JP7421055B2 - シートバックフレーム - Google Patents
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Description
また、燃費向上等のために車両の軽量化が進む中、車両用シートにも軽量化が求められている。
また、シートバックフレームのフレーム材にパイプを用いると、シートバックフレームが重くなり、記載のシートバックパネルでは、サイドフレームとロアーフレームとが接続されていないなど、車両用シートの軽量化を図れない場合がある。
パネル材と、少なくとも前記パネル材の外周縁部に接合されたフレーム材とを備えたシートバックフレームであって、
前記フレーム材は、平面部を有する断面ハット形の開断面形状とされており、前記平面部から前記パネル材に向かって立ち上げられた一対の側壁部が、前記パネル材に向かうに従って幅広になるように形成されており、かつ、前記各側壁部にそれぞれ段が形成され、前記一対の側壁部のうち一方の前記側壁部に形成された前記段の前記パネル材からの高さは、他方の前記側壁部に形成された前記段の前記パネル材からの高さと異なることを特徴とする。
前記パネル材は、前記パネル材に接合され上下方向に延在する前記フレーム材で複数の区画に分けられており、
前記各区画における前記ビードの複数の前記幾何学形状は、隣接する前記各区画で互いに上下方向にずれた位置に配置されていることを特徴とする。
そのため、このようなフレーム材を用いたシートバックフレームやそれを用いて構成される車両用シートを、剛性を維持、向上させつつ、軽量化を図ることが可能となる。
図示を省略するが、シートバックは、シートバックフレーム10の前方にクッションパッドが配置され、それらが表皮によって被覆されて構成される。そして、クッションパッドに凹凸を付けたり表皮の縫目を付けたりすることで、車両用シートに着座する乗員の着座領域が分けられている。
また、本発明は、シートバックが2人掛けの部分と1人掛けの部分とに分離されておらず1つの3人掛けの(又は2人掛けの)シートバックとして形成されている場合にも適用される。また、1人掛けの車両用シートのシートバックフレームにも適用される。
また、図1では、シートバックの中央部分のシートクッション等が、下端部に設けられた軸部材50、50を中心に前方に揺動可能とされており、前方に倒れされた状態でアームレストとして機能し得るように構成されている場合が示されている。
パネル材20(パンフレームとも言う。)は、スチールやアルミ合金等の金属板であり、正面視において矩形状に形成されている。このパネル材20は、矩形の各辺が左右方向や上下方向に向くように配置されている。
また、パネル材20の前面の、サイドフレーム33、33の間の部分に、上下方向に延在するミドルフレーム材34、34、34がそれぞれパネル材20に接合されて取り付けられている。
なお、これらのフレーム材30(31~34)については、後で詳しく説明する。また、これらのフレーム材30はパネル材20にレーザー溶接により接合されているが、この点についても後で説明する。
なお、ビードとは、パネル材20の前面から前方に膨出するように構成された凸条(レール状)の構造である。
また、本実施形態では、図1に示すように、ビード21を、その幾何学形状(本実施形態では主に台形を組み合わせた形状)が上下方向で対称になるように配置することで、パネル材20の剛性のさらなる向上が図られている。
このように構成することで、ビード21によるパネル材20の剛性が維持された状態で、パネル材20の軽量化を図ることが可能となる。
また、図2に示すように、パネル材20の各区画20A~20Bにおけるビード21の複数の幾何学形状を、隣接する各区画(区画20Aと20Bや区画20Bと20C)で互いに上下方向にずれた位置に配置するように構成することも可能である。
このように構成すれば、ねじれや折れに対するパネル材20の剛性をより向上させることが可能となる。
また、パネル材20の中央の区画20Bの下側には、前述したように、シートバックの中央部分のシートクッション等を前方に揺動させてアームレストとする際の揺動軸となる軸部材50、50が取り付けられている。
そして、フレーム材30(32~34)は、平面部を有する断面ハット形の開断面形状とされており、平面部からパネル材20に向かって立ち上げられた一対の側壁部が、パネル材20に向かうに従って幅広になるように形成されており、かつ、各側壁部にそれぞれ段が形成されている。
以下、具体的に説明する。
そして、サイドフレーム材33の各側壁部33B、33Bには、それぞれ段33C、33Cが形成されている。また、各側壁部33B、33Bの端部には、サイドフレーム材33をパネル材20に接合するためのフランジ部33D、33Dがそれぞれ形成されている。
そして、平面部34Aからパネル材20に向かって立ち上げられた一対の側壁部34B、34Bは、パネル材20に向かうに従って幅広になるように形成されており、それぞれ段34C、34Cが形成されている。また、各側壁部34B、34Bの端部にフランジ部34D、34Dがそれぞれ形成されている。
なお、ミドルフレーム材34やロアーフレーム材32においても、サイドフレーム材33と同様に、段34C、34Cのパネル材20からの高さが同じ高さになるように構成することも可能である。また、サイドフレーム材33において、段33C、33Cのパネル材20からの高さが互いに異なるように構成することも可能であり、フレーム材30の構造は適切な構造が適宜選択される。
なお、実施例としては、図3(A)、(B)に示したサイドフレーム材33のように構成したものを用い、比較例1~4としては、図5(A)~(D)に示した断面形状を有するものを用い、いずれも材質は一般冷間圧延鋼板(SPCC)である。また、ねじれ剛性は二次極モーメントを計測した。なお、図5(A)~(D)は断面形状を示すものであり、厚さ等は実際の値が反映されていない。
そして、フレーム材30は、フランジ部33D(34D)を介してレーザー溶接によりパネル材20に接合されて取り付けられる。
また、このようなシートバックフレーム10を用いて構成される車両用シートも、剛性を維持、向上させつつ、軽量化を図ることが可能となる。
そこで、図1に示すように、パネル材20の下側の左右の角部に、ロアーフレーム材32とサイドフレーム材33とを連結する連結ブラケット40を設けるように構成することが可能である。
また、アッパーフレーム材31とサイドフレーム材33やミドルフレーム材34とが連結される部分に連結ブラケット40を設けるように構成することも可能である。
また、連結ブラケット40は、その中央部分がパネル材20側(すなわち後方)に向かって窪んだ凹部43とされている。本実施形態では、連結ブラケット40の凹部43は、長円状に窪むように形成されている。
また、連結ブラケット40の端部部分には、パネル材20に向かって突出する爪部44が形成されている。
そして、連結ブラケット40の凹部43の背面側をパネル材20に当接させると、連結ブラケット40の凸部41がロアーフレーム材32と当接して、図1に示すように凸部41とパネル材20との間でロアーフレーム材32を挟み付ける状態になる。また、連結ブラケット40の凸部42がサイドフレーム材33と当接して、凸部42とパネル材20との間でサイドフレーム材33を挟み付ける状態になる。
また、連結ブラケット40の凹部43の背面側をパネル材20に当接させると、連結ブラケット40の爪部44がパネル材20に当接する。
なお、本実施形態のように、連結ブラケット40の凹部43を長円状に窪むように形成することで、連結ブラケット40の成形性が向上するとともに、連結ブラケット40をパネル材20に容易にレーザー溶接することが可能となる。
しかし、アッパーフレーム材31も、ロアーフレーム32やサイドフレーム33、ミドルフレーム34等と同様に図3(A)、(B)や図4(A)、(B)に示したように構成することも可能である。
図7は、シートバックフレーム10のうち2人掛けの部分のアッパーフレーム材31の平面図である。
以下、具体的に説明する。
そのため、アッパーフレーム材31は、サイドフレーム材33やミドルフレーム材34と交差する部分A~Cが、サイドフレーム材33やミドルフレーム材34の外形に沿って前方に湾曲するように構成されている。
なお、図7において、符号Aはアッパーフレーム材31とサイドフレーム材33とが交差する部分、符号B、Cはアッパーフレーム材31とミドルフレーム材34とが交差する部分を表している。
また、アッパーフレーム材31をサイドフレーム材33やミドルフレーム材34の外形に沿って湾曲させているため、アッパーフレーム材31とサイドフレーム材33やミドルフレーム材34とをレーザー接合等により接合することでそれらを強固に結合させることが可能となり、シートバックフレーム10の剛性をより向上させることが可能となる。
このように構成すれば、アッパーフレーム材31を2本に分ける場合に比べて、アッパーフレーム材31を1本で構成するため剛性を向上させることが可能となり、シートバックフレーム10の剛性をより向上させることが可能となる。
その際、図7に示すように、ヘッドレストピラー保持部51等が取り付けられるアッパーフレーム材31の部分Dを前方に膨出させ、その膨出部Dにヘッドレストピラー保持部51を取り付けることで、アッパーフレーム材31にヘッドレストピラー保持部51等を容易かつ的確に取り付けることが可能となる。また、膨出部Dを設けることで、アッパーフレーム材31の剛性をより向上させることが可能となる。
この場合は、例えば、図7に示すようにアッパーフレーム材31の前面を窪ませて凹部曲面E、Eを形成し、図8に示すようにその凹部曲面E、Eにヘッドレストピラー52を当接させてレーザー溶接等で取り付けるように構成することが可能である。
そのため、ヘッドレストピラー52をアッパーフレーム材31に確実に取り付けることが可能となる。
この場合、ヘッドレスト60は、例えばスチールやアルミ合金等の金属板等で前面61や上面62、側面63等がプレス加工等で一体成形された箱形に形成することが可能であり、例えば、後方にパネル材20への取付部64、左右の側面63の後ろ側にアッパーフレーム材31への取付部65、65をそれぞれ備えるように構成することが可能である。
このヘッドレスト60の構成例においても、下面側に開口部67が設けられている。そして、前面61や左右の側面63の下端部分に内側に向けて延びるフランジ68が形成されている。このようにヘッドレスト60の前面61や左右の側面63の下端に内向きにフランジ68を形成することで、ヘッドレスト60の剛性を向上させることが可能となる。
このように、ヘッドレスト60の前面61や側面63からフランジ68にかけて切欠き69を設けることで、ヘッドレスト60を曲げ加工してフランジ68を形成する際にフランジ68部分等にシワが発生することを防止することが可能となる。なお、図10(A)等では切欠き69をヘッドレスト60の前面61と側面63の両方に設けた場合が示されているが、切欠き69をヘッドレスト60の前面61のみ、あるいは側面63のみに設けることも可能である。また、前面61や側面63に設ける切欠き69の数は適宜決められる。
そして、例えば連結部70の数か所を上方に膨出させるなどして連結部70にビード71を形成することで、連結部70の剛性を向上させることが可能となる。
また、ヘッドレスト60の上面62に設けられる溶接治具用位置決め穴72(図10(B)参照)は、上面62の適宜の位置に適宜の数だけ設けられる。
シートベルト取付部53はアッパーフレーム材31の所定の取付位置F(図7参照)に取り付けられるが、その際、シートベルト取付部53を取り付けやすくするために、アッパーフレーム材31の取付位置Fに膨出部を設けたり凹部を設けたりすることも可能である。
本実施形態では、ストライカー54、56は、以下のようにしてシートバックフレーム10に取り付けられている。
ストライカー54は、金属の丸棒からなる一本の線材を枠状に曲げ加工して形成されており、両端部54A、54Bがそれぞれプレス加工によって平板状とされている。
そして、ストライカー54の下側の端部54Aが補強板55の前面にレーザー溶接で接合されており、ストライカー54は、補強板55の開口やパネル材20の切り欠き20aに挿通されて、パネル材20の後方に伸びている。
本実施形態では、このようにして、ストライカー54が、シートバックフレーム10の上側の部分に、後方に突き出るように取り付けられている。
そのため、本実施形態では、図1や図12(A)に示すように、ストライカー54の上側の端部54Bが下向きではなく斜め下向きとされている。このように構成することで、ストライカー54の端部54Bとアッパーフレーム材31との接合位置が、ストライカー54のロック機構との係合部54Cと重ならなくなり、接合位置にレーザーを容易かつ的確に照射することが可能となる。
ストライカー54と同様に、ストライカー56も金属の丸棒からなる一本の線材を枠状に曲げ加工して形成されており、両端部56A、56Bがそれぞれプレス加工によって平板状とされている。
また、アッパーフレーム材31は、パネル材20の開口部20bに対応する部分のフランジ部31aが上下方向にそれぞれ張り出した張出部31b、31bがそれぞれ形成されている。
本実施形態では、このようにして、ストライカー56が、シートバックフレーム10の上側の部分に、後方に突き出るように取り付けられている。
また、ストライカー54、56の構造等も、本実施形態のように金属の丸棒からなる一本の線材を曲げ加工し、両端部をそれぞれプレス加工して平板状とした構造に限定されず、他の構造を採用することが可能である。
そして、パネル材20に切り欠き20cを設けておき、パネル材20の切り欠き20cにストライカー57を嵌め込み、フランジ部57Bの背面側をパネル材20に接合することで、ストライカー57をパネル材20に取り付けるように構成することが可能である。
その際、ストライカー57のフランジ部57Bの厚み分だけパネル材20を窪ませたり、或いはアッパーフレーム材31の方をストライカー57のフランジ部57Bの厚み分だけ窪ませるようにして、アッパーフレーム材31をパネル材20に確実に接合するとともに、ストライカー57をパネル材20に的確に取り付けるように構成することが望ましい。
そして、このように構成すれば、ストライカー57をプレス加工で形成することが可能となるため、ストライカーを金属の丸棒等で形成するよりも安価にかつ軽量に形成することが可能となる。
そこで、図示を省略するが、本実施形態に係るシートバックフレーム10の製造工程では、ビード21や孔22等が形成されたパネル材20に対して、各フレーム材30(アッパーフレーム材31やロアーフレーム材32、サイドフレーム材33、ミドルフレーム材34等)や連結ブラケット40、必要部品(ヘッドレストピラー保持部51やヘッドレストピラー52(或いはヘッドレスト60)、シートベルト取付部53、ストライカー54、56等)を図示しない治具を用いて所定の各位置に配置し、パネル材20の背面側からレーザーを照射して予め決められた溶接箇所を一気にレーザー溶接することでシートバックフレーム10を製造するようになっている。
その際、例えば、レーサー溶接とともに例えばアーク溶接等を併用するように構成することも可能である。また、アッパーフレーム材31に対するヘッドレストピラー保持部51の溶接など、背後にパネル材20があるとレーザー溶接しにくくなる(或いはレーザー溶接できなくなる)場合は、パネル材20のその部分に孔や切り欠き等を適宜設けてパネル材20がレーザー溶接の邪魔にならないように構成することが可能である。
例えば、シートバックフレーム10の剛性等を損なわない範囲で、パネル材20や各フレーム材30、連結ブラケット40、必要部品等に孔や切り欠き等を設けて、軽量化を図るように構成することも可能である。
20 パネル材
20A~20C 区画
21 ビード
22 孔
30 フレーム材
31 アッパーフレーム材
32 ロアーフレーム材
33 サイドフレーム材(サイドフレーム材、上下方向に延在するフレーム材)
33A、34A 平面部
33B、34B 側壁部
33C、34C 段
34 ミドルフレーム材(上下方向に延在するフレーム材)
40 連結ブラケット
41、42 凸部
43 凹部
44 爪部
60 ヘッドレスト
67 開口部
D 膨出部
Claims (13)
- パネル材と、少なくとも前記パネル材の外周縁部に接合されたフレーム材とを備えたシートバックフレームであって、
前記フレーム材は、平面部を有する断面ハット形の開断面形状とされており、前記平面部から前記パネル材に向かって立ち上げられた一対の側壁部が、前記パネル材に向かうに従って幅広になるように形成されており、かつ、前記各側壁部にそれぞれ段が形成され、
前記一対の側壁部のうち一方の前記側壁部に形成された前記段の前記パネル材からの高さは、他方の前記側壁部に形成された前記段の前記パネル材からの高さと異なる
ことを特徴とするシートバックフレーム。 - 前記パネル材の下端部に接合され左右方向に延在する前記フレーム材であるロアーフレーム材と、前記パネル材の左右端部に接合され上下方向に延在する前記フレーム材であるサイドフレーム材とを連結する連結ブラケットを備えることを特徴とする請求項1に記載のシートバックフレーム。
- 前記連結ブラケットは、前記ロアーフレーム材及び前記サイドフレーム材とそれぞれ当接する各端部部分が前記パネル材から離れる方向に突出した凸部とされ、中央部分が前記パネル材側に向かって窪んだ凹部とされていることを特徴とする請求項2に記載のシートバックフレーム。
- 前記連結ブラケットの前記凹部は、長円状に窪むように形成されていることを特徴とする請求項3に記載のシートバックフレーム。
- 前記連結ブラケットは、端部部分に、前記パネル材に向かって突出し、前記パネル材と接合される爪部が形成されていることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のシートバックフレーム。
- 前記パネル材の上端部に接合され左右方向に延在するアッパーフレーム材は、前記パネル材に接合され上下方向に延在する前記フレーム材と交差する部分が、前記上下方向に延在する前記フレーム材の外形に沿って湾曲されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のシートバックフレーム。
- 前記アッパーフレーム材が、少なくとも1本の前記上下方向に延在する前記フレーム材を跨ぐように配置されていることを特徴とする請求項6に記載のシートバックフレーム。
- 前記アッパーフレーム材は、前記パネル材から離れる方向に膨出する膨出部を有していることを特徴とする請求項7に記載のシートバックフレーム。
- 前記アッパーフレーム材にはヘッドレストが取り付けられており、前記ヘッドレストは、少なくとも下面側に開口部を有していることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のシートバックフレーム。
- 前記パネル材には、ビードが複数の幾何学形状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のシートバックフレーム。
- 前記複数の幾何学形状のうち上下に隣り合う幾何学形状が上下対称であることを特徴とする請求項10に記載のシートバックフレーム。
- 前記ビードの前記幾何学形状の中央部分に孔が形成されていることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載のシートバックフレーム。
- 前記パネル材は、前記パネル材に接合され上下方向に延在する前記フレーム材で複数の区画に分けられており、
前記各区画における前記ビードの複数の前記幾何学形状は、隣接する前記各区画で互いに上下方向にずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか一項に記載のシートバックフレーム。
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