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JP7439713B2 - 移動体の電源システム - Google Patents

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Description

ここに開示された技術は、移動体の電源システムに関する技術分野に属する。
近年、自動車などの移動体には多数の電子機器が配置される。これに伴い、各電子機器への電源供給の構成が検討されている。
例えば、特許文献1には、第1電源と、第1電源よりも高電圧の電力を供給するための第2電源と、第2電源から出力された電力の電圧を、第1電源の電圧に降圧する降圧部と、を備え、車体に配策された幹線の電源ラインに、第1電源からの電力と、降圧部で降圧された第2電源からの電力とが供給される車両用回路構成が開示されている。
特許文献1では、第2電源は車両後部に設置され、幹線の少なくとも一部が車両前後方向に配索され、高圧部が幹線の車両後側の端部において幹線の電源ラインと接続されている。
国際公開第2017/222077号
ところで、特許文献1に記載のような車両用回路構成では、車両の電子機器を制御するための演算装置である各ECU(Electric Control Unit)は、ヒューズボックス等を介して互いに並列に接続される。ECUは、それぞれ有する機能が異なり、それに伴って、それぞれの消費電力も異なる。消費電力の大きいECUまで並列に接続する場合、特許文献1に示すように太い幹線を車両全体に配索する必要がある。これにより、電線上での電圧降下やノイズなどの問題が生じてしまい、他のECUの機能にも悪影響を及ぼすおそれがある。
ここに開示された技術は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、消費電力の異なる複数の演算装置を有していたとしても、互いに悪影響を及ぼしにくい移動体の電源システムを提供することにある。
前記課題を解決するために、ここに開示された技術では、移動体の電源システムを対称として、第1バッテリと、前記第1バッテリよりも高い電圧の電力を供給可能な第2バッテリと、前記第1バッテリ及び前記第2バッテリに電気的に接続され、前記第2バッテリから供給される電力の電圧を前記第1バッテリの電圧に降圧するDCDCコンバータと、前記第1バッテリに電気的に接続されかつ前記DCDCコンバータの下流側に電気的に接続されたヒューズボックスと、前記移動体が有するデバイスに制御信号を送信可能な複数のサブ演算装置と、前記複数のサブ演算装置とそれぞれ通信接続され、該複数のサブ演算装置を統括制御する中央演算装置と、を備え、前記サブ演算装置は、前記ヒューズボックスにそれぞれ電気的に接続され、前記中央演算装置は、前記DCDCコンバータに電気的に接続されている、という構成とした。
すなわち、中央演算装置は、各サブ演算装置を統括して制御するため、各サブ演算装置と比較して消費電力がかなり大きい。前記構成によると、中央演算装置は、ヒューズボックスを経由せずにDCDCコンバータに接続されているため、径の大きい電線を移動体全体に配索する必要がない。また、DCDCコンバータと中央演算装置を近接させれば、バッテリから中央演算装置までの電線の総長を短くすることができる。これにより、演算装置が互いに悪影響を及ぼしにくい構成とすることができる。
また、前記構成では、各サブ演算装置とは別の電源経路で電力が供給される。このため、第1バッテリとヒューズボックスとの間の電線が断線したとしても中央演算装置には電力が供給される。このため、例えば、中央演算装置が各サブ演算装置に代えて各デバイスを制御するようにすれば、電源失陥による移動体の動作への影響を抑えることができる。また、第2バッテリとDCDCコンバータとの電線が断線したとしても、中央演算装置は、DCDCコンバータを介して第1バッテリから電力を受けることができる。このため、中央演算装置の作動状態を維持することができ、移動体の動作への影響を抑えることができる。
前記移動体の電源システムにおいて、前記DCDCコンバータは、前記第1及び第2バッテリから前記中央演算装置への電力供給のオン/オフをそれぞれ制御するスイッチシステムを有し、前記中央演算装置は、前記DCDCコンバータと通信可能であるとともに、自身の異常を検知したときには、前記スイッチシステムをオフ状態にして、前記第1及び第2バッテリから自身への電力供給をオフ状態にするように前記DCDCコンバータに制御信号を出力する、という構成でもよい。
すなわち、中央演算装置は、ヒューズボックスを経由しないため、通電異常による故障を自ら抑制する必要がある。前記構成では、通電異常時に中央演算装置自らがDCDCコンバータに制御信号を出力して電力供給を遮断するため、迅速に電力供給を遮断することができる。これにより、中央演算装置の故障を適切に抑制することができる。
前記移動体の電源システムにおいて、前記DCDCコンバータは、前記中央演算装置の近傍に配置されている、という構成でもよい。
この構成によると、DCDCコンバータを中央演算装置の近傍に配置することで、DCDCコンバータと中央演算装置との間の電線を短くすることができる。これにより、電線での電圧降下やノイズの影響をより小さくすることができる。また、DCDCコンバータと中央演算装置との間の電線が短いことにより、断線による電源失陥が抑制されて、移動体への影響を抑制することができる。
DCDCコンバータが中央演算装置の近傍に配置された移動体の電源システムにおいて、前記中央演算装置は、ダッシュパネルよりも車両後側かつインストルメントパネル直下の位置に配置されており、前記DCDCコンバータは、エンジンルーム又はモータールームにおける車両後側寄りの位置でかつ前記中央演算装置と略同じ高さ位置に配置されている、という構成でもよい。
この構成によると、DCDCコンバータと中央演算装置とが近接するようになるため、DCDCコンバータと中央演算装置との間の電線をかなり短くすることができる。これにより、電線での電圧降下やノイズの影響をより小さくすることができる。
以上説明したように、ここに開示された技術によると、消費電力の異なる複数の演算装置を有していたとしても、互いに悪影響を及ぼしにくくすることができる。
例示的な実施形態に係る電源システムが搭載された車両の電力供給系統を示す構成図である。 電力供給系統を車両側方から見た概略構成図である。 中央ECUとDCDCコンバータとの位置関係を示す斜視図である。 電力供給系統を概略的に示すブロック図である。
以下、例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る電源システムが搭載された移動体の電力供給系統の構成を示す。本実施形態において、移動体は自動車の車両1である。この車両1は、4つのサイドドアと1つのバックドアとを備える5ドア式の車両である。車両1は、運転者によるアクセル等の操作に応じて走行するマニュアル運転と、運転者の操作をアシストして走行するアシスト運転と、運転者の操作なしに走行する自動運転とが可能な車両である。以下の説明においては、移動体のこと単に車両1と表現することがある。また、「前」、「後」、「右」、及び「左」については、「車両1の前」、「車両1の後」、「車両1の右」、及び「車両1の左」を意味する。
車両1は、図1に示すように、低圧バッテリ2と、低圧バッテリ2よりも高い電圧の電力を供給可能な高圧バッテリ3と、車両1が有するデバイスに制御信号を送信可能な第1~第3サブECU11~13(Electric Control Unit)と、第1~第3サブECU11~13とそれぞれ通信接続され、第1~第3サブECU11~13を統括制御する中央ECU20と、を備える。また、車両1は、低圧バッテリ2及び高圧バッテリ3と電線を介して接続されたDCDCコンバータ40(以下、コンバータ40という)と、低圧バッテリ2と電線を介して接続されたヒューズボックス30とを備える。ヒューズボックス30はコンバータ40の下流側に電線を介して接続されている。
第1~第3サブECU11~13は、それぞれ電線を介してヒューズボックス30に接続されている。中央ECU20は、ヒューズボックス30を経由することなくコンバータ40の下流側に接続されている。尚、サブECUの数は3つ未満でも4つ以上でもよい。
電線の数は、サブECUの数、バッテリの数、ヒューズボックス30の数、コンバータ40の数に応じて増減される。各電線は、電力が供給できる電線であればよく、例えばワイヤーハーネスで構成されている。
低圧バッテリ2は、本実施形態では12Vバッテリである。低圧バッテリ2は、エンジンルーム(電気自動車の場合はモータールーム)の前側の位置に配置されている。低圧バッテリ2は、例えば、鉛蓄電池で構成されている。
高圧バッテリ3は、本実施形態では48Vバッテリである。高圧バッテリ3は、シートの下側の位置に配置されている。高圧バッテリ3は、例えば、リチウムイオン電池で構成されている。
高圧バッテリ3には、ISG50(Integrated Starter Generator)が接続されている。ISG50には、高圧バッテリ3からの電力が降圧されることなく供給される。
第1~第3サブECU11~13は、それぞれコンピュータハードウェアであって、具体的には、CPUを有するプロセッサ、複数のモジュールが格納されたメモリ等をそれぞれ有している。第1~第3サブECU11~13は、車両1に搭載されたデバイスと通信可能にそれぞれ接続されている。第1~第3サブECU11~13は、中央ECU20からの制御信号に基づいて各デバイスに制御信号を出力する。デバイスは、センサやアクチュエータを含む概念であり、例えば、電動ミラー、パワーウィンドウ、パワーシート、ブレーキランプ等である。第1~第3サブECU11~13は、各デバイスを制御するための末端のECUであって、消費電力は数ワット程度である。
図1及び図2に示すように、第1サブECU11は、左前側のヒンジピラーの下側の位置に設けられている。第1サブECU11は、例えば、電動ミラーやパワーウィンドウを制御する。第2サブECU12は、センターコンソールの位置に設けられている。第2サブECU12は、例えば、パワーシートを制御する。第3サブECU13は、車両1における左後側の位置に設けられている。第3サブECU13は、例えば、ブレーキランプを制御する。
中央ECU20は、図2及び図3に示すように、ダッシュパネル4の後側でかつインストルメントパネル5(以下、インパネ5という)の直下に配置されている。中央ECU20は、車幅方向の中央に配置されている。これにより、車両1の前突時や側突時であっても中央ECU20を出来る限り保護することができる。
中央ECU20は、図4に示すように、マイクロコントロールユニット(以下、MCU21という)と、第1~第3サブECU11~13と通信するための通信部22とを有する。
MCU21は、各デバイスを制御するための制御信号を生成して、第1~第3サブECU11~13に送信する。中央ECU20が第1~第3サブECU11~13に対して出力する制御信号は、例えば、各デバイスの動作目標を示すものであり、実際に各デバイスを作動させる制御量は第1~第3サブECU11~13により生成される。MCU21は、動作しないサブECUがあるときには、当該サブECUが制御するデバイスを、当該サブECUに代わって直接制御する。
通信部22は、MCU21が生成した制御信号を第1~第3サブECU11~13に送信するとともに、第1~第3サブECU11~13から作動状態についての情報を取得する。第1~第3サブECU11~13の作動状態とは、第1~第3サブECU11~13の通電状態を含む。第1~第3サブECU11~13の通電状態とは、例えば、電線の異常による過電流やECU内でのショート等を含む。通信部22と第1~第3サブECU11~13との間の通信方式は、CAN(Controller Area Network)、CAN-FD(CAN with Flexible Datarate)、イーサネット(登録商標)等を用いることができる。通信部22と第1~第3サブECU11~13との間の通信方式は、有線方式を例示しているが、無線方式でもよく、一部を無線方式にして、他を有線方式にしてもよい。通信部22は、中央ECU20のメモリに格納されたモジュールの一例である。
中央ECU20は、各サブECU11~13への制御信号を統括して生成するために、高い演算機能を有する必要がある。中央ECU20の消費電力は、各サブECU11~13よりもかなり大きく、数十ワット程度である。
ヒューズボックス30は、低圧バッテリ2と第1~第3サブECU11~13との間の電源経路を中継する中継装置として機能する。具体的に、ヒューズボックス30は、バッテリ2から供給される電力を第1~第3サブECU11~13に分けて、第1~第3サブECU11~13に配電する機能を有するものである。ヒューズボックス30は、図1及び図2に示すように、低圧バッテリ2の前側の位置に配置されている。
ヒューズボックス30は、図4に示すように、低圧バッテリ2から第1~第3サブECU11~13への電力供給のオン/オフをそれぞれ制御する複数のスイッチシステムとしてメカヒューズ31~33を有する。低圧バッテリ2と第1サブECU11との間には第1メカヒューズ31が設けられ、低圧バッテリ2と第2サブECU12との間には第2メカヒューズ32が設けられ、低圧バッテリ2と第3サブECU13との間には第3メカヒューズ33が設けられている。各メカヒューズ31~33は、電線に過電流が流れた際に断線して、各サブECU11~13が過電流により故障することを抑制する。
コンバータ40は、高圧バッテリ3から供給される電力を、低圧バッテリ2と同じ電圧(例えば、12V)に変換する。コンバータ40は、図2及び図3に示すように、エンジンルームにおける後側寄りの位置でかつ中央ECU20と略同じ高さ位置に配置されている。より具体的には、コンバータ40は、ダッシュパネル4を挟んで中央ECU20の前側に、中央ECU20と隣接して配置されている。つまり、コンバータ40は、中央ECU20の近傍に配置されている。これにより、中央ECU20とコンバータ40とを接続する電線をかなり短くすることができる。
図4に示すように、コンバータ40は、2つのコンバータ回路41,42と、各コンバータ回路41,42を制御する2つのコントローラ43,44と、各コントローラ43,44に制御信号を出力するCPU45とを有する。各コンバータ回路41,42は、CPU45からの制御信号に基づいて、各コントローラ43,44により制御される。各コンバータ回路41,42は、高圧バッテリ3から供給される電力の電圧(例えば48V)を低圧バッテリ2と同程度の電圧(例えば12V)に低下させる。
コンバータ40は、中央ECU20と通信するための通信IC46を有する。通信IC46は、中央ECU20の通信IC22から送られてくる信号を受信して、CPU45に送信する。コンバータ40の通信IC46と中央ECU20の通信IC22との間の通信方式は、例えば、CANやCAN-FD等を採用することができる。
図4に示すように、コンバータ40は、高圧バッテリ3から中央ECU20への電力供給のオン/オフをそれぞれ制御する複数のスイッチシステムを有する。各スイッチシステムは半導体ヒューズ47で構成されている。また、コンバータ40は、高圧バッテリ3から中央ECU20への電力供給のオン/オフを制御する半導体ヒューズ47を有する。
半導体ヒューズ47は、CPU45によってオン/オフ状態が制御される。CPU45は、通信IC46を介して中央ECU20から半導体ヒューズ47のオン/オフに関する制御信号を受信したときに、半導体ヒューズ47のオン/オフ状態を切り換える。つまり、高圧バッテリ3と中央ECU20との間の通電状態は、中央ECU20自身により制御されている。
コンバータ40は、第1~第3サブECU11~13と通信可能に構成されている。詳しくは後述するが、コンバータ40は、中央ECU20が自ら電力供給を遮断するとき(後述する自己遮断機能を実行するとき)に、第1~第3サブECU11~13に中央ECU20が前記自己遮断機能を実行することを通知する。
前述したように、中央ECU20は、ヒューズボックス30を経由することなく、コンバータ40に接続されている。このため、電線への過電流や内部のショートなどの通電異常が発生したときに、電力供給を遮断する機能が必要となる。そこで、本実施形態では、中央ECU20は、通電異常が発生したことを検知したときには、低圧及び高圧バッテリ2,3から中央ECU20への電力供給をオフ状態にするようにコンバータ40に制御信号を出力する自己遮断機能を実行する。これについて、図4を参照しながら説明する。
まず、中央ECU20の内部でショートが発生したとする。中央ECU20のMCU21は、コンバータ40のCPU45に前記自己遮断機能を実行することを通知する。中央ECU20からの通知を受けたCPU45は、通信IC46を介して、第1~第3サブECU11~13に、中央ECU20が前記自己遮断機能を実行することを通知する。CPU45は、各サブECU11~13に通知をした後、半導体ヒューズ47をオフ状態にする。以上により、中央ECU20への電力供給が遮断される。
一方で、CPU45からの通知を受けた第1~第3サブECU11~13は、中央ECU20を用いることなく、車両1のシーン(状況)及び通信接続されたデバイスのタイプに応じて各デバイスを制御する。
このように、中央ECU20が前記自己遮断機能を実行するときには、コンバータ40が第1~第3サブECU11~13に通知する。これにより、第1~第3サブECU11~13により各デバイスの制御を継続できるため、車両1が走行中であったとしても走行を継続できる。また、コンバータ240と中央ECU20は、ダッシュパネル4を挟んで隣接して配置されている。このため、コンバータ240と中央ECU20との間の通信はかなり短時間で行うことができる。これにより、中央ECU20が前記自己遮断機能を実行する必要があると判断したときに、コンバータ240は迅速に半導体ヒューズ47をオフ状態にすることができる。
したがって、本実施形態に係る電源システムでは、消費電力が大きく異なる複数のECU(第1~第3サブECU11~13及び中央ECU20)を有するが、相対的に消費電力の小さい第1~第3サブECU11~13はヒューズボックス30に電気的に接続される一方で、消費電力の大きい中央ECU20はヒューズボックス30を経由することなくコンバータ40の下流側に電気的に接続されている。これにより、径の大きい電線を車両1全体に配索する必要がない。この結果、電圧降下やノイズの影響が低減されるため、ECUが互いに悪影響を及ぼしにくい構成とすることができる。
また、本実施形態では、中央ECU20には、各サブECU11~13とは別の電源経路で電力が供給される。このため、低圧バッテリ2とヒューズボックス30との間の電線が断線したとしても中央ECU20には電力が供給される。このため、中央ECU20が各サブECU11~13に代えて各デバイスを制御することで、電源失陥による移動体の動作への影響を抑えることができる。また、高圧バッテリ3とコンバータ40との電線が断線したとしても、中央ECU20は、コンバータ40を介して低圧バッテリ2から電力を受けることができる。このため、中央ECU20の作動状態を維持することができ、車両1の動作への影響を抑えることができる。
また、本実施形態では、コンバータ40は、低圧及び高圧バッテリ2,3から中央ECU20への電力供給のオン/オフをそれぞれ制御する半導体ヒューズ47を有し、中央ECU20は、コンバータ40と通信可能であるとともに、自身の異常を検知したときには、半導体ヒューズ47をオフ状態にして、低圧及び高圧バッテリ2,3から自身への電力供給をオフ状態にするようにコンバータ40に制御信号を出力する。これにより、中央ECU20は、自身に通電異常が発生したときに自らがコンバータ40に制御信号を出力して電力供給を遮断するため、迅速に電力供給を遮断することができる。これにより、中央EU20の故障を適切に抑制することができる。
特に、本実施形態では、中央ECU20が自己遮断機能を実行するときには、コンバータ40のCPU45が各サブECU11~13に通知する。これにより、第1~第3サブECU11~13により各デバイスの制御を継続できる。また、通信IC46を介してCPU45と第1~第3サブECU11~13が通信可能であるため、CPU45から各サブECU11~13に制御信号を送ることも可能である。これにより、CPU45からの制御信号により、車両1を路肩などの安全な領域に移動させるようにすることもできる。
また、本実施形態では、中央ECU20は、ダッシュパネル4よりも車両後側かつインストルメントパネル5直下の位置に配置されており、コンバータ40は、エンジンルームにおける車両後側寄りの位置でかつ中央ECU20と略同じ高さ位置に配置されている。これにより、中央ECU20とコンバータ40との間の電線をかなり短くすることができる。このため、電線上での電圧降下やノイズの影響が低減されるとともに、断線による電源失陥も抑制することができ、車両1の動作への影響を抑えることができる。
(その他の実施形態)
ここに開示された技術は、前述の実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、前述の実施形態では、中央ECU20が前記自己遮断機能を実行するときには、コンバータ40のCPU45が各サブECU11~13に通知するようにしていた。これに限らず、中央ECU20が、各サブECU11~13に前記遮断機能を実行することを通知するようにしてもよい。また、中央ECU20が自己遮断機能を実行するときには、コンバータ40のCPU45は、各サブECU11~13に通知するだけでなく、中央ECU20に代わって、各サブECU11~13に制御信号を出力するようにしてもよい。
また、前述の実施形態では、移動体として自動車の車両を対象としていたが、これに限らず、重機の車両等を対象としてもよい。
前述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本開示の範囲を限定的に解釈してはならない。本開示の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本開示の範囲内のものである。
ここに開示された技術は、移動体の電源システムにおいて、移動体における電費を向上させるために有用である。
1 車両(移動体)
2 第1バッテリ
3 第2バッテリ
4 ダッシュパネル
5 インストルメントパネル
11 第1サブECU(サブ演算装置)
12 第2サブECU(サブ演算装置)
13 第3サブECU(サブ演算装置)
20 中央ECU(中央演算装置)
30 ヒューズボックス
40 DCDCコンバータ
47 半導体ヒューズ(スイッチシステム)

Claims (3)

  1. 移動体の電源システムであって、
    第1バッテリと、
    前記第1バッテリよりも高い電圧の電力を供給可能な第2バッテリと、
    前記第1バッテリ及び前記第2バッテリに電気的に接続され、前記第2バッテリから供給される電力の電圧を前記第1バッテリの電圧に降圧するDCDCコンバータと、
    前記第1バッテリに電気的に接続されかつ前記DCDCコンバータの下流側に電気的に接続されたヒューズボックスと、
    前記移動体が有するデバイスに制御信号を送信可能な複数のサブ演算装置と、
    前記複数のサブ演算装置とそれぞれ通信接続され、該複数のサブ演算装置を統括制御する中央演算装置と、を備え、
    前記サブ演算装置は、前記ヒューズボックスにそれぞれ電気的に接続され、
    前記中央演算装置は、前記ヒューズボックスを経由することなく前記DCDCコンバータに電気的に接続されており、
    前記DCDCコンバータは、前記第1及び第2バッテリから前記中央演算装置への電力供給のオン及びオフをそれぞれ制御するスイッチシステムを有し、
    前記中央演算装置は、前記DCDCコンバータと通信可能であるとともに、自身の異常を検知したときには、前記スイッチシステムをオフ状態にして、前記第1及び第2バッテリから自身への電力供給をオフ状態にするように前記DCDCコンバータに制御信号を出力することを特徴とする移動体の電源システム。
  2. 請求項1に記載の移動体の電源システムにおいて、
    前記DCDCコンバータは、前記中央演算装置の近傍に配置されていることを特徴とする移動体の電源システム。
  3. 移動体の電源システムであって、
    第1バッテリと、
    前記第1バッテリよりも高い電圧の電力を供給可能な第2バッテリと、
    前記第1バッテリ及び前記第2バッテリに電気的に接続され、前記第2バッテリから供給される電力の電圧を前記第1バッテリの電圧に降圧するDCDCコンバータと、
    前記第1バッテリに電気的に接続されかつ前記DCDCコンバータの下流側に電気的に接続されたヒューズボックスと、
    前記移動体が有するデバイスに制御信号を送信可能な複数のサブ演算装置と、
    前記複数のサブ演算装置とそれぞれ通信接続され、該複数のサブ演算装置を統括制御する中央演算装置と、を備え、
    前記サブ演算装置は、前記ヒューズボックスにそれぞれ電気的に接続され、
    前記中央演算装置は、前記ヒューズボックスを経由することなく前記DCDCコンバータに電気的に接続されており、
    前記DCDCコンバータは、前記中央演算装置の近傍に配置されており、
    前記中央演算装置は、ダッシュパネルよりも車両後側かつインストルメントパネル直下の位置に配置されており、
    前記DCDCコンバータは、エンジンルーム又はモータールームにおける車両後側寄りの位置でかつ前記中央演算装置と略同じ高さ位置に配置されていることを特徴とする移動体の電源システム。
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