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JP7425772B2 - クリンチングスタッドボルト - Google Patents

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JP7425772B2 JP2021109532A JP2021109532A JP7425772B2 JP 7425772 B2 JP7425772 B2 JP 7425772B2 JP 2021109532 A JP2021109532 A JP 2021109532A JP 2021109532 A JP2021109532 A JP 2021109532A JP 7425772 B2 JP7425772 B2 JP 7425772B2
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Description

本発明は、取付対象板材に抜け止め状態かつ回り止め状態で固定されるクリンチングスタッドボルトに関する。
従来、金属板材(取付対象板材)の取付孔に圧入されることにより、抜け止め状態かつ回り止め状態で固定されるクリンチングスタッドボルト(クリンチスタッド)が知られている(例えば、特許文献1参照)。このクリンチングスタッドボルトは、頭部と、頭部の座面から延出されたねじ軸部を備えている。金属板材に別部材を固定する際、この別部材の貫通孔にねじ軸部を挿入し、ねじ軸部の螺進方向とは反対方向にナットが移動するように螺合させて、ナットと金属板材との間に別部材を挟み込んで固定する。
特許文献1に記載のクリンチングスタッドボルトは、座面からねじ軸部の螺進方向下手側に向けて膨出する非真円形状の第1の回り止め部(文献では回り止め突起)と、ねじ軸部の径方向内側に向けて環状に凹入された環状溝部(文献では保持溝)と、環状溝部に対して螺進方向下手側に隣り合う位置において環状に突出する環状突部(文献では保持リング)と、を備えている。特許文献1に記載の技術は、金属板材の取付孔の周囲に、頭部に対向する側に突出した突出部を設けることにより、金属板材にクリンチングスタッドボルトを圧入する際、突出部が回り止め突起に押し潰されて、保持溝に多量の金属を押し込んで抜け荷重及び空転トルクを高めている。
特開2014-141999号公報
しかしながら、特許文献1に記載のクリンチングスタッドボルトは、回り止め突起により押し潰されて流動する金属が、頭部とは反対側に位置する取付孔の周囲から保持リングよりも径方向外側まではみ出してバリになり易い。また、回り止め突起により押し潰された金属が、回り止め突起の径方向外側まで流動して変形を及ぼし、金属板材に反りが発生し易い。その結果、金属板材に別部材を固定する際、バリにより別部材が傷付けられる、バリが異物となって周囲に飛散する、反った金属板材が周囲の部品に干渉する等の不都合が発生し、製品の品質が低下する。
そこで、取付対象板材に固定されたときの品質を向上できるクリンチングスタッドボルトが望まれている。
上記課題は、取付対象板材に抜け止め状態かつ回り止め状態で固定されるクリンチングスタッドボルトであって、頭部と、前記頭部の座面から延出されたねじ軸部と、前記ねじ軸部の螺進方向視において前記ねじ軸部を取り囲む非真円形状に形成され、前記座面から前記螺進方向下手側に向けて膨出する第1の回り止め部と、前記ねじ軸部のうち、前記第1の回り止め部に対して前記螺進方向下手側に隣り合う位置において、前記ねじ軸部の径方向内側に向けて環状に凹入された環状溝部と、前記ねじ軸部のうち、前記環状溝部に対して前記螺進方向下手側に隣り合う位置において、前記ねじ軸部の径方向外側に向けて環状に突出する環状突部とを備え、前記座面と前記環状突部との間に、前記取付対象板材が挟まれるように構成され、前記第1の回り止め部に、前記螺進方向上手側に向けて凹入された凹入部と、前記凹入部に形成され、前記第1の回り止め部の頂部と前記ねじ軸部の中心線とを結ぶ線上に延びる第2の回り止め部とが形成されているクリンチングスタッドボルトによって解決できる。
本構成のクリンチングスタッドボルトは、頭部の座面から膨出する第1の回り止め部、環状溝部及び環状突部が螺進方向に沿って順に配置されており、この第1の回り止め部には、螺進方向上手側に向けて凹入された凹入部が形成されている。また、前記凹入部に形成され、前記第1の回り止め部の頂部と前記ねじ軸部の中心線とを結ぶ線上に延びる第2の回り止め部が形成されている。これにより、第1の回り止め部及び第2の回り止め部が取付対象板材を押し潰したとき、塑性変形することにより流動する取付対象板材が環状溝部に加えて凹入部にも入り込むため、環状突部の径方向外側まではみ出すことが防止される。その結果、バリの発生を防止し、品質を損なうことが無い。特に、第2の回り止め部を備えることにより、空転トルクを向上する。
クリンチングスタッドボルトの斜視図である。 クリンチングスタッドボルトの側面図である。 図2のIII-III線矢視図である。 図3のIV-IV線断面図である。 凸状部が最も環状突部に遠ざかる位置での拡大断面図である。 凸状部が最も環状突部に近付く位置での拡大断面図である。 クリンチングスタッドボルトを取付対象板材に圧入する前の断面図である。 クリンチングスタッドボルトを取付対象板材に圧入した後の断面図である。
以下に、本発明に係るクリンチングスタッドボルトの実施形態について、図面に基づいて説明する。本実施形態では、取付対象板材としての金属板材に圧入されるクリンチングスタッドボルトを一例として説明する。ただし、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
図1~図2に示すように、クリンチングスタッドボルトBは、円周方向に沿う一対の縁部分を丸めた扁平円柱状の頭部1と、頭部1の座面11から延出されたねじ軸部2とを備えている。ねじ軸部2の大部分に雄ねじ部2Aが形成されており、ねじ軸部2の螺進方向Xは、ねじ軸部2の延出方向と一致している。螺進方向Xとは、ねじ軸部2の雄ねじ部2Aを不図示の雌ねじに螺合した際、雌ねじに対してクリンチングスタッドボルトBが前進する方向を意味する。以下、ねじ軸部2の先端側を螺進方向下手側X1とし、ねじ軸部2の基端側(頭部1とねじ軸部2との接続側)を螺進方向上手側X2として説明する。
図8に示すように、クリンチングスタッドボルトBは、金属板材Tに抜け止め状態かつ回り止め状態で固定されることにより、ねじ軸部2の雄ねじ部2Aが金属板材Tから突出しており、治具Gを撤去することにより外部に露出する。クリンチングスタッドボルトBは、金属板材Tよりも剛性の高い低炭素鋼等の金属材料で形成されており、油圧プレスPによりクリンチングスタッドボルトBが金属板材Tに圧入され、金属板材Tが押し潰される。その結果、頭部1の座面11と、後述する環状突部22との間に、金属板材Tが挟まれる。
図1~図2に示すように、クリンチングスタッドボルトBは、頭部1の座面11から螺進方向下手側X1に向けて膨出する第1の回り止め部3と、ねじ軸部2の径方向内側に向けて円環状に凹入された環状溝部21と、ねじ軸部2の径方向外側に向けて円環状に突出する環状突部22とを備えている。環状溝部21は、ねじ軸部2のうち、第1の回り止め部3に対して螺進方向下手側X1に隣り合う位置となっており、環状突部22は、ねじ軸部2のうち、環状溝部21に対して螺進方向下手側X1に隣り合う位置となっている。つまり、第1の回り止め部3、環状溝部21及び環状突部22が、螺進方向Xに沿って順に配置されている。
環状溝部21の溝幅は、環状突部22の形状や金属板材Tの延性等に応じて設定されており、本実施形態では金属板材Tの板厚と同等に設定されている(図8も参照)。環状溝部21と環状突部22とはR形状で連続しており、環状突部22と雄ねじ部2Aとはテーパー形状で連続している(図4も参照)。本実施形態における環状溝部21は、ねじ軸部2に形成された雄ねじ部2Aの外径よりも小さい外径を有しており、環状突部22は、ねじ軸部2に形成された雄ねじ部2Aの外径よりも大きい外径を有している。また、本実施形態における環状突部22の直径は、金属板材Tの貫通孔Taの直径よりも小さく設定されている(図7も参照)。
図3に示すように、第1の回り止め部3は、螺進方向X視において、ねじ軸部2を取り囲む六芒星形状(非真円形状の一例)に形成されている。第1の回り止め部3の外側縁部31は、放射状に配置された複数(本実施形態では6つ)の頂点となる丸角部31aと、一対の丸角部31aを接続する径方向内側に凹状に形成された複数(本実施形態では6つ)の接続辺31bとを有している。複数の丸角部31aの外接円は、座面11の外周側縁部11aと同等の直径を有している。本実施形態における第1の回り止め部3は、丸角部31aを先尖形状とすることで、丸角部31aを膨らんだ半円形状とする場合に比べて接続辺31bを径方向外側まで極力寄せることが可能となるため、後述する凹入部32の容積を大きくすることができる。このような第1の回り止め部3の形状により、第1の回り止め部3が金属板材Tに圧入されたとき、クリンチングスタッドボルトBが金属板材Tに対して回り止め状態となる。
図4に示すように、第1の回り止め部3には、螺進方向上手側X2に向けて環状に凹入された凹入部32が形成されている(図1も参照)。この凹入部32により、第1の回り止め部3の外側縁部31には、螺進方向下手側X1に向かって突出する凸状部31Aが形成されている。この凸状部31Aは、全域に亘って同一の高さで形成されている。凹入部32及び環状溝部21に金属板材Tの金属が入り込むことにより、クリンチングスタッドボルトBが金属板材Tに対して抜け止め状態かつ回り止め状態となる。金属板材Tの金属を収容する凹入部32及び環状溝部21の容積は、凸状部31Aが押し潰して塑性変形することにより流動する金属板材Tの体積と延性等に応じて設定されている(図8も参照)。凹入部32の内側縁部32aは、ねじ軸部2の環状溝部21まで至り、環状溝部21とR形状で連続しており、凹入部32の外側縁部32bは、凸状部31Aの最突出端31Aa(第1の回り止め部3の外側縁部31)まで至り、凸状部31Aと連続している。凹入部32及び凸状部31Aは、断面形状が傾斜した傾斜部30を有しており、この傾斜部30が凹入部32と凸状部31Aとを接続する部位となっている。また、凸状部31Aは、ねじ軸部2とは反対側に、断面形状が傾斜部30よりも急勾配の立設部31Abを有している。
凹入部32は、最突出端31Aaからねじ軸部2に近いほど深くなるように傾斜部30を有しており、傾斜部30の内端30bから内側縁部32aまで座面11と同等の高さで平行に形成された断面直線状の直線状部32Aを有している。つまり、凹入部32は、傾斜部30の内端30bを勾配変化端とし、傾斜部30よりも緩勾配の直線状部32Aを有している。この直線状部32Aは、ねじ軸部2の軸芯周り(以下、「周方向」という)において、長さが異なるように連続している。これにより、第1の回り止め部3の径方向に沿う(第1の回り止め部3の外側縁部31と垂直でねじ軸部2の中心を通る線分でカットした)断面形状は、全周において非相似形状が連続して形成されている。凸状部31Aは、ねじ軸部2側に傾斜部30を有すると共に、ねじ軸部2とは反対側に立設部31Abを有しており、これら傾斜部30と立設部31Abとを接続する最突出端31Aaにより、螺進方向下手側X1に向かって先細り状態となっている。本実施形態における凹入部32の内側縁部32aは全周に亘って環状溝部21まで至っており、環状溝部21と凹入部32とは全周に亘って連続している(図1も参照)。また、凹入部32の外側縁部32bは全周に亘って凸状部31Aの最突出端31Aaまで至っており、凹入部32と凸状部31Aとは傾斜部30により全周に亘って連続している。つまり、凹入部32は、ねじ軸部2を取り囲む無端形状に形成されている。
また、凹入部32には、第2の回り止め部4が一体成形されている。この第2の回り止め部4は、前記第1の回り止め部3の頂部と前記ねじ軸部2の中心線とを結ぶ対角線上の6カ所に形成されており、その断面は第1の回り止め部3と同様の形状を成している。
図5には、凸状部31Aが最も環状突部22に遠ざかる位置、つまり図3に示す座面11の外周側縁部11aと同等の位置にある丸角部31aとねじ軸部2の中心とを通る線分でカットした拡大断面図が示されている。図6には、凸状部31Aが最も環状突部22に近付く位置、つまり図3に示す接続辺31bのうち最も径方向内側にある部分とねじ軸部2の中心とを通る線分でカットした拡大断面図が示されている。
図5~図6に示すように、凸状部31Aの立設部31Abは、頭部1の座面11と垂直に形成されており、傾斜部30は、立設部31Abと平行な仮想垂線Lに対する傾斜角θが約55度に設定されている。図5に示すように、丸角部31aに位置する傾斜部30は、周方向に隣接する傾斜部30同士を接続する接続傾斜部30aを有しており、この接続傾斜部30aは傾斜角θよりも緩勾配に形成されている。この接続傾斜部30aにより、隣接する接続辺31bの傾斜部30は、夫々、第1の回り止め部3の径方向に沿う断面形状が周方向において不連続となっている(図3も参照)。なお、傾斜角θは、45度以上70度以下であれば良く、好ましくは、50度以上60度以下であり、更に好ましくは、約55度である。傾斜角θが45度未満であると凸状部31Aの肉厚が小さくなりすぎて成形時の流動性が低下すると共に剛性が低下してしまい、傾斜角θが70度を超えると、凸状部31Aが大きくなりすぎて凹入部32の容積が小さくなり、金属の収容体積が不足してしまう。また、凸状部31Aの高さL1は、環状溝部21の溝幅L2に対して約3分の1に設定されている。凸状部31Aの高さL1は、環状溝部21の溝幅L2に対して4分の1以上2分の1以下であることが好ましく、4分の1を下回ると凹入部32の容積が小さくなり、金属の収容体積が不足してしまい、2分の1を上回ると、金属が凹入部32に円滑に流動し難くなる。
図3及び図6に示すように、凸状部31Aが最も環状突部22に近付く位置において、本実施形態における傾斜部30の内端30bは、螺進方向X視において環状突部22の最外周よりも若干、径方向内側に位置している。この構成から、金属板材Tに圧入された状態のクリンチングスタッドボルトBは、金属板材Tに対向する座面11の面積を大きく確保することができる(図8も参照)。その結果、座面11のうち隣り合う一対の丸角部31aの間に入り込む金属板材Tの体積を大きく確保することが可能となり、空転トルクを向上させることができる。また、傾斜部30の内端30bが環状突部22の最外周よりも径方向内側に位置しているので、環状溝部21及び凹入部32に収容された厚みのある金属が抜け荷重に対して支配的となり、抜け荷重を高めることができる。
続いて、図7及び図8を用いて、本実施形態に係るクリンチングスタッドボルトBを金属板材Tに圧入したときの作用効果を説明する。金属板材Tは、鋼板等の金属製の薄板であり、環状突部22の直径よりも大きく、かつ、第1の回り止め部3の外径よりも小さい貫通孔Taが予め形成されており、油圧プレスPの押圧力に耐え得る治具Gに支持されている。
図7に示すように、金属板材Tに圧入する前のクリンチングスタッドボルトBは、第1の回り止め部3の最突出端31Aaを貫通孔Taの周囲に当接させると共に、頭部1に油圧プレスPを当接させている。このとき、環状突部22が貫通孔Taの内部に収容されており、ねじ軸部2の雄ねじ部2Aが治具G側に突出している。
次いで、図7~図8に示すように、油圧プレスPにより頭部1を押圧すると、第1の回り止め部3の凸状部31Aが金属板材Tに喰い込みながらクリンチングスタッドボルトBが下方(螺進方向下手側X1)に移動し、座面11が金属板材Tに当接するまで圧入される。このとき、凸状部31Aの体積に相当する押し潰された金属板材Tの金属が、傾斜部30に沿って径方向内側に円滑に流動し、凹入部32及び環状溝部21に収容される。その結果、金属板材Tに固定されたときのクリンチングスタッドボルトBは、全体的に美観に優れたものとなる。
本実施形態に係るクリンチングスタッドボルトBは、頭部1の座面11から膨出する第1の回り止め部3、環状溝部21及び環状突部22が螺進方向Xに沿って順に配置されており、この第1の回り止め部3には、螺進方向上手側X2に向けて凹入された凹入部32が形成されている。これにより、第1の回り止め部3が金属板材Tを押し潰したとき、金属板材Tの金属が環状溝部21に加えて凹入部32にも入り込むため、環状突部22の径方向外側まではみ出すことが防止される。その結果、バリの発生が防止されるので、金属板材Tに別部材を固定する際、バリにより別部材が傷付けられたり、バリが異物となって周囲に飛散したりといった不都合が無く、品質を高めることができる。また、金属板材Tの金属が環状溝部21に入り込むことにより抜け荷重を確保しながら、金属板材Tの金属が凹入部32にも入り込むことにより、金属板材Tの剪断面積が増加し、空転トルクを向上させることができる。しかも、金属板材Tが凹入部32に優先的に入り込むことにより、金属板材Tが凹入部32の径方向外側にはみ出し難く、金属板材Tの反りが防止されるので、反った金属板材Tが周囲の部品に干渉する等の不都合が無く、品質を高めることができる。
また、凹入部32をねじ軸部2に近いほど深く形成しているので、押し潰されて流動する金属板材Tの金属が環状溝部21の方向に円滑に誘導される。この凹入部32と環状溝部21とが全周に亘って連続しているので、押し潰されて流動する金属板材Tの金属が環状溝部21の方向に障壁なく誘導される。換言すると、この凹入部32がねじ軸部2を取り囲む無端形状となっているため、押し潰されて流動する金属板材Tの金属が環状溝部21の方向に障壁なく誘導されると共に、凹入部32の容積が十分に確保される。その結果、流動する金属のはみ出しが一層抑制されてバリの発生が防止されるため、品質を高めることができる。
また、凹入部32は、最突出端31Aaからねじ軸部2に近いほど深くなる傾斜部30と、周方向に隣接する傾斜部30同士を接続し傾斜部30よりも緩勾配の接続傾斜部30aと、接続傾斜部30aよりも緩勾配で周方向の長さが異なるように連続している直線状部32Aとを有している。これにより、本実施形態における第1の回り止め部3の径方向に沿う断面形状は、全周において非相似形状が連続して形成されている。その結果、流動する金属板材Tの金属が、凹入部32に対して周方向に不連続な形状で入り込み、凸状部31Aと凹入部32に入り込んだ金属とが当接することにより空転時の抵抗となって、空転トルクを高めることができる。また、凹入部32に直線状部32Aを設けることで、環状溝部21と隣接する凹入部32の内側縁部32aに多くの金属を入り込ませることが可能となり、空転トルクを更に高めることができる。
また、本実施形態では、凹入部32を第1の回り止め部3の外側縁部31まで延在させて、第1の回り止め部3の外側縁部31に先細り状態で突出する凸状部31Aを形成しているので、この凸状部31Aが金属板材Tに喰い込んで空転トルクを向上させることができる。この凸状部31Aは全域に亘って同一の高さで形成されているため、凸状部31Aが均一に金属板材Tに喰い込んで空転トルクを一層向上させることができる。しかも、この凸状部31Aが障壁となることにより、凹入部32に入り込んだ金属板材Tの金属が凸状部31Aの径方向外側にはみ出し難く、金属板材Tの反りを確実に防止できる。
また、凸状部31Aを、ねじ軸部2側に傾斜させると共に、ねじ軸部2とは反対側の立設部31Abを急勾配で立設させているので、金属板材Tが凹入部32に向かって一層入り込むこととなり、金属板材Tが凹入部32の径方向外側にはみ出すことを確実に防止できる。しかも、金属板材Tが回転してクリンチングスタッドボルトBに回転トルクが印加された場合でも、立設部31Abが金属板材Tに対して垂直に立設していることから、クリンチングスタッドボルトBの抜け出し方向の分力が極めて小さくなり、抜け荷重を適切に確保することができる。
[その他の実施形態]
(1)第1の回り止め部3の非真円形状として、接続辺31bを直線状に形成した六角形状であっても良いし、三角形状、四角形状や五角形状等の多角形状であっても良い。
(2)第1の回り止め部3の凹入部32は、周方向に沿って部分的に設ける等、如何なる形状であっても良く、特に限定されない。この場合、第1の回り止め部3の径方向に沿う断面形状は、周方向の少なくとも一部において非相似形状で形成されていることが好ましい。非相似形状に構成できる形状であれば、凹入部32の傾斜部30を省略して、周方向の長さが異なるように連続している直線状部32Aのみで構成しても良いし、径方向の位置が異なる複数の窪みを周方向に沿って設けても良い。また、凹入部32に入り込んだ金属を環状溝部21まで流動させることのできるように、少なくとも凹入部32の内側縁部32aを周方向に亘って連続させる形状であることが好ましい。
(3)環状溝部21や環状突部22を円環状に形成せずに、外形が多角形状の環状に形成しても良い。また、金属板材Tの貫通孔Taは、環状突部22の直径よりも小さく形成して、貫通孔Taの内周部も環状突部22に押し潰される形状としても良い。
(4)凸状部31Aの最突出端31Aaを尖らせても良い。この場合、最突出端31Aaの最突出端31Aaが金属板材Tに喰い込み易くなる。
(5)取付対象板材として、金属板材Tのほか、流動性(延性)のある材料で形成された板材であれば、特に限定さない。
(6)ねじ軸部2には、雄ねじ部2Aに代えて雌ねじ部を形成しても良い。
本発明は、取付対象板材に抜け止め状態かつ回り止め状態で固定されるクリンチングスタッドボルトに利用可能である。
1 :頭部
2 :ねじ軸部
3 :第1の回り止め部
4 :第2の回り止め部
11 :座面
21 :環状溝部
22 :環状突部
30 :傾斜部
31 :外側縁部
31A :凸状部
31Ab :立設部
32 :凹入部
B :クリンチングスタッドボルト
T :金属板材(取付対象板材)
X :螺進方向
X1 :螺進方向下手側
X2 :螺進方向上手側

Claims (1)

  1. 取付対象板材に抜け止め状態かつ回り止め状態で固定されるクリンチングスタッドボルトであって、
    頭部と、
    前記頭部の座面から延出されたねじ軸部と、
    前記ねじ軸部の螺進方向視において前記ねじ軸部を取り囲む非真円形状に形成され、前記座面から前記螺進方向下手側に向けて膨出する第1の回り止め部と、
    前記ねじ軸部のうち、前記第1の回り止め部に対して前記螺進方向下手側に隣り合う位置において、前記ねじ軸部の径方向内側に向けて環状に凹入された環状溝部と、
    前記ねじ軸部のうち、前記環状溝部に対して前記螺進方向下手側に隣り合う位置において、前記ねじ軸部の径方向外側に向けて環状に突出する環状突部と、を備え、
    前記座面と前記環状突部との間に、前記取付対象板材が挟まれるように構成され、
    前記第1の回り止め部に、前記螺進方向上手側に向けて凹入された凹入部と、
    前記凹入部に形成され、前記第1の回り止め部の頂部と前記ねじ軸部の中心線とを結ぶ線上に延びる第2の回り止め部と、
    が形成されているクリンチングスタッドボルト。
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