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JP7548165B2 - インダクタ部品およびインダクタ部品の実装構造 - Google Patents

インダクタ部品およびインダクタ部品の実装構造 Download PDF

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JP7548165B2 JP2021141622A JP2021141622A JP7548165B2 JP 7548165 B2 JP7548165 B2 JP 7548165B2 JP 2021141622 A JP2021141622 A JP 2021141622A JP 2021141622 A JP2021141622 A JP 2021141622A JP 7548165 B2 JP7548165 B2 JP 7548165B2
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Description

本発明は、インダクタ部品およびインダクタ部品の実装構造に関する。
従来、インダクタ部品としては、特開平11-251146号公報(特許文献1)に記載されたものがある。インダクタ部品は、素体と、素体に設けられ、軸に沿って螺旋状に巻き回されたコイルと、を有する。
特開平11-251146号公報
ところで、前記従来のようなインダクタ部品では、コイルの全体が、素体に埋め込まれている。そのため、外部環境からコイルを保護し、コイルの信頼性を確保するためには、素体のサイズを大きくする必要があった。その結果、部品サイズを小型化することが困難であった。
そこで、本開示は、部品サイズを小型化しつつもコイルの信頼性を確保できるインダクタ部品およびインダクタ部品の実装構造を提供することにある。
前記課題を解決するため、本開示の一態様であるインダクタ部品は、
素体と、
前記素体に設けられ、軸に沿って螺旋状に巻き回されたコイルと、
を備え、
前記素体は、互いに対向する第1主面および第2主面を有する基板を含み、
前記コイルは、前記第1主面上に設けられた少なくとも1つの第1コイル配線と、前記第2主面上に設けられた少なくとも1つの第2コイル配線と、前記第1主面から前記第2主面に渡って前記基板を貫通するように設けられた少なくとも1つの第1貫通配線と、前記第1主面から前記第2主面に渡って前記基板を貫通するように設けられ、かつ、前記軸に対して前記第1貫通配線と反対側に配置された少なくとも1つの第2貫通配線と、を含み、
前記第1コイル配線と、前記第1貫通配線と、前記第2コイル配線と、前記第2貫通配線とは、この順に接続されることにより、前記螺旋状の少なくとも一部を構成し、
前記少なくとも1つの第2コイル配線は、第1端部が前記第1貫通配線に接続され、第2端部が前記第2貫通配線に接続された両端接続コイル配線を含み、
前記両端接続コイル配線の外面のうち、前記第2主面と反対側に位置する部分が少なくとも外部に露出し、
前記外面のうち外部に露出する露出面は、耐食性を有する導電材料を含む。
前記態様によれば、前記両端接続コイル配線の外面のうち、第2主面と反対側に位置する部分が少なくとも外部に露出しているため、当該部分を絶縁層で覆う場合と比較して、第2主面に直交する方向におけるインダクタ部品の大きさを小さくでき、インダクタ部品を小型化できる。また、上記外面のうち外部に露出する露出面は、耐食性を有する導電材料を含むため、第2コイル配線が露出面を有する場合であっても、第2コイル配線の耐食性を高めて、第2コイル配線を外部環境による劣化から保護できる。その結果、コイルの信頼性を確保できる。
好ましくは、インダクタ部品の一実施形態では、前記素体に設けられ、前記コイルに電気的に接続された外部電極をさらに備え、
前記耐食性を有する導電材料は、前記外部電極の外面を構成する導電材料と同一である。
前記実施形態によれば、前記耐食性を有する導電材料が外部電極の外面を構成する導電材料と同一であるため、外部電極の製造時に、第2コイル配線の少なくとも一部を同時に形成でき、第2コイル配線を容易に製造できる。また、耐食性を有する導電材料が外部電極の外面を構成する導電材料と同一であるため、外部環境に対する安定性を確保できる。
好ましくは、インダクタ部品の一実施形態では、前記外部電極は、前記基板の前記第1主面上に設けられている。
前記実施形態によれば、外部電極が基板の第1主面上に設けられているため、外部電極を容易に製造できる。
好ましくは、インダクタ部品の一実施形態では、前記耐食性を有する導電材料は、Au、Ti、Ti合金、AlまたはAl合金である。
前記実施形態によれば、前記両端接続コイル配線の耐食性を向上できる。
好ましくは、インダクタ部品の一実施形態では、
前記第1コイル配線は、1層以上の導電層を含み、
前記両端接続コイル配線は、2層以上の導電層を含み、
前記両端接続コイル配線の前記導電層の層数は、前記第1コイル配線の前記導電層の層数よりも多い。
前記実施形態によれば、第1コイル配線の導電層の層数を少なくできるため、第1コイル配線を容易に製造できる。
好ましくは、インダクタ部品の一実施形態では、
絶縁層が前記第1主面上に設けられ、
前記第2コイル配線上には、絶縁層が設けられていない。
前記実施形態によれば、第2コイル配線上に絶縁層が設けられていないため、インダクタ部品を小型化できる。
好ましくは、インダクタ部品の一実施形態では、
前記第1コイル配線の主成分となる導電材料と、前記第2コイル配線の主成分となる導電材料とは、前記第1貫通配線および前記第2貫通配線の少なくとも一方の導電材料と同一である。
ここで、コイル配線の主成分とは、コイル配線の延在方向に直交する断面において、占有面積が最大となる導電材料を指す。
前記実施形態によれば、コイル全体の線膨張係数を均一にできるため、配線間の膨張差に起因するコイルの損傷を抑制できる。
好ましくは、インダクタ部品の一実施形態では、
前記第1主面上に設けられ、前記コイルに電気的に接続された外部電極をさらに備え、
前記第1コイル配線は、絶縁層で覆われている。
前記実施形態によれば、外部電極が第1主面上に設けられている場合でも、第1コイル配線と外部電極との絶縁を確保できる。
好ましくは、インダクタ部品の一実施形態では、
前記第2コイル配線は、前記第1コイル配線と同一の導電材料から成る本体部と、前記本体部を被覆し、前記耐食性を有する導電材料を含む被覆層と、を含み、
前記本体部の線幅は、前記第1コイル配線の線幅よりも小さい。
ここで、第1コイル配線の線幅とは、第1コイル配線の延在方向に直交する断面において、第1主面に平行な方向の第1コイル配線の長さを指す。本体部の線幅とは、第2コイル配線の延在方向に直交する断面において、第2主面に平行な方向の本体部の長さを指す。
前記実施形態によれば、第2コイル配線が短絡するリスクを低減させることができる。
好ましくは、インダクタ部品の一実施形態では、
前記第2コイル配線は、前記第1コイル配線と同一の導電材料から成る本体部と、前記本体部を被覆し、前記耐食性を有する導電材料を含む被覆層と、を含み、
前記本体部の厚みは、前記第1コイル配線の厚みよりも小さい。
ここで、第1コイル配線の厚みとは、第1コイル配線の延在方向に直交する断面において、第1主面に直交する方向の第1コイル配線の長さを指す。本体部の厚みとは、第2コイル配線の延在方向に直交する断面において、第2主面に直交する方向の本体部の長さを指す。
前記実施形態によれば、第2主面に直交する方向におけるインダクタ部品の大きさをさらに小さくすることができ、インダクタ部品をさらに小型化できる。
好ましくは、インダクタ部品の一実施形態では、
前記被覆層の少なくとも一部は、前記本体部の幅方向の両側の外面を被覆し、
前記第2コイル配線の線幅をW1、前記本体部の線幅をW21、前記本体部の幅方向の一方側の外面を被覆する前記被覆層の幅をW221、前記本体部の幅方向の他方側の外面を被覆する前記被覆層の幅をW222としたときに、W1>W21>W221+W222を満たす。
ここで、「幅方向」とは、第2コイル配線の延在方向に直交する断面において、第2主面に平行な方向を指す。「本体部の幅方向の一方側の外面を被覆する被覆層の幅」とは、第2コイル配線の延在方向に直交する断面において、本体部の幅方向の一方側の外面を被覆する被覆層における第2主面に平行な方向の長さを指す。同様に、「本体部の幅方向の他方側の外面を被覆する被覆層の幅」とは、第2コイル配線の延在方向に直交する断面において、本体部の幅方向の他方側の外面を被覆する被覆層における第2主面に平行な方向の長さを指す。
前記実施形態によれば、「W1>W21」を満たすため、第2コイル配線が短絡するリスクを低減させることができる。また、「W21>W221+W222」を満たすため、第2コイル配線に占める本体部の割合が増大する。第1コイル配線の導電材料として抵抗率の低い材料を用いた場合、第1コイル配線と同一の導電材料から成る本体部の抵抗率も低下する。そのため、第2コイル配線の抵抗を低くすることができる。
好ましくは、インダクタ部品の一実施形態では、
前記第2コイル配線の厚みをT1、前記本体部の厚みをT21、前記第2主面に直交する方向の前記被覆層の厚みをT22としたときに、T1>T21>2×T22を満たす。
ここで、「第2主面に直交する方向の被覆層の厚み」とは、第2主面に直交する方向から見たときに、被覆層のうち、本体部と重なる部分の厚みを指す。
前記実施形態によれば、「T1>T21」を満たすため、第2主面に直交する方向におけるインダクタ部品の大きさをさらに小さくすることができ、インダクタ部品をさらに小型化できる。また、「T21>2×T22」を満たすため、第2コイル配線間のショートを抑制できる。
好ましくは、インダクタ部品の一実施形態では、
前記第2コイル配線は複数存在し、
隣り合う前記第2コイル配線の間に絶縁層が設けられている。
前記実施形態によれば、隣り合う第2コイル配線間の絶縁を確保できる。
好ましくは、インダクタ部品の一実施形態では、
前記第1コイル配線と、前記第2コイル配線と、前記第1貫通配線と、前記第2貫通配線とは、それぞれ複数存在し、
隣り合う前記第1貫通配線のピッチは、10μm以上150μm以下であり、
隣り合う前記第2貫通配線のピッチは、10μm以上150μm以下である。
前記実施形態によれば、第1貫通配線のピッチが10μm以上、且つ、第2貫通配線のピッチが10μm以上であるため、隣り合う第1コイル配線間、隣り合う第2コイル配線間、隣り合う第1貫通配線間、および隣り合う第2貫通配線間の短絡を抑制できる。また、第1貫通配線のピッチが150μm以下、且つ、第2貫通配線のピッチが150μm以下であるため、コイル長を短くでき、インダクタンスの取得効率を向上させることができる。
本開示の一態様であるインダクタ部品は、
素体と、
前記素体に設けられ、軸に沿って螺旋状に巻き回されたコイルと、
前記素体に設けられ、前記コイルに電気的に接続された外部電極と、
を備え、
前記素体は、互いに対向する第1主面および第2主面を有する基板を含み、
前記コイルは、前記第1主面上に設けられた少なくとも1つの第1コイル配線と、前記第2主面上に設けられた少なくとも1つの第2コイル配線と、前記第1主面から前記第2主面に渡って前記基板を貫通するように設けられた少なくとも1つの第1貫通配線と、前記第1主面から前記第2主面に渡って前記基板を貫通するように設けられ、かつ、前記軸に対して前記第1貫通配線と反対側に配置された少なくとも1つの第2貫通配線と、を含み、
前記第1コイル配線と、前記第1貫通配線と、前記第2コイル配線と、前記第2貫通配線とは、この順に接続されることにより、前記螺旋状の少なくとも一部を構成し、
前記少なくとも1つの第2コイル配線は、第1端部が前記第1貫通配線に接続され、第2端部が前記第2貫通配線に接続された両端接続コイル配線を含み、
前記両端接続コイル配線の外面のうち、前記第2主面と反対側に位置する部分が少なくとも外部に露出し、
前記外面のうち外部に露出する露出面を構成する導電材料は、前記外部電極の少なくとも一部の外面を構成する導電材料と同一である。
前記両端接続コイル配線の外面のうち、第2主面と反対側に位置する部分が少なくとも外部に露出しているため、当該部分を絶縁層で覆う場合と比較して、第2主面に直交する方向におけるインダクタ部品の大きさを小さくでき、インダクタ部品を小型化できる。また、上記外面のうち外部に露出する露出面を構成する導電材料は、前記外部電極の外面を構成する導電材料と同一である。そのため、第2コイル配線が露出面を有する場合であっても、第2コイル配線の外部環境に対する耐性を外部電極と同等にすることができ、第2コイル配線を外部環境による劣化から保護できる。その結果、インダクタ部品の信頼性を確保できる。
好ましくは、インダクタ部品の実装構造の一実施形態では、
実装基板と、
前記実装基板の実装面に実装された前記インダクタ部品と
を備え、
前記コイルの前記軸は、前記実装面に対して直交する。
前記実施形態によれば、コイルの軸は、実装面に対して直交するので、インダクタ部品の磁束がこのインダクタ部品に隣り合う他のインダクタ部品に影響を与えず、実装レイアウトの自由度が向上する。
好ましくは、インダクタ部品の実装構造の一実施形態では、
実装基板と、
前記実装基板の実装面に実装された前記インダクタ部品と
を備え、
前記コイルの前記軸は、前記実装面に対して平行である。
前記実施形態によれば、コイルの軸は、実装面に対して平行であるので、インダクタ部品の磁束が実装基板の配線部の影響を受けず、インダクタンスの取得効率の低下を抑制できる。
好ましくは、インダクタ部品の実装構造の一実施形態では、
前記素体は、長さ、幅および高さを有し、
前記インダクタ部品は、前記素体の長さ、幅および高さのうちの最も短い寸法の方向が前記実装面に対して直交するように、前記実装面に配置される。
前記実施形態によれば、素体の長さ、幅および高さのうちの最も短い寸法の方向が厚み方向となり、インダクタ部品の厚みを薄くできる。
好ましくは、インダクタ部品の実装構造の一実施形態では、
前記素体は、長さ、幅および高さを有し、
前記インダクタ部品は、前記素体の長さ、幅および高さのうちの最も長い寸法の方向が前記実装面に対して直交するように、前記実装面に配置される。
前記実施形態によれば、素体の長さ、幅および高さのうちの短い寸法の方向がインダクタ部品の実装面を決定し、インダクタ部品の実装面積を小さくすることができる。
本開示の一態様であるインダクタ部品およびインダクタ部品の実装構造によれば、部品サイズを小型化しつつもコイルの信頼性を確保できる。
インダクタ部品を底面側から見た模式斜視図である。 インダクタ部品を底面側から見た模式底面図である。 図2のA-A断面図である。 図3のA領域の拡大図である。 インダクタ部品の製造方法を説明する模式断面図である。 インダクタ部品の製造方法を説明する模式断面図である。 インダクタ部品の製造方法を説明する模式断面図である。 インダクタ部品の製造方法を説明する模式断面図である。 インダクタ部品の製造方法を説明する模式断面図である。 インダクタ部品の製造方法を説明する模式断面図である。 インダクタ部品の製造方法を説明する模式断面図である。 インダクタ部品の変形例を示す底面側から見た模式底面図である。 インダクタ部品の実装構造を示す模式図である。 インダクタ部品の実装構造の変形例を示す模式図である。 インダクタ部品の第4実施形態を示す底面側から見た模式斜視図である。 図9のB-B断面図である。 インダクタ部品の第5実施形態を示す底面側から見た模式斜視図である。 インダクタ部品を底面側から見た模式底面図である。 図12のC-C断面図である。
以下、本開示の一態様であるインダクタ部品およびインダクタ部品の実装構造を図示の実施の形態により詳細に説明する。なお、図面は一部模式的なものを含み、実際の寸法や比率を反映していない場合がある。
<第1実施形態>
第1実施形態に係るインダクタ部品1について、以下に説明する。図1は、インダクタ部品1を底面側から見た模式斜視図である。図2は、インダクタ部品1を底面側から見た模式底面図である。図3は、図2のA-A断面図である。なお、図2では、便宜上、素体の絶縁層を省略して描き、外部電極の一部(底面部分)を二点鎖線で描いている。
1.概要構成
インダクタ部品1の概要構成について説明する。インダクタ部品1は、例えば、高周波信号伝送回路に用いられる表面実装型のインダクタ部品である。図1~図3に示すように、インダクタ部品1は、素体10と、素体10に設けられ、軸AXに沿って螺旋状に巻き回されたコイル110と、素体10に設けられ、コイル110に電気的に接続された第1外部電極121および第2外部電極122とを備える。コイル110の軸AXは、コイル110の内径部の中心を通る直線である。
素体10は、長さ、幅および高さを有する。素体10は、長さ方向の両端側にある第1端面100e1および第2端面100e2と、幅方向の両端側にある第1側面100s1および第2側面100s2と、高さ方向の両端側にある底面100bおよび天面100tとを有する。つまり、素体10の外面100は、第1端面100e1および第2端面100e2と、第1側面100s1および第2側面100s2と、底面100bおよび天面100tとを含む。
なお、図面に示すように、以下では、説明の便宜上、素体10の長さ方向(長手方向)であって、第1端面100e1から第2端面100e2に向かう方向をX方向とする。また、素体10の幅方向であって、第1側面100s1から第2側面100s2に向かう方向をY方向とする。また、素体10の高さ方向であって、底面100bから天面100tに向かう方向をZ向とする。X方向、Y方向及びZ方向は、互いに直交する方向であって、X,Y,Zの順に並べたとき、右手系を構成する。
この明細書では、素体10の第1端面100e1、第2端面100e2、第1側面100s1、第2側面100s2、底面100bおよび天面100tを含む「素体の外面100」は、単に素体10の外周側を向く面という意味ではなく、素体10の外側と内側との境界となる面である。また、「素体10の外面100の上方」とは、重力方向に規定される鉛直上方のような絶対的な一方向ではなく、外面100を基準に、当該外面100を境界とする外側と内側とのうち、外側に向かう方向を指す。したがって、「外面100の上方」とは外面100の向きによって定まる相対的な方向である。また、ある要素に対して「上方(above)」には、当該要素とは離れた上方、すなわち当該要素上の他の物体を介した上側の位置や間隔を空けた上側の位置だけではなく、当該要素と接する直上の位置(on)も含む。
素体10は、基板21と、基板21上に設けられた絶縁層22と、を含む。基板21は、Z方向に互いに対向する底面21bおよび天面21tを有する。絶縁層22は、基板21の底面21b上に設けられている。底面21bは、特許請求の範囲に記載の「第1主面」の一例に相当し、天面21tは、特許請求の範囲に記載の「第2主面」の一例に相当する。
コイル110の軸AXは、素体10の長さ、幅および高さのうちの短い寸法の方向に平行に配置されている。ここで、素体10において、長さ(X方向の寸法)、高さ(Z方向)、幅(Y方向の寸法)の順に短くなっている。短い寸法とは、長さ、幅、高さの全てが異なるため、最も長い寸法(長さ)を除く2つの寸法(高さ、幅)の何れか一つの寸法をいう。この実施形態では、短い寸法を幅とし、コイル110の軸AXは、素体10の幅方向に平行に配置されている。
コイル110は、底面21b上に設けられ、かつ、絶縁層22に覆われた複数の底面配線11bと、天面21t上に設けられた複数の天面配線11tと、底面21bから天面21tに渡って基板21を貫通するように設けられ、かつ、軸AXに沿って並ぶ複数の第1貫通配線13と、底面21bから天面21tに渡って基板21を貫通するように設けられ、かつ、軸AXに対して第1貫通配線13と反対側に配置され、かつ、軸AXに沿って並ぶ複数の第2貫通配線14とを含む。
底面配線11bは、特許請求の範囲に記載の「第1コイル配線」の一例に相当し、天面配線11tは、特許請求の範囲に記載の「第2コイル配線」の一例に相当する。底面配線11bと、第1貫通配線13と、天面配線11tと、第2貫通配線14とは、この順に接続されることにより、螺旋状の少なくとも一部を構成する。
天面配線11tは、両端接続コイル配線DWを含む。両端接続コイル配線DWは、天面配線11tのうち、第1端部e1が第1貫通配線13に接続され、第2端部e2が第2貫通配線14に接続された配線である。このため、例えば、第1端部e1が第1外部電極121に直接接続されており、第1外部電極121への引出配線としての機能も兼ねている天面配線11tは、両端接続コイル配線DWには含まれない。本実施形態では、全ての天面配線11tが、両端接続コイル配線DWである。
両端接続コイル配線DWは、両端接続コイル配線DWの外面のうち、天面21tと反対側に位置する部分が少なくとも外部に露出し、露出する露出面は、耐食性を有する導電材料を含む。当該露出面の一部が耐食性を有する導電材料から構成されていてもよいし、当該露出面の全体が耐食性を有する導電材料から構成されていてもよい。両端接続コイル配線DWの耐食性をより向上させる観点から、当該露出面の全体が耐食性を有する導電材料から構成されていることが好ましい。また、当該露出面は、底面配線11bを構成する導電材料よりも耐食性が高い導電材料を含むことが好ましい。これにより、両端接続コイル配線DW(天面配線11t)の耐食性が底面配線11bよりも向上し、コイル110の信頼性を高めることができる。
上記構成によれば、両端接続コイル配線DWの外面のうち、天面21tと反対側に位置する部分が少なくとも外部に露出しているため、当該部分を絶縁層で覆う場合と比較して、天面21tに直交する方向(Z方向)におけるインダクタ部品1の大きさを小さくでき、インダクタ部品1を小型化できる。また、上記外面のうち外部に露出する露出面は、耐食性を有する導電材料を含むため、両端接続コイル配線DWが露出面を有する場合であっても、両端接続コイル配線DWの耐食性を高めて、両端接続コイル配線DWを外部環境による劣化から保護できる。その結果、コイル110の信頼性を確保できる。
第1外部電極121は、素体10の底面100bおよび第1端面100e1に設けられている。具体的に述べると、第1外部電極121の一部分は、底面配線11bの上方で、かつ、底面配線11bから離隔するように絶縁層22に設けられ、第1外部電極121の他の部分は、第1端面100e1から露出するように第1端面100e1に埋め込まれている。
第2外部電極122は、素体10の底面100bおよび第2端面100e2に設けられている。具体的に述べると、第2外部電極122の一部分は、底面配線11bの上方で、かつ、底面配線11bから離隔するように絶縁層22に設けられ、第2外部電極122の他の部分は、第2端面100e2から露出するように第2端面100e2に埋め込まれている。
2.各部構成
(インダクタ部品1)
インダクタ部品1の体積は、好ましくは、0.08mm以下であり、かつ、インダクタ部品1の長辺の大きさは、0.65mm以下である。インダクタ部品1の長辺の大きさは、インダクタ部品1の長さ、幅および高さのうちの最も大きい値をいい、この実施形態では、X方向の長さをいう。上記構成によれば、インダクタ部品1の体積が小さく、かつ、インダクタ部品1の長辺も短いので、インダクタ部品1の重量が軽くなる。このため、外部電極121,122が小さくても、必要な実装強度を得ることができる。
具体的に述べると、インダクタ部品1のサイズ(長さ(X方向)×幅(Y方向)×高さ(Z方向))は、0.6mm×0.3mm×0.3mm、0.4mm×0.2mm×0.2mm、0.25mm×0.125mm×0.120mmなどである。また、幅と高さは等しくなくてもよく、例えば、0.4mm×0.2mm×0.3mmなどであってもよい。
(素体10)
素体10は、Z方向の両端側にある底面21bおよび天面21tを有する基板21と、基板21の底面21bを覆う絶縁層22とを備える。このように、絶縁層22は、底面配線11bを覆うので、絶縁層22により底面配線11bを実装時のはんだや環境ストレスから保護することができる。また、基板21と比較して絶縁層22の絶縁性を高くすることで、渦電流を抑制でき、Q値を向上できる。
基板21の材料は、好ましくは、ガラスであり、これによれば、ガラスは絶縁性が高いため、渦電流を抑制でき、Q値を高くできる。基板21には、好ましくは、Si元素が含有され、これによれば、基板21の熱的安定性が高く、このため、熱による素体10寸法などの変動を抑制し、電気特性バラツキを小さくすることができる。
基板21は、好ましくは、単層ガラス板である。これによれば、素体10の強度を確保することができる。また、単層ガラス板の場合、誘電損が小さいことから高周波でのQ値を高くすることができる。また、焼結体のような焼結工程がないので焼結時の素体10の変形が抑制できることからパターンズレを抑制でき、インダクタンス公差の小さいインダクタ部品を提供できる。
単層ガラス板の材料としては、製造方法の観点からは、FoturanII(SchottAG社登録商標)に代表される感光性を有するガラス板が好ましい。特に、単層ガラス板は、セリウム酸化物(セリア:CeO)を含有していることが好ましく、この場合、セリウム酸化物が増感剤となって、フォトリソグラフィによる加工がより容易となる。
ただし、単層ガラス板は、ドリル、サンドブラストなどの機械加工、フォトレジスト・メタルマスクなどを用いたドライ/ウェットエッチング加工、レーザ加工などによって加工できることから、感光性を有さないガラス板であってもよい。また、単層ガラス板は、ガラスペーストを焼結させたものであってもよいし、フロート法などの公知の方法よって形成されていてもよい。
単層ガラス板は、ガラス体の内部に一体化した内部導体など、配線(コイル110の一部)を取り込んでいない単層の板状部材である。特に、単層ガラス板は、ガラス体としての外側と内側との境界としての外面を有する。単層ガラス板に形成された貫通孔Vもガラス体の外側と内側との境界であるため、素体10の外面100に含まれる。
単層ガラス板は、基本的にはアモルファス状態であるが、結晶化部を有していてもよい。例えば上記FoturanIIの場合、アモルファス状態のガラスの誘電率が6.4であるのに対し、結晶化させることで、誘電率を5.8に減少できる。これによって、結晶化部付近の、導体間(配線間)の浮遊容量を減少させることができる。
絶縁層22は、配線(底面配線11b)を覆うことで、配線を外力から保護し、配線の損傷を防止する役割や、配線の絶縁性を向上する役割を有する部材である。絶縁層22は、例えば絶縁性及び薄膜化に優れた珪素やハフニウムなどの酸化物、窒化物、酸窒化物などの無機膜とすることが好ましい。ただし、絶縁層22はより形成が容易なエポキシ、ポリイミドなどの樹脂膜であってもよい。特に、絶縁層22は、低誘電率の材料で構成されることが好ましく、これにより、コイル110と外部電極121,122との間に絶縁層22が存在する場合、コイル110と外部電極121,122との間に形成される浮遊容量を低減することができる。
絶縁層22は、例えば、ABF GX-92(味の素ファインテクノ株式会社社製)などの樹脂フィルムをラミネートするか、ペースト状の樹脂を塗布、熱硬化するなどによって形成できる。
好ましくは、絶縁層22の厚みは、基板21の厚みの1/3以下であり、絶縁層22の誘電率は、基板21の誘電率よりも小さい。厚みとは、底面21bに直交する方向の大きさの最大値である。これによれば、絶縁層22の厚みが薄くなり、インダクタ部品1を小型化できる。また、絶縁層22の厚みが薄くなり、第1と第2外部電極121,122と底面配線11bとの距離が短くなっても、絶縁層22の誘電率が基板21の誘電率よりも小さいため、第1と第2外部電極121,122と底面配線11bとの間の寄生容量を小さくでき、Q値を高くできる。
なお、素体10は、焼結体を含んでいてもよく、つまり、基板21は、焼結体であってもよく、素体10の強度を確保することができる。また、焼結体にフェライトなどを用いることで、インダクタンスの取得効率を高くすることができる。
素体10は、さらに、底面21b側の絶縁層22上の一部を覆う絶縁膜を備えていてもよい。つまり、絶縁膜は、絶縁層22上に設けられた第1外部電極121および第2外部電極122の間に少なくとも位置し、第1外部電極121と第2外部電極122の短絡をより確実に防止することができる。絶縁膜の材料は、例えば、絶縁層22と同じ材料である。
(コイル110)
コイル110は、基板21の底面21bの上方に配置され絶縁層22に覆われた底面配線11bと、基板21の天面21tの上方に配置された天面配線11tと、基板21を底面21bおよび天面21tに渡って貫通し、互いに軸AXに対して反対側に配置された一対の貫通配線13,14とを備える。底面配線11b、第1貫通配線13、天面配線11tおよび第2貫通配線14は、順に接続されて軸AX方向に巻き回されたコイル110の少なくとも一部を構成する。
上記構成によれば、コイル110は、いわゆるヘリカル形状のコイル110であるので、軸AXに直交する断面において、底面配線11b、天面配線11tおよび貫通配線13,14がコイル110の巻き回し方向に沿って並走する領域を低減でき、コイル110における浮遊容量を低減できる。
ここで、ヘリカル形状とは、コイル全体のターン数は1ターンより大きく、かつ、軸に直交する断面におけるコイルのターン数は1ターン未満である形状をいう。軸に直交する断面におけるコイルのターン数について、1ターン以上とは、軸に直交する断面において、コイルの配線が、軸方向からみて径方向に隣り合って巻回方向に並走する部分を有する状態をいい、1ターン未満とは、軸に直交する断面において、コイルの配線が、軸方向からみて径方向に隣り合って巻回方向に並走する部分を有さない状態をいう。なお、配線の並走する部分は、配線の巻回方向に延在する延在部分のみならず、延在部分の端部に接続され延在部分の幅よりも大きな幅を有するパッド部をも含む。
コイル110の軸AXは、素体10の長さ、幅および高さのうちの最も短い寸法である幅の方向に平行に配置される。これによれば、コイル110内径をより大きくできて、インダクタンスの取得効率をより高めることができる。
好ましくは、図2に示すように、底面21bにおいて、複数の第1貫通配線13の端面13bの重心を結ぶ線(一点鎖線)は、コイル110の軸AXに平行であり、かつ、複数の第2貫通配線14の端面14bの重心を結ぶ線(一点鎖線)は、コイル110の軸AXに平行である。これによれば、コイル内径を軸方向に沿って一定に大きくできて、インダクタンスの取得効率をより高めることができる。さらに好ましくは、天面21tにおいて、複数の第1貫通配線13の端面13tの重心を結ぶ線は、コイル110の軸AXに平行であり、かつ、複数の第2貫通配線14の端面14tの重心を結ぶ線は、コイル110の軸AXに平行である。
底面配線11bは、一つの方向にのみ延在している。具体的に述べると、底面配線11bは、ややY方向に傾いてX方向に延伸している。複数の底面配線11bは、Y方向に沿って並び、互いに平行に配置されている。ここで、フォトリソグラフィ工程において、例えば輪帯照明、ダイポール照明などの変形照明を使用すると、特定方向のパターン解像性を高めて、より微細なパターンを形成することができる。上記構成によれば、底面配線11bが1方向に延在しているため、フォトリソグラフィ工程で例えば変形照明を使用することにより、微細な底面配線11bを形成でき、インダクタ部品1を小型化できる。具体的には、底面配線11bが1方向にのみ延在している場合、底面配線11b同士の線間は、当該1方向に直交する方向となるので、この直交する方向のパターン解像性を高めることで、底面配線11b同士の線間の形成精度を通常よりも向上できる。
天面配線11tは、一つの方向にのみ延在している。具体的に述べると、天面配線11tは、X方向に延びる形状である。複数の天面配線11tは、Y方向に沿って並び、互いに平行に配置されている。上記構成によれば、天面配線11tが1方向にのみ延在しているため、フォトリソグラフィ工程で例えば変形照明を使用することにより、微細な天面配線11tを形成でき、インダクタ部品1を小型化できる。
上述したように、本実施形態では、全ての天面配線11tは、第1端部e1が第1貫通配線13に接続され、第2端部e2が前記第2貫通配線14に接続された両端接続コイル配線DWである。両端接続コイル配線DWの外面のうち、天面21tと反対側に位置する部分は、少なくとも外部に露出し、外面のうち外部に露出する露出面は、耐食性を有する導電材料を含む。
図3に示すように、各両端接続コイル配線DWは、本体部111tと、本体部111tを被覆する被覆層112tと、を含む。本体部111tは、天面21t上に設けられ、X方向に延在している。本体部111tの形状は、特に限定されない。本実施形態では。X方向に直交する断面において、本体部111tは、矩形状である。本体部111tの導電材料は、底面配線11bと同一とすることが好ましい。これにより、底面配線11bの製造時に本体部111tも製造することができ、製造工程を簡略化できる。本体部111tの導電材料は、例えば銅である。
被覆層112tは、本体部111tの外面のうち、天面21t側の外面以外の外面全体を被覆している。被覆層112tは、耐食性を有する導電材料を含む。「耐食性を有する」とは、金属の劣化、すなわち錆びにくさを有することを意味する。この「耐食性を有する」にはイオン化傾向が小さいことで酸化自体されにくい、という場合だけでなく、金属表面が酸素と結合して不動態被膜を形成することで、それ以上の腐食を抑制する、という場合も含まれる。耐食性を有する導電材料は、例えば、イオン化傾向の小さいAu,Pt,Ag、その合金や、不動態被膜を形成するTi,Al,Cr,Taやその合金、Ni合金などである。これにより、両端接続コイル配線DWの耐食性を向上できる。本実施形態では、被覆層112tを構成する導電材料は、第1外部電極121および第2外部電極122の導電材料と同一である。これにより、両端接続コイル配線DWが露出面を有する場合であっても、両端接続コイル配線DWの外部環境に対する耐性を第1,第2外部電極121,122と同等にすることができ、両端接続コイル配線DWを外部環境による劣化から保護できる。その結果、インダクタ部品1の信頼性を確保できる。また、第1外部電極121および第2外部電極122の製造時に、両端接続コイル配線DW(天面配線11t)の少なくとも一部を同時に形成でき、両端接続コイル配線DWを容易に製造できる。以上の構成により、両端接続コイル配線DWの外面のうち、天面21t側の外面以外の外面全体が外部への露出面となり、この露出面が、耐食性を有する導電材料を含む。
なお、被覆層112tの全体が、耐食性を有する導電材料から構成されていてもよい。これにより、両端接続コイル配線DWの耐食性を効果的に高めることができる。また、被覆層112tは、複数層から構成されていてもよい。この場合、各層において、耐食性を有する導電材料が含まれていることが好ましい。ただし、両端接続コイル配線DWの耐食性を確保するため、最外層には少なくとも耐食性を有する導電材料が含まれている。複数層の例として、例えば、Ni/Auなどが挙げられる。
第1貫通配線13は、素体10の貫通孔V内で、軸AXに対して第1端面100e1側に配置され、第2貫通配線14は、素体10の貫通孔V内で、軸AXに対して第2端面100e2側に配置されている。第1貫通配線13および第2貫通配線14は、それぞれ、底面21bおよび天面21t(底面100bおよび天面100t)に直交する方向に延伸している。これによれば、第1貫通配線13および第2貫通配線14の長さを短くできるため、直流抵抗(Rdc)を抑制できる。複数の第1貫通配線13および複数の第2貫通配線14は、それぞれ、Y方向に沿って並び、互いに平行に配置されている。
底面配線11bと、天面配線11tの本体部111tとは、銅、銀,金又はこれらの合金などの良導体材料からなる。底面配線11bと、天面配線11tの本体部111tとは、めっき、蒸着、スパッタリングなどによって形成された金属膜であってもよいし、導体ペーストを塗布、焼結させた金属焼結体であってもよい。また、底面配線11bと、天面配線11tの本体部111tとは、複数の金属層が積層された多層構造であってもよい。底面配線11bと、天面配線11tの本体部111tとの厚みは、5μm以上50μm以下であることが好ましい。
第1貫通配線13および第2貫通配線14は、素体10に予め形成された貫通孔V内に、底面配線11bおよび天面配線11tで例示した材料、製法を用いて形成することができる。好ましくは、第1貫通配線13および第2貫通配線14の少なくとも1つは、複数の導電体層からなる。これによれば、導電体層の種類を選択でき、用途に応じた貫通配線の形成が可能となる。例えば、バリア性や密着性は高いが導電率の低いTiNやTi、Niなどの導電体層と、導電率の高いCuやAgなどの導電体層とを組み合わせて、貫通配線13,14を形成することができる。また、コンフォーマルめっき後の空洞部に印刷法などでCuやAgフィラーを含有する導電性ペーストを充填することで、安価かつ低Rdcの貫通配線13,14を形成することができる。なお、貫通配線13,14には応力を緩和するために一部に空隙があってもよい。
好ましくは、底面配線11b、天面配線11tの本体部111t、第1貫通配線13および第2貫通配線14は、銅が主成分である。これによれば、配線の材料として安価で導電性が高い銅を使用することにより、インダクタ部品1の量産性を向上し、Q値を高くできる。
好ましくは、図2に示すように、底面21bに直交する方向からみて、底面配線11bの第1端部と天面配線11tの第1端部e1とが重なり、底面配線11bと天面配線11tとのなす角度θは、5度以上45度以下である。角度θとは、底面21bに直交する方向からみて、底面配線11bの幅の中心線(一点鎖線)と天面配線11tの幅の中心線(一点鎖線)との間の角度である。
上記構成によれば、角度θが45度以下であることにより、コイル110が密に巻回されるため、インダクタンスを向上させることができる。また、角度θが5度以上であることにより、隣接する底面配線11b同士、隣接する天面配線11t同士、隣接する第1貫通配線13同士又は隣接する第2貫通配線14同士の間隔が確保され、短絡の発生を低減することができる。なお、全ての底面配線11bおよび天面配線11tの少なくとも1組の底面配線11bおよび天面配線11tにおいて、角度θが、5度以上45度以下であればよく、好ましくは、全ての組の底面配線11bおよび天面配線11tにおいて、角度θが、5度以上45度以下であればよい。
好ましくは、図2に示すように、第1貫通配線13の数量と第2貫通配線14の数量は、同じであり、底面21bに直交する方向からみて、第1貫通配線13および第2貫通配線14は、コイル110の軸AXに対して、線対称となる。この実施形態では、第1貫通配線13の数量と第2貫通配線14の数量は、それぞれ、4つである。
上記構成によれば、第1貫通配線13および第2貫通配線14の数量が同じである場合、これらがコイル110の軸AXに対して非対称となる場合と比べて、コイル110の軸AX方向の大きさを小さくでき、インダクタ部品1を小型化できる。
好ましくは、図3に示すように、第1貫通配線13の延在方向の長さLは、底面21bにおける第1貫通配線13の端面13bの円相当径Rに対して、5倍以上である。同様に、第2貫通配線14の延在方向の長さLは、底面21bにおける第2貫通配線14の端面14bの円相当径Rに対して、5倍以上である。これによれば、第1貫通配線13および第2貫通配線14のアスペクト比を高くできるので、コイル110内径を大きくでき、インダクタンス取得効率をより高くすることができる。なお、第1貫通配線13の延在方向の長さLは、天面21tにおける第1貫通配線13の端面13tの円相当径Rに対して、5倍以上であることがさらに好ましい。同様に、第2貫通配線14の延在方向の長さLは、天面21tにおける第2貫通配線14の端面14tの円相当径Rに対して、5倍以上であることがさらに好ましい。
図4は、図3のA領域の拡大図である。図4に示すように、天面配線11tの線幅をW1、本体部111tの線幅をW21、本体部111tの幅方向の一方側の外面を被覆する被覆層112tの幅をW221、本体部111tの幅方向の他方側の外面を被覆する被覆層112tの幅をW222としたときに、好ましくは、W1>W21>W221+W222を満たす。ここで、「幅方向」とは、天面配線11tの延在方向(X方向)に直交する断面において、天面21tに平行な方向を指す。「本体部111tの幅方向の一方側の外面を被覆する被覆層112tの幅」とは、天面配線11tの延在方向に直交する断面において、本体部111tの幅方向の一方側の外面を被覆する被覆層112tにおける天面21tに平行な方向の長さを指す。同様に、「本体部111tの幅方向の他方側の外面を被覆する被覆層112tの幅」とは、天面配線11tの延在方向に直交する断面において、本体部111tの幅方向の他方側の外面を被覆する被覆層112tにおける天面21tに平行な方向の長さを指す。
上記構成によれば、「W1>W21」を満たすため、天面配線11tが短絡するリスクを低減させることができる。また、「W21>W221+W222」を満たすため、天面配線11tに占める本体部111tの割合が増大する。このため、本体部111tの導電材料として抵抗率の低い材料を用いた場合、天面配線11tの抵抗を低くすることができる。
また、天面配線11tの厚みをT1、本体部111tの厚みをT21、天面21tに直交する方向(Z方向)の被覆層112tの厚みをT22としたときに、好ましくは、T1>T21>2×T22を満たす。ここで、「天面21tに直交する方向の被覆層112tの厚み」とは、天面21tに直交する方向から見たときに、被覆層112tのうち、本体部111tと重なる部分における当該方向の厚み(換言すると、本体部111tの真上に存在する被覆層112tにおける当該方向の厚み)を指す。
上記構成によれば、「T1>T21」を満たすため、天面21tに直交する方向におけるインダクタ部品1の大きさをさらに小さくすることができ、インダクタ部品1をさらに小型化できる。また、フォトリソグラフィ工程では、解像性を高めるため、Y方向に隣り合う本体部111tの隙間の間隔(図4で符号Lと表記)は、本体部111tの厚みT21と同じにすることが好ましい。隣り合う本体部111tの隙間の間隔を厚みT21と同じにした場合、上記構成によれば、「T21>2×T22」を満たすため(すなわち、Y方向に隣り合う本体部111tの隙間の間隔が、被覆層112tの厚みT22の2倍よりも大きいため)、天面配線11t間のショートを抑制できる。
(第1外部電極121および第2外部電極122)
第1外部電極121は、素体10の外面100から露出するように、素体10のX方向の中心に対して第1端面100e1側に設けられている。第2外部電極122は、素体10の外面100から露出するように、素体10のX方向の中心に対して第2端面100e2側に設けられている。
第1外部電極121は、コイル110の第1端に接続され、第2外部電極122は、コイル110の第2端に接続される。第1外部電極121および第2外部電極122は、それぞれ、単層の導電材料から構成され、または、複数層の導電材料から構成されていてもよい。単層の導電材料の場合、第1外部電極121および第2外部電極122は、天面配線11tの被覆層112tと同じ導電材料から構成されていることが好ましいが、異なる導電材料から構成されていてもよい。複数層の導電材料の場合、例えば、コイル110と同じ材料の下地層と、下地層を覆うめっき層とから構成されることが好ましい。めっき層は、被覆層112tと同じ導電材料から構成されていることが好ましい。
第1外部電極121は、第1端面100e1および底面100bに連続して設けられている。上記構成によれば、第1外部電極121は、いわゆるL字形状の電極であるので、インダクタ部品1を実装基板に実装する際、第1外部電極121にはんだフィレットを形成することができる。これにより、インダクタ部品1の実装強度を向上でき、また、インダクタ部品1の実装姿勢をより安定化できる。
第1外部電極121は、第1端面100e1に設けられた第1端面部分121eと、底面100bに設けられた第1底面部分121bとを有する。第1端面部分121eと第1底面部分121bは、接続されている。第1端面部分121eは、第1端面100e1から露出するように第1端面100e1に埋め込まれている。第1底面部分121bは、底面100bから突出するように底面100b上に配置されている。第1端面部分121eは、コイル110の第1貫通配線13に接続されている。
第1端面部分121eは、Z方向に沿って順に接続された第1部分121e1、第2部分121e2および第3部分121e3を有する。第1部分121e1は、底面100bにおいて第1底面部分121bに接続される。第2部分121e2は、素体10内において第1貫通配線13に接続される。第3部分121e3は、基板21から露出している。
第2外部電極122は、第2端面100e2および底面100bに連続して設けられている。上記構成によれば、第2外部電極122は、いわゆるL字形状の電極であるので、インダクタ部品1を実装基板に実装する際、第2外部電極122にはんだフィレットを形成することができる。これにより、インダクタ部品1の実装強度を向上でき、また、インダクタ部品1の実装姿勢をより安定化できる。
第2外部電極122は、第2端面100e2に設けられた第2端面部分122eと、底面100bに設けられた第2底面部分122bとを有する。第2端面部分122eと第2底面部分122bは、接続されている。第2端面部分122eは、コイル110の第2貫通配線14に接続されている。第2端面部分122eは、第2端面100e2から露出するように第2端面100e2に埋め込まれている。第2底面部分122bは、底面100bから突出するように底面100b上に配置されている。
第2端面部分122eは、Z方向に沿って順に接続された第1部分122e1、第2部分122e2および第3部分122e3を有する。第1部分122e1は、底面100bにおいて第2底面部分122bに接続される。第2部分122e2は、素体10内において第2貫通配線14に接続される。第3部分122e3は、基板21から露出している。
前記インダクタ部品1によれば、両端接続コイル配線DW(天面配線11t)の外面のうち、天面21t側の外面以外の外面全体が露出面となる。そのため、両端接続コイル配線DWの外面のうち、天面21tと反対側に位置する部分が外部に露出し、当該部分を絶縁層で覆う場合と比較して、天面21tに直交する方向におけるインダクタ部品1の大きさを小さくでき、インダクタ部品1を小型化できる。また、外部に露出する露出面は、耐食性を有する導電材料を含むため、両端接続コイル配線DW(天面配線11t)が露出面を有する場合であっても、両端接続コイル配線DWの耐食性を高めて、両端接続コイル配線DWを外部環境による劣化から保護できる。その結果、コイル110の信頼性を確保できる。
好ましくは、耐食性を有する導電材料は、第1外部電極121および第2外部電極122の外面を構成する導電材料と同一である。
上記構成によれば、両端接続コイル配線DWが露出面を有する場合であっても、両端接続コイル配線DWの外部環境に対する耐性を第1,第2外部電極121,122と同等にすることができ、両端接続コイル配線DWを外部環境による劣化から保護できる。その結果、インダクタ部品1の信頼性を確保できる。また、第1外部電極121および第2外部電極122の製造時に、天面配線11tの少なくとも一部を同時に形成でき、天面配線11tを容易に製造できる。また、耐食性を有する導電材料が第1外部電極121および第2外部電極122の外面を構成する導電材料と同一であるため、外部環境に対する安定性を確保できる。
好ましくは、底面配線11bは、1層以上の導電層を含み、両端接続コイル配線DWは、2層以上の導電層を含み、両端接続コイル配線DWの導電層の層数は、底面配線11bの導電層の層数よりも多い。
上記構成によれば、底面配線11bの導電層の層数を少なくできるため、底面配線11bを容易に製造できる。
好ましくは、両端接続コイル配線DWおよび第1,第2外部電極121,122の各々は、銅を主成分とする導電層を含む複数の導電層を有する。
上記構成によれば、両端接続コイル配線DWおよび第1,第2外部電極121,122の各々が、抵抗率の低い銅を含むため、Rdc(直流抵抗)を抑制できる。
好ましくは、耐食性を有する導電材料は、第1,第2外部電極121,122の外面を構成する導電材料と同一であり、底面配線11bの外面を構成する導電材料は、耐食性を有する導電材料および第1,第2外部電極121,122の外面を構成する導電材料と異なる。
上記構成によれば、耐食性を有する導電材料が第1,第2外部電極121,122の外面を構成する導電材料と同一であるため、第1,第2外部電極121,122の製造時に、天面配線11tの少なくとも一部を同時に形成でき、天面配線11tを容易に製造できる。また、第1,第2外部電極121,122に対する安定性を確保できる。また、底面配線11bの外面を構成する導電材料が、耐食性を有する導電材料および第1,第2外部電極121,122の外面を構成する導電材料と異なるため、底面配線11bを形成する際に、耐食性を有する導電材料と同一の導電材料で被覆する必要がなくなる。そのため、材料コストを低減させることができる。
好ましくは、底面配線11bの主成分となる導電材料と、天面配線11tの主成分となる導電材料とは、第1貫通配線13および第2貫通配線14の少なくとも一方の導電材料と同一である。
ここで、底面配線11bの主成分とは、底面配線11bの延在方向に直交する断面において、占有面積が最大となる導電材料を指す。天面配線11tの主成分についても同様に定義される。
上記構成によれば、コイル110全体の線膨張係数を均一にできるため、配線間の膨張差に起因するコイル110の損傷を抑制できる。
好ましくは、天面配線11tは、底面配線11bと同一の導電材料から成る本体部111tと、被覆層112tと、を含み、本体部111tの線幅は、底面配線11bの線幅よりも小さい。
ここで、底面配線11bの線幅とは、底面配線11bの延在方向に直交する断面において、底面21bに平行な方向の底面配線11bの長さを指す。本体部111tの線幅とは、天面配線11tの延在方向(X方向)に直交する断面において、天面21tに平行な方向の本体部111tの長さを指す。具体的に述べると、底面配線11bの延在方向に直交する断面とは、底面配線11bの延在方向に直交し、且つ、底面配線11bの延在方向の中心を通る面である。同様に、天面配線11tの延在方向に直交する断面とは、天面配線11tの延在方向に直交し、且つ、天面配線11tの延在方向の中心を通る面である。
上記構成によれば、天面配線11tが短絡するリスクを低減させることができる。
好ましくは、天面配線11tは、底面配線11bと同一の導電材料から成る本体部111tと、被覆層112tと、を含み、本体部111tの厚みは、底面配線11bの厚みよりも小さい。
ここで、底面配線11bの厚みとは、底面配線11bの延在方向に直交する断面において、底面21bに直交する方向の底面配線11bの長さを指す。本体部111tの厚みとは、天面配線11tの延在方向に直交する断面において、天面21tに直交する方向の本体部111tの長さを指す。
上記構成によれば、天面21tに直交する方向におけるインダクタ部品1の大きさをさらに小さくすることができ、インダクタ部品1をさらに小型化できる。
好ましくは、隣り合う第1貫通配線13のピッチ(図2で符号P13と表記)は、10μm以上150μm以下であり、隣り合う第2貫通配線14のピッチ(図2で符号P14と表記)は、10μm以上150μm以下である。
ここで、隣り合う第1貫通配線13のピッチとは、隣り合う第1貫通配線13の中心線間の距離である。隣り合う第2貫通配線14のピッチも同様に定義される。
上記構成によれば、隣り合う第1貫通配線13のピッチが10μm以上、且つ、隣り合う第2貫通配線14のピッチが10μm以上であるため、隣り合う底面配線11b間、隣り合う天面配線11t間、隣り合う第1貫通配線13間、および隣り合う第2貫通配線14間の短絡を抑制できる。また、隣り合う第1貫通配線13のピッチが150μm以下、且つ、隣り合う第2貫通配線14のピッチが150μm以下であるため、コイル長を短くでき、インダクタンスの取得効率を向上させることができる。
好ましくは、底面21bに直交する方向からみて、隣り合う第1貫通配線13の端面13bの間の最小距離(図2で符号L13と表記)は、5μm以上であり、隣り合う第2貫通配線14の端面14bの間の最小距離(図2で符号L14と表記)は、5μm以上である。
上記構成によれば、隣り合う第1貫通配線13間、および隣り合う第2貫通配線14間の短絡をさらに抑制できる。
好ましくは、第1,第2外部電極121,122および天面配線(第2コイル配線)11tの少なくとも一方の導電材料に、磁性を有する導電材料を用いる場合、この導電材料から構成される導電層の厚みおよび幅の少なくとも一方は、1μm以下である。
ここで、磁性を有する導電材料は、例えばFe,Co,Niである。例えば、NiやNi合金を有する導電材料を外部電極に用いた場合、外部電極のエレクトロマイグレーション耐性を向上できる。また、導電層の「厚み」および「幅」は、図4で示したT,Wと同様に定義すればよい。上記構成によれば、磁性を有する導電材料を外部電極に用いた場合でも、導電層のサイズが小さいため、高周波損失を低減できると共に、エレクトロマイグレーション耐性も向上できる。
(インダクタ部品1の製造方法)
次に、図5Aから図5Gを用いてインダクタ部品1の製造方法を説明する。図5Aから図5Gは、図2のA-A断面に対応した図である。
図5Aに示すように、基板21となるガラス基板1021を準備する。ガラス基板1021は、単層ガラス板である。ガラス基板1021の所定位置に複数の貫通孔Vを設ける。このとき、ガラス基板1021をレーザ加工により開口するが、または、ドライもしくはウェットエッチング加工、または、ドリルなどの機械加工により開口してもよい。
図5Bに示すように、ガラス基板1021の全面に図示しないシード層を設け、シード層上に電解めっきで銅の層を形成し、ガラス基板1021の貫通孔V内を除いた全面のシード層および銅層をウェットエッチング又はドライエッチングで除去する。これにより、ガラス基板1021の貫通孔V内に第1貫通配線13となる貫通導体層1013を形成する。このとき、図示しないが、同様に、貫通孔V内に第2貫通配線14となる貫通導体層を形成する。また、第1端面部分121eの第3部分121e3となる第3部分導体層を形成し、第2端面部分122eの第3部分122e3となる第3部分導体層を形成する。
図5Cに示すように、ガラス基板1021の全面に図示しないシード層を設け、シード層上にパターニングされたフォトレジストを形成する。次に、フォトレジストの開口部におけるシード層上に電解めっきで銅の層を形成する。その後に、フォトレジスト及びシード層をウェットエッチング又はドライエッチングで除去する。これにより、任意の形状にパターニングされた底面配線11bとなる底面導体層1011bおよび天面配線11tの本体部111tとなる本体部導体層1011tを形成する。このとき、図示しないが、第1端面部分121eの第2部分121e2となる第2部分導体層を形成し、第2端面部分122eの第2部分122e2となる第2部分導体層を形成する。
なお、図5Bにおいて、銅層を除去しないで、底面導体層1011bおよび本体部導体層1011tを形成してもよい。その場合、貫通孔Vに対応する底面導体層1011bおよび本体部導体層1011tの上面の形状は、凹形状となる。
図5Dに示すように、底面導体層1011bを覆うように、絶縁層22となる絶縁樹脂層1022をガラス基板1021に塗布し硬化する。
図5Eに示すように、絶縁樹脂層1022上に図示しないシード層を設け、シード層上にパターニングされたフォトレジスト1023を形成する。次に、フォトレジスト1023の開口部におけるシード層上と、本体部導体層1011tの露出面上と、に図示しない触媒層を形成する。そして、無電解めっきにより、フォトレジスト1023の開口部におけるシード層上および本体部導体層1011tの露出面上にめっき層を形成する。めっき層は、例えばNi/Auなどである。めっき層は、単層であってもよい。その後、図5Fに示すように、フォトレジスト及びシード層をウェットエッチング又はドライエッチングで除去する。これにより、任意の形状にパターニングされた第1底面部分121bとなる第1底面導体層1021bと、被覆層112tとなる被覆導体層1012tと、を形成する。このとき、図示しないが、無電解めっきにより、第2底面部分122bとなる第2底面導体層を形成する。なお、上記では第1底面導体層1021bと被覆導体層1012tを同時に形成したが、この方法に限られず、例えば、次の方法であってもよい。まず、本体部導体層1011t上にフォトレジストなどを形成する。次に第1底面部分121bとなる第1底面導体層1021bとしてNi/Snのめっき層を形成する。次に、本体部導体層1011t上のフォトレジストなどを除去する一方、第1底面導体層1021b上にフォトレジストなどを形成する。次に、本体部導体層1011tの表面にNi/Auのめっき層を形成して被覆導体層1012tとし、最後に、第1底面導体層1021b上のフォトレジストなどを除去する。これにより、第1底面導体層1021bと異なる構成の被覆導体層1012tを形成することができる。
図5Gに示すように、カット線Cにて個片化して、インダクタ部品1を製造する。なお、上述の第2部分導体層および第3部分導体層の各々を覆うようにバレルめっきにてめっき層を形成してもよい。めっき層は、例えば、Ni/Auの2層から構成される。めっき層は、例えば、Cu/Ni/AuやCu/Ni/Pd/Auなどの複数層から構成されてもよい。
なお、上記製造方法では、銅層をウェットエッチング又はドライエッチングで除去したが、銅層の除去においてCMP加工や機械加工を用いてもよい。また、貫通孔V内に貫通配線となる貫通導体層を形成する際、全てをめっきで形成したが、部分的にめっきしてから空隙部に導電樹脂を充填してもよい。
また、上記製造方法では、素体としてガラス基板を用いたが、素体として焼結材料を用いてもよい。この場合、1ターン以下のインダクタ配線を導電性ペーストで印刷により形成する。ここで、導電性ペーストとして、AgやCuなど導電率の良い材料を選択する。
次に、ガラスやフェライトなどの絶縁ペーストを印刷し、これを繰り返す。上記絶縁ペーストにインダクタ配線の接続部に開口する開口部を形成し、この開口部に導電性ペーストを充填することで、各層間のインダクタ配線の接続部を電気的に接続することができる。
その後、高温で熱処理して絶縁ペーストを焼結させてから、個片化し、外部端子を形成して、インダクタ部品を製造する。絶縁ペーストにガラスなどの絶縁性の高いものを用いると、高周波でもQの高いインダクタ部品を得ることができる。絶縁ペーストにフェライトを用いると、インダクタンスの高いインダクタ部品を得ることができる。
3.変形例
図6は、インダクタ部品の変形例を示す底面100b(底面21b)側から見た模式底面図である。
図6に示すように、第1貫通配線13の数量と第2貫通配線14の数量の差は、1であり、底面21bに直交する方向からみて、第1貫通配線13および第2貫通配線14は、コイル110の軸AXに沿って、軸AXに対して交互に並ぶ。この実施形態では、第1貫通配線13の数量は、4つであり、第2貫通配線14の数量は、3つである。
言い換えると、軸AX方向における位置について、隣り合う第1貫通配線13の間に、第2貫通配線14が位置し、隣り合う第2貫通配線14の間に、第1貫通配線13が位置する。つまり、第1貫通配線13および第2貫通配線14は、軸AX方向に沿って、千鳥状に配列される。
上記構成によれば、第1貫通配線13および第2貫通配線14の数量差が1である場合、これらがコイル110の軸AXに対して線対称となる場合と比べて、コイル110の軸AX方向の大きさを小さくでき、インダクタ部品1を小型化できる。
<第2実施形態>
図7は、インダクタ部品の実装構造を示す模式図である。図7に示すように、インダクタ部品の実装構造は、実装基板5と、実装基板5の実装面50に実装された前記第1実施形態のインダクタ部品1とを有する。実装基板5は、実装面50に配線部51を有する。配線部51は、例えば、プリント配線などの導体の配線であり、インダクタ部品などの実装部品を電気的、物理的に接続するランドパターンも含む。コイル110の軸AXは、実装面50に対して平行である。なお、図7では明記されていないが、実装基板5の配線部51が無い部分の表面にはソルダーレジストなどによる絶縁処理が施されていても良い。
上記構成によれば、コイル110の軸AXは、実装面50に対して平行であるので、インダクタ部品1の磁束が実装基板5の配線部51の影響を受けず、インダクタンスの取得効率の低下を抑制できる。
図8は、インダクタ部品の実装構造の変形例を示す模式図である。図8に示すように、インダクタ部品の実装構造は、実装基板5と、実装基板5の実装面50に実装された前記第1実施形態のインダクタ部品1とを有する。コイル110の軸AXは、実装面50に対して直交する。
上記構成によれば、コイル110の軸AXは、実装面50に対して直交するので、インダクタ部品1の磁束がこのインダクタ部品1に隣り合う他のインダクタ部品1に影響を与えず、実装レイアウトの自由度が向上する。
好ましくは、コイル110の軸AXは、配線部51と重ならない。これによれば、インダクタ部品1の磁束が配線部51に妨げられることを抑制でき、インダクタンスの取得効率の低下を抑制できる。
なお、図7および図8において、インダクタ部品は、素体の長さ、幅および高さのうちの最も短い寸法の方向が実装面に対して直交するように、実装面に配置されていてもよい。これによれば、素体の長さ、幅および高さのうちの最も短い寸法の方向が実装面に配置された状態での厚み方向となり、インダクタ部品の厚みを薄くできる。
また、図7および図8において、インダクタ部品は、素体の長さ、幅および高さのうちの最も長い寸法の方向が実装面に対して直交するように、実装面に配置されていてもよい。これによれば、素体の長さ、幅および高さのうちの短い寸法の方向がインダクタ部品の実装面を決定し、インダクタ部品の実装面積を小さくすることができる。
<第3実施形態>
第3実施形態は、第1実施形態とは、天面配線の被覆層の構成が相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、詳細な説明を省略する。本実施形態では、図面を省略するが、以下では、便宜上、第1実施形態に係る図1~図3を参照して説明する。
本実施形態では、両端接続コイル配線DWの外面のうち、外部に露出する露出面を構成する導電材料は、第1外部電極121および第2外部電極122の少なくとも一部の外面を構成する導電材料と同一である。具体的に述べると、両端接続コイル配線DW(天面配線11t)の被覆層112tを構成する導電材料が、第1外部電極121および第2外部電極122のうち、少なくとも第1底面部分121bおよび第2底面部分122bの外面を構成する導電材料と同一である。例えば、第1底面部分121bおよび第2底面部分122bの各々を構成する導電材料が、Cu/Niの2層から構成される場合、両端接続コイル配線DWの被覆層112tを構成する導電材料はNiである。
外部電極の外面に用いられる導電材料には、一般的に、外部環境に対する耐性が高い導電材料が選択される。本実施形態によれば、両端接続コイル配線DWの露出面を構成する導電材料が、第1外部電極121および第2外部電極122の少なくとも一部の外面を構成する導電材料と同一である。そのため、両端接続コイル配線DWにおいて、外部環境に対する耐性を向上させることができ、コイルの信頼性を確保できる。また、両端接続コイル配線DWの外面のうち、第2主面21tと反対側に位置する部分が少なくとも外部に露出しているため、当該部分を絶縁層で覆う場合と比較して、第2主面21tに直交する方向(Z方向)におけるインダクタ部品の大きさを小さくでき、インダクタ部品を小型化できる。また、第1外部電極121および第2外部電極122の製造時に、両端接続コイル配線DWの一部を同時に製造することができるため、製造工程を簡略化できる。
<第4実施形態>
図9は、インダクタ部品の第4実施形態を示す底面側から見た模式斜視図である。図10は、図9のB-B断面図である。第4実施形態は、第1実施形態とは、コイル、素体および外部電極の構成が相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
素体10は、基板21と、基板21上に設けられた絶縁層23とを含む。基板21は、Z方向に互いに対向する底面21bおよび天面21tを有する。絶縁層23は、基板21の底面21bの一部に設けられている。具体的に述べると、絶縁層23は、底面配線11bの全体を覆うように、底面21b上に設けられている。言い換えると、絶縁層23は、Z方向から見て、基板21上に設けられた配線(底面配線11b)と重なるように、底面21bの所定領域上に設けられている。絶縁層23の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、Z方向から見て、矩形状である。絶縁層23の材料および形成方法は、第1実施形態における絶縁層22と同じでよい。
コイル110Aは、底面21b上に設けられ、かつ、絶縁層22に覆われた複数の底面配線11bと、天面21t上に設けられた複数の天面配線11tと、底面21bから天面21tに渡って基板21を貫通するように設けられ、かつ、軸AXに沿って並ぶ複数の第1貫通配線13と、底面21bから天面21tに渡って基板21を貫通するように設けられ、かつ、軸AXに対して第1貫通配線13と反対側に配置され、かつ、軸AXに沿って並ぶ複数の第2貫通配線14とを含む。底面配線11bと、第1貫通配線13と、天面配線11tと、第2貫通配線14とは、この順に接続されることにより、螺旋状の少なくとも一部を構成する。
底面配線11bは、一つの方向にのみ延在している。具体的に述べると、底面配線11bは、ややY方向に傾いてX方向に延伸している。複数の底面配線11bは、Y方向に沿って並び、互いに平行に配置されている。
天面配線11tは、一つの方向にのみ延在している。具体的に述べると、天面配線11tは、X方向に延びる形状である。複数の天面配線11tは、Y方向に沿って並び、互いに平行に配置されている。
天面配線11tは、第1端部e1が第1貫通配線13に接続され、第2端部e2が第2貫通配線14に接続された両端接続コイル配線DWを含む。本実施形態では、全ての天面配線11tが、両端接続コイル配線DWである。
両端接続コイル配線DWの外面のうち、天面21tと反対側に位置する部分は、少なくとも外部に露出し、外面のうち外部に露出する露出面は、耐食性を有する導電材料を含む。本実施形態では、図10に示すように、両端接続コイル配線DWは、本体部111tと、本体部111tを被覆し、耐食性を有する導電材料を含む被覆層112tと、を含む。本体部111tは、天面21t上に設けられ、X方向に延在している。本体部111tの形状は、特に限定されない。本体部111tの導電材料は、底面配線11bの導電材料と同一にすることが好ましい。これにより、底面配線11bの製造時に本体部111tも製造することができ、製造工程を簡略化できる。被覆層112tは、本体部111tの外面のうち、天面21t側の外面以外の外面全体を被覆している。以上の構成により、両端接続コイル配線DWの外面のうち、天面21t側の外面以外の外面が露出面となり、この露出面が、耐食性を有する導電材料を含む。なお、被覆層112tの全体が、耐食性を有する導電材料から構成されていてもよい。これにより、両端接続コイル配線DWの耐食性を効果的に高めることができる。
第1貫通配線13は、素体10の貫通孔V内で、軸AXに対して第1端面100e1側に配置され、第2貫通配線14は、素体10の貫通孔V内で、軸AXに対して第2端面100e2側に配置されている。第1貫通配線13および第2貫通配線14は、それぞれ、底面21bおよび天面21t(底面100bおよび天面100t)に直交する方向に延伸している。複数の第1貫通配線13および複数の第2貫通配線14は、それぞれ、Y方向に沿って並び、互いに平行に配置されている。
第1外部電極121は、Z方向から見て、底面配線11bから逆X方向側に離隔するように、底面21b上に設けられている。第1外部電極121が底面21b上に設けられているため、底面配線11bの製造時に、第1外部電極121の少なくとも一部を同時に形成できる。そのため、第1外部電極121を容易に製造できる。第1外部電極121の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、Z方向から見て、矩形状である。図10に示すように、第1外部電極121は、本体部1211と被覆層1212とを含む。本体部1211は、底面21b上に設けられている。本体部1211の順X方向側の外面は、絶縁層23の逆X方向側の側面と接触している。本体部1211の導電材料は、底面配線11bの導電材料と同一であることが好ましい。これにより、本体部1211は、底面配線11bの製造時に同時に形成することができる。被覆層1212は、本体部1211の外面のうち、底面21bおよび絶縁層23との接触面を除く外面を被覆している。被覆層1212の導電材料は、天面配線11tの被覆層112tの導電材料と同一であることが好ましい。これにより、被覆層1212は、被覆層112tの製造時に同時に形成することができる。
第2外部電極122は、Z方向から見て、底面配線11bから順X方向側に離隔するように、底面21b上に設けられている。第2外部電極122が底面21b上に設けられているため、底面配線11bの製造時に、第2外部電極122の少なくとも一部を同時に形成できる。そのため、第2外部電極122を容易に製造できる。第2外部電極122の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、Z方向から見て、矩形状である。図10に示すように、第2外部電極122は、本体部1221と被覆層1222とを含む。本体部1221は、底面21b上に設けられている。本体部1221の逆X方向側の外面は、絶縁層23の順X方向側の側面と接触している。本体部1221の導電材料は、底面配線11bの導電材料と同一であることが好ましい。これにより、本体部1221は、底面配線11bの製造時に同時に形成することができる。被覆層1222は、本体部1221の外面のうち、底面21bおよび絶縁層23との接触面を除く外面を被覆している。被覆層1222の導電材料は、天面配線11tの被覆層112tの導電材料と同一であることが好ましい。これにより、被覆層1222は、被覆層112tの製造時に同時に形成することができる。
本実施形態によれば、両端接続コイル配線DWの外面のうち、天面21t側の外面以外の外面が露出面となる。そのため、両端接続コイル配線DWの外面のうち、天面21tと反対側に位置する部分が外部に露出し、当該部分を絶縁層で覆う場合と比較して、天面21tに直交する方向におけるインダクタ部品1Aの大きさを小さくでき、インダクタ部品1Aを小型化できる。また、外部に露出する露出面は、耐食性を有する導電材料を含むため、両端接続コイル配線DWが露出面を有する場合であっても、両端接続コイル配線DWの耐食性を高めて、両端接続コイル配線DWを外部環境による劣化から保護できる。
また、本実施形態によれば、第1外部電極121および第2外部電極122は、底面21b上に設けられ、底面配線11bは、絶縁層23で覆われている。そのため、第1外部電極121および第2外部電極122が底面21b上に設けられている場合でも、底面配線11bと、第1外部電極121および第2外部電極122と、の絶縁を確保できる。また、第1,第2外部電極121,122が底面21b上に設けられているため、第1,第2外部電極121,122を容易に製造できる。また、絶縁層23が底面21b上に設けられ、天面配線11t上を含む天面21t上には絶縁層が設けられていないため、インダクタ部品1Aを小型化できる。
<第5実施形態>
図11は、インダクタ部品の第5実施形態を示す底面側から見た模式斜視図である。図12は、インダクタ部品を底面側から見た模式底面図である。図13は、図12のC-C断面図である。なお、図12では、便宜上、素体の絶縁層を省略して描き、外部電極の一部(底面部分)を二点鎖線で描いている。第5実施形態は、第1実施形態とは、コイルおよび素体の構成が相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
コイル110Bは、基板21の底面21bの上方に配置され絶縁層22に覆われた底面配線11bと、基板21の天面21tの上方に配置され、一部が絶縁層22に覆われた天面配線11tと、基板21を底面21bおよび天面21tに渡って貫通し、互いに軸AXに対して反対側に配置された一対の貫通配線13,14とを備える。天面配線11tのX方向の両側面は、絶縁層22に覆われ、天面配線11tのZ方向の上面は、絶縁層22から露出している。
底面配線11bは、一つの方向にのみ延在する。具体的に述べると、底面配線11bは、ややX方向に傾いてY方向に延伸している。複数の底面配線11bは、X方向に沿って平行に配置されている。
天面配線11tは、一つの方向にのみ延在する。具体的に述べると、天面配線11tは、Y方向に延びる形状である。複数の天面配線11tは、X方向に沿って平行に配置されている。天面配線11tは、第1端部e1が第1貫通配線13に接続され、第2端部e2が第2貫通配線14に接続された両端接続コイル配線DWを含む。本実施形態では、全ての天面配線11tが、両端接続コイル配線DWである。
両端接続コイル配線DWの外面のうち、天面21tと反対側に位置する部分は、少なくとも外部に露出し、外面のうち外部に露出する露出面は、耐食性を有する導電材料を含む。具体的に述べると、図13に示すように、各両端接続コイル配線DWは、本体部111tと、本体部111tの外面の一部を被覆し、耐食性を有する導電材料を含む被覆層112tと、を含む。本体部111tは、天面21t上に設けられ、Y方向に延在している。本体部111tの形状は、特に限定されない。本実施形態では、Y方向に直交する断面において、本体部111tは、矩形状である。本体部111tの導電材料は、底面配線11bと同一であることが好ましい。これにより、底面配線11bの製造時に本体部111tも製造することができ、製造工程を簡略化できる。被覆層112tは、本体部111tの外面のうち、天面21t側の外面と対向する外面(言い換えると、Z方向における本体部111tの上面)を被覆している。被覆層112tの導電材料は、第1外部電極121および第2外部電極122の導電材料と同一であることが好ましい。
素体10は、基板21の天面21t上に絶縁層22が設けられている。具体的に述べると、絶縁層22は、両端接続コイル配線DWのX方向の両側面を覆うように、天面21t上に設けられている。Z方向において、絶縁層22の厚みは、両端接続コイル配線DWの厚みと同じにされている。
以上の構成により、両端接続コイル配線DWの外面のうち、天面21t側の外面に対向する外面が露出面となり、この露出面が、耐食性を有する導電材料を含む。なお、被覆層112tの全体が、耐食性を有する導電材料から構成されていてもよい。これにより、両端接続コイル配線DWの耐食性をより効果的に高めることができる。
本実施形態によれば、両端接続コイル配線DWの外面のうち、天面21t側の外面に対向する外面が露出面となる。そのため、両端接続コイル配線DWの外面のうち、天面21tと反対側に位置する部分が外部に露出し、当該部分を絶縁層で覆う場合と比較して、天面21tに直交する方向におけるインダクタ部品1Bの大きさを小さくでき、インダクタ部品1Bを小型化できる。また、外部に露出する露出面は、耐食性を有する導電材料を含むため、両端接続コイル配線DWが露出面を有する場合であっても、両端接続コイル配線DWの耐食性を高めて、両端接続コイル配線DWを外部環境による劣化から保護できる。
また、本実施形態によれば、隣り合う両端接続コイル配線DW(天面配線11t)の間に絶縁層22が設けられているため、隣り合う両端接続コイル配線DW間の絶縁を確保できる。また、隣り合う両端接続コイル配線DWの間に絶縁層22が設けられ、かつ、両端接続コイル配線DW上には、絶縁層22が設けられていないため、隣り合う両端接続コイル配線DW間の絶縁を確保しつつ、インダクタ部品を小型化できる。
なお、本開示は上述の実施形態に限定されず、本開示の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。例えば、第1から第5実施形態のそれぞれの特徴点を様々に組み合わせてもよい。
第1から第5実施形態では、底面配線は複数存在していたが、少なくとも1つ存在すればよい。天面配線、第1貫通配線および第2貫通配線についても、少なくとも1つ存在すればよい。
1 インダクタ部品
5 実装基板
10 素体
11b 底面配線(第1コイル配線)
11t 天面配線(第2コイル配線)
13 第1貫通配線
13b 端面
14 第2貫通配線
14b 端面
21 基板
21b 底面(第1主面)
21t 天面(第2主面)
22 絶縁層
50 実装面
51 配線部
100 外面
100b 底面
100t 天面
100s1 第1側面
100s2 第2側面
100e1 第1端面
100e2 第2端面
110 コイル
121 第1外部電極
121b 第1底面部分
121e 第1端面部分
121e1 第1部分
121e2 第2部分
121e3 第3部分
122 第2外部電極
122b 第2底面部分
122e 第2端面部分
122e1 第1部分
122e2 第2部分
122e3 第3部分
AX 軸
DW 両端接続コイル配線
e1 第1端部
e2 第2端部
L13、L14 貫通配線間の距離
P13、P14 貫通配線のピッチ
V 貫通孔
θ 底面配線と天面配線のなす角度

Claims (16)

  1. 素体と、
    前記素体に設けられ、軸に沿って螺旋状に巻き回されたコイルと、
    を備え、
    前記素体は、互いに対向する第1主面および第2主面を有する基板を含み、
    前記コイルは、前記第1主面上に設けられた少なくとも1つの第1コイル配線と、前記第2主面上に設けられた少なくとも1つの第2コイル配線と、前記第1主面から前記第2主面に渡って前記基板を貫通するように設けられた少なくとも1つの第1貫通配線と、前記第1主面から前記第2主面に渡って前記基板を貫通するように設けられ、かつ、前記軸に対して前記第1貫通配線と反対側に配置された少なくとも1つの第2貫通配線と、を含み、
    前記第1コイル配線と、前記第1貫通配線と、前記第2コイル配線と、前記第2貫通配線とは、この順に接続されることにより、前記螺旋状の少なくとも一部を構成し、
    前記少なくとも1つの第2コイル配線は、第1端部が前記第1貫通配線に接続され、第2端部が前記第2貫通配線に接続された両端接続コイル配線を含み、
    前記両端接続コイル配線の外面のうち、前記第2主面と反対側に位置する部分が少なくとも外部に露出し、
    前記両端接続コイル配線の外面のうち外部に露出する露出面は、耐食性を有する導電材料を含み、
    前記第1コイル配線は、絶縁層で覆われており、
    前記第1コイル配線の線幅は、前記第1主面において、前記第1コイル配線の幅方向における前記第1貫通配線および前記第2貫通配線の幅よりも大きく
    前記両端接続コイル配線は、前記第1コイル配線と同一の導電材料から成る本体部と、前記本体部を被覆し、前記耐食性を有する導電材料を含む被覆層と、を含み、
    前記本体部の線幅は、前記第2主面において、前記両端接続コイル配線の幅方向における前記第1貫通配線および前記第2貫通配線の幅よりも小さく、
    前記被覆層は、前記本体部の外面のうち前記第2主面と反対側に位置する第1部分と、前記本体部の外面のうち前記第1部分と前記第2主面との間に位置する側面部分と、前記第1貫通配線の前記第2主面側の端面の一部と、前記第2貫通配線の前記第2主面側の端面の一部とを覆っている、
    インダクタ部品。
  2. 前記素体に設けられ、前記コイルに電気的に接続された外部電極をさらに備え、
    前記耐食性を有する導電材料は、前記外部電極の外面を構成する導電材料と同一である、請求項1に記載のインダクタ部品。
  3. 前記外部電極は、前記基板の前記第1主面上に設けられている、請求項2に記載のインダクタ部品。
  4. 前記第1主面上に設けられ、前記コイルに電気的に接続された外部電極をさらに備える、請求項1に記載のインダクタ部品。
  5. 前記耐食性を有する導電材料は、Au、Ti、Ti合金、AlまたはAl合金である、請求項1からの何れか一つに記載のインダクタ部品。
  6. 前記第2コイル配線上には、絶縁層が設けられていない、請求項1からの何れか一つに記載のインダクタ部品。
  7. 前記第1コイル配線および前記第2コイル配線の前記本体部の主成分となる導電材料は、前記第1貫通配線および前記第2貫通配線の少なくとも一方の導電材料と同一である、請求項1からの何れか一つに記載のインダクタ部品。
  8. 前記本体部の線幅は、前記第1コイル配線の線幅よりも小さい、請求項1から7の何れか一つに記載のインダクタ部品。
  9. 前記本体部の厚みは、前記第1コイル配線の厚みよりも小さい、請求項1から8の何れか一つに記載のインダクタ部品。
  10. 記第2コイル配線の線幅をW1、前記本体部の線幅をW21、前記本体部の幅方向の一方側の外面を被覆する前記被覆層の幅をW221、前記本体部の幅方向の他方側の外面を被覆する前記被覆層の幅をW222としたときに、W1>W21>W221+W222を満たす、請求項8または9に記載のインダクタ部品。
  11. 前記第2コイル配線の厚みをT1、前記本体部の厚みをT21、前記第2主面に直交する方向の前記被覆層の厚みをT22としたときに、T1>T21>2×T22を満たす、請求項8から10の何れか一つに記載のインダクタ部品。
  12. 前記第1コイル配線と、前記第2コイル配線と、前記第1貫通配線と、前記第2貫通配線とは、それぞれ複数存在し、
    隣り合う前記第1貫通配線のピッチは、10μm以上150μm以下であり、
    隣り合う前記第2貫通配線のピッチは、10μm以上150μm以下である、請求項1から11の何れか一つに記載のインダクタ部品。
  13. 実装基板と、
    前記実装基板の実装面に実装された請求項1から12の何れか一つに記載のインダクタ部品と
    を備え、
    前記コイルの前記軸は、前記実装面に対して直交する、インダクタ部品の実装構造。
  14. 実装基板と、
    前記実装基板の実装面に実装された請求項1から12の何れか一つに記載のインダクタ部品と
    を備え、
    前記コイルの前記軸は、前記実装面に対して平行である、インダクタ部品の実装構造。
  15. 前記素体は、長さ、幅および高さを有し、
    前記インダクタ部品は、前記素体の長さ、幅および高さのうちの最も短い寸法の方向が前記実装面に対して直交するように、前記実装面に配置される、請求項13または14に記載のインダクタ部品の実装構造。
  16. 前記素体は、長さ、幅および高さを有し、
    前記インダクタ部品は、前記素体の長さ、幅および高さのうちの最も長い寸法の方向が前記実装面に対して直交するように、前記実装面に配置される、請求項13または14に記載のインダクタ部品の実装構造。
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