以下、本開示を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(3つの基板の積層構造を有する撮像装置)
2.変形例1(フローティングディフュージョンにヒ素(As)が拡散されている例)
3.変形例2(貫通電極が第1部分および第2部分を有する例)
4.変形例3(接合膜に間隙が設けられている例)
5.変形例4(接合膜を酸化膜により構成する例)
6.変形例5(保護素子を有する例)
7.変形例6(平面構成の例1)
8.変形例7(平面構成の例2)
9.変形例8(平面構成の例3)
10.変形例9(画素アレイ部の中央部に基板間のコンタクト部を有する例)
11.変形例10(プレーナー型の転送トランジスタを有する例)
12.変形例11(1つの読み出し回路に1つの画素が接続される例)
13.変形例12(画素分離部の構成例)
14.変形例13(平面構成の例4)
15.変形例14(平面構成の例5)
16.変形例15(コンタクト部の構成の例1)
17.変形例16(コンタクト部の構成の例2)
18.変形例17(第1基板および第2基板に設けられるトランジスタの構成例)
19.変形例18(貫通電極および接続部を別工程で形成する例)
20.変形例19(画素トランジスタの構造例)
21.変形例20(保護素子を有する例2)
22.変形例21(複数のセンサ画素毎に1つのウェル用コンタクトを設けた例)
23.適用例(撮像システム)
24.応用例
<1.実施の形態>
[撮像装置1の機能構成]
図1は、本開示の一実施の形態に係る固体撮像装置(撮像装置1)の機能構成の一例を示すブロック図である。
図1の撮像装置1は、例えば、入力部510A、行駆動部520、タイミング制御部530、画素アレイ部540、列信号処理部550、画像信号処理部560および出力部510Bを含んでいる。
画素アレイ部540には、画素541がアレイ状に繰り返し配置されている。より具体的には、複数の画素を含んだ画素共有ユニット539が繰り返し単位となり、これが、行方向と列方向とからなるアレイ状に繰り返し配置されている。なお、本明細書では、便宜上、行方向をH方向、行方向と直交する列方向をV方向、と呼ぶ場合がある。図1の例において、1つの画素共有ユニット539が、4つの画素(画素541A,541B,541C,541D)を含んでいる。画素541A,541B,541C,541Dは各々、フォトダイオードPD(後述の図6等に図示)を有している。画素共有ユニット539は、1つの画素回路(後述の図3の画素回路200X)を共有する単位である。換言すれば、4つの画素(画素541A,541B,541C,541D)毎に、1つの画素回路(後述の画素回路200X)を有している。この画素回路を時分割で動作させることにより、画素541A,541B,541C,541D各々の画素信号が順次読み出されるようになっている。画素541A,541B,541C,541Dは、例えば2行×2列で配置されている。画素アレイ部540には、画素541A,541B,541C,541Dとともに、複数の行駆動信号線542および複数の垂直信号線(列読出し線)543が設けられている。行駆動信号線542は、画素アレイ部540において行方向に並んで配列された、複数の画素共有ユニット539各々に含まれる画素541を駆動する。画素共有ユニット539のうち、行方向に並んで配列された各画素を駆動する。後に図4を参照して詳しく説明するが、画素共有ユニット539には、複数のトランジスタが設けられている。これら複数のトランジスタをそれぞれ駆動するために、1つの画素共有ユニット539には複数の行駆動信号線542が接続されている。垂直信号線(列読出し線)543には、画素共有ユニット539が接続されている。画素共有ユニット539に含まれる画素541A,541B,541C,541D各々から、垂直信号線(列読出し線)543を介して画素信号が読み出される。
行駆動部520は、例えば、画素駆動するための行の位置を決める行アドレス制御部、言い換えれば、行デコーダ部と、画素541A,541B,541C,541Dを駆動するための信号を発生させる行駆動回路部とを含んでいる。
列信号処理部550は、例えば、垂直信号線543に接続され、画素541A,541B,541C,541D(画素共有ユニット539)とソースフォロア回路を形成する負荷回路部を備える。列信号処理部550は、垂直信号線543を介して画素共有ユニット539から読み出された信号を増幅する増幅回路部を有していてもよい。列信号処理部550は、ノイズ処理部を有していてもよい。ノイズ処理部では、例えば、光電変換の結果として画素共有ユニット539から読み出された信号から、系のノイズレベルが取り除かれる。
列信号処理部550は、例えば、アナログデジタルコンバータ(ADC)を有している。アナログデジタルコンバータでは、画素共有ユニット539から読み出された信号もしくは上記ノイズ処理されたアナログ信号がデジタル信号に変換される。ADCは、例えば、コンパレータ部およびカウンタ部を含んでいる。コンパレータ部では、変換対象となるアナログ信号と、これと比較対象となる参照信号とが比較される。カウンタ部では、コンパレータ部での比較結果が反転するまでの時間が計測されるようになっている。列信号処理部550は、読出し列を走査する制御を行う水平走査回路部を含んでいてもよい。
タイミング制御部530は、装置へ入力された基準クロック信号やタイミング制御信号を基にして、行駆動部520および列信号処理部550へ、タイミングを制御する信号を供給する。
画像信号処理部560は、光電変換の結果得られたデータ、言い換えれば、撮像装置1における撮像動作の結果得られたデータに対して、各種の信号処理を施す回路である。画像信号処理部560は、例えば、画像信号処理回路部およびデータ保持部を含んでいる。画像信号処理部560は、プロセッサ部を含んでいてもよい。
画像信号処理部560において実行される信号処理の一例は、AD変換された撮像データが、暗い被写体を撮影したデータである場合には階調を多く持たせ、明るい被写体を撮影したデータである場合には階調を少なくするトーンカーブ補正処理である。この場合、撮像データの階調をどのようなトーンカーブに基づいて補正するか、トーンカーブの特性データを予め画像信号処理部560のデータ保持部に記憶させておくことが望ましい。
入力部510Aは、例えば、上記基準クロック信号、タイミング制御信号および特性データなどを装置外部から撮像装置1へ入力するためのものである。タイミング制御信号は、例えば、垂直同期信号および水平同期信号などである。特性データは、例えば、画像信号処理部560のデータ保持部へ記憶させるためのものである。入力部510Aは、例えば、入力端子511、入力回路部512、入力振幅変更部513、入力データ変換回路部514および電源供給部(不図示)を含んでいる。
入力端子511は、データを入力するための外部端子である。入力回路部512は、入力端子511へ入力された信号を撮像装置1の内部へと取り込むためのものである。入力振幅変更部513では、入力回路部512で取り込まれた信号の振幅が、撮像装置1の内部で利用しやすい振幅へと変更される。入力データ変換回路部514では、入力データのデータ列の並びが変更される。入力データ変換回路部514は、例えば、シリアルパラレル変換回路により構成されている。このシリアルパラレル変換回路では、入力データとして受け取ったシリアル信号がパラレル信号へと変換される。なお、入力部510Aでは、入力振幅変更部513および入力データ変換回路部514が、省略されていてもよい。電源供給部は、外部から撮像装置1へ供給された電源をもとにして、撮像装置1の内部で必要となる各種の電圧に設定された電源を供給する。
撮像装置1が外部のメモリデバイスと接続されるとき、入力部510Aには、外部のメモリデバイスからのデータを受け取るメモリインタフェース回路が設けられていてもよい。外部のメモリデバイスは、例えば、フラッシュメモリ、SRAMおよびDRAM等である。
出力部510Bは、画像データを装置外部へと出力する。この画像データは、例えば、撮像装置1で撮影された画像データ、および、画像信号処理部560で信号処理された画像データ等である。出力部510Bは、例えば、出力データ変換回路部515、出力振幅変更部516、出力回路部517および出力端子518を含んでいる。
出力データ変換回路部515は、例えば、パラレルシリアル変換回路により構成されており、出力データ変換回路部515では、撮像装置1内部で使用したパラレル信号がシリアル信号へと変換される。出力振幅変更部516は、撮像装置1の内部で用いた信号の振幅を変更する。変更された振幅の信号は、撮像装置1の外部に接続される外部デバイスで利用しやすくなる。出力回路部517は、撮像装置1の内部から装置外部へとデータを出力する回路であり、出力回路部517により、出力端子518に接続された撮像装置1外部の配線が駆動される。出力端子518では、撮像装置1から装置外部へとデータが出力される。出力部510Bでは、出力データ変換回路部515および出力振幅変更部516が、省略されていてもよい。
撮像装置1が外部のメモリデバイスと接続されるとき、出力部510Bには、外部のメモリデバイスへとデータを出力するメモリインタフェース回路が設けられていてもよい。外部のメモリデバイスは、例えば、フラッシュメモリ、SRAMおよびDRAM等である。
[撮像装置1の概略構成]
図2および図3は、撮像装置1の概略構成の一例を表したものである。撮像装置1は、3つの基板(第1基板100、第2基板200、第3基板300)を備えている。図2は、第1基板100、第2基板200、第3基板300各々の平面構成を模式的に表したものであり、図3は、互いに積層された第1基板100、第2基板200および第3基板300の断面構成を模式的に表している。図3は、図2に示したIII-III’線に沿った断面構成に対応する。撮像装置1は、3つの基板(第1基板100、第2基板200、第3基板300)を貼り合わせて構成された3次元構造の撮像装置である。第1基板100は、半導体層100Sおよび配線層100Tを含む。第2基板200は、半導体層200Sおよび配線層200Tを含む。第3基板300は、半導体層300Sおよび配線層300Tを含む。ここで、第1基板100、第2基板200および第3基板300の各基板に含まれる配線とその周囲の層間絶縁膜を合せたものを、便宜上、それぞれの基板(第1基板100、第2基板200および第3基板300)に設けられた配線層(100T、200T、300T)と呼ぶ。第1基板100、第2基板200および第3基板300は、この順に積層されており、積層方向に沿って、半導体層100S、配線層100T、半導体層200S、配線層200T、配線層300Tおよび半導体層300Sの順に配置されている。第1基板100、第2基板200および第3基板300の具体的な構成については後述する。図3に示した矢印は、撮像装置1への光Lの入射方向を表す。本明細書では、便宜上、以降の断面図で、撮像装置1における光入射側を「下」「下側」「下方」、光入射側と反対側を「上」「上側」「上方」と呼ぶ場合がある。また、本明細書では、便宜上、半導体層と配線層を備えた基板に関して、配線層の側を表面、半導体層の側を裏面と呼ぶ場合がある。なお、明細書の記載は、上記の呼び方に限定されない。撮像装置1は、例えば、フォトダイオードを有する第1基板100の裏面側から光が入射する、裏面照射型撮像装置となっている。
画素アレイ部540および画素アレイ部540に含まれる画素共有ユニット539は、ともに、第1基板100および第2基板200の双方を用いて構成されている。第1基板100には、画素共有ユニット539が有する複数の画素541A,541B,541C,541Dが設けられている。これらの画素541のそれぞれが、フォトダイオード(後述のフォトダイオードPD)および転送トランジスタ(後述の転送トランジスタTR)を有している。第2基板200には、画素共有ユニット539が有する画素回路(後述の画素回路200X)が設けられている。画素回路は、画素541A,541B,541C,541D各々のフォトダイオードから転送トランジスタを介して転送された画素信号を読み出し、あるいは、フォトダイオードをリセットする。この第2基板200は、このような画素回路に加えて、行方向に延在する複数の行駆動信号線542および列方向に延在する複数の垂直信号線543を有している。第2基板200は、更に、行方向に延在する電源線544(後述の電源線VDD等)を有している。第3基板300は、例えば、入力部510A,行駆動部520、タイミング制御部530、列信号処理部550、画像信号処理部560および出力部510Bを有している。行駆動部520は、例えば、第1基板100、第2基板200および第3基板300の積層方向(以下、単に積層方向という)において、一部が画素アレイ部540に重なる領域に設けられている。より具体的には、行駆動部520は、積層方向において、画素アレイ部540のH方向の端部近傍に重なる領域に設けられている(図2)。列信号処理部550は、例えば、積層方向において、一部が画素アレイ部540に重なる領域に設けられている。より具体的には、列信号処理部550は、積層方向において、画素アレイ部540のV方向の端部近傍に重なる領域に設けられている(図2)。図示は省略するが、入力部510Aおよび出力部510Bは、第3基板300以外の部分に配置されていてもよく、例えば、第2基板200に配置されていてもよい。あるいは、第1基板100の裏面(光入射面)側に入力部510Aおよび出力部510Bを設けるようにしてもよい。なお、上記第2基板200に設けられた画素回路は、別の呼称として、画素トランジスタ回路、画素トランジスタ群、画素トランジスタ、画素読み出し回路または読出回路と呼ばれることもある。本明細書では、画素回路との呼称を用いる。
第1基板100と第2基板200とは、例えば、貫通電極(後述の図6の貫通電極120E,121E)により電気的に接続されている。第2基板200と第3基板300とは、例えば、コンタクト部201,202,301,302を介して電気的に接続されている。第2基板200にコンタクト部201,202が設けられ、第3基板300にコンタクト部301,302が設けられている。第2基板200のコンタクト部201が第3基板300のコンタクト部301に接し、第2基板200のコンタクト部202が第3基板300のコンタクト部302に接している。第2基板200は、複数のコンタクト部201が設けられたコンタクト領域201Rと、複数のコンタクト部202が設けられたコンタクト領域202Rとを有している。第3基板300は、複数のコンタクト部301が設けられたコンタクト領域301Rと、複数のコンタクト部302が設けられたコンタクト領域302Rとを有している。コンタクト領域201R,301Rは、積層方向において、画素アレイ部540と行駆動部520との間に設けられている(図3)。換言すれば、コンタクト領域201R,301Rは、例えば、行駆動部520(第3基板300)と、画素アレイ部540(第2基板200)とが積層方向に重なる領域、もしくはこの近傍領域に設けられている。コンタクト領域201R,301Rは、例えば、このような領域のうち、H方向の端部に配置されている(図2)。第3基板300では、例えば、行駆動部520の一部、具体的には行駆動部520のH方向の端部に重なる位置にコンタクト領域301Rが設けられている(図2,図3)。コンタクト部201,301は、例えば、第3基板300に設けられた行駆動部520と、第2基板200に設けられた行駆動信号線542とを接続するものである。コンタクト部201,301は、例えば、第3基板300に設けられた入力部510Aと電源線544および基準電位線(後述の基準電位線VSS)とを接続していてもよい。コンタクト領域202R,302Rは、積層方向において、画素アレイ部540と列信号処理部550との間に設けられている(図3)。換言すれば、コンタクト領域202R,302Rは、例えば、列信号処理部550(第3基板300)と画素アレイ部540(第2基板200)とが積層方向に重なる領域、もしくはこの近傍領域に設けられている。コンタクト領域202R,302Rは、例えば、このような領域のうち、V方向の端部に配置されている(図2)。第3基板300では、例えば、列信号処理部550の一部、具体的には列信号処理部550のV方向の端部に重なる位置にコンタクト領域301Rが設けられている(図2,図3)。コンタクト部202,302は、例えば、画素アレイ部540が有する複数の画素共有ユニット539各々から出力された画素信号(フォトダイオードでの光電変換の結果発生した電荷の量に対応した信号)を、第3基板300に設けられた列信号処理部550へと接続するためのものである。画素信号は、第2基板200から第3基板300に送られるようになっている。
図3は、上記のように、撮像装置1の断面図の一例である。第1基板100、第2基板200、第3基板300は、配線層100T、200T、300Tを介して電気的に接続される。例えば、撮像装置1は、第2基板200と第3基板300とを電気的に接続する電気的接続部を有する。具体的には、導電材料で形成された電極でコンタクト部201,202,301,302を形成する。導電材料は、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、などの金属材料で形成される。コンタクト領域201R、202R、301R、302Rは、例えば電極として形成された配線同士を直接接合することで、第2基板と第3基板とを電気的に接続し、第2基板200と第3基板300との信号の入力及び/又は出力を可能にする。
第2基板200と第3基板300とを電気的に接続する電気的接続部は、所望の箇所に設けることができる。例えば、図3においてコンタクト領域201R、202R、301R、302Rとして述べたように、画素アレイ部540と積層方向に重なる領域に設けても良い。また、電気的接続部を画素アレイ部540と積層方向に重ならない領域に設けても良い。具体的には、画素アレイ部540の外側に配置された周辺部と、積層方向に重なる領域に設けても良い。
第1基板100および第2基板200には、例えば、接続孔部H1,H2が設けられている。接続孔部H1,H2は、第1基板100および第2基板200を貫通している(図3)。接続孔部H1,H2は、画素アレイ部540(または画素アレイ部540に重なる部分)の外側に設けられている(図2)。例えば、接続孔部H1は、H方向において画素アレイ部540より外側に配置されており、接続孔部H2は、V方向において画素アレイ部540よりも外側に配置されている。例えば、接続孔部H1は、第3基板300に設けられた入力部510Aに達しており、接続孔部H2は、第3基板300に設けられた出力部510Bに達している。接続孔部H1,H2は、空洞でもよく、少なくとも一部に導電材料を含んでいても良い。例えば、入力部510A及び/又は出力部510Bとして形成された電極に、ボンディングワイヤを接続する構成がある。または、入力部510A及び/又は出力部510Bとして形成された電極と、接続孔部H1,H2に設けられた導電材料とを接続する構成がある。接続孔部H1,H2に設けられた導電材料は、接続孔部H1,H2の一部または全部に埋め込まれていても良く、導電材料が接続孔部H1,H2の側壁に形成されていても良い。
なお、図3では第3基板300に入力部510A、出力部510Bを設ける構造としたが、これに限定されない。例えば、配線層200T、300Tを介して第3基板300の信号を第2基板200へ送ることで、入力部510A及び/又は出力部510Bを第2基板200に設けることもできる。同様に、配線層100T、200Tを介して、第2基板200の信号を第1基板100へ送ることで、入力部510A及び/又は出力部510Bを第1基板100に設けることもできる。
図4は、画素共有ユニット539の構成の一例を表す等価回路図である。画素共有ユニット539は、複数の画素541(図4では、画素541A,541B,541C,541Dの4つの画素541を表す)と、この複数の画素541に接続された1の画素回路200Xと、画素回路200Xに接続された垂直信号線543とを含んでいる。画素回路200Xは、例えば、4つのトランジスタ、具体的には、増幅トランジスタAMP、選択トランジスタSEL、リセットトランジスタRSTおよびFD変換ゲイン切替トランジスタFDGを含んでいる。上述のように、画素共有ユニット539は、1の画素回路200Xを時分割で動作させることにより、画素共有ユニット539に含まれる4つの画素541(画素541A,541B,541C,541D)それぞれの画素信号を順次垂直信号線543へ出力するようになっている。複数の画素541に1の画素回路200Xが接続されており、この複数の画素541の画素信号が、1の画素回路200Xにより時分割で出力される態様を、「複数の画素541が1の画素回路200Xを共有する」という。
画素541A,541B,541C,541Dは、互いに共通の構成要素を有している。以降、画素541A,541B,541C,541Dの構成要素を互いに区別するために、画素541Aの構成要素の符号の末尾には識別番号1、画素541Bの構成要素の符号の末尾には識別番号2、画素541Cの構成要素の符号の末尾には識別番号3、画素541Dの構成要素の符号の末尾には識別番号4を付与する。画素541A,541B,541C,541Dの構成要素を互いに区別する必要のない場合には、画素541A,541B,541C,541Dの構成要素の符号の末尾の識別番号を省略する。
画素541A,541B,541C,541Dは、例えば、フォトダイオードPDと、フォトダイオードPDと電気的に接続された転送トランジスタTRと、転送トランジスタTRに電気的に接続されたフローティングディフュージョンFDとを有している。フォトダイオードPD(PD1,PD2,PD3,PD4)では、カソードが転送トランジスタTRのソースに電気的に接続されており、アノードが基準電位線(例えばグラウンド)に電気的に接続されている。フォトダイオードPDは、入射した光を光電変換し、その受光量に応じた電荷を発生する。転送トランジスタTR(転送トランジスタTR1,TR2,TR3,TR4)は、例えば、n型のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである。転送トランジスタTRでは、ドレインがフローティングディフュージョンFDに電気的に接続され、ゲートが駆動信号線に電気的に接続されている。この駆動信号線は、1の画素共有ユニット539に接続された複数の行駆動信号線542(図1参照)のうちの一部である。転送トランジスタTRは、フォトダイオードPDで発生した電荷をフローティングディフュージョンFDへと転送する。フローティングディフュージョンFD(フローティングディフュージョンFD1,FD2,FD3,FD4)は、p型半導体層中に形成されたn型拡散層領域である。フローティングディフュージョンFDは、フォトダイオードPDから転送された電荷を一時的に保持する電荷保持手段であり、かつ、その電荷量に応じた電圧を発生させる、電荷―電圧変換手段である。ここでは、フォトダイオードPDが、本開示の「光電変換部」の一具体例に対応し、フローティングディフュージョンFDが、本開示の「電荷蓄積部」の一具体例に対応する。
1の画素共有ユニット539に含まれる4つのフローティングディフュージョンFD(フローティングディフュージョンFD1,FD2,FD3,FD4)は、互いに電気的に接続されるとともに、増幅トランジスタAMPのゲートおよびFD変換ゲイン切替トランジスタFDGのソースに電気的に接続されている。FD変換ゲイン切替トランジスタFDGのドレインはリセットトランジスタRSTのソースに接続され、FD変換ゲイン切替トランジスタFDGのゲートは駆動信号線に接続されている。この駆動信号線は、1の画素共有ユニット539に接続された複数の行駆動信号線542のうちの一部である。リセットトランジスタRSTのドレインは電源線VDDに接続され、リセットトランジスタRSTのゲートは駆動信号線に接続されている。この駆動信号線は、1の画素共有ユニット539に接続された複数の行駆動信号線542のうちの一部である。増幅トランジスタAMPのゲートはフローティングディフュージョンFDに接続され、増幅トランジスタAMPのドレインは電源線VDDに接続され、増幅トランジスタAMPのソースは選択トランジスタSELのドレインに接続されている。選択トランジスタSELのソースは垂直信号線543に接続され、選択トランジスタSELのゲートは駆動信号線に接続されている。この駆動信号線は、1の画素共有ユニット539に接続された複数の行駆動信号線542のうちの一部である。
転送トランジスタTRは、転送トランジスタTRがオン状態となると、フォトダイオードPDの電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する。転送トランジスタTRのゲート(転送ゲートTG)は、例えば、いわゆる縦型電極を含んでおり、後述の図6に示すように、半導体層(後述の図6の半導体層100S)の表面からPDに達する深さまで延在して設けられている。リセットトランジスタRSTは、フローティングディフュージョンFDの電位を所定の電位にリセットする。リセットトランジスタRSTがオン状態となると、フローティングディフュージョンFDの電位を電源線VDDの電位にリセットする。選択トランジスタSELは、画素回路200Xからの画素信号の出力タイミングを制御する。増幅トランジスタAMPは、画素信号として、フローティングディフュージョンFDに保持された電荷のレベルに応じた電圧の信号を生成する。増幅トランジスタAMPは、選択トランジスタSELを介して垂直信号線543に接続されている。この増幅トランジスタAMPは、列信号処理部550において、垂直信号線543に接続された負荷回路部(図1参照)とともにソースフォロアを構成している。増幅トランジスタAMPは、選択トランジスタSELがオン状態となると、フローティングディフュージョンFDの電圧を、垂直信号線543を介して列信号処理部550に出力する。リセットトランジスタRST、増幅トランジスタAMPおよび選択トランジスタSELは、例えば、N型のCMOSトランジスタである。
FD変換ゲイン切替トランジスタFDGは、フローティングディフュージョンFDでの電荷―電圧変換のゲインを変更する際に用いられる。一般に、暗い場所での撮影時には画素信号が小さい。Q=CVに基づき、電荷電圧変換を行う際に、フローティングディフュージョンFDの容量(FD容量C)が大きければ、増幅トランジスタAMPで電圧に変換した際のVが小さくなってしまう。一方、明るい場所では、画素信号が大きくなるので、FD容量Cが大きくなければ、フローティングディフュージョンFDで、フォトダイオードPDの電荷を受けきれない。さらに、増幅トランジスタAMPで電圧に変換した際のVが大きくなりすぎないように(言い換えると、小さくなるように)、FD容量Cが大きくなっている必要がある。これらを踏まえると、FD変換ゲイン切替トランジスタFDGをオンにしたときには、FD変換ゲイン切替トランジスタFDG分のゲート容量が増えるので、全体のFD容量Cが大きくなる。一方、FD変換ゲイン切替トランジスタFDGをオフにしたときには、全体のFD容量Cが小さくなる。このように、FD変換ゲイン切替トランジスタFDGをオンオフ切り替えることで、FD容量Cを可変にし、変換効率を切り替えることができる。FD変換ゲイン切替トランジスタFDGは、例えば、N型のCMOSトランジスタである。
なお、FD変換ゲイン切替トランジスタFDGを設けない構成も可能である。このとき、例えば、画素回路200Xは、例えば増幅トランジスタAMP、選択トランジスタSELおよびリセットトランジスタRSTの3つのトランジスタで構成される。画素回路200Xは、例えば、増幅トランジスタAMP、選択トランジスタSEL、リセットトランジスタRSTおよびFD変換ゲイン切替トランジスタFDGなどの画素トランジスタの少なくとも1つを有する。
選択トランジスタSELは、電源線VDDと増幅トランジスタAMPとの間に設けられていてもよい。この場合、リセットトランジスタRSTのドレインが電源線VDDおよび選択トランジスタSELのドレインに電気的に接続されている。選択トランジスタSELのソースが増幅トランジスタAMPのドレインに電気的に接続されており、選択トランジスタSELのゲートが行駆動信号線542(図1参照)に電気的に接続されている。増幅トランジスタAMPのソース(画素回路200Xの出力端)が垂直信号線543に電気的に接続されており、増幅トランジスタAMPのゲートがリセットトランジスタRSTのソースに電気的に接続されている。なお、図示は省略するが、1の画素回路200Xを共有する画素541の数は、4以外であってもよい。例えば、2つまたは8つの画素541が1の画素回路200Xを共有してもよい。
図5は、複数の画素共有ユニット539と、垂直信号線543との接続態様の一例を表したものである。例えば、列方向に並ぶ4つの画素共有ユニット539が4つのグループに分けられており、この4つのグループ各々に垂直信号線543が接続されている。図5には、説明を簡単にするため、4つのグループが各々、1つの画素共有ユニット539を有する例を示したが、4つのグループが各々、複数の画素共有ユニット539を含んでいてもよい。このように、撮像装置1では、列方向に並ぶ複数の画素共有ユニット539が、1つまたは複数の画素共有ユニット539を含むグループに分けられていてもよい。例えば、このグループそれぞれに、垂直信号線543および列信号処理部550が接続されており、それぞれのグループから画素信号を同時に読み出すことができるようになっている。あるいは、撮像装置1では、列方向に並ぶ複数の画素共有ユニット539に1つの垂直信号線543が接続されていてもよい。このとき、1つの垂直信号線543に接続された複数の画素共有ユニット539から、時分割で順次画素信号が読み出されるようになっている。
[撮像装置1の具体的構成]
図6は、撮像装置1の第1基板100、第2基板200および第3基板300の主面に対して垂直方向の断面構成の一例を表したものである。図6は、構成要素の位置関係を分かりやすくするため、模式的に表したものであり、実際の断面と異なっていてもよい。撮像装置1では、第1基板100、第2基板200および第3基板300がこの順に積層されている。撮像装置1は、さらに、第1基板100の裏面側(光入射面側)に受光レンズ401を有している。受光レンズ401と第1基板100との間に、カラーフィルタ層(図示せず)が設けられていてもよい。受光レンズ401は、例えば、画素541A,541B,541C,541D各々に設けられている。撮像装置1は、例えば、裏面照射型の撮像装置である。撮像装置1は、中央部に配置された画素アレイ部540と、画素アレイ部540の外側に配置された周辺部540Bとを有している。
第1基板100は、受光レンズ401側から順に、絶縁膜111、固定電荷膜112、半導体層100Sおよび配線層100Tを有している。半導体層100Sは、例えばシリコン基板により構成されている。半導体層100Sは、例えば、表面(配線層100T側の面)の一部およびその近傍に、pウェル層115を有しており、それ以外の領域(pウェル層115よりも深い領域)に、n型半導体領域114を有している。例えば、このn型半導体領域114およびpウェル層115によりpn接合型のフォトダイオードPDが構成されている。pウェル層115は、p型半導体領域である。
図7Aは、第1基板100の平面構成の一例を表したものである。図7Aは、主に、第1基板100の画素分離部117、フォトダイオードPD、フローティングディフュージョンFD、VSSコンタクト領域118および転送トランジスタTRの平面構成を表している。図6とともに、図7Aを用いて第1基板100の構成について説明する。
半導体層100Sの表面近傍には、フローティングディフュージョンFDおよびVSSコンタクト領域118が設けられている。フローティングディフュージョンFDは、pウェル層115内に設けられたn型半導体領域により構成されている。画素541A,541B,541C,541D各々のフローティングディフュージョンFD(フローティングディフュージョンFD1,FD2,FD3,FD4)は、例えば、画素共有ユニット539の中央部に互いに近接して設けられている(図7A)。詳細は後述するが、この画素共有ユニット539に含まれる4つのフローティングディフュージョン(フローティングディフュージョンFD1,FD2,FD3,FD4)は、第1基板100内(より具体的には配線層100Tの内)で、電気的接続手段(後述のパッド部120)を介して互いに電気的に接続されている。更に、フローティングディフュージョンFDは、第1基板100から第2基板200へ(より具体的には、配線層100Tから配線層200Tへ)と電気的手段(後述の貫通電極120E)を介して接続されている。第2基板200(より具体的には配線層200Tの内部)では、この電気的手段により、フローティングディフュージョンFDが、増幅トランジスタAMPのゲートおよびFD変換ゲイン切替トランジスタFDGのソースに電気的に接続されている。ここで、VSSコンタクト領域118が、本開示の「不純物拡散領域」の一具体例に対応する。
VSSコンタクト領域118は、基準電位線VSSに電気的に接続される領域であり、フローティングディフュージョンFDと離間して配置されている。例えば、画素541A,541B,541C,541Dでは、各画素のV方向の一端にフローティングディフュージョンFDが配置され、他端にVSSコンタクト領域118が配置されている(図7A)。VSSコンタクト領域118は、例えば、p型半導体領域により構成されている。VSSコンタクト領域118は、例えば接地電位や固定電位に接続されている。これにより、半導体層100Sに基準電位が供給される。
第1基板100には、フォトダイオードPD、フローティングディフュージョンFDおよびVSSコンタクト領域118とともに、転送トランジスタTRが設けられている。このフォトダイオードPD、フローティングディフュージョンFD、VSSコンタクト領域118および転送トランジスタTRは、画素541A,541B,541C,541D各々に設けられている。転送トランジスタTRは、半導体層100Sの表面側(光入射面側とは反対側、第2基板200側)に設けられている。転送トランジスタTRは、転送ゲートTGを有している。転送ゲートTGは、例えば、半導体層100Sの表面に対向する水平部分TGbと、半導体層100S内に設けられた垂直部分TGaとを含んでいる。垂直部分TGaは、半導体層100Sの厚み方向に延在している。垂直部分TGaの一端は水平部分TGbに接し、他端はn型半導体領域114内に設けられている。転送トランジスタTRを、このような縦型トランジスタにより構成することにより、画素信号の転送不良が生じにくくなり、画素信号の読み出し効率を向上させることができる。
転送ゲートTGの水平部分TGbは、垂直部分TGaに対向する位置から例えば、H方向において画素共有ユニット539の中央部に向かって延在している(図7A)。これにより、転送ゲートTGに達する貫通電極(後述の貫通電極TGV)のH方向の位置を、フローティングディフュージョンFD、VSSコンタクト領域118に接続される貫通電極(後述の貫通電極120E,121E)のH方向の位置に近づけることができる。例えば、第1基板100に設けられた複数の画素共有ユニット539は、互いに同じ構成を有している(図7A)。
図8Aおよび図8Bは、第1基板100および第2基板200の要部の構成の他の例を模式的に表している。図8Aは、第1基板100および第2基板200の要部の断面構成を表し、図8Bは、画素共有ユニット539の平面構成の一例を表している。
転送トランジスタTRは、平面型トランジスタにより構成されていてもよい(図8A)。このとき、例えば、半導体層100Sの表面上に転送ゲートTGが設けられている。例えば、この転送ゲートTGの側面は、サイドウォールSWにより覆われている。サイドウォールSWは、例えば窒化シリコン(SiN)を含んでいる。半導体層100Sと転送ゲートTGとの間には、ゲート絶縁膜(図8Aでは図示を省略、後述の図19Bのゲート絶縁膜TR-I)が設けられている。画素541A,541B,541C,541D各々の転送ゲートTG(転送ゲートTG1,TG2,TG3,TG4)は、例えば、平面視でフローティングディフュージョンFDを囲むように設けられている(図8B)。
半導体層100Sには、画素541A,541B,541C,541Dを互いに分離する画素分離部117が設けられている。画素分離部117は、半導体層100Sの法線方向(半導体層100Sの表面に対して垂直な方向)に延在して形成されている。画素分離部117は、画素541A,541B,541C,541Dを互いに仕切るように設けられており、例えば格子状の平面形状を有している(図7A,図7B)。画素分離部117は、例えば、画素541A,541B,541C,541Dを互いに電気的および光学的に分離する。画素分離部117は、例えば、遮光膜117Aおよび絶縁膜117Bを含んでいる。遮光膜117Aには、例えば、タングステン(W)等が用いられる。絶縁膜117Bは、遮光膜117Aとpウェル層115またはn型半導体領域114との間に設けられている。絶縁膜117Bは、例えば、酸化シリコン(SiO)によって構成されている。画素分離部117は、例えば、FTI(Full Trench Isolation)構造を有しており、半導体層100Sを貫通している。図示しないが、画素分離部117は半導体層100Sを貫通するFTI構造に限定されない。例えば、半導体層100Sを貫通しないDTI(Deep Trench Isolation)構造であっても良い。画素分離部117は、半導体層100S
の法線方向に延在して、半導体層100Sの一部の領域に形成される。
半導体層100Sには、例えば、第1ピニング領域113および第2ピニング領域116が設けられている。第1ピニング領域113は、半導体層100Sの裏面近傍に設けられており、n型半導体領域114と固定電荷膜112との間に配置されている。第2ピニング領域116は、画素分離部117の側面、具体的には、画素分離部117とpウェル層115またはn型半導体領域114との間に設けられている。第1ピニング領域113および第2ピニング領域116は、例えば、p型半導体領域により構成されている。
半導体層100Sと絶縁膜111との間には、負の固定電荷を有する固定電荷膜112が設けられている。固定電荷膜112が誘起する電界により、半導体層100Sの受光面(裏面)側の界面に、ホール蓄積層の第1ピニング領域113が形成される。これにより、半導体層100Sの受光面側の界面準位に起因した暗電流の発生が抑えられる。固定電荷膜112は、例えば、負の固定電荷を有する絶縁膜によって形成されている。この負の固定電荷を有する絶縁膜の材料としては、例えば、酸化ハフニウム、酸化ジルコン、酸化アルミニウム、酸化チタンまたは酸化タンタルが挙げられる。
固定電荷膜112と絶縁膜111との間には、遮光膜117Aが設けられている。この遮光膜117Aは、画素分離部117を構成する遮光膜117Aと連続して設けられていてもよい。この固定電荷膜112と絶縁膜111との間の遮光膜117Aは、例えば、半導体層100S内の画素分離部117に対向する位置に選択的に設けられている。絶縁膜111は、この遮光膜117Aを覆うように設けられている。絶縁膜111は、例えば、酸化シリコンにより構成されている。
半導体層100Sと第2基板200との間に設けられた配線層100Tは、半導体層100S側から、層間絶縁膜119、パッド部120,121、パッシベーション膜122、層間絶縁膜123および接合膜124をこの順に有している。転送ゲートTGの水平部分TGbは、例えば、この配線層100Tに設けられている。層間絶縁膜119は、半導体層100Sの表面全面にわたって設けられており、半導体層100Sに接している。層間絶縁膜119は、例えば酸化シリコン膜により構成されている。なお、配線層100Tの構成は上述の限りでなく、配線と絶縁膜とを有する構成であれば良い。ここでは、パッド部120が、本開示の「第1共有接続部」の一具体例に対応し、パッド部121が、本開示の「第2共有接続部」の一具体例に対応する。
図7Bは、図7Aに示した平面構成とともに、パッド部120,121の構成を表している。パッド部120,121は、層間絶縁膜119上の選択的な領域に設けられている。パッド部120は、画素541A,541B,541C,541D各々のフローティングディフュージョンFD(フローティングディフュージョンFD1,FD2,FD3,FD4)を互いに接続するためのものである。パッド部120は、例えば、画素共有ユニット539毎に、平面視で画素共有ユニット539の中央部に配置されている(図7B)。このパッド部120は、画素分離部117を跨ぐように設けられており、フローティングディフュージョンFD1,FD2,FD3,FD4各々の少なくとも一部に重畳して配置されている(図6,図7B)。具体的には、パッド部120は、画素回路200Xを共有する複数のフローティングディフュージョンFD(フローティングディフュージョンFD1,FD2,FD3,FD4)各々の少なくとも一部と、その画素回路200Xを共有する複数のフォトダイオードPD(フォトダイオードPD1,PD2,PD3,PD4)の間に形成された画素分離部117の少なくとも一部とに対して、半導体層100Sの表面に対して垂直な方向に重なる領域に形成される。層間絶縁膜119には、パッド部120とフローティングディフュージョンFD1,FD2,FD3,FD4とを電気的に接続するための接続ビア120Cが設けられている。接続ビア120Cは、画素541A,541B,541C,541D各々に設けられている。例えば、接続ビア120Cにパッド部120の一部が埋め込まれることにより、パッド部120とフローティングディフュージョンFD1,FD2,FD3,FD4とが電気的に接続されている。
パッド部121は、複数のVSSコンタクト領域118を互いに接続するためのものである。例えば、V方向に隣り合う一方の画素共有ユニット539の画素541C,541Dに設けられたVSSコンタクト領域118と、他方の画素共有ユニット539の画素541A,541Bに設けられたVSSコンタクト領域118とがパッド部121により電気的に接続されている。パッド部121は、例えば、画素分離部117を跨ぐように設けられており、これら4つのVSSコンタクト領域118各々の少なくとも一部に重畳して配置されている。具体的には、パッド部121は、複数のVSSコンタクト領域118各々の少なくとも一部と、その複数のVSSコンタクト領域118の間に形成された画素分離部117の少なくとも一部とに対して、半導体層100Sの表面に対して垂直な方向に重なる領域に形成される。層間絶縁膜119には、パッド部121とVSSコンタクト領域118とを電気的に接続するための接続ビア121Cが設けられている。接続ビア121Cは、画素541A,541B,541C,541D各々に設けられている。例えば、接続ビア121Cにパッド部121の一部が埋め込まれることにより、パッド部121とVSSコンタクト領域118とが電気的に接続されている。例えば、V方向に並ぶ複数の画素共有ユニット539各々のパッド部120およびパッド部121は、H方向において略同じ位置に配置されている(図7B)。図9は、パッド部120,121の構成の他の例を表している。このように、転送ゲートTGの側面とともに、パッド部120,121の側面にもサイドウォールSWが設けられていてもよい。
パッド部120を設けることで、チップ全体において、各フローティングディフュージョンFDから画素回路200X(例えば増幅トランジスタAMPのゲート電極)へ接続するための配線を減らすことができる。同様に、パッド部121を設けることで、チップ全体において、各VSSコンタクト領域118への電位を供給する配線を減らすことができる。これにより、チップ全体の面積の縮小、微細化された画素における配線間の電気的干渉の抑制、及び/又は部品点数の削減によるコスト削減などが可能になる。
パッド部120、121は、第1基板100、第2基板200の所望の位置に設けることができる。具体的には、パッド部120、121を配線層100T、半導体層200Sの絶縁領域212のいずれかに設けることができる。配線層100Tに設ける場合には、パッド部120、121を半導体層100Sに直接接触させても良い。具体的には、パッド部120、121が、フローティングディフュージョンFD及び/又はVSSコンタクト領域118の各々の少なくとも一部と直接接続される構成でも良い。また、パッド部120、121に接続するフローティングディフュージョンFD及び/又はVSSコンタクト領域118の各々から接続ビア120C,121Cを設け、配線層100T、半導体層200Sの絶縁領域212の所望の位置にパッド部120、121を設ける構成でも良い。
特に、パッド部120、121を配線層100Tに設ける場合には、半導体層200Sの絶縁領域212におけるフローティングディフュージョンFD及び/又はVSSコンタクト領域118に接続される配線を減らすことができる。これにより、画素回路200Xを形成する第2基板200のうち、フローティングディフュージョンFDから画素回路200Xに接続するための貫通配線を形成するための絶縁領域212の面積を削減することができる。よって、画素回路200Xを形成する第2基板200の面積を大きく確保することができる。画素回路200Xの面積を確保することで、画素トランジスタを大きく形成することができ、ノイズ低減などによる画質向上に寄与することができる。
特に、画素分離部117にFTI構造を用いた場合、フローティングディフュージョンFD及び/又はVSSコンタクト領域118は、各画素541に設けることが好ましいため、パッド部120、121の構成を用いることで、第1基板100と第2基板200とを接続する配線を大幅に削減することができる。
また、図7Bのように、例えば複数のフローティングディフュージョンFDが接続されるパッド部120と、複数のVSSコンタクト領域118が接続されるパッド部121とは、V方向において直線状に交互に配置される。また、パッド部120、121は、複数のフォトダイオードPDや、複数の転送ゲートTGや、複数のフローティングディフュージョンFDに囲まれる位置に形成される。これにより、複数の素子を形成する第1基板100において、フローティングディフュージョンFDとVSSコンタクト領域118以外の素子を自由に配置することができ、チップ全体のレイアウトの効率化を図ることができる。また、各画素共有ユニット539に形成される素子のレイアウトにおける対称性が確保され、各画素541の特性のばらつきを抑えることができる。
パッド部120,121は、例えば、ポリシリコン(Poly Si)、より具体的には、不
純物が添加されたドープドポリシリコンにより構成されている。パッド部120,121はポリシリコン、タングステン(W)、チタン(Ti)および窒化チタン(TiN)等の耐熱性の高い導電性材料により構成されていることが好ましい。これにより、第1基板100に第2基板200の半導体層200Sを貼り合わせた後に、画素回路200Xを形成することが可能となる。以下、この理由について説明する。なお、以下の説明において、第1基板100と第2基板200の半導体層200Sを貼り合わせた後に、画素回路200Xを形成する方法を、第1の製造方法と呼ぶ。
ここで、第2基板200に画素回路200Xを形成した後に、これを第1基板100に貼り合わせることも考え得る(以下第2の製造方法という)。この第2の製造方法では、第1基板100の表面(配線層100Tの表面)および第2基板200の表面(配線層200Tの表面)それぞれに、電気的接続用の電極を予め形成しておく。第1基板100と第2基板200を貼り合わせると、これと同時に、第1基板100の表面と第2基板200の表面のそれぞれに形成された電気的接続用の電極同士が接触する。これにより、第1基板100に含まれる配線と第2基板200に含まれる配線との間で電気的接続が形成される。よって、第2の製造方法を用いた撮像装置1の構成とすることで、例えば第1基板100と第2基板200の各々の構成に応じて適切なプロセスを用いて製造することができ、高品質、高性能な撮像装置を製造することができる。
このような第2の製造方法では、第1基板100と第2基板200とを貼り合わせる際に、貼り合せ用の製造装置に起因して、位置合わせの誤差が生じることがある。また、第1基板100および第2基板200は、例えば、直径数十cm程度の大きさを有するが、第1基板100と第2基板200とを貼り合わせる際に、この第1基板100、第2基板200各部の微視的領域で、基板の伸び縮みが発生するおそれがある。この基板の伸び縮みは、基板同士が接触するタイミングが多少ずれることに起因する。このような第1基板100および第2基板200の伸び縮みに起因して、第1基板100の表面および第2基板200の表面それぞれに形成された電気的接続用の電極の位置に、誤差が生じることがある。第2の製造方法では、このような誤差が生じても、第1基板100および第2基板200それぞれの電極同士が接触するように対処しておくことが好ましい。具体的には、第1基板100および第2基板200の電極の少なくとも一方、好ましくは両方を、上記誤差を考慮して大きくしておく。このため、第2の製造方法を用いると、例えば、第1基板100または第2基板200の表面に形成された電極の大きさ(基板平面方向の大きさ)が、第1基板100または第2基板200の内部から表面に厚み方向へ延在する内部電極の大きさよりも大きくなる。
一方、パッド部120,121を耐熱性の導電材料により構成することで、上記第1の製造方法を用いることが可能となる。第1の製造方法では、フォトダイオードPDおよび転送トランジスタTRなどを含む第1基板100を形成した後、この第1基板100と第2基板200(半導体層2000S)とを貼り合わせる。このとき、第2基板200は、画素回路200Xを構成する能動素子および配線層などのパターンは未形成の状態である。第2基板200はパターンを形成する前の状態であるため、仮に、第1基板100と第2基板200を貼り合わせる際、その貼り合せ位置に誤差が生じたとしても、この貼り合せ誤差によって、第1基板100のパターンと第2基板200のパターンとの間の位置合わせに誤差が生じることはない。なぜならば、第2基板200のパターンは、第1基板100と第2基板200を貼り合わせた後に、形成するからである。なお、第2基板にパターンを形成する際には、例えば、パターン形成のための露光装置において、第1基板に形成されたパターンを位置合わせの対象としながらパターン形成する。上記理由により、第1基板100と第2基板200との貼り合せ位置の誤差は、第1の製造方法においては、撮像装置1を製造する上で問題とならない。同様の理由で、第2の製造方法で生じる基板の伸び縮みに起因した誤差も、第1の製造方法においては、撮像装置1を製造する上で問題とならない。
第1の製造方法では、このようにして第1基板100と第2基板200(半導体層200S)とを貼り合せた後、第2基板200上に能動素子を形成する。この後、貫通電極120E,121Eおよび貫通電極TGV(図6)を形成する。この貫通電極120E,121E,TGVの形成では、例えば、第2基板200の上方から、露光装置による縮小投影露光を用いて貫通電極のパターンを形成する。縮小露光投影を用いるため、仮に、第2基板200と露光装置との位置合わせに誤差が生じても、その誤差の大きさは、第2基板200においては、上記第2の製造方法の誤差の数分の一(縮小露光投影倍率の逆数)にしかならない。よって、第1の製造方法を用いた撮像装置1の構成とすることで、第1基板100と第2基板200の各々に形成される素子同士の位置合わせが容易になり、高品質、高性能な撮像装置を製造することができる。
このような第1の製造方法を用いて製造された撮像装置1は、第2の製造方法で製造された撮像装置と異なる特徴を有する。具体的には、第1の製造方法により製造された撮像装置1では、例えば、貫通電極120E,121E,TGVが、第2基板200から第1基板100に至るまで、略一定の太さ(基板平面方向の大きさ)となっている。あるいは、貫通電極120E,121E,TGVがテーパー形状を有するときには、一定の傾きのテーパー形状を有している。このような貫通電極120E,121E,TGVを有する撮像装置1は、画素541を微細化しやすい。
ここで、第1の製造方法により撮像装置1を製造すると、第1基板100と第2基板200(半導体層200S)とを貼り合わせた後に、第2基板200に能動素子を形成するので、第1基板100にも、能動素子の形成の際に必要な加熱処理の影響が及ぶことになる。このため、上記のように、第1基板100に設けられたパッド部120,121には、耐熱性の高い導電材料を用いることが好ましい。例えば、パッド部120,121には、第2基板200の配線層200Tに含まれる配線材の少なくとも一部よりも、融点の高い(すなわち耐熱性の高い)材料を用いていることが好ましい。例えば、パッド部120,121にドープトポリシリコン、タングステン、チタンあるいは窒化チタン等の耐熱性の高い導電材を用いる。これにより、上記第1の製造方法を用いて撮像装置1を製造することが可能となる。
パッド部120,121は、窒化タンタル(TaN),アルミニウム(Al)および銅(Cu)等の金属材料により構成されていてもよい。
パッシベーション膜122は、例えば、パッド部120,121を覆うように、半導体層100Sの表面全面にわたって設けられている(図6)。パッシベーション膜122は、例えば、窒化シリコン(SiN)膜により構成されている。層間絶縁膜123は、パッシベーション膜122を間にしてパッド部120,121を覆っている。この層間絶縁膜123は、例えば、半導体層100Sの表面全面にわたって設けられている。層間絶縁膜123は、例えば酸化シリコン(SiO)膜により構成されている。接合膜124は、第1基板100(具体的には配線層100T)と第2基板200との接合面に設けられている。即ち、接合膜124は、第2基板200に接している。この接合膜124は、第1基板100の主面全面にわたって設けられている。接合膜124は、例えば、窒化シリコン膜により構成されている。
受光レンズ401は、例えば、固定電荷膜112および絶縁膜111を間にして半導体層100Sに対向している(図6)。受光レンズ401は、例えば画素541A,541B,541C,541D各々のフォトダイオードPDに対向する位置に設けられている。
第2基板200は、第1基板100側から、半導体層200Sおよび配線層200Tをこの順に有している。半導体層200Sは、シリコン基板で構成されている。半導体層200Sでは、厚み方向にわたって、ウェル領域211が設けられている。ウェル領域211は、例えば、p型半導体領域である。第2基板200には、画素共有ユニット539毎に配置された画素回路200Xが設けられている。この画素回路200Xは、例えば、半導体層200Sの表面側(配線層200T側)に設けられている。撮像装置1では、第1基板100の表面側(配線層100T側)に第2基板200の裏面側(半導体層200S側)が向かうようにして、第2基板200が第1基板100に貼り合わされている。つまり、第2基板200は、第1基板100に、フェイストゥーバックで貼り合わされている。
図10~図14は、第2基板200の平面構成の一例を模式的に表している。図10には、半導体層200Sの表面近傍に設けられた画素回路200Xの構成を表す。図11は、配線層200T(具体的には後述の第1配線層W1)と、配線層200Tに接続された半導体層200Sおよび第1基板100の各部の構成を模式的に表している。図12~図14は、配線層200Tの平面構成の一例を表している。以下、図6とともに、図10~図14を用いて第2基板200の構成について説明する。図10および図11ではフォトダイオードPDの外形(画素分離部117とフォトダイオードPDとの境界)を破線で表し、画素回路200Xを構成する各トランジスタのゲート電極に重なる部分の半導体層200Sと素子分離領域213または絶縁領域212との境界を点線で表す。増幅トランジスタAMPのゲート電極に重なる部分では、チャネル幅方向の一方に、半導体層200Sと素子分離領域213との境界、および素子分離領域213と絶縁領域212との境界が設けられている。以下、図6とともに、図10~図14を用いて第2基板200の構成について説明する。
第2基板200には、半導体層200Sを分断する絶縁領域212と、半導体層200Sの厚み方向の一部に設けられた素子分離領域213とが設けられている(図6)。例えば、H方向に隣り合う2つの画素回路200Xの間に設けられた絶縁領域212に、この2つの画素回路200Xに接続された2つの画素共有ユニット539の貫通電極120E,121Eおよび貫通電極TGV(貫通電極TGV1,TGV2,TGV3,TGV4)が配置されている(図11)。ここでは、貫通電極120Eが、本開示の「第1貫通電極」の一具体例に対応し、貫通電極121Eが、本開示の「第2貫通電極」の一具体例に対応する。
絶縁領域212は、半導体層200Sの厚みと略同じ厚みを有している(図6)。半導体層200Sは、この絶縁領域212により分断されている。この絶縁領域212に、貫通電極120E,121Eおよび貫通電極TGVが配置されている。絶縁領域212は、例えば酸化シリコンにより構成されている。
貫通電極120E,121Eは、絶縁領域212を厚み方向に貫通して設けられている。貫通電極120E,121Eの上端は、配線層200Tの配線(後述の第1配線層W1,第2配線層W2,第3配線層W3,第4配線層W4)に接続されている。この貫通電極120E,121Eは、絶縁領域212、接合膜124、層間絶縁膜123およびパッシベーション膜122を貫通して設けられ、その下端はパッド部120,121に接続されている(図6)。貫通電極120Eは、パッド部120と画素回路200Xとを電気的に接続するためのものである。即ち、貫通電極120Eにより、第1基板100のフローティングディフュージョンFDが第2基板200の画素回路200Xに電気的に接続される。貫通電極121Eは、パッド部121と配線層200Tの基準電位線VSSとを電気的に接続するためのものである。即ち、貫通電極121Eにより、第1基板100のVSSコンタクト領域118が第2基板200の基準電位線VSSに電気的に接続される。
貫通電極TGVは、絶縁領域212を厚み方向に貫通して設けられている。貫通電極TGVの上端は、配線層200Tの配線に接続されている。この貫通電極TGVは、絶縁領域212、接合膜124、層間絶縁膜123、パッシベーション膜122および層間絶縁膜119を貫通して設けられ、その下端は転送ゲートTGに接続されている(図6)。このような貫通電極TGVは、画素541A,541B,541C,541D各々の転送ゲートTG(転送ゲートTG1,TG2,TG3,TG4)と、配線層200Tの配線(行駆動信号線542の一部、具体的には、後述の図11の配線TRG1,TRG2,TRG3,TRG4)とを電気的に接続するためのものである。即ち、貫通電極TGVにより、第1基板100の転送ゲートTGが第2基板200の配線TRGに電気的に接続され、転送トランジスタTR(転送トランジスタTR1,TR2,TR3,TR4)各々に駆動信号が送られるようになっている。
絶縁領域212は、第1基板100と第2基板200とを電気的に接続するための前記貫通電極120E,121Eおよび貫通電極TGVを、半導体層200Sと絶縁して設けるための領域である。例えば、H方向に隣り合う2つの画素回路200X(画素共有ユニット539)の間に設けられた絶縁領域212に、この2つの画素回路200Xに接続された貫通電極120E,121Eおよび貫通電極TGV(貫通電極TGV1,TGV2,TGV3,TGV4)が配置されている。絶縁領域212は、例えば、V方向に延在して設けられている(図8,図9)。ここでは、転送ゲートTGの水平部分TGbの配置を工夫することにより、垂直部分TGaの位置に比べて、貫通電極TGVのH方向の位置が貫通電極120E,121EのH方向の位置に近づくように配置されている(図7A,図9)。例えば、貫通電極TGVは、H方向において、貫通電極120E,120Eと略同じ位置に配置されている。これにより、V方向に延在する絶縁領域212に、貫通電極120E,121Eおよび貫通電極TGVをまとめて設けることができる。別の配置例として、垂直部分TGaに重畳する領域のみに水平部分TGbを設けることも考え得る。この場合には、垂直部分TGaの略直上に貫通電極TGVが形成され、例えば、各画素541のH方向およびV方向の略中央部に貫通電極TGVが配置される。このとき、貫通電極TGVのH方向の位置と貫通電極120E,121EのH方向の位置とが大きくずれる。貫通電極TGVおよび貫通電極120E,121Eの周囲には、近接する半導体層200Sから電気的に絶縁するため、例えば、絶縁領域212を設ける。貫通電極TGVのH方向の位置と貫通電極120E,121EのH方向の位置とが大きく離れる場合には、貫通電極120E,121E,TGV各々の周囲に絶縁領域212を独立して設けることが必要となる。これにより、半導体層200Sが細かく分断されることになる。これに比べ、V方向に延在する絶縁領域212に、貫通電極120E,121Eおよび貫通電極TGVをまとめて配置するレイアウトは、半導体層200SのH方向の大きさを大きくすることができる。よって、半導体層200Sにおける半導体素子形成領域の面積を大きく確保することができる。これにより、例えば、増幅トランジスタAMPのサイズを大きくし、ノイズを抑えることが可能となる。
また、撮像装置1では、第1基板100にパッド部120が設けられているので、貫通電極120Eは画素共有ユニット539毎に設けられる。更に、第1基板100にパッド部121が設けられているので、貫通電極121Eは、4つの画素(画素541A,541B,541C,541D)毎に設けられる。これにより、貫通電極120E,121Eの数を減らし、絶縁領域212を小さくすることができる。以下、この理由について説明する。
図15Aおよび図15Bは、第1基板100および第2基板200の要部の構成の他の例を模式的に表している。図15Aは、第1基板100および第2基板200の要部の断面構成を表し、図15Bは、画素共有ユニット539の平面構成の一例を表している。
図15Aに示したように、画素541A,541B,541C,541D各々のフローティングディフュージョンFD(フローティングディフュージョンFD1,FD2,FD3,FD4)を電気的に接続するための配線を第2基板200に設けることも可能である。例えば、第2基板200の配線層200Tの配線(例えば、第1配線層W1)により、画素541A,541B,541C,541D各々のフローティングディフュージョンFDが電気的に接続される。また、画素541A,541B,541C,541D各々のVSSコンタクト領域118を電気的に接続するための配線も、第2基板200に設けるようにしてもよい。この場合には、画素541A,541B,541C,541D各々のフローティングディフュージョンFD1,FD2,FD3,FD4に貫通電極120Eが接続され、画素541A,541B,541C,541D各々のVSSコンタクト領域118に貫通電極121Eが接続される。したがって、4つの画素(画素541A,541B,541C,541D)各々に、貫通電極120E,121Eが1つずつ配置される(図15B)。このように貫通電極120E,121Eの数が増えると絶縁領域212が大きくなる。
これに対し、第1基板100にパッド部120,121を設けることにより、4つの画素(画素541A,541B,541C,541D)毎に、貫通電極120E,121Eが配置される(図8A,図8B)。したがって、図15A,図15Bに示した構成に比べて、貫通電極の数を減らし、絶縁領域212を小さくすることができる。これにより、増幅トランジスタAMPの形成面積を大きくし、ノイズを抑えることが可能となる。また、貫通電極の数が少なくなることにより、レイアウトの自由度を向上させることができる。このため、例えば、寄生容量を小さくすることも可能となる。
素子分離領域213は、半導体層200Sの表面側に設けられている。素子分離領域213は、STI(Shallow Trench Isolation)構造を有している。この素子分離領域213では、半導体層200Sが厚み方向(第2基板200の主面に対して垂直方向)に掘り込まれており、この掘り込みに絶縁膜が埋め込まれている。この絶縁膜は、例えば、酸化シリコンにより構成されている。素子分離領域213は、画素回路200Xを構成する複数のトランジスタ間を、画素回路200Xのレイアウトに応じて素子分離するものである。素子分離領域213の下方(半導体層200Sの深部)には、半導体層200S(具体的には、ウェル領域211)が延在している。
ここで、図7A,図7Bおよび図10を参照して、第1基板100での画素共有ユニット539の外形形状(基板平面方向の外形形状)と、第2基板200での画素共有ユニット539の外形形状との違いを説明する。
撮像装置1では、第1基板100および第2基板200の両方にわたり、画素共有ユニット539が設けられている。例えば、第1基板100に設けられた画素共有ユニット539の外形形状と、第2基板200に設けられた画素共有ユニット539の外形形状とは互いに異なっている。
図7A,図7Bでは、画素541A,541B,541C,541Dの外形線を一点鎖線で表し、画素共有ユニット539の外形形状を太線で表している。例えば、第1基板100の画素共有ユニット539は、H方向に隣接して配置された2つの画素541(画素541A,541B)と、これにV方向に隣接して配置された2つの画素541(画素541C,541D)により構成されている。即ち、第1基板100の画素共有ユニット539は、隣接する2行×2列の4つの画素541により構成されており、第1基板100の画素共有ユニット539は、略正方形の外形形状を有している。画素アレイ部540では、このような画素共有ユニット539が、H方向へ2画素ピッチ(画素541の2個分に相当するピッチ)、かつ、V方向へ2画素ピッチ(画素541の2個分に相当するピッチ)、で隣接して配列されている。
図10および図11では、画素541A,541B,541C,541Dの外形線を一点鎖線で表し、画素共有ユニット539の外形形状を太線で表している。例えば、第2基板200の画素共有ユニット539の外形形状は、H方向において第1基板100の画素共有ユニット539よりも小さく、V方向において第1基板100の画素共有ユニット539よりも大きくなっている。例えば、第2基板200の画素共有ユニット539は、H方向には画素1個分に相当する大きさ(領域)で形成され、V方向には、画素4個分に相当する大きさで形成されている。即ち、第2基板200の画素共有ユニット539は、隣接する1行×4列に配列された画素に相当する大きさで形成されており、第2基板200の画素共有ユニット539は、略長方形の外形形状を有している。
例えば、各画素回路200Xでは、選択トランジスタSEL、増幅トランジスタAMP、リセットトランジスタRSTおよびFD変換ゲイン切替トランジスタFDGがこの順にV方向に並んで配置されている(図10)。各画素回路200Xの外形形状を、上記のように、略長方形状に設けることにより、一方向(図10ではV方向)に4つのトランジスタ(選択トランジスタSEL、増幅トランジスタAMP、リセットトランジスタRSTおよびFD変換ゲイン切替トランジスタFDG)を並べて配置することができる。これにより、増幅トランジスタAMPのドレインと、リセットトランジスタRSTのドレインとを一の拡散領域(電源線VDDに接続される拡散領域)で共有することができる。例えば、各画素回路200Xの形成領域を略正方形状に設けることも可能である(後述の図57参照)。この場合には、一方向に沿って2つのトランジスタが配置され、増幅トランジスタAMPのドレインと、リセットトランジスタRSTのドレインとを一の拡散領域で共有することが困難となる。よって、画素回路200Xの形成領域を略長方形状に設けることにより、4つのトランジスタを近接して配置しやすくなり、画素回路200Xの形成領域を小さくすることができる。即ち、画素の微細化を行うことができる。また、画素回路200Xの形成領域を小さくすることが不要であるときには、増幅トランジスタAMPの形成領域を大きくし、ノイズを抑えることが可能となる。
例えば、半導体層200Sの表面近傍には、選択トランジスタSEL、増幅トランジスタAMP、リセットトランジスタRSTおよびFD変換ゲイン切替トランジスタFDGに加えて、基準電位線VSSに接続されるVSSコンタクト領域218が設けられている。VSSコンタクト領域218は、例えば、p型半導体領域により構成されている。VSSコンタクト領域218は、配線層200Tの配線および貫通電極121Eを介して第1基板100(半導体層100S)のVSSコンタクト領域118に電気的に接続されている。このVSSコンタクト領域218は、例えば、素子分離領域213を間にして、FD変換ゲイン切替トランジスタFDGのソースと隣り合う位置に設けられている(図10)。
次に、図7Bおよび図10を参照して、第1基板100に設けられた画素共有ユニット539と第2基板200に設けられた画素共有ユニット539との位置関係を説明する。例えば、第1基板100のV方向に並ぶ2つの画素共有ユニット539のうち、一方(例えば図7Bの紙面上側)の画素共有ユニット539は、第2基板200のH方向に並ぶ2つの画素共有ユニット539のうちの一方(例えば、図10の紙面左側)の画素共有ユニット539に接続されている。例えば、第1基板100のV方向に並ぶ2つの画素共有ユニット539のうち、他方(例えば図7Bの紙面下側)の画素共有ユニット539は、第2基板200のH方向に並ぶ2つの画素共有ユニット539のうちの他方(例えば、図10の紙面右側)の画素共有ユニット539に接続されている。
例えば、第2基板200のH方向に並ぶ2つの画素共有ユニット539では、一方の画素共有ユニット539の内部レイアウト(トランジスタ等の配置)が、他方の画素共有ユニット539の内部レイアウトをV方向およびH方向に反転させたレイアウトに略等しくなっている。以下、このレイアウトによって得られる効果を説明する。
第1基板100のV方向に並ぶ2つの画素共有ユニット539では、各々のパッド部120が、画素共有ユニット539の外形形状の中央部、即ち、画素共有ユニット539のV方向およびH方向の中央部に配置される(図7B)。一方、第2基板200の画素共有ユニット539は、上記のように、V方向に長い略長方形の外形形状を有しているので、例えば、パッド部120に接続される増幅トランジスタAMPは、画素共有ユニット539のV方向の中央から紙面上方にずれた位置に配置されている。例えば、第2基板200のH方向に並ぶ2つの画素共有ユニット539の内部レイアウトが同じであるとき、一方の画素共有ユニット539の増幅トランジスタAMPと、パッド部120(例えば、図7Bの紙面上側の画素共有ユニット539のパッド部120)との距離は比較的短くなる。しかし、他方の画素共有ユニット539の増幅トランジスタAMPと、パッド部120(例えば、図7Bの紙面下側の画素共有ユニット539のパッド部120)との距離が長くなる。このため、この増幅トランジスタAMPとパッド部120との接続に要する配線の面積が大きくなり、画素共有ユニット539の配線レイアウトが複雑になるおそれがある。このことは、撮像装置1の微細化に影響を及ぼす可能性がある。
これに対して、第2基板200のH方向に並ぶ2つの画素共有ユニット539で、互いの内部レイアウトを少なくともV方向に反転させることにより、これら2つの画素共有ユニット539の両方の増幅トランジスタAMPとパッド部120との距離を短くすることができる。したがって、第2基板200のH方向に並ぶ2つの画素共有ユニット539の内部レイアウトを同じにした構成と比べて、撮像装置1の微細化を行いやすくなる。なお、第2基板200の複数の画素共有ユニット539各々の平面レイアウトは、図8に記載の範囲では左右対称であるが、後述する図11に記載の第1配線層W1のレイアウトまで含めると、左右非対称のものとなる。
また、第2基板200のH方向に並ぶ2つの画素共有ユニット539の内部レイアウトは、互いに、H方向にも反転されていることが好ましい。以下、この理由について説明する。図11に示したように、第2基板200のH方向に並ぶ2つの画素共有ユニット539はそれぞれ、第1基板100のパッド部120,121に接続されている。例えば、第2基板200のH方向に並ぶ2つの画素共有ユニット539のH方向の中央部(H方向に並ぶ2つの画素共有ユニット539の間)にパッド部120,121が配置されている。したがって、第2基板200のH方向に並ぶ2つの画素共有ユニット539の内部レイアウトを、互いに、H方向にも反転させることにより、第2基板200の複数の画素共有ユニット539それぞれとパッド部120,121との距離を小さくすることができる。即ち、撮像装置1の微細化を更に行いやすくなる。
また、第2基板200の画素共有ユニット539の外形線の位置は、第1基板100の画素共有ユニット539のいずれかの外形線の位置に揃っていなくてもよい。例えば、第2基板200のH方向に並ぶ2つの画素共有ユニット539のうち、一方(例えば図11の紙面左側)の画素共有ユニット539では、V方向の一方(例えば図11の紙面上側)の外形線が、対応する第1基板100の画素共有ユニット539(例えば図7Bの紙面上側)のV方向の一方の外形線の外側に配置されている。また、第2基板200のH方向に並ぶ2つの画素共有ユニット539のうち、他方(例えば図11の紙面右側)の画素共有ユニット539では、V方向の他方(例えば図11の紙面下側)の外形線が、対応する第1基板100の画素共有ユニット539(例えば図7Bの紙面下側)のV方向の他方の外形線の外側に配置されている。このように、第2基板200の画素共有ユニット539と、第1基板100の画素共有ユニット539とを互いに配置することにより、増幅トランジスタAMPとパッド部120との距離を短くすることが可能となる。したがって、撮像装置1の微細化を行いやすくなる。
また、第2基板200の複数の画素共有ユニット539の間で、互いの外形線の位置は揃っていなくてもよい。例えば、第2基板200のH方向に並ぶ2つの画素共有ユニット539は、V方向の外形線の位置がずれて配置されている。これにより、増幅トランジスタAMPとパッド部120との距離を短くすることが可能となる。したがって、撮像装置1の微細化を行いやすくなる。
図7Bおよび図11を参照して、画素アレイ部540での画素共有ユニット539の繰り返し配置について説明する。第1基板100の画素共有ユニット539は、H方向に2つ分の画素541の大きさ、およびV方向に2つ分の画素541の大きさを有している(図7B)。例えば、第1基板100の画素アレイ部540では、この4つの画素541に相当する大きさの画素共有ユニット539が、H方向へ2画素ピッチ(画素541の2つ分に相当するピッチ)、かつ、V方向へ2画素ピッチ(画素541の2つ分に相当するピッチ)、で隣接して繰り返し配列されている。あるいは、第1基板100の画素アレイ部540に、画素共有ユニット539がV方向に2つ隣接して配置された一対の画素共有ユニット539が設けられていてもよい。第1基板100の画素アレイ部540では、例えば、この一対の画素共有ユニット539が、H方向へ2画素ピッチ(画素541の2つ分に相当するピッチ)、かつ、V方向へ4画素ピッチ(画素541の4つ分に相当するピッチ)、で隣接して繰り返し配列している。第2基板200の画素共有ユニット539は、H方向に1つ分の画素541の大きさ、およびV方向に4つ分の画素541の大きさを有している(図11)。例えば、第2基板200の画素アレイ部540には、この4つの画素541に相当する大きさの画素共有ユニット539を2つ含む、一対の画素共有ユニット539が設けられている。この画素共有ユニット539は、H方向に隣接して配置され、かつ、V方向にはずらして配置されている。第2基板200の画素アレイ部540では、例えば、この一対の画素共有ユニット539が、H方向へ2画素ピッチ(画素541の2個分に相当するピッチ)、かつ、V方向へ4画素ピッチ(画素541の4個分に相当するピッチ)、で隙間なく隣接して繰り返し配列されている。このような画素共有ユニット539の繰り返し配置により、画素共有ユニット539を隙間なく配置することが可能となる。したがって、撮像装置1の微細化を行いやすくなる。
増幅トランジスタAMPは、例えば、フィン(Fin)型等の三次元構造を有していることが好ましい(図6)。例えば、Fin型の増幅トランジスタAMPは、半導体層200Sの一部により構成されたフィンと、このフィンを囲む3つの平面を有するゲート電極と、ゲート電極とフィンとの間に設けられたゲート絶縁膜とを有している。三次元構造のトランジスタは、チャネルに対向するゲート電極の平面が複数設けられているもの、あるいは、チャネルの周囲にゲート電極の曲面が設けられているものをいう。このような三次元構造のトランジスタでは、平面型のトランジスタと同じフットプリント(図10での占有面積)を有する時、平面型のトランジスタに比べて実効のゲート幅を大きくすることができる。したがって、三次元構造のトランジスタには、多くの電流が流れ、トランスコンダクタンスgmが高くなる。これにより三次元構造のトランジスタでは、平面型のトランジスタに比べて、動作速度を向上させることが可能となる。加えて、RN(Random Noise)を低減することも可能である。また、三次元構造のトランジスタは、平面型のトランジスタに比べて、ゲート面積が大きくなるので、RTS(Random Telegraph Signal)ノイズが小さくなる。
このような三次元構造のトランジスタを、少なくとも増幅トランジスタAMP、選択トランジスタSEL、リセットトランジスタRSTおよびFD転送トランジスタFDGのいずれか一つに用いることにより、トランジシタ特性が向上し、例えば、画質を向上させることができる。特に、増幅トランジスタAMPを三次元構造のトランジスタにより構成することにより、ノイズが効果的に低減され、画質を向上させることが可能となる。また、増幅トランジスタAMP、選択トランジスタSEL、リセットトランジスタRSTおよびFD転送トランジスタFDGの全てを三次元構造のトランジスタを用いて構成するようにしてもよい。このとき、画素回路200Xの製造が容易となる。
図16A~図16Gは、図6に示した増幅トランジスタAMPの構成の他の例を表している。増幅トランジスタAMPは、例えば、半導体層AMP-Sと、半導体層AMP-Sの周囲に設けられたゲート電極AMP-Gと、ゲート電極AMP-Gと半導体層AMP-Sとの間のゲート絶縁膜AMP-Iとを有している。増幅トランジスタAMPがFin型トランジシタにより構成されているとき、フィンを構成する半導体層AMP-Sが、周囲の半導体層200Sと分離して設けられていてもよい(図16A)。あるいは、フィンの高さ方向の一部が、ゲート電極AMP-Gから露出されていてもよい(図16B)。また、増幅トランジスタAMPは、ダブルゲート構造を有していてもよい(図16C)。このダブルゲート構造の増幅トランジスタAMPは、フィンを間にして対向する一対のゲート電極(ゲート電極AMP-G1,AMP-G2)を有している。あるいは、増幅トランジスタAMPは、シングルゲート構造を有していてもよい(図16D)。増幅トランジスタAMPは、GAA(Gate All Around)構造を有していてもよい(図16E)。このGAA構造の増幅トランジスタAMPでは、半導体層AMP-Sの全周がゲート電極AMP-Gで囲まれる。また、増幅トランジスタAMPは、縦型GAA構造(図16F)を有していてもよい。増幅トランジスタAMPは、横型GAA構造、ナノワイヤ(Nanowire)型(図16G)またはナノシート(Nanosheet)型(図示は省略)であってもよい。増幅トランジスタAMPは、図8A等に示したように、平面型のトランジスタにより構成されていてもよい。
配線層200Tは、例えば、パッシベーション膜221、層間絶縁膜222および複数の配線(第1配線層W1,第2配線層W2,第3配線層W3,第4配線層W4)を含んでいる。パッシベーション膜221は、例えば、半導体層200Sの表面に接しており、半導体層200Sの表面全面を覆っている。このパッシベーション膜221は、選択トランジスタSEL、増幅トランジスタAMP、リセットトランジスタRSTおよびFD変換ゲイン切替トランジスタFDG各々のゲート電極を覆っている。層間絶縁膜222は、パッシベーション膜221と第3基板300との間に設けられている。この層間絶縁膜222により、複数の配線(第1配線層W1,第2配線層W2,第3配線層W3,第4配線層W4)が分離されている。層間絶縁膜222は、例えば、酸化シリコンにより構成されている。
配線層200Tには、例えば、半導体層200S側から、第1配線層W1、第2配線層W2、第3配線層W3、第4配線層W4およびコンタクト部201,202がこの順に設けられ、これらが互いに層間絶縁膜222により絶縁されている。層間絶縁膜222には、第1配線層W1、第2配線層W2、第3配線層W3または第4配線層W4と、これらの下層とを接続する接続部が複数設けられている。接続部は、層間絶縁膜222に設けた接続孔に、導電材料を埋設した部分である。例えば、層間絶縁膜222には、第1配線層W1と半導体層200SのVSSコンタクト領域218とを接続する接続部218Vが設けられている。接続部218Vは、半導体層200Sに対向する位置に設けられている。
例えば、このような第2基板200の素子同士を接続する接続部(例えば接続部218V)の孔径は、貫通電極120E,121E,TGVの孔径と異なっている。これにより、接続部の孔径と、貫通電極120E,1211E,TGVの孔径とを同じにした場合に比べて、設計の自由度を高めることができる。特に、第2基板200の素子同士を接続する接続部の孔径は、貫通電極120E,121Eおよび貫通電極TGVの孔径よりも小さくなっていることが好ましい。以下、この理由について説明する。
図17は、接続部218Vおよび貫通電極120Eの互いの大きさの関係を表している。接続部218Vは、高さDv(層間絶縁膜222の厚み方向の大きさ)、孔径Lvを有している。貫通電極120Eは、高さDe、孔径Leを有している。孔径Lv,Leは、接続部218Vおよび貫通電極120Eの孔径の大きさが、層間絶縁膜222の厚み方向で変化するとき、最も孔径が大きくなる部分の大きさを表す。第2基板200内、より具体的には配線層200T内に設けられた接続部218Vの高さDvは、第1基板100と第2基板200とを接続する貫通電極120Eの高さDeよりも小さくなっている。例えば、接続部218Vの孔径Lvは、接続部218Vのアスペクト比(Dv/Lv)が、貫通電極120Eのアスペクト比(De/Le)と略同じになるように設計されている。詳細は後述するが、このように第2基板200の素子同士を接続する接続部のアスペクト比と、第1基板100と第2基板200とを接続する貫通電極120E,121E,TGVのアスペクト比とを近づけることにより、これらを一度のエッチング工程で形成することが可能となる。
例えば、第1配線層W1により、貫通電極120Eと増幅トランジスタAMPのゲートおよびFD変換ゲイン切替トランジスタFDGのソース(具体的にはFD変換ゲイン切替トランジスタFDGのソースに達する接続孔)とが接続されている。第1配線層W1は、例えば、貫通電極121Eと接続部218Vとを接続しており、これにより、半導体層200SのVSSコンタクト領域218と半導体層100SのVSSコンタクト領域118とが電気的に接続される。
次に、図12~図14を用いて、配線層200Tの平面構成について説明する。図12は、第1配線層W1および第2配線層W2の平面構成の一例を表したものである。図138は、第2配線層W2および第3配線層W3の平面構成の一例を表したものである。図14は、第3配線層W3および第4配線層W4の平面構成の一例を表したものである。
例えば、第3配線層W3は、H方向(行方向)に延在する配線TRG1,TRG2,TRG3,TRG4,SELL,RSTL,FDGLを含んでいる(図13)。これらの配線は、図4を参照して説明した複数の行駆動信号線542に該当する。配線TRG1,TRG2,TRG3,TRG4は各々、転送ゲートTG1,TG2,TG3,TG4に駆動信号を送るためのものである。配線TRG1,TRG2,TRG3,TRG4は各々、第2配線層W2、第1配線層W1および貫通電極120Eを介して転送ゲートTG1,TG2,TG3,TG4に接続されている。配線SELLは選択トランジスタSELのゲートに、配線RSTLはリセットトランジスタRSTのゲートに、配線FDGLは、FD変換ゲイン切替トランジスタFDGのゲートに各々駆動信号を送るためのものである。配線SELL,RSTL,FDGLは各々、第2配線層W2、第1配線層W1および接続部を介して、選択トランジスタSEL,リセットトランジスタRST,FD変換ゲイン切替トランジスタFDG各々のゲートに接続されている。
例えば、第4配線層W4は、V方向(列方向)に延在する電源線VDD、基準電位線VSSおよび垂直信号線543を含んでいる(図14)。電源線VDDは、第3配線層W3、第2配線層W2、第1配線層W1および接続部を介して増幅トランジスタAMPのドレインおよびリセットトランジスタRSTのドレインに接続されている。基準電位線VSSは、第3配線層W3、第2配線層W2、第1配線層W1および接続部218Vを介してVSSコンタクト領域218に接続されている。また、基準電位線VSSは、第3配線層W3、第2配線層W2、第1配線層W1、貫通電極121Eおよびパッド部121を介して第1基板100のVSSコンタクト領域118に接続されている。垂直信号線543は、第3配線層W3、第2配線層W2、第1配線層W1および接続部を介して選択トランジスタSELのソース(Vout)に接続されている。
コンタクト部201,202は、平面視で画素アレイ部540に重なる位置に設けられていてもよく(例えば、図3)、あるいは、画素アレイ部540の外側の周辺部540Bに設けられていてもよい(例えば、図6)。コンタクト部201,202は、第2基板200の表面(配線層200T側の面)に設けられている。コンタクト部201,202は、例えば、Cu(銅)およびAl(アルミニウム)などの金属により構成されている。コンタクト部201,202は、配線層200Tの表面(第3基板300側の面)に露出している。コンタクト部201,202は、第2基板200と第3基板300との電気的な接続および、第2基板200と第3基板300との貼り合わせに用いられる。
図6には、第2基板200の周辺部540Bに周辺回路を設けた例を図示した。この周辺回路は、行駆動部520の一部または列信号処理部550の一部等を含んでいてもよい。また、図3に記載のように、第2基板200の周辺部540Bには周辺回路を配置せず、接続孔部H1,H2を画素アレイ部540の近傍に配置するようにしてもよい。
第3基板300は、例えば、第2基板200側から配線層300Tおよび半導体層300Sをこの順に有している。例えば、半導体層300Sの表面は、第2基板200側に設けられている。半導体層300Sは、シリコン基板で構成されている。この半導体層300Sの表面側の部分には、回路が設けられている。具体的には、半導体層300Sの表面側の部分には、例えば、入力部510A、行駆動部520、タイミング制御部530、列信号処理部550、画像信号処理部560および出力部510Bのうちの少なくとも一部が設けられている。半導体層300Sと第2基板200との間に設けられた配線層300Tは、例えば、層間絶縁膜と、この層間絶縁膜により分離された複数の配線層と、コンタクト部301,302とを含んでいる。コンタクト部301,302は、配線層300Tの表面(第2基板200側の面)に露出されており、コンタクト部301は第2基板200のコンタクト部201に、コンタクト部302は第2基板200のコンタクト部202に各々接している。コンタクト部301,302は、半導体層300Sに形成された回路(例えば、入力部510A、行駆動部520、タイミング制御部530、列信号処理部550、画像信号処理部560および出力部510Bの少なくともいずれか)に電気的に接続されている。コンタクト部301,302は、例えば、Cu(銅)およびアルミニウム(Al)等の金属により構成されている。例えば、接続孔部H1を介して外部端子TAが入力部510Aに接続されており、接続孔部H2を介して外部端子TBが出力部510Bに接続されている。
[撮像装置1の製造方法]
次に、図18A~図21Fを用いて撮像装置1の製造方法の一例を説明する。
まず、図18Aに示したように、pウェル層115、n型半導体領域114、画素分離部117および転送トランジシタTRを形成する。転送トランジスタTRは、半導体層100Sに、pウェル層115、n型半導体領域114および画素分離部117を形成した後に、形成する。転送ゲートTGの側面には、例えば、サイドウォールSWを形成しておく。
次に、半導体層100Sの表面に、パッド部120,121を形成する。図18B~図18Dはパッド部120,121の形成方法の一例を表している。パッド部120,121は、例えば、以下のようにして形成する。
まず、転送ゲートTGを覆うようにして、半導体層100Sの表面全面にエッチングストッパ膜131を形成する。エッチングストッパ膜131は、例えば、酸化膜または窒化膜等の絶縁膜により形成する。酸化膜は、例えば、酸化シリコン(SiO)膜、窒化膜は、例えば、窒化シリコン(SiN)膜である。次いで、図18Bに示したように、このエッチングストッパ膜131に開口131Mを形成する。開口131Mは、パッド部120,121を形成する部分に設けておく。開口131Mでは半導体層100Sの表面が露出される。エッチングストッパ膜131に開口131Mを形成した後、図18Cに示したように、エッチングストッパ膜131を覆うように、半導体層100Sの表面全面にポリシリコン膜132を成膜する。これにより、開口131Mでは、ポリシリコン膜132と半導体層100Sとが接続される。ポリシリコン膜132を成膜した後、例えば、パッド部120の形成予定領域に成膜されたポリシリコン膜132に選択的にn型イオンインプラント、パッド部121の形成予定領域に成膜されたポリシリコン膜132に選択的にp型イオンインプラントを各々行う。このイオン種は、熱工程を経ることにより半導体層100Sに拡散され、ポリシリコン膜132と半導体層100Sとの接触抵抗を低減する。このとき、n型イオンインプラントにより各画素541にフローティングディフュージョンFDが形成され、p型イオンインプラントにより各画素541にVSSコンタクト領域118が形成される。この後、図18Dに示したように、ポリシリコン膜132のパターニングを行う。このとき、エッチングストッパ膜131により、ポリシリコン膜132のエッチングが制御される。ポリシリコン膜132のパターンは、エッチングストッパ膜131のパターンと反転して形成される。エッチングストッパ膜131の開口131Mの外側にポリシリコン膜132が残るようにパターニングを行う。例えば、このようにして所定の領域にパッド部120,121を形成することができる。パッド部120は、例えば、隣り合う画素541のサイドウォールSWの間に形成される。この方法では、パッド部120の大きさをサイドウォールSWの大きさにより制御することができるので、パッド部120を小さくして、寄生容量を低減することが可能となる。
図19A~図19Cは、パッド部120,121の形成方法の他の例(1)を表している。この方法では、転送ゲートTGと同一工程でパッド部120,121が形成される。以下、具体的に説明する。まず、図19Aに示したように、半導体層100Sに、pウェル層115、画素分離部117、VSSコンタクト領域118、n型半導体領域114およびフローティングディフュージョンFDを形成する。次いで、図19Bに示したように、半導体層100Sの表面に開口IMを有するゲート絶縁膜TR-Iを成膜する。開口IMは、パッド部120,121を形成する部分に設けておく。このゲート絶縁膜TR-Iの開口IMは、例えば、半導体層100Sの表面全面にゲート絶縁膜TR-Iを成膜した後、フォトリソグラフィ法を用いて形成する。開口IMを有するゲート絶縁膜TR-Iを形成した後、ゲート絶縁膜TR-I上に例えば、ポリシリコン膜を成膜する。次いで、このポリシリコン膜をパターニングすることにより、転送ゲートTGおよびパッド部120,121を形成する。この後、図19Cに示したように、転送ゲートTGの側面およびパッド部120,121の側面にサイドウォールSWを形成する。この方法を用いてパッド部120,121を形成することにより、例えば、転送ゲートTGの側面とともに、パッド部120,121の側面にもサイドウォールSWが形成される。
図20A~図20Cは、パッド部120,121の形成方法の他の例(2)を表している。この方法では、選択的エピタキシャル成長法を用いてパッド部120,121が形成される。以下、具体的に説明する。まず、上記図18Aで説明したのと同様に、半導体層100Sに、pウェル層115、n型半導体領域114、画素分離部117および転送トランジスタTRを形成する。次いで、半導体層100Sの表面に開口131Mを有するエッチングストッパ膜131を形成する(図18B)。このとき、エッチングストッパ膜131には、窒化膜を用いることが好ましい。この後、図20Aに示したように、エッチングストッパ膜131の開口131Mを用いて、シリコン(半導体層100S)をエピタキシャル成長させる。このエピタキシャル成長により形成したシリコン層にn型イオンインプラントまたはp型イオンインプラントを行う。これにより、パッド部120,121とともに、フローティングディフュージョンFDおよびVSSコンタクト領域118が形成される。この方法では、エピタキシャル成長によりパッド部120,121にファセット(Facet)が形成される。
シリコン(半導体層100S)のエピタキシャル成長は、図20Bに示したように、画素分離部117を掘りこんでから行うようにしてもよい。このとき、画素分離部117の掘り込みにより、フローティングディフュージョンFDおよびVSSコンタクト領域118の側面が露出され、この露出された側面からエピタキシャル成長が行われる(図20C)。この後、エピタキシャル成長により形成したシリコン層にn型イオンインプラントまたはp型イオンインプラントを行う。これにより、パッド部120,121とともに、フローティングディフュージョンFDおよびVSSコンタクト領域118が形成される。このように形成されたパッド部120,121にもファセットが形成される。あるいは、半導体層100Sの表面からエピタキシャル成長を行うとともに、画素分離部117を掘りこんで、フローティングディフュージョンFDおよびVSSコンタクト領域118の形成予定領域の側面からエピタキシャル成長を行うことも可能である。このようにしてパッド部120,121を形成するようにしてもよい。
パッド部120,121を形成した後、このパッド部120,121を覆うように、半導体層100Sの表面に、パッシベーション膜122および層間絶縁膜123をこの順に形成する。これにより、第1基板100が形成される。
続いて、図21Aに示したように、接合膜124を間にして、半導体層100Sに半導体層200Sを貼り合わせる。この後、半導体層100Sおよび半導体層200Sの表面を例えば、プラズマ照射等により活性化し、続けて水洗および乾燥を行う。半導体層100Sおよび半導体層200Sの活性化は、薬品またはイオンビームなどにより行うようにしてもよい。半導体層100Sおよび半導体層200Sの表面を乾燥させた後、必要に応じて半導体層200Sを薄くする。
次に、図21Bに示したように、半導体層200Sを分断する絶縁領域212を形成する。絶縁領域212は、半導体層200Sの選択的な領域を、例えばドライエッチング法を用いて除去した後、この半導体層200Sが除去された領域に、酸化シリコン(SiO)等の絶縁材料を埋め込むことにより形成する。絶縁領域212を形成した後、半導体層200Sの表面および絶縁領域212の表面を平坦化する。
続いて、図21Cに示したように、画素回路200Xを構成する複数のトランジシタ、パッシベーション膜221および層間絶縁膜222をこの順に形成する。これらは、例えば、以下のようにして形成する。まず、半導体層200Sの表面近傍に、増幅トランジスタAMP等の複数のトランジシタおよびVSSコンタクト領域218を形成する。ここでは、耐熱性の高いポリシリコン等を用いてパッド部120,121を形成しているので、トランジシタを形成する際に高温処理が施されても、パッド部120,121の特性が劣化しにくい。また、トランジスタのゲート絶縁膜に熱酸化膜を用いることが可能となる。複数のトランジシタおよびVSSコンタクト領域118を形成した後、複数のトランジスタを覆うように、半導体層200Sおよび絶縁領域212の表面に、パッシベーション膜221および層間絶縁膜222をこの順に形成する。例えば、このようにして、複数のトランジシタ、パッシベーション膜221および層間絶縁膜222を形成する。
次に、図21Dに示したように、層間絶縁膜222上に、所定のパターンを有するレジスト膜231を形成する。このレジスト膜231は、半導体層200Sの表面側の接続部(例えば接続部218V等)の形成予定領域および、第1基板100に達する貫通電極120E,121E,TGVの形成予定領域に開口を有している。ここでは、上述のように、接続部の孔径が貫通電極120E,121E,TGVの孔径よりも小さくなっており、例えば、接続部のアスペクト比と貫通電極120E,121Eのアスペクト比とが略同じになるように設計されている。このため、接続部のエッチングと、貫通電極120E,121E,TGVのエッチングとを同時に行うことが可能となる。以下、このエッチングについて具体的に説明する。
図21Eに示したように、レジスト膜231のパターンを用いて層間絶縁膜222およびパッシベーション膜221のドライエッチングを行うと、比較的大きな孔径を有する接続孔120H,121Hは、層間絶縁膜222、パッシベーション膜221、接合膜124、層間絶縁膜123およびパッシベーション膜122を貫通して形成される。これに対し、比較的小さな孔径を有する接続孔218Hは、層間絶縁膜222およびパッシベーション膜221を貫通したとき、エッチングがセルフストップする。したがって、接続孔120H,121Hと同時に、接続孔120H,121Hよりも浅い接続孔218Hを形成しても、オーバーエッチングの発生が抑えられる。後の工程で、接続孔120H,121Hに貫通電極120E,121Eが形成され、接続孔218Hに接続部218Vが形成される。例えば、接続部の孔径と、貫通電極120E,121E,TGVの孔径とが同じときには、接続部のエッチングと、貫通電極120E,121E,TGVのエッチングとを、互いに別の工程で行う。よって、接続部の孔径を貫通電極120E,121E,TGVの孔径よりも小さくすることにより、工程数を減らし、撮像装置1の製造工程を簡便にすることが可能となる。なお、図21Eには、転送ゲートTGに達する接続孔(貫通電極TGVが形成される接続孔)は図示していない。
このようにして、半導体層200Sの表面側の接続孔(例えば、接続孔218H)と、第1基板100に達する接続孔(例えば、接続孔120H,121H)とを形成した後、この接続孔に導電材料を埋め込む。これにより、貫通電極120E,121E,TGVおよび接続部218Vが形成される。
続いて、図21Fに示したように、半導体層200S上に、層間絶縁膜222を間にして第1配線層W1を形成する。この後、第2配線層W2、第3配線層W3、第4配線層W4およびコンタクト部201,202をこの順に形成して配線層200Tを形成する。これにより、第2基板200が形成される。
最後に、この第2基板200に、半導体層300Sおよび配線層300Tを含む第3基板を貼り合わせる。このとき、第2基板200の配線層200Tに形成したコンタクト部201,202と、第3基板300の配線層300Tに形成したコンタクト部301,302とを接合させる。これにより、第2基板200と第3基板300とが電気的に接続される。例えば、このようにして撮像装置1を製造することができる。
ここで、撮像装置1の特徴について説明する。
一般に、撮像装置は、主な構成として、フォトダイオードと画素回路とからなる。ここで、フォトダイオードの面積を大きくすると光電変換の結果発生する電荷が増加し、その結果画素信号のシグナル/ノイズ比(S/N比)が改善し、撮像装置はよりよい画像データ(画像情報)を出力することができる。一方、画素回路に含まれるトランジスタのサイズ(特に増幅トランジスタのサイズ)を大きくすると、画素回路で発生するノイズが減少し、その結果撮像信号のS/N比が改善し、撮像装置はよりよい画像データ(画像情報)を出力することができる。
しかし、フォトダイオードと画素回路とを同一の半導体基板に設けた撮像装置において、半導体基板の限られた面積の中でフォトダイオードの面積を大きくすると、画素回路に備わるトランジスタのサイズが小さくなってしまうことが考えられる。また、画素回路に備わるトランジスタのサイズを大きくすると、フォトダイオードの面積が小さくなってしまうことが考えられる。
これらの課題を解決するために、例えば、本実施の形態の撮像装置1は、複数の画素541が1つの画素回路200Xを共有し、かつ、共有した画素回路200XをフォトダイオードPDに重畳して配置する構造を用いる。これにより、半導体基板の限られた面積の中で、フォトダイオードPDの面積をできるだけ大きくすることと、画素回路200Xに備わるトランジスタのサイズをできるだけ大きくすることとを実現することができる。これにより、画素信号のS/N比を改善し、撮像装置1がよりよい画像データ(画像情報)を出力することができる。
複数の画素541が1つの画素回路200Xを共有し、これをフォトダイオードPDに重畳して配置する構造を実現する際、複数の画素541各々のフローティングディフュージョンFDから1つの画素回路200Xに接続される複数の配線が延在する。画素回路200Xを形成する半導体層200Sの面積を大きく確保するためには、例えばこれらの延在する複数の配線の間を相互に接続し、1つにまとめる接続配線を形成することができる。VSSコンタクト領域118から延在する複数の配線についても同様に、延在する複数の配線の間を相互に接続し、1つにまとめる接続配線を形成することができる。
例えば、複数の画素541各々のフローティングディフュージョンFDから延在する複数の配線の間を相互に接続する接続配線を、画素回路200Xを形成する半導体層200Sにおいて形成すると、画素回路200Xに含まれるトランジスタを形成する面積が小さくなってしまうことが考えられる。同様に、複数の画素541各々のVSSコンタクト領域118から延在する複数の配線の間を相互接続して1つにまとめる接続配線を、画素回路200Xを形成する半導体層200Sに形成すると、これにより画素回路200Xに含まれるトランジスタを形成する面積が小さくなってしまうことが考えられる。
これらの課題を解決するために、例えば本実施の形態の撮像装置1は、複数の画素541が1つの画素回路200Xを共有し、かつ、共有した画素回路200XをフォトダイオードPDに重畳して配置する構造であって、前記複数の画素541各々のフローティングディフュージョンFDの間を相互に接続して1つにまとめる接続配線と、前記複数の画素541のそれぞれに備わるVSSコンタクト領域118の間を相互に接続して1つにまとめる接続配線と、を第1基板100に設けた構造を備えることができる。
ここで、前記複数の画素541各々のフローティングディフュージョンFDの間を相互に接続して1つにまとめる接続配線と、前記複数の画素541各々のVSSコンタクト領域118の間を相互に接続して1つにまとめる接続配線とを、第1基板100に設けるための製造方法として、先に述べた第2の製造方法を用いると、例えば、第1基板100および第2基板200各々の構成に応じて適切なプロセスを用いて製造することができ、高品質、高性能な撮像装置を製造することができる。また、容易なプロセスで第1基板100および第2基板200の接続配線を形成することができる。具体的には、上記第2の製造方法を用いる場合、第1基板100と第2基板200の貼り合せ境界面となる第1基板100の表面と第2基板200の表面とに、フローティングディフュージョンFDに接続する電極とVSSコンタクト領域118に接続する電極とをそれぞれ設ける。さらに、第1基板100と第2基板200を貼り合せた際にこれら2つの基板表面に設けた電極間で位置ずれが発生してもこれら2つの基板表面に形成した電極同士が接触するように、これら2つの基板表面に形成する電極を大きくすることが好ましい。この場合、撮像装置1に備わる各画素の限られた面積の中に上記電極を配置することが難しくなってしまうことが考えられる。
第1基板100と第2基板200の貼り合せ境界面に大きな電極が必要となる課題を解決するために、例えば本実施の形態の撮像装置1は、複数の画素541が1つの画素回路200Xを共有し、かつ、共有した画素回路200XをフォトダイオードPDに重畳して配置する製造方法として、先に述べた第1の製造方法を用いることができる。これにより、第1基板100および第2基板200各々に形成される素子同士の位置合わせが容易になり、高品質、高性能な撮像装置を製造することができる。さらに、この製造方法を用いることによって生じる固有の構造を備えることができる。すなわち、第1基板100の半導体層100Sと配線層100Tと第2基板200の半導体層200Sと配線層200Tをこの順で積層した構造、言い換えれば、第1基板100と第2基板200をフェイストゥーバックで積層した構造を備え、かつ、第2基板200の半導体層200Sの表面側から、半導体層200Sと第1基板100の配線層100Tを貫通して、第1基板100の半導体層100Sの表面へと至る、貫通電極120E,121Eを備える。
前記複数の画素541各々のフローティングディフュージョンFDの間を相互に接続して1つにまとめる接続配線と、前記複数の画素541各々のVSSコンタクト領域118の間を相互に接続して1つにまとめる接続配線と、を第1基板100に設けた構造において、この構造と第2基板200とを前記第1の製造方法を用いて積層し第2基板200に画素回路200Xを形成すると、画素回路200Xに備わる能動素子を形成する際に必要となる加熱処理の影響が、第1基板100に形成した上記接続配線に及んでしまう可能性がある。
そこで、上記接続配線に対して、上記能動素子を形成する際の加熱処理の影響が及んでしまう課題を解決するために、本実施の形態の撮像装置1は、前記複数の画素541各々のフローティングディフュージョンFD同士を相互に接続して1つにまとめる接続配線と、前記複数の画素541各々のVSSコンタクト領域118の間を相互に接続して1つにまとめる接続配線と、に耐熱性の高い導電材料を用いることが望ましい。具体的には、耐熱性の高い導電材料は、第2基板200の配線層200Tに含まれる配線材の少なくとも一部よりも、融点の高い材料を用いることができる。
このように、例えば本実施の形態の撮像装置1は、(1)第1基板100と第2基板200をフェイストゥーバックで積層した構造(具体的には、第1基板100の半導体層100Sと配線層100Tと第2基板200の半導体層200Sと配線層200Tをこの順で積層する構造)と、(2)第2基板200の半導体層200Sの表面側から、半導体層200Sと第1基板100の配線層100Tを貫通して、第1基板100の半導体層100Sの表面へと至る、貫通電極120E,121Eを設けた構造と、(3)複数の画素541のそれぞれに備わるフローティングディフュージョンFDの間を相互に接続して1つにまとめる接続配線と、複数の画素541のそれぞれに備わるVSSコンタクト領域118の間を相互に接続して1つにまとめる接続配線と、を耐熱性の高い導電材料で形成した構造と、を備えることで、第1基板100と第2基板200との界面に大きな電極を備えることなく、第1基板100に、複数の画素541のそれぞれに備わるフローティングディフュージョンFDの間を相互に接続して1つにまとめる接続配線と、複数の画素541のそれぞれに備わるVSSコンタクト領域118の間を相互に接続して1つにまとめる接続配線と、を設けることを可能としている。
[撮像装置1の動作]
次に、図22および図23を用いて撮像装置1の動作について説明する。図22および図23は、図3に各信号の経路を表す矢印を追記したものである。図22は、外部から撮像装置1に入力される入力信号と、電源電位および基準電位の経路を矢印で表したものである。図23は、撮像装置1から外部に出力される画素信号の信号経路を矢印で表している。例えば、入力部510Aを介して撮像装置1に入力された入力信号(例えば、画素クロックおよび同期信号)は、第3基板300の行駆動部520へ伝送され、行駆動部520で行駆動信号が作り出される。この行駆動信号は、コンタクト部301,201を介して第2基板200に送られる。更に、この行駆動信号は、配線層200T内の行駆動信号線542を介して、画素アレイ部540の画素共有ユニット539各々に到達する。第2基板200の画素共有ユニット539に到達した行駆動信号のうち、転送ゲートTG以外の駆動信号は画素回路200Xに入力されて、画素回路200Xに含まれる各トランジスタが駆動される。転送ゲートTGの駆動信号は貫通電極TGVを介して第1基板100の転送ゲートTG1,TG2,TG3,TG4に入力され、画素541A,541B,541C,541Dが駆動される(図22)。また、撮像装置1の外部から、第3基板300の入力部510A(入力端子511)に供給された電源電位および基準電位は、コンタクト部301,201を介して第2基板200に送られ、配線層200T内の配線を介して、画素共有ユニット539各々の画素回路200Xに供給される。基準電位は、さらに貫通電極121Eを介して、第1基板100の画素541A,541B,541C,541Dへも供給される。一方、第1基板100の画素541A,541B,541C,541Dで光電変換された画素信号は、貫通電極120Eを介して画素共有ユニット539毎に第2基板200の画素回路200Xに送られる。この画素信号に基づく画素信号は、画素回路200Xから垂直信号線543およびコンタクト部202,302を介して第3基板300に送られる。この画素信号は、第3基板300の列信号処理部550および画像信号処理部560で処理された後、出力部510Bを介して外部に出力される(図23)。
[効果]
本実施の形態では、画素541A,541B,541C,541D(画素共有ユニット539)と画素回路200Xとが互いに異なる基板(第1基板100および第2基板200)に設けられている。これにより、画素541A,541B,541C,541Dおよび画素回路200Xを同一基板に形成した場合と比べて、画素541A,541B,541C,541Dおよび画素回路200Xの面積を拡大することができる。その結果、光電変換により得られる画素信号の量を増大させ、かつ、画素回路200Xのトランジスタノイズを低減することが可能となる。これらにより、画素信号のシグナル/ノイズ比を改善して、撮像装置1は、よりよい画素データ(画像情報)を出力することが可能となる。また、撮像装置1の微細化(言い換えれば、画素サイズの縮小および撮像装置1の小型化)が可能となる。撮像装置1は、画素サイズの縮小により、単位面積当たりの画素数を増加させることができ、高画質の画像を出力することができる。
また、撮像装置1では、第1基板100および第2基板200が、絶縁領域212に設けられた貫通電極120E,121Eによって互いに電気的に接続されている。例えば、第1基板100と第2基板200とをパッド電極同士の接合により接続する方法や、半導体層を貫通する貫通配線(例えばTSV(Thorough Si Via))により接続する方法も考
え得る。このような方法に比べて、絶縁領域212に貫通電極120E,121Eを設けることにより、第1基板100および第2基板200の接続に要する面積を小さくすることができる。これにより、画素サイズを縮小し、撮像装置1をより小型化することができる。また、1画素あたりの面積の更なる微細化により、解像度をより高くすることができる。チップサイズの小型化が不要なときには、画素541A,541B,541C,541Dおよび画素回路200Xの形成領域を拡大することができる。その結果、光電変換により得られる画素信号の量を増大させ、かつ、画素回路200Xに備わるトランジスタのノイズを低減することが可能となる。これにより、画素信号のシグナル/ノイズ比を改善して、撮像装置1はよりよい画素データ(画像情報)を出力することが可能となる。
また、撮像装置1では、画素回路200Xと列信号処理部550および画像信号処理部560とが互いに異なる基板(第2基板200および第3基板300)に設けられている。これにより、画素回路200Xと列信号処理部550および画像信号処理部560とを同一基板に形成した場合と比べて、画素回路200Xの面積と、列信号処理部550および画像信号処理部560の面積とを拡大することができる。これにより、列信号処理部550で生じるノイズを低減したり、画像信号処理部560により高度な画像処理回路を搭載することが可能となる。よって、画素信号のシグナル/ノイズ比を改善して、撮像装置1はよりよい画素データ(画像情報)を出力することが可能となる。
また、撮像装置1では、画素アレイ部540が、第1基板100および第2基板200に設けられ、かつ、列信号処理部550および画像信号処理部560が第3基板300に設けられている。また、第2基板200と第3基板300とを接続するコンタクト部201,202,301,302は、画素アレイ部540の上方に形成されている。このため、コンタクト部201,202,301,302は、画素アレイに備わる各種配線からレイアウト上の干渉を受けずに自由にレイアウトにすることが可能となる。これにより、第2基板200と第3基板300との電気的な接続に、コンタクト部201,202,301,302を用いることが可能となる。コンタクト部201,202,301,302を用いることにより、例えば、列信号処理部550および画像信号処理部560はレイアウトの自由度が高くなる。これにより、列信号処理部550で生じるノイズを低減したり、画像信号処理部560により高度な画像処理回路を搭載することが可能となる。したがって、画素信号のシグナル/ノイズ比を改善して、撮像装置1はよりよい画素データ(画像情報)を出力することが可能となる。
また、撮像装置1では、画素分離部117が半導体層100Sを貫通している。これにより、1画素あたりの面積の微細化によって隣り合う画素(画素541A,541B,541C,541D)の距離が近づいた場合であっても、画素541A,541B,541C,541Dの間での混色を抑制できる。これにより、画素信号のシグナル/ノイズ比を改善して、撮像装置1はよりよい画素データ(画像情報)を出力することが可能となる。
また、撮像装置1では、画素共有ユニット539毎に画素回路200Xが設けられている。これにより、画素541A,541B,541C,541D各々に画素回路200Xを設けた場合に比べて、画素回路200Xを構成するトランジスタ(増幅トランジスタAMP,リセットトランジスタRST,選択トランジスタSEL,FD変換ゲイン切替トランジスタFDG)の形成領域を大きくすることが可能となる。例えば、増幅トランジスタAMPの形成領域を大きくすることにより、ノイズを抑えることが可能となる。これにより、画素信号のシグナル/ノイズ比を改善して、撮像装置1はよりよい画素データ(画像情報)を出力することが可能となる。
更に、撮像装置1では、4つの画素(画素541A,541B,541C,541D)のフローティングディフュージョンFD(フローティングディフュージョンFD1,FD2,FD3,FD4)を電気的に接続するパッド部120が、第1基板100に設けられている。これにより、このようなパッド部120を第2基板200に設ける場合に比べて、第1基板100と第2基板200とを接続する貫通電極(貫通電極120E)の数を減らすことができる。したがって、絶縁領域212を小さくし、画素回路200Xを構成するトランジスタの形成領域(半導体層200S)を十分な大きさで確保することができる。これにより、画素回路200Xに含まれるトランジスタのノイズを低減することが可能となり、画素信号のシグナル/ノイズ比を改善して、撮像装置1はよりよい画素データ(画像情報)を出力することが可能となる。更に、貫通電極の数が少なくなるので、レイアウトの自由度を向上させることができる。これにより、例えば、寄生容量を低減することも可能となる。
更に、撮像装置1では、画素回路200Xに含まれる増幅トランジスタAMP等のトランジスタが、三次元構造を有するトランジスタにより構成されている。これにより、平面型のトランジスタを用いる場合に比べて、フットプリントを維持しつつ実効のゲート幅を大きくすることができる。よって、画素の微細化を妨げることなく、トランジスタ性能(動作速度およびRN等)を向上させることができる。また、ゲート面積が大きくなるので、RTSノイズを低減することも可能となる。よって、より効果的に画像へのノイズの影響を抑えることができる。
また、撮像装置1では、第2基板200の配線層200T内に設けられた接続部(例えば、接続部218V)の孔径と、第2基板200から第1基板100に達する貫通電極120E,121E,TGVの孔径とが異なっている。これにより、レイアウトの自由度を向上させることが可能となる。
また、本実施の形態では、第2基板200に関して、画素回路200Xを構成することのできる増幅トランジスタAMP、リセットトランジスタRST、選択トランジスタSELは、1つの半導体層200Sに形成される例を示したが、少なくとも1つのトランジスタを半導体層200S-1に形成し、残りのトランジスタを半導体層100Sおよび半導体層200S-1とは異なる、半導体層200S-2に形成してもよい。半導体層200S-2は、図示しないが、例えば、半導体層200S-1(半導体層200Sに相当)上に、絶縁層、接続部および接続配線を形成し、さらに半導体層200S-2を積層する。この新たな半導体層200S-2は、層間絶縁膜123の半導体層100Sに積層される面と反対側の面に積層され、所望のトランジスタを形成することができる。一例として、半導体層200S-1に増幅トランジスタAMPを形成し、リセットトランジスタRST及び/又は選択トランジスタSELを半導体層200S-2に形成することができる。
また、新たな半導体層を複数設け、それぞれに所望の画素回路200Xのトランジスタを設けても良い。一例として、半導体層200S-1に増幅トランジスタAMPを形成することができる。さらに、半導体層200Sに絶縁層、接続部および接続配線を積層し、さらに半導体層200S-2を積層すると、半導体層200S-2にリセットトランジスタRSTを形成することができる。半導体層200S-2に絶縁層、接続部および接続配線を積層し、さらに半導体層200S-3を積層すると、半導体層200S-3に選択トランジスタSELを形成することができる。半導体層200S-1,200S-2,200S-3に形成するトランジスタは、画素回路200Xを構成するいずれのトランジスタでもよい。
このように、第2基板200に複数の半導体層を設ける構成により、1つの画素回路200Xが占める半導体層200Sの面積を小さくすることができる。各画素回路200Xの面積を小さくしたり、各トランジスタを微細化することができれば、チップの面積を小さくすることも可能になる。また、画素回路200Xを構成することのできる増幅トランジスタ、リセットトランジスタ、選択トランジスタのうち、所望のトランジスタの面積を拡大することができる。特に、増幅トランジスタの面積を拡大することで、ノイズ低減効果も期待できる。
なお、上述したように、画素回路200Xを複数の半導体層(例えば、半導体層200S-1,200S-2,200S-3)に分けて形成する場合においては、例えば、後述する変形例13に対応する図53に示したように、増幅トランジスタAMPのゲート電極23を有する基板(下側基板1210)において、ゲート電極1231が配線L1002(貫通電極120Eに相当)に接するように設けられていてもよい。更に、図139に示したように、配線L1002(貫通電極120Eに相当)は、それぞれの半導体層(例えば、下側基板1210および上側基板1220)に設けられた素子分離領域213A,213Bを貫通するように設けられている。
以下、上記実施の形態に係る撮像装置1の変形例について説明する。以下の変形例では、上記実施の形態と共通の構成に同一の符号を付して説明する。
<2.変形例1>
本変形例では、フローティングディフュージョンFDが、リン(P)よりも拡散速度の遅いn型不純物、例えば、ヒ素(As)を含んでいる。これにより、不純物の過剰な拡散に起因したフォトダイオードPDの蓄積電荷量の減少を抑えることが可能となる。以下、この理由について説明する。
図24(A)(B)および図25(A)(B)は、パッド部120および半導体層100S(具体的にはフローティングディフュージョンFD)の熱処理工程(アニール)の影響を模式的に表している。図24(A)および図25(A)は、アニール前のn型不純物の状態を表し、図24(B)および図25(B)は、アニール後のn型不純物の状態を表している。
フローティングディフュージョンFDにヒ素を拡散させると、ヒ素はリンよりも拡散速度が遅いので、熱処理工程を経ても、過剰な拡散が生じにくい(図24(A)(B))。また、パッド部120に拡散されたリンは、半導体層100Sまで所定の拡散距離を経るため、半導体層100Sにリンが拡散されている場合に比べて、実効の拡散距離が長くなり、フォトダイオードPDに影響を及ぼしにくい。したがって、少なくともフローティングディフュージョンFDがヒ素を含むことにより、n型不純物の過剰な拡散に起因したフォトダイオードPDの形成領域の減少が生じにくくなる。よって、フォトダイオードPDの蓄積電荷量の減少を抑えることが可能となる。
図25(A)(B)に示したように、熱処理工程により、パッド部120からヒ素を拡散させて、フローティングディフュージョンFDを形成するようにしてもよい。即ち、パッド部120およびフローティングディフュージョンFDがヒ素を含んでいてもよい。このとき、フローティングディフュージョンFDの不純物(ヒ素)濃度は、パッド部120の不純物濃度に比べて低くなっている。熱処理工程により、パッド部120からリンを拡散させてフローティングディフュージョンFDを形成するようにしてもよい。
パッド部121およびVSSコンタクト領域118が、p型不純物を含むとき、パッド部121およびVSSコンタクト領域118は、例えば、ホウ素(B)を含んでいる。このとき、例えば、熱処理工程により、パッド部121からホウ素を拡散させて、VSSコンタクト領域118を形成する。これにより、p型不純物の過剰な拡散に起因したフォトダイオードPDの形成領域の減少が生じにくくなる。よって、フォトダイオードPDの蓄積電荷量の減少を抑えることが可能となる。
このように、フローティングディフュージョンFDまたはVSSコンタクト領域118が、リンよりも拡散速度の遅い不純物を含む撮像装置1も、上記実施の形態で説明したのと同様の効果が得られる。また、フォトダイオードPDの蓄積電荷量の減少を抑えることが可能となる。
<3.変形例2>
図26Aおよび図26Bは、上記実施の形態に係る撮像装置1の要部の断面構成の一変形例を表したものである。図26Aは貫通電極120E,121E近傍の断面構成を模式的に表しており、上記実施の形態で説明した図8Aに対応する。図26Bは、貫通電極TGV近傍の断面構成を模式的に表している。
本変形例では、貫通電極120Eが、半導体層100S側から第1部分120EAおよび第2部分120EBを含んでいる。貫通電極121Eが、半導体層100S側から第1部分121EAおよび第2部分121EBを含んでいる。貫通電極TGVが、半導体層100S側から第1部分TGVAおよび第2部分TGVBを含んでいる。この点において、本変形例の撮像装置1は、上記実施の形態で説明した撮像装置1と異なっている。
貫通電極120Eの第1部分120EAは、パッド部120と第2部分120EBとを接続している(図26A)。第1部分120EAは、例えば、第1基板100の配線層100Tに設けられており、その上端面は、接合膜124と略同一平面上に設けられている。
第1部分120EAの下端面はパッド部120に接している。
貫通電極121Eの第1部分121EAは、パッド部121と第2部分121EBとを接続している。第1部分121EAは、例えば、第1基板100の配線層100Tに設けられており、その上端面は、接合膜124と略同一平面上に設けられている。第1部分121EAの下端面はパッド部121に接している。
貫通電極TGVの第1部分TGVAは、転送ゲートTGと第2部分TGVBとを接続している(図26B)。第1部分TGVAは、例えば、第1基板100の配線層100Tに設けられており、その上端面は、接合膜124と略同一平面上に設けられている。第1部分TGVAの下端面は転送ゲートTG(より具体的には、水平部分TGb)に接している。
第1部分120EA,121EA,TGVAは、例えば、ポリシリコンにより構成されている。第1部分120EA,TGVAは、例えば、n型不純物がドーピングされたポリシリコン、第1部分121EAは、例えば、p型不純物がドーピングされたポリシリコンにより各々構成されている。例えば、上記図15Aで説明したように、撮像装置1にパッド部120,121が設けられていないとき、第1部分120EA,121EAの下端面は、半導体層100Sの表面に接していてもよい。
貫通電極120Eの第2部分120EBは、第1部分120EAと第1配線層W1とを接続している(図26A)。第2部分120EBは、例えば、第2基板200の絶縁領域212および配線層200Tに設けられている。第2部分120EBの下端面は、例えば、絶縁領域212の下端面と略同一平面上に設けられ、第1部分120EAに接合されている。第2部分120EBの上端面は第1配線層W1に接している。
貫通電極121Eの第2部分121EBは、第1部分121EAと第1配線層W1とを接続している。第2部分121EBは、例えば、第2基板200の絶縁領域212および配線層200Tに設けられている。第2部分121EBの下端面は、絶縁領域212の下端面と略同一平面上に設けられており、第1部分121EAに接合されている。第2部分121EBの上端面は第1配線層W1に接している。
貫通電極TGVの第2部分TGVBは、第1部分TGVAと第1配線層W1とを接続している(図26B)。第2部分TGVBは、例えば、第2基板200の絶縁領域212および配線層200Tに設けられている。第2部分TGVBの下端面は、絶縁領域212の下端面と略同一平面上に設けられ、第1部分TGVAに接合されている。第2部分TGVBの上端面は第1配線層W1に接している。
第2部分120EB,121EB,TGVBは、第1部分120EA,121EA,TGVAの構成材料と異なる材料により構成されていてもよい。第2部分120EB,121EB,TGVBは、例えば、タングステン(W)等の導電性の金属材料により構成されている。
第1部分120EA,121EA,TGVAおよび第2部分120EB,121EB,TGVBを含む貫通電極120E,121E,TGVは、例えば、以下のようにして形成する(図27A~図27D)。ここでは、貫通電極TGVの図示および説明は省略するが、貫通電極120E,121Eと同様に形成することができる。
まず、上記実施の形態で説明したのと同様に、第1基板100を形成する。次いで、図27Aに示したように、この第1基板100の層間絶縁膜123およびパッシベーション膜122を貫通してパッド部120,121に達する第1部分120EA,121EAを形成する。このとき、例えば、まず、パッド部120,121に達する接続孔を形成した後、この接続孔にノンドープのポリシリコンを埋め込む。次いで、第1部分120EAには、n型不純物のイオン注入、第1部分121EAには、p型不純物のイオン注入を各々行う。ここでは、第1部分120EA,121EAを第1基板100に形成しているので、第1基板100に半導体層200Sを貼り合わせる前にイオン注入を行うことができる。したがって、第1部分120EA,121EAの一部が第2基板200に形成される場合(後述の図31参照)に比べて、第1部分120EA,121EAにイオン注入を行いやすくなる。
第1部分120EA,121EAを形成する際に、これと同時にアライメントマークを形成しておくようにしてもよい。これにより、半導体層100Sにアラインメントマークを形成する場合に比べて、第2基板200により近い位置にアラインメントマークを形成することができる。よって、第2基板200を形成する際のリソグラフィ工程で、位置合わせ精度を向上させることが可能となる。
第1部分120EA,121EAを形成した後、図27Bに示したように、接合膜124を間にして、第1基板100に半導体層200Sを貼り合わせる。ここでは、第1部分120EA,121EAを、ポリシリコンにより形成しているので、第2基板200を形成する際に、金属のコンタミネーションが生じにくい。
第1基板100に半導体層200Sを貼り合わせた後、図27Cに示したように、絶縁領域212、素子分離領域213、増幅トランジスタAMP等のトランジスタ、パッシベーション膜221および層間絶縁膜222を形成する。この後、図27Dに示したように、第1部分120EA,121EAに接合させて第2部分120EB,121EBを形成する。これにより、貫通電極120E,121Eが形成される。第1部分120EA,121EAと第2部分120EB,121EBとの接合部には、例えば、第1部分120EA,121EAおよび第2部分120EB,121EBを互いに異なるタイミングで形成したことに起因する位置ずれ、または太さのずれが生じている。第1部分120EA,121EAと第2部分120EB,121EBとの接合部にはバリア膜が形成されていてもよい。バリア膜は、例えば、チタン(Ti)、タンタル(Ta)または窒化チタン(TiN)により構成されている。VSSコンタクト領域218に達する接続部218Vは、例えば、第2部分120EB,121EBの形成工程とは、別のリソグラフィ工程により形成する。
このように、貫通電極120E,121E,TGVが第1部分120EA,121EA,TGVAおよび第2部分120EB,121EB,TGVBを含むことにより、貫通電極120E,121E,TGVの孔径を小さくすることが可能となる。以下、この理由について説明する。
例えば、製造工程では、貫通電極および接続部のアスペクト比(高さ/孔径、図17参照)を10以下にすることが望ましい。プロセスのマージンを確保するためである。第2基板200と第1基板100とを接続する貫通電極120E,121E,TGVは、例えば、第2基板200の素子同士を接続する接続部(接続部218V等)に比べて、その高さが大きくなっている。このため、上記のアスペクト比を実現するためには、貫通電極120E,121E,TGVの孔径を大きく設計することになる。例えば、貫通電極120E,121E,TGVの高さが2μmであるとき、これらの孔径は0.2μm以上に設計される。しかし、貫通電極120E,121E,TGVの孔径が大きくなると、絶縁領域212も大きくなる。即ち、半導体層200Sが小さくなるおそれがある。
ここでは、貫通電極120E,121E,TGVが第1部分120EA,121EA,TGVAと、第2部分120EB,121EB,TGVBとを有している。このため、第1部分120EA,121EA,TGVAおよび第2部分120EB,121EB,TGVB各々の高さは、貫通電極120E,121E,TGVの高さよりも小さくなる。したがって、第1部分120EA,121EA,TGVAおよび第2部分120EB,121EB,TGVBの孔径を小さくすることができる。よって、上記アスペクト比を実現しつつ、貫通電極120E,121E,TGVの孔径を小さくすることができる。例えば、第1部分120EA,121EA,TGVの高さが0.6μm、第2部分120EB,121EB,TGVBの高さが1.4μmであるとき、第1部分120EA,121EA,TGVの孔径を60nm、第2部分120EB,121EB,TGVBの孔径を140nmにすることができる。これにより、絶縁領域212を小さくすることが可能となる。即ち、半導体層200Sを大きくし、画素回路200Xを構成するトランジスタを大きく形成することができる。これにより、画素信号のシグナル/ノイズ比を改善して、撮像装置1はよりよい画素データ(画像情報)を出力することが可能となる。
図28~図31は、図26Aに示した貫通電極120E,121Eの断面構成の他の例を表している。ここでは、貫通電極TGVの図示および説明は省略するが、貫通電極120E,121Eと同様の構成をなし得る。
第1部分120EA,121EAは、拡大部APを含んでいてもよい(図28)。拡大部APは、他の第1部分120EA,121EAの占有面積(第1部分120EA,121EAの太さ、基板面方向の占有面積)よりも大きな占有面積を有する部分であり、第1部分120EA,121EAの上端に設けられている。即ち、拡大部APに第2部分120EB,121EBが接合されている。第1部分120EA,121EAに、このような拡大部APを設けることにより、第1部分120EA,121EAと、第2部分120EB,121EBとの間に合わせずれが生じた場合にも、これらの間の接触面積が確保され、電気抵抗の上昇を抑えることができる。
また、拡大部AP以外の第1部分120EA,121EAの位置(基板面方向の位置)と、第2部分120EB,121EBの位置とが互いに異なっていてもよい(図29)。これにより、レイアウトの自由度を向上させることができる。
また、拡大部AP以外の第1部分120EA,121EAが分岐されていてもよい(図30)。例えば拡大部APから第1部分120EA,121EAは4つに分岐されている。4つに分岐された第1部分120EAは各々、半導体層100Sに接しており、フローティングディフュージョンFDに接続されている。即ち、拡大部APにより、画素共有ユニット539のフローティングディフュージョンFDを電気的に接続することができる。4つに分岐された第1部分121EAは各々、半導体層100Sに接しており、VSSコンタクト領域118に接続されている。即ち、拡大部APにより、4つの画素541各々のVSSコンタクト領域118を電気的に接続することができる。このように、拡大部APから第1部分120EA,121EAを分岐させることにより、パッド部120,121が不要となる。したがって、パッド部120,121の形成工程をなくし、プロセスコストを抑えることが可能となる。
第1部分120EA,121EAの一部は、第2基板200に設けられていてもよい(図31)。例えば、第1部分120EA,121EAは、パッシベーション膜122、層間絶縁膜123、接合膜124および絶縁領域212を貫通して設けられている。第1部分120EA,121EAの上端面は、例えば、第2基板200のパッシベーション膜221と略同一平面に設けられている。このような第1部分120EA,121EAを有する貫通電極120E,121Eでは、第1部分120EA,121EAに接合される第2部分120EB,121EBの高さが、接続部218V等の接合部の高さと略同じになるため、第2部分120EB,121EBと接合部とを同一のリソグラフィ工程で形成することが可能となる。このような貫通電極120E,121Eは、例えば、以下のようにして形成する(図32~図33B)。
まず、上記実施の形態で説明したのと同様に、第1基板100に半導体層200Sを貼り合わせ、絶縁領域212および素子分離領域213を形成する(図21B)。次いで、図32に示したように、絶縁領域212、接合膜124、層間絶縁膜123およびパッシベーション膜122を貫通してパッド部120,121に達する第1部分120EA,121EAを形成する。続いて、増幅トランジスタAMP等のトランジスタ、パッシベーション膜221および層間絶縁膜222を形成する(図27C参照)。この後、第1部分120EA,121EAに接合させて第2部分120EB,121EBを形成する。このとき、第2部分120EB,121EBと同一のリソグラフィ工程で、接続部218V等の接合部を形成することが可能となる。
あるいは、図33A,図33Bに示したように、増幅トランジスタAMP等のトランジスタおよびパッシベーション膜221を形成した後、パッシベーション膜221、絶縁領域212、接合膜124、層間絶縁膜123およびパッシベーション膜122を貫通してパッド部120,121に達する第1部分120EA,121EAを形成するようにしてもよい。
このような貫通電極120E,121E,TGVを有する撮像装置1も、上記実施の形態で説明したのと同様の効果が得られる。更に、貫通電極120E,121E,TGVの孔径を小さくできるので、絶縁領域212を小さくすることができる。これにより、半導体層200Sを大きくし、画素回路200Xを構成するトランジスタを大きく形成することが可能となる。したがって、画素信号のシグナル/ノイズ比を改善して、撮像装置1はよりよい画素データ(画像情報)を出力することが可能となる。
<4.変形例3>
図34は、上記実施の形態に係る撮像装置1の要部の断面構成の一変形例を表したものである。図34は、第1基板100と第2基板200(半導体層200S)との間の接合面近傍の構成を模式的に表したものであり、上記実施の形態で説明した図8Aに対応する。本変形例では、接合膜124が第1基板100と第2基板200との間の選択的な領域に設けられている。この点において、本変形例の撮像装置1は、上記実施の形態で説明した撮像装置1と異なっている。
接合膜124は、第1基板100と第2基板200、より具体的には、配線層100Tと半導体層200Sとの接合面を構成している。この接合膜124が、配線層100Tと半導体層200Sとの間の選択的な領域に設けられている。換言すれば、配線層100Tと半導体層200Sとの間の接合面には、接合膜124が設けられた領域と、接合膜124の間隙124Rとが存在している。
例えば、接合膜124は、半導体層200Sに対向する部分に設けられ、接合膜124の間隙124Rは、絶縁領域212に対向する部分に設けられている。換言すれば、絶縁領域212は、接合膜124の間隙124Rに選択的に配置されている。貫通電極120E,121Eは、絶縁領域212および接合膜124の間隙124Rを貫通してパッド部120,121に接続されている。即ち、接合膜124は、貫通電極120E,121Eを除けて設けられており、貫通電極120E,121Eは接合膜124を貫通しないように構成されている。ここでは、貫通電極TGVの図示および説明を省略するが、貫通電極120E,121Eと同様に、貫通電極TGVも、絶縁領域212および接合膜124の間隙124Rを貫通して転送ゲートTGに接続されている。
このような接合膜124の間隙124Rは、例えば、以下のようにして形成する。まず、上記実施の形態で説明したのと同様に、第1基板100を形成した後、接合膜124を介して第1基板100に半導体層200Sを貼り合わせる(図21A)。
次いで、図35に示したように、絶縁領域212の形成予定領域の半導体層200Sを、ドライエッチング法を用いて除去する。このとき、オーバーエッチングにより、絶縁領域212の形成予定領域の接合膜124を除去する。これにより、接合膜124の間隙124Rが形成され、配線層100T(第1基板100)と半導体層200S(第2基板200)との接合面が一部除去される。接合膜124の間隙124Rを形成した後、絶縁領域212を形成する。以降の工程は、上記実施の形態で説明したのと同様にして、撮像装置1を完成させることができる。
このような接合膜124の間隙124Rを貫通電極120E,121E,TGVが貫通することにより、貫通電極120E,121E,TGVの接合膜124を介したリークの発生を抑えることが可能となる。以下、この理由について説明する。
第1基板100と第2基板200との接合面には、粗な酸化膜が形成される。このため、貫通電極120E、貫通電極121Eおよび貫通電極TGVの間に接合膜124が存在していると、接合膜124の耐圧性の低下に起因してリーク電流が発生するおそれがある。
特に、接合膜124が窒化シリコン(SiN)等の窒化膜により構成されているときには、リーク電流が発生しやすい。また、貫通電極120E,121E,TGVを形成する際のエッチングに、フロロカーボン系のプラズマエッチングを用いると、窒化膜上にフロロカーボン膜が厚く体積される。プロセスばらつきに起因して、このフロロカーボン膜が適切に除去できずにエッチングが進行すると、接合膜124近傍で開口不良が生じるおそれがある。即ち、接合膜124が窒化膜により構成されているときには、フロロカーボン系のプラズマエッチングに起因して歩留まりが低下するおそれがある。
これに対し、本変形例では、接合膜124の間隙124Rを、貫通電極120E,121E,TGVが貫通しているので、貫通電極120E,121E,TGVの近傍に接合面が存在しない。これにより、粗な接合面に起因した貫通電極120E、貫通電極121Eおよび貫通電極TGVの間のリーク電流の発生を抑えることが可能となる。
また、接合膜124を窒化シリコン(SiN)等の窒化膜により構成するようにしても、プロセスばらつきに起因した開口不良の発生が抑えられるので、歩留まりの低下を抑えることができる。更に、接合膜124に窒化膜を用いることにより、接合膜124に酸化膜を用いた場合に比べて第1基板100と第2基板200との間の接合強度を向上させることができる。また、第2基板200以降の製造工程で、第1基板100へのコンタミネーションの発生を効果的に抑えることができる。加えて、接合膜124に窒化膜を用いることにより、パッシベーション効果が得られ、第1基板100に設けられた転送トランジシタTRのトランジシタ特性を向上させることができる。
図36は、図34に示した第1基板100と第2基板200との間の接合面近傍の断面構成の他の例を表している。このように、第2基板200に設けられた複数のトランジシタ(増幅トランジスタAMP等)を覆うパッシベーション膜221が選択的な領域に設けられ、パッシベーション膜221に間隙221Rが設けられていてもよい。パッシベーション膜221は、間隙221Rに代えて開口を有していてもよい。パッシベーション膜221の間隙221Rまたは開口は、例えば、接合膜124の間隙124Rに対向する位置に設けられている。貫通電極120E,121Eは、パッシベーション膜221の間隙221R(または開口)、絶縁領域212および接合膜124の間隙124Rを介してパッド部120,121に接続されている。このように、パッシベーション膜221に、間隙221Rまたは開口を設けることにより、パッシベーション膜221を介した貫通電極120E、貫通電極121Eおよび貫通電極TGVの間のリーク電流の発生を抑えることができる。特に、パッシベーション膜221が窒化シリコン(SiN)等の窒化膜により構成されているときには、効果的にこのリーク電流を抑えることができる。
このような接合膜124またはパッシベーション膜221を有する撮像装置1も、上記実施の形態で説明したのと同様の効果が得られる。更に、貫通電極120E,121E,TGVが接合膜124またはパッシベーション膜221を貫通することに起因したリーク電流の発生を抑えることが可能となる。よって、信頼性を向上させることができる。
<5.変形例4>
図37は、上記実施の形態に係る撮像装置1の要部の断面構成の一変形例を表したものである。図37は、第1基板100と第2基板200(半導体層200S)との間の接合面近傍の構成を模式的に表したものであり、上記実施の形態で説明した図8Aに対応する。本変形例では、接合膜124Sが酸化シリコン(SiO)等の酸化膜により構成されている。この点において、本変形例の撮像装置1は、上記実施の形態で説明した撮像装置1と異なっている。
接合膜124Sは、上記実施の形態で説明した接合膜124と同様に、第1基板100と第2基板200、より具体的には、配線層100Tと半導体層200Sとの間の接合面を構成している。この接合膜124Sに酸化膜を用いることにより、貫通電極120E,121E,TGVが、窒化膜を貫通することに起因したリーク電流の発生を抑えることができる。また、上記変形例3で説明したのと同様に、プロセスばらつきに起因した開口不良の発生が抑えられるので、歩留まりの低下を抑えることができる。
このような接合膜124Sを有する撮像装置1も、上記実施の形態で説明したのと同様の効果が得られる。更に、貫通電極120E,121E,TGVが窒化膜を貫通することに起因したリーク電流の発生を抑えることが可能となる。よって、信頼性を向上させることができる。また、開口不良の発生を抑え、歩留まりを向上させることが可能となる。
<6.変形例5>
図38は、上記実施の形態に係る撮像装置1の要部の断面構成の一変形例を表したものである。図38は、第1基板100および第2基板200(半導体層200S)の要部を模式的に表している。本変形例では、撮像装置1が有するトランジスタを保護するための保護素子PEが設けられている。この点において、本変形例の撮像装置1は、上記実施の形態で説明した撮像装置1と異なっている。
保護素子PEは、例えば、半導体層200Sに設けられたトランジスタ(トランジスタTr1)を保護するために設けられている。トランジスタTr1は、例えば、増幅トランジスタAMP、リセットトランジスタRST、FD転送トランジシタFDGまたは選択トランジスタSELである。このトランジシタTr1は、例えば、半導体層200Sの表面に設けられたゲート電極208と、半導体層200Sのウェル領域211に設けられたn型半導体領域209,210とを有している。ゲート電極208と半導体層200Sとの間にはゲート絶縁膜(図示せず)が設けられている。n型半導体領域209,210が、トランジシタTr1のソース・ドレインとして機能する。n型半導体領域209,210の一方(図38ではn型半導体領域209)は、例えば、配線層200Tに設けられた接続配線WLにより、p型半導体領域207(例えば、図6のVSSコンタクト領域218)に電気的に接続されている。接続配線WLは、例えば、第1配線層W1に設けられている。
保護素子PEは、例えば、半導体層200Sに設けられている。保護素子PEとトランジシタTr1との間には素子分離領域213が設けられている。保護素子PEは、ウェル領域211とウェル領域211に設けられたn型半導体領域214とを含んでいる。即ち、保護素子PEは、pn接合を有するダイオードにより構成されている。例えば、トランジシタTr1のn型半導体領域209,210の他方(図38ではn型半導体領域210)と保護素子PEのn型半導体領域210との間に素子分離領域213が設けられている。この保護素子PEは、トランジシタTr1とウェル領域211を共有して設けられている。ここでは、半導体層200Sが、本開示の「第3半導体層」の一具体例に対応し、ウェル領域211が、本開示の「第2半導体層の第2領域」および「第3半導体層の第3領域」の一具体例に対応する。即ち、ここでは、第2半導体層および第3半導体層が一体化されている。
保護素子PEのn型半導体領域210と、トランジシタTr1のゲート電極208とは、例えば、配線層200Tに設けられたアンテナ配線WHを介して電気的に接続されている。アンテナ配線WHは、例えば、トランジシタTr1のゲート電極208に信号を入力するためのものである。第1基板100および第2基板200の積層方向において、アンテナ配線WHは、接続配線WLよりも半導体層200Sから離れた位置(より第3基板300側の位置)に設けられている。換言すれば、第1基板100および第2基板200の積層方向において、接続配線WLは、アンテナ配線WHよりも半導体層200Sに近い位置に設けられている。アンテナ配線WHは、半導体層200Sを間にして半導体層100Sに対向している。アンテナ配線WHは、例えば、配線層200Tに設けられた配線であり、例えば、第2配線層W2、第3配線層W3または第4配線層W4に設けられている。
図39は、トランジシタTr1と保護素子PEとの関係の一例を表す回路図である。保護素子PEは、例えば、トランジシタTr1のゲートとソースとの間に設けられている。
このような保護素子PEを設けることにより、例えば、PID(Plasma Induced Damage)に起因した歩留まりの低下を抑えることが可能となる。以下、この理由について説明する。
例えば、撮像装置1の配線およびビア(Via)等を形成する際には、プラズマ処理が施される。この配線またはビアに、トランジスタのゲート電極、ソースおよびドレインのいずれかが接続されていると、配線またはビアがプラズマからチャージを集めるアンテナとして作用する。この配線またはビアに集められたチャージが所定の量を超えると、トランジシタTr1のゲート電極と半導体層との間に電位差が生じる。これに起因して、トランジシタTr1のゲート絶縁膜にFN(Fowler Nordheim)トンネル電流が流れ、ゲート絶縁膜を劣化させるおそれがある。このようなPIDに起因して、例えばトランジシタのしきい値電圧(Vth)が変動し、歩留まりに影響を及ぼすおそれがある。例えば、トランジスタのゲート面積と、これに接続される配線またはビアの面積との比、いわゆるアンテナ比を調整することにより、PIDの影響を抑えることも考え得る。しかし、設計によっては、アンテナ比が大きくなる。この場合には、PIDの影響を抑えることが困難となる。
これに対し、本変形では、トランジシタTr1のゲート電極208にアンテナ配線WHを介して接続された保護素子PEが設けられている。したがって、アンテナ配線WHを形成する際のプラズマ処理により、アンテナ配線WHにチャージが集められても、このチャージが保護素子PEに流れるので、PIDに起因したトランジシタTr1のしきい値電圧Vthの変動等が抑えられる。保護素子PEが設けられていても、仮に、保護素子PEが設けられた半導体層の電位と、トランジシタTr1の設けられた半導体層200Sの電位とが大きく異なると、トランジシタTr1のゲート電極208と半導体層200Sとの間に電位差が生じ、十分にPIDの影響を抑えられないおそれがある。ここでは、保護素子PEとトランジシタTr1とがともに半導体層200Sに設けられているので、保護素子PEが導通されたとき、トランジスタのゲート電極208と半導体層200Sとが略同電位となる。よって、トランジシタTr1へのPIDの影響をより確実に抑え、歩留まりの低下を抑えることが可能となる。また、アンテナ比の調整が不要となるので、撮像装置1の設計の自由度を向上させることが可能となる。
図40~図50は、図38に示したトランジスタTr1および保護素子PEの他の例を表している。
半導体層200Sのp型半導体領域207は、接続配線WLを介して半導体層100Sのp型半導体領域107(例えば、図6のVSSコンタクト領域118)に電気的に接続されていてもよい(図40)。p型半導体領域207は、例えば、接続部207V(例えば、図6の接続部218V)、接続配線WLおよび貫通電極207E(例えば、図6の貫通電極121E)を介してp型半導体領域107に電気的に接続されている。これにより、保護素子PEが導通されたとき、トランジシタTr1のゲート電極208の電位は、半導体層200Sの電位および半導体層100Sの電位と略同電位となる。したがって、トランジシタTr1へのPIDが抑えられる。
トランジシタTr1が設けられた半導体層200Sと、保護素子PEが設けられた半導体層200Sとが、絶縁領域212により分断されていてもよい(図41)。例えば、このとき、トランジシタTr1が設けられた半導体層200Sのp型半導体領域207は、接続配線WL1を介して半導体層100Sのp型半導体領域107に接続され、保護素子PEが設けられた半導体層200Sのp型半導体領域207は、接続配線WL2を介して半導体層100Sのp型半導体領域107に接続されている。これにより、保護素子PEが導通されたとき、トランジシタTr1のゲート電極208の電位は、トランジシタTr1が設けられた半導体層200Sの電位、保護素子PEが設けられた半導体層200Sの電位、および半導体層100Sの電位と略同電位となる。したがって、トランジシタTr1へのPIDが抑えられる。
トランジシタTr1が設けられた半導体層200Sのp型半導体領域207と、保護素子PEが設けられた半導体層200Sのp型半導体領域207とを接続配線WLにより電気的に接続するようにしてもよい(図42)。このときも、図41で説明したのと同様に、トランジシタTr1へのPIDが抑えられる。
保護素子PEは、複数のpn接合を有するダイオードにより構成されていてもよい(図43)。例えば、保護素子PEは、ウェル領域211、n型半導体領域214、nウェル領域215およびp型半導体領域216を含んでいる。nウェル領域215は、ウェル領域211に隣接して設けられている。n型半導体領域214は、nウェル領域215に設けられたn型不純物の拡散領域であり、半導体層200Sの表面近傍に設けられている。p型半導体領域216は、nウェル領域215に設けられたp型不純物の拡散領域であり、半導体層200Sの表面近傍に設けられている。例えば、トランジシタTr1側からn型半導体領域214およびp型半導体領域216の順に設けられており、トランジシタTr1のn型半導体領域210とn型半導体領域214との間、およびn型半導体領域214とp型半導体領域216との間には各々、素子分離領域213が設けられている。例えば、保護素子PEのn型半導体領域214およびp型半導体領域216が、アンテナ配線WHを介して、トランジシタTr1のゲート電極208に電気的に接続されている。例えば、保護素子PEは、トランジシタTr1の半導体層200Sと同一の半導体層200Sに設けられており、保護素子PEはトランジシタTr1とウェル領域211を共有している。これにより、上記図38で説明したのと同様に、保護素子PEが導通されたとき、トランジシタTr1のゲート電極208の電位は、半導体層200Sの電位と略同電位となる。したがって、トランジシタTr1へのPIDが抑えられる。
複数のpn接合を有する保護素子PEが設けられた半導体層200Sで、上記図40で説明したのと同様に、p型半導体領域207を、接続配線WLを介して半導体層100Sのp型半導体領域107に電気的に接続するようにしてもよい(図44)。あるいは、上記図41で説明したのと同様に、トランジシタTr1が設けられた半導体層200Sと、保護素子PEが設けられた半導体層200Sとが、絶縁領域212により分断されていてもよい(図45)。このとき、上記図42で説明したのと同様に、トランジシタTr1が設けられた半導体層200Sのp型半導体領域207と、保護素子PEが設けられた半導体層200Sのp型半導体領域207とを接続配線WLにより電気的に接続するようにしてもよい(図46)。
保護素子PEが接続されたトランジシタTr1は、例えば、第1基板100の半導体層100Sに設けられていてもよい(図47)。トランジシタTr1は、例えば、転送トランジスタTrである。保護素子PEは、例えば、第2基板200の半導体層200Sに設けられている。半導体層200Sに設けられたp型半導体領域207は、接続配線WLを介して半導体層100Sのp型半導体領域107に電気的に接続されている。これにより、保護素子PEが導通されたとき、トランジシタTr1のゲート電極208の電位は、半導体層100Sの電位と略同電位となる。したがって、トランジシタTr1へのPIDが抑えられる。上記図43~図46で説明したのと同様に、半導体層100Sに設けたトランジシタTr1に接続された保護素子PEが、複数のpn接合を有するダイオードにより構成されていてもよい(図48)。
第2基板200の半導体層200Sに設けたトランジシタTr1を、第1基板100の半導体層100Sに設けた保護素子PEに接続するようにしてもよい(図49)。このとき、保護素子PEは、pウェル層115と、pウェル層115に設けられたn型半導体領域214とを含んでいる。トランジシタTr1のゲート電極208は、アンテナ配線WHを介して保護素子PEのn型半導体領域214に電気的に接続されている。例えば、半導体層200Sに設けられたp型半導体領域207は、接続配線WLを介して半導体層100Sに設けられたp型半導体領域107に電気的に接続されている。これにより、保護素子PEが導通されたとき、トランジシタTr1のゲート電極208の電位は、半導体層200Sの電位および半導体層100Sの電位と略同電位となる。したがって、トランジシタTr1へのPIDが抑えられる。上記図43~図46で説明したのと同様に、半導体層100Sに設けたトランジシタTr1に接続された保護素子PEが、複数のpn接合を有するダイオードにより構成されていてもよい(図50)。
このような保護素子PEを有する撮像装置1も、上記実施の形態で説明したのと同様の効果が得られる。更に、保護素子PEによりPIDの影響を抑え、歩留まりを向上させることが可能となる。なお、ここでは、トランジスタTr1のゲート電極208に、アンテナ配線WHを介して保護素子PEが接続されている例を示したが、トランジスタTr1のソースまたはドレインにアンテナ配線WHを介して保護素子PEが接続されていてもよい。このときにも、上記で説明したのと同様に、保護素子PEによりPIDの影響を抑え、歩留まりを向上させることが可能となる。
<7.変形例6>
図51~図55は、上記実施の形態に係る撮像装置1の平面構成の一変形例を表したものである。図51は、第2基板200の半導体層200Sの表面近傍の平面構成を模式的に表しており、上記実施の形態で説明した図10に対応する。図52は、第1配線層W1と、第1配線層W1に接続された半導体層200Sおよび第1基板100の各部の構成を模式的に表しており、上記実施の形態で説明した図11に対応する。図53は、第1配線層W1および第2配線層W2の平面構成の一例を表しており、上記実施の形態で説明した図12に対応する。図54は、第2配線層W2および第3配線層W3の平面構成の一例を表しており、上記実施の形態で説明した図13に対応する。図55は、第3配線層W3および第4配線層W4の平面構成の一例を表しており、上記実施の形態で説明した図14に対応する。
本変形例では、図52に示したように、第2基板200のH方向に並ぶ2つの画素共有ユニット539のうち、一方(例えば紙面右側)の画素共有ユニット539の内部レイアウトが、他方(例えば紙面左側)の画素共有ユニット539の内部レイアウトをH方向にのみ反転させた構成となっている。また、一方の画素共有ユニット539の外形線と他方の画素共有ユニット539の外形線との間のV方向のずれが、上記実施の形態で説明したずれ(図11)よりも大きくなっている。このように、V方向のずれを大きくすることにより、他方の画素共有ユニット539の増幅トランジスタAMPと、これに接続されたパッド部120(図7Bに記載のV方向に並ぶ2つの画素共有ユニット539のうちの他方(紙面下側)のパッド部120)との間の距離を小さくすることができる。このようなレイアウトにより、図51~図55に記載の撮像装置1の変形例6は、H方向に並ぶ2つの画素共有ユニット539の平面レイアウトを互いにV方向に反転させることなく、その面積を、上記実施の形態で説明した第2基板200の画素共有ユニット539の面積と同じにすることができる。なお、第1基板100の画素共有ユニット539の平面レイアウトは、上記実施の形態で説明した平面レイアウト(図7A,図7B)と同じである。したがって、本変形例の撮像装置1は、上記実施の形態で説明した撮像装置1と同様の効果を得ることができる。第2基板200の画素共有ユニット539の配置は、上記実施の形態および本変形例で説明した配置に限定されるものではない。
<8.変形例7>
図56~図61は、上記実施の形態に係る撮像装置1の平面構成の一変形例を表したものである。図56は、第1基板100の平面構成を模式的に表しており、上記実施の形態で説明した図7Aに対応する。図57は、第2基板200の半導体層200Sの表面近傍の平面構成を模式的に表しており、上記実施の形態で説明した図10に対応する。図58は、第1配線層W1と、第1配線層W1に接続された半導体層200Sおよび第1基板100の各部の構成を模式的に表しており、上記実施の形態で説明した図11に対応する。図59は、第1配線層W1および第2配線層W2の平面構成の一例を表しており、上記実施の形態で説明した図12に対応する。図60は、第2配線層W2および第3配線層W3の平面構成の一例を表しており、上記実施の形態で説明した図13に対応する。図61は、第3配線層W3および第4配線層W4の平面構成の一例を表しており、上記実施の形態で説明した図14に対応する。
本変形例では、各画素回路200Xの外形が、略正方形の平面形状を有している(図57等)。この点において、本変形例の撮像装置1の平面構成は、上記実施の形態で説明した撮像装置1の平面構成と異なっている。
例えば、第1基板100の画素共有ユニット539は、上記実施の形態で説明したのと同様に、2行×2列の画素領域にわたって形成されており、略正方形の平面形状を有している(図56)。例えば、各々の画素共有ユニット539では、一方の画素列の画素541Aおよび画素541Cの転送ゲートTG1,TG3の水平部分TGbが、垂直部分TGaに重畳する位置からH方向において画素共有ユニット539の中央部に向かう方向(より具体的には、画素541A,541Cの外縁に向かう方向、かつ画素共有ユニット539の中央部に向かう方向)に延在し、他方の画素列の画素541Bおよび画素541Dの転送ゲートTG2,TG4の水平部分TGbが、垂直部分TGaに重畳する位置からH方向において画素共有ユニット539の外側に向かう方向(より具体的には、画素541B,541Dの外縁に向かう方向、かつ画素共有ユニット539の外側に向かう方向)に延在している。フローティングディフュージョンFDに接続されたパッド部120は、画素共有ユニット539の中央部(画素共有ユニット539のH方向およびV方向の中央部)に設けられ、VSSコンタクト領域118に接続されたパッド部121は、少なくともH方向において(図56ではH方向およびV方向において)画素共有ユニット539の端部に設けられている。
別の配置例として、転送ゲートTG1,TG2,TG3,TG4の水平部分TGbを垂直部分TGaに対向する領域のみに設けることも考え得る。このときには、上記実施の形態で説明したのと同様に、半導体層200Sが細かく分断されやすい。したがって、画素回路200Xのトランジスタを大きく形成することが困難となる。一方、転送ゲートTG1,TG2,TG3,TG4の水平部分TGbを、上記変形例のように、垂直部分TGaに重畳する位置からH方向に延在させると、上記実施の形態で説明したのと同様に、半導体層200Sの幅を大きくすることが可能となる。具体的には、転送ゲートTG1,TG3に接続された貫通電極TGV1,TGV3のH方向の位置を、貫通電極120EのH方向の位置に近接させて配置し、転送ゲートTG2,TG4に接続された貫通電極TGV2,TGV4のH方向の位置を、貫通電極121EのH方向の位置に近接して配置することが可能となる(図58)。これにより、上記実施の形態で説明したのと同様に、V方向に延在する半導体層200Sの幅(H方向の大きさ)を大きくすることができる。よって、画素回路200Xのトランジスタのサイズ、特に増幅トランジスタAMPのサイズを大きくすることが可能となる。その結果、画素信号のシグナル/ノイズ比を改善して、撮像装置1はよりよい画素データ(画像情報)を出力することが可能となる。
第2基板200の画素共有ユニット539は、例えば、第1基板100の画素共有ユニット539のH方向およびV方向の大きさと略同じであり、例えば、略2行×2列の画素領域に対応する領域にわたって設けられている。例えば、各画素回路200Xでは、V方向に延在する1の半導体層200Sに選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMPがV方向に並んで配置され、FD変換ゲイン切替トランジスタFDGおよびリセットトランジスタRSTがV方向に延在する1の半導体層200Sに、V方向に並んで配置されている。この選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMPが設けられた1の半導体層200Sと、FD変換ゲイン切替トランジスタFDGおよびリセットトランジスタRSTが設けられた1の半導体層200Sとは、絶縁領域212を介してH方向に並んでいる。この絶縁領域212はV方向に延在している(図57)。
ここで、第2基板200の画素共有ユニット539の外形について、図57および図58を参照して説明する。例えば、図56に示した第1基板100の画素共有ユニット539は、パッド部120のH方向の一方(図58の紙面左側)に設けられた増幅トランジスタAMPおよび選択トランジスタSELと、パッド部120のH方向の他方(図58の紙面右側)に設けられたFD変換ゲイン切替トランジスタFDGおよびリセットトランジスタRSTとに接続されている。この増幅トランジスタAMP、選択トランジスタSEL、FD変換ゲイン切替トランジスタFDGおよびリセットトランジスタRSTを含む第2基板200の画素共有ユニット539の外形は、次の4つの外縁により決まる。
第1の外縁は、選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMPを含む半導体層200SのV方向の一端(図58の紙面上側の端)の外縁である。この第1の外縁は、当該画素共有ユニット539に含まれる増幅トランジスタAMPと、この画素共有ユニット539のV方向の一方(図58の紙面上側)に隣り合う画素共有ユニット539に含まれる選択トランジスタSELとの間に設けられている。より具体的には、第1の外縁は、これら増幅トランジスタAMPと選択トランジスタSELとの間の素子分離領域213のV方向の中央部に設けられている。第2の外縁は、選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMPを含む半導体層200SのV方向の他端(図58の紙面下側の端)の外縁である。この第2の外縁は、当該画素共有ユニット539に含まれる選択トランジスタSELと、この画素共有ユニット539のV方向の他方(図58の紙面下側)に隣り合う画素共有ユニット539に含まれる増幅トランジスタAMPとの間に設けられている。より具体的には、第2の外縁は、これら選択トランジスタSELと増幅トランジスタAMPとの間の素子分離領域213のV方向の中央部に設けられている。第3の外縁は、リセットトランジスタRSTおよびFD変換ゲイン切替トランジスタFDGを含む半導体層200SのV方向の他端(図58の紙面下側の端)の外縁である。この第3の外縁は、当該画素共有ユニット539に含まれるFD変換ゲイン切替トランジスタFDGと、この画素共有ユニット539のV方向の他方(図58の紙面下側)に隣り合う画素共有ユニット539に含まれるリセットトランジスタRSTとの間に設けられている。より具体的には、第3の外縁は、これらFD変換ゲイン切替トランジスタFDGとリセットトランジスタRSTとの間の素子分離領域213のV方向の中央部に設けられている。第4の外縁は、リセットトランジスタRSTおよびFD変換ゲイン切替トランジスタFDGを含む半導体層200SのV方向の一端(図58の紙面上側の端)の外縁である。この第4の外縁は、当該画素共有ユニット539に含まれるリセットトランジスタRSTと、この画素共有ユニット539のV方向の一方(図58の紙面上側)に隣り合う画素共有ユニット539に含まれるFD変換ゲイン切替トランジスタFDG(不図示)との間に設けられている。より具体的には、第4の外縁は、これらリセットトランジスタRSTとFD変換ゲイン切替トランジスタFDGとの間の素子分離領域213(不図示)のV方向の中央部に設けられている。
このような第1,第2,第3,第4の外縁を含む第2基板200の画素共有ユニット539の外形では、第1,第2の外縁に対して、第3,第4の外縁がV方向の一方側にずれて配置されている(言い換えればV方向の一方側にオフセットされている)。このようなレイアウトを用いることにより、増幅トランジスタAMPのゲートおよびFD変換ゲイン切替トランジスタFDGのソースをともに、パッド部120にできるだけ近接して配置することが可能となる。したがって、これらを接続する配線の面積を小さくし、撮像装置1の微細化を行いやすくなる。なおVSSコンタクト領域218は、選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMPを含む半導体層200Sと、リセットトランジスタRSTおよびFD変換ゲイン切替トランジスタFDGを含む半導体層200Sとの間に設けられている。例えば、複数の画素回路200Xは、互いに同じ配置を有している。
このような第2基板200を有する撮像装置1も、上記実施の形態で説明したのと同様の効果が得られる。第2基板200の画素共有ユニット539の配置は、上記実施の形態および本変形例で説明した配置に限定されるものではない。
<9.変形例8>
図62~図67は、上記実施の形態に係る撮像装置1の平面構成の一変形例を表したものである。図62は、第1基板100の平面構成を模式的に表しており、上記実施の形態で説明した図7Bに対応する。図63は、第2基板200の半導体層200Sの表面近傍の平面構成を模式的に表しており、上記実施の形態で説明した図8に対応する。図64は、第1配線層W1と、第1配線層W1に接続された半導体層200Sおよび第1基板100の各部の構成を模式的に表しており、上記実施の形態で説明した図11に対応する。図65は、第1配線層W1および第2配線層W2の平面構成の一例を表しており、上記実施の形態で説明した図12に対応する。図66は、第2配線層W2および第3配線層W3の平面構成の一例を表しており、上記実施の形態で説明した図13に対応する。図67は、第3配線層W3および第4配線層W4の平面構成の一例を表しており、上記実施の形態で説明した図14に対応する。
本変形例では、第2基板200の半導体層200Sが、H方向に延在している(図64)。即ち、上記図57等に示した撮像装置1の平面構成を90度回転させた構成に略対応している。
例えば、第1基板100の画素共有ユニット539は、上記実施の形態で説明したのと同様に、2行×2列の画素領域にわたって形成されており、略正方形の平面形状を有している(図62)。例えば、各々の画素共有ユニット539では、一方の画素行の画素541Aおよび画素541Bの転送ゲートTG1,TG2が、V方向において画素共有ユニット539の中央部に向かって延在し、他方の画素行の画素541Cおよび画素541Dの転送ゲートTG3,TG4が、V方向において画素共有ユニット539の外側方向に延在している。フローティングディフュージョンFDに接続されたパッド部120は、画素共有ユニット539の中央部に設けられ、VSSコンタクト領域118に接続されたパッド部121は、少なくともV方向において(図62ではV方向およびH方向において)画素共有ユニット539の端部に設けられている。このとき、転送ゲートTG1,TG2の貫通電極TGV1,TGV2のV方向の位置が貫通電極120EのV方向の位置に近づき、転送ゲートTG3,TG4の貫通電極TGV3,TGV4のV方向の位置が貫通電極121EのV方向の位置に近づく(図64)。したがって、上記実施の形態で説明したのと同様の理由により、H方向に延在する半導体層200Sの幅(V方向の大きさ)を大きくすることができる。よって、増幅トランジスタAMPのサイズを大きくし、ノイズを抑えることが可能となる。
各々の画素回路200Xでは、選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMPがH方向に並んで配置され、選択トランジスタSELと絶縁領域212を間にしてV方向に隣り合う位置にリセットトランジスタRSTが配置されている(図63)。FD変換ゲイン切替トランジスタFDGは、リセットトランジスタRSTとH方向に並んで配置されている。VSSコンタクト領域218は、絶縁領域212に島状に設けられている。例えば、第3配線層W3はH方向に延在し(図66)、第4配線層W4はV方向に延在している(図67)。
このような第2基板200を有する撮像装置1も、上記実施の形態で説明したのと同様の効果が得られる。第2基板200の画素共有ユニット539の配置は、上記実施の形態および本変形例で説明した配置に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態および変形例6で説明した半導体層200Sが、H方向に延在していてもよい。
<10.変形例9>
図68は、上記実施の形態に係る撮像装置1の断面構成の一変形例を模式的に表したものである。図68は、上記実施の形態で説明した図3に対応する。本変形例では、撮像装置1が、コンタクト部201,202,301,302に加えて、画素アレイ部540の中央部に対向する位置にコンタクト部203,204,303,304を有している。この点において、本変形例の撮像装置1は、上記実施の形態で説明した撮像装置1と異なっている。
コンタクト部203,204は、第2基板200に設けられており、第3基板300との接合面の露出されている。コンタクト部303,304は、第3基板300に設けられており、第2基板200との接合面に露出されている。コンタクト部203は、コンタクト部303と接しており、コンタクト部204は、コンタクト部304と接している。即ち、この撮像装置1では、第2基板200と第3基板300とが、コンタクト部201,202,301,302に加えてコンタクト部203,204,303,304により接続されている。
次に、図69および図70を用いてこの撮像装置1の動作について説明する。図69には、外部から撮像装置1に入力される入力信号と、電源電位および基準電位の経路を矢印で表す。図70には、撮像装置1から外部に出力される画素信号の信号経路を矢印で表している。例えば、入力部510Aを介して撮像装置1に入力された入力信号は、第3基板300の行駆動部520へ伝送され、行駆動部520で行駆動信号が作り出される。この行駆動信号は、コンタクト部303,203を介して第2基板200に送られる。更に、この行駆動信号は、配線層200T内の行駆動信号線542を介して、画素アレイ部540の画素共有ユニット539各々に到達する。第2基板200の画素共有ユニット539に到達した行駆動信号のうち、転送ゲートTG以外の駆動信号は画素回路200Xに入力されて、画素回路200Xに含まれる各トランジスタが駆動される。転送ゲートTGの駆動信号は貫通電極TGVを介して第1基板100の転送ゲートTG1,TG2,TG3,TG4に入力され、画素541A,541B,541C,541Dが駆動される。また、撮像装置1の外部から、第3基板300の入力部510A(入力端子511)に供給された電源電位および基準電位は、コンタクト部303,203を介して第2基板200に送られ、配線層200T内の配線を介して、画素共有ユニット539各々の画素回路200Xに供給される。基準電位は、さらに貫通電極121Eを介して、第1基板100の画素541A,541B,541C,541Dへも供給される。一方、第1基板100の画素541A,541B,541C,541Dで光電変換された画素信号は、画素共有ユニット539毎に第2基板200の画素回路200Xに送られる。この画素信号に基づく画素信号は、画素回路200Xから垂直信号線543およびコンタクト部204,304を介して第3基板300に送られる。この画素信号は、第3基板300の列信号処理部550および画像信号処理部560で処理された後、出力部510Bを介して外部に出力される。
このようなコンタクト部203,204,303,304を有する撮像装置1も、上記実施の形態で説明したのと同様の効果が得られる。コンタクト部303,304を介した
配線の接続先である、第3基板300の回路等の設計に応じてコンタクト部の位置および数等を変えることができる。
<11.変形例10>
図71は、上記実施の形態に係る撮像装置1の断面構成の一変形例を表したものである。図71は、上記実施の形態で説明した図6に対応する。本変形例では、第1基板100にプレーナー構造を有する転送トランジスタTRが設けられている。この点において、本変形例の撮像装置1は、上記実施の形態で説明した撮像装置1と異なっている。
この転送トランジスタTRは、水平部分TGbのみにより転送ゲートTGが構成されている。換言すれば、転送ゲートTGは、垂直部分TGaを有しておらず、半導体層100Sに対向して設けられている。
このようなプレーナー構造の転送トランジスタTRを有する撮像装置1も、上記実施の形態で説明したのと同様の効果が得られる。更に、第1基板100にプレーナー型の転送ゲートTGを設けることにより、縦型の転送ゲートTGを第1基板100に設ける場合に比べて、より半導体層100Sの表面近くまでフォトダイオードPDを形成し、これにより、飽和信号量(Qs)を増加させることも考え得る。また、第1基板100にプレーナー型の転送ゲートTGを形成する方法は、第1基板100に縦型の転送ゲートTGを形成する方法に比べて、製造工程数が少なく、製造工程に起因したフォトダイオードPDへの悪影響が生じにくい、とも考え得る。
<12.変形例11>
図72は、上記実施の形態に係る撮像装置1の画素回路の一変形例を表したものである。図72は、上記実施の形態で説明した図4に対応する。本変形例では、1つの画素(画素541A)毎に画素回路200Xが設けられている。即ち、画素回路200Xは、複数の画素で共有されていない。この点において、本変形例の撮像装置1は、上記実施の形態で説明した撮像装置1と異なっている。
本変形例の撮像装置1は、画素541Aと画素回路200Xとを互いに異なる基板(第1基板100および第2基板200)に設ける点では、上記実施の形態で説明した撮像装置1と同じである。このため、本変形例に係る撮像装置1も、上記実施の形態で説明したのと同様の効果を得ることができる。
<13.変形例12>
図73は、上記実施の形態で説明した画素分離部117の平面構成の一変形例を表したものである。画素541A,541B,541C,541D各々を囲む画素分離部117に、隙間が設けられていてもよい。即ち、画素541A,541B,541C,541Dの全周が画素分離部117に囲まれていなくてもよい。例えば、画素分離部117の隙間は、パッド部120,121近傍に設けられている(図7B参照)。
上記実施の形態では、画素分離部117が半導体層100Sを貫通するFTI構造を有する例(図6参照)を説明したが、画素分離部117はFTI構造以外の構成を有していてもよい。例えば、画素分離部117は、半導体層100Sを完全に貫通するように設けられていなくてもよく、いわゆる、DTI(Deep Trench Isolation)構造を有していて
もよい。
<14.変形例13>
図74は、上記実施の形態に係る撮像装置1の第1基板100および第2基板200の要部の平面構成一変形例を模式的に表したものである。図75は、第1配線層W1および第2配線層W2の平面構成の一変形例を模式的に表したものである。図76は、第2配線層W2および第3配線層W3の平面構成の一変形例を模式的に表したものである。本変形例では、画素共有ユニット539内において貫通電極TGVが非対称に配置されている点が、上記実施の形態で説明した撮像装置1と異なっている。
更に、図77および図78に示したように、配線TRG2と、選択トランジスタSELおよびFD変換ゲイン切替トランジスタFDGとそれぞれ接続される配線(図76および図78では、SEL,FDGと表記)とを入れ替えることにより、配線間の容量をさらに低減することが可能となる。
このように、画素共有ユニット539内において貫通電極TGVを非対称に配置することにより、第3配線層W3に形成される一方向(例えば、H方向)に延在する配線TRG1,TRG2,TRG3,TRG4,SELL,RSTL,FDGL間の容量を低減することが可能となる。よって、読み出し画素の読み出し電極の影響による、隣接する非読み出し画素の読み出し電極下の、ポテンシャルの深化およびセンサ画素からフローティングディフュージョンFDへの障壁の低下による飽和信号量Qsの損失を防ぐことが可能となる。
更に、画素共有ユニット539内において近接する貫通電極TGV(例えば、貫通電極TGV2と貫通電極TGV4)の間に、選択トランジスタSELおよびFD変換ゲイン切替トランジスタFDGとそれぞれ接続される配線を配置することにより、最も配線間容量が大きくなる配線TRG2と配線TRG4との間の容量を低減することが可能となる。
<15.変形例14>
撮像装置1では、画素トランジスタ(増幅トランジスタAMP、選択トランジスタSEL、リセットトランジスタRSTおよびFD変換ゲイン切替トランジスタFDG)が形成される半導体層200Sは、一般に、例えば2つの半導体層200Sが各画素共有ユニット539内において並列配置された構造を有するが、3次元構造のトランジスタ(例えば、図80に示した増幅トランジスタAMP)の下方の半導体層200Sには空乏層が想定よりも広がる場合があり、例えば選択トランジスタSELが孤立してウェルがつながらなくなる虞がある。このため、半導体層200Sにウェルコンタクト領域217を設けることが好ましい。
図79は、上記実施の形態に係る撮像装置1の半導体層200Sの平面構成の一変形例を表したものである。例えば、ウェルコンタクト領域217は、並列する2つの半導体層200Sのそれぞれに設けるようにしてもよい。これにより、2つの半導体層200Sそれぞれに、個別に電圧を印加することができるため、基板バイアス効果を回避することが可能となり、リニアリティを改善することができる。また、このとき、増幅トランジスタAMPは、プレーナー型(図79)に限らず、図80に示したようにフィン(Fin)型等の三次元構造としてもよい。
図81は、上記実施の形態に係る撮像装置1の半導体層200Sの平面構成の一変形例を表したものである。例えば、ウェルコンタクト領域217を並列する2つの半導体層の間に設け、この1つのウェルコンタクト領域217を2つの半導体層200Sで共有するようにしてもよい。これにより、並列する2つの半導体層200Sに形成されるウェルコンタクト領域217を削減することができるため、各画素トランジスタのサイズを拡大することが可能となる。
図82は、上記実施の形態に係る撮像装置1の半導体層200Sの平面構成の一変形例を表したものである。例えば、ウェルコンタクト領域217は、並列する2つの半導体層200Sの一方に設け、2つの半導体層200Sを互いに接続するようにしてもよい。また、その場合、2つの半導体層200Sは、例えば図83に示したように、素子分離領域213によって互いに接続されていてもよい。
図84は、上記実施の形態に係る撮像装置1の半導体層200Sの平面構成の一変形例を表したものである。例えば、ウェルコンタクト領域217は、並列する2つの半導体層200Sの間に設け、GPのない半導体層200S部分で互いに接続するようにしてもよい。これにより、図82および図83に示したように、2つの半導体層200Sの一方にウェルコンタクト領域217を設けた場合と比較して、各画素トランジスタのサイズを拡大することが可能となる。
図85は、上記実施の形態に係る撮像装置1の半導体層200Sの平面構成の一変形例を表したものである。例えば、ウェルコンタクト領域217は、並列する2つの半導体層の間に設けるようにしてもよい。図85では、ウェルコンタクト領域217は、並列する2つの半導体層200SのGPに重なった素子分離領域213によって互いに接続されている。これにより、各画素トランジスタのサイズを拡大することが可能となる。
図86は、上記実施の形態に係る撮像装置1の半導体層200Sの平面構成の一変形例を表したものである。例えば、ウェルコンタクト領域217は、図85と同様に並列する2つの半導体層の間に設け、2つの半導体層200Sの接続は、GPに重なった素子分離領域213による接続とは別に、さらにGPに重なった素子分離領域213を設け、これによって接続するようにしてもよい。これにより、各画素トランジスタとウェルとが繋がらない虞をさらに低減することが可能となる。
図87は、上記実施の形態に係る撮像装置1の半導体層200Sの平面構成の一変形例を表したものである。例えば、ウェルコンタクト領域217は、画素共有ユニット539内において並列する2つの半導体層の間に設け、並列する2つの半導体層200SのGPに重なった素子分離領域213によって互いに接続し、さらに、隣り合う画素共有ユニット539間において、一方の半導体層200Sと、隣接する画素共有ユニット539の半導体層200Sとを、GPに重なった素子分離領域213によって接続するようにしてもよい。
図88は、上記実施の形態に係る撮像装置1の半導体層200Sの平面構成の一変形例を表したものである。図87では、素子分離領域213によって接続される2つの画素共有ユニット539のそれぞれにウェルコンタクト領域217を設けた例を示したが、ウェルコンタクト領域217は一方の画素共有ユニット539にのみ設けるようにしてもよい。
図89は、上記実施の形態に係る撮像装置1の半導体層200Sの平面構成の一変形例を表したものである。2つの半導体層200Sの間で共有されるウェルコンタクト領域217は、必ずしも画素共有ユニット539内の2つの半導体層200Sの間で共有されている必要はなく、例えば、図89に示したように、隣り合う画素共有ユニット539間の2つの半導体層200Sとの間で共有されていてもよい。
<16.変形例15>
図90は、上記実施の形態に係る撮像装置1の第1基板100と第2基板200とを電気的に接続する貫通電極120Eおよび画素トランジスタ(例えば、増幅トランジスタAMP)との接続配線CSの断面構成の一変形例を表したものである。図91は、図90に示した貫通電極120Eとパッド部120との接続部分を拡大して表したものである。
本変形例の貫通電極120Eおよび接続配線CSは、以下のようにして形成することができる。なお、以下では貫通電極120Eを例に説明するが、接続配線CSも同様にして形成することができる。
貫通電極120Eは、上記のように、例えば、レジスト膜231のパターンを用いて層間絶縁膜222およびパッシベーション膜221のドライエッチングを行い、接続孔120Hを形成する。このとき、接続孔120Hの孔径は、所望の貫通電極120Eの径よりも大きく形成する。続いて、例えばスパッタリングにより接続孔120Hの底部までチタン(Ti)、コバルト(Co)またはニッケル(Ni)等の金属膜を成膜した後、アニール処理を行うことで、接続孔120Hの底面に露出したパッド部120のポリシリコン(Poly Si)を合金化する。次に、未反応の金属膜をウェットエッチングにより除去する。続いて、例えば原子層堆積(ALD)法を用いて接続孔120H内に酸化膜を成膜し、接続孔120Hを所望の孔径にする。次に、エッチバックにより接続孔120Hの底部に成膜された酸化膜を除去する。その後、例えば、ALD法を用いて、窒化チタン(TiN)膜(バリアメタル)を、化学気相成長(CVD)法を用いてタングステン(W)膜をこの順に成膜した後、化学機械研磨(CMP)によって表面を平坦化する。以上により、図90に示した貫通電極120Eが形成される。
上記のようにして形成された貫通電極120Eおよび接続配線CSは、W膜120Aの周囲にバリアメタルとして、例えばTiN膜120Bが成膜されており、さらにその周囲には、酸化膜120Dが形成されている。また、貫通電極120Eと接続されるパッド部120および接続配線CSと接続される増幅トランジスタAMPのゲートとの接続部には、それぞれ、貫通電極120Eおよび接続配線CSの径よりも大きな合金領域120Rが形成されている。更に、貫通電極120Eおよび接続配線CSと合金領域120Rとのそれぞれに接続部は、エッチバックにより一部が削られている。
このような構成を有する貫通電極120Eおよび接続配線CSでは、層間絶縁膜(例えば、層間絶縁膜222およびパッシベーション膜221)の加工の際の接続孔(例えば、接続孔120H)の孔径が大きくなるため、接続孔120Hの底部に成膜されるTi等の金属膜を厚く成膜することが可能となる。これにより、Tiスパッタ量を抑えることができるため、Wボルケーノ(WF6とTiとの反応)を抑制することが可能となる。加えて、貫通電極120Eおよび接続配線CSと、合金領域120Rとの接続部の側面にTiが存在しなくなり、接続部の抵抗を低減することが可能となる。また、金属コンタミによる白点を抑制することが可能となる。
貫通電極120Eおよび接続配線CSの構造は、この他、例えば図92に示したような構成としてもよい。図92に示した貫通電極120Eおよび接続配線CSの構造は、以下のようにして形成することができる。接続孔(例えば、接続孔120H)の側面および底面に、ALD法を用いてTi、CoまたはNi等の金属膜を成膜した後、アニール処理を行うことで、接続孔120Hの底部のパッド部120のポリシリコン(Poly Si)を合金化する。次に、ALD法を用いて接続孔120H内にTiN膜を、CVD法を用いてタングステン(W)膜をこの順に成膜した後、CMPによって表面を平坦化する。以上により、図92に示した貫通電極120Eが形成される。
<17.変形例16>
図93は、上記実施の形態に係る撮像装置1の第1基板100および第2基板200の要部の断面構成の一変形例を表したものである。図94は、図93に示した第1基板100の要部の平面構成を表したものである。本変形例では、画素分離部117の上部に、上記パッド部120,121に相当するコンタクト部120X,121Xを埋め込み形成した点が、上記実施の形態で説明した撮像装置1と異なっている。
コンタクト部120X,121Xは、それぞれ、n型またはp型の不純物が拡散したポリシリコン(Poly Si)によって構成されている。コンタクト部120X,121Xには、それぞれ、貫通電極120E,121Eが接続されている。コンタクト部120X,121Xの周囲には、それぞれ、上記実施の形態と同様に複数のフローティングディフュージョンFDおよびVSSコンタクト領域118が形成されている。つまり、コンタクト部120Xと複数のフローティングディフュージョンFDおよびコンタクト部121Xと複数のVSSコンタクト領域118とは、それぞれ、互いに側壁にて電気的に接続されている。
このように、コンタクト部120X,121Xを半導体層100Sの表面近傍に埋め込み形成することにより、上記実施の形態と比較して、転送トランジスタTRの転送ゲートTGとの距離が確保される。よって、寄生容量を低減することが可能となる。
このようなコンタクト部120X,121Xは、以下のようにして製造することができる。
まず、図95Aに示したように、所定の深さを有する開口117H1を形成する。続いて、図95Bに示したように、開口117H1に画素分離部117を構成する遮光膜17Aおよび絶縁膜117B(いずれも図示せず)を埋め込んだ後、図95Cに示したようにエッチバックにより、半導体層100Sの表面に所定の深さ(例えば、150nm程度)の開口117H2を形成する。
次に、図95Dに示したように、開口117H2内にポリシリコン膜132を埋め込んだ後、ポリシリコン膜132の表面が半導体層100Sの表面が同程度の高さとなるようにポリシリコン膜132をエッチバックする。続いて、図95Eに示したように、所定のパターンを有するレジスト膜232を成膜し、フォトリソグラフィ法を用いたエッチバックにより、不要な画素分離部117上に形成されたポリシリコン膜132を除去する。次に、図95Fに示したように、高密度プラズマ(HDP)CVDを用いて、ポリシリコン(Poly Si)の除去により形成された開口117H3を絶縁膜125で埋設した後、CMPにより、ポリシリコン膜132および絶縁膜125が埋め込まれた半導体層100Sの表面を平坦化する。
続いて、図95Gに示したように、所定の位置に転送ゲートTGを形成した後、図95Hに示したように、コンタクト部120X,121Xの、それぞれの形成予定領域に成膜されたポリシリコン膜132に、選択的にn型またはp型のイオンインプラントおよびアニール処理を行う。以上により、図93等に示したコンタクト部120X,121Xが形成される。
また、図93では、上記パッド部120,121の両方をn型またはp型の不純物が拡散したポリシリコン(Poly Si)によって形成した例を示したが、例えば、図96および図97に示したように、パッド部120のみをコンタクト部120Xとして、n型の不純物が拡散したポリシリコン(Poly Si)によって形成するようにしてもよい。あるいは、図98に示したように、パッド部121のみをコンタクト部121Xとして、p型の不純物が拡散したポリシリコン(Poly Si)によって形成するようにしてもよい。
このように、上記パッド部120,121の一方をn型またはp型の不純物が拡散したポリシリコン(Poly Si)によって形成する場合には、例えば、以下のようにして製造することができる。なお、ここでは、パッド部120のみをコンタクト部120Xとして、n型の不純物が拡散したポリシリコン(Poly Si)によって形成する場合を例に説明する。
まず、上記と同様にして所定の深さを有する開口117H1を形成し、開口117Hに画素分離部117を構成する遮光膜17Aおよび絶縁膜117B(いずれも図示せず)を埋め込んだ後、図99Aに示したように、所定のパターンを有するレジスト膜232を成膜し、フォトリソグラフィ法を用いたエッチバックにより、コンタクト部120Xの形成予定領域に所定の深さ(例えば、150nm程度)の開口117H2を形成する。
続いて、図99Bに示したように、開口117H2内にポリシリコン膜132を埋め込んだ後、ポリシリコン膜132の表面が半導体層100Sの表面が同程度の高さとなるようにポリシリコン膜132をエッチバックする。次に、開口117H2を絶縁膜125で埋設した後、図99Cに示したように、不要な画素分離部117を構成する遮光膜17Aおよび絶縁膜117Bを除去すると共に、開口117H4を形成する。続いて、図99Dに示したように、高密度プラズマ(HDP)CVDを用いて、ポリシリコン(Poly Si)の除去により形成された開口117H4内に絶縁膜125を成膜した後、CMPにより、ポリシリコン膜132および絶縁膜125が埋め込まれた半導体層100Sの表面を平坦化する。
その後、所定の位置に転送ゲートTGを形成した後、コンタクト部120Xの形成予定領域に成膜されたポリシリコン膜132に、選択的にn型のイオンインプラントおよびアニール処理を行う。以上により、コンタクト部120Xおよびパッド部121を作り分けることができる。
なお、パッド部121は、一般に、複数の画素541が行列状に配置されるH方向およびV方向に各辺が平行な矩形状に形成されるが、例えば、図97に示したように、H方向およびV方向に対して約45°回転させて形成するようにしてもよい。これにより、パッド部121と各画素541内に形成される他の素子との接触による不具合の発生を低減すると共に、面積効率を向上させることが可能となる。
また、図93では、貫通電極120EとフローティングディフュージョンFDとの電気的な接続および貫通電極121EとVSSコンタクト領域118との電気的な接続を、それぞれ、半導体層100Sの表面に埋め込み形成されたn型またはp型の不純物が拡散したポリシリコン(Poly Si)(コンタクト部120X,121X)を介して行う例を示したが、フローティングディフュージョンFDおよびVSSコンタクト領域118との接続は、それぞれ、貫通電極120E,121Eと直接接続するようにしてもよい。
図100は、フローティングディフュージョンFDと貫通電極120Eと、VSSコンタクト領域118と貫通電極121Eとを、それぞれ、直接接続した場合の第1基板100および第2基板200の要部の断面構成の一変形例を表したものである。図101は、図100に示した第1基板100の要部の平面構成を表したものである。
本変形例では、貫通電極120E,121Eは、それぞれ、H方向およびV方向にそれぞれ延伸する画素分離部117の交点の面積よりも大きな径を有すると共に、一部が半導体層100Sに埋め込まれている。これにより、貫通電極120Eと複数のフローティングディフュージョンFDおよび貫通電極121Eと複数のVSSコンタクト領域118とは、それぞれ、互いに側壁にて電気的に接続されている。
このように、それぞれの側壁においてフローティングディフュージョンFDおよびVSSコンタクト領域118と電気的に接続される貫通電極120E,121Eは、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、上記と同様にしてエッチバックにより、半導体層100Sの表面の画素分離部117上に、所定の深さ(例えば、150nm程度)の開口117H2を形成した後、図102Aに示したように、開口17H2を埋め込むように、高密度プラズマ(HDP)CVDを用いて絶縁膜125を成膜する。続いて、図102Bに示したように、CMPにより、絶縁膜125が埋め込まれた半導体層100Sの表面を平坦化する。
次に、図102Cに示したように、所定の位置に転送ゲートTGを形成した後、半導体層100Sおよび転送ゲートTGの表面を覆うようにパッシベーション膜122を成膜する。その後、上記実施の形態と同様にして第1基板100と第2基板200とを貼り合わせた後、半導体層100Sに埋め込まれた絶縁膜125まで達する接続孔120H,121Hを形成する。この際、接続孔120H,121Hの深さは、それぞれ、フローティングディフュージョンFDおよびVSSコンタクト領域118の側壁の一部が露出するように形成する。これにより、貫通電極120E,121Eの側壁と、フローティングディフュージョンFDおよびVSSコンタクト領域118の側壁とが、互いに接するようになる。
以上のように、本変形例では、貫通電極120EとフローティングディフュージョンFDと、貫通電極121EとVSSコンタクト領域118とが、それぞれ、半導体層100S内において、間接あるいは直接電気的に接続されるようにした。これにより、上記実施の形態と比較して、転送トランジスタTRの転送ゲートTGとの距離が確保されようになり、寄生容量を低減することが可能となる。
<18.変形例17>
図103は、上記実施の形態に係る撮像装置1の第1基板100および第2基板200の要部の断面構成の一変形例を表したものである。
撮像装置1では、第1基板100および第2基板200に形成されるそれぞれのトランジスタが、それぞれ、同じゲート構造を有する場合がある。しかしながら、第1基板100と第2基板200とでは、サーマルバジェットが異なり、第1基板100のトランジスタ(例えば、転送トランジスタTR)の方がより多くの熱工程を経るため、不純物が拡散する虞ある。そのため、転送トランジスタTRのオフ特性を維持するために、例えば転送ゲートTGの下方に高濃度のp型不純物をイオン注入することが考えられるが、その結果、電流のリークや、フローティングディフュージョンFD近傍の電界集中が大きくなり白点が発生する虞がある。
これに対して本変形例では、例えば図103に示したように、第1基板100側のトランジスタ(例えば、転送トランジスタTR)のサイドウォールSWの幅を、第2基板200側のトランジスタのサイドウォールSWの幅よりも大きくした。これにより、熱工程を経ることによる不純物が拡散を低減することが可能となる。また、第2基板200側のトランジスタのサイドウォールSWの幅を小さくすることにより、第2基板200におけるトランジスタのゲート面積を大きくすることができ、ノイズを低減することが可能となる。
図104は、上記実施の形態に係る撮像装置1の第1基板100および第2基板200の要部の断面構成の一変形例を表したものである。
貫通電極120E,121E等の貫通配線の歩留まりを向上させるためには、アスペクト比を小さくする必要があるが、第1基板100側のトランジスタのゲート高さを低くすると、光電変換部(フォトダイオードPD)のポテンシャル形成を行う際に注入する不純物がゲート下へ突き抜けてしまい、ゲートに対してセルフアラインでポテンシャル形成ができなくなる虞がある。その結果、合わせずれによる特性のばらつきが大きくなる虞がある。
これに対して本変形例では、図104に示したように、第2基板200側のトランジスタのゲート高さを低くした。これにより、貫通配線のアスペクト比を小さくすることができ、歩留まりを改善することが可能となる。また、貫通配線の低抵抗化を実現することが可能となる。更に、第1基板100側のトランジスタ(例えば、転送トランジスタTR)におけるイオン注入のゲート突き抜けを抑制することができるようになり、セルフアラインでパターニングできるようになる。よって、特性のばらつきを低減することが可能となる。
なお、本変形例では、プレーナー型の転送トランジスタTRを例に示したが、転送トランジスタTRは、例えば図21Fに示したように縦型トランジスタ構成されていてもよい。また、本変形例では、第2基板200側のトランジスタがプレーナー型のトランジスタである例を示したが、第2基板200側のトランジスタはフィン型等の3次元構造であってもよい。
<19.変形例18>
図105は、上記実施の形態に係る撮像装置1の第1基板100および第2基板200の要部の断面構成の一変形例を表したものである。本変形例では、貫通電極120E,121Eと、接続部219Vとが、第1配線層W1と異なる高さで接続されている点が、上記実施の形態で説明した撮像装置1と異なっている。
図105に示した構造は、例えば以下のようにして製造することができる。
まず、上記実施の形態と同様にして層間絶縁膜222まで成膜した後、図106Aに示したように、ドライエッチングにより、層間絶縁膜222、パッシベーション膜221、接合膜124、層間絶縁膜123を貫通する接続孔120H,121Hを形成する。続いて、図106Bに示したように、接続孔120H,121Hに導電材料を埋め込み、貫通電極120E,121Eを形成する。
次に、図106Cに示したように、CMPにより、層間絶縁膜222上に設けられた導電膜を除去すると共に、層間絶縁膜222の表面を平坦化する。続いて、図106Dに示したように、層間絶縁膜222上に、例えば酸化シリコン(SiO)または窒化シリコン(SiN)からなる絶縁膜223を成膜した後、図106Eに示したように、絶縁膜223および層間絶縁膜222を貫通する接続孔218H,219Hを形成する。次に、図106Fに示したように、接続孔218H,219Hに導電材料を埋め込み、接続部218V,219Vを形成する。
続いて、図106Gに示したように、CMPにより、絶縁膜223上に設けられた導電膜を除去すると共に、絶縁膜223の表面を平坦化する。次に、図106Hに示したように、貫通電極120E,121Eに対応する位置に開口223Hを形成し、貫通電極120E,121Eを露出させる。その後、上記実施の形態と同様にして第1配線層W1を成膜する。これにより、図105に示した撮像装置1が完成する。
図107は、上記実施の形態に係る撮像装置1の第1基板100および第2基板200の要部の断面構成の一変形例を表したものである。図105では貫通電極120E,121Eの上面が接続部219Vの上面よりも低い位置に形成されている例を示したが、接続部219Vの上面を貫通電極120E,121Eの上面よりも低い位置に形成することもできる。
例えば、上記実施の形態と同様にして層間絶縁膜222まで成膜した後、図108Aに示したように、ドライエッチングにより、層間絶縁膜222を貫通する接続孔218H,219Hを形成する。続いて、図108Bに示したように、接続孔218H,219Hに導電材料を埋め込み、接続部218V,219Vを形成する。
次に、図108Cに示したように、CMPにより、層間絶縁膜222上に設けられた導電膜を除去すると共に、層間絶縁膜222の表面を平坦化する。続いて、図108Dに示したように、層間絶縁膜222上に絶縁膜223を成膜した後、図108Eに示したように、ドライエッチングにより、層間絶縁膜222、パッシベーション膜221、接合膜124、層間絶縁膜123を貫通する接続孔120H,121Hを形成する。次に、図108Fに示したように、接続孔120H,121Hに導電材料を埋め込み、貫通電極120E,121Eを形成する。
続いて、図108Gに示したように、CMPにより、絶縁膜223上に設けられた導電膜を除去すると共に、絶縁膜223の表面を平坦化する。次に、図108Hに示したように、接続部218V,219Vに対応する位置に開口223Hを形成し、接続部218V,219Vを露出させる。その後、上記実施の形態と同様にして第1配線層W1を成膜する。これにより、図107に示した撮像装置1が完成する。
以上、貫通電極120E,121Eおよび接続部219Vの上面高さが互いに異なる例を示したが、例えば、図109Aに示したように、例えば、図108Fに示したように接続孔218H,219Hに導電材料を埋め込んだ後、CMPにより、層間絶縁膜222上に設けられ導電膜および絶縁膜223を除去することにより、図109Bに示したように、貫通電極120E,121Eおよび接続部219Vの上面が同一面となる撮像装置1を形成することができる。
上記実施の形態では、第1基板100と第2基板200とを電気的に接続する貫通配線(例えば、貫通電極120E,121E)と、第2基板200においてゲートと接続される配線(例えば、接続部219V)とを同一の工程で形成している。しかしながら、貫通電極120E,121Eと、接続部219Vとでは、アスペクト比が大きく異なるため、物理気相成長(PVD)法を用いてバリアメタルの成膜をそれぞれの接続孔(例えば接続孔120H,121H,219H)で同時に行うと、アスペクト比の大きな接続孔120H,121Hの底部のバリアメタルは薄く、アスペクト比の小さな接続孔219Hの底部のバリアメタルが厚くなってしまう。これにより、コンタクト不良やメタル膜のボルケーノが発生しやすくなる虞がある。
これに対して、本変形例では、アスペクト比が大きく異なる貫通電極120E,121Eと、接続部219Vとを別工程で形成するようにした。これにより、それぞれ最適な条件でバリアメタルを成膜することが可能となる。具体的には、接続部219Vの底部に形成されるバリアメタルの厚みを30nm以下に削減することができる。また、貫通電極120E,121Eの底部に形成されるバリアメタルの厚みを10nm以上に成膜することが可能となる。よって、製造歩留まりおよび信頼性を向上させることが可能となる。
<20.変形例19>
本変形例では、第2基板200における画素トランジスタ(増幅トランジスタAMP、選択トランジスタSEL、リセットトランジスタRSTおよびFD変換ゲイン切替トランジスタFDG)の具体的なレイアウト例を説明する。
例えば、画素トランジスタは、図110に示したように、増幅トランジスタAMPをフィン型等の3次元構造で構成し、選択トランジスタSEL、リセットトランジスタRSTおよびFD変換ゲイン切替トランジスタFDGをプレーナー構造で構成してもよい。
例えば、画素トランジスタは、図111に示したように、増幅トランジスタAMPおよび選択トランジスタをフィン型等の3次元構造で構成し、リセットトランジスタRSTおよびFD変換ゲイン切替トランジスタFDGをプレーナー構造で構成してもよい。また、フィン構造は、図110に示したような1フィン構造ではなく、2フィン構造としてもよい。
例えば、画素トランジスタは、図112に示したように、増幅トランジスタAMP、選択トランジスタ、リセットトランジスタRSTおよびFD変換ゲイン切替トランジスタFDGの全てをフィン型等の3次元構造で構成してもよい。
例えば、画素トランジスタは、図113に示したように、増幅トランジスタAMP、選択トランジスタ、リセットトランジスタRSTおよびFD変換ゲイン切替トランジスタFDGを、互いに独立した半導体層200Sに設けるようにしてもよい。
図114は、図1に示した、互いに直列接続された増幅トランジスタAMPと選択トランジスタSELとが平面構成(A)および図114(A)に示したA-A’線における断面構成(B)を模式的に表したものである。
このように、第2基板200に設けられる画素トランジスタを3次元構造とすることにより、フットプリント当たりの特性を向上させることができる。例えば、図111に示したように、選択トランジスタSELを3次元構造とした場合には、選択トランジスタSELのダイナミックレンジを拡大することができる。
更に、選択トランジスタSELのシリコンチャネルにドーパントとしてイオンを注入し、イオン注入領域を形成することにより、選択トランジスタSELの閾値電圧Vthを制御することが可能となる。例えば、フィン形状のシリコンチャネルの選択トランジスタSEL部分にドーパントとしてホウ素(B)を注入することにより、イオン注入領域をp型の半導体とすることができる。つまり、選択トランジスタSELの閾値電圧Vthを、ドーパントを注入しない場合よりも高くすることができる。また、例えば、フィン形状のシリコンチャネルの選択トランジスタSELの部分にドーパントとしてリン(P)を注入することにより、イオン注入領域をn型の半導体とすることができる。つまり、選択トランジスタSELの閾値電圧Vthを、ドーパントを注入しない場合よりも低くすることができる。
なお、フィン型のトランジスタ(例えば、増幅トランジスタAMP)およびプレーナー構造のトランジスタ(例えば、選択トランジスタSEL)の拡散層の深さはそれぞれ異なっていてもよい。その場合には、フィン型のトランジスタの拡散層は、プレーナー構造のトランジスタよりも深く形成される。
なお、ホウ素(B)やリン(P)は、熱拡散係数が比較的大きく、比較的熱拡散しやすい。このような熱拡散しやすいドーパントを用いると、そのドーパントがその後の熱処理により選択トランジスタSELの領域から増幅トランジスタAMPの領域に拡散し、増幅トランジスタAMPの閾値電圧Vthの制御性が悪化したり、MOS界面電子密度の増大による1/fノイズの増大を招く虞があり、これにより、撮像画像の画質が低下する虞がある。
そこで、選択トランジスタSELのシリコンチャネルには、例えばホウ素(B)よりも熱拡散係数の小さなイオンを注入することが好ましい。これにより、ドーパントとしてホウ素(B)を用いた場合と比較して、選択トランジスタSELのシリコンチャネルに形成されたイオン注入領域の拡大を抑制することが可能となる。つまり、撮像画像の画質の低下を低減することが可能となる。
また、選択トランジスタSELのシリコンチャネルには、例えばリン(P)よりも熱拡散係数の小さなイオンを注入することが好ましい。例えば、ドーパントとしてヒ素(As)やアンチモン(Sb)を注入するようにしてもよい。これにより、ドーパントとしてリン(P)を用いた場合と比較して、選択トランジスタSELのシリコンチャネルに形成されたイオン注入領域の拡大を抑制することが可能となる。従って、増幅トランジスタAMPの閾値電圧Vthの制御性の悪化や、MOS界面電子密度の増大による1/fノイズの増大を抑制することができる。加えて、選択トランジスタSELの変調度や飽和電荷量を向上させることができる。つまり、撮像画像の画質の低下を低減することが可能となる。
更に、選択トランジスタSELのシリコンチャネルに、例えばホウ素(B)やリン(P)よりも熱拡散係数の小さなイオンを注入することにより、増幅トランジスタAMPと選択トランジスタSELとの間に求められる距離を削減することができる。よって、画素サイズの増大を抑制することができる。
なお、選択トランジスタSELのシリコンチャネルにドーパントを注入する代わりに、ゲートの仕事関数を制御するようにしてもよい。つまり、選択トランジスタSELのゲートや増幅トランジスタAMPのゲートとして適用する材料を選択することにより、選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMPの閾値電圧Vthを制御することができる。
例えば、選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMPのゲートを、それぞれ、仕事関数がより小さな材料を用いて形成することにより、選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMPの閾値電圧Vthを高くすることができる。これにより、選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMPのオフ特性を向上させることができる。つまり、撮像画像の画質の低下を低減することが可能となる。
例えば、選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMPのゲートを、それぞれ、仕事関数がより大きな材料を用いて形成することにより、選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMPの閾値電圧Vthを低くすることができる。これにより、選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMPの変調度や飽和電荷量を向上させることができる。つまり、撮像画像の画質の低下を低減することが可能となる。
このように、ゲートを所定の仕事関数を有する材料を用いた選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMPでは、ドーパントの注入は不要となる。従って、増幅トランジスタAMPと選択トランジスタSELとの間に求められる距離を削減することができる。よって、画素サイズの増大を抑制することができる。
なお、選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMPのゲートには、仕事関数が互いに異なる材料を用いるようにしてもよい。例えば、選択トランジスタSELのゲート材料としてタングステン(W)、ルテニウム(Ru)またはロジウム(Rh)を用い、増幅トランジスタAMPのゲート材料をn型半導体とすることにより、選択トランジスタSELの閾値電圧Vthを、増幅トランジスタAMPの閾値電圧Vthよりも高くすることができる。また、選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMPのゲートには、例えば親族とシリコンの化合物(シリサイド)を用いるようにしてもよい。
更にまた、半導体層200Sは、例えば、45°ノッチ基板を用いることが好ましい。これにより、増幅トランジスタAMPのFinFET側壁が(100)面となるため、界面準位が減り、ノイズの発生を低減することが可能となる。
<21.変形例20>
図115、図123、図125、図127、図129は、上記変形例5において説明したトランジスタTr1および保護素子PEの他の例を表したものである。変形例5では、保護素子PEとしてpn接合を有するダイオードを用いた例を示したが、これに限らない。保護素子PEは、例えば、Gated Diode型の保護素子(図115)、ダミーアンテナを利用したトランジスタ型の保護素子(図123)、PMOS型の保護素子(図125)、逆方向ダイオードを含むPMOS型の保護素子(図127)およびさらにNMOSトランジスタを追加したPMOS型の保護素子(図129)を用いることができる。
図116は、図115に示したトランジスタTr1およびGated Diode型の保護素子PEの平面構成の一例を表したものである。図117は、図115に示したトランジスタTr1と保護素子PEとの関係の一例を表した回路図である。保護素子PEは、ドレインにアンテナ配線WHが接続されており、ゲートおよびソースがウェル領域211に接続されている。
このように、Gated Diode型の保護素子PEを半導体層200Sに設けることにより、プラズマプロセス中に、保護素子PEのゲートとドレインとのオーバーラップ部分での電位が抑えられる。これにより、バンド間トンネル電流による半導体層200Sへの大きなリーク電流が流れるようになり、これが保護電流となる。よって、保護素子PEとして逆方向ダイオードを用いた場合と比較して、より高い保護機能を得ることが可能となる。更に、保護素子PEのソースを接地することにより、Ioffも保護することが可能となる。
図118~図122は、図115に示したトランジスタTr1およびGated Diode型の保護素子PEの他の例を表したものである。
半導体層200Sのp型半導体領域207は、例えば、接続部207V、接続配線WL1および貫通電極107Eを介して半導体層100Sのp型半導体領域107(例えば、図6のVSSコンタクト領域118)に電気的に接続されていてもよい(図118)。これにより、保護素子PEが導通されたとき、トランジシタTr1のゲート電極208の電位は、半導体層200Sの電位および半導体層100Sの電位と略同電位となる。したがって、トランジシタTr1へのPIDが抑えられる。
トランジシタTr1が設けられた半導体層200Sと、保護素子PEが設けられた半導体層200Sとは、絶縁領域212により分断されていてもよい(図119)。例えば、このとき、トランジシタTr1が設けられた半導体層200Sのp型半導体領域207は、接続配線WL1を介して半導体層100Sのp型半導体領域107に接続され、保護素子PEが設けられた半導体層200Sのp型半導体領域207は、接続配線WL2を介して半導体層100Sのp型半導体領域107に接続されている。これにより、保護素子PEが導通されたとき、トランジシタTr1のゲート電極208の電位は、トランジシタTr1が設けられた半導体層200Sの電位、保護素子PEが設けられた半導体層200Sの電位、および半導体層100Sの電位と略同電位となる。したがって、トランジシタTr1へのPIDが抑えられる。
トランジシタTr1が設けられた半導体層200Sのp型半導体領域207と、保護素子PEが設けられた半導体層200Sのp型半導体領域207とを接続配線WLにより電気的に接続するようにしてもよい(図120)。このときも、図118で説明したのと同様に、トランジシタTr1へのPIDが抑えられる。
保護素子PEによって保護されるトランジスタTr1は、第1基板100に設けられていてもよい(図121)。保護素子PEのn型半導体領域214と、トランジスタTr1のゲート電極208とは、例えば、接続部214V、アンテナ配線WHおよび貫通電極208Eを介して電気的に接続されている。これにより、保護素子PEが導通されたとき、トランジスタTr1のウェル領域(pウェル層115)とゲート電極208との電位差が小さくなり、トランジシタTr1へのPIDが抑えられる。あるいは、保護素子PEが第1基板100に設けられていてもよい(図122)。保護素子PEのn型半導体領域214と、トランジスタTr1のゲート電極208とは、例えば、貫通電極214E、アンテナ配線WHおよび貫通電極208Vを介して電気的に接続されている。これにより、保護素子PEが導通されたとき、トランジスタTr1のゲート電極208と半導体層100Sのウェル領域(pウェル層115)との電位が共通となり、トランジシタTr1へのPIDが抑えられる。
図124は、図123に示したトランジスタT1およびダミーアンテナを利用したトランジスタ型の保護素子PEとの関係の一例を表した回路図である。保護素子PEは、トランジスタTr1のゲート電極208と接続されたドレインと、接地されたソースとを有している。また、保護素子PEは、ドレインにアンテナ配線WH1が接続されており、ゲートにダミーアンテナとなるアンテナ配線WH2が接続されている。
このように、ダミーアンテナを利用したトランジスタ型の保護素子PEを用いることにより、PIDチャージによりトランジスタTr1のゲート電極208にチャージが蓄積するよりも先に保護素子PEをオンさせることが可能となる。これにより、保護素子PEのゲートには、ダミーアンテナ(アンテナ配線WH2)を介して流入するPIDチャージの電流が流れることで保護素子PEがオンされ、そのオン電流により、アンテナ配線WH2を介して龍有するPIDチャージを逃がすことが可能となる。
なお、トランジスタTr1およびダミーアンテナ(アンテナ配線WH2)を利用したトランジスタ型の保護素子PEは、上記図118~図122に示した構造もとり得る。
図126は、図125に示したトランジスタT1およびPMOS型の保護素子PEとの関係の一例を表した回路図である。保護素子PEは、少なくとも1つのPMOS型のトランジスタTr2を有している。トランジスタTr2のp型半導体領域245はトランジスタTr1のゲート電極208と電気的に接続されており、トランジスタTr2のp型半導体領域246は、接地電位に接続されている。トランジスタTr2のゲートおよびウェル248には、電源線が別に設けられている。
このように、PMOS型の保護素子PEを用いることにより、プラズマ起因のダメージを受けた際に、トランジスタTr2のp型半導体領域246、ゲートおよびウェル248の電圧が相対的に低下する。これにより、トランジスタTr2はフォワードバイアスモードにより動作するようになる。
なお、トランジスタTr1およびPMOS型の保護素子PEは、上記図118~図122に示した構造もとり得る。
また、PMOS型の保護素子PEには、図127および図128に示したように、逆方向ダイオードを追加してもよい。逆方向ダイオードを追加することにより、トランジスタTr2のゲートの電位を固定することができ、保護素子PEとしての動作をより安定化することが可能となる。
更に、PMOS型の保護素子PEには、図129および図130に示したように、NMOS型のトランジスタTr3をさらに追加してもよい。トランジスタTr3は、ソースまたはドレインの一方(例えば、n型半導体領域219)がトランジスタTr1のゲート電極208と電気的に接続されている。また、トランジスタTr3のゲートおよびウェルには、電源線が別に設けられている。
このように、保護素子PEとしてNMOS型のトランジスタTr3をさらに追加することにより、半導体層200Sの加工段階において、プラズマ起因のダメージとして正電荷を受けた際に、NMOS型のトランジスタのGID(Gate-Induced-Drain Leakage current)により保護することが可能となる。また、プラズマ起因のダメージとして負電荷を受けた際には、NMOS型のトランジスタTr3がフォワードバイアスモードにより動作するようになり、電荷を逃がすことが可能となる。
更にまた、図129および図130に示したトランジスタT1および逆方向ダイオードおよびNMOS型のトランジスタを追加したPMOS型の保護素子PEは、図131および図132に示した構造もとり得る。具体的には、トランジスタTr1と保護素子PEを、絶縁領域212により分断された互いに独立した半導体層200Sに設けるようにしてもよい。保護素子PEを構成するトランジスタTr2およびトランジスタTr2のそれぞれのウェルには、それぞれの電位を調整する回路を設けることが好ましい。これにより、保護素子PEとしての動作をより安定化することが可能となる。
<22.変形例21>
上記実施の形態では、複数のセンサ画素の各々に、フローティングディフュージョンFDに電気的に接続する配線(すなわち、フローティングディフュージョン用コンタクト)と、ウェル層WEに電気的に接続する配線(すなわち、ウェル用コンタクト)とがそれぞれ1つずつ配置される構造を説明した。しかしながら、本開示の実施形態はこれに限定されない。本開示の実施形態では、複数のセンサ画素ごとに、1つのフローティングディフュージョン用コンタクトが配置されていてもよい。例えば、互いに隣り合う4つのセンサ画素が、1つのフローティングディフュージョン用コンタクトを共有していてもよい。同様に、複数のセンサ画素ごとに、1つのウェル用コンタクトが配置されていてもよい。例えば、互いに隣り合う4つのセンサ画素が、1つのウェル用コンタクトを共有していてもよい。
図133から図135は、本開示の変形例21に係る撮像装置1Aの構成例を示す厚さ方向の断面図である。図136から図138は、本開示の変形例21に係る複数の画素ユニットPUのレイアウト例を示す水平方向の断面図である。なお、図133から図135に示す断面図は、あくまで模式図であり、実際の構造を厳密に正しく示すことを目的とした図ではない。図133から図135に示す断面図は、撮像装置1Aの構成を紙面でわかり易く説明するために、位置sec1からsec3で、トランジスタや不純物拡散層の水平方向における位置を意図的に変えて示している。
具体的には、図133に示す撮像装置1Aの画素ユニットPUにおいて、位置sec1における断面は図136をA1-A1’線で切断した断面であり、位置sec2における断面は図137をB1-B1’線で切断した断面であり、位置sec3における断面は図138をC1-C1’線で切断した断面である。同様に、図134に示す撮像装置1Aにおいて、位置sec1における断面は図136をA2-A2’線で切断した断面であり、位置sec2における断面は図137をB2-B2’線で切断した断面であり、位置sec3における断面は図138をC2-C2’線で切断した断面である。図135に示す撮像装置1Aにおいて、位置sec1における断面は図136をA3-A3’線で切断した断面であり、位置sec2における断面は図137をB3-B3’線で切断した断面であり、位置sec3における断面は図138をC3-C3’線で切断した断面である。
図134及び図138に示すように、撮像装置1Aは、複数のセンサ画素1012に跨るように配置された共通パッド電極1102と、共通パッド電極1102上に設けられた1つの配線L1002と、を共有する。例えば、撮像装置1Aには、平面視で、4つのセンサ画素1012の各フローティングディフュージョンFD1からFD4が素子分離層1016を介して互いに隣り合う領域が存在する。この領域に共通パッド電極1102が設けられている。共通パッド電極1102は、4つのフローティングディフュージョンFD1からFD4に跨るように配置されており、4つのフローティングディフュージョンFD1からFD4とそれぞれ電気的に接続している。共通パッド電極1102は、例えば、n型不純物又はp型不純物がドープされたポリシリコン膜で構成されている。
共通パッド電極1102の中心部上に1つの配線L1002(すなわち、フローティングディフュージョン用コンタクト)が設けられている。図134、図136から図138に示すように、共通パッド電極1102の中心部上に設けられた配線L1002は、第1基板部1010から、第2基板部1020の下側基板1210を貫いて第2基板部1020の上側基板1220まで延設されており、上側基板1220に設けられた配線等を介して、増幅トランジスタAMPのゲート電極AGに接続している。
また、図133及び図138に示すように、撮像装置1Aは、複数のセンサ画素1012に跨るように配置された共通パッド電極1110と、共通パッド電極1110上に設けられた1つの配線L1010と、を共有する。例えば、撮像装置1Aには、平面視で、4つのセンサ画素1012の各ウェル層WEが素子分離層1016を介して互いに隣り合う領域が存在する。この領域に共通パッド電極1110が設けられている。共通パッド電極1110は、4つのセンサ画素1012の各ウェル層WEに跨るように配置されており、4つのセンサ画素1012の各ウェル層WEとそれぞれ電気的に接続している。一例を挙げると、共通パッド電極1110は、Y軸方向に並ぶ一の共通パッド電極1102と他の共通パッド電極1102との間に配置されている。Y軸方向において、共通パッド電極1102、1110は交互に並んで配置されている。共通パッド電極1110は、例えば、n型不純物又はp型不純物がドープされたポリシリコン膜で構成されている。
共通パッド電極1110の中心部上に1つの配線L1010(すなわち、ウェル用コンタクト)が設けられている。図133、図135から図138に示すように、共通パッド電極1110の中心部上に設けられた配線L1010は、第1基板部1010から、第2基板部1020の下側基板1210を貫いて第2基板部1020の上側基板1220まで延設されており、上側基板1220に設けられた配線等を介して、基準電位(例えば、接地電位:0V)を供給する基準電位線に接続している。
共通パッド電極1110の中心部上に設けられた配線L1010は、共通パッド電極1110の上面と、下側基板1210に設けられた貫通孔の内側面と、上側基板1220に設けられた貫通孔の内側面とに、それぞれ電気的に接続している。これにより、第1基板部1010の半導体基板1011のウェル層WEと、第2基板部1020の下側基板1210のウェル層及び上側基板1220のウェル層は、基準電位(例えば、接地電位:0V)に接続される。
本開示の変形例21に係る撮像装置1Aは、実施の形態に係る撮像装置1と同様の効果を奏する。また、撮像装置1Aは、第1基板部1010を構成する半導体基板1011のおもて面11a側に設けられ、互いに隣り合う複数(例えば、4つ)のセンサ画素1012に跨るように配置された共通パッド電極1102、1110、をさらに備える。共通パッド電極1102は、4つのセンサ画素1012のフローティングディフュージョンFDと電気的に接続している。共通パッド電極1110は、4つのセンサ画素1012のウェル層WEと電気的に接続している。これによれば、4つのセンサ画素1012ごとに、フローティングディフュージョンFDに接続する配線L1002を共通化することができる。4つのセンサ画素1012ごとに、ウェル層WEに接続する配線L1010を共通化することができる。これにより、配線L1002、L1010の本数を低減することができるので、センサ画素1012の面積低減が可能であり、撮像装置1Aの小型化が可能である。
<23.適用例>
図140は、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置1を備えた撮像システム7の概略構成の一例を表したものである。
撮像システム7は、例えば、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置や、スマートフォンやタブレット型端末等の携帯端末装置などの電子機器である。撮像システム7は、例えば、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置1、DSP回路1243、フレームメモリ1244、表示部1245、記憶部1246、操作部1247および電源部1248を備えている。撮像システム7において、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置1、DSP回路1243、フレームメモリ1244、表示部1245、記憶部1246、操作部1247および電源部1248は、バスライン1249を介して相互に接続されている。
上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置1は、入射光に応じた画像データを出力する。DSP回路1243は、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置1から出力される信号(画像データ)を処理する信号処理回路である。フレームメモリ1244は、DSP回路1243により処理された画像データを、フレーム単位で一時的に保持する。表示部1245は、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル等のパネル型表示装置からなり、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置1で撮像された動画又は静止画を表示する。記憶部1246は、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置1で撮像された動画又は静止画の画像データを、半導体メモリやハードディスク等の記録媒体に記録する。操作部1247は、ユーザによる操作に従い、撮像システム7が有する各種の機能についての操作指令を発する。電源部1248は、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置1、DSP回路1243、フレームメモリ1244、表示部1245、記憶部1246および操作部1247の動作電源となる各種の電源を、これら供給対象に対して適宜供給する。
次に、撮像システム7における撮像手順について説明する。
図141は、撮像システム7における撮像動作のフローチャートの一例を表す。ユーザは、操作部1247を操作することにより撮像開始を指示する(ステップS101)。すると、操作部1247は、撮像指令を撮像装置1に送信する(ステップS102)。撮像装置1(具体的にはシステム制御回路36)は、撮像指令を受けると、所定の撮像方式での撮像を実行する(ステップS103)。
撮像装置1は、撮像により得られた画像データをDSP回路1243に出力する。ここで、画像データとは、フローティングディフュージョンFDに一時的に保持された電荷に基づいて生成された画素信号の全画素分のデータである。DSP回路1243は、撮像装置1から入力された画像データに基づいて所定の信号処理(例えばノイズ低減処理など)を行う(ステップS104)。DSP回路1243は、所定の信号処理がなされた画像データをフレームメモリ1244に保持させ、フレームメモリ1244は、画像データを記憶部1246に記憶させる(ステップS105)。このようにして、撮像システム7における撮像が行われる。
本適用例では、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置1が撮像システム7に適用される。これにより、撮像装置1を小型化もしくは高精細化することができるので、小型もしくは高精細な撮像システム7を提供することができる。
<24.応用例>
[応用例1]
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
図142は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図142に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図142の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
図143は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
図143では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
なお、図143には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
以上、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031に適用され得る。具体的には、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置1は、撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、ノイズの少ない高精細な撮影画像を得ることができるので、移動体制御システムにおいて撮影画像を利用した高精度な制御を行うことができる。
[応用例2]
図144は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
図144では、術者(医師)11131が、内視鏡手術システム11000を用いて、患者ベッド11133上の患者11132に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム11000は、内視鏡11100と、気腹チューブ11111やエネルギー処置具11112等の、その他の術具11110と、内視鏡11100を支持する支持アーム装置11120と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート11200と、から構成される。
内視鏡11100は、先端から所定の長さの領域が患者11132の体腔内に挿入される鏡筒11101と、鏡筒11101の基端に接続されるカメラヘッド11102と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒11101を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡11100を図示しているが、内視鏡11100は、軟性の鏡筒を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
鏡筒11101の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡11100には光源装置11203が接続されており、当該光源装置11203によって生成された光が、鏡筒11101の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者11132の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡11100は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
カメラヘッド11102の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU: Camera Control Unit)11201に送信される。
CCU11201は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡11100及び表示装置11202の動作を統括的に制御する。さらに、CCU11201は、カメラヘッド11102から画像信号を受け取り、その画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。
表示装置11202は、CCU11201からの制御により、当該CCU11201によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。
光源装置11203は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源から構成され、術部等を撮影する際の照射光を内視鏡11100に供給する。
入力装置11204は、内視鏡手術システム11000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置11204を介して、内視鏡手術システム11000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、内視鏡11100による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示等を入力する。
処置具制御装置11205は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具11112の駆動を制御する。気腹装置11206は、内視鏡11100による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者11132の体腔を膨らめるために、気腹チューブ11111を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ11207は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ11208は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
なお、内視鏡11100に術部を撮影する際の照射光を供給する光源装置11203は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成することができる。RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置11203において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
また、光源装置11203は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
また、光源装置11203は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察すること(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得ること等を行うことができる。光源装置11203は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
図145は、図144に示すカメラヘッド11102及びCCU11201の機能構成の一例を示すブロック図である。
カメラヘッド11102は、レンズユニット11401と、撮像部11402と、駆動部11403と、通信部11404と、カメラヘッド制御部11405と、を有する。CCU11201は、通信部11411と、画像処理部11412と、制御部11413と、を有する。カメラヘッド11102とCCU11201とは、伝送ケーブル11400によって互いに通信可能に接続されている。
レンズユニット11401は、鏡筒11101との接続部に設けられる光学系である。鏡筒11101の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド11102まで導光され、当該レンズユニット11401に入射する。レンズユニット11401は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。
撮像部11402は、撮像素子で構成される。撮像部11402を構成する撮像素子は、1つ(いわゆる単板式)であってもよいし、複数(いわゆる多板式)であってもよい。撮像部11402が多板式で構成される場合には、例えば各撮像素子によってRGBそれぞれに対応する画像信号が生成され、それらが合成されることによりカラー画像が得られてもよい。あるいは、撮像部11402は、3D(Dimensional)表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成されてもよい。3D表示が行われることにより、術者11131は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部11402が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット11401も複数系統設けられ得る。
また、撮像部11402は、必ずしもカメラヘッド11102に設けられなくてもよい。例えば、撮像部11402は、鏡筒11101の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
駆動部11403は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部11405からの制御により、レンズユニット11401のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部11402による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
通信部11404は、CCU11201との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11404は、撮像部11402から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル11400を介してCCU11201に送信する。
また、通信部11404は、CCU11201から、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を受信し、カメラヘッド制御部11405に供給する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、ユーザによって適宜指定されてもよいし、取得された画像信号に基づいてCCU11201の制御部11413によって自動的に設定されてもよい。後者の場合には、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡11100に搭載されていることになる。
カメラヘッド制御部11405は、通信部11404を介して受信したCCU11201からの制御信号に基づいて、カメラヘッド11102の駆動を制御する。
通信部11411は、カメラヘッド11102との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11411は、カメラヘッド11102から、伝送ケーブル11400を介して送信される画像信号を受信する。
また、通信部11411は、カメラヘッド11102に対して、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を送信する。画像信号や制御信号は、電気通信や光通信等によって送信することができる。
画像処理部11412は、カメラヘッド11102から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。
制御部11413は、内視鏡11100による術部等の撮像、及び、術部等の撮像により得られる撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部11413は、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を生成する。
また、制御部11413は、画像処理部11412によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部等が映った撮像画像を表示装置11202に表示させる。この際、制御部11413は、各種の画像認識技術を用いて撮像画像内における各種の物体を認識してもよい。例えば、制御部11413は、撮像画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具11112の使用時のミスト等を認識することができる。制御部11413は、表示装置11202に撮像画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させてもよい。手術支援情報が重畳表示され、術者11131に提示されることにより、術者11131の負担を軽減することや、術者11131が確実に手術を進めることが可能になる。
カメラヘッド11102及びCCU11201を接続する伝送ケーブル11400は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
ここで、図示する例では、伝送ケーブル11400を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド11102とCCU11201との間の通信は無線で行われてもよい。
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、内視鏡11100のカメラヘッド11102に設けられた撮像部11402に好適に適用され得る。撮像部11402に本開示に係る技術を適用することにより、撮像部11402を小型化もしくは高精細化することができるので、小型もしくは高精細な内視鏡11100を提供することができる。
以上、実施の形態およびその変形例、適用例ならびに応用例を挙げて本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。なお、本明細書中に記載された効果は、あくまで例示である。本開示の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されるものではない。本開示が、本明細書中に記載された効果以外の効果を持っていてもよい。
また、例えば、本開示は以下のような構成を取ることができる。以下の構成を有する固体撮像装置では、光電変換部が設けられた第1半導体層と、画素トランジスタが設けられた第2半導体層とを積層して設けるようにしたので、光電変換部と画素トランジスタとを各々、より自由に設計することができる。よって、より設計の自由度を高めることが可能となる。
(1)
画素毎に、光電変換部および前記光電変換部で発生した信号電荷が蓄積される電荷蓄積部を有する第1半導体層と、
前記第1半導体層に設けられ、複数の前記画素を互いに仕切る画素分離部と、
前記電荷蓄積部の前記信号電荷を読み出す画素トランジスタが設けられるとともに、前記第1半導体層に積層された第2半導体層と、
前記第2半導体層と前記第1半導体層との間に設けられ、かつ、前記画素分離部を跨いで設けられるとともに複数の前記電荷蓄積部に電気的に接続された第1共有接続部と、
前記第1半導体層に対向するゲート電極を有するとともに、前記光電変換部の前記信号電荷を前記電荷蓄積部に転送する転送トランジスタと、
前記転送トランジスタのゲートと電気的に接続された第3貫通電極とを備え、
前記第1共有接続部によって電気的に接続される複数の前記電荷蓄積部をそれぞれ有する前記複数の画素のそれぞれに設けられた前記第3貫通電極は、平面視において、互いに非対称に配置されている
固体撮像装置。
(2)
更に、前記第1半導体層と前記第1共有接続部が設けられた第1配線層とを含む第1基板と、
前記第2半導体層と前記第2半導体層を間にして前記第1基板に対向する第2配線層とを含む第2基板と、
前記第2基板を間にして前記第1基板に対向するとともに、前記第2半導体層に電気的に接続された回路を含む第3基板とを含む
前記(1)に記載の固体撮像装置。
(3)
更に、前記第1共有接続部と前記画素トランジスタとを電気的に接続し、かつ、前記第1基板および前記第2基板に設けられた第1貫通電極を有する
前記(2)に記載の固体撮像装置。
(4)
更に、前記第1半導体層に前記画素毎に設けられるとともに、前記電荷蓄積部と離間して配置され、前記第1半導体層に基準電位を供給する不純物拡散領域と、
前記第1配線層に設けられ、かつ、前記画素分離部を跨いで設けられるとともに複数の前記不純物拡散領域に電気的に接続された第2共有接続部と、
前記第2共有接続部と前記第2半導体層の所定の領域とを電気的に接続し、かつ、前記第1基板および前記第2基板に設けられた第2貫通電極とを有する
前記(2)または(3)に記載の固体撮像装置。
(5)
前記第1共有接続部はポリシリコンを含む
前記(1)ないし(4)のうちいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(6)
前記電荷蓄積部はヒ素を含む
前記(1)ないし(5)のうちいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(7)
前記第2半導体層に前記画素トランジスタと電気的に接続される不純物領域がさらに設けられている
前記(4)ないし(6)のうちいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(8)
前記第1共有接続部はポリシリコンを含むとともに一部が合金化された合金領域を有し、前記合金領域には前記第1貫通電極が接続されている
前記(3)ないし(7)のうちいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(9)
前記第1共有接続部は、前記第1半導体層に埋め込み形成されている
前記(1)ないし(8)のうちいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(10)
前記転送トランジスタと前記画素トランジスタとは、互いに異なる形状を有している
前記(1)ないし(9)のうちいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(11)
前記転送トランジスタおよび前記画素トランジスタのゲート電極は、それぞれ、互いに異なる幅を有するサイドウォールによって覆われている
前記(10)に記載の固体撮像装置。
(12)
前記転送トランジスタおよび前記画素トランジスタのゲート電極は、互いに異なる高さを有する
前記(10)または(11)に記載の固体撮像装置。
(13)
前記第2半導体層は、前記画素トランジスタとして、増幅トランジスタ、選択トランジスタ、リセットトランジスタおよびFD変換ゲイン切替トランジスタを有し、
前記増幅トランジスタ、前記選択トランジスタ、前記リセットトランジスタおよび前記FD変換ゲイン切替トランジスタは、それぞれ、プレーナー構造または3次元構造を有している
前記(1)ないし(12)のうちいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(14)
画素毎に、光電変換部および前記光電変換部で発生した信号電荷が蓄積される電荷蓄積部を有する第1半導体層と、
前記第1半導体層に設けられ、複数の前記画素を互いに仕切る画素分離部と、
前記電荷蓄積部の前記信号電荷を読み出す画素トランジスタが設けられるとともに、前記第1半導体層に積層された第2半導体層と、
前記第2半導体層と前記第1半導体層との間に設けられ、かつ、前記画素分離部を跨いで設けられるとともに複数の前記電荷蓄積部に電気的に接続された第1共有接続部とを備え、
前記第1共有接続部は、前記第1半導体層に埋め込み形成されている
固体撮像装置。
(15)
更に、前記第1半導体層と前記第1共有接続部が設けられた第1配線層とを含む第1基板と、
前記第2半導体層と前記第2半導体層を間にして前記第1基板に対向する第2配線層とを含む第2基板と、
前記第2基板を間にして前記第1基板に対向するとともに、前記第2半導体層に電気的に接続された回路を含む第3基板とを含む
前記(14)に記載の固体撮像装置。
(16)
更に、前記第1共有接続部と前記画素トランジスタとを電気的に接続し、かつ、前記第1基板および前記第2基板に設けられた第1貫通電極を有する
前記(15)に記載の固体撮像装置。
(17)
更に、前記第1半導体層に前記画素毎に設けられるとともに、前記電荷蓄積部と離間して配置され、前記第1半導体層に基準電位を供給する不純物拡散領域と、
前記第1配線層に設けられ、かつ、前記画素分離部を跨いで設けられるとともに複数の前記不純物拡散領域に電気的に接続された第2共有接続部と、
前記第2共有接続部と前記第2半導体層の所定の領域とを電気的に接続し、かつ、前記第1基板および前記第2基板に設けられた第2貫通電極とを有する
前記(15)または(16)に記載の固体撮像装置。
(18)
前記第1共有接続部はポリシリコンを含む
前記(14)乃至(17)のうちのいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(19)
前記電荷蓄積部はヒ素を含む
前記(14)乃至(18)のうちのいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(20)
前記第2半導体層に前記画素トランジスタと電気的に接続されるとともに、前記不純物拡散領域と電気的に接続され、前記第2半導体層に基準電位を供給する不純物領域がさらに設けられている
前記(17)乃至(19)のうちのいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(21)
前記第1共有接続部はポリシリコンを含むとともに一部が合金化された合金領域を有し、前記合金領域には前記第1貫通電極が接続されている
前記(16)乃至(20)のうちのいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(22)
前記第1半導体層は、前記第1半導体層に対向するゲート電極を有するとともに、前記光電変換部の前記信号電荷を前記電荷蓄積部に転送する転送トランジスタをさらに有し、
前記転送トランジスタと前記画素トランジスタとは、互いに異なる形状を有している
前記(14)乃至(21)のうちのいずれか1つに記載の固体撮像装置。
(23)
前記転送トランジスタおよび前記画素トランジスタのゲート電極は、それぞれ、互いに異なる幅を有するサイドウォールによって覆われている
前記(22)に記載の固体撮像装置。
(24)
前記転送トランジスタおよび前記画素トランジスタのゲート電極は、互いに異なる高さを有する、前記(22)または(23)に記載の固体撮像装置。
(25)
前記第2半導体層は、前記画素トランジスタとして、増幅トランジスタ、選択トランジスタ、リセットトランジスタおよびFD変換ゲイン切替トランジスタを有し、
前記増幅トランジスタ、前記選択トランジスタ、前記リセットトランジスタおよび前記FD変換ゲイン切替トランジスタは、それぞれ、プレーナー構造または3次元構造を有している
前記(14)乃至(24)のうちのいずれか1つに記載の固体撮像装置。
本出願は、日本国特許庁において2019年6月26日に出願された日本特許出願番号2019-118222号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願の全ての内容を参照によって本出願に援用する。
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。