JP7424634B2 - 薬剤フィーダ - Google Patents
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Description
この発明は、病院や薬局等で行われる調剤を自動化するために、錠剤やアンプル剤といった粒状固形物の薬剤を自動供給するようになった薬剤フィーダに関し、詳しくは、形状の同じ多数の薬剤をランダム収容するとともに、それらの薬剤を回転体で整列させることで、それらの薬剤を一つずつ送り出す逐次送出・順次排出を行う薬剤フィーダに関し、更に詳しくは、薬剤整列時の高さ規制機能の強化に関する。
[背景技術1](特許文献1参照)
同一形状の錠剤等(薬剤)を一列に整列させながら搬送する整列供給式の薬剤フィーダとして、鉛直線を中心として軸回転可能な外側の環状回転体と、鉛直から傾いた傾斜線を中心として軸回転可能な状態で前記環状回転体の内側に装備されて前記環状回転体の中空を塞ぐ傾斜回転体と、前記傾斜回転体の回転によってその上から前記環状回転体の上端周縁部の上に運ばれた固形の薬剤を前記環状回転体の回転時に整列させる規制部材とを備えた薬剤フィーダが実用化されている。
同一形状の錠剤等(薬剤)を一列に整列させながら搬送する整列供給式の薬剤フィーダとして、鉛直線を中心として軸回転可能な外側の環状回転体と、鉛直から傾いた傾斜線を中心として軸回転可能な状態で前記環状回転体の内側に装備されて前記環状回転体の中空を塞ぐ傾斜回転体と、前記傾斜回転体の回転によってその上から前記環状回転体の上端周縁部の上に運ばれた固形の薬剤を前記環状回転体の回転時に整列させる規制部材とを備えた薬剤フィーダが実用化されている。
そのうち本願発明の構成や課題などの理解に役立つ部分を、図面を引用して具体的に説明する(図6参照)。
図6は、薬剤フィーダ10のほぼ全容を示しており、(a)が平面図、(b)が縦断正面図である。
図6は、薬剤フィーダ10のほぼ全容を示しており、(a)が平面図、(b)が縦断正面図である。
薬剤フィーダ10は、二重回転タイプのものであり、筐体の最上部に位置しており中央部分が円形に刳り抜かれて中空になっている周壁11と、その中空に上端部が遊嵌された状態で設置されている又は周壁11の中空の直下に設置されている環状回転体20と、この環状回転体20の中空内に設置された傾斜回転体30と、この内側の傾斜回転体30とその外側の環状回転体20とを何れも軸回転可能に支持する支承機構40と、それらの回転の駆動を担う回転駆動機構50と、周壁11の上側に設けられた仕分け部材60及び規制機構70とを具えている。
しかも、支承機構40によって、環状回転体20は鉛直線を中心として軸回転しうる状態に保たれ、傾斜回転体30は鉛直から傾いた傾斜線を中心として軸回転しうる状態に保たれる。そして、そのような内側の傾斜回転体30と外側の環状回転体20は、薬剤は通さないが回転は許容される僅かな間隙を保って傾斜回転体30が環状回転体20の中空を塞ぐことで、二重回転タイプ薬剤フィーダの回転容器20+30を構成しており、傾斜回転体30の回転による持ち上げと仕分け部材60の仕分けとによって傾斜回転体30の周縁部33の上から薬剤を環状回転体20の上端周縁部23の上に運び、環状回転体20の回転による水平搬送と規制機構70の整列機能とにて上端周縁部23の上の薬剤を整列させながら落下排出口14へと運ぶようになっている。以下、各部を説明する。
環状回転体20は、中空の径が上側ほど大きい下部21と、中空の径が上側ほど小さい上部22とからなり、それらの中空に傾斜回転体30を納めてから両部21,22をボルト等で連結することで一体化され、傾斜回転体30と共に回転容器20+30をなす。
傾斜回転体30は、その上面が回転容器20+30の内底になり、図示のものではその上面の央部32の中央に中央突起31が形成されている。また、傾斜回転体30の周縁部33の上面は、一周に亘って、薬剤の掬い上げに役立つ緩い鋸歯状波形に加工されているうえ、掬い上げた薬剤を傾斜による転がりにて円滑に環状回転体20の上端周縁部23へ送り込むことができるよう外下がりの状態になっている。
傾斜回転体30は、その上面が回転容器20+30の内底になり、図示のものではその上面の央部32の中央に中央突起31が形成されている。また、傾斜回転体30の周縁部33の上面は、一周に亘って、薬剤の掬い上げに役立つ緩い鋸歯状波形に加工されているうえ、掬い上げた薬剤を傾斜による転がりにて円滑に環状回転体20の上端周縁部23へ送り込むことができるよう外下がりの状態になっている。
支承機構40は、各所に分散して配設された複数の部材41~43からなり、それには例えばラジアル軸受などを主体とした受動部材41が幾つかと、例えば硬質ゴム製Oリングなどの輪状体・環状体からなる回転伝動部材42,43とが含まれている。
回転駆動機構50は、回転容器20+30の下に配置された回転駆動部材51と、この回転駆動部材51を軸回転させる回転駆動モータ54とを具備しており、径の異なる回転伝動部材42,43を介する摩擦伝動にて環状回転体20を相対的に高速で軸回転させるとともに、傾斜回転体30を相対的に低速で軸回転させるようになっている。
回転駆動機構50は、回転容器20+30の下に配置された回転駆動部材51と、この回転駆動部材51を軸回転させる回転駆動モータ54とを具備しており、径の異なる回転伝動部材42,43を介する摩擦伝動にて環状回転体20を相対的に高速で軸回転させるとともに、傾斜回転体30を相対的に低速で軸回転させるようになっている。
仕分け部材60は、揺動支点の基端部61から揺動端の先端部62まで延びた細長い棒材を主体としたものであり、基端部61が支持部63によって周壁11や環状回転体20の上方で支持されており、そこを中心にして先端部62が上下に揺動しうるようになっている。先端部62寄りの部分が少し曲がっており、常態では先端部62が斜め下向きの状態で自重により軽く傾斜回転体30の周縁部33に乗っているので、その周縁部33から環状回転体20の上端周縁部23へ滑り落ちることなく周縁部33に乗ったまま運ばれて来た薬剤の多くが、先端部62に当接するとともに、その反作用の付勢力によって傾斜回転体30の央部32へ戻されるが、それが円滑に行われなければ薬剤破損等の回避のため先端部62が揺動して上方へ逃げるようにもなっている。
規制機構70は、環状回転体20の上端周縁部23の回転方向を基準として仕分け部材60より進行先に設置された第1規制部材71と、それよりも更に進行先に設置された第2規制部材72と、それら第1規制部材71と第2規制部材72との何れにもピン状の回転許容軸部材等を介して連結されているリンク機構73と、サンプル薬剤を収容しうる型置場74とを具備している。
第1規制部材71も、第2規制部材72も、揺動中心部が周壁11側に位置するとともに、揺動端部が環状回転体20の上端周縁部23の上に位置しているので、その上端周縁部23の上の薬剤搬送経路幅を外周側から狭めるものとなっている。
第1規制部材71も、第2規制部材72も、揺動中心部が周壁11側に位置するとともに、揺動端部が環状回転体20の上端周縁部23の上に位置しているので、その上端周縁部23の上の薬剤搬送経路幅を外周側から狭めるものとなっている。
しかも、第1規制部材71と第2規制部材72は、何れも揺動にて上端周縁部23の上の薬剤搬送経路幅の狭め量を可変調整しうるものであるが、リンク機構73の長手方向進退に応じて両規制部材71,72が同時かつ同様に揺動するので、両規制部材71,72による薬剤搬送経路幅の狭め量の調整量が連動するものともなっている。さらに、型置場74にサンプル薬剤を収容してから、それに向けてリンク機構73を動かすと、リンク機構73が長手方向に進んで先端をサンプル薬剤に当接させて止められるが、そのときに第1規制部材71の揺動端部と第2規制部材72の揺動端部が何れも上端周縁部23の上の薬剤搬送経路幅をサンプル薬剤に倣って薬剤一個相当分に狭めるようにもなっている。
また、そのような規制機構70より更なる進行先では、周壁11に、それを上下に貫通する落下排出口14が形成されており、そこへ環状回転体20の上端周縁部23の上の薬剤を環状回転体20の回転にて送り込むために周壁11には排出ガイド13も設けられている。この排出ガイド13の先端部には、そこより下側に延び且つ先にも延びて最先端となる搬送面ガイド12が形成されていて、薬剤が排出ガイド13に当接した反動で傾斜回転体30の方へ不所望に落下するといったことを防止するようになっている。
さらに、図示を割愛したが、回転駆動モータ54の動作制御を担うコントローラと、それらに動作電力を供給する電源も、同じ筐体に内蔵して又は筐体の外に設けられている。また、落下排出口14における薬剤の落下を検出するフォトセンサ等も付設されており、その検出信号がコントローラや錠剤カウンタへ送信される。
コントローラの回転制御は、低速回転から始まり、最初の薬剤の排出を検出した後、更に、予め設定された所定数の薬剤の排出を検出すると、高速回転に移行するようになっている。また、予め指定された総排出数と排出済み個数とから残数を算出するとともに、やはり指定された所定数に残数が達すると回転速度を落としたり、薬剤排出完了後に不所望な過剰落下の防止のため逆回転を行わせるようにもなっている。
コントローラの回転制御は、低速回転から始まり、最初の薬剤の排出を検出した後、更に、予め設定された所定数の薬剤の排出を検出すると、高速回転に移行するようになっている。また、予め指定された総排出数と排出済み個数とから残数を算出するとともに、やはり指定された所定数に残数が達すると回転速度を落としたり、薬剤排出完了後に不所望な過剰落下の防止のため逆回転を行わせるようにもなっている。
このような薬剤フィーダ10の動作等についても説明する。薬剤フィーダ10を使用して多数の薬剤を逐次送出するには、それに先だって、薬剤搬送経路幅の規制作業と薬剤のランダム投入とを済ませておく。
そのうち、薬剤搬送経路幅の規制作業は、作業担当者が、多数の薬剤のうちから適宜な一個を型用薬剤に選出して、それを型置場74に収めてから、それにリンク機構73の一端が当接するようにリンク機構73の位置を調整するという簡単なことで、遂行される。
そのうち、薬剤搬送経路幅の規制作業は、作業担当者が、多数の薬剤のうちから適宜な一個を型用薬剤に選出して、それを型置場74に収めてから、それにリンク機構73の一端が当接するようにリンク機構73の位置を調整するという簡単なことで、遂行される。
その作業が行われると、第1規制部材71と第2規制部材72とが何れもリンク機構73に連動して揺動し、それらの揺動端部によって環状回転体20の上端周縁部23の上の薬剤搬送経路幅が二カ所で型用薬剤の直径に対応するところまで狭められる。
また、薬剤のランダム投入は、やはり作業担当者が、文字通り多数の薬剤を環状回転体20の上部開口から回転容器20+30へランダムに投入すれば良い。
そうすると、投入されたランダム収容薬剤は、自然に、傾斜回転体30の上面のうち下側に来ている部分の上に集まる。
また、薬剤のランダム投入は、やはり作業担当者が、文字通り多数の薬剤を環状回転体20の上部開口から回転容器20+30へランダムに投入すれば良い。
そうすると、投入されたランダム収容薬剤は、自然に、傾斜回転体30の上面のうち下側に来ている部分の上に集まる。
これで自動動作の準備が調うので、薬剤フィーダ10を例えば単純な連続送出モード等で動作させると、以後はコントローラの制御に従って回転駆動モータ54が適宜な速度で回転する。そうすると、それに応じて回転駆動部材51が軸回転し、その回転運動が、大径部外装回転伝動部材42を介した摩擦伝動にて環状回転体20に伝達されるとともに、小径部外装回転伝動部材43を介した摩擦伝動にて傾斜回転体30にも伝達されて、大径部外装回転伝動部材42と小径部外装回転伝動部材43とが同じ向きに軸回転するが、大径部外装回転伝動部材42の方が小径部外装回転伝動部材43より高速で回転する。
傾斜回転体30が軸回転すると、回転容器20+30の内底に溜まっていたランダム収容薬剤のうち傾斜回転体30の周縁部33の上に来ていた薬剤が、鋸歯状の周縁部33の循環運動によって低位置から高位置へ掬い上げられる。
そうして、周縁部33が環状回転体20の上端周縁部23よりも高くなるところまで運ばれた薬剤は、大部分が周縁部33の傾斜に基づく滑落や転動によって上端周縁部23の上へ乗り移る。
そうして、周縁部33が環状回転体20の上端周縁部23よりも高くなるところまで運ばれた薬剤は、大部分が周縁部33の傾斜に基づく滑落や転動によって上端周縁部23の上へ乗り移る。
これに対し、上端周縁部23の上が先行の他の薬剤で詰まっていたり、たまたま滑落や転動しなかったといった理由で、傾斜回転体30の周縁部33の上に残っていた薬剤は、傾斜回転体30の更なる軸回転によって仕分け部材60の先端部62の所へ運ばれ、そこで先端部62に当接し、その当接の反動によって上端周縁部23とは逆の向きに移動させられるため、傾斜回転体30の央部32を傾斜面に沿って滑落する。
こうして、過剰な薬剤がランダム収容薬剤に戻るので、上端周縁部23の上の薬剤搬送経路には或る程度絞り込まれて適量に近い頻度で薬剤が送り込まれる。
こうして、過剰な薬剤がランダム収容薬剤に戻るので、上端周縁部23の上の薬剤搬送経路には或る程度絞り込まれて適量に近い頻度で薬剤が送り込まれる。
環状回転体20の方が傾斜回転体30より高速で軸回転しているので、上端周縁部23の上の薬剤は、周縁部33から乗り移ったときに回転速度の差に応じて或る程度はばらけるが、薬剤が小さめの場合など、縦一列になるものもあれば、真横や斜め横に並ぶものもありうる。そして、それらの薬剤が、環状回転体20の軸回転によって第1規制部材71の所へ運ばれると、一列の薬剤はそのまま通過するが、横並びの薬剤については第1規制部材71との干渉によって内側の薬剤が上端周縁部23の上から押し出されて傾斜回転体30の上に落下しランダム収容薬剤に戻るので、横並びが解消される。
とはいえ、横並びの薬剤が多いとき等には、薬剤同士の押し合い等によって第1規制部材71の先端を巻くようにすり抜ける薬剤もありうる。そして、そのような場合、第1規制部材71を通過した薬剤のうち一部のものには斜め横の並び状態が残ったりすることがある。いずれにしろ、第1規制部材71を通過した薬剤は、その後、環状回転体20の軸回転よって第2規制部材72の所へ運ばれて、再び同様の整列が強制されるため、例え横並び状態が残っていても僅かなものにすぎないうえ程度も斜め横の並びの軽い状態にとどまることから、横並び状態が再度の規制で迅速かつ十分に解消される。
このようにして二重の規制をクリアして一列に整列した整列済み薬剤は、環状回転体20の軸回転に伴う上端周縁部23の循環運動によって次々に排出ガイド13の所へ運ばれ、上端周縁部23の上の薬剤搬送経路と斜めに交差している排出ガイド13の外側側面に当接する。
そして、整列済み薬剤の多くは、直ちに排出ガイド13の当接側面に沿って進み、一列になって落下排出口14に送り込まれる。
そして、整列済み薬剤の多くは、直ちに排出ガイド13の当接側面に沿って進み、一列になって落下排出口14に送り込まれる。
もっとも、当接状況によっては希に一部の整列済み薬剤が内周側へ少しはじかれることもあるが、そのような状況が生じたときでも、整列済み薬剤の環状回転体20の上への落下や、上端周縁部23と排出ガイド13との斜交部位への挟み込みは、搬送面ガイド12によって阻止される。
こうして、総ての整列済み薬剤が無駄なく一列で落下排出口14に送り込まれる。落下排出口14に送り込まれた薬剤は重力で加速されて落下速度を増すことから、先後の薬剤の離隔距離が広がるので、その離隔距離が十分になる所に設置したフォトセンサ等で落下薬剤を検出するといったことで、的確に、薬剤を計数することができる。
こうして、総ての整列済み薬剤が無駄なく一列で落下排出口14に送り込まれる。落下排出口14に送り込まれた薬剤は重力で加速されて落下速度を増すことから、先後の薬剤の離隔距離が広がるので、その離隔距離が十分になる所に設置したフォトセンサ等で落下薬剤を検出するといったことで、的確に、薬剤を計数することができる。
このような薬剤フィーダにあっては、二重回転タイプ薬剤フィーダを基本にしたことにより、すなわち、回転容器を内外二重化してそれらの回転にて内側の傾斜回転体から外側の環状回転体の上端周縁部の上に固形薬剤を運び更にその固形薬剤を規制部材にて整列させるようにしたことにより、回転体の中に固定の整流ガイドを設ける必要が無くなったばかりか、種々の形状やサイズの薬剤に対する共用範囲が広がっている。
また、このような薬剤フィーダにあっては、環状回転体の上端周縁部の上で固形薬剤を安定姿勢で一列に整列させるために、薬剤の横幅を規制する規制機構が前後に連ねて二つ装備されるとともに、薬剤の高さを規制する仕分け部材が上記の規制機構に前置されており、それらによって整列機能が適切に発揮されているが、それらの部材のうち仕分け部材は、既述したように薬剤破損等の回避のため薬剤からの反力が強いときには先端部が揺動して上方へ逃げるようになっているため、高さ規制が常に確実に行われると言い切れる訳ではないが、仕分け部材による高さ規制は、規制機構による幅規制の負担を軽減するための前処理といったものなので、実用上の不都合が有る訳ではない。
[背景技術2](特許文献2,3参照)
これに対し、上述のように共用範囲が広がると、形状やサイズの相違だけでなく、材質の異なる薬剤たとえば硬めの薬剤だけでなく表層の脆い薬剤や、球状や紡錘状といった転がり易い形状の薬剤などについても共用の要望が高まる。
そして、それに応じて脆い薬剤や転がり易い薬剤も取り扱うには、薬剤の損傷や過剰な転動を回避・抑制するために、薬剤と仕分け部材との当たりが和らぐようにするといった謂わば仕分け部材の繊細化や多様化が求められる。
これに対し、上述のように共用範囲が広がると、形状やサイズの相違だけでなく、材質の異なる薬剤たとえば硬めの薬剤だけでなく表層の脆い薬剤や、球状や紡錘状といった転がり易い形状の薬剤などについても共用の要望が高まる。
そして、それに応じて脆い薬剤や転がり易い薬剤も取り扱うには、薬剤の損傷や過剰な転動を回避・抑制するために、薬剤と仕分け部材との当たりが和らぐようにするといった謂わば仕分け部材の繊細化や多様化が求められる。
しかしながら、そのような対処は仕分け部材の高さ規制機能を弱めがちなので、単純な繊細化等にとどまることなく、薬剤と仕分け部材との当たりを緩和しても高さ規制機能が維持されるような更には強化されるような対策をも加味した対処方が望まれる。
そこで、二重回転タイプ薬剤フィーダを踏襲しつつ更に薬剤整列時の高さ規制機能を維持しつつも薬剤に対する仕分け部材の当たりは緩やかな薬剤フィーダを実現することが更なる技術的課題となった。
そこで、二重回転タイプ薬剤フィーダを踏襲しつつ更に薬剤整列時の高さ規制機能を維持しつつも薬剤に対する仕分け部材の当たりは緩やかな薬剤フィーダを実現することが更なる技術的課題となった。
そして、そのような技術課題を解決するために、縦線を中心として軸回転可能な外側の環状回転体と、前記縦線から傾いた傾斜線を中心として軸回転可能な状態で前記環状回転体の内側に装備されて前記環状回転体の中空を塞ぐ傾斜回転体と、前記傾斜回転体の回転によってその上から前記環状回転体の上端周縁部の上に運ばれた固形の薬剤を前記環状回転体の回転時に整列させる仕分け部材および規制部材とを備えた薬剤フィーダであって、前記規制部材が前記環状回転体の前記上端周縁部の上の薬剤に対して横幅を規制するようになっており、前記仕分け部材が、前記環状回転体の前記上端周縁部の上方に垂れ下がっていて下端部を横に押されると変形しうる垂下物を具備していることにより前記環状回転体の前記上端周縁部の上の薬剤に対して高さを規制するようになっており、前記垂下物が複数の球体を緩く連結したものからなる、という薬剤フィーダが開発された。
そのうち本願発明の課題等の理解に役立つ部分を、既述の薬剤フィーダ10を改良した薬剤フィーダ100に係る図面を引用して具体的に説明する(図7~図9参照)。
図7は、薬剤フィーダ100の全体構成を示す縦断面図である。
図7は、薬剤フィーダ100の全体構成を示す縦断面図である。
図8は、既述の規制機構70を改良した規制機構700の構成を示し、(a)が、型用薬剤5aを型置場74に置いたときの規制機構700に係る平面図、(b)が、第1規制部材710の平面図と端面図である。
図9は、既述の仕分け機構60を改良した仕分け機構600の構成を示しており、(a)が、仕分け機構600とその設置先部分とに係る外観斜視図であり、(b)が、仕分け機構600の第1仕分け部材610に係る正面図であり、(c)が、仕分け機構600の第2仕分け部材620に係る正面図である。
図9は、既述の仕分け機構60を改良した仕分け機構600の構成を示しており、(a)が、仕分け機構600とその設置先部分とに係る外観斜視図であり、(b)が、仕分け機構600の第1仕分け部材610に係る正面図であり、(c)が、仕分け機構600の第2仕分け部材620に係る正面図である。
薬剤フィーダ100が既述の薬剤フィーダ10と相違する点としては(図7参照)、回転駆動機構50が二つの回転駆動モータ54a,54bを具備して環状回転体20の回転と傾斜回転体30の回転とを個別に制御できるようになったことや、環状回転体20がそれを上下に分解しなくても傾斜回転体30を抜き差しできる椀状の一体物になったこと、傾斜回転体30の着脱を検出する傾斜回転体装着検出手段55が追加されたこと、落下排出口14の下方の薬剤落下検出手段56が明示されたこと等が挙げられる。
さらに、規制機構70が改造されて規制機構700になったことと、仕分け部材60が改造されて仕分け機構600になったことが、挙げられる
ここでは、それらの相違点のうち、本願発明の課題と密に関係する規制機構700と仕分け機構600とについて、詳述する。
ここでは、それらの相違点のうち、本願発明の課題と密に関係する規制機構700と仕分け機構600とについて、詳述する。
規制機構700は(図8(a)参照)、既述した規制機構70を引き継ぐに際して、型用薬剤5aをセットする型置場74や、規制部材71,72を連動させるリンク機構73は、概ねそのまま引き継いでいるが、第1規制部材71と第2規制部材72には改良が施されて、それぞれ第1規制部材710と第2規制部材720になっている。
第1,第2規制部材710,720は同形なので、一方710を詳述するが(図8(b)参照)、第1規制部材710は、既述の第1規制部材71と同様、図では左端の揺動中心部が周壁11側に位置し、図では右端の揺動端部が環状回転体20の上端周縁部23の上方に位置し、リンク機構73の長手方向進退に応じて上端周縁部23の上の薬剤搬送経路幅を外周側から狭める横幅規制機能を発揮するものとなっている。
第1,第2規制部材710,720は同形なので、一方710を詳述するが(図8(b)参照)、第1規制部材710は、既述の第1規制部材71と同様、図では左端の揺動中心部が周壁11側に位置し、図では右端の揺動端部が環状回転体20の上端周縁部23の上方に位置し、リンク機構73の長手方向進退に応じて上端周縁部23の上の薬剤搬送経路幅を外周側から狭める横幅規制機能を発揮するものとなっている。
しかも、第1規制部材710は(図8(b)参照)、内周側面部が改造されており、内周側面部に、既述の第1規制部材71の内周側面部を踏襲していて横幅規制機能を担う下段部分711だけでなく、既述の第1規制部材71には無かった上段部分712も、形成されている。上段部分712は、下段部分711よりも内周側に張り出しており、上段部分712と下段部分711との間は傾斜面になっている。そのため、第1規制部材710は、下段部分711がリンク機構73の状態に応じた厳密な横幅規制機能を行うのに加えて、上段部分712が緩やかな高さ規制を行うものとなる。
繰り返しとなる詳細な説明は割愛するが、第2規制部材720も同様である。
繰り返しとなる詳細な説明は割愛するが、第2規制部材720も同様である。
図9に示した仕分け機構600は、既述の仕分け部材60を改造したものであり、本願発明の適用対象の中心的な部位である。
図9は、薬剤フィーダ100の仕分け機構600の構造を示しており、(a)が仕分け機構600とその設置先部分とに係る外観斜視図であり、(b)が仕分け機構600の第1仕分け部材610に係る正面図であり、(c)が仕分け機構600の第2仕分け部材620に係る正面図である。
図9は、薬剤フィーダ100の仕分け機構600の構造を示しており、(a)が仕分け機構600とその設置先部分とに係る外観斜視図であり、(b)が仕分け機構600の第1仕分け部材610に係る正面図であり、(c)が仕分け機構600の第2仕分け部材620に係る正面図である。
仕分け機構600は(図9(a)参照)、環状回転体200の上端周縁部230の薬剤搬送経路において既述の仕分け部材60と同様に規制機構700の上流に配設された第1仕分け部材610と、仕分け部材60と異なり上記の薬剤搬送経路において規制機構700と並ぶ位置に配設された第2仕分け部材620とを具備しており、それら複数の部材にて多段階で仕分け機能を発揮するものになっている。
何れの部材610,620も、既述の仕分け部材60と同様に、排出ガイド13を含むとともに規制機構700を支持する板体に対して、装着されている。
何れの部材610,620も、既述の仕分け部材60と同様に、排出ガイド13を含むとともに規制機構700を支持する板体に対して、装着されている。
第1仕分け部材610は(図9(a),(b)参照)、手動のネジ機構にて上下位置を調整しうる短かめの支持部材611と、その先端寄り部位に取り付けられて支持部材611に随伴して上下する前段垂下物612(第1形の垂下物)とを具備している。
前段垂下物612は(図9(b)参照)、複数の大玉613(図では二個の球体)を緩く連結して鎖状にしたものであり、市販のボールチェーン等で足りれば容易かつ安価に具現化できる。第1仕分け部材610では、二個の前段垂下物612が、支持部材611から上端周縁部230の薬剤搬送経路の上方へ横並び状態で垂れ下がり、通常は前段垂下物612の下端が薬剤の高さより少しだけ高くなるように上下位置が調整される。
前段垂下物612は(図9(b)参照)、複数の大玉613(図では二個の球体)を緩く連結して鎖状にしたものであり、市販のボールチェーン等で足りれば容易かつ安価に具現化できる。第1仕分け部材610では、二個の前段垂下物612が、支持部材611から上端周縁部230の薬剤搬送経路の上方へ横並び状態で垂れ下がり、通常は前段垂下物612の下端が薬剤の高さより少しだけ高くなるように上下位置が調整される。
第2仕分け部材620は(図9(a),(c)参照)、これも手動で上下位置を調整しうる長めの支持部材621と、その先端寄り部位に取り付けられて支持部材621に随伴して上下する中段垂下物622及び後段垂下物632(何れも第1形の垂下物)と、支持部材621の上下位置調整を担う手動調整機構650とを具備している。
中段垂下物622は(図9(c)参照)、複数の中玉623(図では三個の球体)を緩く連結して鎖状にしたものであるが、中玉623が小粒になり連結個数が増えている。
後段垂下物632も、やはり複数(図では手前七個と奥六個)の小玉633を緩く連結して鎖状にしたものであり、小玉633が更に小粒になり連結個数が増えている。
中段垂下物622は(図9(c)参照)、複数の中玉623(図では三個の球体)を緩く連結して鎖状にしたものであるが、中玉623が小粒になり連結個数が増えている。
後段垂下物632も、やはり複数(図では手前七個と奥六個)の小玉633を緩く連結して鎖状にしたものであり、小玉633が更に小粒になり連結個数が増えている。
手動調整機構650は、支持部材621を手動操作にて上げてそれと下限設定機構651との間隙を広げてから、下限設定機構651の上に型用薬剤5b(上述した型置場74に置いた図8(a)の型用薬剤5aとは別物であるが同形の薬剤の一つ)を載置し、それから手動操作にて支持部材621を型用薬剤5bに軽く当たるところまで下げると、支持部材621の上下位置が型用薬剤5bに対応した位置に来るようになっている。
下限設定機構651には、目盛部材652が付設されており(図9(c)参照)、その目盛が下限設定機構651と支持部材621との間隔ひいては型用薬剤5bのサイズを示し更には手動調整機構650によって調整された第2仕分け部材620による規制高さをも示すようになっている。また、支持部材621の上下位置調整に付随して、型用薬剤5aの採寸・表示まで行われるので、第1仕分け部材610の調整の目安にもなる。
下限設定機構651には、目盛部材652が付設されており(図9(c)参照)、その目盛が下限設定機構651と支持部材621との間隔ひいては型用薬剤5bのサイズを示し更には手動調整機構650によって調整された第2仕分け部材620による規制高さをも示すようになっている。また、支持部材621の上下位置調整に付随して、型用薬剤5aの採寸・表示まで行われるので、第1仕分け部材610の調整の目安にもなる。
さらに、上述した前段垂下物612と中段垂下物622と後段垂下物632とについて、それらの位置関係や役割分担等を説明する。
二つの前段垂下物612は、何れも上端周縁部230の薬剤搬送経路の上方に垂れ下がるが、上端周縁部230の径方向である薬剤搬送経路の横断方向に並んでいる。前段垂下物612の下端位置は、調整方針に依存するので一概には言えないが、大抵は、薬剤搬送経路上で薬剤が重なっていれば上の薬剤に対して干渉するように、薬剤より少し高くされる。大玉613が重めで薬剤の重なりが効率良く解消されるが、自由端である下端の大玉613が直ぐ上の連結部の変形によって逃げるため薬剤への衝撃は少なくて済む。
二つの前段垂下物612は、何れも上端周縁部230の薬剤搬送経路の上方に垂れ下がるが、上端周縁部230の径方向である薬剤搬送経路の横断方向に並んでいる。前段垂下物612の下端位置は、調整方針に依存するので一概には言えないが、大抵は、薬剤搬送経路上で薬剤が重なっていれば上の薬剤に対して干渉するように、薬剤より少し高くされる。大玉613が重めで薬剤の重なりが効率良く解消されるが、自由端である下端の大玉613が直ぐ上の連結部の変形によって逃げるため薬剤への衝撃は少なくて済む。
なお、薬剤が球状の場合は、薬剤が転がり易くて位置が安定しないことが多いが、薬剤が薬剤搬送経路の横断方向で中央など望ましい所に位置しているときには、薬剤が横並びの前段垂下物612の間をすり抜ける。また、薬剤が中央より少し横にずれているときには、位置ずれしている方の前段垂下物612と薬剤とが軽く干渉して、薬剤が中央(転がり易い薬剤では上述した環状回転体200の上端周縁部230の溝231の拡幅部のところ)に寄せられる。これに対し、薬剤が中央から大きく位置ずれしているときには、当たり具合によって中央に寄せられる薬剤もあるが上端周縁部230の上から押し出されて傾斜回転体300の上に戻る薬剤が多い。
二つの中段垂下物622は、その支持部材621が規制機構700を跨いでいる跨ぎ仕分け部材になっていて、何れの中段垂下物622も、上端周縁部230の薬剤搬送経路の上方に垂れ下がり、規制機構700(特に第2規制部材720)の横に位置していて横並び垂下物になっている。
また、何れの中段垂下物622も、上端周縁部230の薬剤搬送経路の上方に位置しており、それらが薬剤搬送経路に対しては斜めに並んでいる。
また、何れの中段垂下物622も、上端周縁部230の薬剤搬送経路の上方に位置しており、それらが薬剤搬送経路に対しては斜めに並んでいる。
さらに、支持部材621と手動調整機構650との関係が標準的な設定では中段垂下物622の下端位置を薬剤搬送経路上の薬剤より僅かに低くするようになっている。
そのため、中段垂下物622は、薬剤搬送経路上で薬剤が重なっていれば上の薬剤に対して中玉623が干渉して薬剤の重なりを解消する機能に加え、例えば単独で孤立した状態や斜めがかった横並び状態などでたまたま薬剤搬送経路の内周側に載っているような薬剤を剤搬送経路の中央へ戻すか傾斜回転体300へ戻すか切り分けることで薬剤搬送経路上の薬剤整列機能を強化する機能をも発揮するものとなっている。
そのため、中段垂下物622は、薬剤搬送経路上で薬剤が重なっていれば上の薬剤に対して中玉623が干渉して薬剤の重なりを解消する機能に加え、例えば単独で孤立した状態や斜めがかった横並び状態などでたまたま薬剤搬送経路の内周側に載っているような薬剤を剤搬送経路の中央へ戻すか傾斜回転体300へ戻すか切り分けることで薬剤搬送経路上の薬剤整列機能を強化する機能をも発揮するものとなっている。
二つの後段垂下物632は(図9(a)参照)、一方(図では奥の六連物)が上端周縁部230の薬剤搬送経路の内周側の上方に垂れ下がり、他方が(図では手前の七連物)が上端周縁部230の薬剤搬送経路の上方から外れて傾斜回転体300の外周側の上方に垂れ下がり、薬剤搬送経路の横断方向に並んでいる。
しかも、手動調整機構650による支持部材621の高さ調整に伴って、一方の後段垂下物632の下端位置は上述の中段垂下物622の下端位置より少し低くされ、他方の後段垂下物632の下端位置は更に低くされるようになっている。
そのため、上述した大玉613を連ねた第1仕分け部材610と、中玉623を連ねた中段垂下物622と、小玉633を連ねた後段垂下物632は、それらの下端位置が玉の大小の順になっている。
しかも、手動調整機構650による支持部材621の高さ調整に伴って、一方の後段垂下物632の下端位置は上述の中段垂下物622の下端位置より少し低くされ、他方の後段垂下物632の下端位置は更に低くされるようになっている。
そのため、上述した大玉613を連ねた第1仕分け部材610と、中玉623を連ねた中段垂下物622と、小玉633を連ねた後段垂下物632は、それらの下端位置が玉の大小の順になっている。
さらに(図9(a)参照)、後段垂下物632は、少なくとも内周側のものは(図では手前の七連物)、小玉633の材料に鉄等の磁性体が採用されている。また、これに対応して、第2規制部材720のうち後段垂下物632に近い部位に、永久磁石などからなる引き付け部材640が嵌め込み等にて取り付けられている。そして、その引き付け力が重力の分力に加勢するため、後段垂下物632は、薬剤搬送経路の上から当接してきた薬剤に対して、穏やかながらも効果的な反力を作用させるものとなっている。これにより、第2規制部材720から離れていた薬剤が第2規制部材720に近づくので、第2規制部材720の機能が強化される。このような後段垂下物632は、自身の薬剤の高さ規制機能よりも第2規制部材720の薬剤の横幅規制の強化を重視したものとなっている。
このような薬剤フィーダでは、回転体の中に固定の整流ガイドを設ける必要が無くなるとともに種々の形状やサイズの薬剤に対する共用範囲が広がったが(背景技術1,特許文献1参照)、それに加え(背景技術2,特許文献2,3参照)、薬剤の幅を規制する後段の規制機構に高さ規制機能まで担わせたうえで、その上流に位置する仕分け部材の高さ規制機能を緩めることで、固くて丈夫な薬剤から脆い薬剤まで、更には板状といった転がり難い薬剤から球状や紡錘状といった転がり易い薬剤まで、環状回転体の上端周縁部の薬剤搬送経路で固形薬剤を無理なく一列に整列させることができるようになっている。
ところが、形状や材質の異なる種々の薬剤について長時間に及んで使用したところ、稀にではあるが、複数個の薬剤が上下に重なったままの謂わば多段薬剤が、解れにくい状態のまま、前段の仕分け部材の高さ規制を逃れて後段の規制機構に至り、規制機構の高さ規制機能によっても解されることなく、さらには規制機構の幅規制機能によって環状回転体の薬剤搬送経路から内方の傾斜回転体の上へ落とされるときに長時間を費やしたりしたときなど、それが引き金となって後に続く多数の薬剤が環状回転体の薬剤搬送経路の上に留まり続ける場合がある、ということが判明した。
そのような渋滞状態とも言えるような状況が発生した場合、規制機構から落下排出口への薬剤搬送頻度が減少することから、薬剤の順次排出機能が予想を超えて損なわれるので処理能力が不所望な程度にまで低下したり、更には、薬剤排出検出の不所望なタイムアウトによって、フィーダ内の全薬剤の排出が完了してフィーダが空になったとの誤判定を招くことにもなりかねない。
そこで、脆い薬剤でも毀損しない範囲で且つ簡便な手法で仕分け部材の高さ規制機能を適度に回復させることが技術的な課題となる。
そこで、脆い薬剤でも毀損しない範囲で且つ簡便な手法で仕分け部材の高さ規制機能を適度に回復させることが技術的な課題となる。
本発明の薬剤フィーダは(解決手段1)、このような課題を解決するために創案されたものであり、
縦線を中心として軸回転可能な外側の環状回転体と、前記縦線から傾いた傾斜線を中心として軸回転可能な状態で前記環状回転体の内側に装備されて前記環状回転体の中空を塞ぐ傾斜回転体と、前記傾斜回転体の回転によってその上から前記環状回転体の上端周縁部の上に運ばれた固形の薬剤を前記環状回転体の回転時に整列させる仕分け部材および規制部材とを備え、前記規制部材が前記環状回転体の前記上端周縁部の上の薬剤に対して横幅を規制するようになっており、前記仕分け部材が、前記環状回転体の前記上端周縁部の上方に垂れ下がっている垂下物を具備していることにより前記環状回転体の前記上端周縁部の上の薬剤に対して高さを規制するようになっている薬剤フィーダにおいて、
前記垂下物として形状の異なる第1形の垂下物と第2形の垂下物とが設けられており、前記の第1形の垂下物が、下端部を横に押されると変形しうるものであり、前記の第2形の垂下物が、上端部を緩く支持されていて下端部を横に押されると変形せずに揺動しうるものである、ことを特徴とする。
なお、上記の縦線は、仮想のものであり、既述した鉛直線が典型的であるが、環状回転体の薬剤移送機能を損なわないほど少しなら鉛直線から傾いていても良い。
縦線を中心として軸回転可能な外側の環状回転体と、前記縦線から傾いた傾斜線を中心として軸回転可能な状態で前記環状回転体の内側に装備されて前記環状回転体の中空を塞ぐ傾斜回転体と、前記傾斜回転体の回転によってその上から前記環状回転体の上端周縁部の上に運ばれた固形の薬剤を前記環状回転体の回転時に整列させる仕分け部材および規制部材とを備え、前記規制部材が前記環状回転体の前記上端周縁部の上の薬剤に対して横幅を規制するようになっており、前記仕分け部材が、前記環状回転体の前記上端周縁部の上方に垂れ下がっている垂下物を具備していることにより前記環状回転体の前記上端周縁部の上の薬剤に対して高さを規制するようになっている薬剤フィーダにおいて、
前記垂下物として形状の異なる第1形の垂下物と第2形の垂下物とが設けられており、前記の第1形の垂下物が、下端部を横に押されると変形しうるものであり、前記の第2形の垂下物が、上端部を緩く支持されていて下端部を横に押されると変形せずに揺動しうるものである、ことを特徴とする。
なお、上記の縦線は、仮想のものであり、既述した鉛直線が典型的であるが、環状回転体の薬剤移送機能を損なわないほど少しなら鉛直線から傾いていても良い。
また、本発明の薬剤フィーダは(解決手段2)、上記解決手段1の薬剤フィーダであって、前記の第1形の垂下物と前記の第2形の垂下物とが、前記環状回転体の周方向位置を異にしていることを特徴とする。
さらに、本発明の薬剤フィーダは(解決手段3)、上記解決手段1,2の薬剤フィーダであって、前記の第2形の垂下物は、その全部または下端部の一部を含む部分が板状であり、この板状部分の下端面の長手方向の直線と前記環状回転体の前記上端周縁部の周方向の直線とが「ねじれの位置の直線」の関係を維持するようになっており、前記環状回転体によって移送されて前記の第2形の垂下物に当接した薬剤の移送方向が前記環状回転体の内周側へ向けられるようになっている、ことを特徴とする。
また、本発明の薬剤フィーダは(解決手段4)、上記解決手段1~3の薬剤フィーダであって、前記の第2形の垂下物が、並設された分離可能な複数部材からなるものである、ことを特徴とする。
また、本発明の薬剤フィーダは(解決手段5)、上記解決手段1~3の薬剤フィーダであって、前記の第2形の垂下物が、分離可能な状態で並設された複数枚の同一形状の板材からなるものである、ことを特徴とする。
このような本発明の薬剤フィーダにあっては(解決手段1)、薬剤の重なりを穏やかに解消するための垂下物として、既述した垂下物612,622,632のように下端部を横に押されると変形しうる第1形の垂下物ばかりでなく、上端部を緩く支持されていて下端部を横に押されると変形せずに揺動しうる第2形の垂下物も設けられて、両者が併用されるようになっている。何れの垂下物も、環状回転体によって搬送されて来た薬剤が当接すると、当接薬剤に対して重なりを解くような反力を作用させるが、反力の発生手段ひいては作用態様が変形と揺動とで異なることから同質の作用態様を繰り返す場合よりも多様で高い重なり解消効果を期待することができる。また、薬剤に当接した端部が揺動にて横に逃げるので、上方へ逃げるものより過剰反力が発生し難い。
したがって、この発明によれば、脆い薬剤でも毀損しない範囲で且つ簡便な手法で仕分け部材の高さ規制機能を適度に回復させることができる。
したがって、この発明によれば、脆い薬剤でも毀損しない範囲で且つ簡便な手法で仕分け部材の高さ規制機能を適度に回復させることができる。
また、本発明の薬剤フィーダにあっては(解決手段2)、第1形の垂下物と第2形の垂下物とを環状回転体の周方向に分散して設けたことで、複数の垂下物を何れも薬剤搬送経路上に無理なく配置することができるばかりか、態様の異なる複数種類の作用すなわちタイプの異なる「重畳薬剤の解し作用」を時間差を持って働かせることで、両作用が相殺しあうといった不所望な事態を、簡便に回避することもできる。
さらに、本発明の薬剤フィーダにあっては(解決手段3)、第2形の垂下物について少なくとも下端部の形状は板状にしたうえで、この板状部分の下端の長手方向の向きを直下の薬剤移送方向に対して傾斜させておくとともに、その傾斜が第2形の垂下物の揺動によって変動する範囲を限定しておくという簡便な手法によって、他の薬剤の上に乗った状態で移送されてきた薬剤の移送方向が、第2形の垂下物との当接によって環状回転体の内周側へ変えられるので、簡便な構成でも重畳薬剤の解し作用と余剰薬剤の戻し作用とが強化される。
また、本発明の薬剤フィーダにあっては(解決手段4)、分離可能な複数部材を並設して第2形の垂下物としたことにより、薬剤当接時に複数部材が僅かながらもズレたり細かく離接したりもすることから、薬剤に対する反力について総量が同じでもピークは下がる傾向が見られるので、薬剤への不所望な衝撃等を抑制しつつ重畳薬剤の解し作用を強化することができる。
また、本発明の薬剤フィーダにあっては(解決手段5)、分離可能な複数部材の並設により上記解決手段4の作用効果を奏することに加え、板材形状の同一化により製造負担が軽減されるとともに、同一形状の複数板材の並設により稠密配置まで容易に行える。
このような本発明の薬剤フィーダについて、これを実施するための具体的な形態を、以下の実施例1により説明する。
図1~5に示した実施例1は、上述した解決手段1~5(出願当初の請求項1~5)を総て具現化したものである。
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、背景技術欄において既述したものや同等品で足りる部材等については図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
また、それらについて背景技術の欄で述べたことと重複するものについては、繰り返しとなる説明を割愛し、以下、従来との相違点を中心に説明する。
図1~5に示した実施例1は、上述した解決手段1~5(出願当初の請求項1~5)を総て具現化したものである。
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、背景技術欄において既述したものや同等品で足りる部材等については図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
また、それらについて背景技術の欄で述べたことと重複するものについては、繰り返しとなる説明を割愛し、以下、従来との相違点を中心に説明する。
本発明の薬剤フィーダの実施例1について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、薬剤フィーダ1100の要部の構造を示し、(a)が仕分け機構1600とその周辺部とに係る外観斜視図であり、(b)が仕分け機構1600だけの外観斜視図である。また、図2は、単体の中段垂下物1623に係る平面図と正面図と右側面図と背面図と左側面図であり、図3は、二個の中段垂下物1623,1623を隣り合わせ状態で並設した中段垂下物1622に係る平面図と正面図と右側面図と背面図と左側面図である。
薬剤フィーダ1100は(図1参照)、適宜改良されながらも所要の機能を維持する態様で全体的な概要構成部分を既述の薬剤フィーダ10,100(図6,図7参照)から踏襲しており(図1(a)参照)、既述した筐体の周壁11を踏襲した筐体の周壁1011と、既述の環状回転体20を踏襲していて縦線を中心として軸回転可能な外側の環状回転体1020と、既述の傾斜回転体30を踏襲していて上記の縦線から傾いた傾斜線を中心として軸回転可能な状態で環状回転体1020の内側に装備されて環状回転体1020の中空を塞ぐ傾斜回転体1030とを備えている。
また、薬剤フィーダ1100は(図1(a)参照)、傾斜回転体1030の回転によって傾斜回転体1030の上から環状回転体1020の上端周縁部23の上へ運び上げられた固形の薬剤を環状回転体1020の回転時に整列させる仕分け機構1600および規制機構1700も備えている。
後者の規制機構1700は、規制対象の横幅を電動にて可変調整できるようになっていることを含む幾つかの改造が施されているが、基本的な構造部分は既述の規制機構700を踏襲しており、環状回転体1020の上端周縁部23の上の薬剤搬送経路に対して横幅を規制するとともに薬剤に対する最終的な高さ規制も行うようになっている。
後者の規制機構1700は、規制対象の横幅を電動にて可変調整できるようになっていることを含む幾つかの改造が施されているが、基本的な構造部分は既述の規制機構700を踏襲しており、環状回転体1020の上端周縁部23の上の薬剤搬送経路に対して横幅を規制するとともに薬剤に対する最終的な高さ規制も行うようになっている。
仕分け機構1600は(図1(a)の散点模様部分,図1(b)参照)、環状回転体1020の上端周縁部23の上の薬剤に対して通過可能な高さを厳密でなく多少なら漏れがあっても良いから穏やかに規制するためのものであり、環状回転体1020の上端周縁部23の上方に垂れ下がる垂下物として、大玉613を縦に連ねて曲折自在な既述の前段垂下物612と、後で詳述する板状の中段垂下物1623を二枚横並びさせた中段垂下物1622と、小玉633を縦に連ねて曲折自在な後段垂下物632という三種類の垂下物を具備している。それら612,1622,632は、その順で上端周縁部23の上流から下流へと配設されており、何れも上端周縁部23(薬剤搬送経路)の上方に位置しつつも、環状回転体1020の周方向位置を異にするものとなっている。
複数の前段垂下物612を吊り下げ保持する支持部材1611は短めであるのに対し、中段垂下物1622と後段垂下物632とを吊り下げ保持する支持部材1621は長めで規制機構1700を跨いでいるが、両部材1611,1621は一体物から作られているので或いは緊結されているので、支持部材1611を含む第1仕分け部材1610と支持部材1621を含む第2仕分け部材1620も一体化している。
そのため、図示は割愛したが電動モータ等にて三種の垂下物612,1622,632の下端位置を纏めて上下に自動調整することができるようにもなっている。また、それら三種の垂下物が不要なときには纏めて取り外すことができ、着脱が容易である。
そのため、図示は割愛したが電動モータ等にて三種の垂下物612,1622,632の下端位置を纏めて上下に自動調整することができるようにもなっている。また、それら三種の垂下物が不要なときには纏めて取り外すことができ、着脱が容易である。
また、玉を曲折自在に繋げた前段垂下物612と後段垂下物632は、既述したように、環状回転体1020の上端周縁部23によって搬送されて来た薬剤がそれら612,632の下端部に衝突して横に押されると、衝突薬剤を押しとどめつつも衝撃は緩和するために、全体的には弓なりになり、下端部ほど容易に大きく変形する第2形の垂下物と言えるものになっている。
これに対し、縦に細長い板状体からなり変形しづらい中段垂下物1623は、その上端部1623aが支持部材1621の貫通孔1621aの所に遊嵌状態で引っ掛けられて緩く吊持されているので、下端部を横に押されると変形せずに揺動しうる単体の第2形の垂下物と言える。
また、この中段垂下物1623を二枚(複数枚)ほど密だが分離容易な状態で横に並べた中段垂下物1622は、複数並設の第2形の垂下物と言えるものであり、前段垂下物612や後段垂下物632とは変形状況ひいては複数薬剤の重なり解し作用の内容が異なるものとなっている。
また、この中段垂下物1623を二枚(複数枚)ほど密だが分離容易な状態で横に並べた中段垂下物1622は、複数並設の第2形の垂下物と言えるものであり、前段垂下物612や後段垂下物632とは変形状況ひいては複数薬剤の重なり解し作用の内容が異なるものとなっている。
さらに、支持部材1621による中段垂下物1622の保持状態を説明すると(図1(b),図2,図3参照)、下端部を振る揺動については、衝撃緩和のため比較的大きめに許容されるが、仮想の縦軸を中心にして回る謂わば自転状回転については、二枚の中段垂下物1623の下端部1623cのうち薬剤当接対象となる前側の下端部1623cの斜交当接面1623dが当接薬剤に押されたときにその向きが過剰に変動するのを防止するために、例えば中段垂下物1623の上端部1623aと貫通孔1621aとの間隙が適度に抑制されたスリット状に形成されていて、上記の自転状回転の揺れ幅が小さく抑えられるようになっている。
中段垂下物1623の典型的な構成例は(図2参照)、縦長の平板部1623eと、その上端から少しだけ突き出た上端部1623aと、縦長平板部1623eの中央部から上端部1623aと同じ方向に突き出た中央部1623bと、縦長平板部1623eの下端部から長めに突き出た下端部1623cとを具えている。縦長平板部1623eと上端部1623aと中央部1623bは一つの平面に属している。これに対し、下端部1623cは、上端部1623aや中央部1623bと同様に縦長平板部1623dの両側のうち同じ側へ突き出ているが、全く同じ方向でなく、横へ約30゜ほど傾いている。
中段垂下物1622は(図3参照)、上述した中段垂下物1623を二枚ほど重ね合わせたものであり、支持部材1621に上端部を取り付けられた状態で、二枚の大部分がぴったり重なった状態で、環状回転体1020の上端周縁部23の上方に垂れ下がり、二枚の中段垂下物1623の下端部1623cのうち一方が薬剤5の当接を受ける斜交当接面1623dになる。その垂下状態では、斜交当接面1623dの下辺と重なる直線(板状部分の下端面の長手方向の直線)と、環状回転体1020の上端周縁部23の周方向の直線とが、上下から見ると交差しているかのように見えるが横から見ると離れて見える「ねじれの位置の直線」の関係を維持するようになっている。
この実施例1の薬剤フィーダ1100について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図4は、薬剤フィーダ1100の動作状態、そのなかでも特に仕分け機構1600の動作状態を示しており、(a)が、薬剤5のうち中段垂下物1622の所に来た薬剤5b,5cを仕分けしている仕分け機構1600などに係る外観斜視図であり、(b)が、仕分け機構1600の中段垂下物1622の斜交当接面1623dによる仕分け状況をしめす外観斜視図である。また、図5は、薬剤5b,5cを仕分けしている中段垂下物1622の揺動状態などを示し、(a)が平面図、(b)が正面図である。
薬剤フィーダ1100を使用するに先だち、仕分け機構1600については、薬剤5の厚み等に応じた高さ調整を済ませておくことが必要であり、具体的には(図4参照)、薬剤5一個分の高さよりは高いが薬剤5二個分の高さよりは低いところに中段垂下物1622の下端が来るように、第1,第2仕分け部材1610,1620を昇降させておく。
その昇降調整は、図示しないコントローラやその上位の管理装置などに予めデータ設定された薬剤5の厚み測定値などに基づき図示しない電動モータ等利用の自動制御にて行われる。なお、薬剤が初めて取り扱うものの場合は薬剤5の厚み測定やデータ設定も先に済ませておく。
その昇降調整は、図示しないコントローラやその上位の管理装置などに予めデータ設定された薬剤5の厚み測定値などに基づき図示しない電動モータ等利用の自動制御にて行われる。なお、薬剤が初めて取り扱うものの場合は薬剤5の厚み測定やデータ設定も先に済ませておく。
そして、必要数かそれ以上の多数の薬剤5を薬剤フィーダ1100に投入し、具体的には環状回転体1020に囲まれた傾斜回転体1030の上に投入し、そうしてから、薬剤フィーダ1100を作動させると、薬剤5が、次々に、傾斜回転体1030によって持ち上げられて環状回転体1020の上端周縁部23(薬剤搬送経路)の上に載り移り(図4(a)参照)、環状回転体1020の回転に伴って前段垂下物612と中段垂下物1623と後段垂下物632の順にその下を潜り抜けようとする。
そのとき、重なり合うことなく単独で上端周縁部23に載っている薬剤5は、前後の垂下物612,632とはほとんど干渉することなく干渉したとしても上端周縁部23の上で僅かに移動する程度にとどまり、中間の中段垂下物1623とは全く干渉することなく、それらの下を通過する。
これに対し、上下に重なった薬剤5b,5cについては(図4(a)参照)、上側の薬剤5bが、前段垂下物612に当接し、その反力で重なりを崩されることもあるが、下端部を横に押されると変形しうる前段垂下物612の当たりは薬剤5を傷つけないように弱めになっているので、重なりが崩れず残ることもある。
これに対し、上下に重なった薬剤5b,5cについては(図4(a)参照)、上側の薬剤5bが、前段垂下物612に当接し、その反力で重なりを崩されることもあるが、下端部を横に押されると変形しうる前段垂下物612の当たりは薬剤5を傷つけないように弱めになっているので、重なりが崩れず残ることもある。
そして、そのように上下に重なったまま前段垂下物612を通過した薬剤5b,5cが中段垂下物1622のところへ運ばれて来ると(図4参照)、上側の薬剤5bが、中段垂下物1622の下端部1623cの斜交当接面1623dに当接し、その反力によって前方への直進を拒まれることから、下端部1623cの斜交当接面1623dや縦長平板部1623eの表面に沿うようして移動する。
このように上側の薬剤5bの進行方向が環状回転体1020の内周側へ向けられるため、環状回転体1020の上端周縁部23から内側へ進んで、上側の薬剤5bは、傾斜回転体1030の上へ落下することが多い(図4(b)一点鎖線を参照)。
このように上側の薬剤5bの進行方向が環状回転体1020の内周側へ向けられるため、環状回転体1020の上端周縁部23から内側へ進んで、上側の薬剤5bは、傾斜回転体1030の上へ落下することが多い(図4(b)一点鎖線を参照)。
下側の薬剤5bは、中段垂下物1622の下を潜って通過することが多いが、薬剤5cに随伴して環状回転体1020の上端周縁部23から落下することもある。
中段垂下物1622は、下端部を横に押されても変形しないものなので、薬剤5b,5cの重なりを解す能力は他の垂下物612,632より優れているが、それでも薬剤を傷つけないために薬剤との当接時の衝撃やその後の圧力を揺動することで緩和するようになっているので、稀には薬剤5b,5cが重なったまま中段垂下物1622を押しのけて通過することもある。
中段垂下物1622は、下端部を横に押されても変形しないものなので、薬剤5b,5cの重なりを解す能力は他の垂下物612,632より優れているが、それでも薬剤を傷つけないために薬剤との当接時の衝撃やその後の圧力を揺動することで緩和するようになっているので、稀には薬剤5b,5cが重なったまま中段垂下物1622を押しのけて通過することもある。
その場合、後段垂下物632による穏やかな重なり解し作用が施され、それでも崩れなかった場合だけ、薬剤5b,5cの重なりに対し、既述した後方の規制機構700によって、緩やかな高さ規制に加え、環状回転体1020の上端周縁部23の薬剤搬送経路の幅を外周側から狭める横幅規制も、作用する。
そのため、薬剤5b,5cの重なりが解消されるか、薬剤5b,5cが重なったまま環状回転体1020の上端周縁部23の上から傾斜回転体1030の上へ強制移動させられるので、薬剤の重なりが薬剤搬送経路から落下排出口14へ送り込まれることはない。
そのため、薬剤5b,5cの重なりが解消されるか、薬剤5b,5cが重なったまま環状回転体1020の上端周縁部23の上から傾斜回転体1030の上へ強制移動させられるので、薬剤の重なりが薬剤搬送経路から落下排出口14へ送り込まれることはない。
さらに、二枚の中段垂下物1623を密接配置してなる一組の中段垂下物1622の作動について説明すると(図5参照)、環状回転体1020による薬剤5b,5cの重なりの進行方向(二点鎖線を参照)に対して当接干渉部分が傾斜しているため、詳しくは、中段垂下物1622の斜交当接面1623d(当接面および前半の倣い面)は角度θ1ほど傾いているのに対し、中段垂下物1622の縦長平板部1623e(後半の倣い面)は角度θ2しか傾いておらず、角度θ1が角度θ2より大きいので(θ1>θ2)、中段垂下物1622に当接した薬剤5b,5cの重なりに対し、前半には強めの崩し力が作用し、後半には環状回転体1020の上から傾斜回転体1030の上へ薬剤5bを追い出す力が強化されるので、薬剤の重なりが薬剤搬送経路から無くなる割合が高まる。
しかも、中段垂下物1622を成す複数枚の中段垂下物1623,1623が自由状態では密に接しているが(図1(b),図3参照)、それら1623,1623は分離可能なものなので、斜交当接面1623dに薬剤5bが当接したときには(図5参照)、上端部1623aはほとんど移動しないで下端部1623c(1623d)が揺動するのに加え、同時に微細な摺動や離接を繰り返すことも行うので、当接時の衝撃やその後の摩擦力なども低減緩和されることになる。
こうして、薬剤5b,5cの重なりが高い確度で無理なく解消される。
こうして、薬剤5b,5cの重なりが高い確度で無理なく解消される。
[その他]
上記実施例では、仕分け機構1600のうち、第2仕分け部材1620の支持部材1621部分だけが跨ぎ仕分け部材になっており、第1仕分け部材1610の支持部材1611は跨ぎ仕分け部材になっていなかったが、これは必須でなく、第1仕分け部材1610の支持部材1611まで跨ぎ仕分け部材になっていても良い。
上記実施例では、仕分け機構1600のうち、第2仕分け部材1620の支持部材1621部分だけが跨ぎ仕分け部材になっており、第1仕分け部材1610の支持部材1611は跨ぎ仕分け部材になっていなかったが、これは必須でなく、第1仕分け部材1610の支持部材1611まで跨ぎ仕分け部材になっていても良い。
本発明の薬剤フィーダは、錠剤分包機に搭載された多数の整列盤回転タイプ薬剤フィーダのうち一部のもの或いは全部を代替するのに用いても良く、薬剤フィーダを一個か少数個しか搭載しない錠剤分割器に搭載しても良く、さらには薬瓶へ錠剤等の薬剤を充填する装置などにおいて逐次送出した薬剤の個数を数え上げる錠剤カウンタ(薬剤カウンタ)などに搭載しても良い。
5,5a,5b 薬剤
10…薬剤フィーダ、
11…周壁、12…搬送面ガイド、13…排出ガイド、14…落下排出口、
20…環状回転体、21…下部、22…上部、23…上端周縁部(薬剤搬送経路)、
30…傾斜回転体、31…中央突起、32…央部、33…周縁部、
20+30…回転容器、
40…支承機構、41…受動部材、
42…大径部外装回転伝動部材、43…小径部外装回転伝動部材、
50…回転駆動機構、51…回転駆動部材、
54…回転駆動モータ、54a,54b…回転駆動モータ、
55…傾斜回転体装着検出手段、56…薬剤落下検出手段、
60…仕分け部材、61…基端部、62…先端部(薬剤当接部位)、63…支持部、
70…規制機構、71…第1規制部材、72…第2規制部材、
73…リンク機構、74…型置場、
100…薬剤フィーダ、
600…仕分け機構、
610…第1仕分け部材、611…支持部材、
612…前段垂下物(第1形の垂下物)、613…大玉、
620…第2仕分け部材(跨ぎ仕分け部材)、621…支持部材(跨ぎ部)、
622…中段垂下物(横並び垂下物,第1形の垂下物)、623…中玉、
632…後段垂下物(横並び垂下物,第1形の垂下物)、633…小玉、
640…引き付け部材、650…手動調整機構、
651…下限設定機構、652…目盛部材、
700…規制機構、
710…第1規制部材、711…下段部分、
712…上段部分、720…第2規制部材、
1100…薬剤フィーダ、
1011…周壁、1020…環状回転体、1030…傾斜回転体、
1600…仕分け機構、
1610…第1仕分け部材、1611…支持部材、
1620…第2仕分け部材(跨ぎ仕分け部材)、
1621…支持部材(跨ぎ部)、1621a…貫通孔(揺動認容指示部)、
1622…中段垂下物(複数並設の第2形の垂下物)、
1623…中段垂下物(単体の第2形の垂下物)、
1623a…上端部、1623b…中央部、1623c…下端部、
1623d…斜交当接面、1623e…縦長平板部、
1700…規制機構
10…薬剤フィーダ、
11…周壁、12…搬送面ガイド、13…排出ガイド、14…落下排出口、
20…環状回転体、21…下部、22…上部、23…上端周縁部(薬剤搬送経路)、
30…傾斜回転体、31…中央突起、32…央部、33…周縁部、
20+30…回転容器、
40…支承機構、41…受動部材、
42…大径部外装回転伝動部材、43…小径部外装回転伝動部材、
50…回転駆動機構、51…回転駆動部材、
54…回転駆動モータ、54a,54b…回転駆動モータ、
55…傾斜回転体装着検出手段、56…薬剤落下検出手段、
60…仕分け部材、61…基端部、62…先端部(薬剤当接部位)、63…支持部、
70…規制機構、71…第1規制部材、72…第2規制部材、
73…リンク機構、74…型置場、
100…薬剤フィーダ、
600…仕分け機構、
610…第1仕分け部材、611…支持部材、
612…前段垂下物(第1形の垂下物)、613…大玉、
620…第2仕分け部材(跨ぎ仕分け部材)、621…支持部材(跨ぎ部)、
622…中段垂下物(横並び垂下物,第1形の垂下物)、623…中玉、
632…後段垂下物(横並び垂下物,第1形の垂下物)、633…小玉、
640…引き付け部材、650…手動調整機構、
651…下限設定機構、652…目盛部材、
700…規制機構、
710…第1規制部材、711…下段部分、
712…上段部分、720…第2規制部材、
1100…薬剤フィーダ、
1011…周壁、1020…環状回転体、1030…傾斜回転体、
1600…仕分け機構、
1610…第1仕分け部材、1611…支持部材、
1620…第2仕分け部材(跨ぎ仕分け部材)、
1621…支持部材(跨ぎ部)、1621a…貫通孔(揺動認容指示部)、
1622…中段垂下物(複数並設の第2形の垂下物)、
1623…中段垂下物(単体の第2形の垂下物)、
1623a…上端部、1623b…中央部、1623c…下端部、
1623d…斜交当接面、1623e…縦長平板部、
1700…規制機構
Claims (5)
- 縦線を中心として軸回転可能な外側の環状回転体と、前記縦線から傾いた傾斜線を中心として軸回転可能な状態で前記環状回転体の内側に装備されて前記環状回転体の中空を塞ぐ傾斜回転体と、前記傾斜回転体の回転によってその上から前記環状回転体の上端周縁部の上に運ばれた固形の薬剤を前記環状回転体の回転時に整列させる仕分け部材および規制部材とを備え、前記規制部材が前記環状回転体の前記上端周縁部の上の薬剤に対して横幅を規制するようになっており、前記仕分け部材が、前記環状回転体の前記上端周縁部の上方に垂れ下がっている垂下物を具備していることにより前記環状回転体の前記上端周縁部の上の薬剤に対して高さを規制するようになっている薬剤フィーダにおいて、
前記垂下物として形状の異なる第1形の垂下物と第2形の垂下物とが設けられており、前記の第1形の垂下物が、下端部を横に押されると変形しうるものであり、前記の第2形の垂下物が、上端部を緩く支持されていて下端部を横に押されると変形せずに揺動しうるものである、ことを特徴とする薬剤フィーダ。 - 前記の第1形の垂下物と前記の第2形の垂下物とが、前記環状回転体の周方向位置を異にしている、ことを特徴とする請求項1記載の薬剤フィーダ。
- 前記の第2形の垂下物は、その全部または下端部の一部を含む部分が板状であり、この板状部分の下端面の長手方向の直線と前記環状回転体の前記上端周縁部の周方向の直線とが「ねじれの位置の直線」の関係を維持するようになっており、前記環状回転体によって移送されて前記の第2形の垂下物に当接した薬剤の移送方向が前記環状回転体の内周側へ向けられるようになっている、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された薬剤フィーダ。
- 前記の第2形の垂下物が、並設された分離可能な複数部材からなるものである、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載された薬剤フィーダ。
- 前記の第2形の垂下物が、分離可能な状態で並設された複数枚の同一形状の板材からなるものである、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載された薬剤フィーダ。
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