JP7548055B2 - 電力ケーブル接続装置 - Google Patents
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Description
本発明の第1の実施の形態について、図1乃至図3を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
図1は、本形態における電力ケーブル接続装置1の断面図である。図1に示すごとく、電力ケーブル接続装置1は、本体部2とカバー3と接続部4とを備える。本体部2は、段剥ぎされた電力ケーブル10と電力ケーブル10の周囲に配される部材との間の電気的絶縁性を確保する。カバー3は、本体部2の一部を覆っている。接続部4は、電力ケーブル10を電力ケーブル接続装置1の外部に接続するための部材である。以後、電力ケーブル10の中心軸Cが延在する方向を軸方向Xという。また、軸方向Xにおける電力ケーブル10の接続部4に接続される側を先端側X1といい、その反対側を基端側X2という。
本体部2は、碍管21、パイプ部材22、第1半導電層23、埋設部材24、第2半導電層25、及び第3半導電層26を備える。碍管21は、例えばポリマー系材料を管状に形成してなり、可撓性を有する。碍管21を構成するポリマー系材料としては、例えばシリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等を採用することができる。特に、碍管21の材料としては、引裂強度が比較的高いものを採用することにより、碍管21へのクラックの発生を抑制しやすくなり、また、弾性率が比較的低いものを採用することにより、碍管21への電力ケーブル10の挿入を行いやすくなる。碍管21の外周部には、外周側に突出した環状の傘部211が、軸方向Xの複数箇所に所定間隔で設けられている。碍管21に複数の傘部211を形成することにより、碍管21の外周面の沿面距離を確保することができ、碍管21の表面に沿った沿面放電の発生を抑制することができる。碍管21は、金型内にパイプ部材22、第1半導電層23、埋設部材24、第2半導電層25及び第3半導電層26等を配した状態において金型内に碍管21を構成する溶融樹脂を射出して硬化させるインサート成形により成形される。
カバー3は、黄銅、アルミニウム合金等を筒状に形成してなり、埋設部材24から基端側X2に突出する本体部2を外周側から覆っている。カバー3の先端側X1の端部には、外周側に突出したカバー鍔部31が形成されている。電力ケーブル接続装置1が被取付部材100に固定される際は、埋設部材24の鍔部242、カバー鍔部31、及び被取付部材100がこの順に重ね合わされ、ボルト12を埋設部材24の鍔部242に形成された雌ねじ穴242bに螺合することにより、電力ケーブル接続装置1が被取付部材100に固定される。
図1に示すごとく、接続部4は、導体接続棒41、高圧シールド42、固定端子43、及び共締めナット44を備える。導体接続棒41には、基端側X2に開放された接続穴411が軸方向Xに沿って形成されている。接続穴411には電力ケーブル10の絶縁被覆から露出された導体部101が挿入されており、導体接続棒41の基端側X2の端部が導体部101に向けてかしめられている。これにより、導体接続棒41と電力ケーブル10とが接続されている。また、導体接続棒41には、先端側X1に突出した雄ねじ部412が形成されている。
次に、本形態の電力ケーブル接続装置1の使用例につき説明する。
電力ケーブル接続装置1は、例えば鉄道車両の屋根において、碍管21が鉄道車両の外部に露出するよう取り付けられる。この場合、鉄道車両の屋根を構成する壁部が、被取付部材100となる。電力ケーブル接続装置1は、例えば、隣り合う鉄道車両間の電気的接続、パンタグラフとの電気的接続等の用途に用いることができる。
本形態において、パイプ部材22の外周面220と第1半導電層23との境界、及び、埋設部材24の内周面240と第2半導電層25との境界のうち、少なくとも一方の境界は、固着されていない部位を有する。それゆえ、径方向における埋設部材24の内周面240とパイプ部材22の外周面220との間に介在する碍管21の部位である介在部212(図2参照)に生じ得る熱応力を低減することができる。このことにつき、以下説明する。
図4は、本形態における電力ケーブル接続装置1の埋設部材24周辺を拡大した拡大断面図である。本形態は、パイプ部材22に、パイプ部材22を径方向に貫通する複数の孔部221が形成されている形態である。パイプ部材22には、少なくとも軸方向Xにおける埋設部材24の内周面240が形成された内周面領域Rに多数の孔部221が形成されている。パイプ部材22は、軸方向Xにおける少なくとも内周面領域Rが網状に構成されており、それぞれの網目部分が孔部221を構成している。碍管21を成形する際のインサート成形において、この孔部221は碍管21を構成する溶融樹脂によって完全には塞がれず、孔部221の内側は空間となっている。パイプ部材22における孔部221が存在する領域において、パイプ部材22と第1半導電層23との固着が防止される。なお、第1半導電層23の一部が孔部221に入り込んでいてもよい。各孔部221の内側空間の内周端は、電力ケーブル10の外周側の空間に開口している。
なお、第2の実施の形態以降において用いた符号のうち、既出の形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
本形態においては、パイプ部材22に多数の孔部221が形成されているため、パイプ部材22における孔部221が存在する領域において、パイプ部材22と第1半導電層23との固着が防止される。それゆえ、パイプ部材22と第1半導電層23との境界に固着されていない部位を容易に形成することができる。
その他、本形態においても、第1の実施の形態と同様の作用及び効果を有する。
図5は、本形態における電力ケーブル接続装置1の埋設部材24周辺を拡大した拡大断面図である。本形態は、第1の実施の形態の構成からパイプ部材22の長さを変更し、かつ、第1離型剤(図2の符号51参照)を無くした形態である。すなわち、本形態において、第1半導電層23は、パイプ部材22の外周面220と碍管21との双方に固着した状態にある。パイプ部材22の基端側X2の端部は、埋設部材24の内周面240の先端側X1の端部の位置よりも先端側X1に位置している。すなわち、軸方向Xにおいて、パイプ部材22は、内周面領域RよりもX1側に離れた位置に配されている。なお、第2離型剤52は、埋設部材24と第2半導電層25との対向領域の全体に設けられている。
その他の構成は、第1の実施の形態における構成と同様である。
本形態においては、軸方向Xにおいて、パイプ部材22は、内周面領域RよりもX1側に離れた位置に配されている。それゆえ、軸方向Xの内周面領域Rにおいて、径方向における埋設部材24の内周面240と碍管21とは互いに拘束されず、埋設部材24の内周面240の内周側に位置する碍管21の部位213に応力が生じることを防止することができる。
その他、本形態においても、第1の実施の形態と同様の作用効果を有する。
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
21…碍管
22…パイプ部材
220…前記パイプ部材の外周面
221…孔部
23…第1半導電層
24…埋設部材
240…埋設部材の内周面
25…第2半導電層
5…離型剤
R…領域R
Claims (3)
- 内側に電力ケーブルが挿入される碍管と、
前記電力ケーブルに対向するよう前記碍管の内側に配された、前記碍管よりも高剛性のパイプ部材と、
前記パイプ部材よりも外周側の位置に配され、前記碍管に一部が埋設された、前記碍管よりも高剛性の埋設部材と、
前記パイプ部材と前記碍管との間に設けられた第1半導電層と、
前記埋設部材と前記碍管との間に設けられた第2半導電層と、を備え、
前記パイプ部材の外周面と前記第1半導電層との境界、及び、前記埋設部材の内周面と前記第2半導電層との境界のうち、少なくとも一方の境界は、固着されていない部位を有し、
前記パイプ部材には、前記パイプ部材を径方向に貫通する多数の孔部が形成されている、
電力ケーブル接続装置。 - 前記パイプ部材の前記外周面と前記第1半導電層との境界、及び、前記埋設部材の前記内周面と前記第2半導電層との境界のうち、少なくとも一方の境界は、軸方向における前記埋設部材の前記内周面が形成された領域において、固着されていない部位を有する、請求項1に記載の電力ケーブル接続装置。
- 前記パイプ部材の前記外周面と前記第1半導電層との境界、及び、前記埋設部材の前記内周面と前記第2半導電層との境界のうち、少なくとも一方の境界には、離型剤が存在する、
請求項1又は2に記載の電力ケーブル接続装置。
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