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JP7433183B2 - 回転電機および回転電機の製造方法 - Google Patents

回転電機および回転電機の製造方法 Download PDF

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JP7433183B2 JP2020164570A JP2020164570A JP7433183B2 JP 7433183 B2 JP7433183 B2 JP 7433183B2 JP 2020164570 A JP2020164570 A JP 2020164570A JP 2020164570 A JP2020164570 A JP 2020164570A JP 7433183 B2 JP7433183 B2 JP 7433183B2
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Description

本願は、回転電機および回転電機の製造方法に関するものである。
従来の永久磁石を有する回転電機の構造において、鉄心の外周に櫛歯状のアームを備えたマグネットホルダを有し、マグネットホルダでマグネットを保持する構造を有するものがあった。
例えば永久磁石の両端部に、端板が配設されており、この端板に設けられた突起は、隣り合う永久磁石の間隙の外周側に嵌合され、永久磁石と端板に設けられた突起の外周は、圧入又は焼き嵌め等により非磁性部材により覆われているものがあった(特許文献1参照)。
また1対のリング磁石は、それぞれ中央に穴部が設けられ、櫛歯がそれぞれ対向するように設けられており、そして各櫛歯の間には、棒状のセグメント磁石を収容するための凹部が形成されているものがあった(特許文献2参照)。
更にはモータに使用されるマグネットホルダは、回転軸に固定されるホルダベースと、ホルダベースから回転軸の延伸方向に向かって突出形成された複数個のホルダアームとを備え、ホルダアームは、ロータコアの外周部に固定され回転軸延伸方向に延びるアーム本体と、ホルダベースとアーム本体とを接続し、アーム本体の幅よりも周方向の幅が小さく形成されたブリッジ部を有し、隣接するホルダアームの間に収容されたマグネットは、ホルダアームの弾性によって保持され、マグネットの取り付けに伴うホルダアーム端部の開きが抑えられるものがあった(特許文献3参照)。
特開2004-129369号 特開2005-45978号 国際公開2007/080888号公報
特許文献1、2に開示された従来の装置は、ロータコアの外周に出力軸方向に沿って設けられたホルダ取り付け溝に櫛歯状のアームを備えたマグネットホルダを嵌合固定し、マグネットを各アーム間に出力軸方向から圧入気味に挿入することで、ロータコアの外周に固定する構造となっている。また、特許文献3に開示された従来の装置は、マグネットホルダのアームとアームを保持するベース間にアームよりも小さいブリッジ部を有し、マグネット挿入時にブリッジ部が変形することで、マグネットを弾性によって保持する構造となっている。
しかし特許文献1、2では、マグネットホルダのアーム基部の剛性が高いため、マグネット挿入時にマグネットをアーム基部まで押し込むと、寸法のばらつきによってはアーム端部が開いてしまい、径方向のがたつきが発生するという課題があった。径方向のがたつきが発生すると、コギングトルクまたはトルクリップル等の回転電機としての性能および信頼性が悪化するという問題がある。また、隣り合うアーム基部同士の隙間が寸法のばらつきによって小さくなると、マグネットを挿入した際にマグネットを所定の位置まで挿入することができず、出力軸方向のばらつきが発生するため、回転電機の性能が悪化する課題があった。
特許文献3では、上記課題を解決するため、マグネットホルダのアームとベースの間にブリッジ部を設け、マグネットを弾性によって保持する構造となっている。しかし、特許文献3では、変形するブリッジ部を有するアームでマグネットの周方向の位置決めと固定をするため、周方向の位置決め精度が悪化し、コギングトルク又はトルクリップル等の回転電機としての性能が悪化する問題がある。また、マグネットホルダはコアに設けた嵌合部に嵌合固定されるが、嵌合部にも所要の遊び、もしくはマグネット挿入時による変形が生じるため、マグネットの周方向の位置決め精度をさらに悪化させる問題がある。
本願は上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、永久磁石を有する回転電機の構造において、マグネットの径方向のがたつきを抑えつつ、出力軸方向および周方向の位置決めを高精度できるマグネットホルダを有する回転電機および回転電機の製造方法を提供することを目的とする。
本願に開示される回転電機は、
出力軸に固定されたロータコアと、前記ロータコアの外周に周方向に沿って配置された複数個のマグネットを有するものであって、
出力軸方向に沿って延び前記マグネットの間に配置される複数個のアーム部と、前記アーム部を保持するベース部を有するマグネットホルダと、
前記アーム部の少なくとも反ベース部側端部に設けられたL字型ホルダ突起部と、
前記ロータコアの側面の少なくとも出力軸方向端部に設けられるとともに、前記L字型ホルダ突起部が嵌合するようなL字形状の断面形状を有するコアリブを備え、
前記L字型ホルダ突起部における周方向一方に突出する第1突出部の径方向外側の面を前記コアリブの周方向他方に突出する第2突出部の径方向内側の面と接触させることにより前記マグネットホルダを前記ロータコアに固定させ、
前記マグネットは径方向においては、前記アーム部の内周面と前記ロータコアの外周面との間に保持されるとともに、
前記マグネットは周方向においては、前記コアリブと前記アーム部との間に保持されるものである。
又本願に開示される回転電機の製造方法は、
マグネットホルダを出力軸方向からロータコアに挿入する工程と、
マグネットホルダをロータの回転方向とは逆方向に回転させた後、出力軸方向に移動させることによりロータコアに固定する工程と、
マグネットをベース部とは反対側の出力軸方向から前記ロータコアと前記マグネットホルダの隙間に挿入する工程とを有するものである。
本願に開示される回転電機によれば、永久磁石を有する回転電機の構造において、マグネットの径方向のがたつきを抑えつつ、出力軸方向および周方向の位置決めを高精度に行うことができる。
実施の形態1における回転電機の構成を示す断面図である。 実施の形態1におけるロータを示す分解斜視図である。 実施の形態1におけるマグネットホルダを示す斜視図である。 実施の形態1におけるアーム部を示す斜視図である。 実施の形態1における第1L字型ホルダ突起部を示す出力軸に対して垂直な断面図である。 実施の形態1における逃がし面部を示す出力軸に対して垂直な断面図である。 実施の形態1における第2L字型ホルダ突起部を示す出力軸に対して垂直な断面図である。 実施の形態1におけるロータコアを示す斜視図である。 実施の形態1におけるコアリブ部を示す拡大図である。 図6に示すロータコア12のA―A線断面図である。 図6に示すロータコア12のB―B線断面図である。 図6に示すロータコア12のC―C線断面図である。 ロータの組立手順を示す図である。 実施の形態1におけるロータの組立手順を示す図である。 実施の形態1におけるロータの組立手順を示す図である。 図11のE方向から見た図である。 実施の形態1におけるロータの組立手順を示す図である。 実施の形態1におけるマグネットをマグネットホルダに挿入した状態を示す斜視図である。 図14におけるD-D線断面図である。 実施の形態1における第1L字型ホルダ突起部とコアリブとの嵌合状態を示す出力軸に対して垂直な断面図である。 実施の形態1における逃がし面部とマグネットとの嵌合状態を示す出力軸に対して垂直な断面図である。 実施の形態1における第2L字型ホルダ突起部とコアリブとの嵌合状態を示す出力軸に対して垂直な断面図である。 実施の形態1におけるロータの組立手順を示す図である。 実施の形態1におけるロータの組立手順を示す図である。 実施の形態1におけるロータの組立手順を示す図である。 実施の形態1における第1L字型ホルダ突起部とコアリブとの嵌合状態を示す出力軸に対して垂直な断面図である。 実施の形態2におけるマグネットホルダを示す斜視図である。 実施の形態2におけるロータコアを示す斜視図である。 実施の形態2におけるロータコアにマグネットホルダを組み付けた状態を示す斜視図である。 図23におけるE―E線断面図である。 図24におけるH-H線断面部におけるホルダリブとコアリブとの嵌合状態を示す出力軸に対して垂直な断面図である。 図24におけるJ-J線断面部におけるホルダリブを示す出力軸に対して垂直な断面図である。
実施の形態1.
本実施の形態は、モータ又は発電機などの回転電機に関するものであり、特にロータコアに備えられたマグネットを保持するマグネットホルダの構造に関するものである。
本実施の形態である回転電機について図を参照しながら以下に説明する。尚、各図において同一または同様の構成部分については同じ符号を付している。
図1は、実施の形態1による回転電機100の構成を示す断面図である。図1において、回転電機100は、円筒形状のモータケース1に内蔵された出力軸2と、出力軸2に固定されたロータ3と、ロータ3の外周面に対してエアギャップを介して対向する内周面を有するステータ4とから主に構成されている。
ステータ4には、電機子巻線5が巻回され、モータケース1の内面に圧入固定される。図1の上部において、電機子巻線5の近傍に配置された環状配線部6は、電機子巻線5の端部に接続されている。巻線端部7は、環状配線部6から回転電機の軸方向に延び、更にフレーム8を貫通して延びている。そして巻線端部7は、環状配線部6を介して電機子巻線5の巻線端部に接続されている。
巻線端部7は、電機子巻線5のU相巻線の巻線端部と、V相巻線の巻線端部と、W相巻線の巻線端部とに夫々接続された3本の導体がまとめられて構成されている。
ロータ3は、その周面に界磁極を構成する永久磁石(図示せず)が複数対配置されている。また、出力軸2を回転自在に支持する一対の第1の軸受9aと第2の軸受9bが、ロータ3に対して図1における上方部と下方部にそれぞれ配置されている。第1の軸受9aはフレーム8の中央部に配置されている。フレーム8は、回転電機100の内部を閉塞する蓋の役目をしている。一方、第2の軸受9bは、回転電機100の出力側の構造体10に固定されている。
出力軸2の反出力側の端部には、センサロータ11が固定されている。センサロータ11の軸方向の端面には、ギャップを介して回転センサ(図示せず)が配置されている。センサロータ11は、1対又は複数対の永久磁石を備えている。分離して配置された回転センサは、出力軸2の回転とともに回転するセンサロータ11の永久磁石からの磁界の変化を検出して電気信号に変換する。
なお、センサロータ11と回転センサは、磁気センサタイプであるとして説明したが、磁気センサタイプ以外のものでもよい。例えばレゾルバであってもよく、あるいはホールセンサであってもよい。
図2はロータ3を示す分解斜視図である。ロータ3の出力軸2にはロータコア12A、12Bが固定されており、ロータコア12A、12Bの外周にはセグメントタイプのマグネット13A、13Bが合成樹脂製のマグネットホルダ14A、14Bによって取り付けられている。またマグネット13A、13Bの外側には円筒形状のカバー15が取り付けられている。このカバー15は、マグネット13A、13Bが万一破損した際に、マグネット13A、13Bが飛散して回転電機100が回転しなくなってしまうことを防止する機能を有する。
本実施の形態におけるロータ3においては、段スキュー構造が採用されている。即ちマグネット13A、13Bはそれぞれロータコア12A、12Bの周方向に沿って8個設けられており、そしてロータコア12A、12Bは軸方向に2列配置されている。そして軸方向において、隣り合っているマグネット13A、13Bは同極性を有しており、更に軸方向に隣り合ったマグネット13A、13Bの関係において、周方向に所定のステップ角ずつずれた位置で取り付けられている。このようにして、マグネット13A、13Bの関係は段スキュー構造の関係となっている。以下ロータコア12A、12Bはロータコア12として、マグネット13A、13Bはマグネット13として、更にマグネットホルダ14A、14Bはマグネットホルダ14として説明する。
図3は、マグネットホルダ14を示す斜視図である。マグネットホルダ14は、マグネット13の数(8個)だけ備えられたマグネット13を保持するアーム部16と、アーム部16を保持するベース部17で構成されている。
ベース部17には、ロータコア12を位置決めし、更に固定するための圧入ピン18が設けられており、圧入ピン18はピン先端部である第1柱状部19と、第1柱状部19より径の大きい第2柱状部20を有する段付き形状となっている。またベース部17には、マグネット13の出力軸方向端部における周方向に亘って存在する片側側面を保持するための出力軸方向保持部21が設けられており、アーム部16が設けられている面と反対側の面には、先端の角度が小さくなるような面取り部である導入部22が設けられており、この導入部22により、カバー15を容易に挿入できるようになっている。
図4はアーム部を示す拡大斜視図である。アーム部16にはマグネット13の周方向側面を保持するためのホルダリブ23が基台部50に対して設けられている。ホルダリブ23のベース部17側には、切り欠き部24が設けられており、切り欠き部24の出力軸方向の長さは、圧入ピン18の長さよりも長く設定されている。後に説明するように、第2L字型ホルダ突起部28を設けることにより、切り欠き部24が形成されることとなる。そして後に説明するようにマグネットホルダ14を回転させてから軸方向に移動させるため必然的に切り欠き部24の長さが圧入ピン18より長く構成されている。切り欠き部24の長さが圧入ピン18より短い場合、組立ができなくなる。尚後に説明するように、第1L字型ホルダ27及び第2L字型ホルダ28を形成すると自然に切り欠き部が存在するようになるが、第2L字型ホルダ突起部28側の切り欠き部24に関しては、前述のように組み立て時に圧入ピン18との長さ関係が特に重要となる。
ホルダリブ23はマグネット13の周方向側面を押さえる押さえ面25と、押さえ面25と対抗する面に設けられた逃がし面26を有する。
また、ホルダリブ23のベース部側とは反対側の端部には第1L字型ホルダ突起部27が設けられている。第1L字型ホルダ突起部27は、ホルダリブ23において周方向の押さえ面25側に配置されている。また、アーム部16には、第1L字型ホルダ突起部27と同一形状をした第2L字型ホルダ突起部28が押さえ面25側に設けられている。図5Aは第1L字型ホルダ突起部27を示す出力軸に対して垂直な断面図、図5Bは逃がし面26部を示す出力軸に対して垂直な断面図、図5Cは第2L字型ホルダ突起部28を示す出力軸に対して垂直な断面図である。
図6はロータコア12を示す斜視図である。円筒形状をしたロータコア12の出力軸方向片側端面である第一面29には、マグネットホルダ14の圧入ピン18を圧入固定するための圧入穴30が設けられている。圧入穴30は、2つの長い円弧状を有する側面と2つの側面を結ぶ2つの円弧状端面を有する第1穴部31と、第1穴部31の端部に設けられた円筒状の第2穴部32を有する。後述するように、第1穴部31と第2穴部32の位置関係については、マグネットホルダ14をロータコア12に対して回転しながら組付けする際に、その回転方向がロータ3の回転方向とは逆である第1穴部31から第2穴部32に周方向に向かう方向になるように設けられている。また、第2穴部32の軸方向の長さ(深さ)は、第1穴部31の軸方向の長さ(深さ)よりも大きい。なお、本実施の形態例では、圧入ピン18を段付き構造にするとともに、第1穴部31および第2穴部32の径を同一としたが、圧入ピン18をストレート形状とし、更に第1穴部31の径を第2穴部32の径よりも大きく設定することも可能である。
ロータコア12の第2面33(側面)の出力軸方向両端には、マグネット13を押し当てて位置決めするためのコアリブ34が、各マグネット13に対して設けられている(本実施の形態では、マグネット13が8個あるので、合計16箇所のコアリブ34が設けられることとなる)。コアリブ34の端部の断面形状は、マグネットホルダ14の第1L字型ホルダ突起部27及び第2L字型ホルダ突起部28がそれぞれ嵌合するようなL字形状となっている。図7はコアリブ部を示す拡大図である。図5A、図5Cおよび図7において、マグネットホルダ14の第1L字型ホルダ突起部27及び第2L字型ホルダ突起部28において、周方向一方に突出する突出部(第1突出部)270、280端部の径方向外側の面270A、280Aは、コアリブ34の周方向他方に突出する突出部(第2突出部)340の径方向内側の面340Aと接触している。又コアリブ34の突出部340とは反対側にはマグネット13と接触する接触する接触面340Bが存在する。
図8Aは図6に示すロータコア12のA―A線断面図、図8Bは図6に示すロータコア12のB―B線断面図、図8Cは図6に示すロータコア12のC―C線断面図であり、それぞれのコア板35を示す平面図である。ロータコア12は、電磁鋼板からなる厚さ約0.5mmのコア板35を積層し、積層側面を溶接することで形成される。すなわち、図6に示されるロータコア12は、図8A、B、Cに示すような3種類のコア板35を所定枚数積層することで構成される。
次にロータ3の組立手順について説明する。図9~図19はロータ3の組立手順を示す図である。図9に示すように、マグネットホルダ14をロータコア12の出力軸方向から、マグネットホルダ14の第1柱状部19がロータコア12の第1穴部31に入るように挿入する。その後図10に示すように、ロータ3の回転方向と逆方向(図10における矢印方向X)に回転させることで、圧入ピン18の軸と第2穴部32の軸を合わせる。尚図10は図9におけるF方向から見た側面図である。その後、図11に示すように、マグネットホルダ14を出力軸方向に移動させることで、マグネットホルダ14の第2柱状部20をロータコア12の第2穴部32に圧入固定する。この際、マグネットホルダ14の第1L字型ホルダ突起部27及び第2L字型ホルダ突起部28と、ロータコア12のコアリブ34が嵌合固定される。図12はマグネットホルダ14とコアリブ34が嵌合固定された状態を示す側面図であり、図11のK方向から見た図である。
次に図13に示すように、1つのロータコア12に対して8個のマグネット13をマグネットホルダ14の反ベース部側から出力軸方向に挿入する。8個のマグネット13を、マグネット13の押し込み面36がロータコア12の第三面37と同じ高さになるまで同時に押し込むことで、マグネットホルダ14とロータコア12の隙間38にマグネット13を固定する。図14はマグネット13をマグネットホルダ14に挿入した状態を示す斜視図、図15は図14におけるD-D線断面図、図16Aは第1L字型ホルダ突起部27とコアリブ34との嵌合状態を示す出力軸に対して垂直な断面図、図16Bは逃がし面26部とマグネット13との嵌合状態を示す出力軸に対して垂直な断面図、図16Cは第2L字型ホルダ突起部28とコアリブ34との嵌合状態を示す出力軸に対して垂直な断面図である。
図16Aに示すように、マグネット13の周方向一方の側面はマグネットホルダ14の押さえ面25に接触し、マグネット13の周方向他方の側面はコアリブ34の接触面340Bと接触する。これによりマグネット13は周方向においては、コアリブ34とアーム部16との間に保持される。そして径方向においては、マグネット13はアーム部16の内周面16Iとロータコア12の外周面12Eとの間に保持されている。
更にマグネットホルダ14の第1L字型ホルダ突起部27及び第2L字型ホルダ突起部28がロータコア12のコアリブ34に嵌合し押し当てられることでマグネットホルダ14は保持される。一方、押さえ面25に対抗する対面となる逃がし面26は、マグネット13がコアリブ34に押し当てられた際に、図16Bに示すように、コアリブ34よりもマグネット13側に突出しない寸法関係、即ち逃がし面26とマグネット13の周方向側面との間に隙間ができるようになっており、確実にマグネット13がコアリブ34に押し当てられる。
次に図17に示すように、マグネット13が挿入された2個で1組をなすロータコア12は、出力軸2に圧入される。次に図18に示すように、マグネット13の飛散防止用のカバー15を出力軸方向から挿入し、図19に示すように、カバー15の出力軸方向端部を径方向内側に折り曲げて折り曲げ部39を設けることでロータ3が完成する。
以上のように構成されることにより、以下に示す効果が得られる。
一般的に回転電機においては、マグネット13とロータコア12の周方向および出力軸方向の位置ずれ、更にはマグネット13の挿入時に発生する径方向のがたつきによって、コギングトルク又はトルクリップル等の回転電機としての性能が悪化するおそれがある。
本実施の形態では、マグネットホルダ14のホルダリブ23に押さえ面25と逃がし面26を設けることで、マグネット13を確実にロータコア12のコアリブ34に押し当てて位置決め、固定することができる。
また、マグネットホルダ14の第1L字型ホルダ突起部27および第2L字型ホルダ突起部28がロータコア12のコアリブ34に嵌合することで、マグネットホルダ14の径方向の開きを防止することができる。即ち図20に示すように、P部において、マグネットホルダ14の突起部(第1L字型ホルダ突起部27および第2L字型ホルダ突起部28)がコアリブ34に組み付いているので、径方向の開き(Q方向)を抑制することができる。
なお、反ベース部側端部のみに第1L字型ホルダ突起部27を設けることも可能であるが、軸方向両端に設けることにより、より強固にマグネットホルダ14を固定することができ、径方向の開きを防止することが可能となる。
また、第1L字型ホルダ突起部27および第2L字型ホルダ突起部28をホルダリブ23の押さえ面25側に配置することで、マグネット13を挿入する際、第1L字型ホルダ突起部27および第2L字型ホルダ突起部28がロータコア12のコアリブ34に押し当てられ、より強固にマグネット13を保持することが可能となる。さらに、マグネットホルダ14をロータコア12に組付ける時の回転方向をロータ3の回転方向と逆方向にすることで、ロータ3が回転する時にマグネットホルダ14の固定が緩み、位置ずれが発生するのを防ぐことが可能となる。
また、マグネット13の出力軸方向は、隣り合うロータコア12に取り付けられた同極性のマグネット13と、マグネットホルダ14の出力軸方向保持部21によって保持されるため、マグネット13の出力軸方向のずれを防止することが可能となる。
また、カバー15の折り曲げ部39の保持力のみでマグネット13の出力軸方向を保持する場合と比較して、マグネットホルダ14と、ロータコア12の圧入力も加えて保持することから、より強固にマグネット13の出力軸方向を保持することが可能となる。
また、マグネットホルダ14に導入部22を設けることで、カバー15の挿入性が向上する。
また、逃がし面26の軸方向両端が軸方向両端のコアリブ34間に収まることによって、マグネットホルダ14のロータコア12に対する軸方向の移動を抑制できる。
また、切り欠き部24(第1L字型ホルダ突起部27、第2L字型ホルダ突起部28)がない場合、コアリブ34と嵌合する部分がなくなるため互いに干渉してしまい、組立てられなくなるが、本実施の形態においては、マグネットホルダ14に切り欠き部24を設けることで、コアリブ34との干渉を防止し、各マグネット13に対して、出力軸方向両端部2箇所に位置決め用のコアリブ34を設けることが可能となり、ロータコア12に対してマグネット13の周方向の位置を高精度で決めることができる。さらに、マグネットホルダ14の圧入ピン18をロータコア12の第2穴部32と位相(周方向位置)をずらして挿入した後、回転させ、出力軸方向に移動して組み付けることで、8個のアーム部16を所定の位置に一括で位置決め、固定することが可能となる。
このように、永久磁石を有する回転電機の構造において、マグネット13の径方向のがたつきを抑えながら、出力軸方向および周方向の位置決めを高精度にすることができるマグネットホルダ14を設けることにより、コギングトルク又はトルクリップルを低減することのできる高性能な回転電機を提供することが可能となる。
実施の形態2.
本実施の形態2を図に基づいて説明する。実施の形態2は、実施の形態1の変形例であり、径方向のがたつきをより抑制すること、およびマグネットホルダ自身の耐久性を向上させることを目的としている。実施の形態1では、コアリブ34が各マグネット13に対して2つ設けられた場合について説明したが、実施の形態2では、複数個(以下の説明では3個)設けた場合の構成について説明する。
図21は実施の形態2によるマグネットホルダ40を示す斜視図である。アーム部16には第1L字型ホルダ突起部27を出力軸方向保持部21からアーム部16先端まで設けたられたホルダリブ41を備えている。ベース部17の構成については実施の形態1と同様である。
図22は実施の形態2によるロータコア42を示す斜視図である。図22において、コアリブ34が1つのマグネット13に対して3箇所設けられている。コアリブ34の形状はホルダリブ41と嵌合する形状となっている。コアリブ34の断面形状は実施の形態1の場合と同じである。更に圧入穴30の形状についても実施の形態1と同様である。
図23はロータコア42にマグネットホルダ40を組み付けた状態を示す斜視図、図24は図23におけるE―E線断面図である。又図25は図24におけるH-H線断面部におけるホルダリブ41とコアリブ34との嵌合状態を示す出力軸に対して垂直な断面図、図26は図24におけるJ-J線断面部におけるホルダリブ41を示す出力軸に対して垂直な断面図である。
図24~図26に示すように、マグネット13の周方向片側側面はマグネットホルダ40の押さえ面25と接触し、ロータコア12のコアリブ34に確実に押し当てられることでマグネット13は保持される。ロータ3の組立手順は、実施の形態1同様である。以上のように構成された回転電機により得られる効果を以下に説明する。
本実施の形態では、実施の形態1同様、マグネット13の径方向のがたつきを抑えながら、出力軸方向および周方向の位置決めを高精度に行うことができる。更にマグネットホルダ40の第1L字型ホルダ突起部27とコアリブ34が嵌合する箇所を複数個(3カ所以上)設けることにより、径方向をより強固に保持することが可能となる。また、径方向に保持する箇所が増えるため、一箇所あたりにかかる応力を減らすことができ、マグネットホルダ40自身の耐久力が向上する。
更に実施の形態1では逃がし面があるため、マグネットホルダを回転させないとコアリブと干渉するため組み付けることができないが、実施の形態2では逃がし面がないため、マグネットホルダ40を回転させずにロータコア42に組み付けることも可能である。但し回転させて固定したほうがマグネットホルダ40を挿入する時の負荷が減少するため、作業性が向上する。
以上の説明及び添付図面の内容は、特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。例えば、前述では、段スキュー構造の回転電機に適用した例を示したが、段スキュー構造を有しないモータに適用することも可能である。更に軸方向に分割されていないマグネットホルダ(例えば、特許文献1、2、3に記載のマグネットホルダ)にも適用可能である。また、マグネットの個数を限定するものではない。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
2 出力軸、3 ロータ、12 ロータコア、13 マグネット、
14 マグネットホルダ、16 アーム部、17 ベース部、18 圧入ピン、
19 第1柱状部、20 第2柱状部、21 出力軸方向保持部、23 ホルダリブ、
27 第1L字型ホルダ突起部、28 第2L字型ホルダ突起部、30 圧入穴、
31 第1穴部、32 第2穴部、34 コアリブ、38 隙間、
40 マグネットホルダ、41 ホルダリブ、42 ロータコア、100 回転電機。

Claims (8)

  1. 出力軸に固定されたロータコアと、前記ロータコアの外周に周方向に沿って配置された複数個のマグネットを有する回転電機であって、
    出力軸方向に沿って延び前記マグネットの間に配置される複数個のアーム部と、前記アーム部を保持するベース部を有するマグネットホルダと、
    前記アーム部の少なくとも反ベース部側端部に設けられたL字型ホルダ突起部と、
    前記ロータコアの側面の少なくとも出力軸方向端部に設けられるとともに、前記L字型ホルダ突起部が嵌合するようなL字形状の断面形状を有するコアリブを備え、
    前記L字型ホルダ突起部における周方向一方に突出する第1突出部の径方向外側の面を前記コアリブの周方向他方に突出する第2突出部の径方向内側の面と接触させることにより前記マグネットホルダを前記ロータコアに固定させ、
    前記マグネットは径方向においては、前記アーム部の内周面と前記ロータコアの外周面との間に保持されるとともに、
    前記マグネットは周方向においては、前記コアリブと前記アーム部との間に保持される回転電機。
  2. 前記マグネットの周方向一方の側面は前記マグネットホルダの押さえ面に接触し、前記マグネットの周方向他方の側面は前記コアリブの接触面と接触する請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記マグネットホルダは1個または複数個のL字型ホルダ突起部を備え、前記ロータコアは前記L字型ホルダ突起部に嵌合する複数の前記コアリブを備え、前記マグネットホルダが前記ロータコアに組付けられた際、前記L字型ホルダ突起部と前記コアリブは互いに嵌合固定される請求項1又は請求項2に記載の回転電機。
  4. 前記マグネットの出力軸方向の少なくとも一方の端部を保持するための出力軸方向保持部を前記マグネットホルダに設けた請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機。
  5. 前記出力軸には複数の前記ロータコアが固定される段スキュー構造が用いられる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回転電機。
  6. 前記マグネットホルダにおける前記ベース部に設けた圧入ピンと、前記ロータコアの出力軸方向片側端面に設けられるとともに前記圧入ピンを圧入固定するための圧入穴を備えた請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の回転電機。
  7. 前記圧入ピンは先端部である第1柱状部と、前記第1柱状部よりも径の大きい第2柱状部を有する段付き形状に構成され、
    前記圧入穴は、2つの長い円弧状を有する側面と2つの前記側面を結ぶ2つの円弧状端面を有する第1穴部と、前記第1穴部の端部に設けられた円筒状の第2穴部を有する請求項6に記載の回転電機。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の回転電機の製造方法であって、
    前記マグネットホルダを出力軸方向から前記ロータコアに挿入する工程と、
    前記マグネットホルダをロータの回転方向とは逆方向に回転させた後、出力軸方向に移動させることにより前記ロータコアに固定する工程と、
    前記マグネットを前記ベース部とは反対側の出力軸方向から前記ロータコアと前記マグネットホルダの隙間に挿入する工程とを有する回転電機の製造方法。
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