(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る化粧品管理システムを前記図1ないし図6に基づいて説明する。本実施形態においては、化粧品容器自体で化粧品の状態検出等を実行可能としたシステムの例について説明する。
前記各図において本実施形態に係る化粧品管理システム1は、化粧品容器51の内部に化粧料55を収めてなる化粧品50について、この化粧品50の状態に係る第1の情報を検出する状態検出部11と、前記化粧品容器51に設けられて化粧品を識別可能とする第2の情報をあらかじめ記録される情報記録部12と、この情報記録部12に記録された第2の情報、及び、状態検出部11で検出した第1の情報を、所定の通信相手に向けて送信する通信部13と、通信部13の一通信相手として、前記第1の情報、及び、第2の情報を受取り、これら各情報を記録し管理するサービスを実行可能な前記管理部としての管理サーバ90とを備える構成である。
この化粧品管理システム1では、化粧品50の化粧品容器51、具体的には、化粧品容器51の蓋体53に、前記状態検出部11と、情報記録部12と、通信部13とが設けられる仕組みである。
この他、化粧品容器51の蓋体53には、状態検出部11、情報記録部12、及び、通信部13に電力を供給する電源としての電池15も内蔵される。
前記化粧品50は、使用者に用いられる、液体や流動性の高いエマルションなどの化粧料55を、化粧品容器51内に収めたものである。
前記化粧品容器51は、化粧料55を内部に収める容器本体52、及び、この容器本体52を開閉可能とする蓋体53で形成される。
この化粧品容器51のうち蓋体53は、前記状態検出部11と、情報記録部12と、通信部13と、電池15とを内蔵する構成である。
化粧品50は、少なくとも使用者に使用されていない使用待機状態で、平らなテーブルや台の上面に、少なくとも状態検出部11による検出に支障が無いように、容易に動かないように載置される。
化粧品50は、化粧料55が無くなったら、空の化粧品容器51を廃棄等して新品の化粧品と取り替えるのではなく、状態検出部11等が内蔵された蓋体53は続けて使用する仕組みであり、使用者はこの蓋体53に対応したリフィル形式の新品を購入し、それまで使用していた蓋体53を新品の化粧品容器の簡易蓋54と取り替えることで、新たな化粧品に入れ替わることとなり、化粧品の状態の検出や通信をこの新たな化粧品でも行えるようにしている(図6参照)。
この化粧品50における化粧品容器51をなす容器本体52と蓋体53の組合せは、化粧品の種類ごとに決められており、容器本体52と蓋体53がそれぞれ別の化粧品のものなど、適切な組合せでない場合には、容器本体52と蓋体53が合わず、容器本体52を蓋体53で閉止できない構造とされる。
こうした化粧品50の構成については、蓋体53に状態検出部11、情報記録部12、通信部13、及び電池15が内蔵される点を除けば、化粧料55を化粧品容器51内に収めた公知の化粧品と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
前記状態検出部11は、使用者による化粧料使用に伴って変化する化粧品50の状態に係る第1の情報を検出するものである。
この状態検出部11は、化粧品容器51に設けられ、化粧品の状態に係る前記第1の情報として、化粧品容器51内部の化粧料55の量に関する情報を検出可能とされる構成である。
より具体的には、状態検出部11は、化粧品容器51の蓋体53に、容器本体52内の化粧料55の上面の上方に位置するようにして設けられる。化粧料55は、使用によりその量を減らしていくが、この減少する変化に応じて、流動性のある化粧料55の上面位置も低下する。状態検出部11はこの化粧料55の上面位置を蓋体53側から計測し、その計測値を前記第1の情報として検出する(図2参照)。
状態検出部11による、第1の情報としての化粧料55上面位置の計測値の検出は、原則として常時実行されるが、電池15から供給される電力の節約のために、あらかじめ設定された所定時間間隔で検出を実行するようにしたり、使用者による化粧料使用に伴って化粧品50の状態が変化するごと、すなわち、化粧料55の上面位置に変化が生じるごとに、検出を行うようにすることもできる。
この状態検出部11による化粧料55の上面位置を計測する仕組みは、公知の電波式や超音波式などの非接触式の液面レベルセンサと同様のものであり、詳細な説明を省略する。
前記情報記録部12は、化粧品容器51の蓋体53に設けられ、化粧品50を識別可能とする前記第2の情報を記録されるものである。
詳細には、情報記録部12は、前記第2の情報としての化粧品50を識別可能となる、この化粧品のみに割り当てられた所定の固有情報を読み取り可能又は読み書き可能として電子的に記録されたメモリ等の所定の記録手段である。
この情報記録部12は、通信部13と電気的に接続されて情報をやり取り可能とされており、情報記録部12に記録された化粧品識別用の固有情報は、情報記録部12から第2の情報として読み取られ、通信部13を通じて外部に送信される仕組みである。
前記通信部13は、化粧品容器51の情報記録部12にあらかじめ記録された、化粧品を識別可能とする第2の情報、及び、状態検出部11で検出した第1の情報を、所定のネットワーク100を通じて前記所定の通信相手となる管理サーバ90に送信するものである。
この通信部13は、蓋体53に設けられ、状態検出部11及び情報記録部12と電気的に接続されて、状態検出部11からの第1の情報と情報記録部12からの第2の情報とを取得可能とされてなり、必要に応じてネットワーク100に接続されて、前記第1の情報と第2の情報とを管理サーバ90に送信可能とされる。
通信部13が、第1の情報と第2の情報とを管理サーバ90に送信するタイミングは、状態検出部11で第1の情報が検出された際とする他、あらかじめ設定された所定の時間間隔とすることができる。この所定の時間間隔で送信を行う場合、通信部13の送信と同期して状態検出部11で第1の情報の検出を実行するようにすれば、電力消費を必要最小限に抑えられ、都合がよい。
なお、通信部13が前記所定の時間間隔で送信を行う条件で、送信を行わない間にも状態検出部11での検出で第1の情報が生じるようにしている場合には、第1の情報をその発生時刻を示す情報と共に所定の情報記録手段に一時的に蓄積しておき、通信部13が送信を行う機会にそれらの情報をまとめて送信するようにしてもよく、情報の欠落を防いで管理サーバ90での化粧品の管理をより精度よく行える。
通信部13は、より詳細には、LANやIP通信網等と無線で接続し、これらを通じてネットワーク100に接続され、管理サーバ90との間で情報を送受信する仕組みである。通信部13をネットワークに接続する場合、その通信は、例えばIEEE 802.11シリーズやIEEE 802.15シリーズの規格方式等による無線通信や、いわゆるLPWANとされる各方式による省電力型の無線通信として行うことができる。通信部13が、例えばLPWAN(低消費電力広域無線通信)の技術を採用したものである場合、電力消費を抑えるため、ゲートウェイや基地局等を介してネットワーク100に接続して通信を行う頻度を、一又は数日に1回の割合とされる。
この他、通信部13は、化粧品の使用者により用いられるスマートフォン等の所定の通信端末80と近距離通信を行い、この通信端末80を介して管理サーバ90との通信を行うようにすることもできる。この場合、通信部13は、化粧品容器51の所定距離以内に近付いた通信端末80との通信を可能にするものとされて、この通信端末80と通信可能な状態にある間に、例えば、状態検出部11が使用者による化粧料使用に伴って変化する化粧品50の状態に係る第1の情報を検出するごとに、この状態検出部11からの第1の情報を、一旦通信端末80に向け送信して、管理サーバ90に送ることとなる。こうした通信部13と通信端末80との通信は、ISO/IEC 18092等の規格方式による近距離無線通信や、例えばIEEE 802.11シリーズやIEEE 802.15シリーズの規格方式等による無線通信として行われる。
なお、こうした通信端末80は、第1の情報を管理サーバ90に送る一方で、管理サーバ90から送信される化粧品購入に係る情報等のデータを受信して、使用者にそうした情報を報知することができる。
前記管理サーバ90は、前記管理部として、ネットワーク100に接続され、通信部13の一通信相手として、ネットワーク100を介して前記第1の情報、及び、第2の情報を受取り、これら各情報を記録し格納するサービスを実行可能なものである。
また、管理サーバ90は、前記第1の情報及び第2の情報に基づいて、化粧品の状態を取得し、化粧品の使用者を対象として化粧品の状態に応じた所定のサービス(例えば、購入促進に係るサービス)を実行可能とされる。
この管理サーバ90は、化粧品50を識別、特定する情報と、化粧品50を所有し使用する使用者を識別、特定する情報とをあらかじめ登録されており、ネットワーク100を介して化粧品50に係る各情報を取得すると、これらの情報を使用者の化粧品ごとに記録し格納する。また、この管理サーバ90は、使用者が用いる端末として、所定の通信端末80をあらかじめ登録して、この通信端末80ともネットワーク100を介して通信可能とされている。
管理サーバ90は、取得した第2の情報から化粧品を特定すると共に、その化粧品の購入者として記録されている使用者を、あらかじめ登録された使用者の中から特定する。また、特定された化粧品について、第1の情報としての化粧料上面位置の計測値と、化粧品の種類ごとにあらかじめ登録されている化粧品容器51内の化粧料の量と化粧量上面位置との関係を用いて、使用により減少した状態で化粧品容器内に残っている化粧料の量(残量)を算出又は推定できる。
そして、管理サーバ90は、得られた化粧料の残量が、新しい化粧品に交換すべき目安としてあらかじめ設定された残量の所定下限値に達したか否かを判別する。
この化粧料の残量の所定下限値は、化粧品ごとに、新しい化粧品に交換すべき目安の残量として、その残量に達した時点から数日の使用で化粧料残量が0となることが予想される所定の残量とされており、化粧品の化粧料が完全になくなる前に、化粧品の購入などの対応を使用者側でとれるようにして、化粧品50の使用を中断なく継続できるようにされる。
化粧料55の残量の値が前記所定下限値に達すると、管理サーバ90は、この新しい化粧品に交換すべき残量まで化粧料が減少するに至った化粧品50の状態に応じた、化粧品の使用者を対象とする所定のサービス、例えば、使用者の通信端末80に、化粧料が無くなりかけた現状の化粧品に代わる新品の化粧品の購入に関連する情報を送信し、その情報内容に基づく使用者への報知を通信端末80に行わせて、使用者に購入を促すサービスを実行する。
なお、本実施形態をはじめとする本願で使用する「サーバ」の語は、必ずしも単独の実体のある装置を意味するものでなく、複数の装置がネットワーク接続されて協動して、要求される一又は複数のサービスを一体として提供する装置群である場合や、装置の一部機能に過ぎないものの、要求される一又は複数のサービスをあたかも一つの装置のように提供する機能を有して、サービスを提供される側からは一つの装置として取り扱える仮想装置である場合も包含する。
管理サーバ90は、化粧品50の通信部13が通信端末80を介して管理サーバ90と通信を行うなど、管理サーバ90に送られる第1の情報及び第2の情報の送信間隔が十分に小さくできる場合には、使用者の化粧品の使用に係る操作を判別することもできる。例えば、管理サーバ90は、第1の情報から、状態検出部11で検出する対象の化粧料の上面位置が容器全体の動きに伴って急激に上下に変動し、上面位置を検出できない状態を取得したり、別途設けたセンサからの蓋体53の開閉に係る動作の検出情報を受け取ると、使用者が化粧品を手に取ったと判断して、使用者による一回の化粧品使用としての認定を開始し、変動が収まって新たな上面位置を検出するまでの経過時間をカウントしていく。
そして、使用者による化粧品の使用が終了し、使用者の化粧品を元の位置に戻す操作がなされると、化粧品の状態検出部11からの第1の情報で示される上面位置が、変動なく一定の値に収束するのに基づいて、管理サーバ90は、使用者の化粧品使用が終了したと判断して、使用者による一回の化粧品使用としての認定を終了し、使用回数をカウントすると共に、それまでの経過時間を一回の使用時間として記録し、さらに、再載置後の化粧料上面位置と既に記録されている使用開始前の上面位置とに基づく化粧料の各残量の差から、一回の使用における化粧品の使用量を算出することもできる。
管理サーバ90は、化粧品50における化粧料の残量の値が化粧品を新品に交換すべき目安となる所定下限値に達したと判定して、この化粧品50の状態に応じた化粧品の使用者を対象とする所定のサービスを実行する場合、その化粧品50の使用者が用いる端末としてあらかじめ登録された通信端末80に対して、必要に応じ通信状態を確立した上で、ネットワーク100を介して使用者に化粧品の購入を促す報知を実行するための購入促進情報をメール送信やプッシュ通知等の手法でそれぞれ送信する機能を有している。
この管理サーバ90から情報を送信される通信端末80は、表示デバイス81及び入力デバイス82を備え、IP通信網と接続して通信するための無線通信手段83を有する携帯電話やいわゆるスマートフォン、PDA(携帯情報端末)などの公知の装置であり、このうち、端末上でアプリケーションプログラムを実行可能であり、且つ、データを保持可能な記憶手段85とを有するものである。この通信端末80は、タッチパネル式の表示デバイス81を有して、表示デバイスが入力デバイス82を兼ねる構成である。
この通信端末80は、必要に応じて、IP通信網への接続用の無線通信手段83とは別の、化粧品50の通信部13と直接無線通信で通信する通信接続手段84を備えて、使用者が通信端末80を化粧品50の蓋体53に近付け、待機状態にあった前記通信接続手段84が通信部13からの電波を捕捉する、もしくは、待機状態にあった通信部13が通信接続手段84からの電波を捕捉して、通信接続手段84と通信部13との間で通信状態が確立すると、プログラムを自動的に起動、実行させることにより、又は、使用者の操作でプログラムを起動、実行させられることにより、この通信端末80を通じて管理サーバ90と通信部13との間での情報のやり取り(通信)が行えるようにする構成とすることもできる。
管理サーバ90は、化粧品の残量があと数回の使用にも足りない量となっていると判断した場合、その化粧品を所有する使用者の端末として登録された通信端末80に、所定の購入促進情報を送信して、化粧品50の化粧料残量があと数回使用したら無くなる状態に至ったことと、新しい化粧品を所定の購入用サイト又はアプリ内購入プロセスで購入でき、且つ購入のタイミングによっては、現在使用中の化粧品が無くなる前に使用者の下へ新しい化粧品を納品可能であることなどをそれぞれ示す所定の報知を、使用者の通信端末80に実行させる。前記報知として、例えば、通信端末80の表示デバイス画面による案内表示や、音声出力による案内がなされることで、使用者に的確に情報を伝えられ、使用者に対し強力に新しい化粧品の購入を促すことができる。
また、管理サーバ90は、購入促進情報の送信により、使用者の前記通信端末80に、使用者による化粧品購入に係る入力用のユーザインターフェースを提供させ(例えば、購入用サイトや購入用アプリ内での化粧品購入に係る入力用コンテンツ画面表示を行わせる)、実際に使用者が化粧品購入の手続を行えるようにすることができる。この状態で、通信端末80に対し使用者により化粧品購入の入力がなされると、それを受けた通信端末80から、化粧品購入の手続がされた旨の情報が管理サーバ90に対し送信される。
管理サーバ90は、通信端末80から使用者により化粧品購入の手続がなされたとの情報を受け取ると、管理サーバ90自体又は管理サーバにより管理される決済サービス用の他のサーバで、使用者の購入手続に対する決済処理を実行して決済を成立させ、化粧品の納品処理、例えば、配送業者に、製造者や卸業者等の化粧品の在庫のある拠点から登録された使用者の居所まで、決済済みの化粧品を配送可能とするための指示情報を送信する処理、を進めることとなる。
最終的に使用者が使用していた化粧品50を納品された新品の化粧品と蓋体53以外を交換(又は納品された化粧料のパッケージから化粧料を取り出して容器本体52に補充)すると、状態検出部11での新たな上面位置の検出と、この新たな上面位置の情報が管理サーバ90に伝わることで、管理サーバ90は交換又は補充の完了を認定して、管理サーバ90による管理が、少なくとも化粧料が新品状態になっている化粧品50を対象として再開されることとなる。また、管理サーバ90は、使用者の通信端末80に対し、購入促進情報の送信により実行させていた使用者への報知を終了させる。
なお、管理サーバ90が使用者の通信端末80に対し購入を促す情報の報知を終了させるのは、管理サーバ90が交換又は補充の完了を認定した場合に限られるものではなく、使用者が通信端末80で化粧品の購入手続を行ったり、管理サーバ90で購入手続に対する決済が成立した場合でもかまわない。また、管理サーバ90の管理者の指示操作により、任意のタイミングで管理サーバ90から所定の通信端末80に指示情報を送信して報知を終了させることもできる。例えば、化粧品販売者など、化粧品の販売に係る管理サーバ90を含む購入用システムに関与して、管理サーバ90の取り扱い権限を与えられた管理者が、化粧品の使用者からの電話やメール等での連絡を受けて、管理サーバ90を操作して該当の使用者の通信端末80宛の報知終了指示情報の送信を実行させて、通信端末80における報知を終了させることができる。
これにより、例えば化粧品の正規の使用者が、化粧品を通信端末80による購入ではない別の購入方法で正規に入手しているにもかかわらず、使用者の通信端末80に購入を促す情報が送信されてくるような場合でも、化粧品の使用者がそうした状況を管理者に連絡すれば、管理サーバ90から通信端末80に解除情報を送信して、購入を促さない通常状態に復帰させられ、化粧品の入手方法によっては無用となる報知が行われる事態を防ぎ、新品の化粧品を既に購入して所有している使用者が、誤ってさらに通信端末80で新たな別の化粧品を購入するような、場合によって使用者にさらに負担を強いる状況を回避できる。
また、管理サーバ90が使用者の通信端末80に購入を促す情報を送信して報知を行わせるのは、使用者の使用で化粧品の化粧料が減少し、残量が所定の限度を下回った場合に限られるものではなく、管理サーバ90の管理者の指示操作により、任意のタイミングで管理サーバ90から所定の通信端末80に情報を送信させることもできる。例えば、化粧品販売者など、化粧品の販売に係る管理サーバ90を含む購入用システムに関与して、管理サーバ90の取り扱い権限を与えられた管理者が、管理サーバ90を操作して該当の使用者の通信端末80宛の情報送信を実行させて、通信端末80に購入を促す報知を行わせることができる。
この他、管理サーバ90が、化粧品50の化粧料残量があと数回使用したら無くなる状態に至ったのに合わせて、使用者の通信端末80に、新しい化粧品を通信端末80を介して購入できることを示す報知を実行させる際に、購入に合わせて所定の特典が付与されることを同時に報知させるようにして、化粧品の購入をより一層促すようにしてもよい。
次に、本実施形態に係る化粧品管理システムにおける化粧品の管理について説明する。前提として、化粧品50は、蓋体53に電源として内蔵された電池15の電源供給能力に問題はなく、化粧品の状態に係る第1の情報を状態検出部11で検出可能且つ通信部13で管理サーバ90と通信可能な状態にあり、使用しない状況では安定した平らな場所に載置されるものとする。
また、化粧品50の通信部13と情報をやり取りする管理サーバ90には、化粧品50とこれを使用する使用者があらかじめ登録され、また、化粧品50におけるその時点までの残量の情報が記録されているものとする。
なお、使用者とその使用者に所有され使用される化粧品との関連付けは、使用者による化粧品の最初の購入後、例えば、登録用のプログラムを起動した使用者の通信端末80による、化粧品容器又は包装パッケージに付加されたバーコードや二次元コードの読み取り、化粧品容器等に設けられた無線タグとの近距離通信による記録情報の取得などで、化粧品の情報を取得し、これを管理サーバに送信することで、使用者の化粧品としての登録がなされることとなる。
化粧品50は、使用されない状況では、通常は所定の決められた場所に載置され、使用者による使用を待つ状態にある。
実際に使用される際は、化粧品50は載置されていた場所から使用者に持ち上げられて離れ、手に取られた状態で、化粧品容器51の蓋体53を開放等操作されて化粧料を取り出された後、蓋体53を閉止して化粧品容器51を元の状態に復帰させた上で元の位置に戻されることとなる。
化粧品50の使用を経て、化粧料の減少する変化に伴って変化した、化粧品容器51内における化粧料の上面位置の値は、状態検出部11で第1の情報として検出され、この第1の情報が、情報記録部12から読み取られた化粧品50の識別用の第2の情報と共に、通信部13から管理サーバ90に向けて送信されることとなる。
化粧品50の蓋体53に内蔵されている電池は、必要最小限の容量であるため、例えば、1日に1回など所定の頻度で、状態検出部11が第1の情報を検出し、且つ、この検出と同時に情報記録部12から読み取られた第2の情報と、検出された第1の情報とを、通信部13がネットワーク100を介して管理サーバ90に送信して、電力消費を抑えるようにするのが好ましい。
管理サーバ90は、通信部13から送信された化粧品50に係る第1の情報と第2の情報をネットワーク100を介して受け取ると、第2の情報から化粧品50を特定し、あらかじめ登録されたその化粧品50における化粧料の量と上面位置との関係を用いて、第1の情報から化粧品50における化粧料の残量を算出する。そして、使用者が化粧品50を使用して化粧料が減少していくのに伴ってより小さい値に変化していくこの化粧品50の化粧料の残量と、新しい化粧品に交換すべき目安としてあらかじめ設定された残量の所定値とが比較されることとなる。
そして、管理サーバ90は、化粧品50の第1の情報に基づく化粧料の残量が、化粧品50を交換すべき目安となる残量に達したか否かを判別して、化粧品50が交換すべき状態にあるかを確認することとなる。
化粧品50を新品の状態から使用を開始してしばらくの間は、化粧品50の化粧品容器内部に化粧料が十分に存在する状態が続くことから、第1の情報に基づく化粧料の残量は上記の各条件に該当せず、化粧品50は交換すべき状態とは判定されない状態がそのまま維持されて、使用者による使用に供される状態が継続する(図4参照)。
一方、化粧品50の使用期間が長くなり、実際に化粧料が残り少なくなった状態を状態検出部11が第1の情報として検出し、この第1の情報に基づいて管理サーバ90で化粧品50における化粧料の残量が、化粧品50を新品に交換すべき目安となる残量の下限値に達したと判定すると、管理サーバ90は、使用者に化粧品50の新品の購入とこの新品への交換とを促す購入促進情報を、ネットワーク100を通じて化粧品50の使用者の通信端末80に送信する(図5参照)。
通信端末80は、管理サーバ90からの購入促進情報を通信手段85を通じて受け取ると、化粧品50の購入を促す報知を、例えば表示により行う。この時、化粧品50の使用者の通信端末80は、化粧品50の化粧料がほとんど無くなっており、化粧品を購入して現在のものと交換すべき状態に至っていることと、交換のための新しい化粧品50を通信端末80を使用して購入できることとをそれぞれ示す報知を実行する(図5参照)。
こうした通信端末80による報知に対応して、使用者が新しい化粧品50を購入して入手し、化粧品50における化粧料が完全に無くなった後、それまで使用していた化粧品容器51の蓋体53を新しい化粧品の簡易蓋54と置き換える、具体的には、蓋体53を使用済の化粧品の容器本体52から取り外すと共に、新しい化粧品の容器本体52から簡易蓋54を取り外して、蓋体53を新しい化粧品の容器本体52に取り付けるようにする(図6参照)。これにより、使用していた化粧品の新しい化粧品50への交換が完了する。
蓋体53を新しい化粧品の容器本体52に付け替えて再利用することにより、新品の化粧品は、検出部や通信部を有しない簡略な簡易蓋54を用いたリフィルとして入手できることとなり、化粧品の入手コストを抑えられる。ただし、これに限られるものではなく、使用済みの化粧品全体を新品の化粧品と交換するようにしてもかまわない。
こうして化粧品を新しい化粧品50と交換した場合、化粧料の新たな上面位置の値が状態検出部11で第1の情報として検出され、通信部13からこの第1の情報が管理サーバ90に送られる。この情報を受け取った管理サーバ90は、化粧品50の第1の情報である化粧料の上面位置のこれまでの値との大きな変化から化粧品50の交換を認定し、化粧品50ごとに記録していた化粧料の残量を初期値にし、この化粧品50の交換機会を新たな前回の化粧品50交換として残量の記録を再開する。
一方、使用者が、通信端末80による報知に接しても、化粧品50の購入を行わない場合には、化粧品50の化粧品50がそれほど時間をおかずに、使用限界に達する事態となって、使用者は化粧品50を使用し続けたい場合は化粧品50を入手せざるを得なくなる。化粧品50が空になって使用できない不便な状態を使用者が認識することで、次からは通信端末80による報知に応じて、使用者が化粧品50の購入、交換を決意することを促せる。
なお、化粧品50の使用にあたり、化粧料の品質は時間が経過しても特に変化のないものとして取り扱い、管理サーバ90で化粧料の残量に係る条件のみを設定し、管理を行うようにしているが、この他、使用者や化粧品の種類によっては、化粧品の使用頻度が少ないために使用が長期にわたる場合など、化粧料の経時変化による劣化が見込まれることから、使用開始からの使用期間に係る情報を管理サーバ90で取得し、こうした情報を用いて使用期間に係る管理を行い、化粧料の残量についての判別を行うのと合わせて、化粧品50の使用開始時からの使用期間が、化粧料の時間経過による劣化の点から化粧品50を新品に交換すべき目安となる所定の上限時間を超えたか否かの判別を行うようにし、使用期間が上限時間を超える場合は、化粧料の残量が所定下限値に達したと判定した場合と同様に、新品の化粧品の購入、交換を促すサービスとしての購入促進情報の通信端末80への送信を実行する構成とすることもできる。その場合、管理サーバ90は、化粧品50の使用期間等の情報以外に、化粧料の劣化に影響のある気温や湿度の情報等を収集、取得し、これらの情報に基づいて劣化度合いをより精度よく推測した上で、使用期間の上限をさらに調整制御するようにしてもかまわない。
また、化粧品50の使用にあたり、管理サーバ90で、前記第1の情報等に基づいて、化粧品の使用回数や1回の使用あたりの使用量を取得し、それらがあらかじめ設定された通常の使用回数や使用量と比較して多すぎたり少なすぎる場合には、適切な使用頻度や使用量に係る情報を管理サーバから使用者の通信端末80に送信し、通信端末80において化粧品50の使用量や使用頻度についての使用者に対するアドバイス情報(例えば、化粧品の使用過多又は使用過少を指摘し是正を促すなど)の報知を行うようにすることもできる。この場合、管理サーバ90は、多数の使用者ごとの化粧品の使用回数や1回の使用あたりの化粧料使用量の情報を収集してデータベース化し、それから目安となる使用回数や使用量を導いて、これらと使用者の使用回数や使用量と比較するようにしてもよい。
さらに、管理サーバ90は、使用回数や使用量の情報以外に、気温や湿度の情報、使用者の生体情報、使用者の運動履歴情報、又は、使用者の食事内容に係る情報等を収集、取得し、これらの情報に基づいてその時点の使用者や周囲の状況に適合した化粧品50の使用量や使用頻度についてのアドバイス情報を生成し、通信端末80で情報発信させるようにしてもかまわない。
このように、本実施形態に係る化粧品管理システムにおいては、使用者により使用される化粧品50について、状態検出部11で取得される化粧品50の状態に係る第1の情報と、化粧品50を識別するための第2の情報を管理サーバ90で収集し、管理サーバ90で使用者の使用する化粧品50ごとにその第1の情報、例えば、化粧品50における化粧料55の量に関する検出値、から、化粧品50の具体的な状態、例えば、化粧料55の残量、を算出又は推定して、こうした化粧品50の状態に応じたサービスを実行可能とすることから、例えば化粧品の化粧料が無くなった状態に対応して、使用者に化粧品の購入を促すようなサービス等を、実際の化粧品50における化粧料55の状態、例えば、化粧品50の化粧料55が間もなく無くなると考えられる状態、に基づいて行え、最適なタイミングでサービスを提供でき、化粧品50の購入を使用者に促す場合には購入が実現する可能性を高めることができるなど、使用者に化粧品50の使用を適切に継続させられる。また、使用者が化粧品50の使用を続ける中、管理サーバ90は化粧品50の状態に係る情報を取得して、使用者へのサービスを行うことで、使用者は容易且つ負担なくサービスを享受でき、使用者に化粧品50の購入を促す場合、使用者は必要最小限の手間で購入を実行でき、使用者に化粧品50の購入を躊躇させず、化粧品50の販売促進が図れる。
なお、前記実施形態に係る化粧品管理システムにおいては、通信部13の通信相手として第1の情報及び第2の情報を受取る管理部は、ネットワーク100を介して通信部13と情報をやり取りする管理サーバ90とされる構成としているが、これに限らず、図7に示すように、管理部として化粧品の使用者の通信端末80を用いる構成とすることもできる。
この場合、通信端末80は、通信部の通信相手として、通信部から第1の情報と第2の情報を受け取ると、これらの情報を記録し管理すると共に、各情報に基づいて、使用された化粧品の状態を取得し、化粧品の使用者を対象とする化粧品の状態に応じたサービスとして、使用者に対し化粧品の状態についての報知、例えば、化粧品における化粧料が無くなる直前に、化粧品における減少した化粧料の補充又は化粧品の新品との交換が望ましいといった内容の報知を行うこととなる。
こうして通信端末80が、使用者の化粧品の状態についての所定の報知を、使用者を対象として実行することで、化粧料が無くなりかけた状態の実際の検出に基づいて、適切なタイミングで使用者に化粧品の購入を促すことができ、使用者が化粧品の購入を決断しやすくして、使用者が化粧品を継続的に購入する可能性を大きくし、化粧品販売の利益につなげられる。
また、前記実施形態に係る化粧品管理システムにおいては、蓋体53に設けた状態検出部11で、化粧品の状態に係る第1の情報を検出し、この第1の情報を管理サーバ90に送信して、化粧品の管理に用いる構成としているが、この他、情報検出に関わる電池15の残量や状態検出部11の汚れ状態など、蓋体53で得られる他の各種情報についても管理サーバ90に送信して、こうした情報を管理サーバ90で活用したり、管理サーバ90から必要に応じて使用者の通信端末80に情報を送信して、通信端末80から使用者に各部の状態の報知を行わせる構成とすることもできる。さらに、蓋体53にLED等の発光により使用者に情報を報知可能な報知部を設けて、上記の電池15の残量や状態検出部11の汚れ状態等の他、化粧品50の化粧料55がほぼ無くなった状態といった情報を、報知部からの報知により使用者が把握可能な構成とするようにしてもよい。
(本発明の第2の実施形態)
前記第1の実施形態に係る化粧品管理システムにおいては、化粧品容器51の蓋体53に状態検出部11、情報記録部12、及び通信部13を設け、状態検出部11で容器本体52内部の化粧料55の量変化に伴って変わる化粧料上面位置の値を検出し、これを第1の情報として通信部13から管理サーバ90に送信し、管理サーバ90で化粧品における化粧料の残量を求め、残量に基づく使用者へのサービスを実行する構成としているが、これに限らず、第2の実施形態として、図8ないし図13に示すように、状態検出部22、情報記録部22、及び通信部23を化粧品容器51の容器本体52に設けて、状態検出部21が、第1の情報となる化粧品容器内部の化粧料55の量変化の状態を容器本体52の側から検出する構成とすることもできる。
なお、本実施形態における化粧品50は、前記第1の実施形態同様、化粧料55を内部に収める容器本体52、及び、この容器本体52を開閉可能とする蓋体53で形成される化粧品容器51を備えるものの、異なる点として、状態検出部21、情報記録部22、及び通信部23、並びにこれらに電力を供給する電池25が、容器本体52に内蔵される構成を有している。また、状態検出部21は、化粧料55より下側に位置して、化粧料55の重量を検出するものとされる。
こうした容器本体51に設けられる各部構成以外の化粧品50の構成については、前記第1の実施形態同様、化粧料55を化粧品容器51内に収めた公知の化粧品と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
前記状態検出部21は、化粧品容器51の容器本体52に設けられ、容器本体52内部の化粧料の量変化に伴って容器本体底部における重量又は圧力の変化した値を、化粧品の状態に係る第1の情報として検出可能とされる構成である。
詳細には、状態検出部21は、容器本体52内の化粧料55の下側となる容器本体52底部に設けられる。化粧料55は、使用によりその量を減らしていくが、この減少する変化に伴い、化粧料55の重量、すなわち、容器本体52底部に化粧料55から加わる圧力も小さくなる。状態検出部21は容器本体52底部でこの化粧料55から加わる圧力を計測し、その計測値を前記第1の情報として検出する(図10参照)。
この状態検出部21による化粧料55の圧力を計測する仕組みは、公知の圧力センサと同様のものであり、詳細な説明を省略する。
なお、状態検出部21で第1の情報として検出しようとしている、容器本体底部における重量又は圧力の変化した値としては、化粧料55の重量に対応して容器本体52底部に化粧料55から加わる圧力の値を検出するようにしているが、これに限られるものではなく、状態検出部21を重量センサとして、化粧料55の重量の値を直接検出することもできる。また、状態検出部21を、容器本体52の底部下側に、化粧品の載置面となるテーブルや台等の上面に一部接するように設けて、前記容器本体底部における重量又は圧力の変化した値として、化粧料55と化粧品容器51とを合わせた重量に対応する容器本体52底部から載置面に加わる圧力の値や、化粧料55と化粧品容器51の合計の重量の値を、検出するようにしてもかまわない。
前記情報記録部22は、前記第1の実施形態同様、前記第2の情報としての化粧品50を識別可能となる、この化粧品のみに割り当てられた所定の固有情報をあらかじめ電子的に記録されたメモリ等の所定の記録手段とされる一方、異なる点として、化粧品容器51の容器本体52に設けられる構成を有するものである。この容器本体52に設けられる点を除いて、情報記録部22は前記第1の実施形態と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
前記通信部23は、前記第1の実施形態同様、化粧品容器51の情報記録部22に記録された第2の情報、及び、状態検出部21で検出した第1の情報を、ネットワーク100を通じて管理サーバ90に送信可能とされる一方、異なる点として、化粧品容器51の容器本体52に設けられる構成を有するものである。この容器本体52に設けられる点を除いて、通信部23は前記第1の実施形態と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
前記管理サーバ90は、前記第1の実施形態同様、通信部23の一通信相手として、ネットワーク100を介して前記第1の情報、及び、第2の情報を受取り、これら各情報を記録し格納するサービスと共に、化粧品の使用者を対象とする化粧品の状態に応じた所定のサービスを実行可能とされるものである。
ただし、この管理サーバ90では、状態検出部21で検出されて通信部23から送信される第1の情報が、容器本体52底部における化粧料55から加わる圧力の計測値とされるのに対応して、化粧品容器51内の化粧料55の量とその化粧料55から容器底部に加わる圧力との関係を化粧品ごとにあらかじめ登録される仕組みである。この化粧料55の量と圧力との関係を用いて、管理サーバ90は、前記第2の情報に基づいて特定された化粧品50について、第1の情報から、使用により減少した状態で化粧品容器内に残っている化粧料55の量(残量)を算出することとなる。
次に、本実施形態に係る化粧品管理システムにおける化粧品の管理について説明する。前提として、化粧品50は、容器本体52に内蔵された電池25の電源供給能力に問題はなく、化粧品の状態に係る第1の情報を状態検出部21で検出可能且つ通信部23で管理サーバ90と通信可能な状態にあり、使用しない状況では安定した平らな場所に載置されるものとする。
また、化粧品50の通信部23と情報をやり取りする管理サーバ90には、前記第1の実施形態同様、化粧品50とこれを使用する使用者があらかじめ登録され、また、化粧品50におけるその時点までの残量の情報が記録されているものとする。
化粧品50は、使用されない状況では、通常は所定の決められた場所に載置され、使用者による使用を待つ状態にある。
化粧品50が使用される際は、前記第1の実施形態と同様、化粧品50は使用者に持ち上げられて載置されていた場所から離れ、手に取られた状態で、化粧品容器51の蓋体53を開放等操作されて化粧料55を取り出された後、蓋体53を閉止して化粧品容器51を元の状態に復帰させた上で元の位置に戻されることとなる。また、化粧品容器51がポンプタイプの場合には、化粧品50は、載置された位置から動かされずに、使用者の操作で、液状の化粧料の必要量を使用者の手の上に吐出するようにして使用される。
化粧品50の使用を経て、化粧料55の減少する変化に伴って変化した、化粧品容器51内の化粧料55からの圧力の値は、底部の状態検出部21で第1の情報として検出され、この第1の情報が、情報記録部22から読み取られた化粧品50の識別用の第2の情報と共に、通信部23から管理サーバ90に向けて送信されることとなる(図12参照)。
管理サーバ90は、通信部23から送信された化粧品50に係る第1の情報と第2の情報をネットワーク100を介して受け取ると、第2の情報から化粧品50を特定し、あらかじめ登録されたその化粧品50における化粧料55の量と化粧料55から加わる圧力との関係を用いて、第1の情報から化粧品50における化粧料55の残量を算出する。そして、使用者が化粧品50を使用して化粧料55が減少していくのに伴ってより小さい値に変化していくこの化粧品50の化粧料55の残量が、新しい化粧品に交換すべき目安としてあらかじめ設定された残量の所定下限値に達したか否かを判別する。
化粧品50の使用期間が長くなり、実際に化粧料が残り少なくなった状態を状態検出部21が第1の情報として検出し、管理サーバ90でこの第1の情報に基づく化粧品50における化粧料の残量が、化粧品50を新品に交換すべき目安となる残量の下限値に達したと判定すると、管理サーバ90は、前記第1の実施形態同様、化粧品50の新品の購入とこの新品への交換とを促す購入促進情報を、ネットワーク100を通じて化粧品50の使用者の通信端末80に送信する(図13参照)。
通信端末80は、管理サーバ90からの購入促進情報を受け取ると、前記第1の実施形態同様、化粧品50の購入を促す報知を実行する(図13参照)。こうした報知に応じて、使用者が新しい化粧品50を購入して入手し、化粧品50における化粧料が完全に無くなった後、新しい化粧品50を使用者が所有し使用する化粧品として登録する、具体的には、例えば新しい化粧品を包装するパッケージ又は化粧品容器に設けられた無線タグや二次元コード等として記録された情報を使用者の通信端末80で読み取り、この新しい化粧品の情報を通信端末80から管理サーバ90に送信すると、管理サーバ90で使用者の使用する化粧品として登録する処理が実行される。これにより、使用していた化粧品の新しい化粧品50への交換が完了する。
こうして化粧品を新しい化粧品50と交換した場合、新しい化粧品50における化粧料からの圧力の値が状態検出部21で第1の情報として検出され、通信部23からこの第1の情報が管理サーバ90に送られる。この情報を受け取った管理サーバ90は、化粧品50の第1の情報である化粧料からの圧力の値に基づいて、化粧品50の残量の算出と記録を前の化粧品の場合と同様に実行する。
このように、本実施形態に係る化粧品管理システムにおいては、化粧品50の容器本体52と蓋体53からなる化粧品容器51のうち、化粧料を収める容器本体52に状態検出部21を設けて、化粧品の状態に係る第1の情報として、容器本体52の底部における重量又は圧力を検出することから、得られた情報から管理サーバ90で容器本体52内に存在する化粧料の残量を的確に取得でき、精度の高い化粧料の残量に基づいて化粧品が交換を要する状態に至ったことをより精度よく判断して、使用者に対し適切なタイミングで購入を促すサービスを実行でき、使用者の化粧品の新品への置き換えを効率よく進められる。
なお、前記第1及び第2の実施形態に係る化粧品管理システムにおいては、化粧品容器51に設けた状態検出部11、21や通信部13、23の電源として、電池15、25を設ける構成としているが、これに限らず、化粧品容器51に極小の発電部を設け、化粧品容器51の蓋体53を開閉する動きや、化粧品容器がポンプタイプの場合にはノズル部を押し下げる動きを、発電のための動力として利用して発電し、得られた電力を直接又は一旦コンデンサ等に蓄電状態とした上で、状態検出部11、21や通信部13、23等に供給し、検出や通信を行う構成とすることもできる。
また、上記電源としての電池15、25に代えて、非接触給電(ワイヤレス給電)用の受電側コイル17、27を化粧品容器51の蓋体53又は容器本体52に設ける一方、化粧品容器51を載せられる台70や箱に受電側コイルと対をなす送電側コイル18、28を設けて、この送電側コイル18、28と蓋体53又は容器本体52の受電側コイル17、27との間で非接触給電を行い、受電側コイル17、27から蓋体53又は容器本体52に設けられた状態検出部や通信部等に電力を供給できるようにする構成とすることもできる(図14、15参照)。このようにすることで、化粧品容器51の取り扱い性を一般的な化粧品のものと同等に保ちながら、蓋体53又は容器本体52に電源としての電池を内蔵せずに済み、蓋体や容器本体のコストダウンが図れると共に、給電時間や部品寿命が比較的短い電池を用いることで生じる充電や交換等のメンテナンスも不要となり、それらの手間やコストを低減でき、特に複数の化粧品を取り扱う場合に、化粧品の管理に費やす労力を削減できるなど極めて有効である。
蓋体53又は容器本体52の受電側コイル17、27と、送電側コイル18、28との間では、電力伝送だけでなく非接触のデータ通信も可能であり、蓋体53又は容器本体52の状態検出部等で得られた情報を、受電側コイル及び送電側コイル間の通信を経て、ネットワークなど外部に取り出すようにしてもかまわない。
(本発明の第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る化粧品管理システムを前記図16ないし図20に基づいて説明する。本実施形態においては、使用していない時の化粧品を置く載置台に各検出部等を組み込んで、化粧品の状態検出等を実行可能としたシステムの例について説明する。
前記各図において本実施形態に係る化粧品管理システム3は、前記第1の実施形態同様、状態検出部31と、情報記録部32と、通信部33と、管理サーバ90とを備える構成を有する一方、異なる点として、化粧品50を載置する載置台60が設けられ、この載置台60に状態検出部31、及び通信部33を設けると共に、化粧品50を識別可能とする第2の情報を検出する化粧品検出部34を設けて、状態検出部31で検出した第1の情報としての化粧品50の重量の値と共に、化粧品検出部34で検出した第2の情報を、通信部33から管理サーバ90に送信し、各情報に基づいて管理サーバ90で化粧品における化粧料の残量を求め、これに対応したサービスを実行する構成とされるものである。
この化粧品管理システム3では、使用者の家など化粧を実際に行う場所に、化粧品50の使用されていない時の定位置として、化粧品50を上面の載置面61に載置する載置台60が設けられる。この載置台60内部に、前記状態検出部31と、通信部33と、化粧品検出部34とが設けられる仕組みである。
この他、載置台60には、状態検出部31、通信部33、及び、化粧品検出部34に電力を供給する電源としての電池35も内蔵される。なお、載置台60の電源としては、電池に限られるものではなく、載置台60に直接又はACアダプタ等を介して商用電源を接続し、電源として利用可能としたり、電池35の代わりに、非接触給電用の受電側コイルを載置台内に設けると共に、この載置台を載せる台や箱に受電側コイルと対をなす送電側コイルを設けて、この送電側コイルと載置台の受電側コイルとの間で非接触給電を行うことで、載置台に電力を供給する構成としてもかまわない。
前記化粧品50は、使用者に用いられる、液体やエマルション、固体微粒子などからなる化粧料55を、化粧品容器51内に収めたものである。
前記化粧品容器51は、化粧料55を内部に収める容器本体52、及び、この容器本体52を開閉可能とする蓋体53で形成される。
この化粧品容器51には、化粧品50を識別可能とする第2の情報が付与される。詳細には、化粧品容器51に、前記第2の情報としての前記化粧品50を識別可能な所定の情報を読み取り可能又は読み書き可能として記録された無線タグ等の情報記録部32が、例えば底面等への貼り付けや容器への埋め込み等により、設けられる(図17参照)。
化粧品50は、使用者に使用されていない使用待機状態で、載置台60の載置面61に、状態検出部31による検出に支障が無いように、容易に動かないようにして載置される。
こうした化粧品50の構成については、化粧品容器51に外部から情報を読み出せる情報記録部32が設けられる点を除けば、化粧料55を化粧品容器51内に収めた公知の化粧品と同様のものであり、詳細な説明を省略する。
なお、化粧品50は、載置台60の載置面61に載置するようにしているが、こうした載置台60のような台状のものに限られず、化粧品50を収める所定の箱に箱底面等として設けられた載置面に載置する構成とし、前記載置台60同様に設けられた状態検出部31で第1の情報としての化粧品50の重量を検出され、且つ通信部33で第1の情報及び第2の情報を管理サーバ90に送信されるようにすることもできる。
また、化粧品容器51への第2の情報の付与手段として、RFID技術を利用した無線タグを用いているが、これに限らず、磁気的に識別用情報を記録された磁性材料を用いたタグを化粧品容器51と一体に設ける構成とすることもできる。また、化粧品容器51と一体化されるタグを用いる構成の他に、化粧品容器51に付与された外観上の特徴点、例えば、容器表面に撮像又はスキャン可能に配設された、化粧品ごとに特有な、バーコードや二次元コード等の識別用コード、文字や数字等の識別用符号、容器の一部又は全体の特徴的形状などを、化粧品の識別のために用いることができる。
前記状態検出部31は、前記第1の実施形態同様、使用者による化粧料使用に伴って変化する化粧品50の状態に係る第1の情報を検出するものである。
より具体的には、状態検出部31は、載置台60に設けられて、この載置台60上の載置面61に載置した化粧品等の物体の重量を検出可能な重量センサとされる。状態検出部31は、使用者の化粧品使用で生じる化粧料の量変化に伴って変化し得る、載置面61上の化粧品50の重量の値を、化粧品50の状態に係る前記第1の情報として、検出する仕組みである。
この状態検出部31での重量の検出値に基づいて、管理サーバ90で時間の経過に伴う化粧品の重量変化を取得することで、化粧料の使用量や残量を算出可能としている。この他、使用者が化粧品を載置台60から持ち出して再び載置台60上に戻すまでの、状態検出部31における一連の重量検出状態の変化を管理サーバ90に取得、管理させるようにすれば、使用者が化粧品を手に取って使用した行動を判別可能となり、化粧品の使用回数としてカウントできる。
この他、状態検出部31を、載置台60の載置面61に加わる圧力を検出可能な圧力センサとし、使用者の化粧品使用で生じる化粧品容器の位置変化又は化粧料の量変化に伴って載置面において変化する下向きの圧力の値を、化粧品の状態に係る第1の情報として検出するようにしてもよい。
前記通信部33は、化粧品容器51から化粧品検出部34により検出された、化粧品を識別可能とする第2の情報、及び、状態検出部31で検出した第1の情報を、所定のネットワーク100を通じて前記所定の通信相手となる管理サーバ90に送信するものである。
通信部33は、載置台60に設けられ、状態検出部31及び化粧品検出部34と電気的に接続されて、状態検出部31からの第1の情報と化粧品検出部34からの第2の情報を受け取り可能とされてなり、必要に応じてネットワーク100に接続され、前記第1の情報と第2の情報とを送信可能とされる。
通信部33は、有線又は無線でLANやIP通信網等と接続し、これらを通じてネットワーク100に接続され、管理サーバ90との間で情報を送受信する仕組みである。通信部33をネットワークに接続する場合、その通信は、有線接続によるものの他、前記第1の実施形態同様、例えばIEEE 802.11シリーズやIEEE 802.15シリーズの規格方式等による無線通信や、いわゆるLPWANとされる各方式による省電力型の無線通信として行うことができる。通信部33が、例えばLPWAN(低消費電力広域無線通信)の技術を採用したものである場合、電力消費を抑えるため、ゲートウェイや基地局等を介してネットワーク100に接続して通信を行う頻度を、一又は数日に1回の割合とされる。
この他、通信部33は、化粧品の使用者により用いられるスマートフォン等の所定の通信端末80と近距離通信を行い、この通信端末80を介して管理サーバ90との通信を行うようにすることもできる。この場合、通信部33は、載置台60の所定距離以内に近付いた通信端末80との通信を可能にするものとされて、この通信端末80と通信可能な状態にある間、例えば、状態検出部31が使用者による化粧料使用に伴って変化する化粧品50の状態に係る第1の情報を検出するごとに、化粧品検出部34からの第2の情報と状態検出部31からの第1の情報を、一旦通信端末80に向け送信して、管理サーバ90に送る一方、通信端末80を通じて、管理サーバ90から送信される化粧料残量に係る情報等のデータを受信することとなる。こうした通信部33と通信端末80との通信は、ISO/IEC 18092等の規格方式による近距離無線通信や、例えばIEEE 802.11シリーズやIEEE 802.15シリーズの規格方式等による無線通信として行われる。
なお、通信端末80は、第1の情報を管理サーバ90に送る一方で、管理サーバ90から送信される化粧品購入に係る情報等のデータを受信して、使用者にそうした情報を報知することができる。
前記化粧品検出部34は、載置台60に設けられ、この載置台60上に載置された化粧品50の化粧品容器51から、この化粧品を識別可能とする第2の情報を検出するものである。
より具体的には、化粧品検出部34は、前記第2の情報として、化粧品容器51に設けられる情報記録部32に記録された化粧品識別用の情報を読み取って検出するものである。化粧品検出部34が化粧品容器51に設けられた情報記録部32から情報を検出する仕組みは、RFID技術によりタグの情報を読み取る公知のリーダと同様のものであり、詳細な説明を省略する。
この化粧品検出部34は、通信部33と電気的に接続されて情報をやり取り可能とされており、検出した第2の情報が通信部33を通じて外部に送信される仕組みである。
前記管理サーバ90は、前記第1の実施形態同様、通信部33の一通信相手として、ネットワーク100を介して前記第1の情報、及び、第2の情報を受取り、これら各情報を記録し格納するサービスと共に、化粧品50の使用者を対象とする化粧品50の状態に応じた所定のサービスを実行可能とされるものである。
ただし、この管理サーバ90では、状態検出部31で検出されて通信部33から送信される第1の情報が、載置台60の載置面61上における化粧品50の重量の計測値とされるのに対応して、化粧品50における化粧品容器51のみの重量を化粧品ごとにあらかじめ登録される仕組みである。この化粧品容器51のみの重量の値を用いて、管理サーバ90は、前記第2の情報に基づいて特定された化粧品について、第1の情報から、使用により減少した状態で化粧品容器内に残っている化粧料の量(残量)を算出又は推定することとなる。
また、管理サーバ90は、使用者とその所有する載置台60を識別、特定する情報をあらかじめ登録されて、使用者による化粧品50の使用に係る各情報を取得する際に、合わせて載置台60の情報を取得して、これに基づいて使用者を識別することもできる。
管理サーバ90においては、この管理サーバ90に送られる第1の情報及び第2の情報の送信間隔が十分に小さい場合には、使用者の化粧品の使用に係る操作を判別することができる。例えば、管理サーバ90は、第1の情報から、状態検出部31で検出する重量の値が化粧品全体の重量程度の大きさ分だけ急激に減少したものであると認定すると、使用者が化粧品を手に取ったと判断して、使用者による一回の化粧品使用としての認定を開始し、状態検出部31で新たな重量変化を検出するまでの経過時間をカウントしていく。
そして、使用者による化粧品の使用が終了し、使用者の化粧品を載置台60上に戻す操作がなされると、載置台60の状態検出部31からの第1の情報で示される重量の値が、載置面61への化粧品の再載置により急激に増大する変化に基づいて、管理サーバ90は、使用者の化粧品使用が終了したと判断して、使用者による一回の化粧品使用としての認定を終了し、使用回数をカウントすると共に、それまでの経過時間を一回の使用時間として記録し、さらに、化粧品再載置後の重量と使用開始前の重量とに基づく化粧料の各残量の差から、一回の使用における化粧品の使用量を算出することができる。
管理サーバ90は、前記第1の実施形態同様、化粧品50における化粧料の残量が化粧品を新品に交換すべき目安となる所定下限値に達したと判断して、購入促進情報を送信する場合に、その化粧品50の使用者が用いる端末としてあらかじめ登録された通信端末80に対して、必要に応じ通信状態を確立した上で、ネットワーク100を介して購入促進情報をメール送信やプッシュ通知等の手法でそれぞれ送信する機能を有している。
この管理サーバ90から情報を送信される通信端末80は、表示デバイス81及び入力デバイス82を備え、IP通信網と接続して通信するための無線通信手段83を有し、端末上でアプリケーションプログラムを実行可能な公知の装置である。
この通信端末80は、必要に応じて、IP通信網への接続用の無線通信手段83とは別の、載置台60の通信部33と直接無線通信で通信する通信接続手段84を備えて、使用者が通信端末80を載置部60の通信部33に近付け、待機状態にあった前記通信接続手段84が通信部33からの電波を捕捉する、もしくは、待機状態にあった通信部33が通信接続手段84からの電波を捕捉して、通信接続手段84と通信部33との間で通信状態が確立すると、プログラムを自動的に起動、実行させることにより、又は、使用者の操作でプログラムを起動、実行させられることにより、この通信端末80を通じて管理サーバ90と通信部33との間での情報のやり取り(通信)が行えるようにする構成とすることもできる。
次に、本実施形態に係る化粧品管理システムにおける化粧品の使用の管理と情報記録について説明する。前提として、載置台60は、安定した平らな場所に容易に動かないように設置され、電源として内蔵された電池35の電源供給能力に問題はなく、載置面61に載せた化粧品50について、第1の情報を状態検出部31で検出可能とされると共に、第2の情報を化粧品検出部34で検出可能とされ、且つ、通信部33で管理サーバ90と通信可能な状態にあるものとする。
また、載置台60の通信部33と情報をやり取りする管理サーバ90には、前記第1の実施形態同様、化粧品50とこれを使用する使用者があらかじめ登録され、また、化粧品50におけるその時点までの残量の情報が記録されているものとする。
化粧品50は、使用されない状況では、通常は載置台60の載置面61上の所定箇所に載置され、使用者による使用を待つ状態にある。
実際に使用される際は、化粧品50は使用者に持ち上げられて載置台60から離れた状態で、化粧品容器51を開放等操作されて化粧料を取り出された後、化粧品容器51を元の状態に復帰させた上で載置台60上に戻されることとなる。また、化粧品容器51がポンプタイプの場合には、化粧品50は、載置台60上から動かされることなく、使用者によりノズル部を上から押されて、液状の化粧料の必要量を使用者の手の上に吐出するようにして使用される。
化粧品50の使用を経て、化粧料の減少する変化に伴って変化した、化粧品50の重量の値は、載置台60の状態検出部31で第1の情報として検出される。また、化粧品容器51に設けられた情報記録部32から、化粧品50の識別用の第2の情報が載置台60の化粧品検出部34により読み取られる。これら第1の情報と第2の情報が、通信部33から管理サーバ90に向けて送信されることとなる(図19参照)。
管理サーバ90は、通信部33から送信された化粧品50に係る第1の情報と第2の情報をネットワーク100を介して受け取ると、第2の情報から化粧品50を特定し、あらかじめ登録されたその化粧品50の化粧品容器51のみの重量の値を用いて、第1の情報から化粧品50における化粧料の残量を算出する。そして、使用者が化粧品50を使用して化粧料が減少していくのに伴ってより小さい値に変化していくこの化粧品50の化粧料の残量が、新しい化粧品に交換すべき目安としてあらかじめ設定された残量の所定下限値に達したか否かを判別する。
化粧品50の使用期間が長くなり、実際に化粧料が残り少なくなった状態を状態検出部11が第1の情報として検出し、管理サーバ90でこの第1の情報に基づく化粧品50における化粧料の残量が、化粧品50を新品に交換すべき目安となる残量の下限値に達したと判定すると、管理サーバ90は、前記第1の実施形態同様、化粧品50の新品の購入とこの新品への交換とを促す購入促進情報を、ネットワーク100を通じて化粧品50の使用者の通信端末80に送信する(図20参照)。
通信端末80は、管理サーバ90からの購入促進情報を受け取ると、前記第1の実施形態同様、化粧品50の購入を促す報知を実行する(図20参照)。こうした報知に応じて、使用者が新しい化粧品50を購入して入手し、化粧品50における化粧料が完全に無くなった後、新しい化粧品50を使用者が所有し使用する化粧品として登録する、具体的には、例えば新しい化粧品50を今までの化粧品と置き換える形で載置台60に載せると、化粧品容器51に設けられた情報記録部32に記録された識別用の情報を第2の情報として載置台60の化粧品検出部34で読み取り、この新しい化粧品の第2の情報と載置台60を識別する情報を通信部33から管理サーバ90に送信すると、管理サーバ90で発信元である載置台60から所有する使用者を特定した上で、取得した第2の情報で特定される化粧品を、その載置台60を所有する使用者の使用する化粧品として登録する処理が実行される。これにより、使用していた化粧品の新しい化粧品50への交換が完了する。
この他、新しい化粧品を包装するパッケージ又は化粧品容器に設けられた無線タグや二次元コード等として記録された情報を使用者の通信端末80で読み取り、この新しい化粧品の情報を通信端末80から管理サーバ90に送信して、管理サーバ90で使用者の使用する化粧品として登録する処理を実行するようにすることもできる。
こうして載置台60上の化粧品を新しい化粧品50と交換した場合、新しい化粧品50の重量の値が載置台60の状態検出部31で第1の情報として検出され、通信部33からこの第1の情報が管理サーバ90に送られる。この情報を受け取った管理サーバ90は、第1の情報である化粧品50の重量の値に基づいて、化粧品50の残量の算出と記録を前の化粧品の場合と同様に実行する。
このように、本実施形態に係る化粧品管理システムにおいては、化粧品50を載せられる載置台60に状態検出部31を設け、この状態検出部31が、化粧品50の使用の前後で化粧品を載せる載置面61における重量を検出するものとされ、検出された重量を化粧品50の状態に係る第1の情報として通信部33で送信可能とすることから、化粧品50の使用に伴って生じる化粧品50の重量変化に基づいて、化粧品50を載置面61上に置けば状態検出部31で必要な情報を検出可能な状態が得られ、使用者の特別な操作も不要で有り、特に、載置面61を化粧品50を使用していない時に常に置く場所とすれば、化粧品50を使用のために載置面61から持ち上げ、使用後に載置面61上に戻す以外の操作は一切必要なく、化粧品50の取り扱いが極めて容易になる。
また、化粧品容器51が化粧品を識別可能とする情報を記録された情報記録部32を有するものとされ、この情報記録部32に記録された情報を化粧品検出部34が通信を経て第2の情報として検出し、第2の情報を通信部33から管理サーバ90へ送信可能とすることから、化粧品容器51を情報記録部32が付加されたのみの簡略な構造とすることができ、コストを抑えられると共に、化粧品検出部34が通信可能な範囲に化粧品50を位置させれば、化粧品の識別に必要な情報を検出可能な状態が得られ、使用者の特別な操作も不要である。さらに、情報記録部32は無線タグのような電源不要の簡易な記録手段であり、化粧品容器51への配設に特別な配慮が必要なく、化粧品容器51を簡略な構造とすることができ、コストを抑えられる。
なお、前記第3の実施形態に係る化粧品管理システムにおいては、載置台60上に載置して管理対象とする化粧品50を一つのみとする構成としているが、これに限らず、図21に示すように、載置台60上に複数の化粧品50、57を載置する構成とすることもできる。
この場合、前記実施形態同様の、各化粧品に設けられた無線タグ等である情報記録部32に記録された情報をリーダである化粧品検出部34が検出する仕組みを利用して、化粧品50が使用者により使用される際に、使用者に持ち上げられて載置台60から離れた状態となり、その化粧品50の情報記録部32の情報を化粧品検出部34で検出できなくなると、こうした変化を取得している管理サーバ90で、第1の情報を検出できない方の化粧品を使用されている化粧品として認定して、第2の情報に基づく残量の値を、使用されている化粧品のものとして記録し利用できるなど、複数の化粧品を管理する場合でも各化粧品を識別して化粧品ごとに残量等を把握できる。なお、リーダ側に複数のアンテナを用いる方式などの採用で、リーダである化粧品検出部34が無線タグである情報記録部32の位置も識別できる構成とした場合には、複数の化粧品ごとに設けられた情報記録部32から化粧品検出部34が各化粧品の位置の差異を認識して、各化粧品を直接識別することができ、化粧品ごとの管理をより容易に行える。
仮に、各化粧品に情報記録部としての無線タグが設けられない場合であっても、管理サーバ90において、使用の際の重量の変化と、記録された重量変化の履歴を照らし合わせて、より近い重量の変化が含まれる履歴を有する方の化粧品を、使用された化粧品として特定し、管理を行うことができる。
この他、化粧品50を使わない時に載置台60のような台状のものに代えて、箱状のものに収め、化粧品50を箱底面等として設けられた載置面に載置するようにする場合も、こうした箱に複数の化粧品を収める構成としてもかまわない。
一方、このような化粧品50を使わない時に載置する載置台60や箱に化粧品検出部を設け、各化粧品に付与した情報記録部の検出を行って化粧品を識別可能とする仕組みに代えて、図22に示すように、使用者の通信端末80における近距離通信機能を利用する仕組み、すなわち、通信端末80上で所定のプログラムを自動又は使用者の操作で起動、実行させて、近距離通信可能な状態となった通信端末80を一種の化粧品検出部(リーダ)として用いて、各化粧品50、59の情報記録部(タグ)32を検出し、化粧品の識別を行うようにすることもでき、簡易に複数の化粧品を識別して化粧品ごとの管理が行えることとなる。
また、前記第3の実施形態に係る化粧品管理システムにおいては、化粧品の化粧品容器に無線タグ等の情報記録部35を設けて、化粧品検出部34によるこの情報記録部35の検出に基づいて、載置台60上に載置した化粧品50を識別可能とする構成としているが、これに限らず、図23及び図24に示すように、化粧品の化粧品容器を、その化粧品を識別可能な外観上の特徴点を一部又は全体に有するものとし、化粧品検出部38で、こうした化粧品容器の一部又は全体の撮像又はスキャンを行い、化粧品容器の第2の情報としての特徴点を取得して、化粧品を識別可能とする構成とすることもできる。
この場合、具体的には、化粧品検出部38が撮像手段とされて、化粧品容器51に付与された外観上の特徴点としての、バーコードや二次元コード等の識別用コード58をスキャンしてそれらに含まれる情報を取得したり(図23参照)、容器表面に付された文字や数字等の識別用符号、あるいは容器の一部又は全体の特徴的形状などを、撮像して画像情報として取得して(図24参照)、これらが送信される管理サーバ90で化粧品の識別を行えるようにすることができる。
この他、載置台60に設ける状態検出部32を、載置面61における各位置に加わる圧力を計測可能な圧力センサとし、化粧品50を載置面61に載せた状態で得られる化粧品容器51から加わる圧力の分布状況の情報から、化粧品容器の底面形状を推定し、その特徴的な形状に基づいて、化粧品の識別を実行可能にするなど、状態検出部をなすセンサを一種の化粧品検出部として用いるようにしてもよい。
また、前記第3の実施形態に係る化粧品管理システムにおいては、載置台60に設けた状態検出部31で、化粧品の状態に係る第1の情報を検出し、この第1の情報を管理サーバ90に送信して、化粧品の管理に用いる構成としているが、この他、情報検出に関わる電池35の残量や、状態検出部31、通信部33、及び化粧品検出部34の自己診断状態など、載置台60で得られる他の各種情報についても管理サーバ90に送信して、こうした情報を管理サーバ90で活用したり、管理サーバ90から必要に応じて使用者の通信端末80に情報を送信して、通信端末80から使用者に各部の状態の報知を行わせる構成とすることもできる。さらに、載置台60にLED等の発光や音声出力により使用者に情報を報知可能な報知部を設けて、上記の電池35の残量や、状態検出部31等の異常状態の他、化粧品50の化粧料55がほぼ無くなった状態、といった情報を、報知部からの報知により使用者が把握可能な構成とするようにしてもよい。
さらに、前記第1ないし第3の実施形態に係る化粧品管理システムにおいて、管理サーバ90は、受け取った第1の情報に基づいて、化粧品の状態として化粧料の残量を取得し、新しい化粧品の購入促進等のサービスを実行するタイミングの判断に用いる構成としているが、この他、管理サーバ90で、化粧品の状態に係る第1の情報に基づいて、使用者の化粧品の使用回数をカウントして記録するようにし、この使用回数の情報を、化粧品の状態に応じたサービスの実行判断など、化粧品の管理に利用する構成とすることもできる。
この場合、使用回数の取得にあたっては、使用回数の判断材料となる化粧品の状態変化として、状態検出部で得られる、重量や圧力の変化、化粧料上面位置の変化及び位置計測不能状態発生等を用いることができる。この他、化粧品の状態変化としては、使用に伴う化粧品の動きや変位を捉えればよいことから、第1の情報を検出する状態検出部は、振動を検出するセンサとすることもできる。こうした振動センサや圧力センサを状態検出部11として用いて使用回数を得るようにすると、重量センサのような高精度のセンサを使用しなくても化粧品の管理を十分に行えることとなり、システムのコストを抑えられる。
なお、化粧品の一回あたりの化粧料使用量は、各使用者においてはほぼ一定であると見込めることから、管理サーバ90で使用者による化粧品の使用回数を取得し、化粧品における化粧料の当初量と化粧品の一回あたりの使用量の情報とから予想される使用可能回数に基づいて、化粧品を新品に交換すべき使用回数に達したか否かを判別することができる他、同じ使用者の化粧品の一回あたりの使用量の情報と現在までの使用回数の値とを用いて、管理サーバ90は化粧品の総使用量及び残量を推定でき、こうして得た残量の値により化粧料の残り少ない状態を判別することもできる。