発赤、治癒しないただれ、既存の黒子に対する変化、腸または膀胱の機能変化、持続的な咳または呼吸困難、嚥下障害、嗄声、持続的な消化不良または食後の不快感、持続的で原因不明の筋肉痛または関節痛、持続的で原因不明の熱または寝汗、および原因不明の出血または痣が挙げられる。対象ががんを有すると診断する方法または対象ががんを有すると確認する方法は、1つ以上の診断試験を実施(例えば、生検または血液試料に対する1つ以上の診断試験の実施)することがさらに挙げられる。
本明細書に記載のいずれかの方法の、一部の例において、対象は、がんを有する対象、がんを有すると診断された対象、またはがんの治療前歴に対して無反応であったがんを有すると確認された対象であり得る。対象ががんを有すると診断するための診断試験または哺乳動物ががんを有すると確認するための診断試験は、当該分野では既知である。
一部の実施態様において、NLRP3シグナル伝達の増加により、病状、疾患または障害(例えばがん)の病変および/または症状および/または進行に関与する自然免疫活性の不足を補正し得る、病状、疾患または障害(例えば、不十分な免疫応答に関連する病状、疾患または障害)を有する対象を治療する方法が提供される。
一部の実施態様において、本発明は、がんを治療する方法を提供するものであり、前記がんは、最適な自然免疫系の応答を誘起しないあらゆるがんであり得る。
自然免疫系は、抗原非特異的方法において、感染症またはがんのような生物に対する脅威に反応し、かつ抗原特異的適応免疫系を刺激する細胞から構成される免疫システムの一部をいう。一般に、脅威の完全な排除および持続的保護(=免疫性)は、自然免疫系による刺激に応じた抗原特異的適応免疫系の活性を必要とする。
一部の実施態様において、本発明は、がんを治療する方法を提供するものであり、前記がんは、T細胞チェックポイント阻害に対する耐性に基づいて選択されるか、がん種とは独立して、以前のT細胞チェックポイント阻害剤治療への応答不全に基づいて選択されるか、または一般にT細胞チェックポイント阻害剤治療に耐性のあるがん種(例えばホルモン受容体陽性乳がん、マイクロサテライト安定性結腸がんまたは直腸がん、膵臓がんおよび前立腺がん)に基づいて選択される。
特定の他の実施態様において、本発明は、腫瘍免疫原性を強化し、炎症応答を促進するCD8+T細胞浸潤の少ない非炎症性腫瘍を治療するための、本発明のNLPR3アゴニストを含む、がんの治療方法を提供する。例えば、この組み合わせは、CD8+T細胞浸潤が少ないか、またはCD8+T細胞により生産された遺伝子発現が少ないことが示された生検の結果を基に、固形腫瘍を治療するために用いてもよい。
T細胞チェックポイント阻害に対する耐性とは、それぞれのがんに対する共通応答基準(例えば、多くの固形腫瘍に対してはRECIST1.1)に従って、治療6ヶ月以内の治療時のがんの進行または応答不全をいう。
T細胞浸潤とは、腫瘍生検試料の免疫組織化学的検査による、全有核細胞中のT細胞の割合をいう。
CD8+T細胞浸潤とは、腫瘍生検試料の免疫組織化学的検査による、全有核細胞中のCD8+T細胞の割合をいう。
生検試料中のCD8+T細胞を定量化するための免疫組織化学的検査に加え、インターフェロン-γのようなCD8+T細胞によって産生される遺伝子の発現は、例えば次世代シーケンシングを用いてmRNAの定量により測定し得て、CD8+T細胞浸潤についての情報を与える。mRNA定量技術である免疫組織化学的検査によるCD8+T細胞浸潤の閾値の高低は、様々なグループにより研究されており、がん全体ならびに特定のがんに対するCD8+T細胞浸潤の範囲が考慮されている。
本明細書に記載のいずれかの方法において、対象は、感染症を有し得る。本明細書に記載のいずれかの方法の一部の例において、対象は、感染症を有すると確認されているか、または、感染症を有すると診断されている。例えば感染症は、細菌、ウイルス、真菌、寄生虫またはマイコバクテリアを原因とし得る。
感染症の例として以下に限らないが、アシネトバクター感染症、放線菌症、アフリカ睡眠病、後天性免疫不全症候群、アメーバ症、アナプラズマ症、炭疽症、溶血性アルカノバクテリア感染症、アルゼンチン出血熱、回虫症、アスペルギルス症、アストロウイルス感染症、バベシア症、バチルス・セレウス感染症、細菌性肺炎、細菌性腟炎、バクテロイデス感染症、バランチジウム症、アライグマ回虫症、BKウイルス感染症、黒色砂毛症、ブラストシスチス・ホミニス感染症、ブラストミセス症、ボリビア出血熱、ボツリヌス症、ブラジル出血熱、ブルセラ症、腺ペスト、バークホルデリア感染症、ブルーリ潰瘍、カリシウイルス感染症、カンピロバクター感染症、カンジダ症、猫ひっかき病、蜂巣炎、シャーガス病、軟性下疳、水痘、チクングニヤ熱、クラミジア感染症、クラミジア肺炎感染症、コレラ、黒色分芽菌症、肝吸虫症、クロストリジウム・ディフィシル感染症、コクシジオイデス症、コロラドダニ熱、風邪、クロイツフェルト・ヤコブ病、クリミア・コンゴ出血熱、クリプトコックス症、クリプトスポリジウム症、皮膚幼虫移行症、サイクロスポラ症、嚢虫症、サイトメガロウイルス感染症、デング熱、デスモデスムス感染症、二核アメーバ症、ジフテリア、裂頭条虫症、メジナ虫症、エボラ出血熱、エキノコックス症、エーリキア症、蟯虫症、腸球菌感染症、エンテロウイルス感染症、発疹チフス、紅斑感染症、突発性発疹、肥大吸虫症、肝蛭症、致死性家族性不眠症、フィラリア症、クロストリジウム筋壊死による食中毒、自由生活性アメーバ感染症、フソバクテリウム感染症、ガス壊疽、ゲオトリクム症、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群、ジアルジア症、鼻疽、顎口虫症、淋病、鼠径肉芽腫、A群連鎖球菌感染症、B群連鎖球菌感染症、インフルエンザ菌感染症、手足口病、ハンタウイルス肺症候群、ハートランドウィルス疾患、ヘリコバクター・ピロリ感染症、溶血性尿毒症症候群、腎症候性出血熱、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、単純ヘルペス、ヒストプラスマ症、鉤虫感染症、ヒトボカウイルス感染症、ヒトエーリキア症、ヒト顆粒球アナプラズマ症、ヒトメタニューモウイルス感染症、ヒト単球エーリキア症、ヒトパピローマウイルス感染症、ヒトパラインフルエンザウイルス感染症、膜様条虫症、エプスタイン・バーウイルス感染単核球症、インフルエンザ、イソスポーラ症、川崎病、角膜炎、キンゲラ・キンゲ感染症、クールー病、ラッサ熱、レジオネラ症、ポンティアック熱、リーシュマニア症、ハンセン病、レプトスピラ症、リステリア症、ライム病、リンパ系フィラリア症、リンパ球性脈絡髄膜炎、マラリア、マールブルグ出血熱、麻疹、中東呼吸器症候群、類鼻疽、髄膜炎、髄膜炎菌感染症、横川吸虫症、微胞子虫症、伝染性軟属腫、サル痘、流行性耳下腺炎、発疹熱、マイコプラズマ肺炎、筋腫、蝿蛆症、新生児結膜炎、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病、ノカルジア症、オンコセルカ症、パラコクシジオイデス症、肺吸虫症、パスツレラ症、アタマジラミ症、コロモジラミ症、ケジラミ症、骨盤内炎症性疾患、百日咳、ペスト、肺炎、急性灰白髄炎、プレボテラ感染症、原発性アメーバ性髄膜脳炎、進行性多巣性白質脳症、オウム病、Q熱、狂犬病、回帰熱、呼吸器多核体ウイルス感染症、リノスポリジウム症、ライノウイルス感染症、リケッチア感染症、リケッチア痘症、リフトバレー熱、ロッキー山紅斑熱、ロタウイルス感染症、風疹、サルモネラ症、重症急性呼吸器症候群、疥癬、住血吸虫症、敗血症、細菌性赤痢、帯状疱疹、天然痘、スポロトリクム症、ブドウ球菌食中毒、ブドウ球菌感染症、糞線虫症、亜急性硬化性全脳炎、梅毒、条虫症、破傷風、白癬性毛瘡、頭部白癬、体部白癬、股部白癬、手白癬、黒癬、足白癬、爪白癬、癜風、トキソカラ症、トラコーマ、トキソプラズマ症、旋毛虫症、トリコモナス症、鞭虫症、結核、野兎病、腸チフス、ウレアプラズマ・ウレアリチカム感染症、渓谷熱、ベネズエラ出血熱、ウイルス性肺炎、ウエストナイル熱、白色砂毛症、仮性結核菌感染症、エルシニア感染症、黄熱病、および接合菌症が挙げられる。
対象が感染症を有すると診断する方法、または対象が感染症を有すると確認する方法は、当該分野では周知である。例えば、医療専門家(例えば、医師、フィジシャン・アシスタント、または技術者)は、対象における感染症の1つ以上の症状を観察することにより、対象の感染症を診断し得る。以下に限らないが、感染症の症状の例として、熱、下痢、疲労、および筋肉痛が挙げられる。哺乳動物が感染症を有すると診断する方法または対象が感染症を有すると確認する方法は1つ以上の診断試験を実施(例えば、生検または血液試料に対する1つ以上の診断試験の実施)することがさらに挙げられる。対象が感染症を有すると診断するための診断試験または対象が感染症を有すると確認するための診断試験は、当該分野では既知である。
併用療法
本開示は、単剤療法計画ならびに併用療法計画の両方を意図する。
一部の実施態様において、本明細書に記載の方法は、本明細書に記載の化合物の投与と組み合わせて、1つ以上の別の治療(例えば、1つ以上の別の治療剤の投与および/または1つ以上の治療計画)を行うことさらに含み得る。
特定の実施態様において、本明細書に記載の方法は、1つ以上の別のがん治療を行うことをさらに含み得る。
1つ以上の別のがん治療には、以下には限らないが、手術、放射線療法、化学療法、毒素治療、免疫療法、凍結療法、がんワクチン(例えば、HPVワクチン、B型肝炎ワクチン、Oncophage、Provenge)および遺伝子治療、ならびにその組み合わせが挙げられる。免疫療法には、以下には限らないが、養子細胞療法、幹細胞および/または樹状細胞の誘導、輸血、洗浄、および/またはその他の治療には、以下には限らないが、腫瘍の凍結が挙げられる。
一部の実施態様において、1つ以上の別のがん治療は、化学療法であり、1つ以上の別の化学療法剤を投与することを含み得る。
特定の実施態様において、別のがん治療には、(化学療法剤)免疫調節因子、例えば免疫チェックポイント阻害剤が挙げられる。これらの実施態様の特定の態様おいて、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-1-PD-L1、PD-1-PD-L2、T 細胞 免疫グロブリンおよびムチン3(TIM3またはHAVCR2)、ガレクチン9-TIM3、ホスファチジルセリン-TIM3、リンパ球活性化遺伝子3タンパク質(LAG3)、MHCクラスII-LAG3、4-1BB-4-1BBリガンド、OX40-OX40リガンド、GITR、GITRリガンド-GITR、CD27、CD70-CD27、TNFRSF25、TNFRSF25-TL1A、CD40L、CD40-CD40リガンド、HVEM-LIGHT-LTA、HVEM、HVEM-BTLA、HVEM-CD160、HVEM-LIGHT、HVEM-BTLA-CD160、CD80、CD80-PDL-1、PDL2-CD80、CD244、CD48-CD244、CD244、ICOS、ICOS-ICOSリガンド、B7-H3、B7-H4、VISTA、TMIGD2、HHLA2-TMIGD2、ブチロフィリン、例えばBTNL2、Siglecファミリー、TIGITおよびPVRファミリーメンバー、KIR、ILTおよびLIR、NKG2DおよびNKG2A、MICAおよびMICB、CD244、CD28、CD86-CD28、CD86-CTLA、CD80-CD28、ホスファチジルセリン、TIM3、ホスファチジルセリン-TIM3、SIRPA-CD47、VEGF、ニューロピリン、CD160、CD30、およびCD155(例えば、CTLA-4またはPD1またはPD-L1)から選択される免疫チェックポイント受容体を標的とする免疫チェックポイント阻害剤およびその他の免疫調節剤(例えば、インターロイキン-2(IL-2)、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)、IL-10、トランスフォーミング増殖因子-β(TGFβ)、CD39、CD73、アデノシン-CD39-CD73、およびCXCR4-CXCL12)から選択される、免疫チェックポイント受容体を標的とする。例えばPostow, M. J. Clin. Oncol. 33, 1 (2015)を参照のこと。
特定の実施態様において、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-1-PD-L1、およびPD-1-PD-L2から選択される免疫チェックポイント受容体を標的とする。
特定の実施態様において、免疫チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ(「OPDIVO」としても知られており、以前は5C4、BMS-936558、MDX-1106、またはONO-4538と呼ばれていた)、ペムブロリズマブ(「KEYTRUDA」、ランブロリズマブ、およびMK-3475としても知られている。WO 2008/156712を参照)、PDR001(Novartis; WO 2015/112900を参照)、MEDI-0680(AstraZeneca; AMP-514; WO 2012/145493を参照)、セミピリマブ(REGN-2810; Regeneron; WO 2015/112800を参照)、JS001(TAIZHOU JUNSHI PHARMA; Si-Yang Liu et al., J. Hematol. Oncol. 10:136 (2017)を参照)、BGB-A317(Beigene; WO 2015/35606およびUS 2015/0079109を参照)、INCSHR1210(SHR-1210; Jiangsu Hengrui Medicine; WO 2015/085847; Si-Yang Liu et al., J. Hematol. Oncol. 10:136 (2017)を参照)、TSR-042(ANB011; Tesaro Biopharmaceutical; WO2014/179664を参照)、GLS-010(WBP3055; Wuxi/Harbin Gloria Pharmaceuticals; Si-Yang Liu et al., J. Hematol. Oncol. 10:136 (2017)を参照)、AM-0001(Armo)、STI-1110(Sorrento Therapeutics; WO 2014/194302を参照)、AGEN2034(Agenus; WO 2017/040790を参照)、MGD013(Macrogenics)、IBI308(Innovent; WO 2017/024465、WO 2017/025016、WO 2017/132825、WO2017/133540を参照)、BMS-936559(以前の12A4またはMDX-1105;例えば、米国特許7,943,743号およびWO 2013/173223を参照)、MPDL3280A(RG7446、アテゾリズマブ、およびTECENTRIQとしても知られる; US 8,217,149;Herbst et al. (2013) J Clin Oncol 31(suppl):3000も参照)、デュルバルマブ(IMFINZI; MEDI-4736; AstraZeneca; WO 2011/066389を参照)、アベルマブ(Pfizer; MSB-0010718C; BAVENCIO; WO 2013/079174を参照)、STI-1014(Sorrento; WO2013/181634を参照)、CX-072(Cytomx; WO2016/149201を参照)、KN035(3D Med/Alphamab; Zhang et al., Cell Discov. 7:3 (March 2017)を参照)、LY3300054(Eli Lilly Co.;例えばWO 2017/034916を参照)、CK-301(Checkpoint Therapeutics; Gorelik et al., AACR:Abstract 4606 (Apr 2016)を参照)、ウレルマブ、PF-05082566、MEDI6469、TRX518、バルリルマブ、CP-870893、BMS-986016、MGA271、リリルマブ、IPH2201、エマクツズマブ、INCB024360、ガルニセルチブ、ウロクプルマブ、BKT140、バビツキシマブ、CC-90002、ベバシズマブ、MNRP1685A、イピリムマブ(YERVOY; 米国特許6,984,720号)、MK-1308(Merck)、AGEN-1884(Agenus Inc.; WO 2016/196237)、およびトレメリムマブ(以前のチシリムマブ、CP-675,206; AstraZeneca;例えば、WO 2000/037504およびRibas, Update Cancer Ther. 2(3): 133-39 (2007)を参照)から選択される。
特定の実施態様において、免疫チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、JS001、BGB-A317、INCSHR1210、TSR-042、GLS-010、STI-1110、MGD013、IBI308、BMS-936559、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、STI-1014、CX-072、KN035、LY3300054、CK-301、ウレルマブ、PF-05082566、MEDI6469、TRX518、バルリルマブ、BMS-986016、イピリムマブ、AGEN-1884、およびトレメリムマブから選択される。
これらの実施態様の特定の場合において、免疫チェックポイント阻害剤は、ウレルマブ、PF-05082566、MEDI6469、TRX518、バルリルマブ、CP-870893、ペムブロリズマブ(PD1)、ニボルマブ(PD1)、アテゾリズマブ(以前のMPDL3280A)(PDL1)、MEDI4736(PD-L1)、アベルマブ(PD-L1)、PDR001(PD1)、BMS-986016、MGA271、リリルマブ、IPH2201、エマクツズマブ、INCB024360、ガルニセルチブ、ウロクプルマブ、BKT140、バビツキシマブ、CC-90002、ベバシズマブ、およびMNRP1685Aから選択される。
特定の実施態様において、免疫チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブおよびアベルマブから選択される。
特定の実施態様において、免疫チェックポイント阻害剤は、ニボルマブおよびイピリムマブから選択される。
特定の実施態様において、別の抗がん剤(化学療法剤)は、STINGアゴニストである。例えば、STINGアゴニストには、環状ジヌクレオチド(例えば、cAMP、cGMP、およびcGAMP)ならびに次の特徴の修飾;2'-O/3'-O結合、ホスホロチオエート結合、アデニンおよび/またはグアニン類似体、2'-OH修飾(例えば、-OCH3または置換(例えば、-FまたはN3)を1つ以上含む修飾環状ジヌクレオチドが挙げられる。例えば、WO 2014/189805を参照のこと。
特定の実施態様において、別の化学療法剤は、アルキル化剤である。アルキル化剤は、細胞(がん細胞を含むがこれに限定されない)内に存在する条件下で、多くの求核性官能基をアルキル化する能力から命名されている。さらなる実施態様において、アルキル化剤には、以下に限らないが、シスプラチン、カルボプラチン、メクロレタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、イホスファミドおよび/またはオキサリプラチンが挙げられる。ある実施態様において、アルキル化剤は、生物学的に重要な分子内のアミノ、カルボキシル、スルフヒドリル、およびリン酸基と共有結合を形成することにより、細胞機能を低下させることで機能し得るか、または細胞のDNAを修飾することで機能し得る。さらなる実施態様において、アルキル化剤は、合成物、半合成物または誘導体である。
特定の実施態様において、別の化学療法剤は、代謝拮抗剤である。代謝拮抗剤は、DNAのビルディングブロックであるプリンまたはピリミジンと見せかけて、一般に、これらの物質が(細胞周期の)「S」期中に、DNAに組み込まれることを阻止し、正常な成長および分裂を停止する。代謝拮抗剤は、RNA合成にも影響し得る。ある実施態様において、代謝拮抗剤には、以下に限らないが、アザチオプリンおよび/またはメルカプトプリンが挙げられる。さらなる実施態様において、代謝拮抗剤は、合成物、半合成物または誘導体である。
特定の実施態様において、別の化学療法剤は、植物性アルカロイドおよび/またはテルペノイドである。これらのアルカロイドは、植物由来のものであり、一般に、微小管の機能を阻止することにより細胞分裂を妨害する。ある実施態様において、植物性アルカロイドおよび/またはテルペノイドは、ビンカアルカロイド、ポドフィロトキシンおよび/またはタキサンである。ビンカアルカロイドは一般的に、チューブリン上の特定の部位に結合し、一般に細胞周期のM期の間に微小管形成のためのチューブリンの会合を阻害する。ある実施態様において、ビンカアルカロイドは、以下に限らないが、マダガスカル・ペリウィンクル、(以前はビンカ・ローザとして知られた)カタランタス・ロゼウスから得られる。ある実施態様において、ビンカアルカロイドには、以下に限らないが、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビンおよび/またはビンデシンが挙げられる。ある実施態様において、タキサンには、以下に限らないが、タキソール、パクリタキセルおよび/またはドセタキセルが挙げられる。さらなる実施態様において 植物性アルカロイドまたはテルペノイドは、合成物、半合成物または誘導体である。さらなる実施態様において、ポドフィロトキシンは、以下に限らないが、エトポシドおよび/またはテニポシドである。ある実施態様において、タキサンは、以下に限らないが、ドセタキセルおよび/またはオルタタキセルである。ある実施態様においてがんの治療剤はトポイソメラーゼである。トポイソメラーゼは、DNAのトポロジーを維持するために不可欠な酵素である。I型またはII型トポイソメラーゼを阻害することにより、適切なDNA超らせんの形成が乱され、転写およびDNAの複製の両方が妨害される。さらなる実施態様において、トポイソメラーゼは、以下に限らないが、I型トポイソメラーゼ阻害剤またはII型トポイソメラーゼ阻害剤である。ある実施態様において、I型トポイソメラーゼ阻害剤は、以下に限らないが、カンプトテシンである。別の実施態様において、カンプトテシンは、以下に限らないが、エキサテカン、イリノテカン、ルルトテカン、トポテカン、BNP 1350、CKD 602、DB 67(AR67)および/またはST 1481である。ある実施態様において、II型トポイソメラーゼ阻害剤は、以下に限らないが、エピポドフィロトキシンである。さらなる実施態様において、エピポドフィロトキシンは、以下に限らないが、アムサクリン、エトポシド、エトポシドリン酸塩および/またはテニポシドである。さらなる実施態様において、トポイソメラーゼは、合成物、半合成物または誘導体であり、天然に見出されるものを含む(例えば、以下に限らないが、エピポドフィロトキシン: American Mayapple(ポドフィルム・ペタタム)の根に自然発生する物質が挙げられる)。
特定の実施態様において、別の化学療法剤は、スチルベノイドである。さらなる実施態様において、スチルベノイドには、以下に限らないが、レスベラトロール、ピセアタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、α-ビニフェリン、アンペロプシンA、アンペロプシンE、ジプトインドネシンC、ジプトインドネシンF、ε-ビニフェリン、フレクスオソールA、グネチンH、ヘムスレヤノールD、ホペアフェノール、トランス-ジプトインドネシンB、アストリンギン、ピセイドおよびジプトインドネシンAが挙げられる。さらなる実施態様において、スチルベノイドは、合成物、半合成物または誘導体である。
特定の実施態様において、別の化学療法剤は、細胞毒性抗生物質である。ある実施態様において、細胞毒性抗生物質は、以下に限らないが、アクチノマイシン、アントラセンジオン、アントラサイクリン、サリドマイド、ジクロロ酢酸、ニコチン酸、2-デオキシグルコースおよび/またはクロファジミンである。ある実施態様において、アクチノマイシンは、以下に限らないが、アクチノマイシンD、バシトラシン、コリスチン(ポリミキシンE)および/またはポリミキシンBである。別の実施態様において、アントラセンジオンは、以下に限らないが、ミトキサントロンおよび/またはピクサントロンである。さらなる実施態様において、アントラサイクリンは、以下に限らないが、ブレオマイシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ダウノルビシン(ダウノマイシン)、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン、プリカマイシンおよび/またはバルルビシンである。さらなる実施態様において、細胞毒性抗生物質は、合成物、半合成物または誘導体である。
特定の実施態様において、別の化学療法剤は、エンドスタチン、アンジオゲニン、アンジオスタチン、ケモカイン、アンジオアレスチン、アンジオスタチン(プラスミノーゲンフラグメント)、基底膜コラーゲン誘導性の抗血管形成因子(タムスタチン、カンスタチン、またはアレスチン)、抗血管形成アンチトロンビンIII、シグナル伝達阻害剤、軟骨由来阻害剤(CDI)、CD59補体フラグメント、フィブロネクチンフラグメント、GRO-β、ヘパリナーゼ、ヘパリン六糖フラグメント、ヒト絨毛ゴナドロピン(hCG)、インターフェロンα/β/γ、インターフェロン誘導性タンパク質(IP-10)、インターロイキン-12、クリングル5(プラスミノーゲンフラグメント)、メタロプロテアーゼ阻害剤(TIMP)、2-メトキシエストラジオール、胎盤リボヌクレアーゼ阻害剤、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤、血小板第4因子(PF4)、プロラクチン16kDフラグメント、プロリフェリン関連タンパク質(PRP)、様々なレチノイド、テトラヒドロコルチゾール-S、トロンボスポンジン-1(TSP-1)、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)、バスキュロスタチン、バソスタチン(カルレティキュリンフラグメント)などから選択される。
特定の実施態様において、別の化学療法剤は、アビラテロン酢酸エステル、アルトレタミン、アンヒドロビンブラスチン、アウリスタチン、ベキサロテン、ビカルタミド、BMS 184476、2,3,4,5,6-ペンタフルオロ-N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、ブレオマイシン、N,N-ジメチル-L-バリル-L-バリル-N-メチル-L-バリル-L-プロリル-1-Lプロリン-t-ブチルアミド、カケクチン、セマドチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、3',4'-ジデヒドロ-4'-デオキシ-8'-ノルビン-カロイコブラスチン、ドセタキソール、ドセタキセル、シクロホスファミド、カルボプラチン、カルムスチン、シスプラチン、クリプトフィシン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン(DTIC)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デシタビン、ドラスタチン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エトポシド、5-フルオロウラシル、フィナステリド、フルタミド、ヒドロキシ尿素およびヒドロキシ尿素タキサン類、イホスファミド、リアロゾール、ロニダミン、ロムスチン(CCNU)、MDV3100、メクロレタミン(窒素マスタード)、メルファラン、イセチオン酸ミボブリン、リゾキシン、セルテネフ、ストレプトゾシン、マイトマイシン、メトトレキサート、タキサン類、ニルタミド、オナプリストン、パクリタキセル、プレドニムスチン、プロカルバジン、RPR109881、エストラムスチンリン酸、タモキシフェン、タソネルミン、タキソール、トレチノイン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン硫酸塩、およびビンフルニンから選択される。
特定の実施態様において、別の化学療法剤は、白金、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、メクロレタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、アザチオプリン、メルカプトプリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシン、エトポシドおよびテニポシド、パクリタキセル、ドセタキセル、イリノテカン、トポテカン、アムサクリン、エトポシド、エトポシドホスフェート、テニポシド、5-フルオロウラシル、ロイコボリン、メトトレキサート、ゲムシタビン、タキサン、ロイコボリン、マイトマイシンC、テガフール・ウラシル、イダルビシン、フルダラビン、ミトキサントロン、イホスファミドおよびドキソルビシンである。別の薬剤には、mTOR阻害剤(哺乳類ラパマイシン標的タンパク質)を含み、以下に限らないが、ラパマイシン、エベロリムス、テムシロリムスおよびデホロリムスが挙げられる。
さらに別の実施態様において、別の化学療法剤は、米国特許第7,927,613号に詳述されるものから選択され得る。
また別の実施態様において、この方法は、(i)1つ以上の抗真菌剤(例えば、ビホナゾール、ブトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、ケトコナゾール、ルリコナゾール、ミコナゾール、オモコナゾール、オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール、アルバコナゾール、エフィナコナゾール、エポキシコナゾール、フルコナゾール、イサブコナゾール、イトラコナゾール、ポサコナゾール、プロピコナゾール、ラブコナゾール、テルコナゾール、ボリコナゾール、アバファンギン、アモロルフィン、ブテナフィン、ナフチフィン、テルビナフィン、アニデュラファンギン、カスポファンギン、ミカファンギン、安息香酸、シクロピロクス、フルシトシン、5-フルオロシトシン、グリセオフルビン、ハロプロジン、トルナフタート、ウンデシレン酸、およびペルーバルサムの群から選択される)ならびに(ii)1つ以上の抗生物質(例えば、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、トブラマイシン、パロモマイシン、ストレプトマイシン、スペクチノマイシン、ゲルダナマイシン、ハービマイシン、リファキシミン、ロラカルベフ、エルタペネム、ドリペネム、イミペネム、シラスタチン、メロペネム、セファドロキシル、セファゾリン、セファロチン、セファロシン、セファレキシン、セファクロル、セファマンドール、セフォキシチン、セフプロジル、セフロキシム、セフィキシム、セフジニル、セフジトレン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフェピム、セフタロリンフォサミル、セフトビプロール、テイコプラニン、バンコマイシン、テラバンシン、ダルババンシン、オリタバンシン、クリンダマイシン、リンコマイシン、ダプトマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイシン、テリスロマイシン、スピラマイシン、アズトレオナム、フラゾリドン、ニトロフラントイン、リネゾリド、ポジゾリド、ラデゾリド、トレゾリド、アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メズロシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリンG、ペニシリンV、ピペラシリン、ペニシリンG、テモシリン、チカルシリン、アモキシシリン、カラブラン酸塩、アンピシリン、スルバクタム、ピペラシリン、タゾバクタム、チカルシリン、クラブラン酸塩、バシトラシン、コリスチン、ポリミキシンB、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、マフェニド、スルファセタミド、スルファジアジン、スルファジアジン銀、スルファジメトキシン、スルファメトキサゾール、スルファニルアミド、スルファサラジン、スルフイソキサゾール、スルファメトキサゾール・トリメトプリム、スルファミドクリソイジン、デメクロサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、クロファジミン、ダプソン、カプレオマイシン、シクロセリン、エタンブトール、エチオナミド、イソニアジド、ピラジナミド、リファンピシン、リファブチン、リファペンチン、ストレプトマイシン、アルスフェナミン、クロラムフェニコール、ホスホマイシン、フシジン酸、メトロニダゾール、ムピロシン、プラテンシマイシン、キヌプリスチン、ダルホプリスチン、チアンフェニコール、チゲサイクリン、チニダゾール、トリメトプリム、およびテイクソバクチンの群から選択される)の1つまたは両方を投与することをさらに含み得る。
特定の実施態様において、第2の治療剤または治療法は、化学物質を接触または投与する前(例えば、約1時間前、または約6時間前、または約12時間前、または約24時間前、または約48時間前、または約1週間前、または約1ヶ月前)に、対象に投与される。
他の実施態様において、第2の治療剤または治療法は、化学物質を接触または投与するのとほぼ同時に、対象に投与される。例として、第2の治療剤または治療法および化学物質は、同一剤形で同時に対象に提供される。別の例として、第2の治療剤または治療法および化学物質は、対象に同時に異なる剤形で提供される。
さらに別の実施態様において、第2の治療剤または治療法は、化学物質を接触または投与した後(例えば、約1時間後、または約6時間後、または約12時間後、または約24時間後、または約48時間後、または約1週間後、または約1ヶ月後)に、対象に投与される。
患者の選択
一部の実施態様において、本明細書に記載の方法は、前記治療が必要な対象(例えば患者)を同定する工程(例えば、生検、内視鏡または当業者には既知の他の従来法による)をさらに含む。ある実施態様において、NLRP3タンパク質は、特定のがん種のバイオマーカーとして機能し得る。
一部の実施態様において、本明細書に記載の化学物質群、方法、および組成物は、特定の治療耐性のある患者集団(例えば、チェックポイント阻害剤に耐性のある患者)に投与され得る。
一部の実施態様において、本発明の化合物は、治療に用いられてもよい。ある実施態様において、本発明は、治療において同時に、別々に、または連続的に使用するための、本発明の化合物、またはその医薬的に許容される塩、および別の治療剤の組み合わせ製剤を提供する。
一部の実施態様において、本発明の化合物、またはその医薬的に許容される塩、またはそれを含む医薬組成物は、薬剤として用いられ得る。ある実施態様において、本発明の化合物は、がん治療のための薬剤の製造に用いられ得る。
特定の実施態様において、本発明の化合物は、NLRP3活性を調節するための薬剤の製造に用いられてもよい。特定の実施態様においてその調節は、NLRP3を刺激することを含む。
(製造方法)
当業者に理解され得るように、本明細書の式の化合物の合成方法は、当業者に明かである。例えば、本明細書に記載の化合物は、例えば、1つ以上の本明細書に記載の方法および/または例えば、US 2015/0056224に記載の方法を用いて合成され得る。本明細書に記載の化合物を合成する際に有用な、合成における化学変換および保護基の方法論(保護および脱保護)は当業者に既知であり、例えば、Larock, R.C., Comprehensive Organic Transformations, 2nd Edition, Wiley-VCH, New York, NY(1999); Wuts, P.G.M., Greene's Protective基 in Organic Synthesis, 5th Edition, Wiley(2014);L. Fieser and M. Fieser, Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1994);およびL. Paquette, ed., Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1995)、およびその続編に記載されるものを含む。本発明の化合物の製造に用いられる出発物質は公知であり、既知の方法によって製造されるか、または市販品として入手可能である。当業者は、本明細書に記載の条件および試薬が、当分野において認められる代替物で置き換えられ得ることも認識している。例えば、多くの反応において、トリエチルアミンは、その他の塩基、例えば非求核性塩基(例えばジイソプロピルアミン、1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エン、2,6-ジ-tert-ブチルピリジン、またはテトラブチルホスファゼン)で置き換えられ得る。
当業者は、本明細書に記載の化合物の特徴分析を行なうために使用し得る様々な分析方法、例えば、1H NMR、ヘテロ核NMR、質量分析法、液体クロマトグラフィー、および赤外分光法を認識している。上記方法は、当業者が利用できる特性分析方法の一部であり、限定を意図するものではない。
次の略語は下記に示された意味を有する。
Figure 0007573622000015
Figure 0007573622000016
本発明の化合物は、有機合成の当業者に周知の様々な方法で製造され得る。本発明の化合物は、下記に記載の方法、有機化学合成の当業者に公知の合成方法、または当業者に認められているその変形方法と共に用いて合成され得る。好ましい方法には、以下に限らないが、下記に記載の方法が挙げられる。
本発明の化合物は、このセクションに記載の反応および技法を用いて製造され得る。該反応は、用いる試薬および物質に適した溶媒中で実施され、もたらされる変換に適切である。また、以下に記載の合成方法の説明において、提示した反応条件(溶媒の選択、反応雰囲気、反応温度、実験時間およびワ-クアップ方法を含む)は全て、該反応の標準である条件となるように選択されていると理解され、それは当業者によって容易に認識されるべきである。分子の様々な部分に存在する官能基が、提示された試薬および反応に適合しなければならないことは、有機合成の分野の当業者により理解される。反応条件に適合する置換基がそのように制限されることは当業者にとっては容易に明白であり、代替方法が用いられなくてはならない。該反応は本発明の所望の化合物を得るために、合成ステップの順序の変更またはある特定の反応過程を異なるものに選択する判断が必要な場合もある。また、この分野のあらゆる合成経路計画における、もう1つの重要な検討対象は、本発明に記載の所望の化合物に存在する反応性官能基の保護に用いる適切な保護基の選択であると認識される。
本発明の化合物は、このセクションおよび付随するスキームに記載の反応および技法を用いて製造され得る。
式(I)の化合物の合成は、スキーム1に要約した方法を用いて達成される。
Figure 0007573622000017
Figure 0007573622000018
ステップ1:スキーム1の第1ステップは、適切な官能基を有するキノリノール(i)から出発する。所望により、基R9、R10、R11、およびR12は、式(I)の化合物中の基R2、R3、R4、およびR5であり得る。あるいは、1以上のこれらの基は、合成の終盤で修飾され得る基(例えばブロモ)であってもよい。このキノリノールは、市販で入手され得るか、または当業者に公知の方法で製造され得る。スキーム1のステップ1において、ニトロ化生成物(ii)は、化合物(i)を適切なニトロ化試薬(例えば硝酸)で、適切な溶媒(例えばプロピオン酸)中、適当な温度(例えば120℃)で処理することにより、製造され得る。
ステップ2:スキーム1のステップ2において、化合物(ii)のアルコール基は、ハロゲンまたはスルホン酸エステル(例えばクロロ、ブロモ、またはトリフラート)に変換され得る。所望の基Yがクロロである場合、この変換は化合物(ii)を溶媒(例えばDMF)中、試薬(例えば塩化ホスホリル)を用いて適当な温度(例えば70℃)で処理することにより達成され得る。あるいは、所望の基Yがブロモである場合、この変換は溶媒(例えばDMF)中、化合物(ii)を試薬(例えば三臭化リン)で処理することにより達成され得る。あるいは、所望の基Yがトリフラートである場合、この変換は化合物(ii)を溶媒(例えばジクロロメタン)中、試薬(例えばトリフルオロメタンスルホニルクロライドおよび4-ジメチルアミノピリジン)、および塩基(例えばヒューニッヒ塩基)で処理することにより達成され得る。
ステップ3:スキーム1のステップ3において、化合物(iii)のハロゲンYは、化合物(iv)の窒素-R13基に変換され得る。基R13は、最終化合物の所望の基R1であり得るか、あるいは、合成の終盤で基R1に変換され得る基であってもよい。当業者は、この変換を効果的に行う方法が、窒素-R13基およびYの性質によることを認識している。例えば、Yがクロロである場合、この変換は、化合物(iii)を適当な溶媒(例えばアセトニトリル)中、適切な置換アミン、または水酸化アンモニウムと適切な温度(例えば40℃)で加熱することにより達成され得る。
ステップ4:スキーム1のステップ4において、化合物(iv)のニトロ基は、適切な溶媒(例えば酢酸エチル)中、適切な還元剤(例えば塩化スズ(II)二水和物)と適当な温度で(例えば還流)処理することにより、アミン(v)に変換され得る。
ステップ5:スキーム1のステップ5において、Z-R14基は、基R6であり得る。あるいは、Z基へのR14の置換は、後のステップでさらに変換される保護基(例えばBocまたはCbz)であり得る。ステップ5は、化合物(v)を塩基(例えばピリジン)の存在下、適切な溶媒(例えば酢酸エチルまたはDMF)中、適切に活性化されたカルボン酸、カップリング剤(例えば1-プロパンホスホン酸無水物)を用いて適当な温度(例えば室温)で処理することにより化合物(vi)が得られうる。
ステップ6:スキーム1のステップ6において、化合物(vi)は、適切な溶媒(例えばエタノール)中、ヒドロキシド塩基(例えば水酸化ナトリウム)を用いて適当な温度(例えば80℃)で処理され、環状化合物(vii)が得られうる。
ステップ7:スキーム1のステップ7において、化合物(vii)は、適当な溶媒(例えばDCM)中、適当な酸化剤(例えばメタクロロ過安息香酸)で処理することにより、N-オキシド(viii)に変換され得る。
ステップ8:スキーム1のステップ8において、化合物(viii)は、適当な溶媒(例えばDCM)中、適当な活性化試薬(例えば塩化トシル)、およびアンモニア源(例えば水酸化アンモニウムまたは塩化アンモニウムおよびトリエチルアミンの混合物)で処理することにより、アミン(ix)に変換され得る。
ステップ9:スキーム1のステップ9は、化合物(ix)中の基R11を分子(x)中の基R4に変換させる1ステップまたは一連のステップである。例えば、R11がブロモであり、所望の基R4が芳香族またはヘテロ芳香族である場合、この変換は、化合物(ix)を適当な混合溶媒(例えばジオキサンおよび水)中、適宜保護された芳香族またはヘテロ芳香族ボロン酸またはホウ酸エステル、触媒(例えばPdCl2(dppf)-DCM錯体)、および塩基(例えばリン酸三カリウム)と反応させることにより達成され得る。導入された基が保護基を含む場合、さらに所望により、適当な条件下で保護基を除去するステップを適宜行ってもよい。例えば、導入された基がテトラヒドロピラン保護基を有するピラゾールであった場合、溶媒(例えばジクロロメタン)中、テトラヒドロピランは酸(例えばトリフルオロ酢酸)と反応させることで除去してもよい。あるいは、R11がブロモであり、所望の基R4が芳香族またはヘテロ芳香族である場合、この変換は最初に化合物(ix)を溶媒(例えばジオキサン)中、化合物(例えばビス(ピナコラト)ジボロン)、試薬(例えば酢酸カリウム)、および触媒(例えばPdCl2(dppf)-DCM錯体)と反応させ、次いで適当な混合溶媒(例えばジオキサンおよび水)中、得られたホウ酸エステルを適当なアリールまたはヘテロアリールハライド、塩基(例えば炭酸ナトリウム)、および触媒(例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0))と反応させることにより達成され得る。あるいは、R11がブロモであり、所望の基R4が窒素原子で架橋されたヘテロ環である場合、このステップは、化合物(ix)を適当な溶媒(例えばDMSO)中、銅源(例えばヨウ化銅(I))、塩基(例えば炭酸ナトリウム)、およびリガンド(例えばN,N'-ジメチルエタン-1,2-ジアミン)の存在下で適当なヘテロ環と反応させることで達成され得る。
ステップ10:スキーム1のステップ10は、R14が保護基(例えばBocまたはCbz基)である場合の任意のステップである。この変換は、適当な溶媒(例えばジオキサン)中、化合物(x)を酸(例えばトリフルオロ酢酸(原液)または塩酸)と処理することにより、化合物(xi)が得られうる。
ステップ11:スキーム1のステップ11は、化合物(xi)のZ-H基が、所望によりさらに修飾されて化合物(xii)中のR6基に変換され得る場合の任意のステップである。この変換は化合物(xi)を適切な溶媒(例えばDMF)中、適切な塩基(例えばヒューニッヒ塩基)の存在下で適切に活性化させたカルボン酸および適切なカップリング剤(例えば1-プロパンホスホン酸無水物)と適当な温度(例えば室温)で処理することにより達成され得る。
ステップ12:スキーム1のステップ12は、化合物(xii)中の基R9、R10、R12、およびR13を式(I)の化合物中の基R2、R3、R5、およびR1に変換させるための任意の1ステップまたは一連のステップである。
当業者は多数の上記ステップが、式(I)の化合物中の所望の基により別の順番で実施され得ることを認識している。例えば、一部の分子において、ステップ9に記載の基R11からR4への変換は、ステップ11に記載の基Z-R14から基R6への変換の後に行われてもよい。
(生物活性評価)
PMA分化THP-1細胞におけるIL-1β生成の測定
THP-1細胞は、American Type Culture Collectionから購入し、サプライヤーの取扱説明書に従って継代培養を行った。実験前に、細胞をRPMI 1640(10%加熱不活性化FBS、ペニシリン(100ユニット/mL)およびストレプトマイシン(100μg/mL)含有)中で培養し、実験準備を行う前に対数増殖期で保持した。実験前に、THP-1をPMA(ホルボール12-ミリステート13-アセテート、10μg/mL)で24時間処理した。実験日に培養液を除去し、接触させる細胞をトリプシンで2分間処理し、細胞を次いで回収し、PBS(リン酸緩衝食塩水)で洗浄し、遠沈し、RPMI(2%加熱不活性化FBS含有)に1x106細胞/mLの濃度で再懸濁し、100μLを96ウェルプレートに播種した。化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、所望の濃度(例えば100、30、10、3、1、0.3または0.1μM)になるまで培地に加えた。細胞を、化合物と共に4時間インキュベートした。細胞を含まない上清を回収し、IL-1βの生成をELISAにより評価した。ビークルのみのコントロールを各実験に対して同時に行った。最終的なDMSO濃度は1%であった。化合物は、PMA分化THP-1細胞において、用量に応じてIL-1β生成の増加を示した。
PMA分化THP-1細胞におけるIL-1β生成の測定(別法)
THP-1細胞は、American Type Culture Collectionから購入し、サプライヤーの取扱説明書に従って継代培養を行った。実験前に、細胞をRPMI 1640(10%加熱不活性化FBS、ペニシリン(100ユニット/mL)、ストレプトマイシン(100μg/mL)、HEPES(10mM)およびピルビン酸ナトリウム(1mM)含有)中で培養し、実験準備を行う前に対数増殖期で保持した。実験前に、THP-1細胞をPMA(ホルボール12-ミリステート13-アセテート、20μg/mL)で終夜処理した。実験日に培養液を除去し、接触する細胞をトリプシンで2分間処理し、細胞を次いで回収し、PBS(リン酸緩衝食塩水)で洗浄し、遠心分離によりペレット状にし、384ウェルプレート中、RPMI(2%加熱不活性化FBS含有)に50,000細胞/ウェルの濃度で再懸濁した。細胞を含まない上清を回収し、IL-1βの生成をELISAにより評価した。化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、所望の濃度(例えば100、30、10、3、1、0.3または0.1μM)になるまで培地に加えた。細胞を化合物と共に2時間インキュベートした。ビークルのみのコントロールを各実験に対して同時に行った。最終的なDMSO濃度は1%であった。化合物は、PMA分化THP-1細胞において、用量に応じてIL-1β生成の増加を示した。
IL-1β生成の測定-hTRFプロトコル(第2の別法)
化合物のDMSO溶液の段階希釈液を低容量384ウェルプレートに、ECHO 550 acoustic dispenser(Labcyte)を用いて100nL/ウェルで加え、アッセイ中の最終的な出発濃度が10μMになるようにした。
T175フラスコ中の、10%FBS含有RPMI(Gibco,11875)培地中の1x106細胞/mLの密度のTHP-1細胞を、分化させるために、最終濃度が50ng/mLのホルボール12-ミリステート13-アセテート(PMA、Sigma,P1585)で終夜37℃、5%CO2で処理した。dPBSでウェルを濯いだ翌日、0.5%トリプシンを用いて細胞を回収した。2%FBS含有RPMI培地中、50μL/ウェルで50,000細胞にあたる、1x106細胞/mLの細胞溶液を調製した。マルチチャンネルピペットを用いて、384ウェル黒色透明底組織培養処理プレート(Greiner,781090)中の化合物希釈液に、細胞を播種した。該プレートを37℃、5%CO2のインキュベーターで2時間インキュベートした。
2時間インキュベート後、該細胞プレートを、遠心機を用いて5分間1200rpmで回転させた。Felix(CyBio)を用いて、上清(8μL)を384ウェルの低容量白色ProxiPlate(Perkin Elmer,6008230)に移した。ヒトIL-1βのhTRFキット(CISBIO,62HIL1BPEG)を用いて上清を分析した。該キット説明書に従ってIL-1β検量線を作成し、次いでキットの抗体をキット説明書の1:20ではなく、1:40で希釈した。混合した時点で、プレートに5μL/ウェルで抗体を加えた。このプレートを密封し、4℃で終夜インキュベートした。このプレートを次いでhTRFレーザーを用いてPerkin Elmer EnVision(665/615nm)で測定した。化合物は用量に応じて、IL-1β生成の増加を示した。
IL-1β生成の測定-ヒト全血アッセイ
化合物のDMSO段階希釈液を低容量384ウェルプレートに、ECHO 550 acoustic dispenser(Labcyte)を用いて100nL/ウェルで、アッセイ中の最終的な出発濃度が10μMになるように加えた。
健常ドナーから得たヒト静脈全血を、1ng/mLのLPS(Invivogen,Cat#tlrl-eblps)で、95%空気/5%CO2の加湿インキュベーター中、37℃で4時間予め処理した。処理した血液を化合物のプレートに加え、さらに37℃で4時間インキュベートした。上清中のIL-1βを、AlphLISAキット(Cat#AL220)を用いてメーカーの説明書に従って測定した。化合物は、用量に応じてIL-1β生成の増加を示した。EC50は、前処理は行ったが化合物では処理していない血液をベースラインとして用いて決定した。
IL-1β生成の測定-マウスhTRFプロトコル
C57BL/6マウス由来の不死化マウスマクロファージを、Eicke Latz氏(University of Bonn/University of Massachusetts Worcester(MA))から得た。該細胞を、0.05%トリプシンを用いて回収し、PBSで洗浄した。細胞を2%FBS含有DMEM(Gibco,11965)の25μL中、30,000細胞/ウェルで播種し、37℃、5%CO2で10分間インキュベートした。LPS-EB(Invivogen、tlr-eblps)を、5μL/ウェルで最終濃度が200ng/mLになるまで加え、細胞を37℃、5%CO2で2時間インキュベートした。
化合物のDMSO段階希釈液を低容量384ウェルプレート中の細胞に、ECHO 550 acoustic dispenser(Labcyte)を用いて60nL/ウェルで、アッセイ中の最終的な出発濃度が50μMになるように加え、化合物と共に37℃、5%CO2でさらに2時間インキュベートした。
2時間インキュベート後、該細胞プレートを、遠心機を用いて5分間1200rpmで回転させた。Felix(CyBio)を用いて、上清(8μL)を384ウェルの低容量白色ProxiPlate(Perkin Elmer,6008230)に移した。ヒトIL-1βのhTRFキット(CISBIO,62MIL1BPEH)を用いて上清を分析した。該キット説明書に従ってIL-1β検量線を作成した(キットの抗体はキット説明書の1:20ではなく、1:40で希釈した)。混合した時点で、プレートに5μL/ウェルで抗体を加えた。このプレートを密封し、4℃で終夜インキュベートした。このプレートをhTRFレーザーを用いてPerkin Elmer EnVision(665/615nm)で測定した。次いでデータをIL-1βのpg/mL量に変換した。化合物は、用量に応じてIL-1β生成の増加を示した。
インビトロヒトTLR7およびTLR8バインディングレポーターアッセイ
TLR7またはTLR8遺伝子およびNF-kB/AP1誘導性SEAP(分泌型胎盤アルカリホスファターゼ;Invivogen,San Diego(CA))レポーター遺伝子が共発現し、対数関数的に増殖するヒトHEK-Blue細胞を、384ウェルプレートの各ウェルに加え(15,000細胞/20μL/ウェル)、37℃、5%CO2で24時間静置した。翌日、試料化合物またはDMSOをacoustic liquid handling technologyを用いて各ウェルに分配(100nL/ウェル)し、細胞を続いて37℃、5%CO2で18時間インキュベートした。直前に調整したQUANTI-Blue試薬(メーカーの説明書に従って調製;Invivogen,San Diego(CA))をHEK-Blue TLR Nf-kB-SEAP細胞反応に加え、30分後にプレートリーダー機器(Envision)を用いて細胞のSEAP生成を測定した。あらゆるEC50値(半数効果濃度)は、独自のデータ分析ソフトウェアを用いて決定した。規格化EC50値とは、50μMの標準試料で処理した細胞から得た標準RLU(発光量)値を用いて、Yの最大値を100%と設定して定義される絶対値である。
(実施例)
前述の内容をさらに説明するために、以下に、限定されない、例示的な合成スキームを示す。特許請求の範囲におけるこれらの実施例のバリエーションは、当業者の専門技術の範囲内であり、ここで開示され、特許請求される本発明の範囲内であると考えられる。読者は、本開示を提供された当業者が、完全に例示されずとも本発明を製造し、使用し得ることを認識する。
(実施例の特性評価または精製に用いるHPLC/MSおよび分取/分析HPLCの方法)
分析HPLC/MSは以下の方法を用いて実施した。
方法A: カラム: Waters XBridge C18、2.1mm x50mm、粒子径: 1.7μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); 温度: 50℃; グラジエント: 0%B~100%Bで3分かけて溶出後、次いで100%Bで0.50分間溶出; 流速: 1mL/分; 検出: MSおよびUV(220nm)
方法B: カラム: Waters XBridge C18、2.1mm x50mm、粒子径: 1.7μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); 温度: 50℃; グラジエント: 0%B~100%Bで3分かけて溶出後、次いで100%Bで0.50分間溶出; 流速: 1mL/分; 検出: MSおよびUV(220nm)
方法C: カラム: Waters Acquity UPLC BEH C18、2.1x50mm、粒子径: 1.7μm; 移動相A: 水(0.05%TFA含有); 移動相B: アセトニトリル(0.05%TFA含有); 温度: 50℃; グラジエント: 2~98%Bで1.0分かけて溶出し、次いで98%Bで0.50分間溶出; 流速: 0.80mL/分; 検出: UV(254nm)
核磁気共鳴(NMR)分光法
化学シフトは、内部テトラメチルシラン(TMS)または重水素化NMR溶媒から推測されるTMSの位置から低磁場の百万分率(ppm)で表される。明らかな多重度は、シングレット-s、ダブレット-d、トリプレット-t、カルテット-q、またはマルチプレット-mと示した。ブロードなピークは、さらにbrと示した。積分値はおおよそである。ここで、積分強度、ピークの形状、化学シフトおよびカップリング定数は、溶媒、濃度、温度、pH、およびその他の要因によって変化し得ることに注意されたい。さらに、NMRスペクトル中の水または溶媒ピークと重複または交換されるピークは、信頼性のある積分強度を提供し得ない。一部のケースでは、不可視な重複ピーク、または形状および/または積分の変化が生じ得たNMRスペクトルは、水ピーク抑制を用いて得られうる。
実施例1. tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000019
1A. 7-ブロモ-3-ニトロキノリン-4-オール
Figure 0007573622000020
7-ブロモキノリン-4-オール(2.00g、8.93mmol)/プロピオン酸(15.36mL、205mmol)の均一な溶液に、120℃で撹拌しながら50μL/5分のペースで硝酸(750μL)を加えた。添加完了後、不均一な反応混合物を120℃で2時間撹拌した。室温に冷却後、エタノール(30mL、200proof)を加え、懸濁液を20分間撹拌した。固体を吸引濾過により回収し、エタノール(3x15mL)で洗浄し、減圧乾燥し、7-ブロモ-3-ニトロキノリン-4-オール(1.87g、6.95mmol、78%収率)を黄褐色固体として得た。LC/MS [M+H]+=269.1および271.1
1B. 7-ブロモ-4-クロロ-3-ニトロキノリン
Figure 0007573622000021
窒素雰囲気下、7-ブロモ-3-ニトロキノリン-4-オール(4.00g、14.87mmol)、POCl3(21mL、223mmol)およびN,N-ジメチルホルムアミド(1.0mL)の不均一混合物を、油浴中70℃で加熱した。得られた均一な反応混合物を70℃で4時間撹拌し、得られた沈殿を吸引濾過により回収した。回収フラスコを変え、固体を水で洗浄し、固体をジクロロメタンに溶解し、飽和炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。洗浄に用いた水をジクロロメタン(3x)で抽出し、有機層を合わせて飽和炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を合わせて減圧濃縮し、7-ブロモ-4-クロロ-3-ニトロキノリン(3.06g、10.64mmol、72%収率)を灰白色固体として得た。LC/MS [M+H]+=287.0および289.0
1C. 7-ブロモ-3-ニトロキノリン-4-アミン
Figure 0007573622000022
密封したチューブにいれた7-ブロモ-4-クロロ-3-ニトロキノリン(1.50g、5.22mmol)および水酸化アンモニウム(2.18mL、15.7mmol)/アセトニトリル(15mL)の溶液を、油浴中40℃で3時間撹拌し、この間に反応混合物は固化した。混合物をメタノールで希釈し、ソニケーションにより分散させた。固体を吸引濾過により回収し、メタノールで洗浄した。濾液を濃縮し、固体を合わせて7-ブロモ-3-ニトロキノリン-4-アミン(1.40g、5.17mmol、99%収率)を黄色固体として得た。LC/MS [M+H]+=268.0および270.0
1D. 7-ブロモキノリン-3,4-ジアミン
Figure 0007573622000023
7-ブロモ-3-ニトロキノリン-4-アミン(1.40g、5.22mmol)および塩化スズ(II)二水和物(4.24g、18.8mmol)/酢酸エチル(30mL)の不均一混合物を3時間加熱還流した。系は不均一なままであったが、分析により反応の完了が示された。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水層が透明になるまで2.5N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し(3x)、食塩水で洗浄した。有機層を回収し、水層を次に酢酸エチル(3x)で抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、7-ブロモキノリン-3,4-ジアミン(1.21g、5.08mmol、97%収率)を黄色固体として得た。LC/MS [M+H]+=238.1および240.1
1E. tert-ブチル(S)-3-((4-アミノ-7-ブロモキノリン-3-イル)カルバモイル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000024
7-ブロモキノリン-3,4-ジアミン(0.665g、2.79mmol)および(S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-3-カルボン酸(0.813g、3.55mmol)/酢酸エチル(15mL)の懸濁液に、室温でピリジン(1.13mL、14.0mmol)、続いて1-プロパンホスホン酸無水物(50wt%、DMF溶液、3.33mL、5.59mmol)を加えた。この添加中、粘着性物質が形成されたが、時間が経つにつれ溶解した。混合物を酢酸エチルで希釈し、1N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し(2x)、10%塩化リチウムで洗浄し(2x)、食塩水で洗浄した。有機層を回収し、水層を次に酢酸エチルで抽出した(3x)。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、tert-ブチル(S)-3-((4-アミノ-7-ブロモキノリン-3-イル)カルバモイル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1.26g、2.80mmol、100%収率)を黄褐色固体として得た。LC/MS [M+H]+=449.2および451.2
1F. tert-ブチル(S)-3-(7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000025
tert-ブチル(S)-3-((4-アミノ-7-ブロモキノリン-3-イル)カルバモイル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1.26g、2.80mmol)および水酸化ナトリウム(1.12g、28.0mmol)/エタノール(20mL)の混合物を、80℃の油浴中、2時間加熱した。この反応混合物を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチルおよび水に溶解した。有機層回収し、水で洗浄し、食塩水で洗浄した。水層を次に酢酸エチル(3x)で抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、tert-ブチル(S)-3-(7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1.21g、2.81mmol、100%収率)を黄色固体として得た。LC/MS [M+H]+=431.2および433.2
1G. tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000026
tert-ブチル(S)-3-(7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1.21g、2.81mmol)およびmCPBA(1.29g、5.61mmol)/ジクロロメタン(15mL)の溶液を室温で3時間撹拌し、水酸化アンモニウム(5.0mL)を滴下して加え、続いて塩化トシル(1.07g、5.61mmol)を加えて60分間撹拌した。均一な反応混合物をジクロロメタンで抽出し、有機層を回収した。少量の水酸化アンモニウムの層をジクロロメタン(2x)で抽出し、水層を水で希釈し、6N塩酸でpHを~5に調整し、酢酸エチルで抽出した(3x)。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をISCOフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(40gカラム、0%~10%メタノール/ジクロロメタン)で精製し、tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.728g、1.60mmol、57%収率)を黄褐色固体として得た。LC/MS [M+H]+=446.2および448.2
実施例1
tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.728g、1.63mmol)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.633g、3.26mmol)、およびリン酸三カリウム(2M水溶液、2.45mL、4.89mmol)/ジオキサン(10mL)の混合物を脱気し(3x; 真空/窒素)、1,1'-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(0.133g、0.163mmol)を加えた。混合物を脱気し(3x; 真空/窒素)、反応系を油浴中85℃で終夜撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、食塩水で洗浄した。有機層を回収し、水層を次に酢酸エチルで抽出した(3x)。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をISCOフラッシュクロマトグラフィー(40g; 1~10%メタノール/ジクロロメタン)で精製し、tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.517g、1.18mmol、72%収率)を黄褐色固体として得た。
実施例2. (S)-2-(ピペリジン-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン
Figure 0007573622000027
tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.517g、1.193mmol、実施例1)およびTFA(3mL)の均一な混合物を室温で45分間撹拌した。TFAを減圧除去し、得られた残渣をジオキサン(3x)で共沸し、(S)-2-(ピペリジン-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(0.395g、1.19mmol、99%収率)を淡黄色固体として得た。
実施例3. (S)-1-(3-(4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボニル)シクロプロパン-1-カルボニトリル
Figure 0007573622000028
(S)-2-(ピペリジン-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(0.020g、0.060mmol、実施例2)、1-シアノシクロプロパン-1-カルボン酸(10.0mg、0.090mmol)およびヒューニッヒ塩基(0.105mL、0.600mmol)/N,N-ジメチルホルムアミド(1.9mL)の混合物に、1-プロパンホスホン酸無水物(50wt%DMF溶液、0.039mL、0.066mmol)を加え、60分間振とうさせた。この反応混合物を0.45μmのPTFE濾過フィルターおよびGMFろ紙(Whatman)を用いて濾過し、SCPにより精製した。粗製物質を分取LC/MS(条件: カラム: XBridge C18、200mm x19mm、粒子径: 5μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); グラジエント: 0%Bで0分間溶出し、0~40%Bで20分かけて溶出後、次いで100%Bで4分間溶出; 流速: 20mL/分; カラム温度: 25℃)で精製した。フラクションはMSシグナルで判定して回収した。所望の生成物を含むフラクションを合わせて遠心エバポレーターで乾燥し、(S)-1-(3-(4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボニル)シクロプロパン-1-カルボニトリル(9mg、30%収率)を黄色固体として得た。
実施例3の別法
(S)-2-(ピペリジン-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(0.076g、0.228mmol、実施例2)、1-シアノシクロプロパン-1-カルボン酸(0.038g、0.342mmol)およびヒューニッヒ塩基(0.398mL、2.28mmol)/N,N-ジメチルホルムアミド(3mL)の混合物に、1-プロパンホスホン酸無水物(50wt%DMF溶液、0.149mL、0.251mmol)を加え、反応を室温で終夜撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、1N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、食塩水で洗浄した。有機層を回収し、水層を次に酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。ISCOフラッシュシリカクロマトグラフィー(4gカラム; 0~10%メタノール/ジクロロメタン)により精製し、(S)-1-(3-(4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボニル)シクロプロパン-1-カルボニトリル(0.056g、0.126mmol、55.3%収率)を黄色固体として得た。
実施例4. (S)-1-(3-(4-アミノ-1-エチル-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-イル)プロパン-1-オン
Figure 0007573622000029
4A. 7-ブロモ-N-エチル-3-ニトロキノリン-4-アミン
Figure 0007573622000030
密封したチューブに入れた7-ブロモ-4-クロロ-3-ニトロキノリン(1.50g、5.22mmol、1B)およびエタンアミン(2.0M、MeOH溶液、5.22mL、10.4mmol)/アセトニトリル(16mL)の溶液を油浴中40℃で3時間撹拌し、この間に反応混合物は固化した。混合物をメタノールで希釈し、ソニケーションにより分散させた。固体を吸引濾過により回収し、メタノールで洗浄し、濾液を濃縮し、固体を合わせて7-ブロモ-N-エチル-3-ニトロキノリン-4-アミン(1.55g、5.23mmol、100%収率)を黄色固体として得た。LC/MS [M+H]+=296.1および298.1
4B. 7-ブロモ-N4-エチルキノリン-3,4-ジアミン
Figure 0007573622000031
7-ブロモ-N-エチル-3-ニトロキノリン-4-アミン(1.55g、5.23mmol)および塩化スズ(II)二水和物(4.25g、18.8mmol)/酢酸エチル(30mL)の不均一混合物を3時間加熱還流した。系は不均一なままであったが、分析により反応の完了が示された。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水層が透明になるまで2.5N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し(3x)、食塩水で洗浄した。有機層を回収し、水層を次に酢酸エチルで抽出した(3x)。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、7-ブロモ-N4-エチルキノリン-3,4-ジアミン(1.27g、4.77mmol、91%収率)を黄色固体として得た。LC/MS [M+H]+=266.1および268.1
4C. tert-ブチル(S)-3-((7-ブロモ-4-(エチルアミノ)キノリン-3-イル)カルバモイル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000032
7-ブロモ-N4-エチルキノリン-3,4-ジアミン(1.27g、4.77mmol)および(S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-3-カルボン酸(1.31g、5.73mmol)/酢酸エチル(25mL)の懸濁液に、室温でピリジン(1.93mL、23.9mmol)、続いて1-プロパンホスホン酸無水物(50wt%DMF、5.68mL、9.54mmol)を加えた。この添加中、粘着性物質が形成されたが、時間が経つにつれて溶解した。混合物を酢酸エチルで希釈し、1N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し(2x)、10%塩化リチウムで洗浄し(2x)、食塩水で洗浄した。有機層を回収し、水層を次に酢酸エチルで抽出した(3x)。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、tert-ブチル(S)-3-((7-ブロモ-4-(エチルアミノ)キノリン-3-イル)カルバモイル)ピペリジン-1-カルボキシレート(2.27g、4.75mmol、100%収率)を黄褐色固体として得た。LC/MS [M+H]+=477.3および479.3
4D. tert-ブチル(S)-3-(7-ブロモ-1-エチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000033
tert-ブチル(S)-3-((7-ブロモ-4-(エチルアミノ)キノリン-3-イル)カルバモイル)ピペリジン-1-カルボキシレート(2.27g、4.75mmol)および水酸化ナトリウム(1.90g、47.5mmol)/EtOH(35mL)の混合物を、油浴中80℃で2時間加熱した。この反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルおよび水に溶解した。有機層を回収し、水で洗浄し、食塩水で洗浄した。水層を次に酢酸エチルで抽出し(3x)、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。続いてISCOフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(80gカラム; 0~10%メタノール/ジクロロメタン)により精製し、tert-ブチル(S)-3-(7-ブロモ-1-エチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1.88g、4.09mmol、86%収率)を薄褐色固体として得た。LC/MS [M+H]+=459.3および461.3
4E. tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-7-ブロモ-1-エチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000034
tert-ブチル(S)-3-(7-ブロモ-1-エチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1.88g、4.09mmol)およびmCPBA(1.88g、8.18mmol)/ジクロロメタン(22mL)の溶液を室温で3時間撹拌し、水酸化アンモニウム(7.33mL)を滴下して加え、続いて塩化トシル(1.56g、8.18mmol)を加え、60分間撹拌した。均一な反応混合物をジクロロメタンで抽出し、有機層を回収した。水酸化アンモニウム層を水で希釈し、ジクロロメタン(3x)で抽出し、減圧濃縮した。続いてISCOフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(80gカラム; 0%~10%メタノール/ジクロロメタン)を用いて精製を試みたが、不純物から生成物を分離することは出来なかった。再度精製(0~5%)し、tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-7-ブロモ-1-エチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.412g、0.868mmol、21%収率)を黄褐色固体として得た。LC/MS [M+H]+=474.3および476.3
4F. tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-1-エチル-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000035
tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-7-ブロモ-1-エチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.406g、0.856mmol)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.332g、1.71mmol)、およびリン酸三カリウム(2M水溶液、1.3mL、2.57mmol)/ジオキサン(6mL)の混合物を脱気し(3x; 真空/窒素)、1,1'-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(0.070g、0.086mmol)を加え、混合物を脱気した(3x; 真空/窒素)。反応系を油浴中85℃で終夜撹拌し、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、食塩水で洗浄した。有機層を回収し、水層を次に酢酸エチル(3x)で抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をISCOフラッシュクロマトグラフィー(40g; 1~10%メタノール/ジクロロメタン)で精製し、tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-1-エチル-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.327g、0.701mmol、82%収率)を黄褐色固体として得た。LC/MS [M+H]+=462.5
4G. (S)-1-エチル-2-(ピペリジン-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン
Figure 0007573622000036
tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-1-エチル-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.327g、0.708mmol)およびTFA(3mL)の均一な混合物を室温で45分間撹拌し、TFAを減圧除去し、得られた残渣をジオキサン(3x)で共沸し、(S)-1-エチル-2-(ピペリジン-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(0.256g、0.708mmol、100%収率)を薄黄褐色固体として得た。
実施例4
(S)-1-エチル-2-(ピペリジン-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(0.021g、0.058mmol)、プロピオン酸(6.51μL、0.087mmol)、およびヒューニッヒ塩基(0.101mL、0.581mmol)/N,N-ジメチルホルムアミド(1.9mL)の混合物に、1-プロパンホスホン酸無水物(50wt%DMF溶液、0.038mL、0.064mmol)を加え、60分間振とうした。この反応混合物を0.45μmのPTFE濾過フィルターおよびGMFろ紙(Whatman)を用いて濾過し、SCPで精製した。粗製物質を分取LC/MS(条件: カラム: XBridge C18、200mm x19mm、粒子径: 5μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); グラジエント: 8%Bで0分間溶出後、8~48%Bで23分かけて溶出し、次いで100%Bで6分間溶出; 流速: 20mL/分; カラム温度: 25℃)で精製し、フラクションはMSシグナルで判定して回収した。所望の生成物を含むフラクションを合わせて遠心エバポレーターで乾燥し、(S)-1-(3-(4-アミノ-1-エチル-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-イル)プロパン-1-オン(22mg、87%収率)を得た。
実施例5. (S)-1-(3-(4-アミノ-1-イソプロピル-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-イル)プロパン-1-オン
Figure 0007573622000037
5A. 7-ブロモ-N-イソプロピル-3-ニトロキノリン-4-アミン
Figure 0007573622000038
密封したチューブに入れた7-ブロモ-4-クロロ-3-ニトロキノリン(1.00g、3.48mmol、1B)およびイソプロピルアミン(0.596mL、6.96mmol)/アセトニトリル(10mL)の溶液を油浴中40℃で3時間撹拌した。この間に反応混合物は固化した。混合物をメタノールで希釈し、ソニケーションにより分散させた。得られた固体を吸引濾過により回収し、メタノールで洗浄し、濾液を濃縮し、固体を合わせて7-ブロモ-N-イソプロピル-3-ニトロキノリン-4-アミン(1.08g、3.48mmol、100%収率)を黄色固体として得た。LC/MS [M+H]+=310.2および312.2
5B. 7-ブロモ-N4-イソプロピルキノリン-3,4-ジアミン
Figure 0007573622000039
7-ブロモ-N-イソプロピル-3-ニトロキノリン-4-アミン(1.08g、3.48mmol)および塩化スズ(II)二水和物(2.83g、12.5mmol)/酢酸エチル(20mL)の不均一混合物を3時間加熱還流した。系は不均一なままであったが、分析により反応の完了が示された。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水層が透明になるまで2.5N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し(3x)、水で洗浄し、食塩水で洗浄した。有機層を回収し、水層を次に酢酸エチルで抽出した(3x)。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、7-ブロモ-N4-イソプロピルキノリン-3,4-ジアミン(0.831g、2.97mmol、85%収率)を黄色固体として得た。LC/MS [M+H]+=280.2および282.2
5C. tert-ブチル(S)-3-((7-ブロモ-4-(イソプロピルアミノ)キノリン-3-イル)カルバモイル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000040
7-ブロモ-N4-イソプロピルキノリン-3,4-ジアミン(0.831g、2.97mmol)および(S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-3-カルボン酸(0.816g、3.56mmol)/酢酸エチル(16mL)の懸濁液に、室温でピリジン(1.199mL、14.83mmol)、続いて1-プロパンホスホン酸無水物(50wt%DMF溶液、3.53mL、5.93mmol)を加えた。添加中、粘着性物質が形成されたが、時間が経つにつれて溶解した。混合物を酢酸エチルで希釈し、1N水酸化ナトリウム水溶液(2x)で洗浄し、10%塩化リチウム(2x)で洗浄し、食塩水で洗浄した。有機層を回収し、水層を次に酢酸エチル(3x)で抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、tert-ブチル(S)-3-((7-ブロモ-4-(イソプロピルアミノ)キノリン-3-イル)カルバモイル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1.46g、2.97mmol、100%収率)を薄褐色固体として得た。LC/MS [M+H]+=491.3および493.3
5D. tert-ブチル(S)-3-(7-ブロモ-1-イソプロピル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000041
tert-ブチル(S)-3-((7-ブロモ-4-(イソプロピルアミノ)キノリン-3-イル)カルバモイル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.779g、1.585mmol)および水酸化ナトリウム(0.634g、15.85mmol)/エタノール(15mL)の混合物を油浴中80℃で終夜加熱した。この反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルおよび水に溶解し、有機層を回収し、水で洗浄し、食塩水で洗浄した。水層を次に酢酸エチル(3x)で抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、続いてISCOフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(80gカラム; 0~10%メタノール/ジクロロメタン)により精製し、tert-ブチル(S)-3-(7-ブロモ-1-イソプロピル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.430g、0.908mmol、57%収率)を薄褐色固体として得た。LC/MS [M+H]+=473.3および475.3
5E. tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-7-ブロモ-1-イソプロピル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000042
tert-ブチル(S)-3-(7-ブロモ-1-イソプロピル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.430g、0.908mmol)およびmCPBA(0.418g、1.817mmol)/ジクロロメタン(5mL)の溶液を室温で3時間撹拌し、この反応混合物に、水酸化アンモニウム(1.67mL)を滴下して加え、続いて塩化トシル(0.346g、1.82mmol)を加え、60分間撹拌した。均一な反応混合物をジクロロメタンで抽出し、有機層を回収した。水酸化アンモニウム層を水で希釈し、ジクロロメタン(3x)で抽出し、減圧濃縮した。続いてISCOフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(40gカラム; 0%~5%メタノール/ジクロロメタン)により精製し、tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-7-ブロモ-1-イソプロピル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.188g、0.385mmol、42%収率)を黄褐色固体として得た。LC/MS [M+H]+=488.3および490.3
5F. tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-1-イソプロピル-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000043
tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-7-ブロモ-1-イソプロピル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.305g、0.624mmol)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.242g、1.25mmol)、およびリン酸三カリウム(2M水溶液、0.937mL、1.87mmol)/ジオキサン(4mL)の混合物を脱気し(3x; 真空/窒素)、1,1'-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(0.051g、0.062mmol)を加え、混合物を脱気した(3x; 真空/窒素)。反応を油浴中85℃で終夜撹拌し、この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、食塩水で洗浄した。有機層を回収し、水層を次に酢酸エチル(3x)で抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をISCOフラッシュクロマトグラフィー(40g; 1~10%メタノール/ジクロロメタン)で精製し、tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-1-イソプロピル-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.236g、0.496mmol、79%収率)を黄褐色固体として得た。LC/MS [M+H]+=476.5
5G. (S)-1-イソプロピル-2-(ピペリジン-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン
Figure 0007573622000044
tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-1-イソプロピル-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.237g、0.498mmol)およびTFA(3mL)の均一な混合物を室温で45分間撹拌し、TFAを減圧除去し、得られた残渣をジオキサン(3x)で共沸し、(S)-1-イソプロピル-2-(ピペリジン-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(0.187g、0.488mmol、98%収率)を淡黄色固体として得た。LC/MS [M+H]+=376.4
実施例5
(S)-1-イソプロピル-2-(ピペリジン-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(0.021g、0.056mmol)、酪酸(7.72μL、0.084mmol)、およびヒューニッヒ塩基(0.098mL、0.559mmol)/N,N-ジメチルホルムアミド(1.9mL)の混合物に、1-プロパンホスホン酸無水物(50wt%DMF溶液、0.037mL、0.062mmol)を加え、60分間振とうした。この反応混合物を0.45μmのPTFE濾過フィルターおよびGMFろ紙(Whatman)を用いて濾過し、分取LC/MS(条件: カラム: XBridge C18、200mm x19mm、粒子径: 5μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); グラジエント:12%Bで0分間溶出後、12~40%Bで35分かけて溶出し、次いで100%Bで4分間溶出; 流速: 20mL/分; カラム温度: 25℃)で精製し、フラクションはMSシグナルで判定して回収した。所望の生成物を含むフラクションを合わせて遠心エバポレーターで乾燥し、(S)-1-(3-(4-アミノ-1-イソプロピル-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-イル)ブタン-1-オン(10mg、39%収率)を得た。
実施例6. tert-ブチル(R)-3-(4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000045
6A. tert-ブチル(R)-3-((4-アミノ-7-ブロモキノリン-3-イル)カルバモイル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000046
7-ブロモキノリン-3,4-ジアミン(1.0g、4.20mmol)および(R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-3-カルボン酸(1.223g、5.33mmol)/酢酸エチル(21mL)の懸濁液に、室温でピリジン(1.699mL、21.00mmol)、続いて1-プロパンホスホン酸無水物(50wt%DMF溶液、5.00mL、8.40mmol)を滴下して加えた。添加中、少量の粘着性物質が形成されたが、時間が経つにつれて溶解した。混合物を酢酸エチルで希釈し、1N水酸化ナトリウム水溶液(2x)で洗浄し、10%塩化リチウム(2x)で洗浄し、食塩水で洗浄した。有機層を回収し、水層を次に酢酸エチル(3x)で抽出し、有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮し、tert-ブチル(R)-3-((4-アミノ-7-ブロモキノリン-3-イル)カルバモイル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1.85g、4.12mmol、98%収率)を薄いベージュ色固体として得た。LC/MS [M+H]+=449.2および450.9; 1H-NMR(400MHz、CDCl3)δ 8.51-8.46 (m, 1H), 8.15 (d, J=1.8Hz, 1H), 7.68-7.62 (m, 1H), 7.55 (dd, J=8.9, 1.8Hz, 1H), 5.20 (br s, 2H), 3.87-3.70 (m, 1H), 3.57-3.40 (m, 1H), 2.76-2.65 (m, 1H), 2.29-2.12 (m, 1H), 2.00-1.84 (m, 1H), 1.82-1.67 (m, 1H), 1.61-1.53 (m, 1H), 1.48 (s, 9H)
6B. tert-ブチル(R)-3-(7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000047
tert-ブチル(R)-3-((4-アミノ-7-ブロモキノリン-3-イル)カルバモイル)ピペリジン-1-カルボキシレート(2.61g、5.81mmol)および水酸化ナトリウム(2.323g、58.1mmol)/EtOH(41.5mL)の溶液を窒素雰囲気下、油浴中80℃で2時間加熱し、減圧濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルおよび水に溶解し、有機層を回収し、水および食塩水で洗浄した。水層を次に酢酸エチル(3x)で抽出し、有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮し、tert-ブチル(R)-3-(7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(2.39g、5.54mmol、95%収率)を黄金色固体として得た。LC/MS [M+H]+=431.3および433.3
6C. tert-ブチル(R)-3-(4-アミノ-7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000048
tert-ブチル(R)-3-(7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1.21g、2.81mmol)およびmCPBA(1.291g、5.61mmol)/ジクロロメタン(15mL)の溶液を室温で3時間撹拌した。この反応混合物に、水酸化アンモニウム(5.00mL)を滴下して加え、続いて塩化トシル(1.07g、5.61mmol)を加え、60分間撹拌した。均一な反応混合物をジクロロメタンで抽出し、有機層を回収した。少量の水酸化アンモニウム層をジクロロメタン(2x)で抽出し、水層を水で希釈し、6N塩酸でpHを~5に調整し、酢酸エチル(3x)で抽出した。有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮し、得られた残渣をISCOフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(40gカラム; 0%~10%メタノール/ジクロロメタン)で精製し、tert-ブチル(R)-3-(4-アミノ-7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.70g、1.60mmol、56%収率)を黄褐色固体として得た。LC/MS [M+H]+=446.4および448.4
実施例6
tert-ブチル(R)-3-(4-アミノ-7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.67g、1.50mmol)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.583g、3.00mmol)、およびリン酸三カリウム(2M水溶液)(2.25mL、4.50mmol)/ジオキサン(9.2mL)の混合物を脱気し(3x; 真空/窒素)、1,1'-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(0.123g、0.150mmol)を加え、混合物を脱気した(3x; 真空/窒素)。反応系を油浴中80℃で終夜撹拌し、この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、食塩水で洗浄した。有機層を回収し、水層を次に酢酸エチル(3x)で抽出し、有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をISCOフラッシュクロマトグラフィー(40g; 0~20%メタノール/ジクロロメタン)で精製し、少量のサンプルを分取LC/MS(条件: カラム: XBridge C18、200mm x19mm、粒子径: 5μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); グラジエント: 13%Bで0分間溶出後、13~53%Bで20分かけて溶出し、次いで100%Bで4分間溶出; 流速: 20mL/分; カラム温度: 25℃)で精製した。フラクションはMSおよびUVシグナルで判定して回収した。所望の生成物を含むフラクションを合わせて遠心エバポレーターで乾燥し、tert-ブチル(R)-3-(4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.400g、0.92mmol、62%収率)を黄褐色固体として得た。
実施例7. (R)-2-(ピペリジン-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン
Figure 0007573622000049
tert-ブチル(R)-3-(4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.40g、0.923mmol)およびTFA(2.31mL)の均一な混合物を室温で60分間撹拌し、TFAを減圧除去し、得られた残渣をジオキサン(3x)で共沸した。粗製物質を分取LC/MS(条件: カラム: XBridge C18、200mm x19mm、粒子径: 5μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); グラジエント: 0%Bで2分間溶出し、0~40%Bで20分かけて溶出後、次いで100%Bで4分間溶出; 流速: 20mL/分; カラム温度: 25℃)で精製した。フラクションはMSシグナルで判定して回収した。所望の生成物を含むフラクションを合わせて遠心エバポレーターで乾燥し、(R)-2-(ピペリジン-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(0.31g、0.71mmol、98%収率)を薄黄褐色固体として得た。
実施例8. (R)-(3-(4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-イル)(シクロブチル)メタノン
Figure 0007573622000050
(R)-2-(ピペリジン-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(0.020g、0.060mmol)、シクロブタンカルボン酸(8.60μL、0.090mmol)、およびヒューニッヒ塩基(0.105mL、0.600mmol)/N,N-ジメチルホルムアミド(1.9mL)の混合物に、1-プロパンホスホン酸無水物(50wt%DMF溶液、0.039mL、0.066mmol)を加え、60分間振とうした。この反応混合物を0.45μmのPTFE濾過フィルターおよびGMFろ紙(Whatman)を用いて濾過し、粗製物質を分取LC/MS(条件: カラム: XBridge C18、200mm x19mm、粒子径: 5μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); グラジエント: 6%Bで0分溶出後、6~46%Bで20分かけて溶出し、次いで100%Bで4分間溶出; 流速: 20mL/分; カラム温度: 25℃)で精製した。フラクションはMSシグナルで判定して回収した。所望の生成物を含むフラクションを合わせて遠心エバポレーターで乾燥し、(R)-(3-(4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-イル)(シクロブチル)メタノン(6mg、22%収率)を得た。
実施例9. (S)-1-(3-(4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オン
Figure 0007573622000051
9A. tert-ブチル(S)-3-((4-アミノ-7-ブロモキノリン-3-イル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000052
7-ブロモキノリン-3,4-ジアミン(0.566g、2.38mmol)および(S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-3-カルボン酸(0.650g、3.02mmol)/酢酸エチル(15mL)の懸濁液に、室温でピリジン(0.962mL、11.89mmol)、続いて1-プロパンホスホン酸無水物(50wt%EtOAc溶液、2.83mL、4.76mmol)を加えた。60分後、反応は均一なままであった。ジメチルホルムアミド(1mL)を加え、この反応混合物を6分間撹拌し、均一になった混合物を酢酸エチルで希釈し、1N水酸化ナトリウム水溶液(2x)で洗浄し、10%塩化リチウム(2x)で洗浄し、食塩水で洗浄した。有機層を回収し、水層を次に酢酸エチル(3x)で抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、tert-ブチル(S)-3-((4-アミノ-7-ブロモキノリン-3-イル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(1.04g、2.38mmol、100%収率)を黄褐色固体として得た。LC/MS [M+H]+=435.2および437.2
9B. tert-ブチル(S)-3-(7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000053
tert-ブチル(S)-3-((4-アミノ-7-ブロモキノリン-3-イル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(1.035g、2.378mmol)および水酸化ナトリウム(0.951g、23.78mmol)/EtOH(12mL)の混合物を油浴中80℃で2時間加熱した。室温に冷却後、この反応混合物を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチルおよび水に溶解し、有機層を回収し、食塩水で洗浄し、水層を次に酢酸エチル(3x)で抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、tert-ブチル(S)-3-(7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.906g、2.17mmol、91%収率)を黄色固体として得た。LC/MS [M+H]+=417.2および419.2
9C. tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000054
tert-ブチル(S)-3-(7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.906g、2.171mmol)およびmCPBA(0.999g、4.34mmol)/ジクロロメタン(12mL)の溶液を室温で3時間撹拌し、水酸化アンモニウム(4.00mL)を滴下して加え、続いて塩化トシル(0.828g、4.34mmol)を加え、60分間撹拌した。均一な反応混合物をジクロロメタンで希釈し、有機層を回収した。少量の水酸化アンモニウム層を酢酸エチル(2x)で抽出し、水層を水で希釈し、pHを6N塩酸で~5に調整し、酢酸エチル(3x)で抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、得られた残渣をISCOフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(40gカラム; 0%~10%メタノール/ジクロロメタン)で精製し、tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.510g、1.17mmol、54%収率)を黄褐色固体として得た。LC/MS [M+H]+=432.2および434.2
9D. tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000055
tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.417g、0.965mmol)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.374g、1.929mmol)、およびリン酸三カリウム(2M水溶液、1.5mL、2.89mmol)/ジオキサン(8mL)の混合物を脱気し(3x; 真空/窒素)、1,1'-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(0.079g、0.096mmol)を加え、混合物を脱気し(3x; 真空/窒素)、反応を油浴中95℃で終夜撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、有機層を回収し、水層を酢酸エチル(2x)で抽出した。水層に大量の沈殿が生成したため、pHを~5に調整し、混合物をジクロロメタンで希釈し、減圧濾過した。固体を水で洗浄し、ジクロロメタンで洗浄し、十分に乾燥した。固体をソニケーションでメタノールに懸濁し、終夜撹拌した。この懸濁液を減圧濾過し、固体を乾燥し、tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.238g、0.562mmol、58%収率)を薄黄褐色固体として得た。LC/MS [M+H]+=420.3
メタノール濾液を濃縮し、tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.029g、0.069mmol、7.2%収率)を薄黄褐色固体として得た。LC/MS [M+H]+=420.4
水/ジクロロメタン濾液から有機層を回収し、有機層を酢酸エチル(3x)で抽出した。有機層を合わせて食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ジクロロメタン層および酢酸エチル層の両方を濃縮し、tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.138g、0.329mmol、34%収率)を褐色固体として得た。LC/MS [M+H]+=420.4
9E. (S)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-2-(ピロリジン-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン
Figure 0007573622000056
tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.238g、0.567mmol)およびTFA(3mL)の混合物を室温で45分間撹拌し、TFAを減圧除去し、得られた残渣をジオキサン(3x)で共沸し、(S)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-2-(ピロリジン-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(0.181g、0.567mmol、100%収率)を黄褐色固体として得た。LC/MS [M+H]+=320.3
実施例9
(S)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-2-(ピロリジン-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(0.022g、0.069mmol)、プロピオン酸(6.69μL、0.090mmol)、およびヒューニッヒ塩基(0.120mL、0.689mmol)/N,N-ジメチルホルムアミド(1.8mL)の混合物に、1-プロパンホスホン酸無水物(50wt%DMF溶液、0.045mL、0.076mmol)を加え、60分間振とうした。この反応混合物を0.45μmのPTFE濾過フィルターおよびGMFろ紙(Whatman)を用いて濾過し、SCPで精製した。粗製物質を分取LC/MS(条件: カラム: XBridge C18、200mm x19mm、粒子径: 5μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); グラジエント: 0%Bで0分間溶出し、0~40%Bで20分かけて溶出後、次いで100%Bで4分間溶出; 流速: 20mL/分; カラム温度: 25℃)で精製し、フラクションはMSシグナルで判定して回収した。所望の生成物を含むフラクションを合わせて遠心エバポレーターで乾燥し、tert-ブチル(S)-3-(4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(5mg、20%収率)を得た。
実施例10. tert-ブチル(R)-3-(4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000057
10A. tert-ブチル(R)-3-((4-アミノ-7-ブロモキノリン-3-イル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000058
7-ブロモキノリン-3,4-ジアミン(0.400g、1.680mmol)および(R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-3-カルボン酸(0.470g、2.184mmol)/酢酸エチル(6.8mL)の懸濁液に、室温でピリジン(0.679mL、8.40mmol)、続いて1-プロパンホスホン酸無水物(50wt%EtOAc溶液、2.00mL、3.36mmol)を加えた。添加中、この反応混合物は懸濁液となったが、数分で再溶解した。均一な反応混合物を室温で30分間撹拌し、混合物を酢酸エチルで希釈し、1N水酸化ナトリウム水溶液(2x)で洗浄し、食塩水で洗浄した。有機層を回収し、水層を次に酢酸エチル(2x)で抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、tert-ブチル(R)-3-((4-アミノ-7-ブロモキノリン-3-イル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.45g、62%収率)を黄褐色固体として得た。LC/MS [M+H]+=435.0
10B. tert-ブチル(R)-3-(7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000059
tert-ブチル(R)-3-((4-アミノ-7-ブロモキノリン-3-イル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.45g、1.034mmol)/EtOH(10mL)の溶液に、水酸化ナトリウム(0.413g、10.34mmol)を加え、80℃で加熱し、2時間撹拌を続けた。室温に冷却後、この反応混合物をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄した。有機層を回収し、水層をジクロロメタン(2x)および酢酸エチル(2x)で抽出し、ジクロロメタンおよび酢酸エチル層をそれぞれ食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を合わせて濾過し、減圧濃縮し、tert-ブチル(R)-3-(7-ブロモ-3H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレートを薄褐色固体として得た。ISCO(40gシリカゲル、10%MeOH/CH2Cl2)により精製し、純粋な生成物を得た。LC/MS [M+H]+=417.2; 1H-NMR(400MHz、HDMSO) δ 9.18-9.14 (m, 1H), 8.34-8.27 (m, 2H), 7.85-7.79 (m, 1H), 3.87-3.78 (m, 2H), 3.71-3.61 (m, 1H), 3.56-3.47 (m, 1H), 3.45-3.39 (m, 1H), 2.44-2.19 (m, 2H), 1.47-1.38 (m, 9H)
10C. tert-ブチル(R)-3-(4-アミノ-7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000060
tert-ブチル(R)-3-(7-ブロモ-3H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.5g、1.198mmol)/ジクロロメタン(15mL)の溶液をmCPBA(0.620g、3.59mmol)で処理し、得られた混合物を室温で12時間撹拌した。上記溶液に水酸化アンモニウム(0.233mL、5.99mmol)および塩化トシル(0.457g、2.396mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。この反応混合物をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄し、有機層を回収し、水層を次にジクロロメタン(2x)で抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。ISCOフラッシュクロマトグラフィー(24gカラム; 0%~10%メタノール/ジクロロメタン)により精製し、(R)-3-(4-アミノ-7-ブロモ-3H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(400mg、77%収率)を黄褐色固体として得た。LC/MS [M+H]+=432.1
実施例10
10mL反応バイアルに、不活性な窒素をパージして封入し、tert-ブチル(R)-3-(4-アミノ-7-ブロモ-3H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(350mg、0.810mmol)/ジオキサン(10mL)の溶液を加えた。この溶液に、リン酸三カリウム(1.21mL、2.43mmol、2M水溶液)、5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(189mg、0.971mmol)、およびビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0)(21mg、0.040mmol)を加え、12時間85℃で撹拌した。得られた混合物を減圧濃縮し、残渣を逆相分取HPLCで精製し、tert-ブチル(R)-3-(4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-3H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレートを薄黄色固体として得た。
実施例11. (R)-1-(3-(4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピロリジン-1-イル)-2-メチルプロパン-1-オン
Figure 0007573622000061
tert-ブチル(R)-3-(4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-3H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(25mg、0.060mmol)/TFA原液(1mL)の溶液を室温で15分間撹拌し、反応を次いで濃縮し、さらに真空ポンプで乾燥し、(R)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-2-(ピロリジン-3-イル)-3H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミンを得た。LC/MS [M+1]+=320.4; 上記粗製物質/THF(2mL)に、イソ酪酸(8.28mg、0.094mmol)およびトリエチルアミン(0.017mL、0.125mmol)、次いで1-プロパンホスホン酸無水物(59.8mg、0.094mmol、50wt%EtOAc溶液)を滴下して加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌し、逆相分取HPLCにより精製し、所望の生成物(5.7mg、24%収率)を得た。
実施例12. tert-ブチル4-(4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000062
12A. tert-ブチル4-((4-アミノ-7-ブロモキノリン-3-イル)カルバモイル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000063
7-ブロモキノリン-3,4-ジアミン(0.323g、1.357mmol)および1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-カルボン酸(0.395g、1.723mmol)/酢酸エチル(12mL)の懸濁液に、室温でピリジン(0.549mL、6.78mmol)、続いて1-プロパンホスホン酸無水物(50wt%DMF溶液、1.62mL、2.71mmol)を加えた。添加中、粘着性物質が形成されたが、時間が経つにつれて溶解した。混合物を酢酸エチルで希釈し、1N水酸化ナトリウム水溶液(2x)で洗浄し、10%塩化リチウム(2x)で洗浄し、食塩水で洗浄した。有機層を回収し、水層を次に酢酸エチル(3x)で抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、tert-ブチル4-((4-アミノ-7-ブロモキノリン-3-イル)カルバモイル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.526g、1.17mmol、86%収率)を黄褐色固体として得た。LC/MS [M+H]+=449.2および451.2
12C. tert-ブチル4-(7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000064
tert-ブチル4-((4-アミノ-7-ブロモキノリン-3-イル)カルバモイル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.526g、1.171mmol)および水酸化ナトリウム(0.468g、11.71mmol)/EtOH(10mL)の混合物を油浴中80℃で2時間加熱し、室温で終夜撹拌した。この反応混合物を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチルおよび水に溶解した。有機層回収し、水で洗浄し、食塩水で洗浄した。水層を順に酢酸エチル(3x)で抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、tert-ブチル4-(7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.470g、1.09mmol、93%収率)を黄色固体として得た。LC/MS [M+H]+=431.2および433.2
12D. tert-ブチル4-(4-アミノ-7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000065
tert-ブチル4-(7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.470g、1.090mmol)およびmCPBA(0.501g、2.179mmol)/ジクロロメタン(6mL)の溶液を室温で3時間撹拌し、水酸化アンモニウム(2.00mL)を滴下して加え、続いて塩化トシル(0.415g、2.18mmol)を加え、60分間撹拌した。均一な反応混合物をジクロロメタンで抽出し、有機層を回収した。少量の水酸化アンモニウム層をジクロロメタン(2x)で抽出し、水層を水で希釈し、pHを6N塩酸で~5に調整し、酢酸エチル(3x)で抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をISCOフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(12gカラム; 0%~10%メタノール/ジクロロメタン)で精製し、tert-ブチル4-(4-アミノ-7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.173g、0.388mmol、50%収率)を黄褐色固体として得た。LC/MS [M+H]+=446.2および448.2
実施例12
tert-ブチル4-(4-アミノ-7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.181g、0.406mmol)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.157g、0.811mmol)、およびリン酸三カリウム(2M水溶液、0.61mL、1.22mmol)/ジオキサン(4mL)の混合物を脱気し(3x; 真空/窒素)、1,1'-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(0.033g、0.041mmol)を加え、混合物を脱気し(3x; 真空/窒素)、油浴中85℃で1時間撹拌した。温度を95℃にし、終夜撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、食塩水で洗浄した。有機層を回収し、水層を次に酢酸エチル(3x)で抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をISCOフラッシュクロマトグラフィー(12gカラム; 0~20%メタノール/ジクロロメタン)で精製し、tert-ブチル4-(4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.138g、0.318mmol、79%収率)を薄黄褐色固体として得た。
実施例13. tert-ブチル(R)-2-((4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000066
13A. tert-ブチル(R)-2-((4-アミノ-7-ブロモキノリン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000067
7-ブロモキノリン-3,4-ジアミン(1.1g、4.62mmol)および(R)-2-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-イル)酢酸(1.38g、6.01mmol)/酢酸エチル(24mL)の懸濁液に、室温でピリジン(1.87mL、23.1mmol)、続いて1-プロパンホスホン酸無水物(50wt%DMF溶液、5.50mL、9.24mmol)を滴下して加えた。添加中、少量の粘着性物質が形成されたが、時間が経つにつれて溶解した。この反応混合物を2.5時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、1N水酸化ナトリウム水溶液(2x)で洗浄し、10%塩化リチウム(2x)で洗浄し、食塩水で洗浄した。有機層を回収し、水層を次に酢酸エチル(3x)で抽出し、有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮し、tert-ブチル(R)-2-((4-アミノ-7-ブロモキノリン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(2.13g、4.74mmol、100%収率)を黄褐色発泡体として得た。LC/MS [M+H]+=449.4および451.4; 1H-NMR(400MHz、CDCl3)δ 8.85-8.62 (m, 1H), 8.56-8.47 (m, 1H), 8.15-8.08 (m, 1H), 7.66 (d, J=9.0Hz, 1H), 7.57-7.49 (m, 1H), 5.74-5.46 (m, 2H), 4.85-4.60 (m, 1H), 4.41-4.26 (m, 1H), 3.42 (br d, J=6.8Hz, 1H), 2.84 (br dd, J=14.2, 5.2Hz, 1H), 2.72-2.59 (m, 1H), 2.24-2.07 (m, 1H), 2.03-1.83 (m, 3H), 1.82-1.57 (m, 9H)
13B. tert-ブチル(R)-2-((7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000068
tert-ブチル(R)-2-(2-((4-アミノ-7-ブロモキノリン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(2.1g、4.67mmol)および水酸化ナトリウム(1.87g、46.7mmol)/EtOH(33mL)の溶液を、窒素雰囲気下、油浴中80℃で1時間加熱し、減圧濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルおよび水に溶解し、有機層を回収し、水および食塩水で洗浄した。水層を次に酢酸エチル(3x)で抽出し、有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮し、tert-ブチル(R)-2-((7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(1.84g、4.27mmol、91%収率)を薄琥珀色発泡体として得た。LC/MS [M+H]+=431.4および433.2
13C. tert-ブチル(R)-2-((4-アミノ-7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチルピロリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000069
tert-ブチル(R)-2-((7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(1.84g、4.27mmol)およびmCPBA(1.963g、8.53mmol)/ジクロロメタン(23mL)の溶液を室温で3時間撹拌し、水酸化アンモニウム(7.6mL)を滴下して加え、続いて塩化トシル(1.63g、8.53mmol)を0℃で加え、60分間撹拌した。均一な反応混合物をジクロロメタン(3x)で抽出し、有機層を回収した。水層を水で希釈し、pHを6N塩酸で~5に調整し、酢酸エチル(3x)で抽出し、有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をISCOフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(80gカラム; 0%~10%メタノール/ジクロロメタン)で精製し、tert-ブチル(R)-2-((4-アミノ-7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチルピロリジン-1-カルボキシレート(0.36g、0.81mmol、20%収率)を琥珀色発泡体として得た。LC/MS [M+H]+=446.4および448.4
実施例13
tert-ブチル(R)-2-((4-アミノ-7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.7g、1.568mmol)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.609g、3.14mmol)、およびリン酸三カリウム(2M水溶液、2.35mL、4.70mmol)/ジオキサン(9.6mL)の混合物を脱気し(3x; 真空/窒素)、1,1'-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(0.128g、0.157mmol)を加え、混合物を脱気し(3x; 真空/窒素)、反応を油浴中80℃で終夜撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水および食塩水で洗浄し、有機層を回収し、水層を次に酢酸エチル(3x)で抽出し、有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をISCOフラッシュクロマトグラフィー(40g; 0~25%メタノール/ジクロロメタン)で精製し、少量のサンプルを分取LC/MS(条件: カラム: XBridge C18、200mm x19mm、粒子径: 5μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); グラジエント: 11%Bで0分間溶出し、11~51%Bで20分かけて溶出後、次いで100%Bで4分間溶出; 流速: 20mL/分; カラム温度: 25℃)で精製した。フラクションはMSシグナルで判定して回収した。所望の生成物を含むフラクションを合わせて遠心エバポレーターで乾燥し、tert-ブチル(R)-2-((4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.500g、1.15mmol、74%収率)を黄金色固体として得た。
実施例14. (R)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-2-(ピロリジン-2-イルメチル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン
Figure 0007573622000070
tert-ブチル(R)-2-((4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.5g、1.15mmol、実施例4)およびTFA(2.88mL)の均一な混合物を室温で60分間撹拌し、TFAを減圧除去し、得られた残渣をジオキサン(3x)で共沸した。サンプル(27mg)を分取LC/MS(条件: カラム: XBridge C18、200mm x19mm、粒子径: 5μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); グラジエント: 0%Bで5分間溶出し、0~20%Bで20分かけて溶出後、次いで100%Bで5分間溶出; 流速: 20mL/分; カラム温度: 25℃)で精製し、フラクションはMSシグナルで判定して回収した。所望の生成物を含むフラクションを合わせて遠心エバポレーターで乾燥し、(R)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-2-(ピロリジン-2-イルメチル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(8.9mg、0.027mmol)を得た。
実施例15. (R)-1-(2-((4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチル)ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オン
Figure 0007573622000071
(R)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-2-(ピロリジン-2-イルメチル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(0.02g、0.060mmol)、プロピオン酸(6.72μL、0.090mmol)、およびヒューニッヒ塩基(0.105mL、0.600mmol)/N,N-ジメチルホルムアミド(1.9mL)の混合物に、1-プロパンホスホン酸無水物(50wt%DMF溶液、0.039mL、0.066mmol)を加え、60分間振とうした。この反応混合物を0.45μmのPTFE濾過フィルターおよびGMFろ紙(Whatman)を用いて濾過し、粗製物質を分取LC/MS(条件: カラム: XBridge C18、200mm x19mm、粒子径: 5μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); グラジエント: 0%Bで1分間溶出し、0~40%Bで25分かけて溶出し、次いで100%Bで6分間溶出; 流速: 20mL/分; カラム温度: 25℃)で精製し、フラクションはMSシグナルで判定して回収した。所望の生成物を含むフラクションを合わせて遠心エバポレーターで乾燥し、(R)-1-(2-((4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチル)ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オン(4mg、17%収率)を得た。
実施例16. tert-ブチル(S)-2-((4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000072
16A. tert-ブチル(S)-2-((4-アミノ-7-ブロモキノリン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000073
7-ブロモキノリン-3,4-ジアミン(2.0g、8.40mmol)および(S)-2-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-イル)酢酸(2.22g、9.66mmol)/酢酸エチル(43mL)の懸濁液に、室温でピリジン(3.40mL、42.0mmol)を加え、続いて1-プロパンホスホン酸無水物(50wt%DMF溶液、10.00mL、16.8mmol)を粘着性物質の形成が最小限となるように滴下して加え、3時間撹拌した。これを酢酸エチルで希釈し、1N水酸化ナトリウム水溶液(2x)、10%塩化リチウム(2x)、および食塩水で洗浄した。有機層を回収し、水層を次に酢酸エチル(3x)で抽出し、有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮し、tert-ブチル(S)-2-((4-アミノ-7-ブロモキノリン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(4.2g、9.35mmol、100%収率)を黄褐色発泡体として得た。LC/MS [M+H]+=449.4および451.4
16B. tert-ブチル(S)-2-((7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000074
tert-ブチル(S)-2-(2-((4-アミノ-7-ブロモキノリン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(3.77g、8.39mmol)および水酸化ナトリウム(3.36g、84mmol)/EtOH(60mL)の溶液を窒素雰囲気下、油浴中80℃で2.5時間加熱し、減圧濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルおよび水に溶解し、有機層を回収し、水および食塩水で洗浄した。水層を次に酢酸エチル(3x)で抽出し、有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、tert-ブチル(S)-2-((7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(3.34g、7.74mmol、92%収率)を薄琥珀色発泡体として得た。LC/MS [M+H]+=431.2および433.2
16C. tert-ブチル(S)-2-((4-アミノ-7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチルピロリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000075
tert-ブチル(S)-2-((7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(3.34g、7.74mmol)およびmCPBA(3.56g、15.49mmol)/ジクロロメタン(42mL)の透明溶液を室温で4時間撹拌し、水酸化アンモニウム(14mL)を滴下して加え、続いて塩化トシル(2.95g、15.5mmol)を0℃で加え、60分間撹拌した。均一な反応混合物をジクロロメタン(3x)で抽出し、有機層を回収し、水層を水で希釈し、pHを6N塩酸で~5に調整し、酢酸エチル(3x)で抽出した。有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮し、得られた残渣をISCOフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(120gカラム; 0%~10%メタノール/ジクロロメタン)で精製し、tert-ブチル(S)-2-((4-アミノ-7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチルピロリジン-1-カルボキシレート(2.0g、4.48mmol、58%収率)を琥珀色発泡体として得た。少量の粗製物質のサンプルを分取LC/MS(条件: カラム: XBridge C18、200mm x19mm、粒子径: 5μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); グラジエント: 20%Bで0分間溶出し、20~60%Bで20分かけて溶出後、次いで100%Bで4分間溶出; 流速: 20mL/分; カラム温度: 25℃)で精製し、フラクションはMSおよびUVシグナルで判定して回収した。所望の生成物を含むフラクションを合わせて遠心エバポレーターで乾燥した。LC/MS [M+H]+=446.2および448.2; 1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ 8.12-7.94 (m, 1H), 7.95-7.87 (m, 1H), 7.71-7.67 (m, 1H), 7.39-7.34 (m, 1H), 6.76-6.63 (m, 1H), 4.27-4.12 (m, 1H), 3.36-3.06 (m, 3H), 2.95-2.70 (m, 1H), 1.97-1.70 (m, 5H), 1.43-1.09 (m, 9H)
実施例16
tert-ブチル(S)-2-((4-アミノ-7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.71g、1.59mmol)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(0.617g、3.18mmol)、およびリン酸三カリウム(2M水溶液、2.39mL、4.77mmol)/ジオキサン(9.76mL)の混合物を脱気し(3x; 真空/窒素)、1,1'-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(0.130g、0.159mmol)を加え、混合物を脱気し(3x; 真空/窒素)、油浴中80℃で終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、食塩水で洗浄した。有機層を回収し、水層を次に酢酸エチル(3x)で抽出し、有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をISCOフラッシュクロマトグラフィー(40g; 0~25%メタノール/ジクロロメタン)で精製し、少量の粗製物質のサンプルを分取LC/MS(条件: カラム: XBridge C18、200mm x19mm、粒子径: 5μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); グラジエント:12%Bで0分間溶出後、12~52%Bで20分かけて溶出し、次いで100%Bで4分間溶出; 流速: 20mL/分; カラム温度: 25℃)で精製し、フラクションはMSおよびUVシグナルで判定して回収した。所望の生成物を含むフラクションを合わせて遠心エバポレーターで乾燥し、tert-ブチル(S)-2-((4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.600g、1.38mmol、87%収率)を黄金色固体として得た。
実施例17. (S)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-2-(ピロリジン-2-イルメチル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン
Figure 0007573622000076
tert-ブチル(S)-2-((4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(0.60g、1.38mmol)およびTFA(3.46mL)の均一な混合物を室温で60分間撹拌し、TFAを減圧除去し、得られた残渣をジオキサン(3x)で共沸した。粗製物質を分取LC/MS(条件: カラム: XBridge C18、200mm x19mm、粒子径: 5μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸含有); グラジエント: 0%Bで1分間溶出し、0~40%Bで20分かけて溶出後、次いで100%Bで4分間溶出; 流速: 20mL/分; カラム温度: 25℃)で精製し、フラクションはMSおよびUVシグナルで判定して回収した。所望の生成物を含むフラクションを合わせて遠心エバポレーターで乾燥し、(S)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-2-(ピロリジン-2-イルメチル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(8.9mg、0.027mmol)を得た。
実施例18. (S)-1-(2-((4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチル)ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オン
Figure 0007573622000077
(S)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-2-(ピロリジン-2-イルメチル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(0.02g、0.060mmol)、酪酸(0.017mL、0.180mmol)、およびヒューニッヒ塩基(0.105mL、0.600mmol)/N,N-ジメチルホルムアミド(1.9mL)の混合物に、1-プロパンホスホン酸無水物(50wt%DMF溶液、0.071mL、0.120mmol)を加え、50℃で終夜撹拌した。反応系は均一であった。この反応混合物を0.45μmのPTFE濾過フィルターおよびGMFろ紙(Whatman)を用いて濾過し、粗製物質を分取LC/MS(条件: カラム: XBridge C18、200mm x19mm、粒子径: 5μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(10mM酢酸アンモニウム含有); グラジエント: 4%Bで0分間溶出後、4~44%Bで20分かけて溶出し、次いで100%Bで4分間溶出; 流速: 20mL/分; カラム温度: 25℃)で精製した。フラクションはMSシグナルで判定して回収した。所望の生成物を含むフラクションを合わせて遠心エバポレーターで乾燥し、(S)-1-(2-((4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチル)ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オン(8.3mg、35%収率)を得た。
実施例19. 3-((4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボン酸メチル
Figure 0007573622000078
19A. tert-ブチル3-(2-((4-アミノ-7-ブロモキノリン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000079
丸底フラスコ(250mL)をパージし、不活性な窒素を封入し、7-ブロモキノリン-3,4-ジアミン(6g、25.2mmol、1当量)、DIEA(9.8g、0.08mmol、3当量)、2-[1-[(tert-ブトキシ)カルボニル]ピロリジン-3-イル]酢酸(11.6g、0.05mmol、2.01当量)およびHATU(14.4g、0.04mmol、1.5当量)/DCM(120mL)を加え、室温で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、tert-ブチル3-[[(4-アミノ-7-ブロモキノリン-3-イル)カルバモイル]メチル]ピロリジン-1-カルボキシレート(12g、105.97%)を黄色粗製油状物として得た。
19B. tert-ブチル3-((7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000080
丸底フラスコ(500mL)に、tert-ブチル3-[[(4-アミノ-7-ブロモキノリン-3-イル)カルバモイル]メチル]ピロリジン-1-カルボキシレート(6g、13.4mmol、1当量)およびNaOH(5.3g、133.53mmol、10当量)/EtOH(120mL)を加え、30分間80℃で撹拌した。得られた混合物を濃縮し、溶液のpH値をHCl(12mol/L)で7に調整した。得られた溶液をジクロロメタン(2x200mL)で抽出し、有機層を食塩水(1x200mL)で洗浄し、有機層を合わせて得られた残渣をシリカゲルカラム(ジクロロメタン/メタノール(30:1))で精製し、tert-ブチル3-([7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル]メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(5.5g、96%)を黄色固体として得た。
19C. tert-ブチル3-((4-アミノ-7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000081
丸底フラスコ(250mL)中、tert-ブチル3-([7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル]メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(5g、11.59mmol、1当量)およびmCPBA(4.0g、23.18mmol、2.00当量)/DCM(100mL)を加え、2時間室温で撹拌した。この混合物を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラム(ジクロロメタン/メタノール(10:1))で精製し、7-ブロモ-2-([1-[(tert-ブトキシ)カルボニル]ピロリジン-3-イル]メチル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-5-イウム-5-オレート(3.6g、69%)を黄色固体として得た。
丸底フラスコ(250mL)中、7-ブロモ-2-([1-[(tert-ブトキシ)カルボニル]ピロリジン-3-イル]メチル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-5-イウム-5-オレート(2g、4.47mmol、1当量)、水酸化アンモニウム(10mL)およびTsCl(1.7g、8.92mmol、1.99当量)/DCM(20mL)を加え、2時間室温で撹拌した。この混合物を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラム(ジクロロメタン/メタノール(20:1))で精製し、tert-ブチル3-([4-アミノ-7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル]メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(1.6g、80.18%)を黄色固体として得た。
19D. tert-ブチル3-((4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000082
丸底フラスコ(100mL)をパージし、不活性な窒素を封入し、tert-ブチル3-([4-アミノ-7-ブロモ-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル]メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(1.5g、3.36mmol、1当量)、Cs2CO3(3.3g、10.08mmol、3当量)、5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(1.3g、6.72mmol、2当量)およびPd(dppf)Cl2-CH2Cl2(0.5g、0.61mmol、0.18当量)/ジオキサン(30mL)およびH2O(5mL)を加え、16時間100℃で撹拌し、混合物を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(ジクロロメタン/メタノール(10:1))で精製し、tert-ブチル3-[[4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル]メチル]ピロリジン-1-カルボキシレート(870mg、60%)を黄色固体として得た。
19E. 7-(1H-ピラゾール-3-イル)-2-(ピロリジン-3-イルメチル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン
Figure 0007573622000083
丸底フラスコ(50mL)に、tert-ブチル3-[[4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル]メチル]ピロリジン-1-カルボキシレート(100mg、0.23mmol、1当量)/塩化水素(ジオキサン溶液、3mL、4N)を加え、2時間室温で撹拌し、濃縮し、得られた粗製生成物を逆相分取HPLC(条件: カラム: Xselect CSH OBD カラム 30*150mm 5um n; 移動相A: 水(0.05%TFA)、移動相B: ACN; 流速: 60mL/分; グラジエント: 5%B~15%Bで7分かけて溶出; 254/210nm); Rt: 6.95分)で精製し、7-(1H-ピラゾール-5-イル)-2-[(ピロリジン-3-イル)メチル]-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(20mg、26.01%)を白色固体として得た。LC/MS [M+H]+=334.2; 1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ: 8.06-8.00 (m, 2H), 8.10 (s, 1H), 7.80 -7.66 (m, 2H), 6.76 (s, 1H), 3.60-3.30 (m, 1H), 3.25-3.15 (m, 1H), 3.15-3.00 (m, 3H), 2.90-2.70 (m, 2H), 2.20-2.05 (m, 1H), および1.80-1.65 (m, 1H)
実施例19
丸底フラスコ(25mL)に、7-(1H-ピラゾール-5-イル)-2-[(ピロリジン-3-イル)メチル]-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(40mg、0.12mmol、1当量)、DMF(2mL)、炭酸ジメチル(21.6mg、0.24mmol、2.00当量)、K2CO3(49.7mg、0.36mmol、3当量)を加え、16時間100℃で撹拌し、混合物を濃縮した。得られた粗製生成物を逆相分取HPLC(条件: カラム、XBridge Prep C18 OBD カラム、5um、19*150mm; 移動相: 水(10mmol/L NH4HCO3)およびACN(13%相B~36%で7分かけて溶出); 検出器: UV)で精製し、生成物: 3-[[4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル]メチル]ピロリジン-1-カルボン酸メチル(12mg、26%)を白色固体として得た。
実施例20. 1-(3-((4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチル)ピロリジン-1-イル)エタン-1-オン
Figure 0007573622000084
丸底フラスコ(50mL)に、7-(1H-ピラゾール-5-イル)-2-[(ピロリジン-3-イル)メチル]-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(100mg、0.30mmol、1当量)、TEA(151.8mg、1.50mmol、5当量)およびアセト酢酸(61.2mg、0.60mmol、2当量)/DCM(5mL)を加え、2時間室温で撹拌した。得られた混合物を濃縮し、MeOH(20mL)を加え、16時間80℃で撹拌し、混合物を濃縮し、得られた粗製生成物を逆相分取HPLC(条件: カラム: XBridge Prep C18 OBDカラム、5μm、19*150mm; 移動相A: 水(10mmol/L NH4HCO3)、移動相B: ACN; 流速: 25mL/分; グラジエント: 5%B~40%Bで7.5分かけて溶出; 254/210nm); Rt: 6.6分)で精製し、1-(3-[[4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル]メチル]ピロリジン-1-イル)エタン-1-オンを薄黄色固体として得た(20mg、18%)。
実施例21. 2-((1-エチルピロリジン-3-イル)メチル)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン
Figure 0007573622000085
丸底フラスコ(50mL)に、7-(1H-ピラゾール-5-イル)-2-[(ピロリジン-3-イル)メチル]-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(19E、100mg、0.30mmol、1当量)、AcOH(0.1mL)、アセトアルデヒド(26.4mg、0.60mmol、2.00当量)およびNaBH3CN(37.7mg、0.60mmol、2.00当量)/MeOH(3mL)を加え、2時間室温で撹拌した。この混合物を濃縮し、得られた粗製生成物を逆相分取HPLC(条件: カラム: XBridge BEH130 Prep C18 OBDカラム、19*150mm、5μm、13nm; 移動相A: 水(10mmol/L NH4HCO3)、移動相B: ACN; 流速: 25mL/分; グラジエント: 30%B~60%Bで8分かけて溶出; 254/210nm); Rt: 6.95分)で精製し、2-[(1-エチルピロリジン-3-イル)メチル]-7-(1H-ピラゾール-3-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミンを灰白色固体として得た(29mg、27%)。
実施例22. 2-((1-エチルピロリジン-3-イル)メチル)-7-(1H-ピラゾール-1-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン
Figure 0007573622000086
丸底フラスコ(25mL)に、7-(1H-ピラゾール-1-イル)-2-[(ピロリジン-3-イル)メチル]-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(50mg、0.15mmol、1当量)、MeOH(2mL)、AcOH(0.2mL)、アセトアルデヒド(9.9mg、0.22mmol、1.50当量)、NaBH3CN(14.1mg、0.22mmol、1.5当量)を加え、2時間室温で撹拌した。この混合物を濃縮し、得られた粗製生成物を逆相分取HPLC(条件: カラム、XBridge Prep C18 OBDカラム、5μm、19*150mm; 移動相: 水(10mmol/L NH4HCO3)およびACN(20%相B~22%で10分かけて溶出); 検出器: UV)で精製し、2-[(1-エチルピロリジン-3-イル)メチル]-7-(1H-ピラゾール-1-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミンを白色固体として得た(20mg、37%)。
実施例23. tert-ブチル3-((4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-1-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル)メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
Figure 0007573622000087
丸底フラスコ(25mL)に、7-(1H-ピラゾール-1-イル)-2-[(ピロリジン-3-イル)メチル]-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(150mg、0.45mmol、1当量)、DCM(4mL)、クロロギ酸メチル(85.0mg、0.90mmol、2.00当量)、TEA(136.6mg、1.35mmol、3当量)を加え、2時間室温で撹拌した。この混合物を濃縮し、次いで得られた粗製生成物にMeOH(2mL)、NaOH(13.3mg、0.33mmol、2.99当量)を加え、2時間80℃で撹拌し、この混合物を濃縮した。得られた粗製生成物を逆相分取HPLC(条件: カラム: XBridge Prep C18 OBDカラム、19*150mm、5μm; 移動相A: 水(10mmol/L NH4HCO3+0.1%NH3.H2O)、移動相B: ACN; 流速: 25mL/分; グラジエント: 15%B~45%Bで7.5分かけて溶出; 254/210nm); Rt: 6.08分)で精製し、3-[[4-アミノ-7-(1H-ピラゾール-1-イル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-2-イル]メチル]ピロリジン-1-カルボン酸メチルを白色固体として得た(20mg、46%)。
適当な出発物質から実施例3に記載と同様の方法で実施例24~40を製造し;実施例4に記載と同様の方法で実施例41~50を製造し;実施例5に記載と同様の方法で実施例51~59を製造し;実施例8に記載と同様の方法で実施例60~70を製造し;実施例9に記載と同様の方法で実施例71~76を製造し;および実施例11に記載と同様の方法で実施例77を製造した。実施例15に記載と同様の方法で実施例78~85を製造した。実施例15に記載と同様の方法で実施例86~8を製造した。
化合物の生物学的データは、1つ以上の上記の方法を用いて測定した。特に断りが無い限り、下記の化合物のTLR7アゴニストEC50およびTLR8アゴニストEC50は、>100μMの値で測定した。
Figure 0007573622000088
Figure 0007573622000089
Figure 0007573622000090
Figure 0007573622000091
Figure 0007573622000092
Figure 0007573622000093
Figure 0007573622000094
Figure 0007573622000095
Figure 0007573622000096
Figure 0007573622000097
Figure 0007573622000098
Figure 0007573622000099
Figure 0007573622000100
Figure 0007573622000101
Figure 0007573622000102
Figure 0007573622000103
本発明の様々な実施態様を記載したが、それでもなお、本発明の本質および範囲から離れることなく、様々な変更がなされ得ることが理解される。従って、他の実施態様は、下記の請求項の範囲内にある。

Claims (12)

  1. 式(II):
    [式中、
    R1は、独立してHまたはC1-4アルキルであり;
    R6は、独立して
    であり;
    R8は、独立してC2-4アルキニル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、フェニル、ピリジル、ベンジル、0~1個のRcで置換されたC1-4アルキル、および0~2個のRdで置換されたC3-6シクロアルキルから選択され;
    Rcは、独立してC1-4アルコキシまたはシアノであり;および
    Rdは、独立してF、シアノおよびC1-4ハロアルキルから選択される]
    の化合物、またはその立体異性体、互変異性体あるいは医薬的に許容される塩。
  2. 下記:
    から選択される化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  3. 請求項1または2に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、および
    1つ以上の医薬的に許容される賦形剤
    を含む、医薬組成物。
  4. 薬剤として用いるための、請求項3に記載の医薬組成物。
  5. がんの治療に用いるための、請求項3に記載の医薬組成物。
  6. がんが、急性骨髄性白血病、副腎皮質がん、カポジ肉腫、リンパ腫、肛門がん、虫垂がん、奇形腫/ラブドイド腫瘍、基底細胞がん、胆管がん、膀胱がん、骨がん、脳腫瘍、乳がん、気管支腫瘍、カルチノイド腫瘍、心臓腫瘍、子宮頸がん、脊索腫、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄増殖性腫瘍、結腸がん、大腸がん、頭蓋咽頭腫、子宮内膜がん、上衣腫、食道がん、嗅神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、眼腫瘍、卵管がん、胆嚢がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍、胚細胞腫瘍、有毛細胞白血病、頭頸部がん、心臓腫瘍、肝臓がん、下咽頭がん、膵臓がん、腎臓がん、喉頭がん、慢性骨髄性白血病、口唇および口腔がん、肺がん、黒色腫、メルケル細胞がん、中皮腫、口唇がん、口腔がん、骨肉腫、卵巣がん、陰茎がん、咽頭がん、前立腺がん、直腸がん、唾液腺がん、皮膚がん、小腸がん、軟部肉腫、精巣がん、喉のがん、甲状腺がん、尿道がん、子宮がん、腟がん、および外陰がんから選択される、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. がんが、乳がん、結腸がん、直腸がん、大腸がん、膵臓がん、および前立腺がんから選択される、請求項5に記載の医薬組成物。
  8. がんが、ホルモン受容体陽性乳がん、マイクロサテライト安定性結腸がんまたは直腸がん、膵臓がんおよび前立腺がんから選択される、請求項5に記載の医薬組成物。
  9. 化合物が、1つ以上の別のがん治療と組み合わせて投与される、請求項4~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  10. 1つ以上の別のがん治療として、手術、放射線療法、化学療法、毒素治療、免疫療法、凍結療法または遺伝子治療、またはその組み合わせが含まれる、請求項9に記載の医薬組成物。
  11. 別のがん治療として、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、PDR001、MEDI-0680、セミピリマブ、JS001、BGB-A317、INCSHR1210、TSR-042、GLS-010、AM-0001、STI-1110、AGEN2034、MGD013、IBI308、BMS-936559、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、STI-1014、CX-072、LY3300054、CK-301、ウレルマブ、PF-05082566、MEDI6469、TRX518、バルリルマブ、CP-870893、BMS-986016、MGA271、リリルマブ、IPH2201、エマクツズマブ、INCB024360、ガルニセルチブ、ウロクプルマブ、BKT140、バビツキシマブ、CC-90002、ベバシズマブ、MNRP1685A、イピリムマブ、MK-1308、AGEN-1884、およびトレメリムマブから選択される1つ以上の薬剤が含まれる、請求項9に記載の医薬組成物。
  12. 別のがん治療として、ニボルマブ、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブおよびアベルマブから選択される1つ以上の薬剤が含まれる、請求項9に記載の医薬組成物。
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