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JP7434820B2 - ステアリング装置用中間軸、及びステアリング装置 - Google Patents

ステアリング装置用中間軸、及びステアリング装置 Download PDF

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JP7434820B2
JP7434820B2 JP2019205721A JP2019205721A JP7434820B2 JP 7434820 B2 JP7434820 B2 JP 7434820B2 JP 2019205721 A JP2019205721 A JP 2019205721A JP 2019205721 A JP2019205721 A JP 2019205721A JP 7434820 B2 JP7434820 B2 JP 7434820B2
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Description

本発明は、ステアリング装置用中間軸、及びステアリング装置に関する。
大型トラック等の大型車両用のステアリング装置では、例えば図15に示すように、運転者が操作するステアリングホイール101の動きを、ステアリング軸102及び中間軸103を含む複数本の軸を通じてステアリングギヤユニット105に伝達している。中間軸103は、軸端部が自在継手104a,104bを介して接続相手となる軸と連結されている。
中間軸103は、例えば、雌軸106の内周面に形成された雌スプライン部と、雄軸107の外周面に形成された雄スプライン部とを係合させて、軸方向に伸縮可能な構造を有している。これにより、雌軸106と雄軸107とは、トルク伝達と軸方向の相対移動とを可能に組み合わせられている。
一般的な大型トラックでは、図示しないシャシフレームに対してキャビン(運転室)108の前端部を回動可能に軸支するチルト軸109を備える。図15に二点鎖線で示すように、チルト軸109を中心にキャビン108を前方に倒すように回動させることで、車両の機関部を外部に露出させたキャブチルト状態となる。
このようなキャブチルト状態にする際、中間軸103は、雌軸106と雄軸107とが軸方向に相対移動して全長が延びることにより、ステアリング軸102とステアリングギヤユニット105との間隔が拡がることを許容する。このキャブチルト状態を実現するには、中間軸103の伸縮ストロークを大きく確保する必要がある。
しかし、上記したような雌軸106,雄軸107との2本の分割軸を組み合わせた中間軸103では、伸縮ストロークを大きく確保するために各分割軸の軸長を大きくする必要がある。そうすると、特に雄軸107に関しては、生産性の高いプレス成形が困難になることや、長尺化に伴って曲がりやすくなるため、その曲がりを直状に矯正する工程が必要になること等、製造コストを増加させる要因が多くなる。
また、車両走行時に加わる外力によって、中間軸103に曲げモーメントが負荷されると、中間軸103は、雌軸106と雄軸107との連結部で最大の径方向変位を生じ、連結部が屈曲した状態で回転駆動される。その結果、中間軸103に振れ廻りが発生して、振動や異音が生じやすくなる。また、連結部での摺動抵抗が増加することも相俟って、スティックスリップが生じやすくなり、この点でも振動や異音の発生が助長される。
これに対して、特許文献1には、3本の分割軸を有する中間軸が記載されている。この中間軸は、筒状の大径軸と、外周面を大径軸の内周面にスプライン係合させた筒状の中径軸と、外周面を中径軸の内周面にスプライン係合させた小径軸とを備える。このような3本の分割軸(大径軸、中径軸、小径軸)を組み合わせた中間軸は、2本の分割軸(雌軸、雄軸)を組み合わせた中間軸に比べて、同じ大きさの伸縮ストロークを確保する場合でも、各分割軸の軸方向寸法を小さくできる。
特開2003-146225号公報
しかしながら、特許文献1の中間軸においては、3本の分割軸のうち中間に配置される分割軸が、その両端に連結される他の分割軸と内周面及び外周面の両方で嵌合する構成である。そのため、スプライン等の連結部の精度と、その精度を確保するためのコストが嵩むという問題があった。
そこで本発明は、コストの増大を抑えつつ、外力を受けた場合でも中間軸の曲がりによる振れ廻りが抑えられ、振動や異音の発生を抑制できるステアリング装置用中間軸、及びステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明は下記の構成からなる。
(1) 軸方向両側の端部が開口した筒状に構成され、軸方向一方部の内周面に第1雌スプライン部を有し、軸方向他方部の内周面に第2雌スプライン部を有する雌軸と、
軸方向他方部の外周面に第1雄スプライン部を有する第1雄軸と、
軸方向一方部の外周面に第2雄スプライン部を有する第2雄軸と、
を備え、
前記雌軸の前記第1雌スプライン部に前記第1雄軸の前記第1雄スプライン部がスプライン係合し、
前記雌軸の前記第2雌スプライン部に前記第2雄軸の前記第2雄スプライン部が圧入状態でスプライン係合し、
前記雌軸に対する前記第1雄軸の摺動荷重は、前記雌軸に対する前記第2雄軸の摺動荷重より小さい、
ステアリング装置用中間軸。
(2) ステアリングギヤユニットと、
ステアリングホイールと、
前記ステアリングギヤユニットと前記ステアリングホイールとの間に設けられ、(1)に記載のステアリング装置用中間軸と、
を備えるステアリング装置。
本発明によれば、コストの増大を抑えつつ、外力を受けた場合でも中間軸の曲がりによる振れ廻りを抑え、振動や異音の発生を抑制できる。
本実施形態に係るステアリング装置用中間軸の斜視図である。 本実施形態に係るステアリング装置用中間軸の軸方向に沿う断面図である。 雌軸を軸方向に断面視した斜視図である。 第1雄軸の斜視図である。 第2雄軸の斜視図である。 ステアリング装置用中間軸の軸方向の各位置での断面形状を示す図であって、(A)は図2におけるI-I断面図、(B)は図2におけるII-II断面図、(C)は図2におけるIII-III断面図、(D)は図2におけるIV-IV断面図である。 ステアリング装置用中間軸のチルトアップ状態を示す軸方向に沿う断面図である。 ステアリング装置用中間軸の最短ノミナル状態を示す軸方向に沿う断面図である。 ステアリング装置用中間軸のフルコラプス状態を示す軸方向に沿う断面図である。 第2雄軸に設けられた抜け止めを説明する図であって、(A)はステアリング装置用中間軸における雌軸本体の径方向の断面図、(B)はステアリング装置用中間軸における第2雄軸の軸方向一方部の端部付近の軸方向に沿う断面図である。 第2雌スプライン筒部への第2雄軸の挿入途中の状態を説明する図であって、(A)はステアリング装置用中間軸における雌軸本体の径方向の断面図、(B)はステアリング装置用中間軸における第2雄軸の軸方向一方部の端部付近の軸方向に沿う断面図である。 ステアリング装置用中間軸の装着方向毎の動作等を説明する図であって、(A)は第1雄軸をステアリングギヤユニット側に向けた状態を示す概略構成図、(B)は第1雄軸をステアリングホイール側に向けた状態を示す概略構成図である。 ステアリング装置用中間軸に生じる振れ廻りを説明する模式図である。 雌軸の第1雌スプライン部と第2雌スプライン部とが円周方向に関して異なる位相で配置されたステアリング装置用中間軸を示す図であって、(A)は第1雄軸側からの正面図、(B)は側面図、(C)は第2雄軸側からの正面図である。 従来から知られている大型トラック用のステアリング装置の1例を示す部分切断側面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本実施形態に係るステアリング装置用中間軸の斜視図である。図2は本実施形態に係るステアリング装置用中間軸の軸方向に沿う断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るステアリング装置用中間軸1は、両端にヨーク3を備える。このステアリング装置用中間軸(以下、中間軸という)1は、大型トラック等のステアリング装置に組み込まれてステアリング軸102の動きをステアリングギヤユニット105に伝達する回転軸である(図15参照)。ステアリング装置は、車両に搭載された状態で、中間軸1が車室内と車室外とを仕切るパネルに形成された通孔に挿通され、それぞれの端部が車室内及び車室外に配置される。つまり、ステアリング装置は、図15に示されるステアリングギヤユニット105と、ステアリングホイール101と、ステアリングギヤユニット105とステアリングホイール101との間に設けられた中間軸1とを備える。
中間軸1は、雌軸10と、第1雄軸30と、第2雄軸40とを備える。雌軸10には、軸方向の一方部(図2における左側)に第1雄軸30が組み付けられ、軸方向の他方部(図2における右側)に第2雄軸40が組み付けられる。第1雄軸30及び第2雄軸40には、それぞれ可撓性を有する蛇腹形状のブーツ5が装着されていてもよく、これらのブーツ5によって、第1雄軸30及び第2雄軸40の外周側が覆われる。また、中間軸1が不図示のダッシュパネル等を貫通して配置される場合、中間軸1の外周面とダッシュパネルの貫通孔との間には、車室内と車室外とを隔てる密封部材としてのダストカバー(図示略)を配置することが好ましい。ダストカバーは、中間軸1の軸方向中央部に配置される。本構成の中間軸1の軸方向中央部には、伸縮を生じず、突起等が少ない雌軸10が配置されるため、上記したダストカバーを自由に配置でき、ダストカバーのレイアウト性を向上できる。
図3は雌軸10を軸方向に断面視した斜視図である。
雌軸10は、軸方向両側の端部が開口した筒状に形成されている。雌軸10は、雌軸本体11と、第1雌スプライン筒部13と、第2雌スプライン筒部15とを有する。第1雌スプライン筒部13は、雌軸本体11の一方部に設けられ、第2雌スプライン筒部15は、雌軸本体11の他方部に一体に設けられている。
第1雌スプライン筒部13及び第2雌スプライン筒部15は、それぞれ雌軸本体11よりも外径が小さく形成されている。本構成の第1雌スプライン筒部13は、雌軸本体11に溶接によって連結され、第2雌スプライン筒部15は、雌軸本体11に一体に成形されているが、第1雌スプライン筒部13及び第2雌スプライン筒部15の雌軸本体11との接合形態はこれに限らない。
雌軸10の雌軸本体11は、円筒状に形成されている(図6の(C)参照)。また、第1雌スプライン筒部13の内周面には、第1雌スプライン部17が形成されている。第2雌スプライン筒部15の内周面には、第2雌スプライン部19が形成されている。これらの第1雌スプライン部17及び第2雌スプライン部19は、それぞれ軸方向に沿って形成されている。なお、上記の中間軸1では、雌軸10は、第1雌スプライン部17と第2雌スプライン部19によって、第1雄軸30と第2雄軸40とを円周方向に関して同位相に配置可能になっている。
また、雌軸10は、段付部21を有する。この段付部21は、第1雌スプライン部17と第2雌スプライン部19との間における第2雌スプライン部19寄りに設けられている。具体的には、第1雌スプライン部17を有する第1雌スプライン筒部13と第2雌スプライン部19を有する第2雌スプライン筒部15との間の雌軸本体11における、第2雌スプライン筒部15側の端部に段付部21が形成されている。この段付部21は、第2雌スプライン筒部15から軸方向一方部へ向かって拡径するテーパ面を有する。
図4は第1雄軸の斜視図である。
第1雄軸30は、中実の棒状に形成され、軸方向一方部にヨーク3が溶接により固定される。第1雄軸30は、軸方向他方部の外周面に、第1雄スプライン部31を有する。この第1雄スプライン部31の表面は、合成樹脂製の第1コーティング層によって覆われている。
図2に示すように、第1雄軸30は、雌軸10の第1雌スプライン筒部13に挿し込まれて、雌軸10の第1雌スプライン部17に第1雄スプライン部31がスプライン係合する。この第1雌スプライン部17と第1雄スプライン部31とが係合した第1スプライン係合部35は、グリースによって潤滑されている。そして、第1雄軸30は、雌軸10の第1雌スプライン筒部13に対して回り止めされつつ軸方向へスライド可能となる。このスライド可能となった第1スプライン係合部35は、合成樹脂製の第1コーティング層が形成された第1雄スプライン部31と第1雌スプライン部17とがグリースによって潤滑されるので、軽荷重で摺動可能となる。
図5は第2雄軸の斜視図である。
第2雄軸40は、中実の棒状に形成され、軸方向他方部にヨーク3bが溶接により固定される。第2雄軸40は、その外周面に第2雄スプライン部41を有する。第2雄スプライン部41は、合成樹脂製の第2コーティング層によって覆われている。
図2に示すように、第2雄軸40は、雌軸10の第2雌スプライン筒部15に嵌め込まれて、雌軸10の第2雌スプライン部19に第2雄スプライン部41が圧入状態でスプライン係合する。この第2雌スプライン部19と第2雄スプライン部41とが係合した第2スプライン係合部45には、グリースが塗布されている。グリースは、第2スプライン係合部45における防錆及びフレッチング防止効果を奏する。また、第2雌スプライン筒部15には、かしめ部23(図3参照)が設けられている。
また、第2雄軸40は、軸方向一方部の先端に抜け止め47を有する。抜け止め47は、ねじ49等の締結部材によって第2雄軸40に固定される。抜け止め47についての詳細は後述する。
以上のように、中間軸1は図6の(A)~(D)に示す断面を有する。
図6の(A)は、図2のI-I線断面であり、図6の(B)は、図2のII-II線断面であり、図6の(C)は、図2のIII-III線断面であり、図6の(D)は、図2のIV-IV線断面である。
図6の(D)に示すように、かしめ部23は、第2雌スプライン筒部15の外周面を、不図示のかしめ具によって押圧して形成される。第2スプライン係合部45のかしめ部23の軸方向位置においては、第2雌スプライン筒部15が僅かに楕円形に変形される。これにより、第2雌スプライン筒部15に対する第2雄軸40の摺動荷重が高められる。よって、第2雄軸40は、雌軸10の第2雌スプライン筒部15に対して回り止めされつつ、軸方向に第1スプライン係合部35のスライドが開始される荷重よりも大きい荷重が付与された場合にスライドが可能となる。かしめ部23は、例えば、特開平8-91230号公報に開示された円弧状の凹部と同様に、押圧によって形成するものである。
上記構成の中間軸1では、雌軸10に対する第1雄軸30の摺動荷重は、雌軸10に対する第2雄軸40の摺動荷重より小さい。雌軸10に対する第1雄軸30の摺動荷重は、例えば20~200Nの範囲であり、これに対して、雌軸10に対する第2雄軸40の摺動荷重は、例えば500~3000Nの範囲である。このように、第2雄軸40は、第1雄軸30の摺動荷重の10倍以上、好ましくは20倍以上、更に好ましくは30倍以上の摺動荷重で雌軸10に係合されている。第2雄軸40は、通常時では摺動せず、中間軸1に大きな衝撃力が作用した際に、雌軸10と摺動して衝撃を吸収するダンパーとなる。
次に、キャブチルト動作に伴う中間軸1の伸縮状態について説明する。
図7は中間軸のチルトアップ状態を示す軸方向に沿う断面図である。図8は中間軸の最短のノミナル状態を示す軸方向に沿う断面図である。図9は中間軸のフルコラプス状態を示す軸方向に沿う断面図である。
(ノミナル状態)
まず、図2に示すように、キャビン108(図15参照)が定常位置にされたノミナル状態の中間軸1は、雌軸10の第1雌スプライン部17にスプライン係合された第1雄軸30の一部が、軸方向一方側(図2の左側)へ突出している。同様に、ノミナル状態において、雌軸10の第2雌スプライン部19に係合された第2雄軸40の一部が、軸方向他方側(図2の右側)へ突出している。このノミナル状態において、雌軸10の雌軸本体11内における第1雄軸30の軸方向他方部の端部と、第2雄軸40の軸方向一方部の端部との間には隙間が形成される。この隙間の軸方向長さLcは、雌軸10の第1雌スプライン部17からの第1雄スプライン部31の突出寸法Laと、雌軸10の第2雌スプライン部19からの第2雄スプライン部41の突出寸法Lbとの合計に等しいか、略等しい(Lc≒La+Lb)。
(チルトアップ状態)
次に、チルト軸109を中心にキャビン108を前方に倒すように回動させると(図15参照)、図7に示すように、第1雄軸30が、雌軸10の第1雌スプライン筒部13から軸方向一方側へ引き出され、第1雌スプライン部17と第1雄スプライン部31とがスライドされる。これにより、中間軸1は、軸方向に延ばされて最長状態、又は最長状態に近いチルトアップ状態となる。
このチルトアップ状態において、第1雌スプライン部17と第1雄スプライン部31との第1スプライン係合部35の軸方向長さLdは、雌軸10の第2雌スプライン部19からの第2雄スプライン部41の突出寸法Lbよりも大きく(Ld>Lb)設定されている。これにより、例えば、雌軸10が軸方向他方部(図7の右側)へ変位して第2雄スプライン部41の突出寸法Lbが0となっていても、雌軸10からの第1雄軸30の抜け出しが抑制される。なお、第1スプライン係合部35の軸方向長さLdは、少なくとも10mm程度であれば、回転トルクの伝達に支障がない。
(ノミナル状態)
更に、チルトアップ状態からチルトダウンされると、前述した図2に示すように、中間軸1はノミナル状態に戻る。このとき、ステアリングホイール101の高さ調整や走行時に作用する外力によって中間軸1が縮められると、第1雄軸30が雌軸10の第1雌スプライン筒部13に更に押し込まれる。この状態が図8に示す最短のノミナル状態となる。
このように、第1雌スプライン部17と第1雄スプライン部31とがスライドして、中間軸1が更に短くされる。この短縮された中間軸1の状態では、第1雄軸30の軸方向他方部の端部から、第2雄軸40の軸方向一方部の端部までの軸方向長さLc1が、通常のノミナル状態のときの軸方向長さLcよりも短くなる。この最短のノミナル状態においても、雌軸10の第2雌スプライン部19と第2雄軸40の第2雄スプライン部41とはスライドしない。
(フルコラプス状態)
例えば、キャビン108(図15参照)に大きな外力が加わり、その外力によってドライバーがステアリングホイールに衝突して生じる、いわゆる二次衝突による衝撃力が中間軸1に付与された場合、第1雄軸30が雌軸10に突き当たるまで押し込まれ、雌軸10に対する第1雄軸30のスライドが規制される。そして、この第1雄軸30による変位吸収後は、第2雄軸40が雌軸10に押し込まれる。つまり、第2雌スプライン部19と第2雄スプライン部41とがスライドされる。このスライド動作に費やされるエネルギーによって、中間軸1に付与される衝撃力が吸収される。さらに、図9に示すように、雌軸10の雌軸本体11内において、第1雄軸30の軸方向他方部の端部と第2雄軸40の軸方向一方部の端部とが互いに突き当たり、フルコラプス状態となる。このフルコラプス状態では、中間軸1に付与される上記の二次衝突による圧縮力が第1雄軸30と第2雄軸40で受け止められる。
ここで、ノミナル状態における、第1雄軸30の軸方向他方部の端部と第2雄軸40の軸方向一方部の端部との隙間の軸方向長さLcは、雌軸10の第1雌スプライン部17からの第1雄スプライン部31の突出寸法Laと、雌軸10の第2雌スプライン部19からの第2雄スプライン部41の突出寸法Lbとの合計に等しいか、略等しく(Lc≒La+Lb)されている(図2参照)。したがって、フルコラプス状態となった際に、第1雄軸30の軸方向他方部の端部と第2雄軸40の軸方向一方部の端部とが突き当たり、中間軸1に付与される衝撃力を、第1雄軸30と第2雄軸40で高強度に受け止めることができる。さらに、これと同時に、雌軸10の両端にヨーク3が突き当たることが望ましく、その場合には、より高強度に衝撃力を受け止められる。
次に、第2雄軸40に設けられた抜け止め47について詳述する。
図10の(A),(B)は第2雄軸40に設けられた抜け止め47の構成を示す説明図であり、(A)は(B)に示すX-X線断面図で、(B)は雌軸10と第2雄軸40の軸方向断面図である。
図10の(A)及び(B)に示すように、第2雄軸40における軸方向一方部の先端に固定された抜け止め47は、基部51と突出片53とを有する。抜け止め47は、基部51がねじ49によって第2雄軸40の先端に固定される。突出片53は、複数(本例では4つ)形成され、それぞれ基部51から径方向外側に延在する。これらの突出片53は、図10の(A)に示す軸方向正面視で周方向に等間隔で配置され、それぞれ第2雌スプライン部19への挿入方向Dinの後方に向けて傾斜する。抜け止め47の突出片53の外径Dは、雌軸10の第2雌スプライン筒部15の内径daよりも大径であり、雌軸10の雌軸本体11の内径dbよりも小径である。
図11の(A),(B)は第2雌スプライン筒部への第2雄軸の挿入途中の状態を説明する説明図であり、(A)は(B)に示すXI-XI線断面図で、(B)は雌軸10と第2雄軸40の軸方向断面図である。
図11の(A)及び(B)に示すように、雌軸10の第2雌スプライン筒部15に第2雄軸40を挿し込んで装着する際に、抜け止め47の突出片53は、第2雌スプライン部19の内周面に接触して弾性変形する。これにより、抜け止め47が第2雌スプライン筒部15の内径daと同じ径のDaに縮径された状態となって、第2雌スプライン筒部15に第2雄軸40が挿し込まれる。その後、抜け止め47が第2雌スプライン部19を抜け出て、雌軸本体11の段付部21を越えると、弾性変形されていた突出片53が弾性復帰し、抜け止め47が第2雌スプライン部19の内径daよりも大きな外径Dに拡径される(図10の(A)参照)。これにより、雌軸10から第2雄軸40を軸方向に引き抜く力が第2雄軸40に付与されても、抜け止め47の突出片53が段付部21の内周面に当接して、抜け止め47の第2雌スプライン部19への再挿入が阻止される。よって、抜け止め47は、第2雄軸40の雌軸10からの抜け止めとして機能する。
ここで、第2スプライン係合部45は、第1スプライン係合部35に対して10倍以上の摺動荷重を有するため、通常のキャビン108の回動時や走行等における荷重の付加時にはスライドすることがない。しかし、何等かの要因により雌軸10の第2雌スプライン筒部15から第2雄軸40の間に引抜力が付与されると、第2雌スプライン筒部15から第2雄軸40が抜け出すおそれがある。このような場合でも、第2雄軸40には、雌軸10の第2雌スプライン部19を係止して抜け止めする抜け止め47が設けられているので、雌軸10の第2雌スプライン筒部15からの第2雄軸40の抜けを確実に阻止できる。
抜け止め47の突出片53は、ねじ49に限らずリベット等で第2雄軸40に固定してもよく、また、抜け止め47を第2雄軸40に一体に形成してもよい。抜け止め47は、複数の突出片53が周方向に均等に配置されていることが好ましく、例示した4つの突出片53を有する“+”状のものに限らない。さらに、抜け止め47は、金属製に限らず、樹脂等で形成したものでもよい。
ところで、上記構成の中間軸1は、ステアリングホイール101側のステアリング軸102とステアリングギヤユニット105との間でいずれの向きにも装着可能である。
図12は中間軸の装着方向毎の動作等を説明する図であって、(A)は第1雄軸をステアリングギヤユニット側に向けた状態を示す概略構成図、(B)は第1雄軸をステアリングホイール側に向けた状態を示す概略構成図である。
図12の(A)では、中間軸1は、第1雄軸30がステアリングギヤユニット105側に向けられ、第2雄軸40がステアリングホイール101側に向けられて設置されている。そして、第1雄軸30がステアリングギヤユニット105に連結され、第2雄軸40がステアリングホイール101のステアリング軸102に連結されている。
この向きで中間軸1が装着された場合では、小さい荷重でスライドする第1雌スプライン部17と第1雄スプライン部31の係合箇所である第1スプライン係合部35が、ステアリングギヤユニット105側に配置される。これによれば、運転者が操作するステアリングホイール101への走行時の振動や衝撃の伝達を抑制でき、運転性(ドライバビリティ)を向上できる。
図12の(B)では、中間軸1は、第1雄軸30がステアリングホイール101側に向けられ、第2雄軸40がステアリングギヤユニット105側に向けられて設置されている。そして、第1雄軸30がステアリングホイール101のステアリング軸102に連結され、第2雄軸40がステアリングギヤユニット105に連結されている。
この向きで中間軸1が装着された場合では、小さい荷重でスライドする第1雌スプライン部17と第1雄スプライン部31の係合箇所である第1スプライン係合部35が、ステアリングホイール101側に配置されている。これにより、チルト操作を行ってステアリングホイール101の高さを調整する際の、操作力を低減でき、運転者によるチルト操作を良好に行わせることができる。
次に、本構成の中間軸1に生じる振れ廻りについて説明する。
図13は中間軸に生じる振れ廻りを説明する模式図である。
中間部分にスライド可能な箇所を備えた中間軸では、外力が付与された際に、スライド箇所で振れ廻りが生じることがある。
図13に示すP1,P2は、中間軸1のヨーク3に相当する固定点であり、S1は、中間軸1の第1スプライン係合部35に相当する最も軽荷重でスライド可能な軸連結部である。軸方向の一端寄りに軸連結部(第1スプライン係合部35)がある本構成と同等の中間軸MS1の振れ廻りの様子を実線で示す。また、参考例として軸方向中央部に軸連結部がある中間軸MS2の振れ廻りの様子を点線で示す。
軸方向の一端寄りでスライド可能とされた中間軸MS1では、スライド箇所S1で振れ廻りが発生して軸線に対して傾斜角θの傾きが生じた場合でも、端部からスライド箇所S1までの長さL1を短くすることができる。長さL1が小さいと、スライド箇所S1に作用する曲げモーメントも小さくなる。したがって、この中間軸MS1では、曲げモーメントの影響が抑えられ、スライド箇所1における振れ幅δ1が大きくならず、振れ廻りが抑えられる。
これに対して、軸方向の中央付近でスライド可能とされた中間軸MS2では、スライド箇所S2で振れ廻りが発生し、中間軸MS1の場合と同じ傾斜角θの傾きが生じると、端部からスライド箇所S2までの長さL2が、上記した長さL1よりも大きくなる。この場合、スライド箇所S2に作用する曲げモーメントが中間軸MS1の場合よりも大きくなる。したがって、この中間軸MS2では、曲げモーメントの影響によってスライド箇所S2における振れ幅δ2が中間軸MS1の場合より大きくなり、大きな振れ廻りが生じてしまう。
本実施形態に係る中間軸1では、雌軸10の両端に第1雄軸30及び第2雄軸40を備え、雌軸10と第1雄軸30とのスライド箇所が、中間軸1全長の一端寄りに配置されることとなる(図2参照)。したがって、中間軸1では、上記の中間軸MS1と同様に、スライド箇所に作用する曲げモーメントの影響を抑えて振れ幅を小さくすることができ、振れ廻りの発生を抑えることができる。さらに、本構成の中間軸1によれば、スライド箇所での曲げモーメントによる影響が抑えられるため、安定した摺動荷重が得られ、スティックスリップによる振動や異音に対しても優れた特性を備えた中間軸となる。
ここで、スライド箇所S1、例えば雌軸10の第1雌スプライン部17の軸方向中心位置は、中間軸1の全長をLとしたとき、中間軸1の第1雄軸30側の端部から軸方向中心位置(L/2)に向けて、L/3以下までの範囲に配置するのが好ましい。より好ましくはL/4までの範囲、更に好ましくはL/5までの範囲に配置するとよい。
以上、説明したように、本構成の中間軸1によれば、雌軸10の一端側の内周面に形成された第1雌スプライン部17と第1雄軸30の外周面に形成された第1雄スプライン部31とがスプライン係合し、雌軸10の他端側の内周面に形成された第2雌スプライン部19と第2雄軸40の外周面に形成された第2雄スプライン部41とがスプライン係合している。雌軸10は、第1雌スプライン部17を予め形成した第1雌スプライン筒部13を、雌軸本体11に溶接して一体化する構成であるため、一本の管体の両端にスプラインを形成する場合と比較して、第1雌スプライン部17と第2雌スプライン部19とを高精度に作製できる。このように、中間軸1は、雌軸10の両端の内周面に第1雄軸30及び第2雄軸40の外周面を係合させる構造であるにもかかわらず、製造コストを抑えつつ、スプライン部の精度を高めることができる。
また、雌軸10の第1雌スプライン部17と第1雄スプライン部31との低摺動荷重となるスライド箇所を、軸方向一端寄りに配置させることができ、スライド箇所で生じる振れ廻りを抑えることができる。また、スライド箇所での曲げモーメントによる影響が抑えられ、安定した摺動荷重となり、スティックスリップによる振動や異音が生じにくくなる。
なお、上記構成では、雌軸10の第1雌スプライン部17と第2雌スプライン部19とを円周方向に関して同位相に配置させた場合を例示したが、図14の(A),(B),(C)に示すように、第1雄軸30のヨーク3と第2雄軸40のヨーク3とを、軸線を中心に角度φだけ異なる位相に配置してもよい。その場合、第1雌スプライン部17と第2雌スプライン部19とを、周方向に任意のピッチ分だけずらして雌軸10に係合させる以外にも、雌軸10の第1雌スプライン部17の歯と、第2雌スプライン部19の歯とを、周方向に相互にずらしてもよい。これにより、位相の調整をピッチ幅よりも更に細かい角度に調整できる。
また、上記実施形態では、中実の第1雄軸30及び第2雄軸40を備える場合を例示したが、これらの第1雄軸30及び第2雄軸40は、両方又はいずれか一方が中空の円筒状に形成されたものでもよい。
このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 軸方向両側の端部が開口した筒状に構成され、軸方向一方部の内周面に第1雌スプライン部を有し、軸方向他方部の内周面に第2雌スプライン部を有する雌軸と、
軸方向他方部の外周面に第1雄スプライン部を有する第1雄軸と、
軸方向一方部の外周面に第2雄スプライン部を有する第2雄軸と、
を備え、
前記雌軸の前記第1雌スプライン部に前記第1雄軸の前記第1雄スプライン部がスプライン係合し、
前記雌軸の前記第2雌スプライン部に前記第2雄軸の前記第2雄スプライン部が圧入状態でスプライン係合し、
前記雌軸に対する前記第1雄軸の摺動荷重は、前記雌軸に対する前記第2雄軸の摺動荷重より小さい、ステアリング装置用中間軸。
このステアリング装置用中間軸によれば、雌軸の一端側の内周面に形成された第1雌スプライン部と第1雄軸の外周面に形成された第1雄スプライン部とがスプライン係合し、雌軸の他端側の内周面に形成された第2雌スプライン部と第2雄軸の外周面に形成された第2雄スプライン部とがスプライン係合している。このように、この中間軸は、雌軸の両端における内周面と第1雄軸及び第2雄軸の外周面とが嵌合する構造であるため、製造する際のコストの嵩張りを抑えつつ、スプライン等の連結部の精度を高めることができる。
また、雌軸の第1雌スプライン部と第1雄スプライン部とのスライド箇所を一端寄りに配置させることができ、スライド箇所で生じる振れ廻りを抑えることができる。また、スライド箇所での曲げモーメントによる影響が抑えられるため、安定した摺動荷重が得られ、スティックスリップによる振動や異音に対しても優れた特性を持たせることができる。
(2) 前記第2雄軸は、前記第1雄軸の摺動荷重の10倍以上の摺動荷重を有する衝撃吸収軸である、(1)に記載のステアリング装置用中間軸。
このステアリング装置用中間軸によれば、雌軸に対する第1雄軸のスライド後に、雌軸に対して第2雄軸が摺動することで、中間軸にかかる衝撃を第2雄軸で良好に吸収させることができる。
(3) 前記第1雄スプライン部を覆う合成樹脂製の第1コーティング層と、前記第2雄スプライン部を覆う合成樹脂製の第2コーティング層と、をさらに備え、
前記第1雌スプライン部と前記第1雄スプライン部とは、前記第1コーティング層を介してスプライン係合しており、
前記第2雌スプライン部と前記第2雄スプライン部とは、前記第2コーティング層を介してスプライン係合している、(1)又は(2)に記載のステアリング装置用中間軸。
このステアリング装置用中間軸によれば、第1雄スプライン部及び第2雄スプライン部に第1コーティング層及び第2コーティング層を設けることにより、第1雄スプライン部及び第2雄スプライン部を保護することができ、しかも、雌軸の第1雌スプライン部及び第2雌スプライン部との摺動時における耐久性を高めることができる。
(4) 前記第1雌スプライン部と前記第1雄スプライン部との第1スプライン係合部と、前記第2雌スプライン部と前記第2雄スプライン部との第2スプライン係合部とのそれぞれが、グリースにより潤滑されている、(1)~(3)のいずれか1つに記載のステアリング装置用中間軸。
このステアリング装置用中間軸によれば、第1スプライン係合部及び第2スプライン係合部をグリースにより潤滑させることにより、これらの係合部を保護することができ、しかも、荷重が付与された際に円滑にスライドさせることができる。
(5) 前記第1雄軸の軸方向他方部の端部と前記第2雄軸の軸方向一方部の端部との間の軸方向長さは、前記第1雌スプライン部からの前記第1雄スプライン部の突出寸法と、前記第2雌スプライン部からの前記第2雄スプライン部の突出寸法との合計に等しい、(1)~(4)のいずれか1つに記載のステアリング装置用中間軸。
このステアリング装置用中間軸によれば、中間軸に衝撃力が加わってフルコラプス状態となった際に、第1雄軸の軸方向他方部の端部と第2雄軸の軸方向一方部の端部とが突き当たる。これにより、中間軸に付与される衝撃力を第1雄軸と第2雄軸で良好に受け止めさせることができる。
(6) 前記雌軸は、前記第1雌スプライン部と前記第2雌スプライン部との間における前記第2雌スプライン部寄りに、前記第2雌スプライン部の内径より大きく拡径する段付部を有し、
前記第2雄軸は、軸方向一方部の先端に弾性変形が可能な抜け止めを有し、
前記抜け止めは、弾性変形により縮径した状態で前記第2雌スプライン部に挿入され、前記第2雌スプライン部を抜け出ると、前記段付部で前記第2雌スプライン部の内径よりも大径に弾性復帰して前記第2雌スプライン部への再挿入を阻止する、(1)~(5)のいずれか1つに記載のステアリング装置用中間軸。
このステアリング装置用中間軸によれば、雌軸に対する引き抜き力が第2雄軸に付与されても、抜け止めが第2雌スプライン部の端部を係止することとなる。したがって、第2雌スプライン部への再挿入が阻止され、雌軸に対して第2雄軸を良好に抜け止めさせることができる。
(7) 前記抜け止めは、
前記第2雄軸の前記先端に固定される基部と、
前記基部から径方向外側に延び、前記第2雌スプライン部への挿入方向の後方に向けて傾斜した複数の突出片と、
を備える、(6)に記載のステアリング装置用中間軸。
このステアリング装置用中間軸によれば、基部から径方向外側に延びて第2雌スプライン部への挿入方向後ろ側に向けて傾斜した複数の突出片が段付部を係止することにより、雌軸に対して第2雄軸を良好に抜け止めさせることができる。
(8) 前記第1雌スプライン部と前記第2雌スプライン部とが、円周方向に関して同位相に配置されている、(1)~(7)のいずれか1つに記載のステアリング装置用中間軸。
このステアリング装置用中間軸によれば、第1雄軸と第2雄軸とをステアリング装置の継手に同位相で連結することができる。
(9) 前記第1雌スプライン部と前記第2雌スプライン部とが、円周方向に関して異なる位相で配置されている、(1)~(8)のいずれか1つに記載のステアリング装置用中間軸。
このステアリング装置用中間軸によれば、第1雌スプライン部と第2雌スプライン部とが円周方向に関して異なる位相に配置された第1雄軸と第2雄軸をステアリング装置の継手に連結することにより、ステアリング装置への中間軸の配置自由度が高くなり、汎用性を高めることができる。
(10) ステアリングギヤユニットと、
ステアリングホイールと、
前記ステアリングギヤユニットと前記ステアリングホイールとの間に設けられ、(1)~(9)のいずれか1つに記載のステアリング装置用中間軸と、
を備えるステアリング装置。
このステアリング装置によれば、コストの増大を抑えつつ、外力を受けた場合でも中間軸の曲がりによる振れ廻りが抑えられ、振動や異音の発生を抑制できる。
(11) 前記第1雄軸はステアリングギヤユニット側に連結され、
前記第2雄軸はステアリングホイール側に連結されている、(10)に記載のステアリング装置用中間軸。
このステアリング装置によれば、小さい荷重でスライドする第1雌スプライン部と第1雄スプライン部の係合箇所がステアリングギヤユニット側に設けられている。これにより、運転者が操作するステアリングホイールへの走行時の振動や衝撃の伝達を抑制することができ、ドライバビリティを向上させることができる。
(12) 前記第1雄軸はステアリングホイール側に連結され、
前記第2雄軸はステアリングギヤユニット側に連結されている、(10)に記載のステアリング装置用中間軸。
このステアリング装置によれば、小さい荷重でスライドする第1雌スプライン部と第1雄スプライン部の係合箇所がステアリングホイール側に設けられている。これにより、チルト操作を行ってステアリングホイールの高さを調整する際の操作力を低減させることができ、運転者によるチルト操作を良好に行わせることができる。
1 中間軸(ステアリング装置用中間軸)
3 ヨーク
10 雌軸
17 第1雌スプライン部
19 第2雌スプライン部
21 段付部
30 第1雄軸
31 第1雄スプライン部
35 第1スプライン係合部
40 第2雄軸
41 第2雄スプライン部
45 第2スプライン係合部(圧入スプライン係合部)
47 抜け止め
51 基部
53 突出片
101 ステアリングホイール
105 ステアリングギヤユニット

Claims (12)

  1. 軸方向両側の端部が開口した筒状に構成され、軸方向一方部の内周面に第1雌スプライン部を有し、軸方向他方部の内周面に第2雌スプライン部を有する雌軸と、
    前記雌軸の軸方向の一方部に組み付けられ、外周面に第1雄スプライン部を有する第1雄軸と、
    前記雌軸の軸方向の他方部に組み付けられ、外周面に第2雄スプライン部を有する第2雄軸と、
    を備え、
    前記雌軸の前記第1雌スプライン部に前記第1雄軸の前記第1雄スプライン部がスプライン係合し、
    前記雌軸の前記第2雌スプライン部に前記第2雄軸の前記第2雄スプライン部が圧入状態でスプライン係合し、
    前記雌軸に対する前記第1雄軸の摺動荷重は、前記雌軸に対する前記第2雄軸の摺動荷重より小さく、
    衝突による衝撃力によって、前記第1雄軸が前記雌軸内に入り切った後、前記雌軸内で前記第2雄軸の端部が前記第1雄軸の端部突き当たる、
    ステアリング装置用中間軸。
  2. 軸方向両側の端部が開口した筒状に構成され、軸方向一方部の内周面に第1雌スプライン部を有し、軸方向他方部の内周面に第2雌スプライン部を有する雌軸と、
    前記雌軸の軸方向の一方部に組み付けられ、外周面に第1雄スプライン部を有する第1雄軸と、
    前記雌軸の軸方向の他方部に組み付けられ、外周面に第2雄スプライン部を有する第2雄軸と、
    を備え、
    前記雌軸の前記第1雌スプライン部に前記第1雄軸の前記第1雄スプライン部がスプライン係合し、
    前記雌軸の前記第2雌スプライン部に前記第2雄軸の前記第2雄スプライン部が圧入状態でスプライン係合し、
    前記雌軸に対する前記第1雄軸の摺動荷重は、前記雌軸に対する前記第2雄軸の摺動荷重より小さく、
    前記雌軸内における前記第1雄軸の端部と前記第2雄軸の端部との間の軸方向長さは、前記第1雌スプライン部の軸方向一方部の端部からの前記第1雄スプライン部の突出寸法と、前記第2雌スプライン部の軸方向他方部の端部からの前記第2雄スプライン部の突出寸法との合計に常に等しい、
    ステアリング装置用中間軸。
  3. 軸方向両側の端部が開口した筒状に構成され、軸方向一方部の内周面に第1雌スプライン部を有し、軸方向他方部の内周面に第2雌スプライン部を有する雌軸と、
    前記雌軸の軸方向の一方部に組み付けられ、外周面に第1雄スプライン部を有する第1雄軸と、
    前記雌軸の軸方向の他方部に組み付けられ、外周面に第2雄スプライン部を有する第2雄軸と、
    を備え、
    前記雌軸の前記第1雌スプライン部に前記第1雄軸の前記第1雄スプライン部がスプライン係合し、
    前記雌軸の前記第2雌スプライン部に前記第2雄軸の前記第2雄スプライン部が圧入状態でスプライン係合し、
    前記雌軸に対する前記第1雄軸の摺動荷重は、前記雌軸に対する前記第2雄軸の摺動荷重より小さく、
    前記雌軸は、前記第1雌スプライン部と前記第2雌スプライン部との間における前記第2雌スプライン部寄りに、前記第2雌スプライン部の内径より大きく拡径する段付部を有し、
    前記第2雄軸は、軸方向一方部の先端に弾性変形が可能な抜け止めを有し、
    前記抜け止めは、弾性変形により縮径した状態で前記第2雌スプライン部に挿入され、前記第2雌スプライン部を抜け出ると、前記段付部で前記第2雌スプライン部の内径よりも大径に弾性復帰して前記第2雌スプライン部への再挿入を阻止する、
    ステアリング装置用中間軸。
  4. 前記抜け止めは、
    前記第2雄軸の前記先端に固定される基部と、
    前記基部から径方向外側に延び、前記第2雌スプライン部への挿入方向の後方に向けて傾斜した複数の突出片と、
    を備える、
    請求項3に記載のステアリング装置用中間軸。
  5. 軸方向両側の端部が開口した筒状に構成され、軸方向一方部の内周面に第1雌スプライン部を有し、軸方向他方部の内周面に第2雌スプライン部を有する雌軸と、
    前記雌軸の軸方向の一方部に組み付けられ、外周面に第1雄スプライン部を有する第1雄軸と、
    前記雌軸の軸方向の他方部に組み付けられ、外周面に第2雄スプライン部を有する第2雄軸と、
    を備え、
    前記雌軸の前記第1雌スプライン部に前記第1雄軸の前記第1雄スプライン部がスプライン係合し、
    前記雌軸の前記第2雌スプライン部に前記第2雄軸の前記第2雄スプライン部が圧入状態でスプライン係合し、
    前記雌軸に対する前記第1雄軸の摺動荷重は、前記雌軸に対する前記第2雄軸の摺動荷重より小さく、
    前記第1雌スプライン部と前記第2雌スプライン部とが、円周方向に関して同位相に配置されている、
    ステアリング装置用中間軸。
  6. 軸方向両側の端部が開口した筒状に構成され、軸方向一方部の内周面に第1雌スプライン部を有し、軸方向他方部の内周面に第2雌スプライン部を有する雌軸と、
    前記雌軸の軸方向の一方部に組み付けられ、外周面に第1雄スプライン部を有する第1雄軸と、
    前記雌軸の軸方向の他方部に組み付けられ、外周面に第2雄スプライン部を有する第2雄軸と、
    を備え、
    前記雌軸の前記第1雌スプライン部に前記第1雄軸の前記第1雄スプライン部がスプライン係合し、
    前記雌軸の前記第2雌スプライン部に前記第2雄軸の前記第2雄スプライン部が圧入状態でスプライン係合し、
    前記雌軸に対する前記第1雄軸の摺動荷重は、前記雌軸に対する前記第2雄軸の摺動荷重より小さく、
    前記第1雌スプライン部と前記第2雌スプライン部とが、円周方向に関して異なる位相で配置されている、
    ステアリング装置用中間軸。
  7. 前記第2雄軸は、前記第1雄軸の摺動荷重の10倍以上の摺動荷重を有する衝撃吸収軸である、
    請求項1~6のいずれか1項に記載のステアリング装置用中間軸。
  8. 前記第1雄スプライン部を覆う合成樹脂製の第1コーティング層と、前記第2雄スプライン部を覆う合成樹脂製の第2コーティング層と、をさらに備え、
    前記第1雌スプライン部と前記第1雄スプライン部とは、前記第1コーティング層を介してスプライン係合しており、
    前記第2雌スプライン部と前記第2雄スプライン部とは、前記第2コーティング層を介してスプライン係合している、
    請求項1~7のいずれか1項に記載のステアリング装置用中間軸。
  9. 前記第1雌スプライン部と前記第1雄スプライン部との第1スプライン係合部と、前記第2雌スプライン部と前記第2雄スプライン部との第2スプライン係合部とのそれぞれが、グリースにより潤滑されている、
    請求項1~8のいずれか1項に記載のステアリング装置用中間軸。
  10. ステアリングギヤユニットと、
    ステアリングホイールと、
    前記ステアリングギヤユニットと前記ステアリングホイールとの間に設けられ、請求項1~9のいずれか1項に記載のステアリング装置用中間軸と、
    を備えるステアリング装置。
  11. 前記第1雄軸はステアリングギヤユニット側に連結され、
    前記第2雄軸はステアリングホイール側に連結されている、
    請求項10に記載のステアリング装置。
  12. 前記第1雄軸はステアリングホイール側に連結され、
    前記第2雄軸はステアリングギヤユニット側に連結されている、
    請求項10に記載のステアリング装置。
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